side〜???〜
此処は……何処? 私は…何者?
「く!?」
「うわ!?」
……? 勇ましい声が聞こえる……私は…ダンボールとドラム缶が多数積んである場所に身を隠し、声の聞こえた場所を見た
「……チッ!!」
「ウオオオオオオオオオッ!!」
「フフッ…楽しいよ! 楽しいよ! ディケイド! ディエンド! 君達は最高の相手だ!!」
――――トンボをモチーフにした赤い仮面の戦士とイナゴ……バッタかな?
とにかく明るい緑の仮面の戦士の体が透明に霞始め消えてしまった…
いや、それよりも…ディケイドとディエンド…私は…この名を知っている?
「ぐっ!? まだまだぁ!!」
さっき消えた二人の戦士とは何処か違う姿のディケイド、ディエンドと呼ばれた戦士……
そんな中、姿を見るだけで足が震えだす黒い体に金の四本角の戦士が黒い体に赤い目をした仮面の戦士を殴り飛ばした…
戦士の持っている剣から煙が上がっている……あの速すぎて見えなかったパンチを――あれで防いだの?
「ハッ!」
赤い目の戦士が踏ん張って黒い戦士との距離が離れた時、青い戦士が右手に持った銃のトリガーを引いて幾つもの
青い光弾を黒い戦士に放ってる……でも…全部黒い戦士からは外れ――え!? 曲がった!!
「フフ…この程度かい? ディエンド?」
「残念ながらこの程度だね…化け物君?」
「坊や! 口を動かす前に手を動かせ!!」
幾つもの光弾は曲がり黒い戦士に全部当たったけど黒い戦士には全然効いていない……
そして…どうやら青い戦士がディエンドで今、ディエンドに怒鳴りながら黒い戦士に殴りかかったのが…
ディケイド――? 今…こっちを見た?
「タァッ! トオリャアッ!!」
「解りましたよ…ハッ!」
気のせい…かな? ディエンドが凄いスピードで一瞬にして黒い戦士との距離を詰めている……
ディエンドはディケイドと息ピッタリのコンビネーションで黒い戦士に攻撃を仕掛けている…
先程まで余裕の態度だった黒い戦士も二人のコンビネーションには危機的何かを感じるのか、
二人の攻撃を四肢を使って弾いたり防いだりしている。でも…何で、急に?
「ハッ、ハッ、ハッ、トオオオッ!!」
「ハアァァァァァァッ!!」
「…………!?」
二人のコンビネーションは黒い戦士の余裕を完全に無くして其の場から後退させている。
「あ…」
私は恐らくやってはイケナイ事をしてしまったんだろう……もっと3人の仮面の戦士の戦いが見たい…その衝動が抑えられず……
私は声を出してしまった…ディケイドとディエンド…
二人の気遣いを無駄にした事に気づかないまま…体の震えの為に其の場に佇んでしまった――
「……ん?」
「!? バカが…!!」
「!? トアッ!!」
二人の戦士は私に注意を向けさせない為に黒い戦士に攻撃を仕掛けてくれた……でも…私は……動けない…怖い…怖いよ……
「フッフッフッ…君達の其の慌てよう……こうしたらどうなるかな?」
「!? く…返せ!!」
「トオオッ!!」
黒い戦士がディエンドの銃を奪うと雷の様な音がなり、金色の雷の様な長い銃身が付いた銃が…私を狙っている……
無情なる引き金が引かれた時……ディケイドが其の身を挺して私を庇い…積み重ねられたダンボールを崩した
「きゃ!?」
ダンボールやドラム缶が崩れ私を飲み込もうとした時に…
銃の衝撃に耐え切れず空に飛んだディケイドが私を抱きこみ、しゃがませダンボールやドラム缶を自分の背中で受けてくれた……
「大丈夫か?」
「え、えぇ…其の……ありが――」
ディケイドの声をまじかで聞いた私は何故だか頬を紅く染めてしまう…聞いているだけで心が休まる感じがするこの声のせいだろうか?
