魔力反応を感じ取った三人は急ぎ、その場所へと向かうのだが――やはりタダでは向かわせてくれないのが世の常だろうか?

 

 

 

 

タイミングを見計らった様、そして行く手を遮る様に敵……恐らく下級の冥魔であろう存在が飛び出し、交戦するハメとなる。

舌打ちしながら空原はウィッチブレードを構え、氷雨はガンナーズブルームを構えて敵に攻撃を行おうとして――飛び出す影の姿。

得物を、銃に大型の刃を取り付けたソレ、ガンブレード『リボルバー』と名付けられた得物を構えて敵へと迫り、両手で握っている

得物を一閃し、そのまま目の前にいた冥魔、人型ではある物の人間とは余りにも懸け離れた外見の敵を両断し、次の敵へと向かう。

ブレード状の両手を持つ、近接攻撃を得意としているのだろう冥魔へと振り上げたガンブレードを振り下ろす――瞬間、クレイルは

自身が使うガンブレードの柄にある『トリガー』を引く。

 

 

「――フンッッ!!」

 

 

轟ッ!

 

炸裂音と共に鮮烈な火花が散った。

ガンブレードのシリンダーに収められた専用銃弾が撃発され、フレームと一体化した刀身がその振動を受け、その威力を更に高める。

剣状の手を振り上げた冥魔は咄嗟に両手を交差させ、真っ向からクレイルの一撃を受け止めようとするが、振り下ろされた刃と交差

した手が触れた瞬間、ガンブレードの刃は冥魔の強靭なブレードを叩き折り、そしてそのまま脳天から一刀両断に斬り伏せた。

綺麗に真っ二つにされた冥魔が存在を否定され、プラーナの結晶体を残して消え去るのを見るまでも無くクレイルは次の行動に移る。

地上で戦うタイプ――陸戦型と呼称される敵の姿は確認されないが、一連の騒ぎを聞きつけて現れたのだろう、翼を持つ冥魔。

一匹一匹では脅威と呼べる存在でもないが、その分『群れ』を成して襲い掛かってくるタイプの冥魔、冥鳥と呼ばれたソレが周囲の

同じ固体、仲間なのだろう存在に合図代わりに一鳴きして、攻撃を行おうと翼を広げたのを見たクレイルは手のガンブレードを月衣

の中に放り込み、代わりに――アサルトライフルを、様々なパーツでフルカスタム化されたM4A1を取り出し、斉射を行った。

 

 

「――氷雨、俺らって必要なのか?」

 

「黄昏てる暇があったら彼の援護をしろ。」

 

 

氷雨は破壊力はあるが面制圧には適していないガンナーズブルームをクレイルと同じく月衣の中に放り、代わりに軽機関銃。

M249A1、俗称・ミニミと呼ばれる大型の銃を取り出しつつ、もう一方でサブマシンガン、スコープやマガジンクリップ等の

多数のオプションを搭載したMP5と言う銃を空原へと放り、彼が慌てて放られたMP5をキャッチしたのを見届けた後、空に銃口

を向けてM249A1のトリガーを引き、銃口から鋼の銃弾をブチ撒け、襲い掛からんとする闇鳥達を叩き落していく。

 

 

「おい!こんな物渡されても――」

 

「ゲームと一緒だ!敵に向けてトリガーを引けば良い!」

 

「ええい!実銃なんか撃った事ねぇ……ってのによ!」

 

「良い機会だ、思う存分撃ちまくると良いじゃないか!」

 

 

空原も放られたMP5を構え、トリガーを引く。

二人が撃つ銃に比べると控えめな発射音が鳴り、次々に薬莢が飛び出しては地面に落ちて『キンッ』と硬質な音を鳴らした。

空原は手の中で暴れるサブマシンガンを何とか制御しつつ、空中に居る闇鳥に銃弾を叩き込んで撃ち落とし、二人を援護する。

……彼等三人が銃をブッ放つ度に闇鳥が数匹単位で撃ち落とされて行き、その数は瞬く間に減り、数分後には数多く居た彼等の姿は

既に無く、地面に叩き落された数匹の闇鳥がプラーナ結晶体となって残っているだけとなり戦闘は終了し、一段落ついた。

 

 

「――流石、その腕ならフリーのウィザードとしてやって行けるのも解る。」

 

「無意味に戦闘技術だけ身につけた結果だ。輝明学園とは違う学校で――そう言った技術はしこたま叩き込まれた。」

 

「へぇ、そんな所があるんだな。」

 

 

手に握っていた銃を月衣に入れて本来の得物を取り出しつつ、会話する三人。

 

 

「そういや、クレイル――さん」

 

「クレイルで良い。何だ?」

 

「いや、あんたの武器変わってるなと思ってさ。」

 

「ああ、こいつか。」

 

 

