その笑顔が見たくて

その笑顔が見たくて
～In the white world～

　episode 13

　季節はゆっくりと赤から白へと変わっていき―――クリスマス、大晦日、初詣。まあ重要と思われる行事も概ね無事に過ぎ、今は2月も半ば。

　外にはまだ少し雪が残り、春はまだ遠い。学校は卒業の色が濃くなり、どこか落ち着きのない雰囲気が常に立ち込めている。

「この寒いのはどうにかならないものかね。」

　そう笑いながら年寄りクサイ台詞を漏らしたのは誰だったろうか。確かに、雪はなくなったとはいえ空気は肌寒い。まだコートは必需品である。

　この悲しみを覆った雪がなくなれば。あのことを連想させるこの雪がなくなれば。

　あれは忘れもしない2月2日―――

「楓さん。今日は夜から雪が振るそうですから。帰宅は早くお願いしますね。また東さんの家で遊んでくるのは今日は控えてください。」

「はいはい。了解しましたっと。」

　楓さんは玄関の扉を開ける。その隙間から冷たい風が入ってきた。

「瑠璃ちゃん。なんか母親みたいね。」

　後ろから声が掛かって振り向くと、明日香さんが立っていた。

「ちょっと明日香さん…」

　私が困った顔をすると、彼女はもっと意地悪な顔になって、

「そっか。お母さんじゃなくて奥さんか。ごめん、間違えちゃった。」

「ね、姉さん…」

　楓さんが困惑した顔で明日香さんを見る。

「じゃ、じゃあ俺は行かないと遅れるから。」

　楓さんはすぐに目を逸らして逃げた。

「あら。逃げた逃げた。そんなに恥ずかしがることないのにね。」

　そうは言われても恥ずかしいものは恥ずかしい。楓さんが逃げた理由もわからないわけではないが…

「瑠璃ちゃんも楓をしっかり繋いでおかないと逃げられるわよ。男ってそんなものだからさ。」

　明日香さんの集中攻撃を私が一身に受けてしまうということを考えなかったのだろうか。

「ほ、ほら。明日香さんも学校ですから早く支度してください！」

「いいのよ、照れなくたって。家族公認なんだしさ。」

　顔の温度が上がっていくのが自分でもわかった。赤い顔を見られないようにそっと目線を逸らす。

「あ、そうそう。帰りはそれほど遅くはならないと思うわ。雪が降るそうだし、尚更ね。」

「分かりました。それじゃあ食器の片付けとかしますので。」

　明日香さんは手をひらひらと振ってそれに答えた。

「片桐、今日はどうするんだ？」

　電車の中で、東が訊いてきた。表情から察するに疑問ではなく、確認に近い問い。

「ああ、今日雪が降るらしいから早く帰って来いと釘をさされた。」

　そして俺は彼の期待を裏切ってしまった。

「そ、そうか……じゃあどうしようか…」

「茜ちゃんは？俺とばかりつるんでないで少しは相手したらどうだ？寂しがるぞ。」

「ああ、今あいつは忙しいからな。役員なものだから卒業式やらで東奔西走してるからさ。―――でもまあ、手伝うってのも悪くないかな。」

　窓の向こうの市街地を眺めながら東は言った。どこか嬉しそうな顔だ。

「邪魔だ～！って怒られるかもな。」

「ありそうなことを言わないでくれ…」

　俺が笑いながら言うと、東は大げさに肩を落とした。

「まあ何にせよ。英語のときは頼む。今日は古文もだ。」

「話が大きく飛躍したな。」

「何者も常に新たな、遥かなる高みを目指して飛躍していくのだよ、楓クン。」

「まあその言葉には大きな疑問があるが、突っ込むのも面倒なのでやめておこう。それにいつもの事だしな。」

　俺は肩をばしばしと叩く東の手を払って、車内へなんとなく目をやった。

　すると、目が合った。茜ちゃんだった。目が合った途端、茜ちゃんは見えない位置に姿を隠した。

「何笑っているんだよ、気持ち悪いな。」

「いや……向こうに茜ちゃんがいたぞ。まるで監視してるみたいだったな。こっちに呼んだらどうだ？」