私は御礼を言おうとしたが、礼を言い終わる前にディケイドが私事、体を勢いよく回しながら立ち上がり、再び放たれた弾丸をかわしてくれた。
「いい加減にしろ!!」
ディエンドが銃の持ち手を蹴り上げ、黒い銃を離させると直に元のディエンドの専用銃に戻り、回転しながら空に上っていく…
ディエンドは即座に跳びあがって銃を回収、落下しながら黒い戦士に発砲していく――? 暖かい?
「スマナイが……坊やと一緒に逃げてくれるか?」
「え…?」
私の頭に手を乗せた、ディケイドがよく解らない事を言う……
ディエンドとは20mくらい離れているのに…私は…この言葉に対して…はっきりと頷いた
「は、はい…」
「よし! 坊や! この子の事は任せるぞ!」 ――ATTACK RIDE…SHIFT CHANGE!!――
「ええ!? 解りましたよ…まったく!!」 ――ATTACK RIDE…SHIFT CHANGE!!――
よく解らないけど…ディエンドが黒い戦士の隙を突いて、ディケイドと同じタイミングでカードを銃に――え!?
「さ、行きましょうか…お嬢さん?」
「え、ええ? は、はい…」
二人の体が灰色のオーロラになったと思ったら
何時の間にかディエンドが私の傍にディケイドが黒い戦士に斬りかかっている…私は訳が解らずディエンドの言葉に頷き……!?
「ちょ、な、な、な、な、何で!?」
「おいおい、暴れないでくれよ? 君だって其の若さで死にたくはないだろう?」
「う、うう…!!」
何故かは解らない……でも…恥かしい…片腕が私の背中を、もう片方が私の両脚を抱え上げる…
硬く黒い装甲に体が当たる…でも――やっぱり恥かしい……
「坊や! その子は任せるぞ!!」
「解ってますよ! 師匠こそ其の化け物任せますよー!!」
そう言ってディエンドは軽い口調でディケイドに黒い戦士を任せ、其の場から背を向けて走り去る…
私はディエンドに聞いた…ディケイド一人に任せて大丈夫なのか? と……そしたら…ディエンドはこう返した
「心配ないよ…あの人はねぇ、五十年間大した休みも取らないで悪と戦い続けた化け物なんだよ…? 大丈夫だって」
其の言葉に…私はディケイドに対するディエンドの固く深い信頼を感じた……私も…信じます、そう口に出したら――
「フフッ…そう、そう、大抵の面倒事はあの人に任せとけば大丈夫!!」
――この人は本当にディケイドの事を師匠と見ているのか解らなくなった
side霞光弥
「フッフッフッ…妙な邪魔が入ったけど…僕の本来の目的は果たせそうだよ! ディケイドォ!!」
「何!? 本来の目的だと!!」
何処か懐かしさを感じたセーラー服の少女を坊やに任せ、クウガに接近戦を挑んだ俺だがクウガの言葉に驚き、
剣を振り切る事無く一瞬動きを止めてしまい…クウガから放たれる拳をかわす事が出来ずに…ライドブッカーでのガードが間に合った
「チッ…!!」
強大なパンチ力は両腕を痺れさせる……この感覚…もう…味合う事は無いと思っていたってのに……
「ディケイド? 僕の本来の目的はね…君とゲームをする事なのさ」
「ゲームだと!!」
正直…俺は怒りが湧く……そんな事の為に…!!
「フフフッ…そうさ! 君と…15の異世界を巻き込んだ最高のゲームを!!」
「!? 貴様!!」
怒りのままに繰り出す剣は太刀筋が滅茶苦茶だが…頭の中は違う…いかにして…このイラつく野郎を追い出すか?
其れだけしか考えていなかった――
「光弥? 幾ら君が拒否使用とも…もう準備はできているんだ」
「何!?」
野郎の言葉に思いつく言葉が……一つある…まさか…まさか…!!
「ゆ、歪みの…種を…巻いたのか?」
「御名答! 流石歴戦の戦士…思いつくのも早いねぇ!!」
歪みの種…其れは…動物、人間、人工生命体、自然…あらゆる生物の中から一つだけ入り込み…其の人物の人格を崩壊させ…
強大な力に目覚めさせる…そして厄介な事が一つ…"誰にも解らない"のだ…巻かれた生物さえも……巻いた本人でさえも!!