そう言ってクレイルは右手で握るガンブレードを空原に『壊すなよ』と言って渡し、空原は渡されたガンブレードを手に取って

両手で構えてみたり、シリンダーを引き出したり、一通りのギミックを見た後にもう一度両手で構え、今度は振ってみる。

……銃と剣が合体したアホみたいな武器かと思っていたが、武器全体の重心が刀身の方にあるがそこまで扱い辛い事も無い。

ただし、これは普通に剣として使った場合であり先程、クレイルが冥魔を両断した時みたいに撃発機構を多用して――となると

やっぱり扱い辛い武器にカテゴリされるのだろう、少なくとも自分じゃ使えねぇなと空原は思いつつ、礼を言いながら剣を返す。

 

 

「どうだ?」

 

「悪いけど俺にゃ扱えねぇ武器だな。」

 

「勇にそんなテクニカルな武器を扱えるわけ無いじゃないか。」

 

「相変わらず容赦ねぇな、お前は!?」

 

「私は正直者だからな。褒めてくれても構わんぞ。」

 

「褒めるか!」

 

 

空原から返されたガンブレードのシリンダー、先程の戦闘で一発カートリッジを使用したので、その分を月衣から取り出して

装填し、引き出したシリンダーを押し込んで戻した後、言い争いだか夫婦漫才(?)だかを続けている二人に『行くぞ』と声

をかけて――敵の気配はしない物の奇襲を仕掛けてくる事も考えられる為、周辺の警戒を行いながら脚を進めていった。

氷雨もクレイルと同じ様にそれとなく周辺を警戒しつつ、有事の際にはすぐさま両手で抱えているガンナーズブルームを向け

れる様、あるいはガンナーズブルームに搭載したパイルバンカーである『ヴラドシステム』の一撃を以って敵を粉砕できる体

勢にあり――空原も空原でウィッチブレードに継続的使用は出来ないが、攻撃の威力を飛躍的に高めるエナジーブースターを

取り付け、何時でも戦闘に入れる体勢は整えている。

三者三様に敵の襲撃に備えながら道を、碌に舗装もされてない山道を歩き、魔力反応を追うが――反応を辿って歩く度に感じ

る魔力は強くなり、この先に『強烈な魔力を持つ何か』が存在している事に間違いは無い、と思いつつ三人は歩く。

 

 

「――凄ぇ魔力を感じるな……コレ、ヤバイんじゃね?」

 

「確かにな。……勇にも感知出来る位の魔力を放出している物だ。

 冥魔を呼び寄せるゲート的な物であれば壊すだけで良いが、敵対行動を取る冥魔でも居たなら最悪だな。」

 

「……お前さぁ、俺の事嫌いだろ?そうなんだろ!?」

 

「何を言う。私は嫌いな相手に対しては無関心だ、そう言う面では君に好意を抱いているよ?」

 

 

軽口を叩いている物の、言葉の端々に緊張している様子が取れる事から魔力を発している物が如何に危険な存在なのかが伺える。

魔力の波動と呼ぶには強烈過ぎる、最早魔力のプレッシャーと言って差し支えないレベルに達しているだろうソレを全身で受け

止めながら歩いていき――彼等は発見する、魔力を発している元凶を………。

 

 

 

 

 

 

ずっと昔、そう――限りなく遠い昔、私は『あの子』に出会った。

 

 

光の様な銀色の髪、太陽の様な金色の瞳をしたあの子に私は惹かれた。

 

 

何時からだろう、あの子の背を追っていたのは?

 

 

何時からだろう、あの子の事しか考えられなくなったのは?

 

 

私達が居た世界が封じられ、あの子に会えなくなった時、凄く悲しかった。

 

 

会いたくて、お話したくて、でも会えなくて……辛かった、寂しかった。

 

 

だから――私達の世界に掛かっていた封印が解かれ、仲間達が他の世界に向かった時――私は『あの子』に会いに行く。

 

 

 

 

久しぶりに会えたあの子は全然変わってなくて、昔のままで居てくれた事が何より嬉しかった。

だから、私はあの子と昔の様に一緒に居たくてこの世界を、彼女を拘束するこの牢獄の様な世界を破壊しようとする。

あの子もそれを受け入れてくれると思っていたし、一刻も早くこの檻をブチ壊して彼女を助けてあげたかった。

 

――でも、あの子の口から出たのは拒絶の言葉だった。

 

……拒絶されて悲しかった、彼女を説得してみたけどそれすらも拒絶され、あの子と私は戦う事になってしまった。

一緒に来てくれないのであれば、私の持つ力……相手を取り込み『喰らう力』でずっと一緒に一つになろうと思った。

だけど、それすらも邪魔されて――結局の所、私は彼女に負けてしまう。

ギリギリの所で『写し身』を作る事で『私自身』の消失は避ける事は出来たのだろうけど、もう直ぐ写し身である『私』は消える。

写し身――ある意味では使い捨ての存在だけど、この想いは、もう一度だけあの子に会いたいと思う気持ちは本物だから……。

 

