side 住田松次郎
 

「おう…光弥〜! 光弥〜…居ねぇのかぁ〜?」
 

俺の名は松次郎(まつじろう)…この店の主だ…今は昨日飲んだ酒が残ってるせいで足元が少しふらつく……
そして今は午前5時46分…朝飯の時間の為、俺は店内に入ったんだが…何時もなら既に飯を作ってる筈の男が居ない……
 

「こうやぁ〜……こうや〜?」
 

くそ…あの野郎…寝過ごしか、どっか行きやがったなぁ〜…………………腹…減った……しかたねぇ…自分で作るか――
一月振りの厨房に入り、冷蔵庫から既に切ってある九条ネギとタレをたっぷりと吸ったウナギの蒲焼のタッパを取り出しまな板に置き
食器棚から手ごろな丼を取り出し、炊飯器からご飯を盛り付けその上に蒲焼を乗せ、その上からネギを振り掛ける
 

「後は…」
 

お茶漬け用のお茶が入っているポッドのロックを外し、お茶を注ぐ……何ヶ月も嗅いでいないせいか凄く美味い匂いがする……
お茶の匂いはこんなに良いもんだったかな?……
タッパの蓋を閉めて冷蔵庫に仕舞い、厨房から出て、テーブルに丼を置いてイスに腰を降ろす……
割り箸を取り出した瞬間に……寝坊した奴が起きて来やがった――
 

「あれ…? おやっさん…早いですね?」
「まぁ…俺も早いと思ったがよ…どうした? お前が寝坊なんて、珍しいじゃないか?」
 

自分の事を棚に上げて言ってみるが……
 

「あー…そのぅ…ですね…」
 

頭をポリポリ掻いて、必死に言葉を捜している……この男がこういう動作をする時は吐く嘘を用意していない時だ……フフッ…
いつもこの男には隠し事を見破られているので少し嬉しい……
 

「オメェ……急ぎの用でもあんのか?」
「え…? まぁ…有りますけど?」
「そうか…じゃあ…それ優先していいぞ?」
「え!?」
 

何で其処で驚く……
 

「今日は俺が店番すっから…行っていいぞ?」
「……………すいません…行って来ます!!」
 

光弥は急いだ様子でガレージに戻る……
俺は割り箸を割って、ひつまぶしを口に駆け込むとあいつのバイクのエンジン音が聞こえる…フッ…
やっぱり…俺の憧れた音だ…濁りが無く…甲高い音……
 

"フフ…あなた"
"お父さん…"
「!! 律子! 奈菜夜!?」
 

俺が後ろを振り向くと…誰も居ない……いつもこうだ…昔を思い出すと…いつも……もう戻ってこない日常ばかり思い出す――
 

「フフッ…店番すっかぁ!!」
 

ひつまぶしをかき込み再び厨房に入って仕込みを開始する……今日こそアイツの売り上げに勝ってやる!!
 

 
 

side霞光弥
 

「ああ…びっくりした―」
 

ついさっき今年最大のビックリを味わった…三週間に8回は俺に店を任せ、ギャンブルに行くおやっさんが自分から店番をするとは……
俺は今日味わった驚きが残ったまま今日の予定である何時もの公園……には行かず
昨日ネガライダーと大ショッカーと戦った公園に向かう……
昨日はかなりのダメージを受けていた事もありそのまま立ち去ったが…微かに臭っていたドス黒い気配……
 

「ん?」
 

現場の近くに着いたが……何やら騒がしい…それに……パトカーが…3台……
俺は現場の公園から少し離れた所でマシンを止め、黄色いテープと警察官に抑えられてる野次馬達の中に入り込む……
 

「…………………………………」
 

……一通り見てみた限り…殺人事件じゃあない…所々焦げ跡と弾痕…これは気にしない事にしよう――
後は…茎が幾つか欠けているのと……自転車が倒れている……自転車!?
 

