とらいあんぐるハート3 To a you side 第六楽章 星たちの血の悦び 第三十三話







 宮本良介、17歳。両親のいる平凡な家庭に生まれれば、学生にあたる年代。

こうして校内を歩いていると、同じような年頃の連中が学生生活を営んでいるのが見える。

チャイムが鳴って休み時間、次の授業の準備をする奴や束の間の時間を友人を楽しく過ごす奴などさまざまだ。

青春を謳歌する学生達――羨望や嫉妬は感じなかった。人生なんて人それぞれ。

学生をやるだけが若者の生き方ではない。今の俺の人生は良くも悪くも刺激的で、悪くない日々を送っている。

所詮学生なんぞ親のすねかじりな弱者、と見下ろす気は無い。学生と呼ばれる連中の中に、恭也達が含まれているのだから。


城島晶もその一人だ。


「……気絶させた先公の面倒を頼むのはいいけど、あいつは俺の頼みを聞いてくれるのかな……?
レンに稽古役頼まれたとはいえ、ガキのなのはより会話してねえんだよな……城島とは」


 通り魔事件以後、何ヶ月か世話になった高町家。城島晶とは同じ屋根の下で日常生活を過ごしていた。

奴も桃子の温情であの家に厄介になっている身だが、俺よりも家族としての縁は深い。

ボーイッシュな顔立ちの、女の子。男勝りの性格だが、料理が得意で家事もスポーツ万能な一面を持つ。


明るい性格と快活な物言いで友人も多く、高町家にも愛される少女――日陰者の俺とは、対極の存在である。


一緒に生活していて何の会話もないといえば嘘になるが、あいつは誰にでも平気で愛想良く出来る。

マスコットのなのはとは別種の魅力を持つ、人間。晶にとって俺は、ある意味で他人と同じである。

先月は頼まれ事や揉め事を起こしたが、あいつの好敵手であるレンが関わっての話。俺個人への関心ではない。

好意は持たれているだろうが、他人の域を出ていない。修行もレンが現役復帰するまでの期間限定、関係は維持されない。

それはそれで俺には何の問題も無いのだが、今日ばかりは少しは仲良くするべきだったかと思ってしまう。

何しろ――奴の恩師のジャージを着ているのだ。説明がちょいと面倒だ。

なのはなら一発殴って言う事を聞かせるのだが、空手少女の城島だと逆にぶっ飛ばされそうである。くそ、病み上がりが辛い。

学校規定のジャージ効果で周囲に騒がれず、俺は素早く慌てずに廊下を移動――

あまり話せなかったとはいえ同じ屋根の下で過ごした人間、日常会話で得た情報で学年とクラスは把握済み。

休み時間の間に、なるべく片はつけたい。奇抜な校舎でもないので、ほどなく該当の教室を見つける事が出来た。

休み時間中に遊びにとか行ってたら、ぶっ殺す。俺は教室の中を恐る恐る覗いて――



「――うちの教室に何か?」

「うおっ!? ――などと、毎回驚くと思うなよ。
剣士の俺は、お前の気配など既に察知していたのだ」

「普通に足音立てて歩いて来たんだから、誰でも分かると思います。
急いで先生呼んできますので、そこ動かないで下さいね」

「待ってください。お願い、プリーズ」


 セーラー服を着た、ショートカットの少女を急いで呼び止める。

嫌々振り向いたその表情に愛想は全くなく、視線は不審と疑惑に満ちていた。冗談が通じる場ではなさそうだ。

萎縮すると、余計に怪しまれる。コホンと咳払いして、堂々と対処する事にした。


