滑り込みでなんとかなのは達が塾に辿り着いた日の晩、高町家の食卓。

  面談の後で疲労困憊のヴェインがいつもより少し少ない、なのはの二倍の量の夕食を食べ終えた後。

  話題はヴェインが見つけたフェレットの今後であった。




―――――――――――――――



                 




                            魔法少女リリカルなのは The imitation
      


                                響く祈りはこの声に:Re
 


                                    第二話 
          


                                 『覚醒銀髪と魔法少女(確定)』 









――――――――――――――





  「…でね、アリサちゃんもすずかちゃんも犬や猫がいるから飼うのは難しいって。だから家で飼えたらなって思うんだけど…。」

  「ふむ、フェレットか。…飼い方、わかるのかい?」

  「すずかちゃんが飼い方の本、用意してくれるって。病院の院長先生も聞いたら教えてくれると思う。」

  「いいんじゃないですか、士朗さん。元はヴェイン君が見つけたんだもの。家の子は助けた動物を投げ出したりしませんよ。」

  「そうそう。それにフェレットってかわいいんだよ。私もなのはに賛成。」

  「…恭也、どう思う?」

  「いいんじゃないかな。もし解らないことがあったら俺が月村の家まで連れていくし。」

  「とか言って、恭ちゃんは忍さんに会いたいだけなんじゃないですかぁ?」

  「……美由希。いい度胸だ。」


  不用意な一言から制裁を受ける美由希を横目に、士朗はもう一度考え込む。

  動物とはいえ命が関わるだけに、慎重な判断を下さなければならなかった。


  「…絶対に、投げ出したりしないね?」

  「うん。」

  「何があっても、責任を持てるって言えるか?」

  「うん。絶対大丈夫。」

  「…よし。それならいいだろう。用意ができたら引き取りなさい。」

  「ホント!? やった!!」


  はしゃぎ回るなのはを落ち着かせると、桃子がアリサ達に連絡するよう指示する。

  有頂天で自室に戻ったなのはを確認すると、士朗と桃子は真剣な面持ちで先ほどから一言も話さないヴェインを見据えた。


  「…どうした、ヴェイン。なにかあったのか?」

  「もしかして、フェレット苦手だった?」

  「…まさか。今日初めて見たよ、フェレット。」

  「それじゃあどうした。フェレットの話になってから黙ったままじゃないか。」


  核心をついたその言葉に、ヴェインは一瞬だけ顔を顰めた。

  しかしすぐに表情を取り繕うと、努めて明るく笑って言った。


  「別に大したことじゃないんだって! ただ昔、ネズミに指齧られたことがあってさ。なんとなくげっ歯類って苦手なんだよ。
     でもフェレットは大丈夫だと思うよ、多分。ほら、実際助けたのも俺だし。だから平気だって。すぐ慣れるから。問題なし。」