「すいません…すいません」
 

俺は野次馬達を迷惑にならぬ様 掻き分け、テープの近くに居る男性警官の一人に声を掛けた
 

「何かね?」
「あの…この騒ぎは…?」
「…?」
 

警官は少し疑問そうに顔を歪めたが、快く答えてくれた
 

「昨夜、この付近の交番に勤務する女性警官が行方不明になったんだ――」
「行方不明…!?」
「ああ…それにこの公園では弾痕やコゲ跡等があるからね……おっと」
 

話しを聞いた警官は上司らしい人物の視線を受けると口を閉ざしてしまう……まぁいい…聞きたい事は聞けた……
俺はマシンの場所まで移動し搭乗…アクセルに掛けて置いたヘルメットをかぶりエンジンを起動…現場の公園から走り去る
 

「……あの気配…俺ではなく…あのお嬢ちゃんを…!!」
 

80km/nの風を受けながら…俺は昨日の自分を殴りつけたくなっていた…ダメージを受けたから…では理由にならない…
たとえ化け物扱いされても…俺はお嬢ちゃんを連れ去るべきだった……!!
 

「……………」
 

今更後悔した所で既に起こってしまった結果は覆らない……
俺は自分に対する怒りと気配に対する少しばかりの悔しさを押さえ、住宅街の道路を疾走する……
 

"おいで……おいで……"
「!? 声…? そして…この気配!!」
 

住宅街を抜けた所で聞き覚えのある声と…借りを返したいと思っていた気配が現れた……
俺は声がする方向に舵を向け、アクセルを全開にし気配と声を頼りに走っていく……
どうやら人の気配が無い所に誘導されている様だ――
 

"おいで…ディケイド…おいで……"
「何処まで行こうと――!?」
 

俺は次のカーブを曲がると朝日が途絶え、ひと筋の光が無い工業地帯に突入した…
 

「……別の空間を作ったのか?」
 

マシン止めて、ヘルメットをアクセルに掛けると俺はバックルを装着し工場の一つに入ってみる…人の気配は無いな……
 

「………何処だ! 何処に居る!!」
 

―――反応なし……だが消えぬ気配を警戒しゆっくりと歩いていく…もう少しで出口――!?
 

「く……!?」
 

凄まじい殺気を感じ俺は出口から急いで離れて難を逃れた…その少し後…鋼鉄の扉が砕かれ…赤い六本角の戦士…
仮面ライダーアギト・バーニングフォームが姿を現す……
 

「……変身」
 

――KAMEN RIDE…DECADE!!――
「……………」
「ウウ…!!」
 

変身した俺は相手の出方を待つ事にする…その能力は共に戦ったからこそ知っている物も在るが……
こいつが俺の知るアギトと同じ戦い方をするとはどうしても思えない――
 

「ウウ…!!」
 

アギトが唸り声を上げると赤い上半身の鎧から燃えたぎる炎が溢れ出る……戦う準備は出来ていると言う訳か…ならば!!
 

――ATTACK RIDE…SLASH!! INVISIBLE!!――
「ウウ…!?」
「ハッ!」
 

ライドブッカー・ソードモードを握り…
インビジブルの効果でアギトの後ろに回りこみ即効かつ力を籠めて剣を5度振るい、左後ろ回し蹴りを叩き込んだ!!
 

「ウウ…!!」
 

……対して効いていない様だ、それ所か怒らせた様で殺気と共に炎を纏った拳を放ってくる…
反応が間に合い一撃目を避けて弐撃目のパンチにカウンターを合わせるが――
 

「!? ぐ…!!」
 

俺のカウンターは成功した…拳を眉間に食らわすもアギトにはまったく効かず
代わりに強力なライダーパンチを右肩に食らい、両脚が地から引き抜かれ体が空に浮き……複数のダンボールがある場所に落下した
 

「チィ…これはどうだ!!」
 

――ATTACK RIDE…BUSTER!!――
 

ライドブッカーをガンモードに変形させて、即座に立ち上がり約120m離れたアギトに対しトリガーを引く……が――
 

「ウウ…!!」
「――まったく効かねぇとはな…大したもんだぜ」
 

黒い光弾はアギトの右肩、角、みぞおち、左肘、ベルトに着弾するも対して効いた様子は無く
アギトは唸り声を上げながらゆっくりと近づいてくる……俺は覚悟を決めハンドルを開きライダーカードを取り出す
 

「かなり早いが…第2ラウンドと行こうか!!」
「ウウ…!!」
――KAMEN RIDE…DARK KIVA!!―― "ありがたく思え! 絶滅タイムの開幕だ!!"
 

