何を思い、その力を手にしたのだろう。
  何を思い、その力を奮うのだろう。
  何を思い、何を信じて、私たちは生きているのだろうか・・・


  守れなかった。護れなかった。まもれなかった・・・
  後悔の念の身が押し寄せてくる。
  絶望に塗れた闇の淵、その中で私たちは何を見るのだろうか・・・








    ケイスケの機動六課の日々
             IFルート turn2 「想いを伝えて[前篇]」








 「でやあああ!」


  目の前のガジェットがヴィータちゃんの手によって砕かれる。
  これで、目の前にいたがジェット軍は一応全滅・・・
  だけど、ヴィータちゃんは肩で息をするほどに疲弊していた。


 「ヴィータちゃん、そんなに飛ばしすぎたら・・・」
 「うるせえよ。後衛やセンターの魔力温存も、前衛の役目なんだ・・・」


  それは分かる。
  けど、だからといって無茶しすぎじゃあ・・・


 「それにな・・・今のお前には、あんま戦わせたくねえ」
 「え?」


  それって、どういう・・・
  と、通信パネルが開いた。


 『突入隊、機動六課スターズ分隊へ。駆動炉と玉座の間、詳細ルートが判明しました』


  画面にゆりかごの見取り図と目標地点の位置、それと私たちの位置が映し出される。
  ここからだと、それぞれ反対側・・・


 「突入隊はまだ揃わねえのか」
 『現在召集中ですが、まだ時間が・・・』


  やっぱり、私たちで何とかしないと・・・
  けれど真逆方向という部分がネックになる。


 「仕方ねえ・・・スターズ1とスターズ2、別行動で行く」
 『了解しました。引き続き、急いで部隊を召集します』


  電子音と共に通信パネルが閉じる。
  ヴィータちゃん・・・


 「なのは、お前はヴィヴィオの所に行って来い」
 「けど、ヴィータちゃんにはここまでの消耗が」
 「ばーか、あたしとアイゼンの得意分野は破壊と粉砕だって知ってるだろ?」


  確かにそういう意味ではここはヴィータちゃんが適任なのかもしれない。
  だけど、消耗していることに変わりはない。


 「・・・んな顔しなくてもあたしは大丈夫だ」
 「え・・・」
 「お前、あいつが逝ってから気を張りすぎだ」


  ・・・・・・


 「そんなんじゃ、見えるものも見えてこねえ。あたしがこんな事でくたばるとでも思ってんのか?」
 「そんな事は・・・」


  ・・・先の言葉が紡げない。
  何で? いつもなら・・・いつもなら、そうだねって、笑って言えるのに。


 「はあ・・・とにかく、お前はとっととヴィヴィオを助けてこい」


  そう言ってヴィータちゃんは背を向けた。


 「あ・・・」
 「じゃーな。一撃で潰してすぐに合流してやっからよ」


  いつもと変わらないヴィータちゃんの言葉。
  ・・・そうだ。ヴィータちゃんなら大丈夫だ。
  あの心強い鉄槌の騎士が敗北する姿なんて、私には想像できなかった。


 「―――うん、絶対すぐに合流だよ」
 「おう―――あ、なのは」


  ヴィータちゃんが思い出したようにこっちを向く。
  その顔は、とても真剣で・・・


 「何・・・?」
 「・・・・・・潰されんなよ」


  そう言って、今度こそ本当に去っていった。


 「つぶ、されるな・・・」


  何に、とまでは言わなかった。
  けれどそれは、とても重く私の心にのしかかった・・・





                    ◇ ◇ ◇





  スカリエッティのアジトの内部―――


  私は今シスターシャッハと共にスカリエッティの逮捕に向かっている。
  途中がジェットが道を阻んだがシスターシャッハのおかげで物の数ではない。
  これならAMF内でもまだまだいけそうだ。


 「これは・・・」


  と、今までとはまた変った通路に出た。
  移動していない様々なガジェットと、その上の部分に立ち並ぶ生体カプセル・・・
  これは・・・


 「人体実験の、素体・・・?」
 「恐らく、そうでしょう」


  彼は、人をただの実験材料としか見ていない。
  自分の勝手な都合で人の人生を、命を、運命を狂わせて・・・
  そんな研究を元にして私が生まれて、エリオが生まれて、ヴィヴィオが生まれて・・・
  その最中で、ケイスケが死んだ。


 「先を急ぎましょう」
 「ええ、早く止めないと・・・」


  こんな事は早く終わらせないといけない。
  私やエリオ、ケイスケの様な事がもう起らないように・・・と、突然上から振動音。
  見上げると一本のパイプの上に・・・ガジェット三型!
  見ればすぐにでもパイプが折れて落ちてきそうだ。
  とっさに横に跳ぶ―――っ、シスターが動けない!?


