VANDREAD連載「Eternal Advance」




Chapter 7 -Confidential relation-






Action6 −朝−




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一夜が明けた。

ニル・ヴァーナという世界において、艦内全域に照明が点され、朝の時間が訪れる。

船内では朝・昼・夜と決められた時間内を定めており、クルー達はその中でそれぞれのスケジュールを計画する。

こうした規則正しい船内生活を促す事で、団体生活を成り立たせていると言っても過言ではない。

今日もまた一日が始まる。

海賊という家業を、そして刈り取りという未知なる脅威を抱えての旅は、何時何処で何が起きるかは分からない。

それこそ一秒後に敵が攻めてくる可能性もあれば、考えもつかないトラブルに巻き込まれる可能性も充分にある。

生死という過酷な選択を強いられている不安定な旅での一日ではあるが、それでもクルー達は一生懸命働かなければいけない。

目的があるために、日常を設立するために。

そして、生きる為に――

通路から各部署に至るまで照明が点灯し、クルー達は持ち場での制服に着替えて自室を出る。

反対に夜間担当者はようやく訪れた朝に安堵し、自分の部屋へと帰っていく。

朝から昼・昼から夜・夜から朝と言う時間帯の変化において、一番クルーの行き来が激しい。

夜の静けさとは違って艦内はクルー達の活気に満ちており、明るい気配が通路内や職場内に広がっていくのである。

朝という爽やかな時間における清々しい雰囲気の中で、艦内のある一帯だけ夜に匹敵する暗さを抱えた箇所があった。

融合戦艦ニル・ヴァーナを構成する上位部に位置する元イカヅチ旧艦区内監房。

元来罪を犯した囚人達を幽閉する無骨な場所にて、朝の明るい時間に暗い溜め息を吐いている男がいた。


「はぁ〜〜〜」

「・・・・・・」


 自室としてあてがわれた監房内一室で、日頃着用している軍服に襟を通したバートはげんなりした顔で斜め正面を見る。

バートの視線の先には、設計上同じ造りの監房の一室があった。

煌々と照明が点けられている中で、その部屋からは先程から重苦しい雰囲気が漂ってくる。

何度も無視しようと試みたのだが、どうしても聞こえてくるのだ。


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 

「・・・・・・」


 同じくバートの隣の部屋より、瑞々しい洗面台で顔を洗ったばかりのドゥエロがちらりと視線を向ける。

ドゥエロも気がつかない訳ではなかったが、正面に位置するその部屋の主の心情を察して声をかけずにいた。


「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

「おーい!もういい加減にしてくれよ」


 とうとう我慢出来なくなったのか、部屋から出てきたバートはツカツカと斜め向かいまで歩み寄る。


「ふむ・・・・」


 清潔な医療タオルで顔を洗顔したドゥエロもまた同様に、部屋から出て正面の部屋に入室した。

入室許可は取らなかったが、この部屋の主が些細な礼儀を気にかける者ではない事はもう分かっている。

そろそろ付き合いも月単位とまでなっているのだ。

いきり立つバートと変わらず冷静なドゥエロが入ってきたのに気づいて、部屋の主は寝返りをうって視線を向ける。

部屋へ帰ってきた早々ふて寝していたカイがそこにいた。


「あ〜、もうやる気でねえ。何か自分の人生もどうでもよくなってきた・・・・」


 余程落ち込んでいるのか、起き上がろうともせずに冗談ともつかない言葉を口にするカイ。

バートはそんなカイを面白げに見下ろして、はっとなにやら思いついたように口元を歪めて言った。


「その気持ちはよく分かる!
僕にはよく分かるぞ〜〜〜〜!!
何しろ今まで一生懸命戦ってきた宇宙一のヒーローたるカイちゃんが、権限として与えられたセキュリティレベル0だもんね〜」