 

どんな事をしても生き延び、あの子に会うまで消える訳にはいかない――。

 

 

 

 

 

 

……魔力の元凶を追って見て、そして辿りついた先に居たのは――とんでもないイレギュラーだった。

 

更新された絶滅社のデータベースの中にあった情報、この世界に現れた冥魔王の一人がロンギヌスと侵魔達の王――魔王と協力

する事で撃退する事に成功した……とあり、撃退された冥魔王の一人『冥刻王・メイオルティス』と言う存在が居た。

ロンギヌスと協力した魔王と言うのも、名も無き低級の魔王では無く、何度も策略を巡らせては世界を滅亡の危機に陥れた者。

裏界の大公、空飛ぶ存在を等しく支配下に置く者――『蝿の女王・ベール=ゼファー』と言う最強クラスの魔王の協力があって

ようやく撃退に漕ぎ着けた……そんな筋金入りのバケモノであり、多少腕があるとは言え、一介のウィザードが太刀打ちできる

存在ではない――。

 

 

「――何か用かな、見ての通りだけど……戦うなら相手になるよ?」

 

 

しかも更に運の悪い、と言うか悪すぎる事に彼女・メイオルティスはこちらに敵意をむき出し、今にも攻撃を行って来そうだ。

冥魔王を相手に平和的交渉と言うのもおかしな話ではあるが、余りにも戦力差が離れており、人数と言う面ではこちらが有利だが

戦力面で言えば圧倒的に不利極まりなく、このまま真正面から戦っても万が一にも勝ち目は無いだろう事は容易に解る。

だが……戦闘は避けられそうに無く、メイオルティスは先程と変わらない様子でありながらも何時、攻撃を仕掛けてくるか解らない。

それを悟った三人は彼女の問いかけに応えず、それぞれ武器を構えた。

 

空原は彼女が行動を起こす素振りを見せた瞬間、構えたウィッチブレードで斬り掛かる体勢に。

 

氷雨はガンナーズブルームの砲弾を装填し、パイルバンカーも何時でも撃発可能な状態にする。

 

クレイルは敵の攻撃や行動に素早く対応出来る構えでガンブレードを握り、メイオルティスの出方を伺う。

 

 

「ふぅん――やるんだ?でも、丁度良かったよ。」

 

 

メイオルティスは立ち上がり、その手に槍とも杖とも取れる得物――鮮血で塗られた様に鮮やかで禍々しい武器を取り出した。

瞬間、彼女から溢れる魔力は更に高まり、背中からは二対の真紅の光翼が現れ、彼女が完全に戦闘態勢に入った事が理解できる。

 

 

「私ね、すっごくプラーナが欲しいんだ。――だから貴方達から貰うね?」

 

 

綺麗な、されどその裏に限りない攻撃の意思と殺意が込められた笑顔と共に告げられる宣戦布告。

彼女は手にした得物を振るう、ただそれだけの行為で得物から放たれた魔力は強烈な衝撃波となって周囲を破壊しながら広がる。

何気なく放たれた一撃、されどその一撃ですら直撃を喰らえば致命傷は免れる事は出来ない事は容易に見て取れた。

広がりながら迫る破壊の波、空原は冗談じゃない、と短く毒づきながら瞬時にウィッチブレードに跨って安全圏まで飛翔してその

攻撃を避けようとする最中に近くに居た氷雨の腕を掴み、そのまま一緒に飛んで暴力的なまでの衝撃波をやり過ごす。

 

 

「済まない、助かった!」

 

「礼は良いから、早くクレイルの援護をしろよ!お前ならこの状態でもガンブル(※ガンナーズブルーム)撃てるだろ!」

 

「く――無茶を言ってくれるな……君は!」

 

 

片腕を掴まれ、しかも不安定極まりない状態でガンナーズブルームを撃てと言って来る相棒に苦笑しつつ、氷雨は片手で火砲を。

ガンナーズブルームを構え、メイオルティスでは無く――地上に残されたクレイルに迫りつつある衝撃波に向かって速射した。

頑健な戦車の装甲だろうが何だろうが容易くブチ抜く威力を秘めた砲弾が破壊の波に突き刺さり、そして炸裂して僅かながらに

その威力を削る事は出来たようだが……その勢いを完全に殺す事は出来ず、衝撃波は依然変わらず突き進んでいる。

 

 

「なッ……全然効いてねぇぞ!?何て威力なんだよ、アレは!?」

 

「チッ――もう二・三発ぶち込んで可能な限り威力を削る!勇、もう少しだけ――!」

 

 