 「シスター!」
 「くっ!」


  助けに入ろうとするけど、横から刃が飛来してそれを妨害する。
  上のパイプが割れると同時にシスターが地面を攻撃して・・・


 (シスター!)
 (フェイト執務官、こちらは無事です。戦闘機人を一機捕捉しました)


  それを聞いて胸を撫で下ろす・・・が、そんな暇も無いみたいだ。
  前方から、本部襲撃の際に遭遇した二人・・・


 (こちらも戦闘機人二機と遭遇。対処に移ります)
 (ご武運を・・・)


  念話が途切れる。
  目の前の二人に意識を集中させる。


 「フェイトお嬢様。こちらにいらしたのは帰還ですか? それとも・・・反逆ですか」
 「どちらも違う」


  強く、言い放つ。
  そんなこと、あってたまるか。
  私は決してあいつに付いてやるつもりなんかない。
  こんな悲しみの連鎖を作り出した張本人。だから・・・もう終わらせる。


 「私がここに来たのは・・・」


  バルデッシュを構える。
  二対一・・・だけど、勝ってみせる。
  みんなの為に、ケイスケの為に・・・私は勝つ。


 「犯罪者の逮捕。ただそれだけだ」





                    ◇ ◇ ◇





 「くうっ!」
 「・・・・・・」


  左が捌かれた、なら右を!


 「はあ!」
 「・・・・・・」


  身を捻って避けられて・・・左!
  狙われてるのは腹。左腕で―――っ、間に合わない!


  ギン姉の容赦のない拳が腹を打つ。
  その勢いのまま、後方に吹き飛ばされて・・・急な圧力と衝撃。


 「がっ! は・・・ぁ・・・」
 「・・・・・・」


  ギン姉は、ずっと無言だ。
  操られていると言っても・・・これじゃ人形だよ。
  言葉が聞かれない。拳も届かない。想いも届かない・・・
  それでも―――!!


 「ぐ・・・・うぉぉおおおおおおおおお!!」


  加速して、正面からつっこむ。
  右の拳を繰り出して、体を少し横にずらして躱される。
  カウンターを喰らう前に地面を蹴ってそのまま―――上に!


 「・・・!」


  そのまま空中で体を捻って方向転換。
  真後ろに着地して・・・一撃を!!


 「でやああああ!!」
 「・・・!」


  左が飛んでくる。けど、この位置なら向こうの拳が入る前に・・・え?
  手がリボルバーの回転に合わせて回転して・・・伸びた!?
  いけない、このままじゃ当たる。回避しないと―――!!
  横に身を捻って・・・!


  そうやって体勢を崩したのがいけなかった。
  右が伸びて来て襟首を掴まれる。
  そのまま引っ張られてまた拳を叩き込まれた・・・


  痛みに耐えきれずに、膝をつく。


 「が、げほっ、げほっ・・・」


  勝て、ない・・・
  力も、速さも、体術も・・・何もかもが通用しない。


  自分よりも強い相手に勝つためには自分の方が相手より強くないといけない・・・
  いつか、なのはさんに言われた言葉。
  その答えは知っているけど・・・何一つ敵わない相手には、どうやって戦えばいいんですか?


 「・・・・・・」
 「目を、覚ましてよ・・・」


  ギン姉は全く反応を示さない。
  ねえ、ケイスケならどうしたのかな・・・
  きっとまた、無茶をする。
  だったら・・・


 「まだ、私が・・・!」


  諦めるわけには、いかない―――!!





                    ◇ ◇ ◇





  対岸を行きかう弾丸。
  迫りくるソレを避けながら廃ビルの中を移動。
  が、目の前に戦闘機人が一機立ちはだかる。


 「うおおおお!」


  スバルに似た赤毛の方から射撃が来る。


  けど、それも幻影・・・
  二人が纏まった所を・・・射撃!


 「!」


  すぐに反応してこっちに向かってくる。
  幻術体を全部潰される前に回避を・・・


  そう思った矢先、いきなり突っ込んできたスバルにの赤毛が跳んだ。
  標的は・・・私!?


 「おらあ!」
 「っ、ぁ!」


  防御が間に合わずにまともに受けてしまう。
  そのまま吹き飛ばされて地面に叩きつけられ・・・てたまるか!
  激突は免れなくても受け身くらい!


 「あぐっ!」


  やっぱ痛い・・・


  けど・・・やっぱり、幻術が見破られている。
  何でか分かんないけど・・・たぶん、前の戦闘での私のデータを解析でもしたのだろう。
  だとしたら・・・あいつらに通用する私の手札はほとんどない事になる。
  とにかく、この状況じゃ不利。どうにかして体勢を立て直さないと。


  牽制の意味合いで弾丸を数発放つ。
  もちろん防がれたけど元々効果なんて期待しちゃいない。
  こんな狭い所じゃジリ貧がいいところ。結界破壊要員が来るまで―――っ、上!?
  上方に栗毛のロングヘアー、武器は剣。
  天井の方から急降下してきて、回避が間に合わない!!


 「クロスミラージュ!」
 『Dagger Mode』


  右手が使えない以上、左で捌いて―――!
  右を防いで・・・左が!
  右の方も使って防御を・・・!


 「くっ!」
 「無駄」


  そのまま体を反転させて斬りつけてきて、防ぎきれない!?
  即座に魔力弾を形成。これで剣が届く前に―――暴発!!