  早口にそう言い終わると、ヴェインはなのはの様子を見に行くと言い残して階段を駆け上っていった。

  まるで逃げるような、実際追求から逃げ出したヴェインを、士朗と桃子は何も言わず見送った。


  「まったく…。本当に、嘘の下手な子だ。」

 
  ただそうとだけ言った士朗の顔は、物悲しそうだった。
















  「ねえヴェイン君。フェレットってどんな遊び道具がいるのかな?」

  「…飼ったことないからよくわからないけど…、やっぱりあれじゃない? あの水車みたいなやつ。」


  アリサとすずかにフェレットを飼う許可を貰ったことを報告した後、早くも飼育道具の選別を始めたなのはに、ヴェインは少々投げやりに言った。

  すっかり飼い主気分のなのはは、自前のバスケットで仮住まいまで拵え、受け入れ準備完了といった様子だ。


  「えー、それはハムスターだよ。やっぱりもっと違うのじゃないと。」

  「いやいや、ああいうのは必要だと思うよ。人間、たまには体動かさないと気が滅入るっていうし。」

  「ヴェイン君、家に来るのはフェレットだよ?」

  「あー、……。言葉のあやです。」


  細かい指摘を飛ばしてくる最中も終始なのはの顔は緩みっぱなしで、相当に浮かれているのが傍からもわかった。

  対するヴェインは何やら思案顔で、お世辞にも楽しそうには見えなかった。

  そんな様子にようやく気付いたなのはが、不安げに眉を寄せて問いかけた。


  「…ヴェイン君? どうしたの? 面談で何かあったの?」

  「は? …ああ、違うよ。いつも通りのあんまり意味ないおしゃべりタイムだった。」

  「じゃあどうしたの? フェレット、あんまり好きじゃない?」


  桃子と同じ問いをするなのはに、ヴェインは初めはぐらかしてしまおうと思った。

  しかし、まるで捨てられた小動物のようななのはの上目づかいに、突き放すのは酷と思ってしまった。

  いつだか、アリサが自分をフェミニストもどきと詰っていた理由をほんの少しだけ自覚した。


  「…ねえ。なんでなのはは、あの時公園にいたの?」

  「え? えっと、アリサちゃんがこの道が近道だって…、」

  「それは知ってるよ。俺が聞きたいのは、なんで『フェレットを助けた俺とばったり会ったのか』ってこと。」

  「え、っと?」

  「ホントに偶然ならそれでいいんだ。それっきり、話はおしまい。…でも理由があるなら。隠さず、話して。」


  突然よくわからない質問をしてきたヴェインを怪訝に思ったなのはだったが、その表情がいつになく真剣だったことに息をのむ。

  正直、偶然を装ってこの居心地の悪い空気を脱したかったが、普段と正反対の雰囲気のヴェインに嘘をつくことは躊躇われた。

  その雰囲気に押されるように、なのはは順を追ってしどろもどろに話しだす。


  「えっと、夢を見たの。」

  「…夢?」

  「うん。知らない男の子が、助けてって言ってる夢。その夢で見た場所があの道にそっくりで……。」

  「そっくりで? それでおしまい?」

  「ううん。それで、あの道に入った時に、夢の声が聞こえたの。助けてって。でもだんだん小さくなって、聞こえなくなって…。」

  「そこで、俺と会った?」

  「うん、そう。それで、ヴェイン君があのフェレットを連れてたから、今思うとあの声はフェレットさんの声だったのかなって…。」


  そこまで聞くと、ヴェインは見るからに落胆したような表情でうつむいた。

  がっくりと肩を落とすその様子に、慌てたのはなのはだった。


  「ええ!? ヴェイン君、私なんか嫌なこと言った!?」

  「……ううん。なのはのせいじゃないよ。ただちょっと、ね。」

  「でもやっぱり、えと、えと…!」

  「……なのは。その声ってさ、」

  「え? 夢の声…のこと?」

  「そう。その声ってさ、多分、あのフェレットの声だよ。」


  重い溜息をつきながらヴェインが告げた内容に、なのははさらに困惑した。

  夢で聞いた声がフェレットの声だったなど、笑われこそすれ信じてもらえるなど思っていなかったからだ。


  「ヴェイン君?今は声のことなんていいよ。そんなことより…、」

  「ううん、大事なことなんだ。多分あの声にすぐ、また呼ばれる。そしたらその時が…、」






  『…ますか。聞こえますか! 助けて! 僕の所に来て! 力を貸して下さい!』






  ヴェインの言葉を遮るように、あの声が聞こえる。

  唐突に様々なことが立て続けに起き、理解の追いつかないなのはとは対照的に、現状を理解しているヴェインは即座に行動に移った。

  直前まで肩を落としていたとは思えないほど素早く、パッと立ち上がり、なのはの手を取る。


  「行こう、なのは。あの子が呼んでる。」

  「え、え? 今のがあのフェレットさんの声? 助けてって…、え?」

  「…混乱するのは分かるけど、とにかく行こう。そうすれば、全部わかる。あの子が何なのか、俺が言ってたことはなんなのか、多分全部。」

  「ヴェイン君の、言ってたこと?」

  「そう。だから早く。手遅れになる前に。」


  そう言ってヴェインは、ポケットの中にいつも入れていたブレスレットを腕に巻きつけた。









――――――――――――――――――――――――――――






  「…何、これ。」


  それが、この異様な空間に対するなのはの第一声だった。

  ヴェインの言葉を信じ、忍び足で家を出て、全力疾走の末たどりついた動物病院。

