VANDREAD連載「Eternal Advance」




Chapter 5 -A shout of the heart-






Action11 −叫び−




---------------------------------------------------------------------------------------------


 静寂は波乱へと変貌を遂げる。

黄土色に濁った空の下にて砂埃一つ立てていなかった大地が、まるで嵐の海原の様に世界を変えている。

侵入者へのトラップは、多発したレーザーによるシールド内へ調査班を閉じ込めるだけに終わらなかった。


「ぐぎぎぎ・・・な、何だ、この砂は!!」


 コックピット内で汗を滲ませながら、カイはぼやけた視線で中央モニターを見やる。

人型兵器特有の両のモノアイから映し出される外の光景は、砂一色であった。

上・下・左・右、ありとあらゆる各所から吹き荒れる砂嵐は視界を遮り、数メートル先も見えない。

地面に伏しているカイの蛮型には、嵐に舞い散った砂が一粒一粒付着していく。

機体表面に砂が粘りつく程度なら起動になんら支障はないのだが、問題はその砂だった。


「な、何、この砂!?なんか変だよ!?」


 レーザーに撃たれて墜落したカイを助けようと駆け寄ったディータの蛮型もまた、砂に晒されていた。

砂は頭部・胸部・臀部・手足のそれぞれの箇所に付着して、じわりじわりと広がっていく。

砂の動きは一粒一粒がまるで生き物であるかのように、機体表面を侵食して行った。

常識ではあり得ない砂の動きにディータは機体内部で震える。

結果的にトラップを第一に発動させてしまったカイ機はさらに酷く、全体の約五十%以上が侵食されていた。

更に異な事に砂に塗れた箇所は稼動が成立しなくなり、コントロールを受け付けなくなっていた。

特にカイは単独による上空からの観測を行おうとした際に、攻撃されたレーザーの後遺症が残っている。

歩行は何とか出来るのだが、麻痺した身体で戦闘体勢が取れないでいるのだ。

全身の慢性麻痺に砂の汚染、二重の苦しみにカイ機はほぼ行動不能状態となっている。


『う、宇宙人さ〜ん〜〜!!』

「じたばた動くんじゃねえ!この砂、なんかやべえぞ!!」


 堪え切れなくなって助けを求めるディータの声に、カイは必死に警告した。

言語を発する上で不可欠な舌も緩慢に痺れている為に、声を出すのも困難なのだ。


『カイ、応答しろ!カイ!』 

「あー、うっせえな!!とにかくだな、砂が襲い掛かってきているんだよ!」

『具体的に説明してくれ。砂がどのように襲いか・・・』


 サウンドオンリーでの通信を行っていたのだが、センサー越しのブザムの声が途切れた。

カイ本人による意思でも、ブザムが突然切った訳でもない。

カイは苛ただしげにセンサーを殴って、外部モニターを全方位に拡大する。

視界全方位に視野が広がるが、画面の隅々にノイズが走っていた。


「この砂、俺らのシステムを妨害してやがるな」


 カイは呟いて現状の深刻さを改めて味わい、自分の不甲斐なさを恥じた。

肝心な時に一番に攻撃を食らって身動きが取れないのだ。

大口叩いて飛び出した自分が情けなくなる。


「ベルヴェデールの奴が心配してくれてたのにな・・・・
何でもっと真剣にあいつの言葉を受け止めなかったんだ!」


 血が滲む程歯を食いしばって、カイは着陸時の自分の油断をののしった。

ニル・ヴァーナからの出立時、通信モニターからベルヴェデールの勝気さのない曇った表情を思い出す。



『・・・どうも気になるのよ』



 あの時はトラップの気配をベルヴェデールは判っていた訳ではない。

判っていたのなら出撃前にカイに知らせればいい事なのだ。

ベルヴェデールが不安そうにしていたのは、数多くの経験を積んだブリッジクルーとしての勘なのだろう。

たかが勘と馬鹿にするか、聞き入って警戒するか。

カイは前者を選んでしまい、結果として心配は的中した。

