人が人であるがゆえに起こしてしまう大罪。それは時を超え、次元を越えても存在している。

 悲しき旋律の葬送曲。そして、今、時空を越えた出会いと戦いが始まろうとしている。

 

 

 VANDREAD――The Unlimited――(改訂版)

 

    2-2Un voyage de destin

 

 

 

 融合戦艦となったその船は依然として敵の猛攻に耐えていた。そして、メイア達三人もそんなキューブどもに必死の攻撃を加えている。

 だが、正方形のキューブ群を吐き出してくるピロシキ型に攻撃を加えようとしても、そのピロシキ型自体もかなりの攻撃力を持っていてその弾幕のせいで近づけないどころか、少なくない手傷を負っている。

 

 そんな、光景を上空に見たブリッジではマグノとバートがやって来ていた。むろんバートの吐いた操舵士の言葉を信じて連れてきたのだ。しかし、

「ど、どうなってんだ、こりゃ」

 ブリッジを一目見てのバートの第一声がこれだった。

「ブリッジがここまではみ出しちまったのさ。さ、腕前を見せておくれ」

 バートを突きつつ、ナビゲーション席のほうへと追いやる。しかし、元々操舵輪でもあったであろうそこには緑色を湛えた円形の何かがあるのみ。

「なんだいこりゃ……」

 元々蛮型搭乗員になるはずの彼が操舵の仕方など分かるはずも無い。もちろん操舵士と嘘をついたのもその場しのぎになってしまったわけだが……、

「どうしたんだい?まさか、分からないとでも?」

 マグノが後ろから無情な声をかける。

「はは、まさか、これは我が軍の秘密兵器でして……」

 などと言いつつ、とりあえずその緑色に足をつけたその時、その緑色が激しく光を発した!

「な!?お、おわぁぁぁぁぁ!!」

 なんと、緑色のソレはバートを自身の中へと引きずり込んだのだ。

「おやま、スゴイ秘密兵器だね」

 さすがに、意表をつかれたマグノも目を点にしている。

「あいつの方がビックリしているピョロ……」

 くっついてきたピョロもモニターの目を点にしつつ言った。

 さて、そんな時、バートはと言えば、

「ぬわぁぁぁぁぁ!!??」

 目の前の光景に絶叫を上げていた。

 さもあらん、彼は全裸でペークシスが網目に走る空間の中に取り込まれ、浮いているのだから。さらには、目の前の空間が直接モニターになっているらしく、外の状況を生ライブで映しているのだ。

「わぁぁあ!!よせ、やめてくれぇぇ!!」

 叫びながら、手を振り回すバート。すると!

 グゴォ……!

 いきなり船体が大きく傾いだ!

「おや、動いたね!」

 連れて来るまで半信半疑だったマグノも輪をかけて意表をつれた。

 そして、一旦傾いだ船は姿勢を取り戻すと、猛スピードで航行を始めた!

 

 それを見たメイアは、すぐさま機を翻した。

「全機後退!!後退時の敵の攻撃に注意!」

『ラジャー!!』

 母艦を追いかけ始めたキューブと母艦の間に入り、何処まで続くか分からない追いかけっこが始まった。

 

 

「まだまだ収まりそうに無いな。」

 格納庫へと続く道を歩きながらブザムはつぶやく。

「敵の攻撃が、この変化を上回った時が我々の最後か……」

 と、

「あのよ……」

 申し訳なさそうにヒビキが口を開く。

 その言葉に立ち止まり、ブザムは振り返った。

「ん?」

「……。なんとなく言い出せないまま来ちまったけどよ。

 俺、蛮型の搭乗員でも何でもねぇんだ。……」

 その一言にブザムの目が細まる。

「はぁ!?」

 アイリスの方は、あからさまに驚いて声を出した。

「実は俺、しがない機械工でさ。ちょっと仲間の挑発に乗せられて、蛮型をかっぱらってやろうって。……はは、情けねぇよな。俺みたいな奴がさ。それに、ここに来る途中に取説もなくしちまって……」

