孤独の剣士VS運命の女神(StrikerS対談)


※この物語はリクエストによる架空未来の一つです。
To a you side本編の可能性の一つとしてお楽しみ下さい。






※この対談はリリカルなのはStrikerSのネタバレが含まれています。
対談を読まれる方は、くれぐれも御注意を。









〜首都クラナガン郊外〜


ゼスト「ルーテシアは無事か!?」

ウーノ『はい、問題ありません。聖王の器共々保護しました。
お疲れのようでしたので、勝手ながらお迎えを出しました」
そちらは大丈夫ですか……?』

アギト「ハァ、ハァ……こんなもん、何でも――うっ」

ゼスト「無理をするな、アギト。下手に動かせば、凍傷した腕がもげるぞ。
俺の肩に掴まって行け」

アギト「ごめん、旦那……
――あのバッテンチビ、最後の最後で抵抗しやがって!

アタシの炎でも溶かせないなんて……くそぉぉぉぉ!」

ウーノ『貴方もフルドライブを酷使されて消耗しているでしょう。
安全に転送できる場所まで誘導いたします』

ゼスト「やむをえん……頼む。

――結局、奴が生み出してくれた好機を生かせなかったか……すまない」

アギト「平気だって、旦那。アイツ、絶対生きてる!
また逢えるからよ、そのとき一緒にまた戦おうぜ!

へへ、アタシのロードは頼りになるからよ」

ゼスト「ふっ――違いない」













〜首都クラナガン・高層ビル屋上〜


シグナム「ヴィータ、ミヤ。無事か!?」

ヴィータ「……ぐぅぅ……シグナム……ミヤが……アイゼンも!」

シグナム(酷いダメージだ、放ってはおけない――

――宮本……お前のことだ、必ず生きているだろう。

偶然居合わせたとはとても思えない……事情は聞かせてもらうぞ)


ミヤ「……ぅぅ……リョウスケ、あの子は誰なんですか……次は、絶対に負けないですぅ……」















〜湾岸地区上空〜


フェイト「スカリエッティはどこにいる! 何でこんな事件を起こす!!」

トーレ「お望みでしたら、いつでもご案内します。
勿論、あなたがわれわれに協力してくれるのなら――ですが」

フェイト「彼は犯罪者だ。それも最悪の!」

トーレ「悲しい事は言わないで下さい……
ドクターは、あなたやあの少年の、生みの親のようなものでしょう。

あなた方の命は、ドクターがプロジェクトFの基礎を組み立てたからこそ――」

フェイト「黙れ!」

トーレ「……仕方ありませんね……
あぁそれから、もうお気づきかもしれませんが――


――次は、あなたはもう私達には勝てません」


フェイト「……っ!」





……。





トーレ「……何だ?」

セッテ「いえ――ただ、意外な発言でしたので」

トーレ「事実を言ったまでだ。聖王の器も手に入り、準備は整いつつある。
アレが起動すれば、最早我々の勝利が揺るがない」

セッテ「……失礼ながら、それだけではないように思えますが」

トーレ「ふぅ……口数が増えたな」

セッテ「失礼しました」

トーレ「勘違いするな。非難はしていない。
――良い傾向だと思ってな」

セッテ「いえ、余分な感情です。申し訳ありません」

トーレ「やれやれ、もう少し柔軟に物事を考えてもいいだろうに――あの男のようになれとは言わないが」

セッテ「……」


トーレ「ローゼンが――オットーとディードを助けた」


セッテ「!? 彼は逃走を図ったと――」

トーレ「抵抗戦力に苦戦していた所を駆けつけたらしい。
ディードが痛手を被ったが、目標を確保して難を逃れたらしい。
六課の騎士達を容易く無力化し、一人囮になって皆を逃がしたそうだ。

――まったく、予想の付かない行動をしてくれる」

セッテ「我々の為と考えて宜しいでしょう。救援に向かわなくても良いのですか?」

トーレ「奴の心意気に水を差すほど、私は無粋ではない。任務も完了している」

セッテ「しかし……」

トーレ「――お前の今のその顔を、皆に見せてやりたいものだ」

セッテ「……?」

トーレ「いずれにせよ――あの男が戦力になることは分かった。
次は作戦に正式に加えるように、ドクターに提言しよう。

ドクターの策が成功すれば、合流も出来る」

セッテ「――先程の御言葉、理解出来ました。
確かに――彼が居れば、勝利は確実ですね」















〜機動六課〜


『これより5分後に、上空の大型ガジェットと航空戦力による施設への殲滅作戦を行います』

キャロ「良介様……良介様ぁ!

