ＶＡＮＤＲＥＡＤ連載「Eternal Advance」
Chapter 4 −Men-women relations−
Action4 −子供−
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「ばあさん、いるか！？話がある」
融合戦艦での首脳部となっているメインブリッジに自動ドアが左右にスライドされ、声が飛び込んでくる。
同時に荒々しい態度で中へと入り込み、ズカズカと中央の艦長席へ歩み寄る人影。
声で誰か分かったアマローネは自席より立ち上がり、険しい表情を見せる。
「何か用なの？こっちはあんたの顔なんて見たくないんだけど」
「俺だってお前らなんか見たくもねえよ。うるさいから消えろ」
同様に斬り付けるような眼力で睨み返す人影は、カイであった。
日頃の明るい表情は完全になりを潜め、今のカイはまるで飢えた獣のようにギラギラしていた。
シッシとまるでハエか何かを追う払うような手の仕草に、アマローネはバンっ！とコンソールに手をつく。
「私はここが仕事場なの。あんたはさっさとパイロットでもなんでもしていればいいじゃない」
「け、その事でばあさんに話があるんだよ」
「何よ？怖くなってやめたくでもなったの？
いつもがむしゃらに戦うご立派なパイロットさん」
完全に嫌味にしか聞こえないアマローネの言葉に沿うように、表情もまた侮蔑に満ちている。
カイも彼女の敵愾心を感じてか、冷笑を浮かべた。
「おーおー、さすがはいつも観戦して実況『だけ！』しているクルーさんだ。
お褒めの言葉、光栄ですな」
戦闘後の通信でも触れた会話の反復に、アマローネは憎々しげにカイを見つめる。
細く締まった腰を浮かせ、カイに対して前面に見せる姿勢は堂々としている。
「よくそんな事が言えるわね、あんた・・・・・
私はともかく、ベルに言った事謝りなさいよ！」
ブリッジ先端に並んでいる二つのシートの傍らには、ベルヴェデールが静かに座っていた。
手元でコンソールを操作し仕事をする姿は、まるでカイとアマローネのやり取りが見えていない様である。
無論大声で怒鳴りあっているので聞き取れない筈がない。
完全にカイを、カイという存在そのものを無視していた。
嫌いではなく無視。男という嫌悪の存在をも超えた完全な否定であった。
黙々とただ作業をこなすベルヴェデールの背中を一瞥し、フンっと鼻息を鳴らした。
「知るかよ。訳分かんねえ事でいじけやがって。
ここの船の女はどいつもこいつもむかつく奴ばっかりだぜ」
格納庫でのメイアの叱責、ジュラの軽蔑のこもった視線。
大喧嘩して飛び出した後の自分を小馬鹿にするようなディータの笑顔。
どれもこれもがカイの神経を掻き乱し、怒りの対象へと具現化する。
今や完全に融合戦艦内の全ての女性は、カイにとって敵にしか見えなかった。
「私にしてみれば、あんたの方がむちゃくちゃよ。
我侭ばかり言ってるし、無神経だし、最低よ」
「んだとてめえ〜・・・・・・」
「何よ！事実でしょう！」
さすがに我慢しきれずカイが一歩前に出た時、それまで黙って静観していたマグノが手を上げる。
「おやめ、アマローネ」
「お頭？でも・・・」
マグノの静止に戸惑いを見せるアマローネだが、自分を睨むカイに文句を言おうと口を開きかける。
だがその一歩前に、穏やかな口調でアマローネを止めに入った。
「いいさ。坊やはアタシに用があるようだからね。
ベルだけでは仕事もきついだろう。
あんたもさっきのキューブ型の戦闘データを取っておいておくれ」
何時いかなる時においても情報は生命線となる。
ブリッジクルーであるアマローネは仕事上痛い程その事を理解していた。