  閉院時間などとうに過ぎ、明かりもついていない建物を視界に入れた時、不意に強い耳鳴りと眩暈がなのはを襲った。

  反射的に閉じた目を開くと、目の前の風景は一変していた。

  世界から音が消え、視界一面に霧のようなものが広がっている。

  全てが静止したような恐怖感に襲われ、部屋から握ったままだったヴェインの手をより強く握ってそれに耐えた。


  「…行こう。多分もう、始まってる。」


  前方を睨みながら歩を進めだしたヴェインに、なのはも続く。

  そうして一段と霧の濃い病院の敷地内に踏み込もうとした瞬間、すぐ脇の木が爆ぜた。

 
  「ぅあっ?!」

  「ヴェイン君!」

  「ッ痛…!いいから、あの子を!」


  飛び散る残骸の一部を身体に受けたヴェインが呻く。

  駆け寄ろうとしたなのはを言葉で制し、残骸と共に宙を舞うフェレットを指差した。


  「あ…! フェレットさん、こっち!」


  なのはの声に反応し、フェレットが空中で身をひねる。

  器用に破片の一つを足場にすると、それを蹴ってなのはのもとに飛び込んだ。


  「なのは、あの子は!?」

  「大丈夫、見つけたよ! ヴェイン君こそ、大丈夫なの!?」

  「うん、平気。……助けたなら早く逃げよう。アレとケンカしたくないし。」


  苦笑いで応じたヴェインの視線の先で、何やらよくわからないモノが蠢いていた。

  生理的に嫌悪感を抱くようなそれに、どちらが言うまでもなく二人は同時に駆けだしていた。









  「もう、なんなのあれ!? なにがどうなってるの!?」

  「な、なのは…。落ち着こう、ね?」

  「落ち着いてなんかいられないよ! 木は爆発するし、お化けみたいのは出るし、ヴェイン君は怪我するし! 誰か説明してよぉ!」


  しばらく走ると、極度の混乱と恐怖から半ベソ状態のなのはは、精根尽き果てたように座り込む。

  いつアレが追い付いてくるかわからない状態で歩みを止めるのは危険な気もしたが、とりあえず落ち着かせなければならない。

  そう判断したヴェインは、ため息交じりになのはに抱かれたフェレットに目をやった。


  「……ということらしいんだけど。説明してくれる?フェレット君。」

  「…やっぱり、君は僕のことがわかるんですね。」


  突如、なのはの腕の中のフェレットが言葉を喋り出した。

  非常識につぐ非常識の中、自分の腕の中でフェレットが喋り出したなのはは、半ベソだったことも忘れて動きを止める。

  そんななのはの腕からするりと抜け出したフェレットは、犬でいう所のお座りのような体勢でヴェインを見上げた。


  「君がただのフェレットじゃないってことぐらいはわかるよ。
     でも詳しいことはよくわからないから、この女の子にもわかるように丁寧に教えてくれると嬉しいな。ねぇ、なのは。」

  「…え? あ、うん! もう何が何だかわかんないもん!」

  「……わかりました。僕はユーノ・スクライア。ある物を探しに、ここではない世界から来ました。」


  いきなりそう言ったフェレットの言葉に、ヴェインがコントの一場面のようにずっこけた。

  脇から聞いていて、恐ろしく抽象的な説明だ。

  一般人が突然『僕は異世界人なんです』などと言われたら確実に混乱するに決まっている。


  「…うう? 待って、もうわかんない。ここではない世界って何? 外国ってこと?」

  「ううん、そうじゃないんです。本当に別の空間にある世界……。この星は、数えられないほどある多次元世界の一つなんです。」

    

  そこまで言って、ヴェインの呆れたような目に気付いたのか、フェレットが噛み砕いた説明を始めた。

  世の中には多くの文明を持つ世界が存在すること。

  その文明が一定に達した世界――多次元世界を認識している世界のほとんどが、一種の同盟関係にあること。

  地球のような一定の文明に達していない世界は管理外世界と呼ばれ、基本的には不干渉でなければならないこと。

  自分がその原則を破ったのには、それ相応の理由があること。

  初めこそ理解しようと頷きながら聞いていたなのはも、唐突に、しかも早口で語られるその言葉に、解りやすいほど混乱しだした。


  「…よくわかんないけど、いいや。無理やり納得するから。じゃあ、ある物っていうのは?」


  半ば投げやりに追求を放棄して、なのはがフェレット――ユーノがここに現れた理由を問う。

  異世界云々にはさして反応を示さなかったヴェインも、こればかりは解らないのか顔を寄せた。

  ユーノの表情にも緊迫感が帯び、絞り出すような声で言った。
  

  「……多次元世界の中には、高度な文明を持ったために自分たちの力で滅んでしまったものもある。
      大体は何一つ残さず消えてしまうけど、極々稀に強力で危険なモノが残ることもあるんです。『ある物』もその一つ。その総称が――、」

  「――ひょっとして、『ロストロギア』?」

  
  ユーノの言葉を遮り、ヴェインが呟くようにその名を告げた。

  なのはが驚いたように目を見開き、ユーノが僅かに警戒心を覗かせる。

  しかし当のヴェインは、己の答えが正解したことに落胆しているように見えた。


  「……君は、一体何者です?僕の正体を見抜いて、しかもロストロギアまで知っている。
      見たところこの子と兄妹ってわけでもなさそうだし、君の知識は明らかにこの世界の人のものじゃない。」

