『ふう〜早紀、射が巧くなったな。』      
 俺はあの後、弓道部に顔を出した。彩花は相変わらず正確な射だった。早紀はというとさらに射が巧くなっていた。
その後、俺は彩花や早紀や部員と一緒にお茶を飲んでかなり遅くなってしまった。
今はもう六時になりそうな時刻だ。
『さあ、早く帰ろう』  
と校門から出ようとした瞬間!          
『やあ、衛宮…遅い帰りだね。丁度良いし今朝の仕返しをさせてもらおうかな』
姿は見えないが声は一樹のものだ。俺は周りを警戒する。          
『くっ!あれはおまえが悪いんだろ!一樹!!それにおまえの力じゃ俺には勝てないのを忘れたのか!』 
俺は声のする方に向かって叫ぶ。
『ははは!確かに腕力では勝てないかもしれない!だけれど僕には魔力があるんだよ!ははは』     
『魔力?』      
 俺には何がなんだかわからなかった。魔力?ゲームや漫画じゃあるまいしと半信半疑だった。
『ははは!分からないようだね!ならライダー!衛宮を痛め付けろ!僕とあいつの差を見せ付けてやれ!』

と一樹は叫ぶとどこからともなく鎖が飛んできて俺の右腕に刺さる     
 『ぐはっあぐっ!?』  
俺は右腕に激痛が走り耐えきれずに叫ぶと一樹は歓喜の声をあげる      
『ははは!苦しいか?痛いか?だが、そんなものじゃすまさないよ!ははは』 
『うわぁぁぁ!!』   俺は見えない鎖のような物で体を持ち上げられ何回も地面に叩きつけられる。
『ははは!』      
相変わらず一樹の声しか聞こえない……しかしその声も聞こえなくなっていく。
何回も地面に体を叩きつけられるんだ、五感はボロボロだ。         
 俺は死ぬのか?こんな訳のわからないまま……こんな勝手に殺されるのか?… 
―――生き延びたいか?
 誰だ!?        
―――再び問おう。生き延びたいか?       
当たり前だ!こんな訳わからないまま死ぬ訳いかない!!         
 ――わかった。その信念、確かに受け取った!さあ、力を受け取れ!!
えっ!?        
『はっ!俺は!?』  
 俺は気が付いた。謎の声も消えた…一樹が驚いている

『なんで?おまえ、死なないんだ?…まあ、いい、ライダー!遊びは終わりだ!衛宮を仕留めろ!』
また、一樹の声がすると 俺から30mくらい離れた場所に人影が現われた。
姿は黒い服に紫色の綺麗な長い髪に背はすらーと高く、目にはアイマスクのような物に隠されているがきっと美人だろう。
敵だとわかっても見とれるほどの容姿だ    
『マスターからの命令です。あなたを消します…』   
静かな声で告げてクイに鎖を付けたような武器を構えて俺に向かって投げ付ける!
俺は死を覚悟したその時!
俺の周りを光が包み込んで俺を守った…否、ライダーの武器を弾いた。    
 光が消えて目が慣れて周りを見ると…そこにいたのは……夢で見た鎧を着た金髪の騎士だった。
その騎士は凛とした声で 
『――問おう貴方が私のマスターか……』






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