自分自身はおろかメンバーの皆までが、設置されていたトラップに踏み込んでしまったのだ。

身動き取れない状態でカイが歯噛みしていると、モニター内に緊急回線が開かれる。

普段交信する通常回線とは違って、緊急事態が起きた時に使用されるオンラインであった。


『あんた、無事なの!?返事してよ!』

「・・・黒髪?お前こそ大丈夫なのか?」


 焦りのこもったバーネットの声にぼんやりと返事をすると、通信先からは一息ついた呼吸音が漏れる。

ややトーンが落ちているが、カイの元気そうな声に安心したのだろう。

次に届けられた声からは平静さと緊迫感が混ざった言葉が、カイの耳に飛び込んだ。


『どうやらあたし達はめられたみたいね。完全に閉じ込められたわ』

「・・・悪い。ちょっと油断した」


 カイが素直に謝罪すると、バーネットは驚いたような声をあげた。


『へえ〜、あんたでも謝るんだ・・・』

「ったりめえだろう。俺は大人よ、大人。
ガキみたいに意地ばっかりはるような奴じゃないの」

『・・相変わらずあんたって偉そうね。普段は子供みたいな行動ばっかり取ってるくせに』

「うすらやかましいわ!!
それより、金髪はどうしたんだよ。
あいつって結構逆境に弱そうだから、トラブル起こしているんじゃねえのか」


 だんだん酷くなるばかりの砂嵐に周囲を阻まれて、ジュラの赤い機体が全然見えないのだ。

知り合って間もないが、普段気取った格好ばかりしているジュラの内面にカイは気がつきつつあった。

タラークに養われていた頃接客業に勤しんでいた事もあってか、カイは人を見る目に自信がある。

心配と冷やかしのあるカイの質問にバーネットが苦笑して答えようとすると、横から高い質の声が響いた。


『大きなお世話よ!あんたとは違って、ジュラはまだぴんぴんしているわよ』


 いつのまにか会話を傍受していたのか、ジュラは通信モニターより顔を出した。

怒りに染まった美貌を見て、無事である事を確認したカイは鼻で笑った。


「何だ、元気なのかよ。トラブってくれてると、騒がれなくて助かるんだけどな」

『普段煩いのはあんたでしょう。それより大丈夫なの?
撃たれてたみたいだけど、合体に支障はないのかしら』


 心配してくれるのは嬉しいが、心配事の起因が別にある事にカイはげんなりする。

身も蓋もない正直者と言えばそれまでだが、合体さえできればカイ自身はどうでもいいようだ。

カイはモニターを睨み付けて文句を言ってやろうとしたが、その時ふと気がついた。


「お前・・・通信できるのか?」

『そんなの見れば分かるでしょう。
ジュラのこの綺麗な顔が見えないの?』

「誰もお前の顔なんぞ見たくないわ!
それより、通信できるんだな!だったら・・・・・」


 カイの言いたい事が分かったのか、バーネットも明るい声を出した。


『ジュラ!すぐにブリッジに繋げて!
副長とお頭に現状を知らせて、対策を立ててもらいましょう!!』


『そ、そうね!分かったわ!!』


 バーネットの指摘にジュラはようやく気がついたのか、慌てて別回線を繋ぎ直す。

恐らくトラップの影響下にあまり晒されていなかったのだろう。

真っ先にトラップにやられたカイ機に、戸惑ったまま砂嵐に巻き込まれてしまったディータ達二人と違って、

カラフルな赤に染まったジュラの機体の表面はまだ砂に覆われてはいなかった。

システム関係の一切がダウンしてしまったカイ達とは違い、大気上の母船との連絡が可能という事になる。

カイとしては不本意ではあるが、とにかく現状を何とか分析してもらわなければどうしようもない。

手がかりを得おうにも、シールドに閉じ込められて身動きさえ取れないのだ。


『こちら、ジュラ!ブリッジ、応答して!!』


 危機感のこもったジュラの通信内容を耳にしながら、カイもまた気迫を新たに燃やす。

カイは基本的に反省はするが、後悔には無縁の男である。

失敗を次なる成功へと導く。己を罰した後で奮い立たせる事こそが力となる。

悔やんで何もしない事の愚をカイは何より理解していた。


『宇宙人さん、無茶しないで!今ディータが・・・!!』