「ぐはっ!?」


 一番聞きたくなかった事を言われて、カイは簡易ベットの上でもんぞりうつ。

耳に痛く、心に突き刺さった容赦ない言葉は精神的なダメージが激しい。

普段はどちらかと言えばカイに押され気味だったバートは、ここぞとばかりに連発する。


「0だよ、0!分かるかい?
1ですらないんだな、これが!
言ってみれば、女に何一つ信用されてなかったって事かな?
あちゃ〜、言っちゃった」

「ぐおおっ!!」


 カイは苦悶の表情で自分の耳を押さえて、これ以上バートの声が聞こえないようにする。

苦しむカイの様子が余りにも面白かったのか、にやにや笑いながら足を進める。

そのまま屈んでカイの耳元に口を近づけたバートは、ぼそぼそ声で語りかけた。


「セキュリティレベル0だからね・・・・
女がいる区域には殆ど近づけないんじゃないかなぁ?」


 バートやドゥエロ、カイはタラーク出のマグノ海賊団での異端である。

両者の利害が一致する為に、そして捕虜でありながらも役に立つ人材として扱われて今ここにいる。

言ってみれば、マグノ達からすればカイ達は生産物資と変わらない。

使用済みになれば切り捨て、使用不能になれば放り出される存在と言えよう。

だからこそ海賊である女達はカイ達のような男を拒絶し、男はまた女を敬遠する。

この事態は種族的に、両者の国民的思想の違いから考えればおかしくも何ともない。

嫌って当然なのだ。

だが、バートはカイがマグノ達と近頃積極的に近づいていたのを知っている。

嫌われようと、拒絶されようと、カイは何も苦に思うことなく毎日のように接していたのだ。

バートはそんなカイを初めこそ嘲笑っていたが、日が経つにつれて嘲りは変わりつつある。

女達のカイを見る目が傍目から見ても、変化しつつある事に気づいたのだ。

嫌悪から拒絶、拒絶から拒否、拒否から敬遠、敬遠から緩和と変わる感情の流れ。

流れはやがて広大になり、多くの女達を飲み込んでいく。

バ−トがハッキリと認識できたのが、この前の鳥型襲撃時だった。

カイの途方もない作戦を許可したマグノに、賛同したクルー達。

最後はタラーク軍ですら恐れているマグノ海賊団ドレッドチームを率いて、敵艦隊を倒した。

カイの雄姿は女達の目を向け、カイの言葉は女達の心を向けた。

そんな女達の変化は、バートの心をも変化させる。

生まれ持った家柄か、子供の時から注目されて目立ってきたバート。

子どもの頃より周りの身分の低い大人はバートに頭を下げ、同世代もがバートを中心にしていた。

なのに、今自分とは比べ物にならない三等民のカイが女達の気を惹いている。

マグノにすら特別視されつつあるカイにバートは嫉妬という感情を生み出させ、女達の目を自分にと思うようになったのだ。

タラークでは鬼だと恐れられている女達の注目を浴びる事。

自分を敬う女達を想像するだけで、バートは沸き立つ感情を抑えられなくなってきている。

カイとは違う感情ではあるが、バートもまた女への見る目が変わりつつあったのだ。

その先に、昨夜のクルーへの正式入属とクル−としてのセキュリティ権限の贈与だった。

自分が海賊の女達の頭目であるマグノに認められた事が本当に嬉しく、また不安でもあった。

セキュリティが自分よりカイに上位の権限を与えられていたら、と思ったのである。

結果としては、全くの杞憂だった。

カイの与えられたセキュリティレベルは0――

結局カイのこれまでの奮戦は空回りであり、女達はカイを嫌っていたのだ。

悠々とバートはカイの肩を叩いて、続きを述べた。


「いいじゃないか、これで女達とは心置きなく距離を取れるんだからさ。
いや、もう絶縁状態にあるといっても過言じゃないね」

「ぐおおおおっ!!!」


 バートの指摘にカイはドタバタとベット上を転がって、ギシギシ音を立てる。

さすがのカイも容赦ない現実に打ちのめされている様だ。

調子に乗ったバートはここぞとばかりに言い放った。


「0はきついよな、0は・・・・

0は!