「・・・・分かりました。大声を出してしまい、申し訳ありません」
未練があるように最後にカイを一睨みして、アマローネは自席に戻った。
マグノはそんな彼女の背中を一目見て、出入り口付近にたたずむカイを睥睨する。
「アタシに話があるんだろう。こっちへおいで」
言葉こそ落ち着いているが、マグノの口調には静かな迫力があった。
正体不明の凄みに一瞬襲われ身体を緊張に染めつつも、カイはつかつかマグノに近づいた。
そのまま艦長席の正面まで歩き、カイはそのままマグノの眼前に立った。
「さて、話を聞く前に・・・・・・・・
今日は一体どうしたんだい、あんた？」
「何だよ、藪から棒に」
「ベルヴェデールとの普段の口喧嘩だったらいつもの事だと静観もできるけど、
今日のは一段とひどいじゃないか」
まるで咎めるようなマグノの言葉に、カイは視線を逸らして答えた。
「俺は何もしてねえよ。あいつが勝手にひがんでるんだろう」
「ひがむ？何にだい？」
「な、何にって・・・俺にだよ！
どうせ俺ばっかり活躍しているのが面白くないに決まってるぜ。
いっつもいっつも文句ばかりいいやがって、人のやる事に難癖つけやがる。
自分は何にもしてないくせによ！」
カイの言葉はそのまま伝わっているのか、作業をこなす二人の背中が小刻みに揺れる。
吐き捨てるようなカイの暴言に呆れた様にため息を吐くマグノ。
「で？」
「あっ！？」
「アンタだよ。アタシの聞きたい事はそれだけさ。
今度はアンタの話を聞かせておくれ。何か申し出もあるのかい？」
「お、おお、そうだったな。ちょっと聞いてくれよ！
あの青髪の奴がよ・・・」
「青髪？ああ、メイアね」
聞き取れないイントネーションのこもった呼称に苦笑して、話の続きを促すマグノ。
逆になぜ笑うのかが分からないカイは首を傾げつつも、これまでの不平不満を並べる。
キューブ型を倒したのにもかかわらず、メイアが自分を非難した事。
傍らにいたジュラも自分をまるで汚い生き物でも見るような目で馬鹿にした事。
メイアに仲間どころか邪魔だと言われ、アタッカーを辞めるのを決意した事。
ここでメイアを突き飛ばして来たと話に出て、さしものマグノも目を白黒する。
「・・・・あんた、メイアに手を出したのかい」
マグノの冷たい響きがこもった質問に、カイは若干俯いて答えた。
「あいつが・・・あいつが悪いんだよ！
俺は一生懸命やっているのに、ちゃんと結果を出しているのに、だ！
あいつは俺を邪魔だと言いやがった！自分は何もしてねえくせにだぞ！」
「・・・・それが」
熱く吠えるカイに冷水を浴びせるかのように、マグノはとつとつと言葉を続ける。
「人を怪我させていい理由になるのかい？」
「・・・・・・・・・・・・・そ、そりゃあ・・・・」
当然だろう、とカイは言えなかった。
胸倉を掴んだ時のメイアの苦しそうな顔が脳裏に浮ぶ。
言葉に対し暴力で片付ける、それがヒーローのやる事か？
そう無言で責めているかのようなマグノの視線に、カイは押し黙った。
そしてそんなマグノに言い返す事ができない、正しい筈なのに何も言い返せない自分に腹が立っていた。
（くそう、何だこのばあさんは・・・・負けてたまるか！）
１５０名以上のさまざまな人間の人生そのものを背負っているマグノ海賊団お頭、マグノ＝ビバン。
数多くの辛酸と苦難を超えてのみ持てる強さと貫禄。
ただ一度か二度戦ったに過ぎないカイとは違う異種的な存在感に、完全に飲まれていた。
「それで話は終わりかい？」
「あ、ああ一応な。今日限りで俺はアタッカーを辞める。
少なくともあいつなんかと一緒に戦えねえ」
「ふむ・・・・」
そもそもカイが海賊達との共同を許されたのは、ひとえにアタッカーとしての能力を買われたゆえである。
