魔法少女リリカルなのは Lastremote

 

 

 Stage.6 ホテル・アグスタ再び

 

 ホテル・アグスタ。ミッドチルダ郊外にあるホテルの名称である。

 周囲を森林に囲まれ景観も良いことから、政治家や財界人に好まれ、名士が

集まるパーティーが開かれる場所として知られている。

 名士が集まれば、その名士たちを狙うものも集まるもの。

 ホテル・アグスタで大規模なパーティーが行われる際、管理局地上本部では

ホテルに地上部隊を派遣することが通例とされている。

 記憶に新しいのは昨年行われた骨董品オークションだろう。JS事件主犯格、

ジェイル・スカリエティが骨董品収集を趣味にしていたかは不明だが、ともか

く大量のガジェットドローンがホテルに押し寄せる、という事件が発生した。

 事件そのものは警備を勤めていた管理局部隊、機動六課の職員たちが優秀だ

ったこともあり、被害らしい被害も出ず平穏にオークションは終了している。

 だが、ある意味この完全な警備がまずかった。

 骨董品オークションでの出来事は事件にこそなっていないものの、いままで

発生したどの事件のよりも大きな出来事であった。にも関わらず、今まで発生

したどの事件よりも、被害は小規模なものに抑えられている。

 要するに、味を占められた、ということだ。

 ホテル関係者はパーティーが行われるたび、骨董品オークションと同規模の

警備をつけてくれるよう、地上本部に頼み込むようになっていった。

 管理局は平和を守るための組織なのだから、頼られるのはいいことではある。

だがパーティーが開かれるたび、一個師団規模の職員が引き抜かれてしまう以

上、人員不足に悩む地上本部の皆様にとって、ホテル・アグスタで行われるパ

ーティーが悩みの種になっていることは確実であろう。

そしてこのたびの骨董品オークション警備の依頼。依頼メールの最後には、

こんな言葉が書かれていたらしい。

『去年のことがあるので、いつもより警備を厚くしてね(ハートマーク)』

 ホテル・アグスタの経営者は、上層部の皆様を胃潰瘍にでもしたいのだろう

か?

 

 