…………この姿に変身する度に思う…何故あのキザなコウモリの声が聞こえるのかと…30年たった今でも解らない――とっ!!
 

「とおりゃあ!!」
「ウウ…!!」
 

少し物思いにふけている間にアギトが蹴りかかって来た……
その蹴りを右拳で払い、返しの蹴りを繰り出すが、アギトは後方に跳躍し回避された――
 

「ウウ…!!」
 

アギトがベルトの両脇のスイッチを押すとバックル部分の紫の石から刃が畳まれた銀の薙刀が出現…
アギトが其れを手に取ると刃が展開…S字状の武器"シャイニングカリバー"が鈍く光る…俺は即座にカードを放る
 

――ATTACK RIDE…ZANBAT SWORD!!――
 

俺は黄金の炎と共に現れた金と赤の切っ先…
銀の刀身と黒と金の柄"ザンバットソード"を右手で持ち軽く剣を振るい、ライドブッカーをベルトに戻す……
 

「ハアァァァァァァァ――」
「ウウ…!!」
 

腰を沈めいつでも駆ける為の力を溜めると…アギトも唸り声を上げながら同じ動作を取っている……先に出るのは――俺だ!!
 

「トア!!」
「ウウ…!!」
 

お互いスペックが高い事あって一瞬で間が無くなり近距離での戦闘に入り…
俺はザンバットを右横薙ぎに振るうもカリバーに受け止められたが……甘い!!
 

「ウウ!?」
「トオオッ!!」
 

力任せに押し切りアギトをよろけさせたと同時に後方へと下がらせ…
その隙が出来た瞬間に左ミドルキックを鳩尾に蹴り込むもアギトは踏ん張り…斬りかかって来た
 

「ウ…ウウ!!」
 

上段で放たれた斬撃をザンバットで軽く受け止め強大な力を籠められる前にカウンターの蹴りでアギトとの距離を離し、斬り込む!!
 

「ハアァァァァァァァァッ!! ハァ!!」
 

縦、横、下…時に左右に振り、時に…斬り上げる!!
 

「ウ――!?」
「うおおりゃああああっ!!」
 

ダメージにより動きが一瞬止まったアギトに下から蹴り上げ、地面から引き抜き追撃のザンバットを横薙ぎに振るい…刀身を撫でる
 

「ウ、ウウ…!!」
「やれやれ…まだ――……都合が良いぜ全くよぉ―!!」
 

弱弱しく立ち上がったアギトに俺は追撃を掛けようとするが…
天井の穴から差し込む都合の良すぎる僅かな太陽の光がアギトに当たると燃え滾る赤い外皮が割れ、
中から神秘的な光を放つ銀の装甲、赤と銀のショルダーアーマー、
鋭利な3本の刃が付いた黒い手甲が変化し刃が外れた白い手甲に変化…
全体的に銀と赤が基本カラーで力強さを感じさせるバーニングフォームとは違い
スマートながらも強力な脚力を持つアギトの最終形体…"シャイングフォーム"がその装甲を太陽の光で光らせながら此方を見つめている――
 

「……………」
「……………」
 

お互いに相手の出方を待つ……間違いない、この空間はあの気配が作った物…
そして坊やが言っていた赤い六本角がこうして現れたと言う事は――
残りの白い仮面の戦士、青い騎士とも対峙せねばならない可能性が高い……
 

「ハッ!」
「フッ…行くぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 

アギトはシャイニングカリバーを弐刀の剣に分離させ、駆けて来る…俺は奴より一息遅れ…
振り下ろされる2本のカリバーを切っ先を持ったザンバットで受け止め、返しの右膝蹴りは軽く後ろに跳ばれて避けられ……チッ!?
 

