side〜謎の少女〜
「「「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」
「ハァッ!!」
「ハッ!」
「……………」
海東さんが呼び出した…
確かライオトルーパーと言った3人の戦士が銀の戦士が持つ赤い刀身の剣の一振りで一気にやられ、消えてしまった……
其の後にクウガとイクサが攻撃しているけど…とても追い詰めている様に見えない――
「――兵隊さん達じゃ、無理か……うーん…よし、この人にしよう!!」
――ULTRA RIDE……――
「……!!」
……? クウガとイクサの相手をしてる銀の戦士が海東さんを見た? 私が其れに気を取られた時、
海東さんの銃から新たな戦士が召喚される――
「頼みますよぉ…おおとりさん!!」 ――LEO!!――
「イィィィィヤァァァァアアアアッ!」
海東さんが空中に銃を掲げ、トリガーを引くと……
"仮面ライダー"とは一味違う、炎の様な赤い体に銀の顔をした戦士が空中で召喚されて…
凄い落下スピードで銀の戦士に跳び蹴りを当て、着地した
「……!?」
「ダア!!」
銀の戦士は赤い剣で跳び蹴りを防ぐも予想以上のキック力で体が後ろへと持っていかれてる……
銀の戦士が体勢を立て直す前にレオが追撃し、クウガとイクサもレオに続く……
海東さんは…銃にカードを入れて…トリガーを引いた?
――FINAL ATTACK RIDE…LE、LE、LE、LEO!!――
「ダアアッ!!」
「ッ!? シャドーフラアッシュ!!」
「うわぁッ!?」
「む!?」
――うう……ま、眩しい…………
銀の戦士のバックルから輝く緑の光がクウガとイクサにダメージを与えた、
其のダメージによって二人は消えて……あれ? じゃあ…跳び上がったレオは……?
私の目はまだチカチカして戦いを見る事ができない……
「ぐぅ…!?」
!? 凄い…爆発音のようなものが響いた……其のすぐ後に…私の視力も回復すると……
レオの姿は無く…背中から煙を上げている銀の戦士に発砲する海東さんの姿が見えた
「……………」
「フフッ…さすがは、おおとりさん…世紀王相手でもパワー負けしてないや」
……何でだろう? 銀の戦士より…海東さんの方が……怖い? てっ、何で疑問系なんだろう…私――
「……!!」
「ん? 来るのかい? じゃあこの3人だ!!」 ――KAMEN RIDE……――
銀の戦士が次々に迫る青い光弾を無駄なく赤い剣で防ぎつつ
凄いスピードで海東さんに駆けるも海東さんはかなり早く跳び上がり、3枚のカードを銃に入れてトリガーを………引い…た?
――G3-MILD!! G3!! G3-X!!――
「か、海東さん?」
「あ…ごめん、ごめん…ちょっと跳び過ぎちゃった」
「い、いえ…其れは構わないんですけど……2人…やられちゃいましたよ?」
「ハハッ! いいの、いいの…直に消されるのは解ってたからさ」 ――KAMEN RIDE……――
海東さんは私のすぐ近くに着地する前にトリガーを引いて3人の戦士を召喚したけど……
似たような体型の二人の戦士は一瞬にしてやられたけど、ロボットの様なたくましい体型の戦士が銀の戦士の動きを止めている……
海東さんは私のすぐ近くに跳んだ事を子供の様にあやまってくれたけど……
まるで海東さんは二人が直に消されるのを承知の上の口調で2枚のカードを銃に入れて銀の戦士に照準を向け、トリガーを引いた。
――KICK HOPPER!! PUNCH HOPPER!!――
「ハアァァァァァァァッ……行くぜぇ? 相棒」
「兄貴となら…何処までも!!」
召喚された緑と…灰色の戦士は……兄弟…なのかな?
ともかく…妙な信頼感を感じさせながら青い戦士"G3-X"と銀の戦士が戦う場所へと駆けて行く……?
海東さんが私の左腕を掴む…掴まれた事にすら気づかない程、優しい……のかな?
「さ、行こうか?」
「え…? 良いんですか?」
「何言ってんの…今はまじめに戦う時じゃないよ……さ、早く、早く――」
「は、はい……」
私は早くこの場から離れたがる海東さんに同意し引っ張られる力に逆らわずに着いて行く…………あれ? 陽が…落ちてる?