 そして、本日がその骨董品オークション開催日。

「おーす、ギン姉。ディエチ。久しぶり」

 真っ白なドレスに銀色の耳飾り。普段の活発な姿からはとても想像できない

ような可憐な服に身を包み、セインはいつも通りの元気さで、警護部隊の総司

令と妹に挨拶をかわす。

「あらセイン久しぶ――」

 ギン姉と呼ばれた女性が返事を返すより早く、ごちん、とげんこつが落ちる

音。

「セイン、口の聞き方には気をつけろといつも言っているはずだが?」

 紺色のジャケットに黒のネクタイ、制帽を被った厳格な顔つきの男性。ガー

ドマンのような格好でセインの隣に立っているのは、アルメド・ジリヤ准尉。

特別救助隊05分隊の隊長を務めており、現在はもっぱら、研修性セインの教育

の真最中。

「いったぁ――。でもジリヤ准尉、ギン姉は姉さまで、知り合いで、」

「知り合いでも何でも、上司であることに代わりない。ほら、挨拶をしなおせ」

「むぅ、はぁい。ギンガ司令、特別救助隊ブリッツ05分隊、ただいま到着いた

しました」

 赤の口紅。綺麗に頬に塗られたファンデーション。頭にでかいたんこぶ。

 昨年の高町なのは一尉やハラオウン一尉のように、会場警備を担当するのだ

ろう。涙目の彼女の服装は、警備員というよりパーティー参加者に近かった。

「ふふ、ご苦労様。あら、そういえばスバルは? セインと同じ職場と聞いて

たんだけど」

「ああ、スバルは先に会場入りしてるよ。なんだったら連絡しようか?」

「ん、いや、いいわ。確かに会いたいところではあるけど、一応今日の指揮を

任されているからね。世間話するために持ち場を離れたじゃ、他の皆に示しが

つかないじゃない」

「私は別に構わないですよ。ギンガ姉様。私も、久しぶりにスバルに会いたい

ですし」

「あなたが構わなくても私が構うの!」

 陸士108部隊に所属する戦闘機人、妹のディエチに諭すように言い聞かせて

いるのは、ホテル・アグスタ警備の総指揮を執り行う魔導師、ギンガ・ナカジ

マ。

 彼女もナンバーズやスバルと同じ戦闘機人であり、最初期に生み出された『タ

イプ・ゼロ』の一人らしい。スバルはおろかナンバーズからもお姉さん、お姉

さまと慕われており、戦闘機人のまとめ役として知られている。

 もっとも、ナンバーズが彼女のことを長女のように慕っているのは、『タイ

プ・ゼロ』であることだけが理由ではないようだが。

「ほほぉ。若いのに立派な心がけですね。うちの娘にも見習わせたいぐらいで

すよ。とと、そういえば自己紹介がまだでしたね。はじめまして、アルメド・

ジリヤと申します。本日は合同の警護任務、よろしくお願いいたします。それ

とギンガさん、よろしければこの頭からっぽ娘にどうやって更正プログラムの

内容を教え込んだのか、ご指導たまわりたいのですが」

 ぽんぽんとセインの頭を叩きながらジリヤが言う。

 叩かれている当の本人、セインは普段から怒鳴られてばかりということもあ

って、潜在的にジリヤを恐れていた部分があったのだろう。頭を叩かれながら、

うぅーと小さく声をあげているだけ。

「頭からっぽ? あはは、そうですね。私が教えられることなら」

 ぽんぽんと頭を叩かれていくセインを無視し、ギンガは自分の経験談をジリ

ヤに話していく。

 JS事件解決後、ナンバーズたちは全員更生プログラムという授業を受けて

いるのだが、ギンガ・ナカジマはこの更生プログラムに積極的に講師として参

加、彼らの管理局組織への早期参加に大きく貢献している。管理局側は彼女の

指導内容、意欲性を高く評価し、二階級特進という措置を取ったらしい。事件

当時操られていたとはいえ、スカリエティ側に加担していたことを考えれば、

この措置はまさに異例と言えるだろう。

「ジ、ジリヤさん。それぐらいにしてあげないと、セイン姉様が……」

 敬愛、とまでは行かないまでも少なからず姉のことを尊敬しているディエチ

が、散々な扱いを受けているセインを庇うように声をかける。

「ん、ああ」

 その言葉で、ジリヤはようやく自分がセインの頭を叩き続けていたことに気

づいたのだろう。ようやくに手を離す。もっとも、叩かれていた本人はすでに

ぐったりしているようだが。

「セイン姉さんも、結構大変みたいだね」

「ううぅぅぅ……ありがとぅディエチ」

 カリスマも姉としての威厳も何もないセインの頭を、ディエチがよしよしと

優しくなでてあげていた。

 

 