  
  まるで威嚇するような姿勢でユーノが言う。

  その視線から逃げるように顔を背けるヴェインの手を、なのはが握った。


  「……私も聞きたい。なんでヴェイン君が、そんなことを知ってるの?」

  「…なのはも、俺のこと信じられない?」

  「ううん。そうじゃない、そうじゃないよ。ヴェイン君のこと、きちんと知っておきたいから。……ヴェイン君は、私の家族だから。」

  「ぁう……。あぁ、もうわかったよ。わかったからその顔止めて。ホントに。」


  真剣そのものの瞳に見つめられ、心底困ったような声を出してヴェインがあっさり折れる。

  もっと渋られると思っていたユーノは、意外そうに目を丸くした。


  「…意外にあっさり折れましたね。」

  「もうこうなったら遅かれ早かれバレちゃうだろうし。ここでなのはに泣かれるのはホント困るからね。」


  ふへぇ、とおかしな溜息をもらしたヴェインのどことなく哀愁漂うような姿に、ユーノも警戒しながらも威嚇を解く。

  それを見て、食い込むほどに握られたなのはの手を若干気にしながらヴェインが口火を切った。


  「えっと。とりあえず初めまして、ユーノ…だよね。 高町ヴェイン。この子…高町なのはの家にお世話になってる居候だよ。」

  「居候? 下宿とかじゃなく? それじゃあ君は、この子とは他人なんですか?」

  「家族だよ。ヴェイン君は、私の家族。」

  「あー、わかってるから。とりあえず今は気にしないことにしない? …捨て子だったんだよ。半年前からお世話になってるんだ。」


  悪戯を告白するように苦笑いしながらそう言ったヴェインに、ユーノは思わずごめん、と謝った。

  その行動に対し気にするな、とばかりに手をひらひらさせながらヴェインは続ける。


  「ユーノは俺の素性を疑ってるみたいだけど、残念ながら生まれも育ちも日本。ただし血筋だけはヨーロッパだけど。
    ホントの父さんと母さんは、それは見事な金髪碧眼で、それを受け継がなかった俺が心底気に食わなかったらしいんだ。それで、六歳の時捨てられた。」


  表面上は他人事のように言うが、ヴェインにとってそれは思い出したくない過去なのだろう。

  明るい口調とは裏腹に、早口で捲し立てるように暴露された過去を居心地悪そうに聞いていたユーノは、一つだけ納得のいかない点を見つけた。


  「……待って、六歳? それじゃあ君は、この子の家に引き取られるまでどこに? 一人で暮らしていたの?」

  「まさか。捨てられてすぐ、拾われたんだ。今の父さんに拾われる前に。本人曰く『拉致した』らしいんだけどね。……その人が、魔導師だった。」


  不意に真剣味を帯びた口調で告げられた事実に、ユーノの視線にも力が籠った。

  その姿にはあえて目をやらず、ヴェインはなのはを見つめながら話しを再開した。

  なのはは、今まで誰にも過去を明かされなかったヴェインの過去にどのような顔をすべきか迷っているようだった。


  「なんでも俺の遠いご先祖が魔導師の一族だったらしくて、俺はやたらと低い確率で隔世遺伝したんだって。
     ついでに、そのご先祖は『レアスキル』っていうのを持ってた一族らしくてさ。その研究をするために俺を拉致したんだって言ってた。」

  「レアスキルだって?! …そうか、それなら監視の目を盗んでまで管理外世界に来る理由として十分だ。」

  「あぁ、そうなの? ……まぁとにかく、そうして魔導師に拾われた俺は、その人に魔法を教わったりミッドチルダのことを聞いたりしたわけ。
     だからユーノの正体にもなんとなく察しがついたし、なのはが夢に見たって聞いてなんか緊急事態なんだなってことも想像できたんだよ。」


  語り終えたヴェインはもう一度なのはと目を合わせ、困ったように苦笑いしながら肩を竦めた。

  一方のユーノは、未だ納得のいかないようにぶつぶつと呟いていた。


  「……いや、でもおかしい。僕があの病院で感じた魔力は一つだけだった。
     今ここに来ても君からは魔力を感じ取れない。レアスキルを持っているのなら当然魔力を感じるはずなのに。」

  「…俺の魔力は今、制限されてるから。漏れ出してるとしてもかなり小さい反応のはずだから、気付かないはずだよ。」

  「制限? そんなことをしなくてもここでは魔力探知なんてできる人はいないでしょう? どうしてそんなことを?」

  
  そう聞いたユーノに、ヴェインの表情から初めて余裕が消えた。

  先ほどとは逆に、ユーノを警戒するような目で見つめる。

  思わずたじろんだ彼をしっかり見据えながら、ヴェインは重々しく口を開いた。


  「……それだけ、警戒しなければいけない力だったから。
     『君の力と存在が知れ渡れば、必ず君は、周囲の人も巻き込んで悲しい思いをする。』……そう言われてる。」

