ヴァンドレッド the second stage連載「Eternal Advance」




Chapter 24 "Men and Women"






Action70 −小友−








メジェール惑星外にある、マグノ海賊団のアジト。

タラークとメジェール、海賊の被害にあった両国が死にものぐるいで探している海賊達の本拠地。

メイア達の話によるとアジトには数多くの非戦闘員が住居を構えており、当時タラーク軍艦を襲ったマグノ達は新兵が多かったとの事だった。


ディータ・リーベライもその一人で、リーダー候補となった今とは打って変わって、実戦は未経験だった。


「何でタラークの軍艦を襲うのに新兵が多かったんだ」

「実戦経験を積ませるためだ。まさかこのような事態になるとは夢にも思わなかった」

「だからって国家の軍艦を襲うんだから、危機感ってもんがあるだろうに」

「どのみち、経験は必要なのだ。ならば男たちの船を襲う方がまだ難易度は低い。何よりも罪悪感が薄れる」

「罪悪感?」


「故郷の船を襲うのに何の抵抗もないほど、私達だって人間をやめていない」


 メイアに指摘されてカイは思い当たった。

メジェールの思想は女尊男卑、男は人間以下の獣として扱われている。

そんな男達から物資を奪うのであれば、抵抗は少ない。


だって、相手は人間ではないのだから。


「ドクターの話ではお前達も新造艦に士官学校上がりの軍人を多数乗船させていたのだろう。
タラーク側は隠蔽していたようだが、あれほど大々的にやっていれば簡単に漏れる」

「……言われてみればそうだな」


 何しろお手伝い要員とはいえ、自分のような労働階級の人間まで乗船していたのだから。

船に乗り込んだところで出来ることなど限られている筈だが、それでも自分は宇宙へ出て活躍したかった。

ヒーロー願望は結局夢想に終わってしまったが、それでも行動した事自体には後悔はない。


とはいえドゥエロ達士官候補生やカイのような三等民が乗り込んでいたのだから、メイア達をあまり悪くはいえなかった。


「でもマグノ婆さんやブザム、ガスコーニュとか重鎮が乗り込んでいたのに、アジトを留守にしていて大丈夫なのか」

「問題ない。お頭の留守は”レベッカ”に任されている」

「レベッカ……以前少し聞いた事のある名前だな」

「副長と同じお頭の補佐を務める人だ。フォーマ――エズラさんの夫といえば分かるか」


「お袋さんの夫がナンバー2か。変な言い方だけど意外な組み合わせだな」

『さすがカルーアね。ユメの妹だけあって、血統から違うのよ』


 メイアから話を聞いて感心した素振りを見せるカイに、横で聞いていたユメもしたり顔で頷いている。

元来は人間嫌い、血統主義なんて欠片もないのだが、自分が可愛がっている子供の親が優秀だと知ると嬉しいようだ。

今でこそ変わったが、かつては他人を受け入れていなかったメイアがそこまで信頼を寄せる人物であれば、お頭不在でも問題なくやり口できているのだろう。


カイは懸念を口にしてみる。


「マグノ婆さんは無条件降伏を選択こそしたが、タラークとメジェール両国は今回本気で迎え撃つ準備をしていた。
両国が総力を上げてアジトを突き止めている可能性はないか」

「私も最初こそ心配はしたが、今は可能性は薄いと考えている」

「お前にしては珍しく楽観的だな」

「メジェール本国が何一つアジトについての言及や行動をしていないからな。
すでにアジトを特定して制圧していたのであれば、勧告もしないのはおかしい」


 メイアの意見にカイは納得して取り下げた。

アジトを事前に特定して制圧したのであれば、マグノ海賊団は帰る場所を失ってしまう。

包囲した段階で勧告していれば、まず間違いなくマグノ達は絶望していただろう。


戦意喪失させる絶好のタイミングで何も言ってこないのは、行動していないことを意味している。


「アジトにはベテランメンバーも多くいる。合流すれば大きな力となるだろう。
どのみち地球との決戦前に一度合流する手はずとなっていた。予定が思っていたより早まるが致し方ない」

「ここまで来たからにはむしろお前を紹介して、男についての理解を得た方がいい。
私から説明して彼女達を納得させる、それが私に出来る仕事だ」

「青髪……」


 ここにいたってメイアが何を言いたかったのか、カイは理解した。彼女が自分ができることを探していたのだ。

ドゥエロ達は故郷へ戻って男達を説得、マグノ達は無条件降伏して故郷の内から反撃の狼煙を上げる。

ミスティは異星人として地球の告発を考え、ソラやユメは精霊としてカイの味方になることを約束。


メイア・ギズボーンは何が出来るのか――彼女は模索し続けていたのだ。


「母艦の状態は把握した。ガスコさんのレジ船でアジトへ向かうぞ」

「ユメは母艦のシステムを出来る限り制圧、ソラはニル・ヴァーナに残っているパルフェ達を支援してやってくれ」


『承知いたしました、マスター』

『ますたぁーの船が安全に出ていけるように、あいつらの目を誤魔化してあげるね』


 カイとミスティの二人を連れて、メイアはアジトへと向かう。

女性海賊が集結する海賊のアジト。


男にとっては禁断の地であった。

















<to be continued>







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