 ホテル・アグスタの警護は陸上警備隊第108部隊、及び戦技教導隊が行うこ

とになっていたのだが、高町なのは一尉に管理局本局から緊急の呼び出しがか

かってしまったため、人員補充という名目で特別救助隊へ支援要請が行われた。

救助隊としても人員に余裕はなかったのだが、非番の魔導師たちが自主的に(ジ

リヤ准尉以外の人たちは彼が強引に連れ出したと言われているが)警備を受け

持つと申し出てくれたため、このたび陸士108部隊と特別救助隊との合同任務

が行われることとなった。

何百人規模の財界人が集まり行われるオークション会場を覗き込むと、どこ

もかしこも人、人、人。満員御礼の大ホールの端っこ。薄い藍色のドレスに身

を包んだ少女が、ワイングラスをくるくる回転させていた。

ワイングラス、と言っても中に入っているのはオレンジジュース。勤務中で

ある以前に彼女は未成年なのだから、さすがに公共の場でアルコールを飲むわ

けにもいかないのだろう。

「お嬢さん、仕事中だからとか難いこと言ってないで、一杯ぐらい飲んだらど

うだ?」

「あはは、お気持ちだけ受け取っておきます。でも私、お酒ってどうも苦手で。

以前一口飲んだだけで倒れちゃったんですよ」

「んー、そうかい? なんだか元気がないみたいだから、お酒でも飲んで羽目

を外してみたらと思ったんだが、そんなに弱いんじゃ仕方ないな。何があった

か知らんが、そう気落ちせんようにな」

「はい。お心遣い感謝します」

 白髪の少し混じった初老の男性が会場の中心、オークションステージのほう

に歩いて行くのを目で見送って、藍色のドレスに身を包んだ少女は、手に持っ

ていたオレンジジュースをもう一度口に運ぶ。

 緊張しすぎないほうがいい。考えすぎないほうがいい。

 骨董品収集を趣味にする人は多いが、今年は出品数が少ないだけでなく、目

玉となる品物もないと聞いている。にも関わらずオークション会場にこれだけ

たくさんの人たちが足を運んできている理由の一つには、会場の雰囲気を楽し

む、というものがあるのだろう。

 普段ぎすぎすとした人間関係に追われ続けている著名人の皆様だ。悩みや鬱

憤、ストレスを常日頃から溜め抱えているのだろう。骨董品に興味がなくとも、

いや、むしろ骨董品に興味が無いからこそ、純粋にパーティーをパーティーと

して楽しむことができる。

 そんななかつまらなさそうな顔をしているものがいれば、パーティー参加者

からしてみれば興が削がれてしまうもの。

 出来る限りの笑顔を浮かべながら、ワイングラス越しに、スバル・ナカジマ

は会場を眺めて行く。

 昨年に引き続き、スバルはホテル・アグスタの警備を任された。それも去年

のようにホテルの外で周囲を警戒するのではなく、直に会場入りをし、直接パ

ーティー参加者を守る、というものだ。

 昨年、高町なのはが行っていたものと同じ警備内容。

 スバルが数日前のままであったなら、本日の自分の仕事をおおいに喜んでい

たことだろう。高町なのは。憧れの存在に、少しずつとはいえ近づいていって

いるのだから。

「ナカジマ一士」

「は、はい」

 突然に声をかけられ、スバルが驚いて振り向くと、そこに立っていたのは黒

いスーツの少年。背丈はスバルと同じぐらいで、年齢も一つ上か、同じ歳ぐら

いだろう。

 リーン・T・ウィズ・ノワール。

 ホテル・アグスタの警備を任された魔導師の中でも最高ランクの実力を持つ

人物で、管理局が定めた魔導ランクの最高位、Sの称号を持つ数少ない魔導師

の一人。

「今のところ異常はないようなので、僕は少し周辺の見回りに行ってきます。

何かあったらすぐに連絡を」

 そう言って、リーンは会場を出て行ってしまう。確かに、オークションの会

場だけでもスバルを含め四名の魔導師が警備を担当している。セインとディエ

チが後々会場入りをするはずなので、会場の警備体制は万全といえるだろう。

 そう考えた場合Sランクの魔導師、リーンまで警備に回す必要はない。

 ホテル周辺を旋回しリーンの存在を知らしめておいたほうが、犯罪を企てる

ものに対する抑圧の効果は大きいだろう。

「冷静で合理的な判断、か」

 一騎当千の実力を持ち空戦が可能。状況把握の能力に優れ、現場において高

い統率力を発揮し、緊急時にも最善の行動をとることができる。

 Sランク魔導師の条件というのは、そんな風に言われている。その条件に当

てはめてみると、なるほど、確かにリーンは素質十分ということだろう。

 Sランク魔導師、高町なのはとフェイト・T・ハラオウン。

 キャロが怪我を負った際、彼らは合理的で、最善の手段を取った。

 それが間違っているとは思わない。なのはから事実を聞かされた直後こそス

バルは反発していたものの、ティアナになのはのことを教えられ、人手が足り

ないという事実を認識させられた今となっては、むしろなのはの行った行為こ

そ正しかったのでは、とスバル自身も思っているところもある。

ならば仲間とは何なのだろう。

 スバル、ティアナ、キャロ、エリオ。

 機動六課というstrikerを養成するための特殊な課で、一年間彼らは共に訓練

に励み、戦い、絆を作り上げてきた。

 だが、なのはの行為はそれを否定した。絆よりも、仲間よりも大切なものが

あると、彼女は暗にそう言っているのだ。その考えを正面から否定するつもり

はない。スバル自身、どちらが正しいのか判断しきれていないのだから。けれ

ど絆が不必要だと言うのなら、そもそもなぜ六課の新人たち四人を一緒にさせ

たのか。一年も一緒にいたのだ。絆が出来るのも、互いが互いを大事に思うの

も、当然のことではないか。こんな風になるくらいなら、いっそのこと……。

「隣、いいかな?」

 考え事を続けていたスバルに声をかけてきたのは、若い青年だった。

 童顔というよりも、女性っぽい、といった雰囲気をまとった青年。考古学者

兼無限書庫の司書長、ユーノ・スクライア。

 なのはやフェイトの幼馴染とは聞いていたがスバルと直接の面識はない。ス

バルは彼が自分のことを知っている事実に少し驚きながらも、「は、はい」と返

事を返す。

「なのはが用事でこれなくなったとは聞いていたけど、まさか代わりが君とは

ね。なんだかギクシャクしてるみたいだけど、ひょっとして緊張してる?」

「そ、そうですね。私になのはさんの代わりが出来るのか。さっきからそれば

っかり考えてて……あはは、警備の人がこんなに緊張してたら駄目ですよね」

「ん、そんなに気にするようなことじゃないよ。なのはやフェイトだって、初

めて警備を担当したころは結構緊張してたものだから」

「なのはさんが?」

「意外かい? まあ確かにそうかもね。君はたしか、沿岸部の火災事故で助け

られたとき、初めてなのはのことを知ったんだよね。あのころだと、もうなの

はは管理局のエースとしての片鱗を見せ始めていたから」

 ユーノが言うとおりスバルは5年前の大火災の際なのはに救助されて、初め

て高町なのは、という魔導師の名前を知った。軌道六課に所属していた際、な