「巻いたのは…幾つだ!!」
「言ったろう? 15の異世界と……解ったよ…15個だ…僕が科す目的をクリアすれば……ッ!?」
奴がベラベラ話している間に力とスピードを込めた切っ先での突きを…奴の鳩尾に突き刺す!
「痛いなぁ…もう少し優しくしても良いんじゃない?」
奴が、ふざけた事をほざいている間に…俺は一枚のカードを取り出すと…奴の目の色が変わった
「へぇ…本気を出してくれるんだ?」
「御託は要らん……行くぞ!!」 ――FINAL KAMEN RIDE…KUUGA! ULTIMATE!!――
俺の体から黒いオーラが発せられ…金の雷が降り注ぎ…仮面ライダークウガ・アルティメットフォームへの再変身が完了する……
目の前のクウガと違う所はただ一つ、目の色が意志を表す赤となっている事だけだ…俺は軽く右手首をスナップさせる…
うん…良い感じだ――
「フフフ…更に面白くなりそうだよ!」
そう言って大雑把な右ストレートを放って来る……ふん
「ハッ!」
「ッ!?」
右ストレートを軽く左拳で払ったと同時に右正拳突きを鳩尾に放ち…奴の動きを止め……左回し蹴りを首筋に叩き込む!!
「お寝んねするには早いぜ?」
「フフ…ッ!!」
崩れ落ちるクウガの鳩尾にハイキックを食らわす……
しかし、まだ力を残していたのかクウガはキックを食らったと同時に後ろへと跳びキックのダメージを軽減させられた……
俺はクウガが着地する瞬間を狙い、接近戦を仕掛ける!!
「トオオッ!」
「おっと!」
体重と勢いを乗せた左正拳突きは両掌を重ねた手で受け止められる……しかし、甘い!!
「ハァッ!」
「むぐぅ!?」
即座に放つアッパーはクウガの体を地面から引き抜く……
俺は追撃の正拳突きを放とうとするが返しの空中回し蹴りを左肩に食らってしまい体が右に持っていかれる……!!
「く……チッ!!」
「ハッ!」
「なめるなぁ!!」
「ぐふぅ!?」
体勢を立て直し追撃のパンチを反らしつつカウンターの右フックでクウガの頭部事地面に叩きつけ後方に跳躍し、
コンテナが二つ積み重ねられた場所に着地、ライドブッカーからカードを取り出し、バックルに放る
――FINAL KAMEN RIDE…HIBIKI! ARMED!!――
「ハッ!…響鬼…装甲!!」
右肩よりも少し高い所に具現化された銀、赤、黒、金と四つの色を持つ小刀"装甲声刃"を柄を右手で持ち……
左掌で柄尻のボタンを置く、
そして俺の姿が"赤を基本とした体に鬼のような仮面"…響鬼紅に変化すると鷹、狼、猿など様々な種類と色をした
カラクリ動物達が体中に赤銅色の装甲として装着され最後に…鷹のカラクリ動物が上半身に金の装甲として装着されると
赤銅色に変化した仮面の鬼の紋章が甲の文字に変わるとき…再変身が完了した
「ハァァァァァァァァ、タアアッ!!」
アームドセイバーを軽く振るい、体から湧き上がる炎の気を払い……跳躍、着地様にアームドセイバーをクウガに振り下ろす!
「ッ!?」
「ハァ! トオッ! タアアアアアアアアアアッ!!」
「む…ぐ!?」
アームドセイバーでクウガの胸を渾身の力で斬り続け……距離を作る為の左正拳突きでクウガを殴り飛ばし、
本体の前の刃を倒しアームドセイバーを仮面の前まで上げ――
「鬼人覚声! ハァッ!!」
「ぐ…アアアアアアアアアアアアアッ!!!」
アームドセイバーのスピーカーから赤い波動となった清めの音がクウガにダメージを与える……
クウガの変身を解かすには到らないが――これで準備は整った――クウガが膝をつく前に俺はカードをバックルに放った
――FINAL ATTACK RIDE…HI、HI、HI、HIBIKI!!――
「ッ!? 動け…ない!?」
ディケイドドライバーから現れた火炎鼓がクウガの体に張り付きクウガの身長に合わせ巨大化……クウガの動きを止める、
俺はアームドセイバーを地面に置き、背中に装備された音撃棒を2本取り出し…構える
「俺の"下手糞"な音撃…聞いていけ!!」
「ッ!? 音撃?」
「ハァッ!!」
俺はクウガの面前まで掛け、急ブレーキを掛ける様に面前に止まり…其の勢いのまま音撃棒を火炎鼓に向かい振り下ろす!