「俺はこの学校の生徒だ。このクラスの人間に用があって来た」

「この学校の……?」


 胡乱な目つきで、俺を上から下まで見つめる女生徒。小柄だが、決して貧弱ではない。

むしろ何かスポーツでもやっているのか、女子にしては体つきが良かった。

姿勢も良く、ハキハキとした口調。城島晶に似た、体育会系の女子だった。


「本当ですか〜? このジャージ、女子の――」

「はい、はーい、先輩に対して詮索禁止。プライベートは今後ゆっくり話そう」

「そんな機会は永遠にありません」


 俺もそう思う。多分お前とは今後二度と会う事はないだろう、名も知らぬ女学生よ。

思い出に残る前にオサラバしよう。

職員室に駆け込まれる前に、用事だけ済ませて早く相談室へ戻ろう。他人の目は嫌いだ。


「それはさておき、城島晶という生徒はいるか? 俺はあいつの先ぱ――知人だ。
今すぐ話したい事があってな、お前このクラスの人間なら呼んで来てくれないか?」


 先輩と呼ぶ事に抵抗を感じて、知人と言い直せば吐き気がした。

それほど仲の良い人間でもないのに、何故こんな馬鹿な嘘つかねばならんのだ。

そして、この俺の嘘が予想外の効果を生み出した。


「晶の友達……? そうか、貴方ね!? 晶が最近元気がない原因は!」

「は……?」


 ――何言ってるんだ、このスポーツ少女。城島が悩んでいる? 知るか。

俺自身がこの六月で多くの悩みを抱え込んでいるのに、他人まで気にしてられるか!

俺の内心の反論は、女性との猛烈な抗議で容赦なく遮られた。


「さては付き纏っているのね!? そうでしょう!
晶、男の子っぽいけど凄く人気があるから……貴方みたいな変態に目を付けられるのよ!!」

「声が大きい!?」


 誰が変態だ! 女教師のジャージを着ているだけの一般人だぞ、俺は!

――うむ、自分で言って説得力皆無だが、それでも濡れ衣は嫌なんだ!

周囲を気にして、慌てて女生徒の口を手で塞ぐ。必死に抵抗するが、男の腕力には勝てない。


「落ち着け。俺は本当に、あいつの知人なんだ。一方的な友人じゃねえよ。
何なら、本人を今此処に呼んで確かめて貰ってもいい。

城島がもし俺を知らないとか何とか言うなら、職員室でも何処へでも連れて行け」

「……むが……」


 全然納得していないようだが、とりあえず落ち着いてくれたようだ。

早くこの手をどかせと、尊敬の欠片もない目が語っている。

理性的な子で助かった。キャンキャン喚く馬鹿女なら余計な騒ぎに発展するところだった。


「人間、誰でも悩むだろう。特に城島くらいの年頃なら、情緒不安定になる時だってある。
そんな事でいちいち変態扱いされたらたまらんわ」

「晶は自分の悩みは自分で解決出来る娘なの!
もし、どうしても自分で解決出来ない場合は、あたしや他の友達に気兼ねなく相談してくれる。

その晶が今月に入って、一人でずっと溜め息ばかり吐いていて……」

「好きな人でも出来たんじゃねえの?」

「自惚れないで! 誰がアンタみたいなチンピラを!!」

「誰も俺なんて言ってないだろう!」

「きゃっ!? 女の子の頭を殴るなんてどういうつもりよ!」

「生意気な後輩への、愛の鞭だ!
――ふん、どうせレンがいないから寂しいんだろう」

「……。
それだけじゃ、ない、わよ……きっと。だって……だって!

あの娘が通っている明心館の館長にも、しばらく顔を出すなと怒鳴られたのよ!?