 「っ!」


  爆発で体が吹き飛ぶ。
  その最中に見えた刃の切っ先、それが私を捕えて・・・・・・





                    ◇ ◇ ◇





  強い・・・
  スピード、パワー、機動力・・・どれをとっても半端ない。
  気を抜けば、あっという間にやられてしまう。


  彼女を守る守護獣・・・キャロとフリードやフェイトさんとアルフのような関係であろうモノ。
  それこそ、僕の目指す騎士のような・・・けれど。


  正面から、右の爪が来る。


 「つあ!」


  ストラーダでそれを真正面から受け止める。


  く、やっぱり、重い・・・!
  けど、負けられない―――!!


 「うおおおおおおおお!!」
 「―――!」


  体をバネにして弾き上げる。
  空いた胴体にそのまま攻撃を仕掛けても残った左で防がれる。


  く、埒が明かない・・・
  僕たちは戦うために来ている訳じゃない。護るためにここにいる。
  なのに・・・まだ手は届かない。


 「くう・・・」
 「―――、」


  と、突然目の前にいたガリューが全くの別方向に向かって飛んだ。
  目指す方向にいるのは―――キャロ!!
  くそ、やらせてたまるか!!


  一気に飛びあがって、ガリュー目掛けて急降下!


 「でやあああああ!!」


  寸での所で爪を弾く。
  いったん距離を取って―――衝撃波!?
  く、キャロを抱えて―――!!


  次いで、大きな衝撃が襲ってきた。
  キャロの障壁もあってかなりダメージは削いだ筈だけど・・・それでも、結構喰らった。


 「私は、もう不幸はイヤ・・・」
 「それは、違うよ」


  立ち上がる。
  こんな所で、終われない・・・


 「自分は不幸だって、幸せになりたいって・・・それで他人を踏みにじっていたら、何も変わらない・・・」
 「・・・」
 「幸せになりたくて誰かを傷つけているなら、その分だけまた誰かが不幸になる・・・そんな事の繰り返しだ」


  それじゃあいつまで経っても悲しみは終わらない。幸せになった者は傷つけた者たちによってまた傷つけられる・・・
  何も、変わらない。
  誰かが死んでしまうような、そんな事は、もう嫌だから・・・


 「だから、まずは話してほしい。ルーが何でこんな事をするのか」
 「私たちが、機動六課の皆が、力になれるかもしれないから―――!」
 「あ・・・」


  眼に宿った敵意が揺らいだ。
  話を聞いてくれる気になったのだろうか―――?


 「私、は・・・」
 「あーら、ダメですよルーお嬢様〜」





                    ◇ ◇ ◇





  やっとのことで辿り着いた玉座の間。
  そこで待ち受けていたのは戦闘機人の四番。そして・・・


 「ヴィヴィ、オ・・・」


  レリックと融合して、一気に成長したヴィヴィオ。
  おそらく、今の状態なら私たちと外見的年齢はそう変わらない。
  けど・・・


 「貴方が・・・ヴィヴィオのママを攫った・・・」


  え・・・?
  違う、攫われたのはヴィヴィオで、私は・・・


 「ヴィヴィオ! 私だよ、なのはママだよ!!」
 「貴方なんか・・・ママじゃない!!」
 「っ!?」


  一瞬、言われたことがショックで固まってしまう。
  何、を・・・
  ヴィヴィオは、涙を流して・・・


 「貴方なんか―――」


  その視線に射抜かれる。
  眼に宿っているのは確実な敵意と殺意、怒りと悲しみ、憎しみと軽蔑・・・
  それだけで、手が震えてしまう。


 「パパを殺した貴方なんか、ママじゃない!!」
 「―――ぁ」




  今度こそ、本当に、凍りついた。




 「わた、し・・・が・・・」
 「返して・・・ヴィヴィオのパパとママを、返して!!」


  ヴィヴィオが飛びかかってくる。
  一瞬、反応が遅れて防御が曖昧になる。


 「くう・・・!」
 「ああああああああ!!」


  それはまるで泣き叫んでいる様。
  そして、繰り出された拳はとても重い―――


 「く、ああ・・・!」
 「くうううううう!!」


  障壁が軋む。
  ギシギシと嫌な音を立てて徐々に圧倒されていく。


 「はあっ!」
 「きゃあ!?」


  障壁を破られてそのまま殴り飛ばされる。
  そのまま受け身もまともに取れないままに叩きつけられた。


  衝撃で中のモノを吐き出しそうになる。


 「ぐ、ふぅ・・・」
 「貴方がいたからパパが死んだ・・・貴方なんかがいたから!!」


  私が、いたから・・・?
  本当に、そうなの・・・?


  思考がまともに働かずにループする。


  目の前のヴィヴィオは私が殺したと言って、私はそれを否定したがってる。
  フェイトちゃんも、はやてちゃんも、みんな私は悪くないと言ってくれた。
  けど、なら何で私は否定したがってるの・・・?


  矛盾。
  悪くないと思うのなら胸を張ればいい。けど、悪くないはずなのに私は胸を張れないでいる・・・
  それはつまり私が悪い・・・ケイスケくんを殺してしまったという事・・・?


 「返して・・・パパとママを、返してよ!!」
 「―――っ、ぁ」


  本当に、私が・・・・・・?
  みんなのいつもを、ケイスケくんを、私が・・・?





