この小説はアニメ、ゲーム、小説等が多量に含まれています。
また作者の力量不足により、稚拙な部分があります。
ご理解のほどをお願いします。








これは神の悪戯か



もしくは悪魔の誘いか



それとも運命――――











魔法少女リリカルなのは 神に挑む者



プロローグ











未来とは不確定なものだ。

俺が今見ている夢も正夢となるかもしれないが、ならないかもしれない。

だって、夢なんだから。

でも、夢でない方がいい事もある。

例えばこれだ
――――






俺は出会った。

月が綺麗な晩に。

孤独な少女に。

少女は無垢だった。

そして俺は
――――穢れていた。

少女は綺麗な瞳で俺を見つめる。

そして口を開いた。



「災難やったなぁ」



それが俺達の出会い。

少し馬鹿ばかしい出会いだったが俺は結構気に入ってる。

だって、月の夜に出会うなんて、俺にピッタリだったから……。






少しだけ時が過ぎ、少女に家族が出来た。

髪を結った女性と金髪の女性、三白眼の少女に逞しい男。

俺は彼らが嫌いだった。

何故なら少女の笑顔が俺だけに向けられることがなくなったからだ。

それは傲慢。

それは嫉妬。

それは欲望。

分かっていた。

俺だけに向けられるものではないことに。

何故なら少女は
――――夜天の月だから。

輝く月光。

それは万人に与えられる光。

気付いた時は、何故か笑っていた。






また時が過ぎ。

俺は彼らと仲良くなっていた。

四人の内一人とは毎日が喧嘩だったが、悪い気分じゃなかった。

喧嘩が出来る。

それは一人じゃないということだからだ。

俺は一人が怖かった。

だが、今は一人じゃない。

大切な親友。

大切な仲間。

大切な
――――いや、止めておこう。

これは夢だ。

実際に起きる訳じゃない。

俺がこれから見る夢は正に夢だ、夢のような事だ。

いや、悪夢か。

俺が俺であることが崩壊する。

俺の人生が否定される。

俺が俺ではなくなる。

だが、俺は俺だ。

俺だけの道を創る。

俺だけの幸せを掴む。

俺は
――――俺になる。

さて、次に流れるのはなんだろうか?










俺がお前の傍に居る。どんな時でも、独りにはさせない。



やぁ。こうして会うのは初めましてだね。



俺は……誰だ……?



お前は星の中で何が一番好きだ?



我々を信じてほしい。



――――が知っていることは全て聞いた。
私は、それが真実ではないのを祈るのみだ。



お前は……卑怯者だ。



死ぬな……。
くやしいな。



生きたいという気持ちは同じなのかもしれない。
死にたくないという気持ちは同じなのかもしれない。
それだけで満足できない人間は、贅沢なのかもしれない。
でも生きたいんだ。
詫びるつもりはない。



まあ、お前はよくやったよ。



初めまして鉄槌の騎士。夜天の王に従う古の騎士よ。
僕の名は
――――。古き神の血統に連なり、盲目白知の神の息子。
若輩の身ながら、一族を代表し挨拶に参りました。



お前は……何者だ?



僕はその七つを背負って生きている……。そして、この『七つの大罪』にもう一つ、八つ目があると言ったらどうだい?



あははは! 何してるんや? 似合いすぎや!



主はお前のことを大切に思っている。それだけは忘れるな。



俺が……
――――? そんな、馬鹿な……。



涙が枯れたとしても、過去には戻れない。それは覚えておけ。



お前の仲間は、全てまやかしだ。



俺は、お前らとはもう会えない。



凛々しくて、力強くて、気高く咲き誇る百合のようなお前だから、俺は打ち明けられなかった。



こんな時間が、いつまでも続いたらいいのにな……。



あいつらとは戦えない……戦いたく、ない……。



そんな……何で………
――――お兄ちゃん!!



たとえそいつがどんなに変わったって、大切な人なんだろ? アタシだったら、ずっと、ずーと見守っている。



存在自体が罪なのだよ。



あいつを倒せるのは……俺だけだ……!



ただの道具。それ以上の価値なんてないわ。



馬鹿野郎……! そんな……力で人の心まで動かせはしない!



それでも欲しかったんだッ!
勝たねば欲するモノは掴めない、勝つには力が要る! それが世の理!



死んでいる者をこれ以上悲しませるな!!



これが……最後かもしれないな……。



私が行くなと言っているんだ! 息子なら、親の言うことを聞け!!