「データが間違っていたようだな!」

 ヒビキの吐露を一蹴してブザムが声を出した。そして、ヒビキを真っ向から見据えてゆっくりと話す。

「男とは誇り高い種族と聞いていたが、まさかこんな腑抜けとは……」

「同感……」

 思わずアイリスがつぶやく。保安クルーに睨まれて慌てて知らぬ振りを。

「お前はこの船に何をしに来たのだ。

 おまえ自身の証をたてるためではないのか?」

「……俺の証?」

 ヒビキが証という言葉に反応する。なんと彼もアイリスと同じようにあの空間からメイア達との問答を経験したのだ。

 ソレに対し、彼は明確な回答が出来なかった。それは、彼の心が成熟していないからであるのか、はたまた……。

「殻に閉じこもっていては何も始まらない。何も始められない。

 今は男も女も関係ない。皆が、必死に生きようとしている時に、お前はただ黙って死ぬ時を待つというのか?

 思い出してみろ。お前がここに着た動機を」

 ――動機。決められた人生などまっぴら。何かでかい事をやる、俺はここで終わる男じゃない。

 彼がここに来るまでに吐いた台詞が浮かんでくる。

「そんなに醜かろうが、どんなに愚かだろうが、目の前の壁に怯えていては何も変わらない。変えられないまま終わるんだ。

 ……そうではないか?」

 追い討ちをかけるブザム。そして、

「……でも、分からねぇんだよ。俺は……」

 重圧だった。それが耐えがたいほどに。

 自分の人生をかけて挑んだ賭けだった。だが、こうして死と直面してみるとその軽薄さが身に染みてよく分かる。

 後悔が、無力さが、先に立った。

 ついにはそこにしゃがみこんでしまうヒビキ。

 そんなヒビキを失望の目で見るブザム。

「……余計な事を言ったか。さて、……」

 今度はアイリスに目を移し、

「お前はどうする。」

 簡単な問い。それに、

「俺は、このままじゃ終わらないぜ。」

 即答した。

 その言葉にヒビキが目を開く。

「まだまだこれからって時に死んでなんかいられるか。他人に決められる人生なんてゴメンだからな」

 アイリスはヒビキと会った事は皆無だ。無論異世界からやってきたからだが、ヒビキの吐いた台詞と、アイリスの吐いた台詞はほとんど同じだった。

「だから戦う。道が無いなら作るまでだ」

 ブザムを睨みすえるアイリス。無言で受けるブザム。

「…………ふっ」

 ブザムは手に持ったリモコンを押した。するとアイリスの手錠が取れて落ちる。

「この先が格納庫だ。行くがいい。」

 そう言って二人の横を抜ける。そして、保安クルーに向かい、

「ブリッジに行くぞ」

「し、しかし、この二人は……」

 着いて来た赤毛のクルーは反論を立てるが、

「心配ない。こいつらに逃げ場など無いさ。

 そして、我々にもな。」 

 ブザムとクルーはブリッジへ、アイリスは格納庫へ。その場に残されたヒビキはしばらくその場で何かを考えていた。

 

 

 格納庫に到着したアイリスは、直近くに放置された蛮型を見つけた。

「これだ!!」

 乗り込もうと身を躍らせ、コックピットに入ろうとした時、何かが脳裏に語りかけてきた。

「??」

 顔を上げ、あたりを見渡す。すると、さっき脱出しようとした射出口からその気配が漂ってくる。

 そこに近付くアイリス。射出口は破壊されたはずだが、なぜか射出口横のボタンには明かりが灯っていた。緊張しつつも、アイリスはそのボタンを押した。と!

 ガアアァァ!!ガシャン!!

 射出口に置き去りになったはずの蛮型が轟音と共に飛び出してきた。しかも、その外見は全く異なっている。灰色がかっていたボディは漆黒に塗り替えられ、形状も鋭角を基調にしたスマートな機体に変化している。その背中にはブースターなのかキャノンなのか分からない二本の筒が装備されている。しかも、それが丸ごと透明なペークシスの、クリスタルの中に閉じ込められているのだ。

「…………」

 唖然としてそれを見上げるアイリス。しかしそれも一瞬のこと。

「……面白い。乗ってあげるわ!」

 言った瞬間、蛮型の目に赤い光が灯りクリスタルにひびが入った!