  「そんな…。存在そのものを秘匿しなければいけないなんて、一体どんな…、」

  「……! 二人とも、あれ!」


  気圧されたように紡いがれていたユーノの言葉を遮るように、爆音となのはの叫び声がこだました。

  サッと顔を青くしたユーノとヴェインが振り向く。

  爆音の震源地には、大きく罅の入ったアスファルトと、その上にどっしりと構えるあの怪物の姿があった。


  「まずい、時間を取りすぎた! 二人とも逃げて! あいつは僕らを狙ってる!」

  「そんなこと、見ればわかるよ! ヴェイン君、行こう!」

  
  言うが早いか、なのはが再びユーノを抱えて走り出した。

  その後にヴェインが続くのを見て、怪物も動き出す。

  なのはの肩越しに迫ってくる怪物を見ながら、ユーノは焦りを隠さず叫んだ。


  「とにかく、距離を離して! ほんの少しでも時間があれば、あいつを倒す準備ができます!」

  「そんなこと言ったって…! どこまで行けば…、」

  「…あっ!? 待って、止まって!」


  思わずなのはが文句を零しかけた彼女を急かす言葉を、ユーノが自ら覆した。

  急げと言ったと思えば今度は止まれと言うユーノに、さすがのなのはも若干苛立たしげに速度を緩めた。


  「もう、さっきから急がせたり止まらせたり! 今度はどうしたの!?」

  「そんなこと言ってる場合じゃない! 彼が!」


  彼が、という言葉に、なのはの頭が一瞬で冷える。

  ユーノの言葉だけでは止まらなかった足を今度こそ止め、バッと振り返る。

  なのはの五メートルほど後ろ、切れかかった電燈をぶら下げた電柱に、ヴェインが苦しげに寄りかかっていた。


  「……ヴェイン君!!」


  冷や汗が吹き出るのを感じながら、なのはが彼に駆け寄る。

  獲物の片方が負傷しているのを確認して余裕を感じたのか、怪物の方も若干その速度を緩めた。


  「なのは…! なに逆走してんの、早く行かないと…!」

  「ヴェイン君こそ、何言ってるの!? その足、どこで…!」

  
  よくよく見れば、ヴェインの太腿からは血が垂れ落ち、彼の靴の色を赤黒く浸食している。

  恐らく病院で砕けた木の破片の直撃を受けた時に負った傷なのだろう、彼のズボンには目立たないながら結構な量の血が染み込んでいた。

  むしろここまで感づかれず振る舞ったことがすごいと言える程の傷だ。自分がなのはの足についていけないのはヴェイン自身がよくわかっていた


  「いいから走って! せっかくあいつが俺に目をつけてるんだから、早く!」

  「嫌だよ! ヴェイン君をおいて逃げれるわけないでしょ!」

  「ああもう! だから早く行ってユーノの言うとおりにして、助けてくれればいいんだってば!」

  「そんなことしてる間にやられちゃうよ! ヴェイン君を囮になんてできないよ!」


  互いに一歩も譲らぬ言い合いの間も、怪物は二人に近づいてくる。

  最早勝利を確信しているようにどこか悠然としたその足取りに、ユーノの緊張が高まった。


  「まずい! 二人とも、避けて! 突進してくる!」


  ユーノが叫ぶのと怪物が巨躯を宙に投げ出したのは、ほぼ同時だった。

  その重量で丸々獲物を押しつぶそうとするように、その巨体が三人に迫る。

  ヴェインは咄嗟になのはを突き飛ばそうとしたが、それよりも早くなのはが彼を庇うようにグッと抱き寄せる。

  その行動にぎょっとしたヴェインの視線の視線の片隅に、スローモーションで降ってくる怪物と、自分たちを庇うように毛を逆立てるユーノが映った。

  誰が見ても絶体絶命、崖っぷち。

  このままでは全員やられる、その致命的な窮地に、ヴェインは自分のブレスレットがチカリ、と点滅したのを見た。


  『いいですか、ヴェイン君。本当に危険な時にしか、君の力は使ってはいけませんよ。』


  ブレスレットの送り主が言っていた言葉を思い出す。

  耳にタコができるほどに聞き続けた言葉。

  力の危険性は重々理解していたつもりなのだから、ここまで厳重に封印しなくたっていいだろうに。


  「…ッアクセス! 魔力制限、解除!」


  点滅が発光に変わり、懐かしい感覚が身体に満ちるのを感じながら、ヴェインは久々に己の師と言える人物を恨んだ。








――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




  「『guard』!」



  不可思議な詠唱と共に出現した魔法壁に阻まれ、バチンッ、という音を立てて怪物が弾き飛ばされる。

  まさしく九死に一生を得たユーノはしかし、自分の目の前に展開した魔法陣と背後に現れた魔力に意識を持っていかれていた。

  魔導師にとって魔力による防御壁をつくることなど基本中の基本だが、問題はその起点となっている陣。

  円と正方形で形作られる自分たちの陣とは違い、この陣は円と二つの正五角形。
  
  今は衰退したもう一つの魔法形態の陣とも異なる。

  それに加え、背後から感じる魔力は安定せず、まるで鼓動のように強くなったり弱くなったりを繰り返している。

  その状況でもこの魔法は安定性を保持し続け、自分たちと怪物の間に壁として存在し続けていた。

  
  「……ッユーノ! 早く準備を!」


  未知の魔法に夢中になりかけたユーノの耳に、切羽詰まった声が響く。

  ハッと我に返って振り向けば、伸ばした片手に陣を浮かべたヴェインと、彼の傷口にハンカチを押し当てるなのはの姿が目に飛び込んできた。


  「急だったから魔力制限の解除が中途半端なんだ。このままだとあんまりもたない……!」

  「…そうか、これが君のレアスキル! こんなことができるならもっと早くやってくれれば……!」

  「さっきも言ったでしょ、危険な力だって。『緊急時にしか解除できない』っていう設定になってるんだ。
     まさかここまで追いつめられないといけないとは思わなかったけど…。それより、早く! ホントもうもたない!」