  ねえ、そうなの? ケイスケくん・・・・・・





                    ◇ ◇ ◇



 「第三部隊は地上に向かった小型機の迎撃! 突入隊の召集急いで!」


  く、絶対的に数が違う・・・
  これだけ敵と味方が入り組んでたら私も迂闊に乱発できひんし、魔力も足りん。
  いくらうちがオーバーSでも限界はある。なにより、タイムリミットが残り少ない。


 「第八部隊は第十九密集点の迎撃に向かって! 第四部隊、サポートお願い!」


  外からじゃあ止められるのはガジェットのみ。
  うちが全力で攻撃したとしても流石にこの質量は墜とせない。
  頼みの綱は・・・中に向かった二人。


 「必ずやり遂げてくれる。だから今は・・・」


  地上を守る。
  絶対に被害は出させへん。これ以上、絶対に―――
  同じことを繰り返すようじゃあ、ケイスケくんに笑われてしまうしな。


  だからうちが出来ること、このガジェットを止める!


 「第五部隊! 砲撃いくよ!!」


  さー手向けの花代わりのでっかい花火や。
  いっちょ派手にいくで!!





                    ◇ ◇ ◇





  ―――前方より大きな魔力が高速で移動してくる。
  来たか・・・


  閉じていた目を開く。
  眼前にはこの前の本部襲撃の際、六課に向かっている途中で見かけた騎士。
  仕事上では先立ちでもあった―――ゼスト・グランガイツ。


 「・・・局の騎士か」
 「本局機動六課、シグナム二尉です。前所属は首都防衛隊。あなたの後輩という事になります」
 「そうか」


  言葉の一つに重みがある。
  並みの相手ならば会話だけで威圧されるだろう。


 「中央本部を、壊しにでも行かれるのですか」
 「古い友人に、レジアスに会いに行くだけだ」


  ・・・この人物については少し調べさせてもらった。
  昔のレジアス中将との関係、極秘任務による死亡、その裏を・・・


 「それは、復讐の為ですか」
 「言葉で語れるものではない。道を開けてもらおう」


  構えを取った。
  対話での説得は不可能か。なら・・・


 「言葉にしてもらわねば・・・譲れる道も譲れません」


  こちらも剣を抜く。
  言葉が駄目ならば、力ずくで止めるのみだ。


 「へっ。グダグダ語るなんてな、騎士のやるこっちゃねーんだよ!」
 「騎士とかそうで無いとか、お話しないで意地を張るから戦う事になっちゃうんですよ!」


  互いの容姿がユニゾンによって変化する。
  私たちは互いに退く気が無い。手加減など、無論ありえない。


 『うるせえバッテンチビ! 剣精アギト、我が友人ゼストの為に、この手の炎で―――臥して参る!!』


  炎―――あのユニゾンデバイスは私と同じ炎熱系か。


 『祝福の風、リインフォースU。管理局の一員として、あなた方を止めさせてもらいます!!』


  舞台は整った。
  さあ、始めようか―――


  気合いと共に跳びかかる。
  必ず止めてみせる。もう誰かの死を見るのには慣れたが・・・それでも、死というモノは辛いモノだから。





                    ◇ ◇ ◇





 「お兄ちゃん、私―――!」


  バタン、という音とともにドアが閉められる。
  ラグナ―――


 「・・・なんともまあ、情けねえ話でね」


  もうかなり前の話になる。
  妹が人質に取られた時のミスショット、そのせいでラグナの目から光が失われて・・・


 「テメエの失敗から逃げて、責任から逃げて、未だに向き合えてねえから、またしくじって・・・このザマだ」


  六課襲撃の時だってそうだ。
  あのお譲ちゃんがラグナとダブって・・・それで。


 「未だに吹っ切れてねえから俺はラグナの目を見て話せねえ。ストームレイダーを、手に取れねえ・・・」


  まったく、情けなさ過ぎて反吐が出らあ。
  ずっと逃げ続けてきた結果がこれかよ・・・ああ、そうだ。
  俺はあの時から、何にも変わっちゃいねえ。


  と、旦那が大怪我している体でベッドから体を起こした。


 「どう生きるか、どう戦うか。選ぶのはお前だ」
 「・・・・・・」


  どう生きて、どう戦うか・・・
  痛むはずの体を引きずり進みながらも、旦那は出口へと向かう。


 「お前が目覚めるまで見守ってくれとアルトたちに頼まれていたが、その役目ももう済んだ」
 「旦那・・・あんた、そんな体でどこへ・・・」


  旦那は立ち止って、振り返らずに―――


 「ケイスケ・マツダが・・・逝ったそうだ」
 「・・・は?」


  そんな事を、ポツリと言った。


  ちょっと、待て・・・今、何て・・・


 「旦那、それは・・・」
 「事実だ。死因は出血多量。逃走用に使ったと思われる車の破片が腹部に刺さったらしい」


  あいつが・・・死んだ?
  嘘だろ、オイ・・・


 「・・・車の周辺には小虫の残骸もあったそうだ。おそらく、車を破壊したのはそいつだろう」
 「虫・・・」