氷雨は咄嗟にガンナーズブルームを速射し、迫り来る影――嬉々とした表情で得物を構えるメイオルティスへと牽制射撃を行った。

 

 

「へぇ――凄いね、君。そんな体勢でおっきな大砲撃てるなんて。」

 

「お褒め頂き光栄の限りではあるが……攻撃するのだけは簡便願えないかな?」

 

「ダメだよ。貴方たちを倒してプラーナを貰わないといけないんだからね。」

 

 

魔力を収束して得物に宿らせ、再び振るおうとした所で――飛び込んでくる影が一つ。

破壊の衝撃波を突き抜けてきたクレイルがガンブレードを振り上げ、そのままメイオルティスに斬りかかり、攻撃を仕掛けた。

メイオルティスは武器を振り上げて向かってくるクレイルに気づいて自身の得物を掲げ、振り下ろされた一撃を受け止める。

鋭い金属音が鳴り響き、火花は散り、魔力の紫電がバチバチと迸り、鍔迫り合う二人を照らしていた。

 

 

「クレイル!生きていたのか!」

 

「勝手に殺すな……と、言いたいが実際はかなりマズい。

 ……たった一発でこのダメージだ、直撃を貰っていたら確実にあの世に行ってたな。」

 

 

クレイルはメイオルティスを弾き飛ばし、僅かながら体勢を崩した彼女に向かって再び斬り掛かる。

一閃一撃、剣を振るう度にトリガーを引いて爆音と共に一種の振動剣化したガンブレードの斬撃を浴びせかけ、彼女に反撃する

機会を与えず、一気に押し切ろうとするのだが――やはり死に掛けと言えども冥魔王、クレイルの連続攻撃を得物で受け流す。

何発もの斬撃が火花と金属音と共に流されてもクレイルは攻撃の手を緩める事無く、高速で剣を斬り返し攻撃を加え続けていた。

 

 

「――っく、凄いね。私とここまで切り結ぶなんて……!」

 

「伊達で傭兵まがいな活動をやってる訳じゃ無いんでね……このまま押し切らせて貰うぞ!」

 

 

更に速くなる斬撃。

苦々しい表情を浮かべながらメイオルティスは四方八方から振るわれる剣閃を得物で受け流し、捌いている物の、消耗している

体で戦った事、そして敵である三人を早く倒してプラーナを吸収せんが為に魔力を使いすぎてしまった事の『ツケ』が回って来た

のだろう、急激に体から力が抜けて行く感覚が全身を支配し、それに伴ってなけなしのプラーナも流れ出ていく感じが強くなった。

 

一刻も早くプラーナを摂取しなければ自分は消えてしまう。

 

焦燥感を感じるのは一瞬、だがその一瞬をクレイルは見逃さずにガンブレードの切っ先を跳ね上げ――

 

 

「――あっ!?」

 

 

メイオルティスの手にあった得物を弾き飛ばした。

 

 

 

暫くの間、メイオルティスが手にしていた槍の様であり杖の様でもある得物は空中を舞った後、深々と地面に突き刺さる。

彼女は舌打ちして自分の得物を取りに行こうと背中の光翼を羽ばたかせ――る事は出来ず、それよりも早く突きつけられる剣。

クレイルがガンブレードの切っ先をメイオルティスに突きつけ、そこを更に地面に降りた空原がウィッチブレードを。

氷雨がガンナーズブルームを突きつけ、メイオルティスは今、四面楚歌の状態に、最悪の状態に陥っていた。

 

 

「……くぅっ……!」

 

「チェックメイトだ、メイオルティス。」

 

 

得物は遠く、そして目の前にはウィザード。

 

メイオルティスはこの状態をどう切り抜けるか思考するが、焦燥感に駆り立てられる頭は妙案を思いつくに至らない。

更には妙案を思いついたとしても、目の前と後ろに居るウィザード達は中々に腕の立つ者達であり、案を実行して危機を脱し

その上でプラーナを摂取できるのかと言えば限りなくNOに近いだろう、悔しいが彼等の実力を認めざるを得ない。

 

どうする、どうすればこの状況を切り抜けられる?

 

そう思っていた所――何も無い空間、ただ空気と地面と言う二種類の物しかない場所に走る魔力。

メイオルティスの足元に『彼女から発せられる物とは違う魔力』を感じ、三人は咄嗟に彼女から離れた。

……何と言う僥倖か、メイオルティスは内心で安堵、そして歓喜しつつ素早く得物を回収し、体勢を立て直す為に距離を取る。

 

 

「っ……クソっ!もう少しでアイツをやれた……ってのに!」

 

「毒づいても仕方無いだろう、それより――勇。

 クレイルの体力はかなりマズいと見て良い。今まで彼に任せっきりだった分、次は私達でやるぞ。」

 

「俺ら二人でメイオルティスと戦うのかよ!?」

 

「それしか方法が―――退くぞ!」

 

 

メイオルティスの下に現れた魔力は瞬く間に広がり、一種の穴――ワームホールとでも言うのだろうか?