のはとティアナの間で一悶着あり、そのときなのはの子供時代のことを聞かさ

れてはいるが、逆を言えばスバルが知っているなのはの過去など、その程度の

ものなのだ。

「ま、なのはだって最初から完璧超人だったわけじゃないんだ。どこにでもい

る平凡な女の子。僕と出会う前までのなのはは、まさしくそうだったからね。

それがジュエルシード、PT事件のせいで魔法なんてものに巻き込まれちゃっ

て……それにしても、まさかいまさらになってPT事件、ジュエルシードの話

が蒸し返されてくるなんて、思ってもみなかったけどね」

「ジュエルシードのことは聞いてますけど、PTってプレシア・テスタロッサ。

フェイトさんのお母さんのことですよね。その事件が蒸し返されてるって、ど

ういうことです?」

「うん。君も時の庭園消失事件のことは知っているだろ」

 時の庭園。聞きなれない名前だなと一瞬考えはしたものの、そういえば何か

の書類でそんなような名前を見たような気がする。

 そうだ思い出した。十年前に発生した大規模な次元震に巻き込まれた建造物

で、二週間ぐらい前に謎の消失を遂げたとかなんとか。あの時は火災事件のほ

うを大きく取り扱っていたから、書類に目を通しただけですぐに提出してしま

ったけれど、PT事件と何か関係があるのだろうか。

「時の庭園というのはなのはが魔導師になるきっかけとなった出来事、PT事

件の中心になっていた場所なんだ」

 考え事を続けるスバルに、ユーノは静かに説明を加えていく。

「なのはにとってもフェイトにとっても、因縁深い場所ってことになるのかな。

PT事件には、ジュエルシードが大きく関わりを持っていた。そして先日、ジ

ュエルシードを所有するセリムという人がフェイトと出会い、同じくセリムと

名乗る男が第96管理外世界においてエリオやキャロたちと交戦している」

 キャロの名前を聞いて、スバルはほんの僅か、苦々しそうに眉をひそませる。

「これらの事件に直接的な繋がりは今のところない。でも一つ一つを点として

捉えた場合、どこかで関係しているように思えてならないんだ」

「関係……次元震が発生した場所の近くの建造物が消えるっていうのは、物凄

く特殊な事例なんですよね」

「うん。あまり聞いたことはないね。残骸処理をした部隊が報告し忘れた、民

間が処理した。そんな事例がないか本局のほうで調査が行われているらしいけ

ど、今のところそれらしい記述も、証言も見つかってないみたい」

「記述も証言もない? それじゃ庭園の消失って事件の可能性も……」

「そうだね。その可能性は高い。でも、管理局はまだこれを事件とは定めてい

ないんだ」

「定めてないって、なんで! 起こりえる事件を未然に防いで、人々の平和を

守るのが時空管理局、私たちの組織の役目じゃないですか!!」

「うん。それは分かってるよ。管理局上層部だって、きっと志はスバルと同じ

なんだと思う。でもこの出来事を事件とした場合、当然それに対する対策部隊

を設立することになる。ということは、新しい人員が必要になるわけだよね。

特にこの『時の庭園の消失』では消えた庭園を探すだけじゃなく、犯人がいる

なら犯人の特定、場合によっては抵抗する犯人の鎮圧だって必要になってくる。

そうなれば必要になってくるのは武装職員。僕が実働部隊の司令を務めるなら、

万全を期すためにAランク以上の魔導師を2〜3人は要望するだろうね。でも

残念ながら、今の管理局にそんなことが出来るほどの人員的な余裕はない。だ

から問題解決を先延ばしにして、人手を割くことを意図的に防いでいる」

 ユーノの言葉はあくまで予想であり、確証はどこにもない。だがティアナか

ら聞かされた話や連日緊急出動が続いている現状を考えると、否定しきること

もできず、スバルは苦々しく唇を噛んでしまう。

 なのはのときと同じ。物事に優先事項を設定し、感情よりも合理的な判断を

優先する。

 今回のホテル・アグスタの警備任務だって、本来ならなのはたち新人教育部隊、

スターズが行うはずであった。だが急遽管理局本局からなのはに呼び出しがか

かり、チンクもそれについていってしまったため、その代わりとして特別救助

隊の職員たちが借り出されているのだ。これはスバルたちがたまたま暇をもて

あましていたため、警備に借り出されたと聞いている。ならば、自分たちが庭

園調査の任務についていたとすれば? 当然、また別の部隊がホテルの警備の

ために借り出されることになる。ならば、その部隊が抜けた穴は誰が埋める? 

イタチごっこを繰り返したとして、全ての穴を埋められるのか?

 答えはNO 当然の、幼稚園児でも分かるような答え。

 全てを埋めることができないならば、放っておいても被害が少ない穴を意図

的に開けておく。ひどい話だとは思う。でも、間違ってはいない。

なのはの行いも、管理局の行いも、等しく平和に繋がっていく。そしてそれ

はたぶん、スバルのやり方よりも効率的で――

「どうしたの? また考え込んじゃって」

「あ、えっと、あの……」

 ユーノの言葉で意識を現実に引き戻され、スバルは恥ずかしげに、なのはと

の間に起こった出来事、自分の想いなどを伝えていく。

「……そうか」

 ユーノは、否定も肯定もしなかった。唇に手を当てて、考え込んでいるだけ。

いい加減痺れを切らしてスバルが声をあげようとしたそのとき、ようやくにユ

ーノはスバルのほうへと視線を戻す。

「君はどう思うの?」

「えっ?」

「だからなのはや管理局のやり方、そのティアナって子の考え方。広い目でみ

れば間違ってないかもしれないってそう言ってたけど、それはあくまで大衆的

な目で見た場合の話でしょ。キミとしては、スバル・ナカジマとしてはどう思

うのさ。なのはたちの言葉、やり方に納得できてるの?」

「それは……本当のことを言うと、できないんです。どれだけ言葉を重ねても、

どれだけそれが正しくても、キャロや私の気持ちを踏みにじったことだけは、

紛れもない事実ですから」

「なら、いいんじゃないかな。それで」

「それで、いい?」

 あまりにあっけらかんに物を言うユーノに、スバルは思わず目を丸くしてし

まう。

「考えてそれでも納得できないなら、僕はそれでいいと思うよ。人の想いを大

切にする。それはきっと、とても大切なことだと思うから。『今は前だけ見れば

いい。信じるものだけを信じればいい』。数年前に流行っていた歌の歌詞だけど、

ちょっと気に入ってるんだ」

「信じるものを信じれば? 何を信じろって言うんですか?」

「さあ? 僕はスバル・ナカジマじゃなくユーノ・スクライアだから。でもま、

僕個人としてはなのはの考え方よりも君の考え方のほうが好きかな」

「ユーノさん、ちょっと」

「はーい。それじゃ、僕はこの辺で。警備頑張ってね」

 ホテル経営者に呼ばれて、ユーノはステージの方へと歩いていく。

「信じるものを、信じれば?」

 オークション会場の壁際。薄い藍色のドレスを着込んだスバルは、グラスを

口に運ぶ。けれど、ワイングラスの中はもう空っぽだった。

 