  「わ、わかった! なのはさん!」


  突然ユーノに話しかけられ、ようやく出血の治まってきたヴェインを気遣っていたなのははビクリ、と肩を震わせた。

  そのままするりと自分の肩に登ってきたユーノに、目をパチクリさせながら尋ねる。


  「えっ、私!? 私が何かするの!?」

  「はい。僕が初めに助けを求めたのは、なのはさん、君ですから。君には魔法の才能がある。」

  「魔法って、今ヴェイン君がやってるみたいなこと? ホントにヴェイン君、魔法使いだったの!?」

  「そうです。そして、君にもその才能がある。僕はその才能を目覚めさせる鍵を持っている。」


  そう言ったユーノは、器用に自分の首に掛かった赤い宝石を咥え取り、なのはに渡した。

  なのはに渡された宝石は、彼女の才能に呼応するように淡く輝いていた。


  「それは『レイジングハート』。デバイスと呼ばれる、魔導師を補佐する意思を持った機械。
     それを起動させることができれば、あの怪物を作り出している元凶のロストロギアを封印できるんです。」

  「……レイジングハート。」

  「お願いします。レイジングハートを起動してください。デバイスなしにあのロストロギアを封じることはできないんです。」


  再び、激しい激突音が響く。

  怪物がまたもヴェインの魔法壁に突進を始めたのだ。

  
  「うあッ! ……ッこの!」


  安定しない魔力を精一杯保持しながら、ヴェインが魔法を維持する。

  その苦心をねじ伏せようと、怪物も一層攻勢を強めてくる。

  徐々にではあるが押され始めたヴェインの表情が、段々と強張っていく様子に、なのははグッと宝石を握りしめた。


  「わかった。ユーノ君、どうしたらいいか、教えて。」

  「ほ、本当ですか!? ありがとう、早速起動させましょう!」


  一瞬だけ目に見えてほっとした様子を見せたユーノは、礼を述べるとなのはの肩から降りる。

  そのまま彼女の正面に立つと、真剣な顔でなのはを見上げた。


  「いいですか、僕の言うとおりに続けてください。…『我、使命を受けし者なり』」

  「『我、使命を受けし者なり』」

  「『契約に従い、その力を解き放て』」

  「『契約に従い、その力を解き放て』」


  ユーノに続いてなのはが呪文を紡ぐたび、彼女から魔力が溢れだす。

  予想以上に大きなそれに、ユーノは驚きを感じながらも呪文を紡ぎ続けた。


  「『風は空に、星は天に。そして…、』」

  「『風は空に、星は天に。そして、不屈の心はこの胸に』!」


  なのはから溢れる魔力がさらに膨れ上がり、ユーノを抜き去って自然と呪文を紡いでいく。

  その魔力の強大さに、未だ魔法壁への突進を続けていた怪物も僅かに後ずさった。


  「『この手に、魔法を』! レイジングハート、セットアップ!」

  〈OK,My master. stand by ready,set up.〉


  なのはの魔力を受け、レイジングハートが流暢な英語でその意に応える。

  レイジングハートの起動と共に、完全に覚醒したなのはの魔力が桜色の光を伴って溢れだす。

  予想以上どころか、明らかに自分よりも強大な魔力に、ユーノは目を見開いて驚きを示した。


  「すごい…。どうして管理外世界にこんな魔力の持ち主が…。」

  「これが、なのはの魔力…。」

  「うわわ、これでいいの? 間違ったりしてない?」


  その場の誰も予想し得なかった高レベルの魔力を放つなのはに、その場の誰もが思考を止めた。

  しかし、元より思考などせずに本能のままに暴走していた怪物は、獲物が見せた致命的な隙を見逃さなかった。


  「う、おわぁ?!」


  完全に意識をなのはに向けていたヴェインは、突然突進を再開した怪物の攻撃に対応しきれなかった。

  魔力の保持を怠られた魔法壁はその衝撃に耐えきれず、とうとう大きな罅を与えられた。


  「やば、い! これは、もう…!」

  「ヴェイン君! えと、ユーノ君、次はどうしたら…!?」