「うっせえ!お前は周りを警戒してろ!
トラップがこれで終わりかどうか分からねえんだぞ!!」


 何しろ惑星へ侵入した者をご丁寧にもシールドで周りを塞ぎ、逃がさない様にしているのだ。

もし行動不能にさせようというだけなら、砂だけで十分な効果を発揮するにも関わらずである。

いつどのような形で、第二波に見舞われるか分からないからだ。

カイはベルヴェデールの言葉を今度こそしっかり胸に刻んで、震える身体を起こして操縦桿を握った。















 トラップゾーン周辺を除いて、惑星の空は部分部分ではあるが青空を見せている。

濃密な大気と照りつける光の反射が織り成す天空は、砂の濁りは混じりつつあった。

そんな高き空のとある一点がきらりと輝いた。

同時に光点は小さな影のシルエットとなり、時が経つにつれてその輪郭を大きくしていった。

丸い点でしかなかった輪郭は徐々に形を変えて、やがて人型へと変貌していく。

大気圏から上空へ、上空から地表へと近づくシルエットは、白亜のコーティングがなされた蛮型であった。


「こちら、メイア。皆、応答してくれ。
こちら、メイア。皆、聞こえているか?」 


 若干辛そうに整った顔立ちを歪めて、白亜の蛮型のパイロットメイアが必死で応答を呼びかける。

通信回線は正常に作動しているが、相手先からの回線モニターはノイズでしか返してこなかった。

ディータ・ジュラ・バーネットとそれぞれに呼びかけて、この反応である。

もし何らかの原因で故障したのなら、三人の内の誰かが応答する筈なのだ。

ところが誰からも応答がない所をみると、どうやら現状はより一層悪化しているらしい。

メイアはそう判断して、表情を引き締めてさらに通信をかけようとして止まる。

「カイ=ピュアウインド」、調査班でたった一人の男へリンクを繋げていない。

今現在惑星内表面で起きている事柄を正確に知りたいのなら、迷わず繋げるべきである。

カイは確かに男でタラーク人であり、メイア側女性達の間では敵である。

が、立場関係でいうのなら、カイは仲間ではないが同様の目的を持った同志なのだ。

優先されるのは現段階でのピンチを乗り越える事であり、故郷への帰参を目指す事。

リーダーとして必要なのは感情ではなく、判断なのだ。

任務に私情を交えることを一番嫌っているのは他ならぬメイアだ。

しかし、当のメイアはカイへの交信をしようとして手を止める。



『てめえの人生だ。俺の知った事じゃない。好きにしろよ』



 非難もなければ、温かみもない。

他人という隔離された存在からの言葉。

自分に背を向けて去るカイの姿――

メイアは通信回線の一切をオフラインにした。

一瞬でも男の手助けを求めようとしていた自分に、メイアは吐き気すら覚えた。

他人への協力を求めるなど、自分の弱さに他ならない。

メイアは毅然とした心構えを取り戻し、マニュアル通りの手順で降下作業に勤しんだ。















 迷いを強引に打ち消したメイア。

そんな彼女を、ただ一人だけ悲しい眼差しで見つめている者がいた。

場所はメイアの傍らではなく、遠く離れた大気表面上の母船内メインブリッジ。

調査班全員の身を随時点検しているドクター、ドゥエロ=マクファイルである。

自分のコンソール画面から、カイ達四人だけだった心理グラフに新しく一人加わったのを察知したのだ。

心理グラフに追加されたという事は、単独で惑星に着陸した事を意味する。

ドゥエロは珍しく心配そうな顔をして、小さく呟いた。


「・・・やはり半端な言葉では彼女は止められないか・・・」


 ドクターとして、人間として、己の至らなさを経験したのはドゥエロの生涯でこれが初めてである。

母星タラークでは何不自由なく育ち、何の苦もなく文武両道にこなして来たドゥエロに挫折はなかった。

人間関係とて自己分析出来るほどに、ドゥエロは優れすぎたと言える。

ドゥエロにとっては出来る事こそが当たり前であり、疑問に思った事すら今までなかった。

カイと出会うまでは――


