「……………?」

その日、宮本探偵事務所のメンバーの大多数がお出かけしていた。

アリサが管理局との話し合いに出かけ、チンクとセッテが護衛として同行。

ウェンディがスバル達の所へ遊びに行くと言いだし、セインとノーヴェが連れて行かれた。

ディエチは朝から行方知れず。恐らくどこかのビルの上で景色でも眺めている事だろう。

オットーは事務所でお掃除中。

所長である良介は屋上で剣を振るっている。

そんな中、お部屋の掃除をしていたディードが、白い紙袋に気づいた。

「………私のじゃない」

ではオットーのか? と考えるが、彼女がこんな紙袋を持っていた記憶は無い。

誰かが間違えて置いて行ったのかと考え、とりあえず中身を見てみる。

「…………耳?」

紙袋の中に入っていたのは、ディードの呟き通りの、耳。

と言っても、サイコ的な切り落とされた耳が〜なんて話ではない。

フカフカした、白い毛で覆われた長い耳。

「……ウサギの耳かな…?」

実物を見たことが無いディードが、記憶の中で該当する動物を思い出した答えが、ウサギだった。

以前、ミヤが瞳を輝かせて見ていた番組、『タロミケ』というミッドを中心とした世界の動物の中で、

ペットとして人気の動物を紹介する番組。

その中で、ウサギやそれに類する動物が紹介されていたのを思い出した。

ぴょこぴょこと動く耳が可愛らしくて、思わず齧り付きでテレビを見ていたものだ。

「でも、どうして耳が…?」

首を傾げつつ、耳を袋から取り出す。

白いモコモコの耳は、カチューシャに繋がっており、それを頭に付ければウサミミ装備となるようだ。

それと手にとって凝視するディード。

それはもう、穴が開いて床まで貫通するのではないかと思える程に。

そして視線をチラリと大きな姿見の鏡へと向ける。

「………っ」

ゴクリと喉を鳴らし、自分のカチューシャを外す。

そして、震える手でウサミミ付のカチューシャを頭へ。

シャキーンという謎の効果音と共に姿見に映るのは、ウサミミを付けたディード。

通称、うさディードだった!