  そういや、あの譲ちゃんも虫を召喚してたっけな・・・
  つまりは、そういうことかよ・・・


 「我にはやらねばならぬ事がある。お前はその体を癒せ・・・」
 「待ってくださいよ」


  後ろから呼び止める。
  俺も痛む体に鞭打って体を起こす。


 「俺も・・・行きます」
 「その傷でか・・・」


  ああそうさ。傷ぐらいがどうした。
  あいつが死んだんだ。俺がビビってたその所為で。
  自分のミスでまた同僚を傷つけて、あまつさえ死なせてしまって・・・


 「そんなこと聞いて黙ってられる程、俺は人間出来てねえんだよ!!」


  この結果がテメエが招いたもんだって言うならいさ。憎まれ役は慣れっこだ。
  俺はもう迷わねえ。
  何の為に俺はこいつを手に取った?
  それすら忘れて・・・もういい加減、逃げるのはやめだ。
  正面からきっちり向き合って、償ってやるさ。


  けど、その前に・・・


 「あの連中に一泡吹かせねえと、腹の虫も収まりそうにないんでね」


  ストームレイダーを手に取る。


  どーせ企んでる事は碌でもない事だと見た。
  だったら、それを全部撃ち抜いてやる―――!





                    ◇ ◇ ◇





  三番と七番、二機の戦闘機人が迫る。


  向かってくる三番は私と同じスピード型。
  後方から間接攻撃を仕掛けてくる七番は支援型だけど単独戦闘もできる。
  厄介なことこの上ない・・・


  AMFが濃いこの中で無闇に魔法を使って魔力を浪費するのは自殺行為だ。
  この後にはまだスカリエッティいが残っている。それが終わったら他の皆の援護にも・・・


 「はあ!」
 「っ!」


  最小限の動きで攻撃を回避する。
  そこに七番のブーメランが四方から迫る。


 「はああああ!」


  三番がまた―――!
  くっ!


  攻撃を完全には捌ききれずに少しばかり被弾する。
  喰らったのはブーメラン、被害は損傷は脇腹を少し切っただけ。
  大丈夫、これならまだ・・・


 『やあ、ごきげんよう。フェイト・テスタロッサ執務官』
 「っ!?」


  スカリエッティ!?
  空間パネルで・・・


 『くくく、私たちの楽しい祭りの序章も、今やクライマックスを迎えようとしている・・・』
 「!」


  楽しい? 祭り?
  こんな事が・・・人が、ケイスケが死んでしまったことが楽しい祭り?



  ふざ、けるな・・・!!



 「何が楽しい祭りだ! あんな物を使って街を襲って、地上を混乱に陥れて! 人を死なせて―――!!」
 『ああ、その人物についてはディードから聞き及んでいるよ。なんでも、聖王の器を逃がすために身を挺したとか・・・』


  そうだ。ヴィヴィオを守るためにケイスケは・・・
  守るのは私たちの筈だったのに・・・結局、守ることができなかった。
  悔やみきれない後悔や悲しみが私の中にある。
  だからこそ、私は―――!


 『魔力も殆ど無く、能力的にも優秀とは決して言えない。過去には問題を多々起こしたそうじゃないか』
 「それがどうした」
 『いやいや、こんな価値のないゴミのような命の為にどうしてそこまで怒れるものかと思ってね』
 「っ、お前は―――!!」


  価値のない命?
  彼が、ケイスケが生きてきた今までがすべて価値の無いものだったと?
  そんなこと、誰に言える資格がある・・・
  たとえ言えたとしても、そんな事は誰が許しても・・・私が絶対に許さない!!


 「あああああああああああああああああああ!!」
 「!」
 「くるぞ!」


  魔力を一気に込める。
  そのままこの二人を薙ぎ払って―――っ、地面から何かが出てきた!?
  とっさに上に跳んで回避するけど伸びてきたワイヤーの様な物に捕まってしまう。
  バルディッシュも・・・これじゃあ・・・


 「く、くくくくくくくくく」


  奥から気味の悪い笑い声が響いてくる。
  暗がりから姿を現したそいつは・・・


 「スカリエッティ・・・!」
 「こうやって直に会うのは初めてだね、フェイト・テスタロッサ」


  このタイミングで・・・!
  まずい、二対一でも苦戦していたのに更に状況が・・・!


  スカリエッティの右腕に付いている物・・・あれは、デバイスか。


 「普段は温厚かつ冷静でも、怒りと悲しみにはすぐに我を見失う・・・」


  指先が曲げられる。
  それと同時にバルデッシュの刀身に巻きついているワイヤーが軋みを上げる。
  ギシギシと音を立てて軋みを上げ、バルデッシュの刀身にも罅が入る。


 「なっ!」


  まさか、ザンバーが・・・!


 「ふふふ」


  スカリエッティが拳を握る。同時にザンバーは粉々に砕け散った。
  予想もしていなかったことに一瞬の思考の隙間が生まれる。
  気がつけばスカリエッティの指先にはエネルギーが集中していて・・・


 「しまっ―――!」


  エネルギー弾が放たれ、防御もままならないまま直撃を受ける。
  また地面からワイヤーが・・・閉じ込められた!?