――嘘……良介様まで……やられて……」


『我々の目的は施設の破壊です。人間の逃走は妨害しません』


キャロ「何で……こんな……」


『抵抗せず、速やかに避難して下さい』


キャロ「このまま何もせず……逃げるだけなの……?
逃げるしか、無いの――」





……。





良介『幸せになる方法……?』

キャロ『――人が幸せになるには、どうすればよいのでしょう……?』

良介『やれやれ、お前は本当に世間知らずだな。仕方ねえ、俺様が人生の哲学を教えてやろう。
この上なく尊敬して、ありがたく拝聴しろ』

キャロ『……はい、良介――様』

良介『うむ、いい感じだ。
――いいか、キャロ。幸せになるなんざ、簡単なことだ。


強くなればいい』


キャロ『……。でも、わたしは……この力が原因で……』

良介『はっ、何言ってやがる。今のお前は全然弱いじゃねえか』

キャロ『……』

良介『俺は別に弱いままでいい。一人ぼっち大歓迎だからな。でも、お前は嫌なんだろ?
ならば、最初は自分の為に強くなれ。
他の事なんて考えるな。赤の他人なんぞ知った事じゃねえ。

そんなもんは、強い奴が守ればいいんだよ。

弱い奴に守れるのは――自分だけだ。
自分を守れない奴に、他人なんか助けられねえよ』

キャロ『……強く、なれるでしょうか……?』

良介『幸せになりたいって気持ちを忘れなければ、余裕だ。その時は、俺も幸せにしてくれ』

キャロ『――はい!』










キャロ「――強く……なりたい。

良介様が……エリオ君が――もう、誰かが泣くのは、嫌だから!」


キャロ「竜騎――召喚。……ヴォルテール!!!」


キャロ「壊さないで――私達の居場所を……壊さないでぇぇぇぇぇ!!!!!」



※ガジェット墓が吹き飛びました















〜機動六課隊舎・転送ポート〜


良介「うおっ!? 何だ、このハードな揺れは!?

ケホ、ケホ……建物の延焼まで激しくなって来やがった。
システムが完全にダウンする前に、脱出せねば。
普段遊びに来てるからな……操作方法は簡単、と――

ん……強制回線?」



ジェイル『ミッドチルダ地上管理局員の諸君――気に入ってくれたかい?
ささやかながら、これは私からのプレゼントだ』



良介「うげっ、最後に見たくない顔だな……この野郎」

ジェイル『治安維持だの、ロストロギア規制だのと言った名目の元に圧迫される――
正しい技術の進化を促進したいにも関わらず、罪に問われた稀代の技術者達。

今日のプレゼントはその恨みの一撃とでも思ってくれたまえ』

良介「けっ、先導者気取りかよ。あー、気持ち悪い」

ジェイル『しかし私もまた、人を、命を愛するものだ。無駄な血は流さぬよう努力をしたよ。
可能な限り無血に、人道的に――
忌むべき敵を一方的に制圧する事の出来る技術、それは十分に証明できたと思う』

良介「――少なくとも約一名ここに、傷だらけのヒーローがいるぞコラ」

ジェイル『今日はここまでにしておくとしよう――
この素晴らしき力と技術が必要ならば、いつでも私宛に依頼をくれたまえ。
格別の条件でお譲りする――』

良介「はいはい。シカト、シカト。とっとと帰って、寝よ」



ジェイル『この男を捜し出して欲しい――それが条件だ。
簡単だろう、諸君』















なのは「――えっ!?」

フェイト「嘘っ!?」

はやて「な、何で!」

ヴィータ「……あの野郎っ!!」

シグナム「やはり、か――」

シャッハ「この男は――!!」



カリム「……お兄……様……?」















良介「俺じゃねえかあああぁぁぁぁぁっ!!!」



ジェイル『彼は我々の大切な友人であり、得難い協力者でもある。
今回のプレゼントも、彼が用意したといっても過言ではない』

良介「大嘘ぶっこいてんじゃねえ!!」

ジェイル『今日も我々と共に参加していたのだが、行方不明になってね――是非とも協力して貰いたい。
犯罪者の捜索は君達の得意分野だろう?

フフフ……アハハハハハハハ!』

良介「俺を次元世界の指名手配犯にするつもりか!?
ぐああああ……や、やりやがった……あの野郎!


やべえ、ミッドチルダに居たら殺される――転送、転送!」















カリム「予言は…覆らなかった…」

はやて「まだや…機動六課は、あたし達は、まだ終わってない……
そうや――このまま終わらせてたまるかいな……


うふふふふふ……今度という今度は許さんからな……!」
















〜その日機動六課(後編) 完〜
































<続く>







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