「こ、これは……」

頬を赤く染めて、自分の姿を凝視するディード。

自慢ではないが、それなりに自分の容姿には自信があるディード。

伊達に双子の姉やらに切望の眼差しを受けていない。

そんなディードの頭には、何故かぴこぴこ動くウサミミ。

頬を染めてモジモジしているディードの姿を相まって、とんでもねぇ破壊力を叩き出している。

この姿だけで魔王に勝てると豪語する猛者も大量発生する事だろう。

実際に勝てるかどうかは別問題として。

「に、似合っているのかな……」

生憎そこまで自分に自信がないのか、ウサミミをぴこぴこさせつつ首を傾げるディード。

何故ウサミミが動くのかは不明。きっとそういう仕様なのだろう、そう思っておけば幸せになれる。

「……あ、服…」

白いウサミミに、野暮ったい服装は似合わないのではと気づいたディード。

そこで、この前デパートで姉であるチンクの真似をして購入した白いワンピースに着替えてみる。

少量のフリルがついた白いワンピースを着たディードは、何となく高原の療養所とかが似合いそうな、
儚げな、それでいて清楚な雰囲気を醸し出していた。

その中身が小動物系なのもポイントが高い。

驚くとツインブレイズで切り掛かって来る事もあるが。

「こんな感じで…どうだろう…」

良介も絶賛(数の子達はそう思っている)した長い髪に、小さな白いリボンもつけてみる。

アリサから、女の子ならオシャレをしないさいと厳命されているので、そこそこの装飾品も持っているのだ。

そして出来上がったのは、可愛らしい白兎娘ことうさディード。

うさは平仮名がジャスティスだ。

「………何か足りないような…?」

完成したはいいが、微妙に何かが足りない。

別に無くても問題ないのだが、無ければ無いで寂しい。

そんな何か。

唸りつつ紙袋を覗けば、そこには白い毛玉が一つ。

野球ボール大のそれは、微妙に丸くない。

「……尻尾?」

なんとなく、ウサギの尻尾に思えたディード。

毛玉には肌や衣服にピタっと張り付く部分があり、オズオズとそれをお尻の上辺りに貼り付けてみる。

そして完成するパーフェクトうさディード。

正に完璧、正に究極、同じパーフェクトジオングなんて目じゃないぜな威力を誇るその姿。

リックドムの足では勝てない、その破壊力を叩き出す何故かぴょこぴょこ震える尻尾。

自分で自分が可愛いと本気で思ってしまうディード。

鏡の前で控えめにポーズをとりつつ、ふとミヤが披露した知識を思い出す。

『ウサギさんは寂しいと死んでしまうのですよ。だから寂しい思いはさせてはいけませんよ、リョウスケ』

『そのウサギは誰の事を言ってるんだお前は』

その言葉を思い出し、頬をさらに赤く染めるディード。

モジモジ具合に加速が掛かり、耳と尻尾の動きも激しくなる。

「えっと――り、リョウスケさん…ウサギは寂しいと死んでしまうので……可愛がってください…ウサ…」

なんて、普通の男が言われたら全身の穴と言う穴から赤い液体を噴出してしまう言葉を鏡に向かって言うディード。

その自分の行動を思い返し、頬に手を当ててイヤンイヤンと悶えるディード。

「―――――――――」

「うぅ〜〜〜〜〜〜………はっ!?」

悶えていたディードがふと気配に気づくと、そこには扉を開けたままの状態で硬直しているディエチの姿。

暫く停止する二人の時間。

「…………み、見ましたか…?」

顔を赤らめつつ問い掛けるディード。

「…………………………」

その問いに答えずに、つつつつつーーーとフレームアウトするディエチ。

「ま、待ってくださいディエチ姉様、これは、その違うのです、ちょっとした出来心と言いますか、その、話を聞いてくださいっ!!」

ボンッという音と共に真っ赤になって叫ぶディード。

しかし追いかけたものの、ディエチは既に廊下に居らず、階段を駆け下りて外へと飛び出していく音だけが聞こえてきた。

「あ、あぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜……み、見られてしまいました……」

ガックリと崩れ落ちるディード。

頭のウサミミまで、絶望したとばかりに垂れてしまった。













「ん? ありゃぁディエチか…?」

屋上で素振りをしていた良介が、玄関から飛び出していく少女の姿を見咎めて素振りを止める。

何やら焦った様子で商店街がある方へと走るディエチ。

流石は戦闘機人と言うべきか、あっと言う間に見えなくなった。

「何急いでたんだアイツ…? っと、もうこんな時間か」

ふと置いてあった時計を見ると、既にお昼の時間。

本日はアリサを始めとしてお料理が得意な面々が居ないので、どこかに食べに行くこうかと考えていた。

今現在事務所には、良介とオットー、ディード、そしてディエチが居たのだが、そのディエチは何処かへ行ってしまった。

因みにミヤは本日ははやての元へ出張中である。

「さーて、何を食いに行くか。海鳴だったらラーメンとか蕎麦なんだがなぁ…」

生憎とクラナガンにはまだ美味いラーメン屋も蕎麦屋も無かった。

近年、管理外世界の食文化が増え始めてはいるが、良介に言わせればまだまだだそうな。

「オットーは事務所の掃除するって言ってたから下だな。ディードは――――うおっ!?」