 

 

 

 時空管理局本局。

00管理世界に作られた大規模施設で、今日における次元世界の中心部。

ミッドチルダ地上を心臓部と例えるならさしずめここは頭、頭脳と言ったと

ころであろう。

 本局施設は中央塔とそこから伸びた細長い五つのステーションから成ってお

り、太い脚部とそこから伸びた長い爪を称して鳥の足、と呼ばれている。

 その足の爪の一本に小さな次元船が到着し、二人の魔導師、なのはとチンク

が船から降りていく。

「お待ちしておりました」

 二人を出迎えたのは物静かな雰囲気を携えた少年のような身なりの局員。見

た目は年頃の少年そのものだが、その局員の着ている制服は女性のもので、す

ぐにその局員が女性であることがわかる。

「うむ。出迎えご苦労オットー。元気そうでなによりだ」

「そうゆう姉さんも変わらな……ちょっと縮んだ?」

「やかましいっ」

「おーこわっ。もうちょっとカルシウム取ったほうがいいよ。怒りっぽいのは

発育上良くないってきいたことあるし」

「刺すぞお前は……」

「あの、一応急ぐように言われてるんだけど」

「こほん、失礼しました高町一尉」

 子供のような態度を見せてしまったことを反省してか、オットーは少し顔を

赤らめながら小さく咳払いをする。

「あはは、そんなに堅くならなくていいよ。それと呼び方もなのはさんで構わ

ないから」

「なのはさん、ですか? ですが姉さんは高町教導官と……」

「それはこの子が堅すぎるから。もっと気楽にしてればいいのに。ねぇチンク」

「いえ、そうゆうわけにはいきません。私はあくまで教導官補佐なので」

「はぁ。まったく……」

 やれやれ、という感じでなのはを肩をおろす。

 社交の場だといつもこの調子だ。二人でいるときはもう少しフランクな感じ

なのに。こうもがちがちだと、こっちまで息が詰まってしまう。

「それでは、会議室まで御案内致します」

 ナンバーズの末の妹、オットーに案内されてたどり着いたのは少人数用の会

議室。

「失礼します。高町一尉をお連れいたしました」

 オットーが一礼して室内に入ると、

「お、エースオブエースのご到着だ」

「もう、その言い方は止めてほしいって前にも言ったじゃないですかモーラさ

ん」

 茶化すようになのはたちを歓迎したのは藍色のバリアジャケットに身を包ん

だ魔導師、リゼット・モーラ一尉。年中砂埃に見舞われるような辺境次元の生

物の管理を行なっているためか、その身体は雨風にさらされ鍛え上げられたな

めし皮のよう。ただ肉体はしっかりしていても、その喋り方はどこかひょうと

ひょうとしていてつかみ所がなく、まるで雨風そのもの。

 人の性格は環境によって決まると聞いたことがあるが、モーラ一尉を見る限

り、それは本当のことなのだろう。

「はは、悪い悪い。だがまあ事実は事実だ。その若さですでに時空管理局のト

ップエース。おまけに顔良しスタイル良しときたもんだ。天は一人の人間に二

物も三物も与えるもんだね。羨ましい。俺もあと十年若けりゃアプローチして

ただろうに。まああんたのほうに年上趣味があるなら話は別だけどな。どうだ、

今夜夜景の綺麗な場所で二人の将来について語り合うってのは」

「モーラ一尉。奥様に報告しますよ」

 どすの入った声で呟いたのはオットー。

 真面目なのか茶目っ気があるのか、いまいちよく分からない子だ。

「ととっ、冗談だよ冗談」

 その言葉には若干の震えが混じっていた。その様子からかかあでんかという

言葉を連想してしまい、思わずなのはは笑ってしまう。奥さんに頭があがらな

いSランクの魔導師。なんとなく、滑稽に思えてしまう。

「それにしてもこんな時期に緊急招集なんて。なにがあったんですか」

「さぁなあ。俺も詳しいことは何も。シスター・パメラ。あなたは?」

「いえ、私もカリム様から伝えられただけですから」

 穏やかな口調でそう告げたのは聖王教会に所属する魔導師パメラ・パーラ。

真っ白な絹のローブを頭からすっぽりと被り、胸に銀のブローチを飾るという、

お伽噺に出てきそうなほどシスターらしいシスターの服装をした彼女もまた、

管理局が定める魔導師ランクの最高位、Sランクの称号を持つ魔導師。(ベルカ

式魔法を使うため正確には騎士だが、管理局では便座上ミッド・ベルカを問わ

ず全ての人間を魔導師と呼称している)