「己一人で出来てしまう。立派だがむなしいぞ、メイア」


 自分と重ね合わせて、ただ一人突き進んでいくメイアに同情を禁じえないドゥエロだった。















   慣れない蛮型の操縦に機体を揺れ動かせながら、メイアは蛮傘を整える。

重力落下による加速が傘の形状により和らいで、パラシュートの役目を果たした。

薄暗い照明のみのコックピット内で、メイアは時間が隔てる程にじわじわ顔色を変えていく。

苦しくも、先の不調は心身的体調の不具合やストレスから起きた現象ではない事がこれで証明された。

あのシュミレーション時に起きたメイアの異常は、ドゥエロの指摘通り内向性的な要因によるものなのだ。


「く・・ふう、ふう・・・」


 練習時に犯したミスを拭うかのように、メイアは必死で中央モニターを見つめている。

まるで食らいつくかのように見つめる必死な形相は、崖っぷちの心理状態を示しているようであった。

緩やかに機体は降下していったものの、結局ラストで操縦をしくじって地面に不時着してしまう。

零れた砂の下地は着陸時のショックに耐え切れず崩れ落ちて、蛮型の足元をふら付かせた。

モニターを見つめるのに必死なメイアはバランスを整える事が出来ず、無様に倒れてしまう。

同条件でメイアよりやや劣る筈のバーネットの腕前では、蛮型の着陸は成功した。

つまりシミュレーション時の失敗は克服は出来てはいるが、メイアは本調子とはまだまだ言い難いのだ。


「はあ、はあ・・・早く皆と合流しないと・・・・はっ!?」


 倒れた拍子に肺を荒げてしまい、呼吸困難になっていたメイアが瞳を開けた時に気がつく。

機体が転んだせいなのか、何らかの誤作動が生じたのか、コックピット内が緊急状態を告げていた。

証明が全て落とされて、エラー表示でレッドランプが点滅する。

常に前方を映し出す筈のメインモニターは視界がぶれた時にダウンしていた

狭いコックピット内で赤々と照らされたメイアの表情が、ある一つの感情に支配されていく。

しなやかな肢体をウェットしたパイロットスーツはガクガクと揺れて、全身に微々たる震えを走らせた。

恐怖――

そう、冷静沈着でタラーク軍を先頭に立って蹴散らしたあのメイアが怖がっているのだ。


「あぁ・・・あ・・・ああ・・・」


 声にならない声を上げて、座席でメイアは縮み込んでしまう。

一般的にメイアのような年頃の女性は自立心が高くなり、閉鎖的な場所や暗い室内で怯える様な事はない。

否、女性ばかりのメジェール人では子供でも震えはしないだろう。

しかし、肝心のメイアは暗闇に閉じ込められただけで完全に怯えてしまっていた。

閉所恐怖症、ウイルス等の病気とは異なる心因性の精神的欠陥。

先天性のものか、後天的なものかは判断できないが、メイアは間違いなく恐怖症の一端を背負っていた。

シミュレーションでのドゥエロの診断は、皮肉にも本人の望まぬ形で正しかったのだ。

ゆえにメイアの異常に真っ先に気がついたのもまた、ドゥエロだった。

メイアの心理グラフが異常な波を起こしているのを察知して、焦った表情で叫んだ。


『メイア、聞こえるか!?
今すぐに外部モニターをオンにして、視界を開放しろ!!
全方位表示にすれば少しは圧迫感が薄れる。早く!!』


 珍しい感情のこもったドゥエロの叫び声に、メイアははっと正気を取り戻した。

恐怖は少し薄れていき、代わりに屈辱と苦痛のみが顔に残った。


「うう、ぐぅ・・・・・お,お節介な奴だ・・・・」


 憎まれ口を言える程には気力は回復し、メイアは操縦桿の手元の操作パネルを弄る。

いくつかのスイッチを押して再起動させると、モニターは回復して照明が元通り照らされた。

モノアイより映し出される外部の光景は殺風景だったが、メイアには洗浄されていく気分だった。

モニター先は広大な砂漠のみで、その他の建築物の一切が存在していない。

カイ達からかなり離れた場所に着地した事を知ったメイアは深呼吸一つして、歩き出そうとした。

仲間と一刻も早く合流して、ピンチを乗り切らなければいけない。