 

 

「いかがですか?」

 ブザムがブリッジに戻ってきた。

「う〜ん、立て直そうにもこうテンパってちゃあね」

 依然として追いかけっこは続いている。すると、その時、

『おい!聞こえるか?!

 コイツを外せ!いい加減邪魔だ。』

 ヒビキがあの通路から通信を送ってきたのだ。その顔は何かを決意した表情である。

「……?どういうことだい」

 マグノがブザムを振り返ると、ブザムは不敵に笑い、

「お任せください。

 ……なんのつもりだ」

『決まってる!俺も戦うんだよ!』

「戦う?お前が?」

「……確かに俺は見っとも無いよ。カッコ悪いよ。だがな、もうそんな自分にウンザリしたんだ。上っ面なんかどうでもいい。生きるために、何より俺自身の、証を刻むためだ!」

 しばし、静寂がその場を支配する。

「……いいだろう」

 ブザムはつぶやいて手錠の解除スイッチを押した。

 ガシャと手錠がヒビキの手から落ちる。

「おっしゃぁ!いっちょやったるかぁ!!」

 

 

「……こいつは」

 ヒビキが格納庫に到着したとき、その場に見えた光景に目を疑った。彼の蛮型がまったく別の物に変わっていたからだ。カメラは2つに増え、手は5本指になり、体格的にも一回り大きくなっている。その盾にも獲物が増えていた。そしてその股間部分には確かに刻まれた目印がある。

「相棒。おめぇだよな。……おめぇも変わったんか。なら俺も変わらないとな!」

 気合を入れるように言うと、コックピットに滑り込んだ。

「負けねぇぞ、動かし方知らなくても気合で動かしたらぁ!」

 そのとたん起動しないはずの蛮型のシステムが起動を始めた。それはヒビキの意思に従ったとしか思えないものである。

「……へっ、何だよおい、いけんじゃねぇか」

『遅いぞ。コラ』

 モニターにアイリスの姿が映った。

 それと共に、あの漆黒の蛮型が姿を見せる。

「お前……、まだいたのか。てか、その蛮型は何だ!?」

『んなことよりも、……腹は決まったのか?』

「……おう!」

 

「いい返事だ。行くぞ!!」

 アイリスは背中のブースター、加えて筒状のユニットからもエネルギーを噴射し、格納庫を飛び出していった。

 アイリスの全周に星空が映し出される。そのコックピットも完全に通常の蛮型とは似ても似つかない物に変わっていた。言うなれば、バートと似たような感じだ。全周スクリーン、その真ん中に座席が浮かんでいる感じ。その操縦桿も蛮型とは違って肘掛の部分に取り付けられている。そして、アイリスの周囲にはあまたの情報を表示し続けるモニターの数々。

 そのモニターが敵の情報を探知、分析、集積し始めた。

 アイリスは先の脱出の際持っていた端末を接続し、情報の取り出しに使っていた。暴走の際に付きっぱなしになっていたのが原因だろうか。その端末自体が、アイリス仕様の常軌を逸したテクノロジーの塊なのだから。

 その操縦法もアイリスにとっては乗った瞬間に理解した。そういう能力を持っているのである。そういう“力”を。

 アイリスは敵機を確認するとニヤリと笑みを浮かべ、突入を開始する。

 そして、

「さぁ、今までのツケ一気に返させて貰うぜ!!」

 発射用ブースターに乗り込んだヒビキも急激なGに耐えつつ外に飛び出す。

 

 

