女神異聞録ペルソナ
概要 |
ある日”ペルソナ様”という降霊術を行った藤堂尚也。
夢の中で不思議な人物フィレモンに会い、自分の分身だというペルソナを使える力を得る。
一緒に降霊術をやった仲間たちも同じ夢を見てペルソナを使えるようになっていた。
ペルソナ――自分を映し出す仮面。
そんなある日病気で入院している園村マキを見舞いへ。
ところが病院で突然死体が暴れ出し、マキは行方不明となってしまった――
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レビュー |
今までにあったメガテンシリーズのイメージを払拭し、大胆な変更を行った新規開拓の作品。
ペルソナという天使や悪魔、その他人物を模したものを憑依させて戦闘する。
「真・女神転生if」のガーディアンを発展させたシステムで、
当時主力であった2つの次世代機のうちのプレイステーション(PS)での発売で、こちらはライトユーザー向けにはなっているものの、
実際のメガテンシリーズに比べればというのが前提で、
今まで一度もメガテンシリーズをやっていない人間にとっては、難易度は決して低くはない。
たとえば「ギリメカラ」というスリランカの象の悪魔の場合、
既存ユーザーならいやというほど知っている物理反射特性
(最初から物理攻撃が通用せず、すべて攻撃したプレイヤーにダメージが返ってくる)があることを知らないため、
最初に物理攻撃もしくは特技攻撃を行い、ダメージ反射でパニックとなり、あわてて立て直そうとするも1ターン目の失策が響き、
そのまま全滅か生き残っても、無駄にSP(精神ポイント)を消費してしまって後々の戦闘で泥沼化になる恐れもあった。
既存ユーザーでさえ初の悪魔もいて、学校がストーリーの根幹となっているため
「はなこさん」「クチサケ」などの都市伝説的な悪魔も多数出ており、複数で即死魔法を連発するものもあって新たなトラウマになった。
特にメガテンシリーズは悪魔ごとに複雑な特性があり、戦闘以外でも交渉の際の性格などがあって、
うまくいけばスペルカードの入手(これがないと新たなペルソナが作れない)などプラスになるが、
逃走したり奇襲を受けたりと油断できない。
また、エンカウント率の高さ、フィールドやダンジョンなどセーブポイントまで1時間以上がかかることもあるが、
それでも高い人気を誇るのには訳がある。
キャラクターなどの魅力やペルソナという概念もそうなのだが、その中でも最たるものが、ドラッグストア「サトミタダシ」だろう。
回復アイテムなどの販売を行うのだが、それよりも重視すべきが店内で流れるテーマソングである。
この曲は回復アイテムの効果を歌詞にしているのだが、中毒性があり耳についたら離れなくなるという洗脳ソングである。
また、特技や魔法名がひらがな・カタカナでのみしか表示できなかったことから、
「せつなさみだれうち」を「切なさ乱れ撃ち」で誤訳してしまったり(本当は「刹那五月雨撃ち」)、
ともかく後のペルソナシリーズの先駆けであり、3からシステムそのものもさらに変更されたが、
これがなければ生まれなかったわけで、
ちょうど2009年4月にリメイク版がPSPで発売されることもあって、やっておいてみてはいかがだろうか。
最後に、いまではかなりの認知度を誇っているが、当時このゲームをみた人間の大半はこう思っただろう。
『これ、なんてJ○J○?』
執筆者:T2-NENさん
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