そんな空間を作り上げた直後、その魔力の穴から巨大な触手が突き出て、氷雨と勇が立っていた場所に拳を振り下ろす。

轟音と共に砕かれる大地、砕かれて土煙と共に舞い上げられた破片が降り注ぐ中、二人はクレイルの下へと走った。

 

 

「無事か!」

 

「――何とか。自前で用意してあったポーションを飲んだから、戦えるが……更に敵が増えたな。」

 

「全く、最悪な状況だよ。これは上に掛け合って報酬とは別に、焼肉の食い放題でもつけて貰わないと割に合わん。」

 

「氷雨ェ!冗談抜かしてる場合じゃ……うおおお!?」

 

 

ワームホールから突き出た触手が引っ込んだ……次の瞬間、ソレを突き破って出てきたのは、一言で言えば『タコ』

吸盤こそ無い物の、丸い体に多数の触手を備えたその姿はタコと形容する他なく、強大な魔力こそ感じるが……。

出てきたタコらしき冥魔はゲートの役割を果たしていたのだろう、ワームホールをブチ破って現れた後――特に何を

する訳でもない、地面を砕き、叩き割るほどの強靭な触手を振り回して暴れる訳でもない、ただ沈黙している様子。

 

 

「……何もして来ねぇな。何しに出てきたんだ、あの冥魔……で良いのか?」

 

「ただ現れただけならメイオルティスだけを相手にするだけで良いが……。

更にあのヤマツカミも相手にするとなると絶望的だな。」

 

「ヤマツカミって……お?」

 

 

氷雨の発言に対して突っ込もうかと思った矢先、ふよふよと浮かぶだけで何もしてこなかった冥魔が動いた。

その場でゆっくりと旋回し、周囲を見渡したのかと思えば後方で警戒している――メイオルティスを発見した瞬間。

全身から『口』が開き、場違いなまでに真っ白な歯を覗かせながら雄叫びをあげる。

 

 

「うおわぁぁぁぁぁッッ!?な、なんだあのタコ!?キモイ!?キモ過ぎる!!?」

 

「……あれは流石の私でも無いと思った、今回は勇の発言に同意するが……様子がおかしくないか?」

 

「どうやら俺達をターゲットとしている訳ではない様だが――かと言って味方にも見えんな。」

 

 

 

 

 

最悪な奴が出てきたとメイオルティスは思う。

 

今、目の前で聞くに堪えない雄叫びを上げる冥魔……グリーディジョーと言う存在は『見境無しにプラーナを喰らう』

完全な状態なら負ける筈の無い相手だが、プラーナが底を尽きかけて居る今、この貪欲なバケモノにプラーナを喰らわれる

事になれば、それはすなわち己の存在が消える事に繋がる事は創造に難しくなく、そしてメイオルティスはその事実を恐れた。

だが、恐れた所で自分を見て嬉々として雄叫びを上げるグリーディジョーが大人しくなってくれるのか、と聞かれれば――否。

彼女は息を吸い、得物を握り直してグリーディジョーを倒すべく翼を広げ、飛び立とうと……。

 

 

『■■■■■■■■■■■■■■■■■■―――――ッッッッ!!!』

 

「なっ……!?」

 

 

それよりも早く、グリーディジョーが雄叫びを上げ触手を伸ばし、メイオルティスを拘束する。

 

 

「うぐっ……こ、この……離して……離しなさ……!!?」

 

 

体から抜けていく力。

 

 

「え……嘘……そんな!?や、止めて!止めてよ!ねぇ、ねぇってば!?」

 

 

写し身とは言え、死に掛けとは言え、その身は魔王の一部。

一般の侵魔や冥魔とは比べ物に成らないほどのプラーナ量を蓄えたメイオルティスはグリーディジョーにとって格好の『餌』

でしかなく、しかも都合の良い事に当のメイオルティスは消耗している上、魔力も底を尽きかけて居るらしく、抵抗も出来ない。

 

 

「やだ……やだよ!私、まだあの子に会ってないのに!それなのに……こんな形で消えるなんて!!」

 

 

メイオルティスは必死にグリーディジョーの触手を振り払おうとするが――その腕は微動だにしない。

……そして彼女にとって最後の時が、僅かに残ったプラーナがグリーディジョーに吸われ、本当の意味で消滅する時が来る。

力は入らない、魔法を発動する事も魔力を宿した攻撃を行う事も出来ない、自分の魔力で生成した得物も維持できずに崩れた。

どんなに足掻いてももう、どうにもならない。

 

事実を認識した彼女は――

 

 

「――もう一度だけ、会いたかったな。」

 