 彼ら二人だけではない。会議室に集まっている人間のほとんどは最高位の魔

導師ランク、Sの称号を持つものばかりであった。もちろんこれは明らかに異

例なことである。Aランク以上の魔導師でさえ管理局全体のわずか5%足らず。

Sランク魔導師とはその5%のなかのさらに一握りの存在で、その人数は管理

局全体を通してみても20人前後と言われている。

 会議室内にはそんな魔導師たちがすでに六人も集まっている。予定では、会

議参加予定の魔道士はあと三人。管理局に所属するSランク魔導師、その半分

近くが一同に集結しようというのである。これを異例と言わずして何を異例と

いうべきか。

「管理局、及び周辺次元で勤務するSランク以上の魔導師の緊急招集。こりゃ

JS事件と同規模の大規模騒乱が起きるって言われても不思議じゃないな」

「あのときの管理局の対応は明らかに後手に回っていましたから。当時の教訓

を生かし迅速な行動を心がける、ということでしょう」

「まあ詳しい話は召集をかけた本人に聞けばいいさ」

 シスター・パメラとモーラ一尉がそんな話をしているうち、

「失礼します。プロイア一佐、ハラオウン一尉、両名をお連れ致しました」

 扉が開きオットーと長身の男性が姿を現す。リベルド・プロイア一佐。特別

救助隊・ブリッツの発足者で、救助隊全体の指揮も執り行うSランクの魔導師。

「プロイアさん、お久しぶりです。それにフェイトちゃんも」

 プロイアに続いて入ってきた長い髪の女性、フェイトのそばへ駆け寄ると、

なのはは軽く挨拶をかわす。 

「ラッサ中将。会議出席予定だった魔導師、これで全員揃いました」

 会議室のドアを閉めながらオットーが言う。

「全員到着しましたか。では皆さん雑談はそのくらいにして、席のほうにお座

りください」

 威厳ある低い声で一同を制させたのは、生気に溢れた力強い瞳を持つ男、グ

リフ・ラッサ。階級は管理局地上本部のトップ、故レジアス・ゲイズと同じ中

将であり、管理局本部、通称『海』の総指揮を勤める人物。

 杖も使わずきびきびと歩くその様子を見ていると、七十近い高齢ということ

を忘れそうになってしまう。

「全員? まだノアール一尉が到着していないようですが」

 そう疑問を返したのは、聖王協会所属魔導師、パメラ・パーラ。

「ああ、彼にはホテル・アグスタの警備についてもらっています。本当なら彼

にも今回の会議に出席してもらいたかったところですが、あのホテルは去年の

ことがありますからね」

「ふむ。まあ高町とリーンの両方を空にあげてしまうと、Sランクがゼロになる。

ホテル関係者としては、何か起きたときにすがりつける相手が欲しいといった

ところか。あいつも、若い癖に色々災難だな」

 苦笑のような笑みを浮かべ、プロイア一佐は騎士パーラを始め他の魔導師た

ちに席に座るよう促していく。

 Sランク魔導師とは管理局が定めた実力者たちの総称であるため、彼らの間に

明確な上下関係は存在していない。けれど性格か人望か実力か、ともかくこの

ような会議が開かれた場合、彼らを統括するのは基本的にプロイア一佐、もし

くははやて二佐が通例となっている。

「席は余ってるんだから座ったら?」

 自分の隣で直立不動の姿勢を貫いていたチンクに、なのはがそう促してはみ

たものの、

「いえ、私は高町教導官の補佐役ですので」

 返ってきた言葉はおおよそ予想通りのもの。なのはは小さなため息をつくと、

それ以上何を言うでもなくラッサ中将のほうへと向きなおる。

「それで中将、本日の緊急会議のわけは」

「うむ。それについては話しをするより直接見てもらったほうが早いだろう。

オットー、頼む」

 開始の合図を受けて頷くと、オットーは大型モニターに映像を映し出してゆ

く。

 画像として現れたのは白色の艦船。離れた場所から撮影された映像のため、

見た目ではどんな船なのか確認することはできなかったが、

「これが二百倍に拡大した映像です」

 映像をアップにされたことで、なのはを始めその場にいる全員が艦船の異常

さに気づく。いや、正確には隣に見える観測衛星と比較することで。

「おい、観測衛星ってのは大体どんなもんの大きさなんだ?」

「ものによるが、全長800mから1200mくらいが普通だろうな」

「だよな。ならなんで隣にある衛星はこんなに小さいんだ」

「衛星が特別小さいものでないのなら、おそらく想像通りのことなのだろう」

 二人の魔導師の会話を聞きながら、なのはは固唾を飲んでその映像を凝視す

る。現存する艦船のなかで最も大型とされている]Y級艦。その船の全長でさ

え四キロに届くかどうかなのだ。それなのに、モニター上に移されている映像

はそれよりも遥かに巨大。その圧倒的なまでの大きさはまるで。

「]Z級艦戦乙女(ヴァルキリー)。聖王のゆりかごの模造品。完成していたの

か」

 と、プロイア一佐。

 前年に起きたJS事件の際、オリジナルの聖王のゆりかごは確認されている

が、改めてみてみるとやはり物凄い大きさ。

 新造艦のお披露目だとすれば、これほどインパクトのある映像もないだろう。