 「君のその性格は、まさに母親譲りだよ。フェイト・テスタロッサ」
 「くぅ・・・!」


  ザンバーをへし折った事からしてこのワイヤーは相当の強度だろう。
  ザンバーで無理なら、もうあれしか・・・
  けど、この一手が失敗すればもう本当に後が無い。


 「以前トーレが言ったかな? 君と私は、親子のようなものだと」
 「誰が―――!」


  理屈でいけばそうなのかもしれないが、私はそんなことを認めるつもりはさらさら無い。


 「そして、私と君はよく似ている・・・」
 「似ている、だと・・・?」


  何を・・・


 「私は、私が作り出した生体兵器を。君は、君が見つけた自分に反抗できない子供を・・・」
 「っ、」


  違う!
  そんな事、絶対・・・


 「それを自分の思うように創り上げ、自分の目的のために使っている・・・ほら、君と私とどこが違う?」
 「黙れ! お前と私は違う! 少なくとも、私はあの子たちをそんな風に―――!!」
 「なら現実はどうだい?」


  空間パネルが開いた。
  そこに映っているのは、例の召喚師とその召喚獣と戦っているエリオとキャロ。


 「君は各地の事件で出会った孤児を保護しているそうだね。ちょうど、あの子たちのように」
 「それが、どうした・・・」


  いけない、会話のペースを持っていかれている。
  それに何か悪寒がする・・・私の中の何かがこの男と会話してはいけないと、これ以上聞いてはいけないと叫んでいる。
  けど、閉じ込められている以上ここから逃げ出すことはできない。


 「それは、何の為だい?」
 「何の為、だと・・・?」


  決まっている。独りの寂しさを知っているから。
  独りきりになって、周りが真っ暗で、何も分からなくて・・・
  そんな思いをさせたくないから、そんな思いから救ってあげたいから、私は・・・


 「そう、救うためと君は言った。しかしこの現実はどうだい?
  君が悲劇の地から救ったと思った子供たちは、今また悲劇の地へと身を投じている」
 「それ、は・・・」


  確かに、エリオとキャロはここにいる。
  こんな争いの世界から助けてあげたくて、私が助けて・・・


  あの時の、私のように―――


  けど今度は自分の意思で二人はここに来た。
  “自分の意思で選んだのなら仕方がない”、そう思った・・・
  いくら保護者をやっていても、あの子たちの意思を捻じ曲げる権利なんてある筈が無いから・・・


 「しかし結局のところ、それであの子たちは救われたのだろう。
  だがそれは君の言っている“救い”とは違うのではないのかね?
  君の言う救いとは何だ・・・?」


  私の、救い・・・?
  友達がいて、家族がいて、変わらない日常が、楽しい毎日があって・・・


 「そう、それだ。君は幸福になってほしいから他人を救う。自分の幸福を押しつけて・・・」
 「な・・・」


  幸福を、押しつける・・・?


 「“自分は不幸だった。それが救ってもらったことで幸福となった。だから他の者にも幸福を味わってもらいたい”
  くくくくく、滑稽だな。それはしょせん君一人の価値観であって人一人によって幸福の形とは異なるものだよ」
 「あ・・・」


  幸せは、人によって違う。
  当たり前のことだ。
  そう、そんな当たり前のことを・・・


 「救いたいというのならその者に見合った救いを用意せねばならない。幸福も同様だ。
  だが君は“救いを与える”のではなく“救いを押しつけている”。
  自分が幸福だから他人も幸福になれるはずなどとの思い込みで幸福を押し付ける・・・」
  「ぅ、あ・・・」


  ただの、押し付け・・・?
  私が今までやってきたことは・・・ただ自分の価値観を押し付けていただけ?


 「つまるところ、それはただの自己満足だ。他人に何かを押し付けてそれで自分な満足する・・・
  私も似たようなものさ。他人に実験材料という役目を押し付け、私はそれで満足している・・・
  ほら、君と私はどこが違う? 実によく似ているじゃないか」


  私が、こんな奴と、同じ・・・?
  人の命をどうとも思ってないような奴と、私が・・・同じ・・・


 「君の母親、プレシア・テスタロッサに対してもそうだ。
  彼女は実の娘アリシアと共にいることを幸福とした。だが君は、君が母親と幸福になりたいと望んだ。
  それもまた、アリシアと共にいることを望んでいたプレシアにとっては押し付けでしかない・・・」
 「・・・ぃ・」


  私の、してきた事は・・・
  私は―――!!


 「君がそんな事だから・・・押しつけてばかりいるから、救いたいと願った者は救えない。
  現に、あの少年はどうなった・・・?」
 「・・・ぃや」


  ケイスケは、死んだ・・・
  私が、間に合わなかったから。
  私が・・・・・・殺した?


 「押し付けで人は救えない。君のやってきた事は所詮、ただの独りよがりの自己満足に過ぎない。彼を殺したのは君さ」
 「・・・いや・・・もう、やめて・・・」


  これ以上は、耐えられない。
  心が、悲鳴を上げる。
  みっともなく、必死に泣き叫んで、痛さから逃れようと・・・


 「他人を殺した君では・・・・・・誰かを救うことなど出来はしない」
 「やめて・・・やめて!」


  頭を振って、耳を塞ぐ。
  もう、やめて―――!!