  「待って! まだ準備が終わってません。次はバリアジャケットとデバイスイメージを固めて!」

  「ば、ばり…? なにそれ、何をイメージすればいいの!?」

  「君を守る衣服と武器を! そのイメージをレイジングハートが形にしてくれます!」

  「服と武器!? えと、えと、服と武器、服と武器……。」

  
  突然の要求に戸惑いながらも、言われたとおりにその衣服と武器のイメージを膨らませていく。

  一見無茶に思えたその要求だが、まるで最初から知っていたかのように急速にイメージが固まっていく。

  なのはがイメージを固めると同時に再び桜色の魔力が吹きあがり、徐々に形を成した。

  赤い宝石を核としたバトン程の杖。
  
  どことなく聖祥大附属の制服を思わせる、白いジャケットとスカート。

  なのはが魔法を行使するための姿が、月明かりの下に晒される。


  「すごい……。想像した通りの服だよ、これ。」

  「よし、デバイスもバリアジャケットも完璧に形成されてる。これなら…、」


  驚きに目を瞬かせるなのはと、完全起動の成功に希望を見出したユーノの耳に、不愉快な咆哮が飛び込んでくる。

  本能のままに暴れ回る獣は、やはり本能のままに獲物の片割れが危険な存在となったのを感じ取り、今まで以上に激しくヴェインの魔法に攻撃を加え出した。


  「こん、のぉぉッ!」

  「ヴェイン君ッ!!」

  「まずい、もう限界だ! なのはさん、早く彼の援護を! 身を守る壁のイメージ!」

  「わ、わかった! お願い、レイジングハート!」

  〈All right.〉


  既に蜘蛛の巣状に罅の入った魔法壁は、怪物の渾身の一撃を受け、とうとう砕け散る。

  怪物は魔法壁を突き破った勢いもそのままに、さんざんに時間を取らせてくれた小賢しい獲物を轢き潰そうする。

  しかしその前に、またしても魔法壁が現れ、その進路を阻む。

  その核たる魔法陣は円に正方形。

  桜色で形取られたその力の主に、ヴェインは不完全な魔力での魔法行使の代償に鈍痛を訴える頭を押さえながら笑いかけた。


  「ナイス、なのは! 命の恩人!」

  「ヴ、ヴェイン君だって、私やユーノ君の命の恩人だよ。それに、家族なんだから。」


  興奮して礼を述べるヴェインに、なのはも緊張に引き攣りながらも応えた。

  家を飛び出してからしばらく笑うことのなかった二人に、微笑みあう余裕が生まれる。

  だが、そんな状況を引き裂くように怪物が再び咆哮を上げた。

  力任せに突進する怪物の巨体を、今度はなのはが受け止める。


  「うっ……!」

  「ッ! ユーノ、こいつどうしたらやっつけられるんだ!?」

  「どうしたらって…、知らないんですか!?」

  「知らないよ! 俺はホントに大雑把な知識しかないんだ!」


  てっきりヴェインはロストロギアへの対処法を知っていると思い込んでいたユーノが素っ頓狂な声をあげた。

  彼の知識の偏りに面倒なものを感じながらも、怪物の攻撃を一旦退けたなのはにも聞こえるように大声を張り上げる。


  「あの怪物はロストロギアの暴走で生まれています。アレをどうにかするには、本体のロストロギアを封印するしかありません!」

  「封印? それってどうやるの? またイメージするだけ?」

  「いいえ、封印には呪文が必要です。その呪文自体は自然に浮かんでくるはずです。あなただけの呪文が。」


  ユーノの言葉を受け、なのはが呪文を考える素振りを見せる。

  そうしてものの数秒で閉じていた目を開き、力強く頷いて見せた。


  「大丈夫。なんとなくだけど、浮かんできたよ。」

  「よし、これで封印の準備は揃いました。後は…、」

  「嘘、まだなんかあるの?」

  
  出血で少し青い顔を引き攣らせて、ヴェインが言った。

  その問いに、ユーノが言い悪げにしながらも応えた。


  「あいつは、予想よりも速い。
    今のなのはさんでは、動き回るあいつを封印することは多分無理です。……誰かが囮になって、あいつの動きを制限しないといけません。」


