この小説は、ヴァンドレッド2ndステージ、最終話からのお話です。













VANDREAD 3rd stage 一話「発端」


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あれから5年と言う月日がたった。
今、俺はタラークのアタッカーとして軍に入っている、
今の所、メジェールとも国交を回復して、地球の刈り取り部隊も全滅した。
正直言って今は平和だ、
軍隊など必要無いくらいにだが、それでも一応軍隊はある。
まぁ、名前ばっかりだが…

名前ばっかりと言うのも、平和ボケのせいで、
ろくに訓練もしないヤツが増えていると言うことだ。



タラーク軍
コロニー「ユートピア」



このコロニーは、つい最近出来たばっかりの最新式のコロニーで、
タラークの上のやつらもここに本部を置いている、

あれから、俺達ニル・ヴァーナクルーは、国交回復に死力を尽くし、ここまでこぎ付けた、
最初のうちは差別感や、騒動などもあったが、
最近はすっかり打ち解けて、ここのコロニーにもメジェールがすんでいる。



あぁ?

俺は今何してるかって?
俺はあの後、一世代目のヤツ等が退いてしまったから、
法律とか色々なものを再構築してる、
何の因果かしらないが、バートやドゥエロ、ニル・ヴァーナクルーも、
こう言う仕事をしてるらしい、
あと、たいそうなことに俺は「タラーク軍、第501師団隊長、及び、作戦参謀兼少将」
なんて物を貰った。
501師団といえば最後の戦いがあった時の蛮型に載ってたヤツらをまとめた部隊だ、
全員で752人、
…っはは、笑っちまうよな、生きるためにしてきたことが仕事になったからな。
752人の中にも色々いてな、
この場を借りて紹介するのもこっぱずかしいが、
強い奴等もいるわけだ、俺も隊長なんて物貰ったんだ、
追い抜かれちゃ立場が無いから毎日訓練してる、
最近は新米野郎達の面倒も見てるし、
自分でも強くなりたいって思ってたからな、
俺にうってつけかと思ってやらせたんだろうけど、正直多すぎて大変だ、
ほとんど副隊長に任せて戦闘のときだけ自分がしきってたけどな、
そうそう、この前新型のシュミレーターで全員とやったんだが意外と勝てた。