 「押し付けている君に誰かを救える筈が無く、救えない君に救う資格などありはしない。
  そして・・・気にの今までやってきた事は何だ? それで誰が死んだ? 誰が悲しんだ?
  所詮君は・・・救ったという自己満足に浸りたがっているだけで、誰かを救いたいわけでは無いのだよ」
 「あっ・・・・」




  ・・・自己満足に浸りたいだけ、救いたいとは思っていない・・・
  は、ははは・・・




 「ぁ・・・」




  私の、今までは・・・




 「ああ・・・」




  この想いは・・・全部、嘘だった・・・・・・?
  誰かを救いたいと思いこんで、そんな我儘に多くの人を付き合わせて・・・
  そんな事にも気づけないから、ケイスケが死んだんだ・・・
  それすら分からなかった私は・・・なんて、道化・・・




  押し付けてばかりで、誰かを傷つけるのが私なら・・・






 「ぁ、あああああああああぁああぁぁああああぁぁぁあああああああああぁぁああ!!!」






  ならいっそ、私なんて、壊れてしまえ・・・





                    ◇ ◇ ◇





 「うあああああ!」
 「っ!」


  迫る拳を障壁で防ぐ。
  けど、重い―――!!


  衝撃に体が耐えきれず、障壁ごと吹っ飛ばされてしまう。


 「くぅ、ヴィヴィオ!!」
 「気安く―――呼ばないで!!」


  いくつかの魔力弾が飛んでくる。


  あれは、セイクリッドクラスター!
  いけない、急いで周囲にバリアを展開!


  魔力弾が一気に小型の魔力弾に爆散してショットガンのように降り注ぐ。
  もともと大した威力は無かったはずだけど、保有魔力の違いか・・・すぐにバリアを突き抜けて魔力弾が命中する。


 「うあっ!」
 「はあ!」


  魔力弾を形成してあの構え・・・インパクトキャノン。
  シールドを目の前に展開して今度は防ぐことに成功する。


 『WASエリア2終了。エリア3に入ります』
 「く・・・」


  あと少し・・・
  爆煙が晴れて上を見上げる―――いない!?
  っ、後ろに魔力反応!


 「く!」


  放たれた魔力弾を飛んで回避。
  とにかく距離を取って―――!


 「ブラスター2!!」
 『Blaster 2nd』


  ブラスター解放の魔力波で一時的に距離をとる。
  ブラスタービットで・・・!


 『Blaster Bit』


  二機のブラスタービットが出現する。
  それが描く起動がバインドとなって対象を捕縛!
  そこから―――!


 「ブラスタービット、クリスタルケージ!」


  ヴィヴィオの頭上から光の線が描かれる。
  それはピラミッドのようになり、そのまま―――


 「ロック!!」


  ヴィヴィオをその中へ閉じ込めた。
  これで、少しは時間が・・・


 「あーらあらあら、頑張りますわねー」


  っ、四番の・・・
  こんな時に、一体何!?


 「自分の子供を相手に戦ってるのに容赦なーい。そんなところも悪魔じみてますわねー」
 「っ・・・!」


  そうさせてるのは誰だと思って・・・!


 「ほんと・・・あの少年もかわいそう」
 「なっ・・・」


  あの少年って・・・まさか・・・


 「ふふふ、そう。ケイスケ・マツダ二等陸士だったかしら? あ、今は殉職での二階級特進で陸曹かしらね?」
 「貴方は・・・!」


  怒りで我を失いそうになる。
  人が死んだのに、それをけなす様な事を―――!!


 「貴方の様な悪魔に関わったばっかりに死んでしまって・・・」
 「なっ、それは貴方たちが・・・!」


  地上本部や六課を襲撃したから。ヴィヴィオを攫おうとしたから。
  だからケイスケくんは戦って・・・


 「違わないの? あの少年も、今の陛下も、貴方がちゃんと守っていればこんな事にはならなかったかもしれないのに」
 「っ、」


  悔しいけど、言い返す言葉は無い。
  私がもっとしっかりしていればケイスケくんは死ななかったかもしれないし、ヴィヴィオだって攫われずに済んだかもしれない。


 「ほーら言い返せない。結局は今の状況も貴方の責任だって分かる?
  陛下がいなければこのゆりかごは動かなかった訳だし・・・」
 「・・・・・・」


  そんなこと、言われなくても分かってる。
  最初からヴィヴィオには何かあるって分かってた。けど、だからこそ守らなきゃいけなかった筈なのに・・・私は・・・


 「悔しい? けど事実、貴方は様々な人を巻き込んでいって例外無く不幸にしている」
 「なっ・・・何を根拠に!」
 「だってそうでしょー? 貴方に関わらなければフェイト・テスタロッサは母親を失う事は無かったかもしれない。
  八神はやては管理人格を失う事は無かったかもしれない。
  今の状況だって無かったかもしれないし、あの少年だって死ぬことは無かったかもしれない・・・」


  それ、は・・・
  けど、そうしないとあの時は・・・


 「そうやってまた逃げるのかしら? 今の状況を否定されて、独りになるのが怖いから・・・」
 「っ!」


  独、り・・・?