あ、海東さんが人間の姿に戻ってる。
「ここまでくれば大丈夫かな?」
「あ、あの…海東さん……今、何時ですか?」
私は海東さんに考えていた疑問を打ち明けようとすると、海東さんは私の方に振り向き、
"チッチッチッ"と人差し指と中指を揺らしながら鳴らす……どうしたんだろう?
「君は鋭いねぇ……ねぇ、何で僕が逃げ出したと思う?」
「え、えっと……危険な物を…感じたから?」
海東さんの問いに対し私は此れだと思う答えを呟く……
「90点……其れだけじゃあ…僕は逃げないよ」
「……太陽が…急に落ちたからですか?」
「5点だ…まったく…意外と鋭いね? 君…」 ――KAMEN RIDE……――
!? 海東さんが銃にカードを入れた……銀の戦士が…来るの?
私は一瞬の出来事のせいか、行動が遅れる……
そんな私の前に海東さんが立つ……銀の戦士が来るであろう方向に――
「あの…海東さん?」
「なんだい? そろそろ…話しは出来なくなるよ?」
これから戦う人に聞く言葉じゃないけど……
「後の…5点は…何ですか?」
「フフッ…後の5点は……僕にも解らないよ」
「そう…ですか…」
多分…後の…5点は……
「……………」
「来たね? 変身!!」 ――DI! END!!――
現れた銀の戦士に対し海東さんは変身した……私は…遠い所に隠れ――
「ごめん…もう…走って逃げて」
「え? 海東――」
「早く!!」
「は、はい!!」
海東さんの言葉にしたがい私は一目散に其の場から逃げ出す…其の時…
「絶対に後ろは見るな! 前を見続けて…走ってくれ!!」
「はい!!」
私は…走る、海東さんの言葉通り…ただ…前を見続けて……走る
side九条夏樹
「う……ん……ん?」
体中に痛み……と言うか熱さを感じながら…私は目を覚ます……
最初に見た光景は……"休暇中なら絶対に来ない工場の天井だった"…気だるさを感じながら、私は立ち上がり、現状の確認を試みる。
「荒らされてる……神苑公園の時より……激しい戦闘の跡――」
軽く見渡しても……武器を使ったとしか思えない跡……
でも…テロを起こす可能性を持った集団が日本に居るなんて聞いた事が無い……
私の隣で寝ているこの"青年"に話を聞けば少しは事情が解るだろうか?
「……………」
「今は…やめてあげよう」
何でかは解らないけど…この人は何かをやり遂げた様に眠っている……少し経てば起こす必要があるけど…今は寝かせてあげよう……
其れよりも…私は…"何で此処に居るんだっけ?"――う!?
「くぅ…!! 思い…だせない?」
頭痛が…納まった……仕方ないか…今は――
「ギベ!! クウガ!!」
「きゃあ!?」
とても日本語とは思えない言葉が聞こえた方向へと向こうとすると……クモの様な頭部、両腕の甲から伸びるカギ爪…
3本の指の両脚……抹茶色の体をした怪人が私の背中にドロップキックを食らわした。
「く……うぅ…!!」
「クウガ…ギンゼロサグ!!」
「う…く、こ…のぅ!!」
着地した蜘蛛の怪人は仰向けに倒れた私の首を絞めながら持ち上げる……
私は必死に抵抗するも地に足が着かず、両手首を叩いても一向に力が弱まらない――
「う…!! あ、……ぁぁ…」
意識が…遠のく……私……死ぬの…か…な?
「ロソビ ゴンバ……これがクウガとはな……」
「…………」
日本語を…? もう…だ…め……息が…でき――
"あきらめないで!!"
「……!?」
こ…え……? 若く…さわやかだけど…力強さを感じる男の声が…聞こえた……
"クウガは…仮面ライダーは……あきらめちゃいけないんだ!!"
「う……あああああああああああああああああああああっ!!」
「狂ったか…ゴンバ…?」
よく解らない……でも…"諦めたらいけない"この声のおかげで…私は……頑張れる気になれた!!
「ハアァァァァァァァッ!!」
「バ、バビ!!」
お腹が…熱い? でも…力が…漲る!!
「やあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「グゴ!?」
両腕で怪人の腕を引き剥がし……頭突きをお見舞いした――
「つぅ……痛たたたたたた」
頭突きで怪人との距離を離したけど……あの怪人の額…思ったより硬い……私は額の痛みを和らげようと両手で触…った?
「あ、あれ…? ……硬――い?」
私の……と言うか人間の顔じゃない……ッ!? 白い…腕?