「敵のレスポンスが上がってきています。我々だけでは防御が手一杯です!」

 メイアがブリッジに通信を送った。確かにその通りだった。戦っているうちに敵機の動きが良くなってくるのだ。学習しているとでもいうのだろうか。

 その通信にブリッジの答えは、

『今、援軍が行ったよ!何しでかすか分からない二人がね』

「援軍?」

 メイアが母艦のほうに視線をめぐらせれば、確かに一機の蛮型が飛び出してきていた。しかし、その動きと言えば見れたものではなかった。ジタバタして敵の猛攻にただ晒されるだけだったのだ。

 どう見ても援軍とは言いがたい。

「あれが、……援軍だというのか?」

 さすがにメイアもマグノの判断を疑いたくなった。ヴァンガードが出てきた、イコール男が乗っていることになる。男を援軍に出す等メジェールの常識からしてみれば常軌を逸した行為だ。

 そんな事を一瞬考える内に隙が生じた。急接近してきたキューブがメイア機に取り付いたのだ!

「しまった!」

 見上げるスクリーンにコクピットを貫こうとするキューブの足が見え、

 ドンッ!

 衝撃が走った。思わず目を伏せたメイアだが、恐る恐る目を開ければ、そこには信じられない光景があった。足を振り上げた態勢のままキューブが停止している。その体を緑色のブレードに貫かれて。

 キューブが引き剥がされ、その後ろから赤い光が見えた。メイアの背中に悪寒が走る。だが、

『大丈夫か!』

 声と共にモニターにアイリスの姿が映る。

「お、お前は……」

『しっかりしろ!リーダだろうが!』

 ブレードでキューブを貫いたまま声を上げるアイリス。ペークシス機関を避けて駆動系だけを破壊したのだ。そうすれば至近距離でも爆発はしない。しかし、これをやるには達人並みの腕がいる。いや、達人でも難しい。

 今回はメイア機にキューブが取り付き、脚部を振り上げた瞬間に動きが止まったことが幸いした。その一瞬に解析されたデータから割り出した駆動系に、正確にブレードを突き込んだのである。人間に出来る瞬発力ではない。

「お前……そのヴァンガードは……!」

 しかし、最後まで言う前にアイリスはメイア機に体当たりをかけた!弾き飛ばされるメイア機。しかし、ほとんどダメージは無い。

「貴様……、 !?」

 やはり、と思ったその時、何かが目前を走る。赤い線、レーザーだ。

 アイリスの漆黒の機は、ブレードに突き刺さったままのキューブを左に振り払った。そこにはキューブを吐き出すピロシキ型が接近してきていたのだ。

『邪魔だ!!』

 声と共に、筒状ユニットが肩越しに前に回る。ペークシス機関からエネルギーが回り、増幅、収束され、直線状の破壊エネルギーとなる。誰が考えたのか知らないが、それは間違いなくブラスターキャノンだった。

 放たれたエネルギーはキューブを粉砕し、ピロシキ型を直撃する。大爆発を起こすピロシキ型。

 しかし、その後ろにはもう一機いた。それは別のほうに向かっている。そして、それに突入しようとする蛮型が一機。

 

 

 時間は数分前に戻る。

「野郎〜〜……好き勝手しやがって!」

 ジタバタしていた蛮型がようやくまともな動きになってきた。訓練を受けてきた兵士でも数ヶ月操縦をこの数分で会得したのだろうか。

 恐るべき対応・学習能力だ。

「なら、今度はこっちから行くぞ!!食らえ、電光飛翔拳!!」

 と気張ってみても通常の蛮型にさえそんなものは装備されていない。

 ドドォォン!!