 

静かに目を閉じて――

 

 

「ばいばい、ベルちゃん――。」

 

 

ただ、自分の存在が消えるその瞬間を受け入れた――その時。

 

 

グリーディジョーの触手、メイオルティスを拘束する腕に砲撃がブチ当り、同時に漆黒の闇で出来た刃が触手を斬り飛ばす。

漆黒の闇で切り落とされた触手から毒々しいとしか例え様の無い色の体液が吹き出て、同時にグリーディージョーの悲鳴が轟く。

 

 

「な――何!?何が起こった……きゃあっ!?」

 

「喋るな、舌噛むぞ。」

 

「え――き、君!?」

 

「詳しい事情は後だ。これでも飲んでろ。」

 

「ちょ、ちょっと――んむっ!!?」

 

 

斬り落とされた触手から開放されたメイオルティスは空中で――クレイルに抱きとめられ、そのまま口の中にポーションを。

体力回復用と魔力回復用のポーションを同時に突っ込まれ、口の中に広がるエゲツ無い甘苦さ、強制的に液体を流し込まれた

事でムセてポーションを吐き出したいと言う直感を精神力で押さえ込み、メイオルティスはポーションを飲み込んだ。

 

 

「けほっ……かふっ……何するの!」

 

「知るか!俺が聞きたいわ!」

 

「ぎゃ、逆ギレ!?」

 

 

地面に着地したクレイルに先程の事について非難した所、思いっきり逆切れされて戸惑うメイオルティス。

 

 

「くそっ……あの二人は何考えてんだよ……敵を助けるなんて、前代未聞過ぎる……。

 クライアントにどう説明すりゃ良いんだ……。」

 

「――え……助けてくれたの……?」

 

「見れば解るだろ――二人とも!こっちは助けたぞ!!」

 

 

クレイルは叫び『了解した』と言う氷雨の声に『グゥレイトォ!』とか訳の解らない、どう取るべきなのか理解に苦しむ

空原の声が聞こえたかと思えば、砲撃音に剣戟の音、更にグリーディジョーの雄叫びが轟き、大地は激しく揺れる。

 

 

「何で……私を助けたの?私は君達の敵だよ?」

 

「俺に聞くな。いきなりウィッチブレード振り上げてあのバケモノに斬りかかった……空原に聞け。」

 

 

メイオルティスの困惑した問いかけに応えつつ、クレイルはガンブレードのシリンダーを引き出し、銃弾を再装填する。

銃弾を装填し、シリンダーを押し戻した後でクレイルは立ち上がり、激しい戦闘を繰り広げている二人の下へと戻ろうと

した時――来ているコートの裾を掴まれ、そのまま前のめりの形で地面に突っ伏した。

 

 

「あ、ごめん。」

 

「……お、お前ェェェェ……助けてやったのにこの場で引導渡して欲しいのか!?」

 

「お、怒らないでよ!悪気があった訳じゃ無いから!?」

 

「じゃあ、どういうつもりだ!」

 

「取引。」

 

「……何?」

 

「取引をしようって言ってるの」

 

 

メイオルティスから発せられた一言に硬直するクレイル。

 

 

「……何が言いたい?」

 

「私はまだ死にたくない、死ぬ訳には行かない。それは君達も一緒でしょ?」

 

「それはそうだが……。」

 

「だから、取引。私にプラーナをくれたら、アレ――グリーディジョーって言うんだけど、アレを倒すのに協力するよ。」

 

「その後で俺達を襲う――か?」

 

「君に貰ったポーションで少しだけ回復できたし、プラーナ貰っても万全じゃない。

 そんな状態でグリーディジョー倒した後、そのまま君達と戦うなんて馬鹿なこと出来ないよ。」

 

 

メイオルティスに持ちかけられた『取引』に応じるか否かでクレイルは考えた後――決断する。

このままグリーディージョーとやらと戦うにしても味方は一人でも多い方が良い、しかも今度は先程まで戦っていた敵。

冥魔王・メイオルティスがこちら側で戦ってくれると言う特典までついている。

……彼女が自分達に対する攻撃の意思が完全に無いとは言い切れないが、少なくとも共通の敵が居る間は問題無さそうだ。

 

 

「……信じて良いのか?」

 

「ソレしか手が無いからね。」

 

「解った。……で、プラーナはどうやって摂取するんだ?俺にはプラーナを譲渡する手段は無いぞ。」

 

「ああ、私が持ってるから大丈夫。……それじゃ、頂きまーす。」

 

 