「ハァッ!!」
「く…」
 

駆け込み様のミドルキックをザンバットで流……せずに受け止め、強力なキック力を前に体が後ろへと持っていかれる…
俺はザンバットを握る力を弱める…無駄な動作をしない様に――
 

「ハッ! ハッ!」
「……ぬん!」
「!?」
 

 

まるでコマの様に振るわれるカリバーをザンバットで弾き上げ踏み込みも何も無いただのパンチを鳩尾に叩き込む!
 

「ウ…くぅ…!!」
「フゥ……」
 

俺は一瞬たりとも気を抜いてはいけない所で一息吐く……何故なら――
 

「坊や……違う世界に行ったんじゃなかったのか?」
 

違う世界に行った筈の弟子がのこのこ天井から現れたからだ……
 

「いやぁ…行った事は行ったんですけど…たいしたお宝は手に入らなかったんですよ――」
「やれやれ…じゃあ何をしに戻ってきたんだ?」
 

と言っても…こいつの目的は一つしかないだろうがな――
 

「ハッ!」
「フフッ…折角だから貸しの一つを返しておこうと思いましてね」 ――KAMEN RIDE…――
 

襲い掛かるアギトの攻撃を体を回転して回避し背中に回し蹴りを決めて、
ディエンドライバーにカードを挿入、手早く銃身を引き伸ばしアギトに向け――
 

「変身」 ――DI! END!!――
「ウ!?」
 

坊やが変身の為にトリガーを引いたのを攻撃の為と勘違いしたアギトは右側転の動作を取った…
其れは……生まれたばかりゆえに生じた…致命的な隙!!
 

「ウッ!? ウウ…!!」
「残念だったな…竜巻の味を覚えてみろ!!」
 

ザンバットを放り捨てアギトの背後に跳躍し、着地様に首を掴み軸とし……
右腿を持ってアギトの体を回し…小型の竜巻を発生させ…
 

「ライダアアァァァ―! きりもみシュウウウウウウウット!!」
 

投げ飛ばす!!
 

「ヒュ〜相変わらず人の技を使っても大したキレですね?」 ――FINAL ATTACK RIDE…――
「ほざくな…行くぞ!!」 ――FINAL ATTACK RIDE…――
「はいはい…解ってますよ!」
 

ディケイドの姿に戻った俺は上空からきりもみ回転で落ちて来るアギトに対し、
ライドブッカー・ガンモードの照準を合わし…必殺のカードを放る…坊やも既に必殺技を放つ体勢だ
 

――DI、DI、DI、DIEND!!――
――DE、DE、DE、DECADE!!――
「ウウ…!?」
 

現れたエネルギーカードに俺達がトリガーを引くとカードを通り、黒と青の光弾がアギトの体を焼き尽くし……塵とさせた
 

「全然大した事無かったですね…僕が入るまでも無かったですか?」
「まぁな…だが…」
 

俺達は油断したと思われる会話をしながら…其々2枚のカードを放り、挿入する
 

――ATTACK RIDE…BURST!!――
――ATTACK RIDE…BURST!!――
 

俺のは高速連射、坊やのはホーミング性の高い連射で先程から俺達の隙を突こうと僅かな足音しか出さない気配がいる場所に
トリガーを引き、ダンボールやドラム缶を吹き飛ばすと…気配の姿が露わになった
 

「…? クウガ?」
「……………」
 

金の角に赤い複眼、赤と金の鎧……間違いなく仮面ライダークウガだが…アギトから感じた殺意に比べればかなり低い…
つまり…戦意が感じられないのだ――
 

「霞さん…どうします?」
 

戦意が感じられない為か坊やがどうするか?を求めている……こういう場合は…変身を解かすしかないだろうな…
 

「とりあえず…変身が解ける程度に――」
 

坊やは俺が言い終わる前にカードホルダーに手を伸ばし1枚のカードを取り出していた…こう言う所で成長したと実感させられる――
 

「う!?」
「…?」 ――KAMEN RIDE…――
「――女の声?」
 

呻き声を上げ苦しみだすクウガに俺達は一瞬、動きを止める…何故なら…この…クウガは……
 

「坊や…本気でやれ…厄介なのが来るぞ!!」
「解ってますよ…」 ――…V3!――
 

坊やがトリガーを引くと一体はトンボを思わせる赤い仮面に白いグローブに赤いブーツ、力強い銀の胸に緑の体…
そして…バックル部分にV3と描かれ、二つの赤い風車を持つ戦士…仮面ライダーV3がその姿を現した
 