 当然のごとく隙の出来た蛮型に容赦なく攻撃を加えるキューブ。

「……はぁ?」

 思わず声の漏れるジュラ。蛮型登場でなぜか嬉々としていたディータも少々唖然とする。

 

「くあ……、この、そんな武器は無いか、ならコイツだ!」

 盾からブレードを引き抜くと器用に振り回し、一気に二機を切り倒す。名人級だ。

「いくぜぇぇ!」

 一声上げると、無謀にも旗艦らしきピロシキ型に突入を敢行したのだ。

 たかが小さい蛮型だが、敵には変わりない。ピロシキ型も蛮型を攻撃目標に設定した。

 

「敵機、ヴァンガードをロックしました!」

 突入する蛮型を見ながら、マグノはつぶやいた。

「ありゃ、長生きしそうに無いねぇ」

「はい。しかしアレが生き残った時、奇跡が見られるのかもしれません」

 ブザムが何かを期待するような返答をした。

 

 蛮型の特攻をキューブが見逃すはずも無い。キューブ数機が蛮型に群がり、その動きを阻害する。

「くそ、後一歩なんだ!後もう少しで……!」

 キューブの力は意外にも強力で蛮型は全く動けない。

「宇宙人さん!?」

 それを見たディータが機を翻して、蛮型の救助に向かう。

『ディータ!何をしている、戻れ!!』

『何やってんのよ!ディータ!!』

 二人が突然の行為に通信を送るが、

「大丈夫です!ディータ分かるんです!」

『ディータ、血迷うな!!』

 そして、

「この、狙いが……」

 アイリスも全速力で蛮型に接近しようとするが、やはりキューブが群がって邪魔をしている。

 そして、狙いを定めたピロシキ型の口のような部分が開き、中から赤い光が。

「力を、もう一歩踏み出せるだけの力が……!」

『宇宙人さん!』

「俺は負けねぇぇぇ!!!」

 閃光が走った。そして、爆発も。

 

 

 全員が呆然となった。確実にピロシキ型の攻撃は蛮型ごとドレッドを飲み込んだ。

「……ディータ」

「嘘でしょ……」

 ブリッジでも、

「奇跡は、起きなかったようだね」

「クルーに脱出命令を……」

 だが、

「ピョロ!?」

 いきなりナビロボが何かを探知して反応する。

 それに反応するようにマグノたちも視線を上げ、驚くべきものを目にした。

 

 爆煙の中から何かが伸びてくる。それは巨大な腕だ。その腕はそのまま伸びてきてその全容を現した。一瞬強く発光すると蒼い巨人が姿を現したのである。その肩には緑に輝く砲のような物が装備されている。ディータ機の面影がなんとなく残っていることから、ヒビキの蛮型とディータ機がなんらかの変形、合体をしたものと思われる。

「なっ!?」

「あれは……!」

「何だ!?」

 皆が驚きの声を上げるうちに巨人はピロシキがたへと突入始めた。その巨大さにキューブもまったく歯が立たず、弾き飛ばされる。

 慌てるように口を閉じるピロシキ型だが、間に合わない。巨人は両腕でこじ開けると、肩のほうを肩越しに前に回し、エネルギーを収束させる。

 そして、ぶっ放した。

 

 爆発を起こし、砕け散るピロシキ型。それと共に周辺のキューブ全機が動きを止めた。同時に巨人も。

「あれは……、一体」

「まさか、あれが……奇跡なのか」

 マグノとブザムも呆然とその光景を見詰めている。

 さらに、

「ディータ、そこにいるのか?」

 メイアも恐る恐る巨人に近づいて呼びかける。

 

 一方、巨人の中では、

「へへ、……やっと、やっと届いた」

 うつろな表情のヒビキがもたれた格好でそうつぶやいた。そして、ふと顔を起こせば、

「なっ!?」 

 一瞬で意識が覚醒した。その中はとてつもないことになっていたのだ。ヒビキがいる、それはいい。問題はその目の前に赤い髪が見えていること。ディータだ。なんと、ディータが同じコックピットの中にいたのである。それに視線をめぐらせれば、手を乗せている操縦桿のような物にも手が一緒になって乗っている。

 はっきり言って、あ、怪しい!(笑)

「こ、これが俺の証なのか??

 えぇ!?」

 

 結局、その後巨人は下のドレッドと蛮型に分離して回収され、巨人のこと、アイリスの特殊な機体の事、その方面は後回しにされ彼らは再び投獄された。

 あまりいい幸先ではなかったが、彼らは初の共同戦線を張ったのであった。

 

 ―To be continued

2002/08/28