  ヴェインとなのはの表情が凍る。

  この中で囮になれる者は限られている。
  
  なのはは封印を担当するし、ヴェインは足を負傷している。

  消去法で考えて、囮になれるのはユーノしかいない。


  「元はと言えば、僕の問題ですから。君たちにばかり負担をかけるわけにはいきません。」

  「で、でも、危ないって! もう一回俺が壁を…、」

  「誰がやっても危ないですよ。それに君の魔法じゃ、あいつを弾くことはできても足止めすることはできない。」

  「だからって、ユーノ君がやることないよ! そんな姿で逃げ切れるわけない!」

  「なら彼を囮にしますか? 片足を引きずりながらなんて、それこそいい的ですよ。」

  
  その言葉に反論をなくしたなのはが、悔しげに押し黙った。

  そうして二人を黙らせたユーノが、怪物に向き直る。

  ヴェインのみならず、なのはにまで予想外の反撃を受けた怪物は、今は姿勢を低くしてこちらを警戒している。

  それでも恐らく、誰か一人でも動き出せば、パブロフの犬のごとく反射的にそれを追いかけるだろう。

  その凶悪な紅い双眸を見据えながら己も駆けだす姿勢を取ったユーノの後ろから、ヴェインが声を張り上げた。


  「……三十秒!」

  「えっ?」

  「三十秒だけ逃げ切って! そしたら、後は俺がどうにかする!」

  「どうにかって……。一体何を…、」

  「いいから! 三十秒だけ、逃げ切って!」


  まるで駄々っ子のようなことを言い出したヴェインに怪訝な顔を向けたユーノだったが、彼の表情を見て口をつぐんだ。

  なぜかジト目でこちらを睨む表情はパッと見こそ本当に駄々っ子のようだったが、視線には決意のようなものが混じっていた。

  
  「……なんで君がそんな顔してるんですか。」

  「俺としては一大決心なんです。いいから三十秒、きっちり逃げ切ること!」

  「はぁ…。」


  ヴェインの言葉の真意は理解できなかったが、ユーノは再び怪物に向き直った。

  律儀にもこちらの動きを待っていた怪物は、もう我慢の限界とばかりに低くうめき声をあげている。

  
  「……やりたいことがよくわかりませんけど、三十秒でいいんですね?」

  「応ともよ! まかしとけ!」


  興奮のせいか若干テンションのおかしいヴェインの言葉を聞いて、ユーノが斜めに駆けだした。

  怪物も、まるで縄を解かれたように彼を追う。

  ユーノが一瞬前にいた場所に怪物がダイブし、アスファルトが砕けた。


  「ユーノ君、危ない! ヴェイン君、一体どうする気……、」

  「……アクセス。封印解除を第一段階、魔力解放から第二段階、デバイス再起動に移行。」


  振り向いたなのはには目もくれず、ヴェインが小声で何やら呟く。

  その声に反応し、彼のブレスレットについた青い宝石がちかちかと輝いた。


  「声紋認証。登録声紋との比較を開始せよ。」

  〈……Roger.I confirm a voiceprint.I recognized you to be My Lord.〉

  「引き続き、スタンバイモードを解除。デバイスモードへと移行。」

  〈Roger.I reboot an item concerned.Have an aria,My Lord.〉


  矢継ぎ早に指示を飛ばすヴェインに、ブレスレット――デバイスが応える。

  流れるような英語を理解しているのか、ヴェインは小さく頷いて詠唱を開始した。


  「……『我、失われし力を揮う者なり』」

  〈It is a reinstallation for a device image……Completion.〉

  「『主命に従いて、その力を解き放て』」

  〈It is a reinstallation for a barrier jacket image……Completion.〉


  ヴェインが、右手を高く掲げる。

  ユーノが間一髪で怪物の突撃を避けた。

  ヴェインのデバイスが絶え間なく点滅を繰り返す。


  「『翼は空に、願いは天に』」

  〈A support system reboot start.……20%,30%,……〉

  「『そして、響く祈りはこの声に』」

  〈……40%,50% breakthrough.〉

  「……『この手に、魔法を』」

  〈……90%,The reboot end.I confirm an aria.……I accomplish the order of the master.〉


  不安定だったヴェインの魔力が安定する。

  徐々に強大になる力に、ユーノが思わず注意を逸らした。

  吹きあがる灰銀の光に、なのはが目を奪われる。


  






                    「リンカ―ネイション。」         〈stand by ready.〉






                              灰銀の光が一段と強くなる。

                               巻きあがる莫大な魔力。
          
                            その只中で、二つの声が叫びをあげた。
                            








                                 『Set up!』










――――――――――――――――――――――――――



  後書き


  まずはお詫びを。

  詳しくは別途展示していただいたご説明に記載してある通りですが、

  個人的な判断と都合で一度展示していただいた文を急遽削除したことをお詫びいたします。

  大変申し訳ありません。



  ここからは後書きです。

  初めましての方、初めまして。そうでない方、お世話になっております。

  本駄作の作者、サアと申します。

  相も変わらず散々な文章力でありますが、それは今後の課題として頂きたく思います。

  さて、とりあえず原作一話にあたる部分が終了しました。

  今作では、前作で地雷の元として最も不評だった『チート過ぎる主人公の能力』を大幅に削ってみました。

  具体的にはまだ何もしてないに等しいのでご理解し辛いと思いますが、元気玉から太陽拳位にパワーダウンしてます。

  副題もカッコつけた感じから砕けた感じのものに移行。

  また、意味不明な登場のタイミングも変更し、原作一話からのスタートとしました。

  おかげで最初のジュエルシードからあり得ないほど敵が強い感じの描写ですが、今回だけです。多分。



  以前のような長すぎる後書きは見苦しいと思うので、この辺で。これでも十分長いですが。

  未熟者の駄作ではありますが、どうか今後ともよろしくお願いします。






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