0は!!

0はぁぁぁl!!!

え、僕?僕は何でかしらないけど、セキュリティ3だって。
いや〜、困ったな。
僕は女と仲良くするつもりはないのに何故か気に入られてたみたいだよ、はっはっはっは。
ドゥエロ君、君はいくつだったかな?」


 バートの突然の質問に、静観していたドゥエロが眉を動かして答えた。


「私は5だ」

「おお、5!
さっすがはドゥエロ君。士官学校からエリートだった君には当然の待遇かな」

「医者としてだろう。特権があれば、緊急治療時に即座に対応出来る」


 ドゥエロはある程度自分の評価を冷静に受け止めて、きちんとした分析は出来ていた。

自分は医者であり、男でもあっても女であっても医療的措置をしなければいけない。

その上でセキュリティは内部での緊急時において邪魔な壁にしかならないのだ。

一刻一秒を争う事態ともなれば、セキュリティに足止めされている場合ではない。

マグノもそう考えて高い権限を与えたのだと、ドゥエロは推察している。

恐らく女達に本当の意味で触れる為には、もっと高い権限が必要であろうとも――

そういった意味で、ドゥエロは女という側面にまだ足も踏み入れる事が出来ない現実を知っていた。

生憎、バートにはそれが判ってはいないようだが。


「謙遜しなくてもいいよ、ドゥエロ君。
僕も君も今まで女達の虐待に耐えてきたからこそ、今日があったのと断定していい!
僕達二人はあいつらに認められたのだよ!
あ、ごめん。三人だったよね。
ヒーローのセキュリティレベルはいくつだっけ?ワンモアリピート!」

「ぐおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」


 断末魔のような叫び声をあげて、カイはぱたりとだらしなく四肢を投げ出した。

最後がトドメとなったのか、最早動く事もなかった。

カイの力尽きた様子を見て、バートは汗を拭う仕草をして満足げに笑って立ち上がった。


「勝った・・・・」

「勝ち負けだったのか、今のは?」


 客観的に最後まで見ていて、ドゥエロはコメントを入れる。

ドゥエロの声に反応して、バートは気取った様子で背後を振り向いた。


「カイにちょっと現実を教えたんだよ。僕としても辛いんだけどね」

「随分楽しそうに見えたんだが・・・」

「気のせいだよ、気のせい。
まあでも良かったじゃないか、カイ。
騒動を起こした事は咎められなくて済んだんだし」

「そういう問題かぁぁぁ!!」


 がばっとベットから起き上がって、カイは思いっきり立ち上がる。

そのままずかずかと歩いていって、バートの胸倉を掴んだ。


「この野郎、黙って聞いていれば好き放題ぬかしやがって!」

「事実じゃないか。君はセキュリティ0だよ、0」

「ゼロゼロと言うな!」


「ごめんごめん、何の権限もないって言えばよかったかな」

「そっちの方がひどいわ!」


 今にも泣きそうな顔をしつつ、カイはバートに怒鳴り散らしていた。

対するバートは朝早くに起こされたのも露とも知らないような様子で、カイとのやり取りを楽しんでいるように見える。

基本的に、バートはカイは嫌いではない。
女達の関心をひいているカイに嫉妬心を抱いたのは事実だが、そんな感情をふまえてもカイとは少しずつ仲良くなってきている。

性根が真っ直ぐで、感情の機微は激しいながらにも情が厚いカイという男を知りつつあるからだ。

先日の敵艦隊襲撃時でも、カイはバートに叱咤激励をかけている。

身分も何も気にせずに言いたい事を言い合える、そんな人間は今までのバートには一人もいなかったのもその原因だろう。


「それにしても・・・」

「ん?」


 バートに詰め寄っていたカイは、怪訝な顔で声のする方を向く。

その視線の先には難しい顔をして考え込んでいるドゥエロの姿があった。


「カイが何故セキュリティ0なのかが気になるな」


 心底不思議そうな表情で、ドゥエロは考え込んでいるようだ。

ドゥエロにとっては、カイが0である事に不可思議な物を感じずに入られなかった。

思案に佇むドゥエロに、カイは複雑な表情で頭を掻いて言う。


「そんなの俺だって知りたいぜ。
あのばばあ、結局理由も説明しやがらなかったし」


 昨晩0だと無情に通達された時、カイは猛然と抗議した。

バートやドゥエロにはそれなりの権限を与えて、自分には何故0なのかと。

カイは全く納得していなかった。

騒動を起こしたのは確かだが、それにしても0はあまりにも酷い扱いと思えたから。

憤然と抗議するカイに、マグノからの回答はこうだった。



『これはもう決定事項だよ。明日からきっちり守っておくれ』



 思い出せば思い出すほど腹が立つ出来事だったのだろう。

カイはいらいらした顔で愚痴をこぼした。


「何がきっちり守っておくれだ、馬鹿野郎。
今まで頑張ってきた俺への恩をすっかり忘れやがって、あの鬼ババは」


 悪態をつくカイに、バートは平然とした態度でボソッと言った。


「・・やりたい放題やったからじゃないのか」

「う・・・い、いや、でも!
今までの戦いだって、俺がいなかったら負けてたじゃねーか!」


 これまでの戦歴を思い出して反論するカイだが、今回ばかりはバートは強い。

そのまま壁にもたれ掛かり、カイを上から見下ろして言った。


「カイの場合はでしゃばってたという方が正しいんじゃないか?」

「うう・・・・・」


 これまでの事を、カイは思い返した。

初出撃時は女達とは敵対し、海賊としてのメイア達に徹底抗戦を行った。

ピロシキ戦は共に戦ったというより、自分が出て行って一人そのまま突撃して戦った。

ウニ戦は苦戦するメイア達を助けたが、当の本人であるメイアには喜ばれるどころか拒絶された。

砂の惑星では罠にかかったところを助けたが、自分の意思でありメイア達に頼まれた訳ではない。

冷静に考えてみると、自分の独断で行動しての結果ばかりだった気がした。

メイア達の命令を聞いた事は一度もなく、自分の意思で戦い、時には助けた。

特に女達を助けてどうこうとは考えず、自分がそうしたいから行動に移してきたのである。

そう考えていると、もしかすると女達は助けられる事を嬉しいとは思わなかったのかもしれない。

恩に着せるつもりは毛頭なく、自分の夢を果たす上での延長とはいえ、考えてみると信頼を得られるほうがおかしいのかもしれない。

そんなカイの思考に、ドゥエロは待ったをかける。


「いや、カイの功績は見上げたものだと私は思う。
これまでの戦歴を見て何も思わないようでは、マグノ海賊団はここまで成り立たなかっただろう」

「そ、そうかな?」

 ドゥエロのこうした賞賛は久しぶりだが、真摯な言葉にカイは照れくさそうにする。

ドゥエロはそんなカイを一瞥して、腕を組む。


「戦術や戦いぶりもそうだが、君は精神力が特に成長している。
イカヅチで海賊が襲い掛かって来た時の君とは比べ物にならない。
日々女達との衝突や敵との修羅場を経験し、乗り越えてきたからだろう」