ブザムの進言である男は利用するべきだ、との言葉も理由にはあるが。
キューブ型にピロシキ型の殲滅にディータ達の救助、そして船の危機を回避。
全ての功績は蛮型を繰りなし初めて残されたものであり、だからこそ今まで共同生活は黙認されたと言える。
でなければ、メイアを先頭とする男への嫌悪のある面々がカイを追い出しているだろう。
事実、現状のカイはクルー達とのもめあいが激しいのだ。
マグノが法衣の下で難しい顔つきをするのも無理はなかった。
「・・・いいんじゃないですか」
「え？」
それまでずっと黙っていたベルヴェデールが、その時初めて意見を述べた。
「本人がやめるって言ってるんです。受理すればいいと思います。
メイアだってずっと迷惑していたようですし、他のドレッドチームメンバーにも不満は出ている筈です。
こんな奴、とっとと追い出しましょう」
「お前、人が黙ってりゃあ・・・・！」
「やめな！
・・・ベルヴェデール、仕事に戻るんだ」
「・・・・はい」
すごすごとコンソールへ向かう際のベルヴェデールの表情を見たマグノは、沈痛な表情をする。
一方で気がついていないカイはベルヴェデールの顔も見たくないといった感じで、振り返りもしなかった。
―――ブリッジクルー内に険悪な雰囲気が漂う。
先端のナビゲーション席では、カイ達のやり取りをずっと見ていたバートがはらはらしていた。
（馬鹿野郎・・・僕にまでとばっちりが来たらどうするんだよ！）
クルーとして認められたとはいえ、クルー達からは捕虜としてしか見られない男三人の立場。
そのことを一番自覚しているバートはある意味で良識な位置にいるかもしれない。
男女関係を自ら悪化させているにしか見えないカイの行動は、バートにすれば自殺行為だった。
魔物であると教わっている女の機嫌を損ねているのだ。ただで済む筈がない。
カイはともかく、自分も殺されてはたまらないと震えが止まらないバートであった。
そんなバートの心情を露とも知らないカイは一気に畳み掛ける。
「とにかく！俺はもう戦わねえ」
「アタッカーとして戦う気はない、とこういう事だね」
「今まであんな奴らのために戦っていたかと思うと反吐が出るぜ。
もうやめだ、やめ」
「それはいいがこれからどうする気だい、あんた？」
「え・・・・・！？」
マグノの一言に、まともにカイは硬直する。
「アタッカーはもう辞めるんだろう。じゃあどうするんだい？」
「え、えーと・・・・それはだな・・・・」
言葉を濁し、冷や汗混じりに必死で考えを働かせるカイ。
まさか全然考えていなかったとも言えず、腕を組んで行ったりきたりする。
ここでもう働かないと言わない辺りが、カイの真面目さを感じさせた。
「なんだったら紹介しようかい？あんたにぴったりな仕事があるよ」
「俺にぴったりな仕事？なんだ、それ」
興味が出たのか腕を組むのをやめて、カイはぐぐっと身を乗り出した。
カイの反応に気を良くしてか、ほくそえんでマグノは言った。
「うちには『レジシステム』っていう仕事場があってね、そこだったらあんたの力も発揮できる筈さ」
「レジぃ？聞いたことねえぞ」
「おや、気に入らないかい？すごい仕事なんだけどね・・・・・・
別の親分が仕切っているよ。あんたも知っているだろう？
ガスコーニュっていう、以前お前さんが助けた人さ」
「ガスコ・・・？ああ、あの爪楊枝か」
「ふふ、うまい事言うね」
口に爪楊枝をさしているしぐさをジェスチャーで行うカイに、マグノは目を細める。
カイの独特の表現力は、マグノにとって笑うを誘うものであった。
「う〜ん、レジね・・・」
「やりがいはある仕事だよ。
全体的な視野から考えても重要な分類に相当する」
