チャイムの音を聞いて慌てて教室に飛び込んで行った名雪と香里を見ながら、祐一は職員室に向かった。
ガーデンの中は随分整備されていて、皆真面目なのか、あの時間になると生徒の一人も見つける事はできなかった。
職員室の場所くらいは分かったが、それよりもリアがさっきの香里への態度が癇に障ったようだ。
女性に華の下を伸ばすなと言われ続けているが、今更だろ? といつも誤魔化して終わる。
アルクェイドの時も女癖の悪さが命に関わりそうだったくせに、随分懲りない男だった。
 

職員室のドアを開けると、中には2人しか人間がいなかった。
一人は無精髭の男。ランクはSランク行ってるか行っていないかぐらいだろう。
普通にハンター職業をやっていれば随分儲かるのではないだろうかと思うが、なぜかその男はガーデンの教師をやっているらしい。
もう一人は秋子さんだった。ガーデンのイベント係をやっているそうだが、どうやら本当だったらしい。
二人がリアと祐一に気付く。ツカツカと歩いてきて、適当な椅子に座るように促した。
 

「待っていましたよ、祐一さん」
 

「待たせてしまいましたね」
 

適当な椅子に座ると祐一は言った。
他の三人も椅子に座り、秋子さんが最初に言った。
 

「祐一さんは、石橋先生のクラスに行ってもらいます。
石橋先生にはある程度事情を話していますから、別に改まって隠さなくても大丈夫ですよ」
 

仕事の事を話されるのは困るが、ランクや二つ名などは言ってくれても結構だった。
もともと石橋ほどの実力者ならば隠しても祐一が相当な実力者であることに気付くだろう。隠しとおせるものでもないし。
そうやって不審がられるよりかはこうやって話しておいてくれたほうが助かる。
そうですか、と言って、続けた。
 

「それと、ひとつお願いがあるんですけど」
 

「はい、どうぞ」
 

「今日、なにか戦闘のイベントを起こして欲しいんですけど」
 

「戦闘イベントですか? …………確かに予定していますが、まだまだ先ですよ?」
 

「いえ、時期とかじゃなくて、俺ここの生徒の実力を知っておきたくて」
 

「…………そう言う事でしたら構いません。なにかイベントを予定しておきましょう。石橋先生」
 

「分かりました」
 

秋子さんが石橋にアイコンタクトすると、そのまま石橋は頷いた。生徒にそのことを伝えておいてくれと言う事だろう。
秋子さんもなかなかに察しがいい。おそらく祐一が何の考えもなしにこんな事をするはずが無いと思ったのだろう。
今回の仕事の件に関係あることだと思ってあっさりと承諾したのだろう。
今朝の事もあってか、仕事の話を持ち出せば、流石に断る事は出来ないだろう。
 

「では、わからないことがあったらなんでも聞いてください。それと、学園生活を楽しんでくださいね、仕事だとしても」
 

秋子さんが言った。随分悲しそうな顔をするもんだ。こちらとしてはそんな顔をされるのは非常にまずい。
 

まあとりあえず、しばらくは学園生活を楽しむとしよう。
そう考えながら、祐一は立ち上がった。
 

 
 
 
 
 
 

「相沢祐一、ランクはAです。短い間ですけどよろしくお願いします」
 

「リア・ルノフォードです。祐一のパートナーをやっていて、ランクはA+です。よろしくお願いします」
 

祐一とリアが石橋についていった先は、今現在祐一が中にいる教室だった。
石橋が先に中に入り、生徒たちに転校生――祐一とリアだが――のことを報告した後、二人を中に呼んだ。
すこし大きめのざわめき。まあリアも祐一も相当な美形であるからそこは仕方が無い。
それよりも、そのクラスに香里と名雪がいたのが不幸だった。
香里はともかく、名雪ならば祐一のことをベラベラと周りの生徒に話している可能性がある。それは非常にまずい。というか不愉快だ。
とりあえず無難な自己紹介をして、石橋の指定された席に座る。
一番奥の窓際の席が祐一。その隣がリアだった。
名雪たちの一つ後ろだ。その隣には香里が座っている。
しばらくざわめきがあったが、石橋が一言言って消えた。
 

「今日は特別に、このクラスだけ戦闘実習がある。皆武器を持って着替えてくるように。
この実習は成績に関わるから手抜きしないように」
 

その一言でクラスに「えぇ〜」というなんとも気の抜ける声が広がる。驚きの声では無い。不満の声だ。
随分やる気の無いクラスだな、おい。
だがまあ石橋には感謝しなければならない。
いきなりの戦闘ならば生徒たちもちゃんと準備できていないし、成績にかかわらなければ手抜きをする人間も出てくるかもしれない。
そうなってはこっちとしては意味がない。
 