ディード達の部屋へと足を進めた良介は、部屋から漏れ出す謎のオーラにビビる。

言い表すなら、恥と絶望感に溢れた鬱オーラ。

「な、何故だ、このオーラを見ていると、エロ本を母親に発見された上に丁寧に机の上に置かれている光景を幻視してしまうのは!?」

通称、母の(要らぬ)心遣い。

やられたら暫くは立ち直れないこと確実だ。

近寄りたくないものの、そこは良介、好奇心からオーラの中を進んでいく。

そして少し開いたドアから中を覗くと――――


「くすん……見られた…見られてしまった……ぐす…っ」


――――部屋の隅で体育座りしてぷるぷる震えて泣いているディードが居た。

ウサミミ装備で。

「――――何があったんだよ……」

「――っ!? りょ、リョウシュケしゃんっ!!」

「いや、言えてねぇ言えてねぇ」

突然声をかけられて驚いたのか呂律が回っていないディード。

先ほどまでへにゃへにゃになっていたウサミミがシャキーンッ!と直立した。

…吃驚したという意味だろうか。

「物凄くウザイオーラが廊下まで漏れ出してたが、何があったんだよ?」

「いえ、その、あの…あうぅ……」

説明しようにも説明できず、真っ赤になってあうあう言っているウサディード。

その間もウサミミはパタパタと忙しなく動いている。

「って、それ―――」

「こ、これは、その、部屋に在ってですねっ」

「俺が貰って来た玩具じゃねぇか」

「―――――はい?」

良介の言葉に首を傾げるディード。

器用にもウサミミが?マークを二つ作っている。

「いやな、シャーリーっていうまぁ俺の弟子みたいな奴が、デバイスとか機械弄るの得意でな。
パーティーグッズとして作ってもらったんだよ、それ」

「そ、そうなのですか…?」

「おう、確か装着者の感情を読み取って動く機能付で、電源は余剰魔力使用だと。何処かに入れといたんだが、ここにあったか」

「はぁ……無駄に最先端ですね」

「ものすっごくノリノリで作ってたぞ」

シャーリーらしいと言うか、良介に毒されたと言うか。

とりあえず持ち主が判明したので一安心なディード。

だが、先ほどの恥ずかしい台詞を聞いたディエチを口止めしない事には安心できない。

「あの、リョウスケさん。ディエチ姉様は何処へ行ったか分かりますか?」

「ディエチ? アイツなら今さっき猛スピードで出かけて行った――――っておいっ、どうしたっ!?」

良介の言葉を聞いた途端崩れ落ちるディード。所謂orz。

頭のウサミミが力なく床に垂れる。

「猛スピードで…まさか、言触らしに…? だとすれば、アレが、姉妹に、アリサさん達に、機動六課に――――?」

「お、おーい、ディード? 本当に大丈夫かお前?」

明らかにおかしいディードの様子に、流石に心配になる良介。

すると突然ディードががばっと立ち上がり、顔を伏せたまま肩を振るわせ始めた。

「もし、もし言触らしたならディエチ姉様―――姉妹であっても容赦しません……っ!!」

「ちょっ、待てっ、落ち着けディード! なんでツインブレイズを取り出すっ!?」

どこからともなくツインブレイズを取り出してジェ〇イよろしくブレードを発生させるディード。

その瞳は、殺る気満々だった。

どうやら色々とテンパっているらしい。

「放してくださいリョウスケさんっ、貴方に抱かれるのは嬉しいですが今はディエチ姉様を、ディエチ姉様の首をっ!!」

「本気で落ち着けぇっ!!!」

オヤシロもーど的な雰囲気で出て行こうとするディード、必死で止める良介。

なんだか色々あって、縺れに縺れ、倒れる二人。

「「あ………」」

重なる視線、互いの顔にかかる吐息。

超お約束展開の、押し倒しイベント発生!

「上でドタバタ煩いよ、埃が落ちるじゃない―――か……?」

おぉっと、確立変動でシュ・ラーバに発展だ!!

「お、オットー……っ」

「ち、違う、誤解だかなら、これには訳があるんだオットー!」

「訳…ディードにウサミミつけて押し倒す訳……リョウスケさんのケダモノ」

「だから誤解っ、誤解なんだーーーっ!!」

「五回っ、そんな、五回もだなんて……ズルイよディード、一人で先に大人の階段登るだなんて…」

「ち、違うのオットーっ、“まだ”何もされてないっ!」

「まだとか言うなぁぁぁぁぁっ!?」

The・混沌。

いい感じに泥沼と化した所で、階段を駆け上る足音が響いてくる。

「ま、不味い、さらに数の子が増える!?」

「ボクも入れて4〇かな?」

「オットー、お願いだから空気読んでっ!?」

もしも帰って来たのがチンクならランブルデトネイター、ノーヴェなら鉄拳は確実だ。

そしてアリサ達だとしたら……今夜は蓑虫スタイルで就寝する事になる可能性大。

「待たせたねディード―――あれ、リョースケ達も居るんだ」

「ディ、ディエチ…?」

帰ってきたのは先ほど猛スピードで街へと出かけたディエチだった。

行きとは違い、今は何やら紙袋を持っている。

「丁度いいね、ディード、勝負だよ」

「しょ、勝負…ですか…?」

「何の?」

突然勝負を申し込まれて困惑するウサディード。

オットーが首を傾げて問い掛けると、ディエチは持っていた紙袋から何かを取り出し、頭にシャキーンッと装着!