「ウッ!?」
「音撃打! 爆裂真紅の型!! ハアアァァァァァァァッ!!」
クウガの面前で腰を入れ、音撃棒を一回、一回力を込めて叩く……どれだけ下手でも…思いを込めれば上手くいく……
あの独特の雰囲気を持つ男自身がそう言ってたから…間違いは無いと思うんだがなぁ――まぁ、いいか!!
「ハッ! ハッ! ハッ! ハッ! ハッ!」
「う!? あ、ああ!! あ…くぅ!?」
音撃を叩いた回数はもう50を超える…しかし……まだまだぁ!!
「ペースを上げるぞ! タアアアァァァァァッ!!」
叩くペースを上げクウガに息を吐かせる暇を与えずに"清めの音"を送り続ける
「く…ああ! うぅ…!?」
もう少しだ!! クウガの背中から邪悪其の物と言える野郎が…
清めの音の効果でお嬢ちゃんの姿のままクウガから抜け出そうとしている――
「タァッ! ハァッ! セイヤアァァァァァァァッ!」
正直……そろそろキツイ…音撃を叩く度に…目がくらむ、力が抜ける……しかし…弱音は吐けない! もう少しだ! もう少しなんだ!!
俺はこの思いのままに…火炎鼓を叩き続ける!!
「あ…く…ぅぅ…あ、ああ!!」
くそったれ…!! 此れだけ叩いても…まだ…出ないか……だったら…ありったけの力を籠めて!! 此れで…終わりだ!!
「ハアァァァァァァァッ!!」
「うわあぁぁぁぁぁッ!!」
ありったけの力を籠めて叩いた音撃は野郎をクウガから叩き出し……クウガの変身を解かす事に成功――した……
「ハァ…ハァ…ハァ…」
膝は…つけない…膝をついてはいけない…敵が居る戦場で……膝はつけない…其れが……俺が見て来た仮面ライダーの姿――
「ハァ、ハァ、ハァ…うう!!」
「調査…不足だな……音撃を知らなかったとは――致命…的だぜ?」
俺はうつ伏せに倒れたお嬢ちゃんの守る様に立ち……出来る限りの演技をする
「その…ようだね……あはは…顔見せ程度のつもりだったのに――痛い目…見ちゃったなぁ……」
苦しそうに立ち上がる野郎に対し……俺はただ立つ事しかできない…
まだ奴が力を残していればと思うと…少しでも体力の回復を望むしかないのだ――
「でもね……ディケイド…君は…僕の誘いに乗るしかないんだ……」
「そんな事は…解ってるさ――1週間以内に…この世界を出る」
「フフフッ…じゃあ…一週間後…ルールの説明に来るよ…」
そう言って…帰ろうとする野郎に…俺は教える……俺の事を知り、俺を嫌うあの男が使う名称を――
「アナザーだ……ディケイドの名は…もう俺の物では無い」
「そうかい…? なら…アナザー、また今度――」
奴の気配と姿が消え……工場だったこの空間も消え――ない?