「そんなの聞いてないよ〜」
 

「随分横暴ね……」
 

一斉に立ち上がって訓練所に向かおうとする生徒たちと同様の行動をしながら、名雪と香里が不満をもらす。
 

このクラスで期待できそうな奴はあんたらだけなんだからしゃきっとしてくれよ。
 

 
 
 
 
 
 

訓練所という名の、超巨大ホールがそこにあった。
このガーデンのグラウンド一つ分ほどの石のリングが四つ四方に並べられている。
今回、男子は全員、女子は三人ずつのバトルロイヤル形式だ。
チームを組んで一人に襲い掛かろうが構わないし、どんな武器を使ってもいいと言うルール。
そのルールは、まさに祐一が望んでいたものだった。
シオンとの戦いでは一対一で戦う事はないだろうから、大勢でいかにチームワークを組んでシオン達と戦いに挑めるかが重要になってくる。
それ以外にも、一対一なら祐一が退屈だという理由もあるが。
測ってか測らずか。秋子さんは祐一にとって最も望む形で勝負をさせてくれるようだ。
 

「男子、リングに入れ」
 

石橋の指示が生徒に飛ぶ。それに合わせてゾロゾロと男子生徒がリングに上がっていく。
全員が登りきった時には、20人近い男子生徒がリングにいた。
とりあえず倒す分には問題はなさそうだが、実力を測りながらだとまた随分きついだろう。
ちょっとだけ力んでしまう。いけない、リラックスリラックス。
 

「始め!」
 

石橋の声を同時に、一斉に威勢のいい声が上がる。
女子はまだ試合をしていないのか、今この訓練所で動いているのは20程度の男子生徒だけだった。
最初に一人、槍を持った男子が祐一に突きを仕掛ける。
 

槍の出来も出来なら、槍捌きも槍捌きだった。
 

いくらでも量産できる石の剣で弾き飛ばす。それを皮切りに他の生徒数名が祐一に攻撃を仕掛ける。
いい判断だとは言えるが、とりあえず正面から突っ込んでくるのは笑えた。
バッと素早く足払いを掛ける。無様に転ぶ男子生徒の後ろの生徒もそれにつまづいてコケル。
……なんて無様……。
 

「ファイヤーボール!」
 

どこかでファイヤーボールを放つ声が聞こえた。声のした方を見る。
それは祐一に向けられてはいないのだが、もともと誰もが敵なのでこの場の全ての人間に攻撃を仕掛けたようだ。
祐一の所に流れ弾が飛んでくるが、アルクェイドのパンチに比べれば幼稚園児が投げる10キロのボウリングの球よりも遅かった。
軽いステップでかわすと、そのまま一旦全ての生徒から距離を取る。
あんなショボイ攻撃でも一応攻撃は攻撃なのか、腹部に直撃して悶絶している生徒を発見する。
かわいそうだ。何が可哀想って、あの程度のファイヤーボールも避けられないあの男子生徒がかわいそうだ。
そう思っている間にも他の生徒の攻撃が襲い掛かる。
どうも転校してきた美少年と言うのは目立つのか、生徒の視線はほとんどが祐一を向いていた。
襲い掛かってくるといってもほとんど驚異にはならない。
避けようと思えば避けれるのだが、それではさすがにやりすぎなのでちょっとやられたフリをしてみる。
 

「ぐっ!」
 

脇腹辺りに男子の剣が当たる。
それは祐一の身体から発生した小さな氷の固まりで防がれるが、男子生徒はそんな事にも気付かないのか、
好機とばかりにさらに剣を振ってくる。
面白かったのでもう一度ぐらい受けてやろうかと思っていたとき、その生徒が横凪に吹き飛ばされた。
男子生徒はまるでミサイルの弾になったかのように吹き飛び、訓練所の壁に激突した。今のは祐一では無い。
つまり、それ以外の誰かがやったと言う事になる。
 

「北川、覚悟ッ!」
 

後ろから声が聞こえてきた。攻撃する相手の名前は北川と言うらしいが、名前を呼びながら攻撃するのはどうかと思う。
祐一は目線をすこし右に移す。
そこには、金髪でアンテナのような物が(言うまでも無く髪の毛だが)突き出ている、すこし変わった剣を持っている少年がいた。
 