「みみっ子でリョースケを誘惑、狼にした方が勝ち」

「待てい!」

頭に装着されたキツネ耳を輝かせて宣言するディエチに、待ったをかける良介。

「――――っ、なるほど…誘惑勝負ですか…っ!」

「やる気っ!? おいオットー、このアホンダラ二人に何か言ってやれっ!!」

「え?」

良介の言葉に振り向くオットー。その頭には柴犬系のイヌミミがぴょこんと。

「最近の数の子は馬鹿ばっかりかぁぁぁぁぁっ!?」

人間らしくなるにつれて、ダメな部分が露になってきている数の子達。

それが良い事なのか悪い事なのか、判断が難しい所。

とりあえず、良介にとっては悪い事確定だろう。

「つーか、そんな耳どこで買ったんだよ、動いてるし」

「商店街のパーティーグッズ店。色々売ってたよ」

そう言って、ミミが入っていた箱を見せるディエチ。

いかにもなパッケージに、売りである感情読み取り動作機能がデカデカと書かれていた。

そして、メイド・イン・シャリオ。

「………………よし、殺すか」

「リョースケ、爽やかな笑顔だけど青筋が凄いよ」

「と言うか、どこから出したのそのワサビ」

良介流お仕置き奥義、鼻の穴にワサビを己の弟子に使う事を決め、チューブ入りワサビを握る良介。

この瞬間、六課で情報処理をしていたシャーリーが酷い悪寒で倒れたらしいが、今回の話には関係ないだろう。たぶん。

「まぁいいや、リョースケ……」

「うぉ、ちょ、待てディエチっ!?」

「リョースケさん……」

「お前も落ち着けディードっ、耳を激しく動かすなっ!」

「きゅぅん……」

「犬に成りきるなぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

普段の無表情っぷりが嘘のように良介ににじり寄る三人。

ディエチはキツネ耳をピクピクっと動かしつつ、良介の頬を妖しく撫でる。

ディードは恥ずかしいのだろう、ウサミミが激しく動いているが上目使いで頬を摺り寄せる。

そしてオットーは、犬のマネをして四つん這いで接近。寂しげに鼻を鳴らすという高等技を披露していた。

普通の男なら陥落するであろうみみっ娘達の包囲網。

だがそこは我等が主人公、宮本 良介。伊達に孤独を愛していない。

すぐさまこの状況を打破する為の作戦を構築。

頭部に近いディエチには、対シャマル戦法の頭突きを使用。

その後、胸元に頬を摺り寄せるディードの頬を、対なのは戦で使用した頬っぺた引張りで撃破。

そして足元で甘えるオットーには、あのクアットロでさえ泣いて蹲った拳骨をお見舞いする。

完璧だ、完璧なまでに外道な作戦だ!