「ゴボセ…クウガ!!」
「く……このぉ!!」
私の右頬を殴った怪人に…返しの左ストレートから右ボディ、左フックと繋げていく……でも――
「やあ!!」
私は左フックで怪人がよろけたと思い、体重と勢いを乗せたライトジョルトブローを放つ……が、その拳は怪人の左掌に受け止められた
「ッ!? こ…の!!」
いかに力を込めようとも相手の体はまったく動かない……そして…私の右拳は掴まれる
「ズン…ギソゼパボボデギゾバ……ザガ!!」
「く、うぅ!!」
怪人が放つ拳を私は避ける事が出来ず、顔を中心に受け続ける……反撃の準備をしながら!! ――今!!
「ハッ! やぁ!!」
「ルグゥ!?」
左フックと右ひざ蹴りで怪人をよろめかせ、力が弱まった左掌から右拳を引き……突き出す!!
「ハァ…ハァ…ハァ…」
あの怪人との距離は再び離れたものの私は次の手が思いつかずただ息を整える事しかできない……くぅ!?
「グゴォォォォォォ!!」
「きゃあ!?」
怪人の口から放たれた糸は私の首を締め付け…怪人が自分の糸を振り回すと…
私の体が地面から引き抜かれ、積み上げられたダンボールやドラム缶に激突……ぅぅ…もう少し太って……関係ないか
「くぅ!! うぅ!!」
――あの怪人はいつまで私をおもちゃにするんだろう? こんな事を思えるくらいに……"逆転の手段"が思いつかない……
このまま…死ぬの? このまま…何も出来ずに!! ……こう、思っていた私に……
――KAMEN RIDE…DECADE!!――
「!?」
「バビ!?」
救いの音が……鳴り響く――
side海東大樹
「うおおっ!?」
――今…僕が召喚した20人目の戦士が…消えた…
「貴様自身は戦わないのか?」
「フフッ…まだだよ。 まださ!!」 ――KAMEN RIDE…
まだ…僕が勝てる程……シャドームーンは消耗していない…僕は距離を取りつつ、手早くかつリズム良くカードを挿入…
照準を合わせ…トリガーを引く!!
――FAIZ!! SAGA!! DEN-O!!――
「めんどくせぇなぁ…ハッ!!」
「ハッ!!」
「へっへっへっ…俺! 参上!!」
召喚したファイズとサガは真っ先にシャドームーンに駆けて行くが……電王は独特な決めポーズを取った
「ハァ〜…とっとと行ったら? 出番…無くなっちゃうかもよ?」
「あっ!? て、てめぇら!! 俺もまぜやがれ〜!!」
そう言って電王が戦闘に加わる……あいつはどんな場面でもあれだからな…ハナさんの気持ちが解る気がする。
さて、戦況は……押されてるな――――僕らが…しかたない!!
――ATTACK RIDE…BURST!!――
「ハッ!!」
「むっ!?」
複数の青い光弾は弾かれながらもシャドームーンに着弾し、3人の戦士が攻め込める隙は出来た!!
「「ハァッ!!」」
「うおおりゃああ!!」
「むんっ!!」
「うおおッ!?」
あのバカ……カウンター狙ったの気づいていなかったのか? シャドームーンは電王のみに狙い定めたカウンターパンチを当てた。
「お、俺の出番…終わり?」
「終わりだ…バカモモ」
あいつ…しばらく呼ばない様にしよう……僕は何処か諦めた気持ちのままホルダーから一枚のカードを取り出し装填する
――ATTACK RIDE…LASER BLADE!!――
「ぐわっ!?」
「うぐ!?」
ファイズとサガがやられた…僕は目の前に具現化された光り輝く剣"レーザーブレード"の柄を左手で掴む
「ほう…ついに貴様自身が戦うか?」
「此処まで戦力を削られたらね…戦うしかないだろう!!」
言葉と共に…僕はシャドームーンに向かい発砲しながら駆ける!
「ふん……ハッ!!」
青い光弾の殆どが弾かれた…僕は……レーザーブレードを振るう!!
「ハアァァァァァッ!!」
「フフッ…中々の剣捌きだな?」
「そう…かい!!」
おかしい…こうして剣を交え続けても……僕が押している? 違う…こいつは…!!
「ハッ!!」
確かめて…見るか!! 僕はサタンサーベルの斬撃を流し…ディエンドライバーの照準を…奴のバックルに合わしてトリガーを引く!!