(あれは――ガンブレード)
 

祐一は内心で口笛を吹いた。まさかこんなところでお目にかかれるとは。
ガンブレード。30年ほど前に量産された武器で、そのあまりの扱いにくさから時代に取り残された骨董品である。
使いこなせれば充分戦闘向きの武器になるといわれているが、祐一はそれを使いこなせる人間どころか、
今までガンブレードと言う物すら見たことが無かった。
しかし、今目の前にいる少年は銀色に輝くその剣を、子供が小枝を振り回すかのように横一文字に振りきり、
ついでにガンブレードに装着されているトリガーを引き放った。
襲い掛かった生徒は逆にガンブレードの餌食となり、先程の男子生徒と同じようにミサイルの弾となって吹き飛ばされていく。
その時ぶつかった人間さえも巻き込んでいく辺り、流石だと言うしかないだろう。
北川と呼ばれた少年は、今度は祐一の方を見ると、してやったりと言う風にガンブレードを振ろうとした。
しかし、北川が剣を振る前に、細い銀色の糸のような物が北川の周りの地面を走った。
途端に、北川の周りの地面に所々亀裂が走る。亀裂はやがてひびになり、ガラガラと崩れていく。
 

「くそ、また斉藤のやろうか!」
 

北川は糸が飛んできた方を見ながら舌を鳴らす。
斉藤? と祐一がその人物の姿を探す。いた。両手に黒い手袋のような物を装着している少年が、北川に向かって右手を振った。
途端、一般の人間ならば見えないだろう細い銀色の糸が五本、右手の手袋から飛び出る。
北川が舌打ちをして、大きくガンブレードを三日月のように斜め上の前方に横から横に振る。
銀色の糸は全てガンブレードに弾かれて方向をかえる。
北川に糸が見えていたわけではない。
だがあの手袋から糸が出ている以上本人が糸を空中で自在に操るなんていう芸当ができなければ直線に飛んでくる。
角度は適当でも案外当たるだろう。
祐一は二人がやりあっている一瞬の間に起き上がり一旦距離を置く。いい機会だ。この二人はその辺の雑魚とは違う。
それでもまだまだ祐一どころかリアにも至らないが、このガーデンの実力で見れば充分な力を持っているだろう。
 

「覚悟ぉ!」
 

右横から男子生徒が祐一に向かって剣を振ってきた。
 

「ああもう、邪魔だ。今いいところなんだから」
 

魔法陣を描くと、そのまま右手を剣の刃に当てる。
閃光が走り、刃の部分がサラサラと決め細やかな砂に姿を変える。殺傷能力は皆無だ。
これは別に剣を砂に変えたわけではない。剣の細胞同士を結合させたのだ。
固まっていてようやく触れる事が出来る程度の固さになるのだ。離れれば威力がなくなるのは当然。
それが結果として砂のような形になっただけだ。
男子生徒が「え?」と声を上げた直後、祐一は一発軽めにパンチを打って吹っ飛ばす。
しかし次々と男子生徒は祐一に襲い掛かってくる。
男子生徒同士で戦いあうことはせずに、全員が祐一に襲い掛かってきたのだ。
 

(…………ああ、北川と斉藤と戦いたくないんだな)
 

北川と斉藤を狙えば、逆に返り討ちにされるどころか、北川が吹き飛ばした生徒に直撃したり、
斉藤の糸の餌食になったりしてしまう。だからここは無難な祐一を狙ったというわけだ。
 

――無難? なめられたものだ。
 

祐一は軽く笑うと指をパチンと鳴らした。
 

「フリーズレイン!」
 

氷柱を上空から地面に降らせる、氷属性の中級魔法を祐一が放つ。
祐一から2mほど上空から、小枝のような1mほどの氷柱が次々と降りかかる。
2本や3本ではない。10、20、30の氷柱が祐一の周りの生徒に襲い掛かる。
北川と斉藤も驚いてこちらを向く。
両方ともが祐一の方を見ていたのでどちらかが不意を突くという形にはならなかったが、だが戦闘中に余所見をするというのは死活問題だ。
まあもうすこしあの二人の戦いを見ておきたいので手出しはしないが。
 

「おらぁ!」
 

氷柱の攻撃が収まった直後、氷柱の一本を叩き割って、両手にグローブをつけた男子生徒が祐一に接近する。
当然祐一は気付いていたが、とりあえず攻撃を受けてあげた。
男子生徒の拳が祐一の右頬にヒットする直前、祐一の右頬に、大きな氷の固まりが発生した。
ガッ!と鈍い音を立てて男子生徒の拳が止まる。いきなり現れた氷の固まりに防がれて、男子生徒は困惑する。
 