が、単なる紹介ならば緊急招集などかけるはずもない。

 だとすれば可能性は一つ。

「で、我々が召集された理由は奪われたこいつの奪還ってわけだ」

 モーラ一尉が呆れたような声をあげる。なのはを含め、おそらくこの場にい

る全員がモーラ一尉と同じ結論に達しているのだろう。

「しかし中将も人が悪い。こんな凄い艦船を建造してたのなら、教えてくれれ

ばよかったじゃないですか。ひょっとしてサプライズパーティーでも考えてた

んですか」

「完成、してないのだよ」

「えっ?」

 ラッサ中将の発した一言を聞いて、モニターを凝視していた魔道師たちの視

線が中将の下へと集まっていく。

「聖王のゆりかご。前年のJS事件の際にその実態が確認されたが、伝承とし

ては遥か昔から伝えられてきていた。そのため我々管理局は象徴として新たな

ゆりかご、伝承に描かれた姿を参考に大型艦船の開発に着手した。だが船を動

かすための魔力エンジンの開発が難航していたこと。製造に莫大な費用がかか

るということもあって、結局建造は中止になってしまった。ヴァルキリーの建

造ドッグには、いまもまだ骨組み状態の船が残されている」

「そ、そんなのおかしいじゃないですか。実際に動いてる映像まであるのに完

成してないなんて」

「わかっている。だがこの船は我々が開発を続けていたものとは違う。信じが

たいことだが、全く同じ艦船が二つ存在しているということだ」

「極秘裏に二番艦が開発されていたということは?」

「これだけのサイズの艦船だ。極秘になどできるわけがない。それに問題はこ

れの出所がどこか、ではない」

「というと?」

「……召集の理由はモーラ一尉の言った通りなのだ」

 ラッサ中将は映像を切り替えるよう指示を出す。オットーが小さく頷いてコ

ンソールを打ち込んでいくと、映像として現れたのは白衣の男。

「こいつは……」

 その男の名を知らぬ管理局の人間はいないだろう。管理局組織発足以来最悪

とも呼べる大規模騒乱、JS事件の首謀者。ジェイル・スカリエティ。

『お久しぶりです時空管理局の皆さん。昨年は色々と世話になりました。ええ、

色々とね。さて、この映像を見ているということは私の所有する巨大戦艦もご

覧になられたと思います。どうです? 素晴らしい出来だと思いませんか。ま

るで聖王のゆりかごの再来。破壊の権化。まさに究極の兵器と言っても過言で

はない。究極。はは、素晴らしい響きじゃないか。科学者が、技術者が古来よ

り求め続けてきたもの。完璧、究極!! 私はついに、それを手中に収めた。

しかし皮肉なものだね。ロストロギア規制などとくだらないことを言っていた

ものたちが、ロストロギアよりも危険な代物を作り出すとは。いや、そもそも

それが正か。管理局という組織は力を一所に集めることで行なう実質的な支配、

征服を百年以上も続けてきたわけだからな。ふむ……力の象徴。管理局。それ

が崩壊したとき蠢く民衆たちがどのような反応を見せるのか多少興味はあるが、

私とて人の子。いたずらに人を殺すような真似はしたくない。それゆえ取引を

持ち掛けたい。伝説の三提督。ラルゴ・キール、レオーネ・フィルス、ミゼッ

ト・クローベル。以上三名の引き渡しを要求したい。交渉期間は五日間。その

あいだに返事が返ってこない、またはこちらの艦船への攻撃が確認された場合、

こちらにはすぐさまアルカンシェルによる砲撃を行なう意思があることを伝え

ておく。ああそれと、交渉期間の延長には一切応じるつもりはない。約束の期

日を過ぎた場合にも砲撃は行なわれるということを覚えておいて欲しい。では、

色よい返事が返ってくることを祈っているよ」

 スカリエティの不適な笑みを最後に映像は終わりを告げる。

Dr.スカリエティ。クアットロの逃亡のタイミングから見て有り得なくはな

いと思っていたが……」

 チンクは自分のかつての軽率さを恥ずかしむように口を開く。

『大事に至るようなことはない』

この映像は、それが完全な楽観であったことの証明であった。

「スカリエティが独房内で自殺を図ったことはハラオウン一尉からの報告で知

ってはいたが、まさかこのような動きを見せるとはな。それにしても、なぜ存

在していないはずの兵器を、艦船ヴァルキリーをスカリエティが所有している

のか……いや、理由はどうでもいいか。ともかく強大な質量兵器をスカリエテ

ィが得たことだけは確かなのだからな。三提督の引渡しというのも、管理局の

屈服を民衆に知らしめるには効果的な方法だ。なるほど。これは、してやられ

たというわけだな」

 と、言葉を漏らすのはプロイア一佐。

「関心してどうすんだよ旦那。ラッサ中将も、まさかこんなふざけた言い分に

応じるつもりじゃないだろうな」

「そうするつもりなら、緊急招集なんて開く必要もないだろう」

「ん、まあそれもそうか……」

 思わず身を乗り出そうとするモーラ一尉を静かに制し、プロイア一佐はラッ

サ中将のほうへと向きなおる。

「それで、我々は何を行なえば?」

「うむ、君たちにやってもらうことは一つ。艦船ヴァルキリーの撃沈だ」