「う…あ、ああ…いやぁ…私…なりたく…ない…なりたく…ないよぉ…!!」
「少し痛いが…直に戻してやる…待っててくれよ…!!」
「かなり痛いけど…我慢しなよ…」
 

お嬢ちゃんは必死に抵抗している…究極の闇に等しい姿に成る事を…だが…俺達に止める事はできない…
クウガの体から黒いオーラが発せられ上空から雷が降り注ぎ…その姿を…アルティメットフォームに変化させた……
オーラが晴れ雷が止み…四本角、黒い目、全身に走る金色のライン、棘上のパーツが付いた各部、黒い霊石…
その黒い体を見るのは…これで3度目…急いで変身を解かせなければ…あのお嬢ちゃんの意思が消える!!
 

「ハアアァァァ――ッ!!」
「トオオッ!!」
「ハッ!」 ――ATTACK RIDE…BUSTER!!――
 

坊やの援護射撃を受け俺はライドブッカーをソードモードに変化させ、先に仕掛けたV3に続く
 

「トオッ! トオッ! トオッ!」
「ハッ! ハァッ!」
「……………」
 

V3は俺の知るV3と同じキレと威力でパンチ、キック、パンチと複雑にパターンを変えつつクウガを攻撃している…
V3の攻撃に合わせ俺も剣を振るが――クウガが無言で攻撃を受けているのがどうにも気に掛かり、剣を振り切る事ができない……
 

「師匠!」
「解ってる!! トオオッ!!」
「トオオッ!!」
 

坊やの言いたい事は解る…どんな手を隠していたとしても、思いっきりやってくれ…そう言いたいんだろうが……この相手では
そう簡単に攻め込む事はできないが…この状況ではやるしかない!!と意気込みV3と息ピッタリのダブルキックでクウガを蹴り飛ばす!!
 

「ハッ!」
「……………」
 

クウガが俺達から離れた瞬間に坊やが青い光弾を確実に鳩尾、眉間に当てていく……
 

「ぬ…むぅ…!!」
「…………チッ!」
「……此れが…究極の闇に等しい存在か――」
 

此処まで俺達は有利に戦いを進めてきた…いや、進めさせて貰ったと言う言い方が正しいかも知れない……
事実、クウガは無抵抗で俺達の攻撃を受け続けてきたが…"まったく効いていない"のだから――
 

「フッフッフッ、凄いねぇ…この体じゃなければ…とっくに倒されていたよ――」
「! この気配……!!」
「嫌な気配だね…ヘドが出るよ…!!」
 

クウガからドス黒い気配が溢れ出る……この気配だ…お嬢ちゃんを攫ったのは…
坊やが先手を打ちバスターを眉間に当てるが…クウガはまったく身動ぎしない……
俺は坊やに様子を見ると言うサインを出し、クウガとの会話を試みる
 

「貴様…何でお穣ちゃんを攫った?」
「君の実力を測る為――ッ!?」
 

奴が言葉を吐いた瞬間に素早くガンモードに変化させ発砲する…一発の黒い光弾はクウガの仮面に掠るも其の傷跡は直に無くなった
 

「其の為だけに…クウガのベルトを埋め込んだのか!!」
「フフフッ、いいよ…その怒り…身の凍るような殺意…最高だ!!」
「……坊やぁ!」
 

今の俺は…怒りで正常な判断が出来ないだろう……だが…坊やは俺の合図に答えてくれた
 

「……はい!!」 ――KAMEN RIDE…SKY RIDER!!――
「ハアァァァァァァッ!!」
「トオオオッ!」
 

俺はV3と共にクウガに仕掛け其の後を坊やが召喚した8人目の仮面ライダー"スカイライダー"が続く……
 

「フッフッフ……ハアアァァァァァッ!!」
 

 

この時の俺は…正常な判断が出来てなかった……まさか…あんな事態に陥るとは――
 


 

(第3話終了、第4話に続く)





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