「残念だったな。俺は力加減で身体から氷を発生させる事が出来るという特殊体質なんだよ」
 

祐一はいいながら、男子生徒の腹部に左手をかざす。
 

「ヴァーパス!」
 

太い発砲に近い音がして、男子生徒がリングの外にぶっ飛ばされる。男子生徒を倒してすぐ、周りを見て見る。
すると、地面に立っているのは北川と斉藤と祐一の三人だけだった。
ほとんどは祐一のフリーズレインに潰され、北川と斉藤の剣と糸に切り刻まれていた。
北川と斉藤も今は距離を取っており、祐一のことを見ていた。
どうやら祐一を強敵と見たらしい。
 

(どうしたものか……)
 

祐一は今悩んでいた。
この北川という男はなにも考えずに突っ込んできそうだが、斉藤はどこか冷静に判断して、この三竦み状態のなかで動くとは思えない。
祐一ならば二人を一斉に相手にしてやることも出来るのだが、それでは意味が無い。
別にこんな奴らを相手にしてお山の大将を気取っている訳ではないのだ。とりあえずはこの北川と斉藤の実力を測らなければ。
 

最初に動いたのは、やはり北川だった。
 

「サンダーボルト!」
 

北川の手の平から、蛇のような雷が無数に発生する。
そのほとんどが祐一を狙っての物で、斉藤には申し訳程度に雷が追撃していた。
祐一は心の中で舌打ちした。雷は氷と相性がいいから、氷で防ぐ訳にはいかないか……。
だが――
 

「これなら――どうだぁ!」
 

祐一が魔法陣を描き、地面に手を合わせる。途端、地面から石の壁が発生し、北川の雷の進行を止める。
 

「もういっちょう!」
 

唖然としている北川に向かって、また魔法陣を描く。石の壁から今度は20本の手裏剣を作り出す。
とりあえず左手の十本を北川に投げる。
 

「くそっ!」
 

北川は地面にしゃがみ、手裏剣を避ける。
しかし、所詮Aランク以下のハンターがとっさに行った行動だ。
SSランクの祐一が近付くには充分すぎる時間を与えたと言っていいだろう。
祐一は一瞬にして北川との距離を詰める。
北川が祐一に気付き驚愕の声をあげる。だが全然遅い。祐一は気絶しない程度に蹴りを放とうとする。
しかし、それよりも先に祐一の鍛え抜かれた戦闘反射神経が吠えた。
バッと後ろを振り向く。斉藤が、今まさに祐一に両手の糸を撃ち放っていた。
 

(くそ、鬱陶しい)
 

殺せないから余計に鬱陶しい。いったいどれほどのハンデを付ければいいのか。
右手の手裏剣を全て糸に向かって投げる。10本の手裏剣が10本の糸に当たり、その道筋を変える。
方向を変えられた糸は四方八方に飛び散る。
斉藤は表情を変えずに一旦糸を引き戻すと、また祐一に糸を放つ。
それだけならまだ全然大丈夫だったのだが、そこにガンブレードをもった北川が追い討ちを掛けてきてはすこしピンチだ。
祐一は奥歯をギリッと噛み締めると、一気にしゃがんだ。標的に当たらずに振り切られたガンブレードに斉藤の糸が当たる。
糸と剣では全く話にならないはずなのに、カンッと空き缶を蹴っ飛ばしたような音がして、ガンブレードと糸が両方とも弾かれる。
だがそれは好都合だった。祐一は素早く北川の懐にもぐりこむ。そのまま強烈な右ストレートを食らわす。
 

「ぐはぁっ!」
 

北川が呻く。その間斉藤の糸が襲い掛かる。
面倒だ。北川にとどめがさせないじゃないか。思いながらも適当に回避しておく。
斉藤の糸を回避していると今度は体制を立て直した北川のガンブレードの攻撃にあう。
防いだら次は斉藤。
次は北川。
斉藤。
北川。
斉藤。
 