「なるほど、わかりやすい。ですが出来るのですか? 相手は一艦とはいえ、

聖王のゆりかごと同規模の船なのでしょう? 伝承によれば、あの船は二つの

月の魔力を浴びることで、衛星軌道上にまであがることで、無限にも近い防御

性能を発揮すると聞いていますが」

 オリジナルのゆりかごは、衛星軌道上にあがる前に管理局の所有する艦隊に

よる集中砲火で轟沈したとされている。だがこの船が現在航行しているのは次

元空間。つまり、衛星軌道の上だ。

「破壊出来るかどうかわからない。だから諦めると?」

「……失礼、愚問でしたね」

 時空管理局というのは、平和を守るための組織なのだ。やるだけやってそれ

でも駄目なら、その後に考えればいい。

 いまは、やるべきことをやるだけ。

「艦船の撃沈。確かにそれが現状で打てる最善手なのでしょうけど……」

「ん、どうしましたハラオウン執務官。何か気になることが?」

「ええ。交渉、明け渡しの要求をするにしては交渉期間が長すぎる気がして。

それだけの日数があれば、ヴァルキリーの存在する座標へ艦隊を送り込むのは、

そう難しくはないはずです。陽動か囮か。いずれにしろその類の可能性が……」

「その可能性は十分に考慮している。だが囮とはいえ無視できるようなもので

はない」

 管理局本局を破壊できるほど強力な質量兵器を搭載しているのなら、それは

囮であると同時に切り札とも呼べる代物。迎撃部隊が手薄であれば正攻法に正

面突破されるということも十分に有り得る。

「確実にヴァルキリーを撃沈でるだけの戦力。伏兵への対策。普通に考えて、

戦力の二分が妥当なところでしょうね」

「話が早くて助かる。ではその内訳についてだが」

 ラッサ中将とプロイア一佐の話し合いを聞きながら、なのはは胸に提げた宝

玉型のデバイス、レイジングハートをぎゅっと握り締めていた。

 昨年に発生した大規模騒乱。ヴィヴィオとの出会い。培ったのは、家族とい

う名の強い絆。

 いまそこにある日常を守るため、高町なのはは再び戦いの中へと身を投じて

いく。

 

 

 

 

 キャラクタープロフィール SP(04)

 時空管理局Sランク魔道士リスト 

 

 

名前   高町なのは

所属   時空管理局本局 新人教育部・スターズ

階級   一等空尉

役職   戦技教導官・スターズ隊長 

 魔法術式 ミッドチルダ式・空戦SSランク

 

 

名前   フェイト・T・ハラオウン

所属   時空管理局本局 執務官

 階級   一等空尉

 役職   執務官

 魔法術式 ミッドチルダ式・空戦SSランク

 

 

 名前   リゼット・モーラ

 所属   時空管理局 6管理世界バレッタ

 階級   一等陸尉

 役職   環境保護官

 魔法術式 ミッドチルダ式・空戦Sランク

 

 

 名前   パメラ・パーラ

 所属   時空管理局兼聖王協会

 階級   ―――(聖王協会所属のため階級を持たない)

 役職   修道女

 魔法術式 近代ベルカ式・空戦Sランク

 

 

 名前   リベルド・プロイア

 所属   時空管理局本局 特別救助隊ブリッツ 

 階級   陸戦一佐

 役職   特殊部隊‐ブリッツ総司令

魔法術式 ミッドチルダ式・空戦SS

 

 

 

名前   リーン・T・ウィズ・ノワール

所属   時空管理局 陸上警備隊第108部隊

(多忙のため形だけの在籍。多くの部署を転々としている)

階級   三等空尉

役職   108部隊隊長補佐

(前述の通り部署を転々としているため形だけの役職)

 魔法術式 ミッドチルダ式・空戦Sランク

 本編未登場の魔導師−今後出番があるか未定の皆様

 風見静香

 ヒルツ・オーエン

 クラウム・E・リーゼ

 

 

       あとがき

 Sランク魔導師、原作とかなり設定が違っていますがパワーインフレを抑える

ための処置だと思ってください。なのはレベルの魔導師がごろごろ出てきたら、

物語としてつまらないですしね。

 上に書いてある本編未登場の魔導師というのは、あくまで会議に出席した魔

導師たちのことです。なので、はやてやシグナムたちにも出番はあります。き

っと。

 それと3話目でのキャラリストにミスが見つかったので、脳内修正wをお願

いします。チンクの魔法術式ですが、陸戦AAではなく、正しくは空戦AAラン

クです。原作と設定違いますが、後々の展開的に空を飛べないと困るので……。

 

 

 以下追記

 6話目、修正というより前半パートが完全な別物になってしまいました。相手

側を全く描写せずにストーリーを進めていたので、少しは相手側を、と思った

のですが、伏線放置で新しいものに手を出してばかりという印象を読み返す際

に感じ、今回のような書き直しをする結果に。

 読んで貰っている皆様に多大な後迷惑をおかけしてしまったことを、謝りた

いと思います。




作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。