 パーティ会場で出会った当初は給仕と仕官候補生のエリートという決して相容れることのない関係。

それでも縁があったのか行動は常に共にし、ここまで来た。

早くからカイに興味を示して観察し続けてきたドゥエロだからこそ分かる、カイの成長ぶりなのだろう。


「な、なんだよ。そんなに褒めても何もでねえぞ」


 ドゥエロが本心から言っているのだと気づいてか、カイは相好を崩している。

そのままドゥエロはだからこそと本題に入った。


「君に与えられた低レベルのセキュリティがわからない。
彼女達の目が曇ってでもいるのか、それとも・・・・・」

「そんなに難しく考える必要はないんじゃない?」


 考え込むドゥエロに、バートは補足を入れる。


「僕達は元々捕虜なんだしさ、男だからあんまり深入りされたくはないんじゃないかな。

カイのレベルが低いのも、僕やドゥエロ君と違って無遠慮に入り込もうとするからとか」

「ふむ・・・一理はある」

「うーん・・・・・」


 バートの説明は的を得た論理ではあり、ドゥエロやカイも反論できる要素はなかった。

マグノが0という無権限を与えたのも、昨晩の一件が強く尾を引いているのかもしれないのだ。

女達のプライベートに入ろうとしたカイだ、許すほうがおかしいだろう。

向こうは自分達を嫌っているのだから――
「やっぱ根にもたれているのかな、俺」

「女は執念深い生き物みたいだからね・・・・
僕もよくブリッジで顔をあわせるけど、ちょっとでもミスしたら後々まで文句言われ続けるんだ。
お陰で全然気を抜けないよ」


「それはミスしたお前が悪いんだと思うんだが・・・
う〜ん・・・」


 考えれば考えるほど判らなくなって来ているカイ。

そもそも女を気にしたり、セキュリティという女達への壁が厚くなった事に嘆くのもおかしかった。

タラークでは考えられない異端なのだ。

もし今回のマグノの英断がバートの言うように拒否からだとすると、今後は今までのような行動は取れなくなる。

セキュリティを万が一再度破れば、今度こそ放り出されるかもしれない。

マグノは自分にもうこれ以上かかわるなという意味で0という境界線を引いたとも解釈は出来る。

そういった可能性を考慮すれば、もう女達に近づくのは止めた方がいいだろう。

別に女達と仲良くできなくても、役割さえ果たしていればこの船で生きてはいけるのだ。

・・・・が、

そこで自分の行動を無理に控えない所がカイだった。

カイはしばしの間考えこんで、決断した顔で監房を出て行く。

そのまま監房を出て通路内を歩いていくカイに、バートとドゥエロは顔を見合わせて慌ててついて来た。


「おいおい、いきなりどうしたんだよ?」

「どこへ行くんだ?」


 両脇に並ぶ二人にそれぞれ顔を向けて、カイは余裕を取り戻した表情で言った。


「こうなりゃ当たって砕けてやる。
セキュリティ0でどれだけ行動できるかやってみせてやろうじゃねえか」

「お前、まさか女の所へ行くつもりか?」

「当然。それに腹も減ったからな。
お前らもどうだ?カフェテラスとかいう所で飯でも食いにいこうぜ」


 今の今まで悩んでいたとは思えないカイの発言。

二人は再度顔を見合わせて、互いに苦笑しあった。

そしてカイの歩行速度に合わせて、二人はついて来た。

女達の生活区域にはバートやドゥエロも興味はあったのだ。

三人はそのまま談笑しながら歩いていき、やがてエレベーター前に辿り着く。

昨晩カイはここから下に降りて、プライベートエリアへと向かったのを思い出す。

下を指し示すボタンを押すと、チンと小気味いい音を立ててエレベーターのドアが開く。

そのまま三人は中へ乗り込んだのだが―――


『ピーピー!ピーピー!!』

「あん?」


 突然エレベーター内に鳴り響く警告音にカイが怪訝な顔をすると、直後に機械音声が響いた。


『不適合者、確認、警告シマス。
御利用ニハレベル1ノパスコードガ必要デス。警告シマス。
御利用ニハレベル1ノパスコードガ必要です』


「パ・・・パスコード・・・?」


 全身に嫌な予感が走るカイ。

そこへ、ドゥエロが重々しく端的に説明する。

「使用者権限だろう。恐らくこのエレベーターにはセキュリティが仕掛けられている」
「仕掛けるなよ、そんなもん!!」


 カイの一日の始まりは、早速出鼻を挫かれてしまった。






















<続く>

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