たまにディータも来るし、退屈だと思ったことは無い、



タラーク軍本部ビル



カツカツカツカツカツ

コンクリートの床に足音が響く、

ヒビキ「まったく、なんだって俺なんかが呼び出されなければいかんのだ…」

カツカツカツカツカツ

扉の前で俺は足を止めた、

ヒビキ「…入るぞ」

ガチャ

扉をあけて部屋の中へと入る、
そこは天井が高く、薄暗い部屋だった。

ヒビキ「…はぁ、…お前達、明かりくらいつけろよ。」

俺がそう行った途端、俺の見なれた顔が飛び出してきた、

バート「いやぁ〜久しぶりだね〜ぼかぁ嬉しいよぉ〜」

大きい机の影からひょっこりと顔を出す、
相変わらず坊主あたまで、性格も変わっていない。

ヒビキ「…お前だけじゃないだろう?」

俺がそう言うとバートは破顔した。
バート「っはっはっは!
    鋭いなぁ〜」

ツカツカツカ

ヒビキ「ドゥエロ!お前も来てたのか!」

相変わらずの長髪、
でも少し雰囲気が違う、

ヒビキ「パルフェとはうまく行ってるか?」

そう、ドゥエロは男女交際のさきがけとしてパルフェと結婚した。
確か3年前だった。

俺がそう行った途端、ドゥエロの顔が少し綻んだ。

ドゥエロ「うむ、彼女とは実に…」

バート「わかったわかった!
    ラブラブな話はそこまでにしてくれよ」

そう言えばバートもまだ結婚してなかったな
、 …俺もだが。

ヒビキ「で、何のようだ二人とも、
    3年ぶりなんだ、まさか昔話をするためだけにここに来た訳では有るまい?」

俺がそう言うと、二人の顔が真剣になった。

バート「実は相談に来たんだ…」

バートがまっすぐに俺を見る。

ドゥエロ「このコロニーの動力源は知っているな?」

ヒビキ「ああ、知ってる、ペークシスプラズマだ。」

ドゥエロが頷く。

バート「そのことなんだけど、最近、居住区だけじゃなく、公共施設にまでエネルギーが
    十分に回ってないみたいなんだ。」

バートがドゥエロを見る。

ヒビキ「要するに俺にどうしろと言うんだ?」

ドゥエロが机に腰掛ける。

ドゥエロ「ペークシスプラズマに訳を聞いてきて欲しい。」

ドゥエロが真面目な顔で言う。

ヒビキ「ディータとかジュラとか、メイアとかはどうしたんだ?」

俺がそう言うと、バートが手をプラプラさせ、大げさに首を振った。

バート「それが出来たら少将はお呼びしませんよ。」

ヒビキ「昔のままで、ヒビキでいい」

そう言うとバートが俺の手を握り締める。

バート「そうかい!じゃヒビキ、ペークシスが君を呼んできて欲しいんだって」

バートが昔のままの瞳で俺を見る。

ヒビキ「なるほどな、……わかった、で、何時だ?」

俺がそう言うとドゥエロが即答した。

ドゥエロ「今すぐにでも、と、言いたい所だが、忙しいだろう?」

ドゥエロが机から立ち、俺を見る。

ヒビキ「…へっ、戦友の頼みを聞けずにいれっかよ!」

そう言った途端、二人の顔も昔の顔になった。

バート「ペークシスはコロニー外壁のハンガーからヴァンガードで行ってくれるかい?」

ヒビキ「わかった。んじゃ、ちょっくら行ってくる。」

俺はそう言い残し、ビルを後にした。


ユートピア

第6ハンガー



静かな、誰も居ないハンガーに俺の足音が響く、
俺は自分の「相棒」の元へ向かった。
階段を上った所に、相棒は俺を待っていたかのようにコックピットを空けていた。

ヒビキ「久しぶりだな、相棒…!」

俺は相棒に乗りこみ、起動シークエンスを立ち上げる。
これは、半壊した相棒を修理した時につけた機能で、
俺以外が乗れないようになっている、

『声紋チェック開始』

無機質な声が俺の耳に入る、

ヒビキ「ヒビキ・トカイ、タラーク軍、第501師団隊長、及び、作戦参謀兼少将。」

少しの沈黙。

『パイロット確認完了』

そう表示された後、ハンガーのハッチが開かれた、
そこに広がるのは、無限の宇宙…

ヒビキ「さぁ、行こうか…!」
俺の蛮型は、マニュアル操作でハッチを出た。



…今、俺はコロニー外周に沿って移動している、
メインカメラの倍率を上げると人の住んでいるコロニー内の風景が目に入る。

ヒビキ「この平和の為に…どれだけ人が犠牲になったのだろう…」

ふと、そんな事を思う、地球の刈り取りのせいで器官を奪われた人を何人も見てきた、
だから思うのだ。

この平和を、永遠のものに…

と、



ペークシスが見えてきた、
…やはり、いつもより輝きが無い…
俺は、ペークシスに相棒を近づけた。

『……ヒビキ?』

ペークシスの声が聞こえる。

ヒビキ『ああ、俺だ、…どうかしたのか?』

『最近私は思う、昔、私のことを仲間と言ってくれた人達は私から離れていく
 もう、ここらに残っているのはヒビキだけだ…』

ヒビキ『メイア達は来なかったのか?』

俺は、ペークシスに定期的に会いにいっている。
が、他の人達は忙しくて余裕が無いのだろうか?

『たまに来てくれた、しかし、最近は来てくれない…』

ヒビキ『?』

どう言うことだ?

ヒビキ『クルー達はここにいっぱいいるぞ?』

『声が…声が………届かないんだ…』

ヒビキ「!?」

『ヒビキは試練をして私と疎通することが出来た、
 しかし、他の人達はヒビキなしでは私と会話することが出来ないようだ…』

ヒビキ「つまり…心の変化が影響していると?」

『そうかもしれない、ニル・ヴァーナに乗っていた頃の気持ちとは
 皆、今違う感情、気持ちを持っている…
 …ヒビキはあまり変わらないが…』

ヒビキ「入るぞ?」

『わかった』

俺はそう言って相棒ごとペークシスに入った。






薄い緑の光のあふれる空間、
俺はそこにいた。






『ヒビキは、昔も今も気持ちが変わらない、
 だが、クルー達はもう、過去の産物として私を捨ててしまったのか?』

ヒビキ『それは違う』

『どうちがうというのだ?』

ヒビキ『お前はお前、俺は俺、つまり、俺たちはお前を忘れたりしない、
    一緒に生きてきた仲間だからな…』

『…仲間…護るもの?』

ヒビキ『そうだ、そして…』


『『共に生きていくもの…』』



俺がそう言った途端、光の強さが増してきた。



『『頼り、頼られるもの…』』



だんだん光が増していく。



『『苦しみ、喜びを分かち合うもの…』』



その刹那、まばゆい光が生まれた。






これは?
空間転移した時の光?



ヒビキ「どうした?」

『私はもう…寿命のようだ…』

ヒビキ「どういうことだ!?」

『せめて…最期の光を…』

ヒビキ「バカヤロウ!!
    なんでそんな大事なこと先に言わなかった!?」

『ははは…昔のヒビキだ…』

ヒビキ「どうするつもりだ?」

『私は…永遠に……の………き……ける……』

ヒビキ「なんだって?」

光が増えたかと思うと、俺の額についている宝石も光出した。






『そ…れは……ヒ…ビ…キ……の…証…わた…しの…あか…しは…』



その声が聞こえた後、俺と相棒は光に包まれた。






………まさか、あんなことになるなんて知らずに…





















<続く>

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あとがき

どうも〜新人です、
これからもがんばって書いていきますんで。
よろしくお願いします!










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