「どういう事だ…?」
解らないが…予想は一つだけある…まだ居るのだ、あの野郎が連れて来たライダーの"複製人形"が……
其の為にこの空間が消えない――
「フゥ……」
「――う、うう……」
「悪いな…もう少し待っててくれ……"俺の自慢の弟子"が…もうすぐこの空間を消してくれる…だから…待っててくれ」
「……スー、スー、……」
「フフッ……坊やぁ!! 後は任せるぞー!!」
不覚にも――俺の言葉の後に安らかな表情に変化したお嬢ちゃんの顔を見たら…張り詰めていた緊張感が切れて……
ゆっくりと仰向けに倒れる……倒れた瞬間に……変身が解けた……この状態は敵から見れば絶好のチャンス……
でも…坊やが居るなら…大丈夫だな……お休み――
「スー、スー、スー……」
「スー、クゥー、スー……」
side海東大樹
「…………?」
「ど、どうしたんですか?」
「いや…何でもないよ」
あの工場内からかなり離れた場所で…僕はお姫様抱っこをしていた女の子を降ろした。
―――何か随分大雑把なお願いをされた気がするなぁ…師匠から……
「あ、あの…」
「ん? なんだい?」
女の子が何かを聞きたそうにしている……まぁ、聞きたい事があるのは僕もなんだけどね――
「黒い四本角の戦士は…だ、大丈夫何でしょうか?」
「四本角…? ああ、クウガの事ね」
「クウガ…?」
クウガを知らないか……見た所、普通の学生――とは思えない何かをこの子から感じるが…知らないのはしょうがないか……
僕はクウガの事を簡潔に説明する事にした。
「クウガはね…超古代のテクロノジーで生まれた仮面ライダーなんだ」
「仮面ライダー…」
――? クウガに比べると反応が薄い…仮面ライダーについて知っているのか? ……にしても――
「僕の師匠よりクウガの方が心配かい?」
「え!? い、いえ…そう言う訳では…ないんですけど――」
「フフッ…じゃあ…どう言う訳だい?」
僕がからかい気味に言うとこの子は慌てて何かを言おうとする…その姿に小動物を重ねてしまった僕はつい笑ってしまった。
「その…クウガが…クウガ自身じゃない…気がして――」
「へぇ…解るの?」
「勘…見たいなものです。」
「ふぅん…その勘を大事にね。じゃ、僕達が聞きたい事も…解るよね?」
「――はい…何となく…ですけど」
さっきまでの小動物の様な姿は何処へやら…今の彼女は修羅場を潜った者の目をしている……
「じゃあ…早速聞くけど――」
「あ、あの!! 其の前に…名前を教えてくれませんか? 貴方と…ディケイドの…」
「…………僕は海東大樹…ディケイドの名は…霞光弥…僕の師匠だ」
名前を素直に教えると、彼女は「すいませんでした」と頭を下げると僕達が聞きたかった事を話し始めた――
「私が何故あそこに居たか…? ですよね? 私にも…解らないんです。」
「解らない…?」
「はい…」
まさかな……僕は違ってくれとの思いのまま口を開こうとしたが……"其れよりも優先すべき事態が訪れた"
「――海東さん?」
「下がって…僕の後ろに」
「え?」
僕の様子に不安を覚えたのか彼女が僕に声を掛ける――
「下がれ!!」
「は、はい!!」
つい声のトーンが強くなってしまったが……"そろそろ彼女にも聞こえてくる頃だ"カシャン、カシャンと…戦う者にとっては…不気味な音。
「!? こ、この…音は?」
「最悪の相手さ…」
僕はまだ戦った事が無い相手……南さんと師匠を何度も苦しめた相手……戦う前に準備くらいしたってバチは当たらない…筈だ!
――KAMEN RIDE……――
「海東さん…私……危なくない所に隠れてます」
「そうかい? 悪いね…気を遣わせて」
「いえ……海東さんこそ……お怪我が無い様に――」
そう言って彼女は遠く離れた木に隠れに行った……正直ありがたい…彼女を守ったまま……あいつとは戦えないから――
「……………」
「まったくもって…厄介だよ……世紀王さん?」
――KUUGA!! RIOTROOPER!! IXA!!――
赤きサタンの剣を持って現れた銀と黒と緑の機械的な体……"シャドームーン"に対して僕はディエンドドライバーの照準を合わせ……
トリガーを引き、5体の戦士を召喚する……召喚してすぐにクウガを含む4体の戦士はシャドームーンに掛けて行く…が
「その命…神に返しなさい!!」
「御託はいいからとっとと行ってくれ」
「言われなくとも! ハアァァァァァァァッ!!」
「フゥ…やれやれ」
イクサは……変身者の性格のせいだろうか? 名護君の他にも……よく喋る奴を何回か召喚した事がある……
取り合えず…一息吐けるな――
(第4話終了、第5話に続く)
作者さんへの感想、指摘等ありましたら投稿小説感想板、