さよなら。破壊の神。



もしそれで、俺という存在がなくなってしまうとしても俺は構わない。










あなたを守らせて下さい。











……これが俺が体験するかもしれない夢……?

もしこれがそうだとしたら、なんて残酷なんだろう。

出来ることなら、夢を変えたい。

だが、こんな夢も悪くないかもしれない。

だって、こんなにいい奴らに巡り逢えるんだから……。



――――・・と。



ん? 何だ?



――――あ・と。



ああ、あいつか。

もう朝なのか。



――――あきと!



分かったから、そんなに怒鳴るなよ。

今起きるから。

でも、まだ眠い。

後、五分
――――



「秋人!!」




















「秋人!! いい加減起きろ!!」

「……う……ん……?」



少年は目を覚ました。

寝ぼけた眼で周りを見渡す。

そこには怒っている顔をしている少年が居た。

この少年の顔には覚えがある。

そう、この少年の名は
――――



「恭也? ……ここは…どこだ?」



高町恭也。

少年の友人にして、御神流の使い手。

恭也は少年の言葉にため息を吐き、静かに口を開いた。



「まだ寝ぼけているのか? よく部屋を見てみろ」



恭也の言葉に従い少年は部屋を見やる。

ここは自分の家の自分の部屋。

見慣れた部屋だが、知らない部屋のような感じがする。

夢のせいだろうか?



「さあ。早く支度をしろ。行くぞ」

「……どこにだ?」



この言葉にまたため息を吐く。

少年は五年前
――――出会った時から変わっていなかった。

相変わらず朝が弱い。

少年は自分から起きる事は先ずなかった。



「いつまでも寝ぼけていないでちゃんと起きろ。学校に行くぞ」

「学校……?」

「……今日が何の日だか分かっているのか?」

「何の日……?」



少年は腕を組み考える。

何も浮かばない。

いや、一つだけ浮かんだものがある。

だが、これを言ったら呆れられるだろう。



「思い出したか?」

「……違うと思うが、燃えるゴミの日」



少年の答えを聞き、恭也は頭を抱えた。

少年はすまなそうな顔をしたが、分からないものは仕方がない。

少年は恭也に聞いてみた。



「今日って何の日だ?」

「入学式だ!」

「入学式……? そうか、入学式か……てっ、入学式!?」



少年は壁に掛けてある時計を見た。

猶予時間は残り少ない。



「やっと理解したか? さあ、分かったら早く着替えろ」



危機的状況を把握した少年は慌てて起き、クローゼットに入った制服を取り出した。

袖を通すと実感する。

今日から高校生なんだと言うことを。

だが、感動に浸っている時間はない。

腕時計を付け、制服のポケットにオイルライターを入れ、首にペンダントを掛ける。

ライターとペンダントは二つとも父親
――冬二――の形見だ。

少年が着替えたのを見届けると、恭也はドアを開け、階下に降りる。

少年もその後に続き部屋を後にした。

洗面所に行き顔を洗う。

気が引き締まった気がした。

恭也にタオルを渡され、それで顔を拭く。

少年が朝食はどうしよう? と考えていると恭也が、



「お前が寝坊したから朝食を食べる時間はない。このまま行くぞ」



この言葉を聞き腕時計を見てみる。

確かに時間がない。

恭也は「外で待っている」と言いその場を後にした。

少年は少し長めの髪を梳かし、後頭部で髪を纏めると玄関に移動した。

靴を履きドアを開ける。

朝日が眩しかった。



「秋ちゃん、おはよ〜。今日から高校生だね」



高町美由希。

少年と同い年で、恭也の妹。

のほほんとしているが、恭也と同じく御神流の使い手だ。



「おはよう、美由希。ごめんな、寝坊して」

「ううん、気にしてないよ。秋ちゃんが寝坊するのは当たり前だもん」

「あ、あはは……」



美由希の言葉に、少しショックを受けた。

当たり前になるほど寝坊しているのかと感じ、少し気を付けようと思う。

少年は右腕を上げ、寝坊は二度としないと天に誓おうとしたが、



「二人とも。もう時間がない。走るぞ」



恭也のこの言葉により、誓いはできなかった。

項垂れる少年。

美由希は苦笑し、頷く。

二人は走り出した。



少年
――相沢秋人――も二人を追いかけるように走り出した。



自分がこれから創る道に何が待っているのかを知らずに。




















 あとがき

復活しました、どうもシエンです。

以前書けなくなったと申しましたが、リハビリ?の末何とか書けるまでに回復しました。

まだまだ拙い部分がありますが、よろしくお願いします。







作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。