「むぅ!?」
「其処が弱点なのは…変わらないみたいだね?」
青き光弾は…奴のバックルを破損させた……やっぱり――思っていた通りだ
「さすがだな…海東大樹……我らが主が――最後の最後まで悩んだ男だけの事はある。」
シャドームーンから…戦意が無くなった……僕は此れを機会に奴から少しでも情報を引き出す事にする
「一つ…聞かせてもらってもいいかな? 君達は…生まれてからそう時間が経ってないね?」
「フッフッフッ…その通り…最年長の俺でさえ…生まれてから3年しか経っていない」
「やれやれ…3年ぽっちのガキに僕は追い詰められたのか……師匠にどやされるなぁ――」
「くっくっくっ…どやされるかどうかは……お互いの切り札で決まったと思うがな――」
意味深な捨てゼリフを残して……シャドームーンは灰色のゲートを通り別の世界へと去っていく――
其れと同時に落ちていた太陽が上がっていく……さてと
「出てきなよ? もう敵は居ないから」
「……ごめんなさい」
近くの木から…綺麗で長い銀の髪、一昔前のセーラー服を着た美人と言える容姿――
はっきり言えば、今まで一緒に逃げてた彼女が出て来た。
「あやまる必要は無いさ…アイツも…君の事に気づいていたしね」
「え…?」
「ま…この事はお終い、お終い……行こうか?」
「何処に…ですか?」
僕は彼女の手を引いて…師匠が戦っているであろう工場への道を戻る
「か、海東さん?」
「大丈夫だって…僕らが戻る頃は……もう戦いも終わって、この空間も晴れるからさ」
「は、はぁ……」
「フフッ…大丈夫だって」
不安そうな顔をする彼女に思わず笑みがこぼれながら…彼女の手をゆっくり引いていく――
side霞光弥
――ATTACK RIDE…BUSTER!!――
「きゃ!?」
「トオッ!!」
バスターの熱で未確認生命体第1号"ズ・グムンバ"の糸を斬ると今まで振り回されていたクウガが宙に放り出される……
俺は痛む体を押して跳び上がりクウガを抱きかかえ、其のままコンテナに着地する
「あ、ありが――」
「スマナイ……な」
「え……え?」
返事を貰う前に俺はクウガを降ろし…ライドブッカーからカードを取り出す
「ゴボセディケイド!! ラズザビガラバサボソギデジャス!!」
「うるせーよ、蜘蛛野郎…ゴラゲガンザググビボソグガ!!」 ――KAMEN RIDE…AGITO!!――
「バビゾ!!」
コンテナに跳び上がろうとしたグムンに対し、俺は跳び蹴りで迎え、撃ち勝つも……
「グゴォッ!?」
「まともに…着地もできないとは……な――」
グムンを蹴り落としたのは良いものの…俺は片膝をついてしまう……くそ…情けねぇな、俺――
「だ、大丈夫ですか!?」
「スマナイ…助かる――ぜ」
「いえ! 市民を助けるのは警察の義務ですから!!」
「フフッ……なら…少し…頼めるか? ちょっと…力が入らねぇんだ」
「はい! お任せ下さい!!」
天然なのかは解らんが……少なくとも頼れる味方は出来た…俺はクウガの肩を借りて立ち上がり、共にグムンに対し構える
「ゴボセ…ゴホセェェェェェェェ!!」
「直に決める…出来る限り合わせてくれ」
「解りました!!」
殴りかかった来たグムンに対し、俺達は寸前で二手に分かれそのままダブルボディブローを叩き込む……そのまま!!
「グゴォ!?」
「ハッ! ハッ! ハアァァァァァァァッ!!」
「やぁっ!! やぁっ!! やあぁぁぁぁぁぁっ!!」
パンチ、パンチ、パンチ…白と黒の拳は…確実にグムンにダメージを与えていく――
「トオオオッ!!」
「やあぁぁぁっ!!」
最後に…距離を離す為のダブルキックをグムンに食らわし…距離を離した
「グ…ググゥ…!!」
「下がっててくれ…ハッ!」 ――FINAL ATTACK RIDE…A、A、A、AGITO!!――
「は、はい…!!」
クロスホーンが開いたと同時にクウガを下がらせ…俺は跳び上がり空中前転を開始……エネルギーが集束した右足を突き出す!!
「ハアァァァァ――フゥ……」
断末魔も上げさせず…怪人は冥土に行っ―――た
「だ、だいじょ――」
ああ…倒れちまった……いつもこうだ…音撃を打つと目が霞む…体が…重くなる……まだまだ…修行が……足りねぇなぁ――
(第5話終了、第6話に続く)
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