好きな事に一直線な晶が、大事な修行を疎かにするなんて絶対にない!
ひたむきで……真っ直なあの娘が……あんな風に気が抜けているのを見たら――

見ているあたしだって落ち込んじゃうわよ」


 ……なるほど、悩んでいるのは当人ばかりではないという事か。やれやれ、とんだ八つ当たりだ。

表情暗く俯かせる女生徒に嘆息して、俺はそっと教室の中を覗く。


仲良くグループがそれぞれで盛り上がっている中――窓の外を見つめる女生徒が、一人。


憂いを帯びるというより、魂が抜けた顔で頬杖をついている。あの様子だと、外の景色も目に入っていないだろう。

落ち込んでいるというより、気力を失っている感じだな。やる気がないというか――覇気がない。

少なくとも、空手をやる人間の顔をしていない。あんな顔で道場に顔を出せば、師匠も怒るわな。

恋している様子でもないし、重苦しさもない。本当にただ、疲れに似た倦怠感が顔に出ている。


何だ、あいつ……? 喧嘩相手がいなくて気が抜けているにしても、どうかしているぞ。


その内、引き篭もりそうな危うさがある。友達が心配するのも無理はない、赤の他人の俺でも気になるからな。

俺が入院している間に、高町家とかで何かあった? でもあいつ、レンの代わりに俺の稽古相手をすると約束してくれた。

今更反故にはしないだろう、そんな奴ではない。

城島は女らしくない言葉遣いだが、礼儀にはしっかりした女の子だ。俺でも目上として扱ってくれる。

――何でだ? レンの事なら説得して、手術も受けさせた。成功だってした。

リハビリだって受けている。今更になって落ち込むことじゃない。

大体先月お前が頼んだから、多少は俺もレンを説得する気に――


俺が・・説得・・


「もしかしてあいつ、自分で頼んでおいて……萎えたのか?」

「? どういう意味よ!?」

「う〜ん、何と言えばいいのか――」


 人間とは本当に厄介で、理解不能な生き物だ。自分自身でも制御出来ない、大きな矛盾を時に生み出してしまう。

先月の俺はジュエルシード事件解決の為に、プレシアへの説得を決意した。

一対一の決闘――そこへ仮に恭也が現れて見事に戦いに勝利、説得に成功したとしよう。俺は喜ぶだろうか……?