瞳を閉じてクレイルの手を握ると――彼の体から金色の光、プラーナの輝きが一気にメイオルティスに流れ込んだ。

本体と繋がっていた時に比べると僅かではあるが、この世界に『存在を繋ぎ止める』程度には十分に足りる。

……プラーナを提供してくれたクレイルには悪いと思ったが、貰える時に貰えるだけ貰っておこうと彼女は思い

大目にプラーナを摂取し、余剰分を体力と魔力に変換する事で……自身の回復を行い、戦えるだけの力は得た。

冥魔王と繋がっていた時みたいに体に溢れる魔力、多少の攻撃程度では死とは無縁の耐久力、圧倒的な攻撃力に加え

他にも色々な力を持っていたが今の体でそれ等を駆使する事も発揮する事も出来ないが彼女はこれで良いと考える。

 

予想外ではあったが――自分が消滅すると言う危機が去ったから。

 

 

「――うん。ありがとう、助かったよ。」

 

「……そうか、それは良かった――」

 

 

笑顔で礼を言うメイオルティスに対し、クレイルは良かったと一言いってその場に崩れ落ちた。

大量のプラーナを一気に吸い取られた反動による物であり、暫く休めば回復はするだろうが戦線復帰は出来ないだろう。

 

 

「……大丈夫?」

 

「恐らく、命には別状は無さそうだが……戦えんな。

 ――おい、メイオルティス。」

 

「何?」

 

「……頼んだぞ」

 

 

一瞬だけきょとんとした表情になった後、彼女は不敵な笑みを浮かべ、クレイルにこう返す。

 

 

「契約分はきちんと働くよ。」

 

 

グリーディジョーを始末しに向かう為、己の得物たる真紅の槍杖とも呼べる武器を呼び出そうとして……出てこないのだ。

クレイルに貰ったポーションに加え、プラーナを変換して得た魔力があるから魔力の枯渇によって呼べないと言う事はない。

メイオルティスは首をかしげつつ、もう一度――槍杖を呼んでみるが、やはり出てこずに手の中に生まれた魔力は霧散する。

 

 

「どうした?」

 

「あ、うん。……私の武器が出てこないんだ。」

 

「さっきの槍だか杖だか解らん物か?」

 

「……すごく引っかかるけど、その通りだよ。

 でも、どうしよう、魔法は苦手じゃないから問題は無いと思うけど……。」

 

 

こうしている間も二人はグリーディジョーと戦っている、だからこれ以上お喋りに時間を費やす訳にはいかない。

『まぁ、何とかなるだろう』と自己完結し、メイオルティスは背中から光翼を、紅の翼を生成して大きく羽ばたく。

バサリと音が鳴る度、彼女の脚は地面から離れ、数回羽ばたいただけで完全に空へと舞い上がり――。

 

 

「じゃ、行って来るね。」

 

 

笑顔でそう告げた後、彼女は飛び去った。

 

 

「――やっと行ったか。」

 

 

飛び去り、姿が見えなくなるメイオルティスを見ながらクレイルは呟き、瞳を閉じた。

彼女が居た手前、意識を手放す事はしなかったが――もう良いだろう、とりあえず寝て起きたらある程度回復はするだろう。

敵が居る戦場で思い切り意識を手放すなど言語道断極まりないが、その敵は彼らがどうにかしてくれると思う。

プラーナを大量に吸われたとは言え、この程度で意識が消えかけるなど自分もまだまだ修行が足りないとクレイルは思い

無事に帰ったら、もう一度自分を鍛え直すことから始めるか、と自己完結した所でクレイルは意識を手放した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――ぐ……ぅ……?」

 

「お、起きたか。体の具合はどうだ?」

 

「ああ――特に問題は無い……が、ここは?」

 

「ココは絶滅社のエージェントに与えられる個室……まぁ、勇の家だ。」

 

 

ベッドに寝かされていたクレイルは起き上がり、周辺を見回して……キッチンに立ち、鼻歌を歌いながらフライパン

を動かしている空原らしき人物を発見するが……気にしない事にしてとりあえず、ガムテープによる補修跡が激しい

ちゃぶだいにつき、氷雨に差し出された緑茶を『ずずず』と啜り、一息ついた後――自分が意識を手放した後の事に

ついて氷雨にたずねてみた。

 

 

「そう言えば、グリーディジョー……あのタコの化物みたいなのはどうなった?」

 

「ああ、あのG級ヤマツカミなら――メイオルティスと私達で始末した。

 まったく、貴方は凄いな。冥魔王を味方に引き入れるなど、私には出来んよ。」

 

 

あの後の状況を確認しつつ、戦闘の反省点を見直そうとしていた時――ちゃぶだいの上に置かれていたお茶請けの

せんべいを手に取り『ぱりん、かりこり』と言う音を立てながらかじり……。

 

 

「すまないな。結局の所、俺が一番の役立たずだった。」

 

「何、気にする事は無い。あんなイレギュラーが相手だったんだ、それも仕方の無い事だ。」

 

「そう言って貰えるとありがたい。」

 

 