マグノの推薦に心が惹かれ掛けるが、アマローネ達やメイア達の自分に向ける非難の視線を思い出し、
カイは首を振って答えた。
「悪いけど断る」
「ほう、またどうしてだい？」
意外そうに尋ねるマグノに、カイは鬱陶しげに答えた。
「女が大勢いるんだろう？これ以上関わるのはごめんだ。
ドゥエロの手伝いでもするよ。
あいつも男一人じゃ大変だろうからな」
ただでさえメイア達とも完全に亀裂が入った状態で、これ以上の揉め事はカイも嫌だった。
というより、もう耐え切れないと言った方がいいだろう。
このままではいつ暴発してもおかしくないくらい、今のカイは切羽詰っているのだ。
「関わりたくない、ね・・・・
この船にいる限り、どこにいても女はいるよ。
それにあんたを追いかけている娘だっている」
すぐにディータだと勘づいたカイは、馬鹿にしたように笑ってこう言った。
「ああ、それはねえな」
「？どうしてだい？」
ディータのカイに対する並々ならぬ想いを知っているマグノは違和感を感じ、表情を険しくする。
「さっき、あいつとはもう縁を切ったからな」
「縁を・・・切った？」
「そうさ。迷惑だったからな、あいつにはよ。
人のトイレは覗くわ、鬱陶しく付き纏って来るわ、へらへら馬鹿にするみたいに笑いやがってよ。
俺はあいつのおもちゃじゃねえってんだ」
通路でのディータとの喧嘩を説明しつつ、カイは心底ウンザリする様に述べていく。
廊下で止められた事、精一杯のディータの誠意を振り払った事。
はっきり本人に嫌いといった事を・・・・・
そして、それまでだった。
――ビシっ！
「・・・・・！？」
カイは呆然として、目の前を見やった。
呼吸を荒げ、右手を振り上げているベルヴェデール・・・・
そして熱く痛みを発する頬に気がついた時、カイは自分が殴られたのだと知った。
「・・・・出て行って」
「な・・・」
「この船から出て行ってよ！」
ベルヴェデールの激しい剣幕に、頬を抑えたまま立ち尽くすカイ。
そこへアマローネがそっとベルヴェデールの肩を抱き、静かに首を振った。
「もういいよ。仕事、続けましょう」
「でもっ！」
「男は皆こうなのよ。
人の気持ちも分からない、自分のみ良ければいいバイキンだって事よ」
そのままカイには目もくれずに、アマローネはベルヴェデールを連れてシートに座り直した。
二人の前ではナビゲーション席の横でカイと二人を交互に見るバートがいる。
（ひええっ！？とうとう女を本気で怒らせたぞ！
僕もそろそろ逃げたほうがいいかも・・・・）
カイの巻き添えはご免とばかりに、浮き足立って逃げようとするバート。
だが現実の過酷さに気がついて、バートは激しく絶望する。
（しまった！
逃げるにはカイの横を通り抜けないといけないじゃないか！）
ブリッジから出入り口は合計二つ。
そのどちらも中央のカイとマグノの横を通らなければいけない構造となっている。
右往左往するしかないそんなバートとは裏腹に、カイはまったく身動きもとってはいなかった。
ただ殴られた頬を触って呆然とするのみ。
突然殴られたのがショックだったのか、殴られた事そのものがあまりにも意外だったのか。
いずれにせよ、カイは先程までの怒りも忘れて立ち尽くしていた。
そこへ、
「買いかぶりすぎたかね・・・・」
静寂なブリッジに通るマグノの声に、はっとしてカイは視線を向ける。
「もう少し大人だと思っていたんだけど・・・・・・・・
どうやら見た目以上にあんたは子供みたいだ」
「俺が子供だあ！？嘗めてるのか、てめえ！」
艦長席の前部の枠に拳を叩き付けて、カイは眼前のマグノに絡む。
びっくりした様にアマローネは振り返るが、当のマグノは瞬き一つ微動だにしない。