いい加減鬱陶しい。
 

北川のガンブレードが祐一の腰目掛けて横凪に振るわれる。
振り切られたときには祐一の姿はなく、祐一は北川のガンブレードの背の部分に立っていた。
え? と北川が声をあげる前に、祐一は北川の顔面目掛けて蹴りを放つ。北川の左頬に直撃し、そのまま北川は吹き飛ばされる。
今度は上に放り出された北川のガンブレードを握って、斉藤の糸を弾いた。
初めて手にしたガンブレードの感想は、随分握りにくいんだなというものだった。
それでも斉藤の十本もある糸を全て弾く。なんども手から逃げていくガンブレードを振り回すのは、非常に不利だ。
一瞬ガンブレードを使って何かを作ってやろうと思ったが、
それはなんだかもったいない気がしたので、ガンブレードをそのまま斉藤に投げつける。
斉藤は両方の手の糸でそれを弾く。だがそこで間違えた。片方の腕を残していればまだ祐一の追撃を避けられたかもしれないのに。
祐一は斉藤の左側に素早く詰め寄る。斉藤がそれに気付いて急いで糸を手に戻る。
そのまま祐一が攻撃しても充分間に合ったのだが、それでは面白くないので、デロップを使って地面から巨大な石を作る。
石の腕が斉藤に生えてくる。
 

「くっ!」
 

斉藤は両手の腕の糸をギリギリで間に合わせる。石の腕の中に無理矢理糸をねじ込んでその進行を止める。
相撲が相手を押し出そうとしている形に似ている。
しかし祐一はまだ止まらず、そのまま石の腕の上を駆け上がる。
斉藤が気付くよりも速く斉藤の背後に周りこみ、そのまま肘を背骨にぶつける。
斉藤の身体が逆エ海老反りの形になり吹き飛ぶ。しかしすぐに石の腕のぶつかる。
蛙の潰れたような声を出して、斉藤はそのまま地面に倒れた。
 

リングに残った無残な男子生徒の姿を見ながら、祐一はちょっとやりすぎたかな? と頭をかいた。
 

評価はまあまあといった所だろう。クラスだけで見るならば上出来だと思った。
だがまあ、シオンと戦いになったら、恐らくこんなもんじゃないだろう。
 

そう思いながら、祐一は石のリングを降りた。
石橋がこちらを見て苦笑いしていたが、それよりも既に始まっていた女子の戦いの方が、祐一の興味を誘った。
 

リアが、名雪と香里にケンカを売っているところだった。
 

 
 
 
 
 
 

後書き
 

_| ̄|○  いきなりすいません。
 

私はいつもその巻を見直してから管理人さんに贈るのですが、今回見直した時は悶絶した。
いやもう、酷かった。なんじゃこりゃと本気で思ってしまった。特に自己紹介。
もうちょっと詳しくやろうと思ったのに、省略しすぎた。良くみたら12話も随分省略したし。
だってこのままいくと100話行きそうな感じだし。
まだシオンの一味が出て着ていない。プロローグでも出てきたのはシオンをあわせて2人。
なんじゃこりゃ。
 

そして、本来シオンが女だという事に最近気付く(失礼)。
どうしよう。このままじゃシオンファンの人に反感を買いそうだ。
ちゃんと出します、はい、大丈夫です。
女のシオンの性転換物みたいな感じに思われると嫌なので、そのまま女の方のシオンは出します。
 

それにしても十三話は酷かった。書いてる分には面白かったけど、読んでるほうでは全然面白くなかった。
人物設定も書き直さなきゃダメかな……斉藤なんか強かったし。
本当は斉藤がやられた後に、祐一が投げたガンブレードを北川が拾って追撃を仕掛けるという形にしようと思ったんですけど、
なんか疲れたのでしませんでした。
結果として北川の方が先にやられてしまったな……と後悔しています。
この後一弥と佐祐理さんと舞とかを出そうと思っています。
それでちょっと話をした後にシオン一味を出そうと思います。もちろん戦闘になります。誰と戦わそうか考え中。
まあ誰と戦っても勝つんだろうけど(ネタバレゴメン)。
 

最期に。先日メールで、「人物設定にあゆと美汐と真琴と栞が無いぞ」という意見を頂きました。
ちゃんと返事したのですが、ここでも言っておきます。
とりあえずそれにはちゃんと意味があるので、心配なさらず。
出さないなんて事は絶対にありませんから。
……ただ、栞はこちらのミスでした(死
ああ! やっぱり人物設定書き換えようかな……。
 

さて、長々と書きましたが、今回はこの辺で。
次回も随分無理矢理な戦闘になると思います(リアと名雪と香里)。
今から先が思いやられる……。
 

そんな私ですが、これからも応援よろしくお願いします!




作者ハーモニカさんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル掲示板に下さると嬉しいです。