せんべいを美味しそうにかじりつつ、ほこほこと湯気が立ち上る緑茶をすすり、心地よい苦味を感じながら今度は

お茶請けの中にあった『もなか』の包装を破り、取り出して一口かじる。

 

 

「――おーい、メシ出来たから皿並べ……お、クレさん目を覚ましたか。」

 

「……生まれてこの方19年、そんな呼ばれ方をしたのは初めてだ。」

 

「あ、嫌だった?」

 

「いや、それで良い……で、皿はどこにある?」

 

「クレさん休んでて良いぞ。……氷雨ー、とっとと皿出さないとお前の分、盛りを少なくするぞー」

 

「それは困る。いい所無しの君だが、料理の腕だけは良いからな。悔しい事に。」

 

「――氷雨、後でちょっと裏に来い。話がある。」

 

 

二人がテキパキと動いて空原が作った料理をちゃぶ台の上に並べ、そして各自自分の席に着いたところで……。

 

 

「――で」

 

「どうした、クレさん?」

 

「何かあるのか?」

 

「ダレも突っ込まんから、俺が代わりに突っ込む。何でお前が居るんだよ!?」

 

 

ずびし、とクレイルが指を差す先に居たのは……

 

 

「――やっと気づいてくれた。何?放置プレイかと思っちゃったよ。」

 

 

メイオルティスだった。

 

彼女は何食わぬ顔で自分の皿に盛られた料理をもくもくと食べつつ(しかも箸を使ってである)クレイルの突っ込みを流す。

……余りに自然なその態度にクレイルは自分が間違っているのだろうかと思うが、ここで自分が折れたら何かが終わる。

そう確信し、のんきに目の前で料理を口に運んでいる彼女に突っ込もうとした時……彼女もハッとした表情になったかと

思えば、箸を『バシン!』とちゃぶ台に叩きつけるように置き、次にクレイルを睨み付けながら口を開いた。

 

 

「って、そうだった!クレイル君、君――私に何したの!?」

 

「は……ハァ!?何だ!何のことだ!!?」

 

「誤魔化さないで!君にプラーナ貰ってからおかしいんだよ!

 私の存在が書き換わってるし、私が使えた力も使えなくなってる……どうしてくれるの!責任とってよ!!」

 

「何だ!?何の話だ!!?俺に解るように説明しろ!!」

 

 

メイオルティスの話に寄ると――クレイルと取引した際にプラーナの供給を受けた後、確かに体力も魔力も回復した。

だが、その代わりに冥魔王としての力を失ってしまい、魔王の写し身であったその体は本体との接続は完全に切れる。

挙句の果てに何の冗談か『ウィザード』の力を得てしまったらしく、彼女は全く別の存在になってしまったらしい。

……前代未聞も良い所の出来事であり、そんな話を聞かされたクレイル本人も『侵魔や冥魔がウィザードになった』と

言う例など聞いた事も無かった(※強大な魔王と契約して力を得た『落とし子』については例外)為、完全に戸惑う。

 

 

「……マジで言ってるのか?」

 

「酷いよ!人をこんな風にしておいて、その言い草は無いじゃない!!」

 

「まて、誤解を受けるような言い方は止めろ!?」

 

 

助けを求める視線を空原と氷雨に送るが――二人はクレイルに視線を合わせようともせず、黙々とちゃぶ台の上に鎮座

している料理に箸を伸ばし『あっし達には関係の無い話でござんす』と言わんばかりのスタンスを貫いていた。

……孤立無援、四面楚歌、これはかつて無い非常に苦しい戦いになりそうだとクレイルは思い、自分に不利な発言を

しない様に且つ平和的に終われる発言を探そうとするが……。

 

 

「――解った!解ったよ!責任取れば良いんだろ!!」

 

「あ、責任取ってくれるの?」

 

 

責任を取れば良いんだろ、その言葉を聞いたメイオルティスは困惑し、涙まじりの表情からニヤリとした表情。

言い換えれば子悪魔的な笑顔を浮かべ、二人は『あーあ、地雷踏みやがった』と言わんばかりの表情を浮かべた。

 

 

「――お、お前……!」

 

「住む所と着る物、食べ物を提供してくれたら家賃程度にはクレイル君の仕事を手伝ってあげるよ。

 でも、発言の撤回は認めないからね、この二人が証人だし。」

 

「う……うぐぐぐ……!!」

 

 

 

 

 

――この後、彼女を家に連れて帰った時、非常に大きな騒動があったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<あとがかれ>

 メイオルティスは俺の嫁(何

 

 

 

 

 

 

氏  名:メイオルティス

C  V:田村 ゆかり

ス:イリュージョニスト (※セブンフォートレス・メビウス、『ラース=フェリア』サプリメント参照。)

スタイル:キャスター

備  考:小悪魔

 

 

 

 

 








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