説得に不慣れで、頭の悪い俺がやれば失敗する可能性は高かった。実力の差も歴然で、殺される危険性も大いにあった。

恭也を責める謂れはない。プレシアが暴走すれば、世界が滅びるのだ。失敗は許されない。

ありとあらゆる可能性が、恭也を選んでも――俺は納得出来ないだろう。

けれど、間違ってはいない。そのジレンマが俺を苦しめ、大事な局面を他人に任せた非力を悔やみ、気力を奪う。


大事な友人を――説得出来なかった、城島のように。


そもそもレンが俺の説得に応じたのは、かなり特殊な状況だった為とも言える。

本当なら俺が関わらんでも、城島がレンをちゃんと説得出来ていたかもしれない。


御得意の空手を使ってでも――


どんなに勝てない強敵でも――


相手が明日をも知れない病人でも――


あいつは泣きながら、拳を振るい、レンの弱さを叩き直し、恐怖と戦う強さを与えたに違いない。

恭也でも、俺でもなく、城島だから出来る、友としての真っ直ぐな想い。

健全であるがゆえにその想いは強く、尊い。生きる力へと、変えられる。


少女達の美しい友情物語――それを血みどろに変えたのが、俺だ。


ジュエルシードという捻じ曲がった力、死者を蘇らせる強大な力にレンが飲み込まれた。

恐怖の支配下の中での誓いなど、脅迫に等しい。

俺にはそれしか出来なかった――だが、城島ならば健やかにやれた筈だ。

全ては可能性の話、事件は既に幕を閉じている。城島の出番は永遠に失われた。


全ては過去――その事実が、今の城島を苦しめる。


修行に身が入らないのも当然だ。少女の拳は空振りしてしまったのだから。

俺に対して稽古相手を申し出たのも、レンの約束という事以上に自分に出来る何かがしたかったのだろう。

ならば、それに邁進すればいいのだが……後悔ってのは、本当に厄介なのだ。


気まぐれに顔を出しては、心の傷を抉る。忘れていた苦々しさを、思い出させる。


いつも一生懸命、生真面目な少女ゆえの苦しみ。空手一筋だった分、余計に頭を抱えているのだろう。

俺のように剣以外に出来る事があればいいのだが……難しいかもな。

急にやり甲斐のある事を見つけるのも大変だ。


――うーむ、そういう意味では剣の修行が出来なくても、他に頑張れる事がある俺は恵まれているかもな……


アリサの生意気な笑顔が、脳裏に浮かぶ。

べ、別にアイツに夢中になっているわけじゃねえよ。俺は。


「分かった、城島は俺が何とかしてやる。あいつを呼んで来てくれ」

「貴方が……? 本当なんでしょうね? 冗談ではすまないのよ」

「任せろ」


 ハッキリ言い切ると、逡巡した末に女生徒は頷いて教室へ入っていく。

悩み事の根本的な原因は、予想の域を出ていないが分かった。ようするに、やりたい事を見つければいいのだ。

別に空手以上である必要はない。城島晶という少女の心を満たす、新しい何かをさせればいい。


やらせてやるさ……大事な恩師への仲介役をな、くっくっく。せいぜい、俺の為に頑張ってくれ。


ふふん、態度は偉そうでも所詮は学生。俺がどんな奴か、見破れなかったようだな。

俺が他人の為に世話を焼く訳がなかろうが。

先月城島に迷惑をかけてしまったが、奴に頼まれたレンの説得はやったんだ。それで悩んでいるのは、奴自身の問題。

学生はどうせ暇なんだ、悩め悩め。そうして大人になるんだ。

女生徒は元気のない城島に声をかけて気遣う様子を見せ、城島は大丈夫だとガッツポーズ。その痛々しさに、見ていた俺も呆れる。

友人は何か言いたげだったが溜め息一つで済ませ、教室の外の俺を指差す。

城島は目を見開いて立ち上がり、慌ててこちらへ走ってくる。


「み、宮本さん!? な、何でこの学校に……? それにそのジャージ――」

「やむをえない事情があるんだよ。とりあえず、顔かせ」


 何時までも教室の前でウロウロしていたら、いずれ教師の目にも止まってしまう。俺は城島を連れ出して、一時撤退。

廊下を歩きながら事情を説明し、生徒相談室へ二人揃って入室。

不幸中の幸いにもまだ眠ったままの唯子先生を見せて、現状を認識させる。


下着姿で眠る唯子先生――豊満な身体を晒す女教師と、脱がした衣服を着る男。


俺からの説明を吟味して、現場の状況を確認。

一般的な常識を持つ空手少女、城島晶の出した結論は当然――



「せ……潜入、捜査っすか……?」

「はっ……?」



 今なんて言った、こいつ?



「――俺、春頃ですけど友達と映画見に行った時、こういう場面ありました。

あれでしょう? 悪の秘密組織に潜入する時、警備員を背後から襲って気絶させるんです。
脱がせた服を着て、警備員になりきって堂々と中に潜入してぇ……くぅぅ!!」


 何世紀前の映画を見たんだ、こいつは! 今時、そんな簡単なセキュリティシステムがあるか!

うわ、何熱く拳握ってるの!? 俺が言うのもなんだが、どう見ても痴漢の現場だろう!?

俺の説明がそれほど良かったのか!? 好意的に解釈していると見るべきなのか!


でも何か違う気がするのは、気のせいなのか!!


「それにこの写真――秘密の匂いがプンプンしますよ!
依頼人は明かせないってのが、またカッコいい感じじゃないっすか!!