リーダーとしての義務感がメイアの心の内に新たに芽生えたのだが、運命は残酷だった。

ようやく平常心を取り戻しかけたメイアの前に、一陣の風がよぎる。

風は一握りの砂を舞わせて、砂埃を生んだ。

機体の歩行を行おうとしたメイアだったが一瞬砂埃に目を取られて、機体を停止させてしまう。

その瞬間、決していた。

メイアが停止した瞬間を待っていたのか、砂埃は砂塵を生んで膨れ上がる。

驚愕に目を見開いたメイアが視線を向ける中、砂塵が積もって一つの形に変化した。

四角い頭部に無骨な胴体、バランスの取れた両手足に支えとなる臀部。

砂で偽装された蛮型――

メイアが脳裏で認知した瞬間、砂の蛮型が襲い掛かってメイアを蛮型ごと押し倒した。


「くあっ!?は、離せ!!」


 慌ててメイアが操縦桿を握るが、全ては遅かった。

抱きついてきた砂の蛮型はまるで抱擁するかのように、メイア機を倒したまま抱きかかえる。

完全に行動不能にしたメイア機に対して、砂の蛮型はおぞましい行動に出た。

メイア機にしがみ付いたかと思うと、蛮形としての形は崩れて砂に回帰していく。

そのまま機体ごとメイアと一体化するかのように、顔・胸・腰・手足そのものに侵食を始めていったのだ。

全身が砂に犯されて身動き一つ取れなくなっていく内に、メイアの表情に吐き気と嫌悪が浮かぶ。

何とか抵抗しようとするが、何一つ満足に出来ない。

やがて熱烈なキスをするように頭部に覆い被さられ、モニターは消失して真っ黒になる。


「うあ・・・やめろ・・・やめろ・・・!!」


 困惑は嫌悪に変わり、嫌悪はやがて恐怖に変化していく。

そこにマグノが信頼する、ディータ達部下が尊敬するリーダーの姿はなかった。

徐々に侵食されるコックピット内で一人震えるのは、恐怖に犯された一人の女の子だった。

表情を泣きそうな程歪ませて、メイアは両手で顔を覆って震える。

機体は完全にコントロールを失って、狭い内部は危険を伝えるレッドランプに満たされていた。

何もかもがメイアの心の鎧を剥ぎ取っていき、奥に眠っていた感情を浮き彫りにする。

心の深層に隠れていたのは、全てに怯える自分だった。


「やめろ・・・やめて・・・やめてぇぇぇぇ!!」


 砂はメイアの壊れていく様を楽しむかのように、メイアの機体を埋め尽くしていく。

まるで侵食されていくメイアの心を象徴するかのように。


「怖い・・・怖いよ・・・」


 システムの全てが遮断され、もう通信も行えない。

周りには誰もおらず、助けてくれる仲間は誰一人としていない。

完全に孤立して、一人になって、自分の全てを犯されていく。

メイアは我も忘れて喚き散らして、身体を暴れさせ、壊れていった・・・・


落ちてしまえ、堕ちてしまえ、何もかも壊してしまえ!


心のどこかが優しくそう囁き、メイアの瞳は光を失い虚ろになっていく。

意識も、感情も、記憶も、理性も何もかもが消え行き、メイアは自覚する。



私はこれで楽になれ・・・・・・る・・・





『青髪!!!』






   何度も、何度も、何度も・・・・・・

出会う度に自分に怒鳴るカイの姿と声。








 砂はメイアの全てを飲み込んでいった――























<続く>

--------------------------------------------------------------------------------




小説を読んでいただいてありがとうございました。
感想やご意見などを頂けるととても嬉しいです。
メールアドレスをお書き下されば、必ずお返事したいと思います。

お名前をお願いします  

e-mail

HomePage






読んだ作品の総合評価
A(とてもよかった)
B(よかった)
C(ふつう)
D(あまりよくなかった)
E(よくなかった)
F(わからない)


よろしければ感想をお願いします



その他、メッセージがあればぜひ!


     










戻る