それどころか、怒りに満ちたカイの勢いをまるで受け流すかのように飄々と言い放った。
「子供じゃないか。
自分が正しければ喜び、他人が間違えていれば見下して馬鹿にする。
それでいて他人に間違えていると指摘されれば怒るしかできない。
結局、自分だけ。自分、自分、自分、自分・・・・・・・
それが子供以外の何だっていうんだい」
「・・・・俺が悪いって言うのか・・・？」
確かにディータに関しては言い過ぎた面はあったであろう。
考え直してみると、自分の鬱憤をぶつけた部分は確かにある。
だがメイアやアマローネに関しては譲る訳にはいかない。
自分は戦ったのだ、そして勝ったのだ。文句をいわれる筋合いはない。
ましてや何もしなかった者が責めるなど、完全な言いがかりだ。
カイはまるで納得がいかず、マグノに詰め寄った。
「俺は勝った。敵は倒した。違うか？」
「ああ、そうさね。お前さんは確かにアタシ達を助けてくれた」
「そうだろう！だったら・・・・」
「・・・・・もう一度だけ聞くよ。
人を守り、助ける事だけがヒーローの仕事かい？」
「え・・・・？」
マグノの言葉の意味が分からず、目を見開くカイ。
そんなカイに対して、マグノはじっと見つめて続ける。
「今のお前さんはただ振り回されているだけさね。
信念も何もかもがゆらゆら揺れている。
まるで風が吹けば飛ぶ木の葉のようにね・・・・・」
「俺、が・・・・？」
「結局、お前さんは性根がなっちゃいないのさ。
だから一時の感情に心が縛り付けられる。
心が縛り付けられてしまえば、自分を見失う。
自分を見失えば、当然他人なんか分かりはしない。
他人が分からなければ、周りの世界そのものすら理解できなくなる。
結果、どうなると思う？」
重みのこもったマグノの言葉に気落とされてか、黙ってカイは首を振った。
「何も感じなくなってしまうのさ、心がね。
後に残るのはからっぽな自分。ただそれだけさ」
「・・・・・・・・・」
何も言い返せなかった。
何かを言い返せば、自分の矮小さを曝け出してしまうだけの様で。
そして、心のどこかでマグノが正しい自分がいた。
それがカイにとって腹ただしかった。
認めてしまえば、自分の今までが間違えていたと認めてしまう事になってしまうから・・・・・
さまざまな感情が込み上げるカイを見つめ、マグノは宣告する様にこう言った。
「今のお前さんは強くなんてない。ヒーローでもない。
ただの子供さ」
「・・・・・・・・・」
さっきは違うと言えた筈であった。
だが今のカイにできたのは、歯を食いしばる事だけであった。
「・・・もう少し考えてみるんだね。頭を冷やして、さ」
話はそれで終わりだと言うように、マグノは厳格な姿勢を崩して暖かい微笑みを見せた。
子供に対する母親のような優しいその表情にカイは心をうたれ、同時に羞恥が全身に走った。
「・・・・くそ・・・・くそっ！！！！」
ブリッジ内で大きな叫びを上げて、カイはそのまま走ってブリッジを出て行った。
全てを振り切るように、全てを否定するように。
飛び込んできた勢いをそのままに、一瞬にしてカイは走り去っていった。
悔しさと自分の惨めさに涙が零れそうになるのを堪えて・・・・・
カイが出て行った後、マグノは艦長席に深く腰を沈めた。
そのまま上を見上げると、戦艦の外より広がる雄大な宇宙が視界に飛び込んでくる。
「この中で一番になるにはまだまだって所かね、あの坊やは」
自分を否定され、闇雲に飛び出していったカイ。
ここから先カイがどうなってしまうか、マグノ自身も分からなかった。
＜続く＞
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