その完璧ぶりに自分が怖いとちょっとナルシスな良介。

さぁ覚悟しろお馬鹿数の子どもと意気込んだところで――――



「ただいま〜、良介、帰ったわ……よ………」

アリサ様、ご帰宅。そして唖然。

「どうしました、アリサど…のぉぉぉぉっ!?」

チンク、絶叫。

「チンク姉様、どうしたので――――」

セッテ、硬直。



そして同様に硬直している4人。

痛い空気が流れる中、一番早く硬直が解けた良介が、纏わり着いている三人を引き剥がしての逃走を開始。

伊達に修羅場(愛憎系)を超えてきた男ではない。

「IS、発動―――」

「うげっ!?」

だがしかし、ここにはギンガ二号となりつつあるチンクが居た。

彼女が展開したスティンガーが、良介の逃走経路を瞬時に塞ぐ。

それと同時に、みみっ娘三人も包囲してある。

「リョウスケ、これはどういうことなのだ……?」

整った幼げな顔に、青筋をいくつも作って肩を震わせるチンク。

世話好きで過保護気味なお姉ちゃん、妹達を汚した(勘違いだが)相手には容赦ない。

「ずるいですね、三人共。私達が居ない間に抜け駆けですか?」

「いや、あの……」

「これには、深い訳がですね…」

ギラリとブーメランブレードを掲げ、殺る気な瞳で見下ろすセッテに、流石に震えるオットーとディード。

「はいこれ、セッテの分」

「ありがとう、ではさっそく――――冗談です、冗談ですから、チンク姉様…」

流石は活動期間が長いからか、セッテにイヌ耳(シェパード系?)を渡して篭絡を図るディエチ。

それをあっさり受け取り、装着しようとしたセッテをジロリと睨むチンク。

表情は変えないものの、滝のように汗を流すセッテだった。

「さてと良介…何か言い訳はあるかしら…?」

小柄な少女な筈なのに、何故か一歩一歩がズシンズシンと重いアリサ。

スティンガーの包囲+アリサのオーラに動けない良介。

一応は言い訳をするものの、当然聞いて貰えない。

「誤解なんだアリサ、俺にあんな趣味は無いって知ってるだろうが!?」

「でもアンタ、久遠にはやたら優しいじゃない…」

それは大事な家来だからであって、別に耳は関係ない。

そう言おうとした良介の口から出たのは、痛ましい悲鳴であった。

「反省しなさいっ、このお馬鹿ぁぁぁぁぁぁっ!!!」

「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

アリサの萌える、もとい燃える拳の一撃で宙を舞う良介。

拳を振り抜き、背中を見せたアリサの背には、『炎殺』の文字が輝いていた。

「バーニング・アリサぁぁぁぁぁぁっ!?」

そんな言葉を残して窓を突き破り、飛んでいく良介。

近所の奥様達が、「あらあら宮本さん家は今日も賑やかね」とほのぼのと談笑。

良い感じにこの街も海鳴の空気に染まってきていた。
















その後――――
















「おはようございます、リョウスケさん」

「あぁ……気に入ったんだな、その耳…」

家の中でウサミミを装備しているディードの姿が増え。


「リョウスケさんリョースケさんっ、どうっすか、可愛いっすかっ、思わず手篭めにしたくなるっすか!?」

「喧しいわっ!?」

ウェンディがイヌ耳を装備し始め。


「へっへっへ〜、どうよリョウスケ?」

「お前はむしろモグラ耳でいいんじゃね?」

自慢げにイヌ耳を見せてくるセインに冷静に切り替えし。


「…………ふんっ」

「ノーヴェ、耳が嬉しげに動いているぞ」

「そう言うお前もな」

ノーヴェは不機嫌そうに鼻を鳴らすが、その頭に装着されたイヌ耳は構って構ってと動いており。

ネコ耳を装備したチンクも、似た様な動きをしていた。


「どうでしょう、押し倒したくなりますか?」

「むしろお前が押し倒してるからっ!?」」

イヌ耳を装着したセッテに押し倒されそうになったり。






「パパーっ」

「兄さん、奇遇ですね」

「―――――六課にまでか…ッ」

ウサミミ親子に遭遇して、噂の広がりに絶望し。



「リョウスケ、その、どうかな…?」

「モジモジするな、上目で見るな、服の端を摘まむな!」

こちらもウサミミな執務官の誘惑に、内心焦りつつ。


「なぁ良介、なんで私はタヌキ耳で固定なん? 別にイヌでもネコでもええと思わん?」

「ニーズが許さないんだろうよ、マメ狸だし」

タヌキ耳を装備させられ、悲しみに震える部隊長にちょっと癒され。


「別に、皆がつけているからであって、深い意味はありませんから」

「も〜、ティアってばツンツンなんだから〜」

「いや、もう、別に良いけどな?」

ネコ耳とイヌ耳のコンビの姿に、そろそろ諦めの境地に入り始め。


「お兄様が、動物の耳をつけた女性が好みだと義弟に聞きましたので……」

「ハリガネ、殺す―――前に、誤解ですからデバイス振り上げないで!?」

「信じられませんね…」

教会の騎士のウサミミ姿に少し心動かされたものの、シスターの眼力に竦みあがり。


「リョウスケさんっ、女性に無理矢理動物の耳を付けさせて押し倒したって本当ですかっ!?」

「伝言ゲームかよっ!? だから、誤解だって言ってんだろぉぉぉぉぉっ!?」

怒りMAXな部長に追いかけられ。



ケモノ耳騒動は、その後暫く続いたそうな……。













「あ、良介さん、今日はちゃんと健診に来てくれ…って、どうして泣いて蹲っているんです!?」←ウサミミ装備

「もう良いよ、好きにしろよこん畜生……」→orz




終われっ!!








あとがき

ついカッとなって書いた、反省はしていると思うので許してほしい。
でもまた書いてしまうので、その時は生暖かく見守って欲しい。

うさディードが主役の筈なのに、気づけば全員ケモノ耳。
これはもう、続きを書くしかッ(待て)

因みに時間軸とか滅茶苦茶ですので(何)






作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板

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