何ですか、これ? 探偵っすか、秘密刑事ですか!?」

「ちょっ、落ち着け!? 探偵とか、お前――」


 ――男の憧れだろう? そう言い掛けて、俺はようやく気付いた。

城島晶、カテゴリーでは女に位置する生き物だが……こいつは男の遊びが大好きなのだ。

高町家に住んでいた時、こいつが制服や体操服を泥だらけにして帰ってきた事は数え切れないほどあった。

女の格好や口調、化粧などは鳥肌が立つほど苦手なのに。


「俺、手伝います! いえ――手伝わさせて下さい!!」

「ええっ!?」


 ――瞳が異常なほど期待に輝いている。完全に、情熱が蘇っていた。

土下座せんばかりに俺に縋りつく城島の表情は明るく、頬が高潮している。

本当に、難儀な生き物だ。


「探偵」という男の仕事を想像して――女らしい、艶のある顔をしているのだから。


「おいおい、素人が首突っ込んでくるな。こっちは仕事でやってるんだ」

「宮本さんだって、最近始めたばかりでしょう! 一人で出来るんですか、これ!?
一ヶ月でこの町全部探し回るのは大変ですよ。あてとか、あるんですか?」

「ぐっ……」


 そんなものあれば、この学校までわざわざ足を運ぶ訳がねえだろう。

しかし、それを認めるのは完全敗北でしかない。

冗談じゃない。やる気が合っても、遊び半分でやられるのは迷惑だ。

仕事の時間くらいはせめて、俺を一人にさせろ。


……「一人」という言葉に少し引っかかった。あれ、俺誰か忘れてる……?


「頼みます! どうか、どうか――俺を助手にして下さい!

宮本さんには先月本当に世話になりましたし、今度は俺が力になりたいんです!!」


 ……そういう、事か……

こいつは自分の都合だけを押し付けているんじゃない。

私情ではあるにしろ、何かの形で友達を助けてくれた恩返しをしたいのだ。

本人は気付いていないのだろうが――今まで心に燻っていたものが、自分の好奇心と恩返しという二乗効果で燃え上がっている。

一途で健気な女の面と、困難な仕事に燃える男の面。

二つの性質を持つがゆえに、城島晶という存在が成立する。多くの人が憧れてやまない、真っ直ぐさが魅力に繋がる。

そして、俺はそんな他人の気持ちを考慮などしない。


「とにかく駄目だ。失せろ」

「……分かり、ました……無理言ってすいませんでした……」


 涙すら滲ませて唇を噛み、そのまま静かに相談室を出て行こうとする。

俺は鼻を鳴らして城島に背を向けて――



唯子先生の、放置っぷりに、気付いた。



「――ちょ、ちょっと待て城島! こいつ、何とかしていけよ!?」

「ハァ……助手になりたかったな……」

「おいおい、聞いてるのか!? お前が説明してくれなかったら、俺がこいつに怒られるだろう!」

「……俺、頼りになると思うんだけどな……」


 キ、キサマ!? それは脅迫か! 脅迫なのか!!

振り返っては俺をチラチラ見て、わざとらしく溜め息を吐いて出て行こうとする。無情に拒絶した俺を置いて。


ぐぬぬぬぬ……この野郎……!!


城島が説明してくれなかったら、先公が納得するとは思えない。職員室に連行されたらやばい。

警察なんぞ呼ばれても怖くないが、アリサに痴漢容疑が伝わるのはまずい。まずすぎる!


畜生ぉぉぉぉぉぉぉーーー!


城島は決して、卑怯な手段に出る女ではない。ただこいつなりに必死なのだ。

そして何より――俺にはこういう手段の方が効果的だと、分かっている。俺という人間を理解している。

小気味いい意地悪が、子供の頃の悪戯を思い出して笑みがこぼれてしまう。

卑怯だとは思わない、不快にも感じない。


清々しいまでに、ただ悔しい!


「分かったよ、助手にすればいいんだろう! くそ、勝手にしやがれ!!
期限が短いんだ。しっかり働いてもらうからな――晶!」

「は、はい! ありがとうございます!!
じゃあ俺は先生に説明しときますから、ジャージ脱いで着替えて下さい。

この写真……コピーしていいなら、師匠達には俺が聞いておきますよ。
校内を生徒以外の人がウロウロするのはまずいと思いますし」

「……気が利くじゃねえか、この野郎」


 確かに早速ポカやらかしている以上、学校を長居するのはやばそうだ。

晶がこの場を何とかしてくれるなら、とっとと退散した方がいいな。

友人知人は此処以外にも居る。人手が増えたのなら、行動に移すべきだ。

連絡手段は後で教える事にして、一応褒めてやる。すると、


「へへ、名探偵の助手っすから!」


 幽霊のメイドに続き、空手少女。奇抜な面々にウンザリしてしまう。

ともあれ。



新しい助手・・・・・の、久しぶりの笑顔は――梅雨空に似合わないほど、晴れやかだった。



















































<続く>







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