 「気づいてる? 貴方は独りになるのを怖がってるのよ。独りになることを貴方はどうしようもなく恐れている・・・」


  独り・・・周りに人がいるけど、いない・・・孤独な、私・・・


 「四年前に貴方が撃墜された時だってそう。あなたをあそこまで駆り立てたモノは何だったかしら?」
 「ぁ、あぁ・・・」


  やめて、やめて・・・
  思い出させないで・・・私の心に、入ってこないで・・・


 「独りが怖いからよねえ? 魔法が無くなってしまえばそっちの世界には関われないもの。
  つまり、魔法を知ってから出会った人たちとの関わりも無くなる・・・」
 「うあ、ぁ・・・」


  ガタガタと震える。
  ギチギチと開いていく。


 「関わりが無くなってしまえば、貴方はまた独りになる。魔法とかかわる以前の自分に・・・」
 「ああ・・・!」


  ぬるりと、毒を持った蛇のように入り込んでくる。
  入り込んだ所から、またギチギチと・・・


 「だから魔法を使うのよね? 魔法なら自分は優れているから。それなら誰かに頼ってもらえるから。独りになる事は無いから」


  ギチギチと開いて、中身がドロリと出てくる。
  私がずっと隠してたモノ・・・


 「他人を救いたい、助けたいというのも所詮は孤独から逃げたいから。
  まあ一部の人間からは英雄と祭り上げられていたりしますけど・・・それで貴方は決定的に矛盾している」
 「うぁ、ああ、ぁああ・・・!!」


  ギチギチと開かれて、ぬるりと入ってきて、ドロリと溢れ出て、それにズブズブと沈んで行く・・・
  深い深い暗闇に、真っ暗な孤独に・・・


 「貴方は独りになりたくないが故に英雄となっても、その英雄という壁で独りになってるの」
 「やめ、て・・・!」
 「魔法という力の無い自分に価値を見出せないから、孤独が嫌だから力を求め、余計に独りになっていく」


  壊れた器は戻らない。
  溢れ出したモノは止まらずに私を沈めていく。


 「伝えたいんじゃなくて離れてほしくないから貴方は力を誇示する。
  救いたい、助けたいという嘘の気持ちを言い訳にして他人に頼られたいと貴方は願っている」
 「やめて、もうやめて!!」
 「だから頼ってくれない者は貴方にとって価値は無く、だからあの少年も見捨てられた」


  違う、違う・・・!!
  私はケイスケくんを見捨てたりなんか・・・!!


 「だって貴方は仕事を優先したでしょ? 仕事を言い訳にしてあの少年を助けに行こうとは思わなかった。
  なぜなら頼ってくれない、貴方の孤独を作り出すあの少年はイラナカッタカラ」
 「違う違う! 私はそんな事―――!!」
 「だったらこれならどうかしら? IS、シルバーカーテン」


  視界が揺らいだ。
  いや、揺らいだのは一部分だけで全体が揺らいだ訳じゃない。
  揺らいだ部分は・・・ヴィヴィオ?
  揺らぎはどんどん大きくなってヴィヴィオが認識できなくなって・・・代わりに、別の人物をそこに認識した。


 「・・・・・・え?」
 「どうかしら? 気に入って貰えた?」


  隣からクスクスと嗤う声が聞こえる。
  今さっきまで目の前にいたヴィヴィオは消えて、代わりにそこに立っていたのは・・・




 「ケイスケ、くん・・・?」



   Next「想いを伝えて[後編]」








   後書き

   すんませんすんませんすんませんすんません

   虐めたいわけじゃないです。ええ決して精神崩壊させたままでいませんとも。

   念のために言っておくと私キャラは全員愛してますハイ。

   さー、フェイトとなのはの鬱パート入ったよーww ・・・・・・・・・・・・・・・書いてて心が痛んだw

   かなり苦情とか来そうで怖いよー

   今度は後篇。これで終わりだと思います。エピローグ的なものさえ調子のって書かなければ・・・

   つーかここまで長くなったのも予想外だったりw 元々前編前篇後篇に分けるつもりなんてなかったww

   では最後に拍手を・・・


   >はやての氷結魔法の名前間違ってません?


   おう、確かに! ご報告ありがとうございます



   >最新話、読ませていただきました。面白かったですが…
    はやての氷結魔法。「……眼科の大地を白銀に……」
    「眼科の大地」はいかんでしょう。シリアスがだいなし。
    目薬と「C」が大量に浮かんでいる世界を思い浮かべて吹きました。
    ついで。バーストが常に「beast」というのはどうかと。
    「beast」は普通「ビースト」と読み、「獣」とかの意味ですよ。
    「バースト」なら「burst」が正しいスペルかと。
    つっこみだらけですいません。そろそろA'sも終わりの模様。頑張ってください。

   おおう、またもやミス!? 気をつけます、ほんと・・・

   面白いと言ってくださってありがとうございます。

   この外伝が終わればまた始まるんでよろしくお願いしまーす








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