　東は携帯を取り出し、電話をかけ、少し言葉を交わして切った。何を話したかは電車の騒音で聞き取れなかったが。

「偶然だね。こんなところで遭うなんてさ。」

　背中から掛かった声は茜ちゃんものだ。どうやら偶然を装うらしい。

「そうだな。偶然目が合って偶然隠れたしな。」

「う……」

「そうそう。全くもって偶然だね。」

　東が腕を組んでうんうんと頷く。

「雄貴の馬鹿！何よ。少しぐらい合わせてくれたっていいじゃない！」

　茜ちゃんが東のつま先をかかとで踏みつける。スニーカーだったから、よく知られる女性の履物よりは痛くないだろうが、全身全霊を込めた蹂躙は相当こたえたらしい。東は声にならない悲鳴を上げた。

　まあよくこんなのでやっていられると感心したことがあるが、両人曰く俺の方がもっとその点では不思議だそうだ。

「――――――――――――――――」

　二人はまだ文句の応酬を繰り広げている。

「おい。駅についたぞ。乗り過ごす気か？」

『え？あ、降りる。』

　二人は同時に俺を見て、異口同音に言った。

トゥルルル…トゥルルル…

　電話。洗濯物を畳むのを止め、リビングの入り口にある電話を取る。

「はい。片桐ですが。」

　この電話の受け方も身に染みている。帰る家はないが、あったとしても、もしかしたらこの受け方をするかもしれ

ない。そう思うと少しおかしくなった。

「明日香さんはいます？」

　男の声。名乗りも無い、何の逡巡も無い無骨な問い。でたらめを言おうとでも思ったが、どちらにせよ大学に行っているのではこの電話に出ることはできない。

「申し訳ありませんが、只今出かけておりますので……後で此方から掛け直させて頂きますので、お名前とご用件を――――」

ブッ、…ツー、ツー、ツー――――

　切れた。しかも受話器を乱暴に置いたらしい。ちょっと耳鳴りがしている気がする。

「いったい何？」

　彼氏からかしら。おそらくはそうだろう。でもあの態度は許せない。明日香さんに付け口して直させようか。

　そして、またいつもの家事の中へと身を置き直した。

――――このときまで、私はまだ何も気付いていなかった。いや、未来を察知するなど人には不可能だから、それは不可抗力だったかもしれない。でも。あの違和に気付いていれば、あんなことは起きなかったかもしれない。

――――このときまで、俺たちはまだ幸せだった。今が不幸という訳ではない。まだ裕福なほうだろう。でも、それは経済的なものであって、精神的なものではない。そしてこの後――――

　瑠璃は、リビングに転がっていた。昼食後、何の仕事も無いときの彼女はこうしてテレビを見ながら転がっている。もちろん食器等の片付けは済んでいる。彼女を見る限り、食べたあと寝転がると牛になると言う俗説はデマのようだ。

　瑠璃は、膝より少し上と冬後半にしてはまだ短いスカートを穿いているにもかかわらず、うつ伏せになって両足を大きく開き、膝を曲げ、頬杖をして、男が見たらよろめきそうなあられもない姿でテレビを見ている。

　この姿を楓が見たらどう反応するかは、あなたの想像に任せて割愛させていただく。

「最近物騒になってきたわね…」

　１時までのサングラスをかけた某氏が司会の長寿生番組を見終えると、年頃の女の子にはあまり面白くない番組ばかりになってしまう。とは言え何をするというわけではないので、ワードショーを見ておばさんらしいコメントを漏らすしかない。

　何か趣味を持てば？と２人から口々に言われるが、そう言ったこととは無縁に育ってきた――生きてきた――身であるから、そう簡単に言われても難しい。楓のように音楽がわかるわけではないし、明日香のようにはしゃぎ合える友達もいない。特技と言えば料理とかだが、それは全て仕事と化している。

「趣味ね……今度本でも買ってこようかな…お金が無いわけではないし。」

　余談だが、瑠璃の仕事は年中無休、しかも朝６時前から夜の１１時過ぎまであるから、この不景気と言われるご時世、自給８００円足らずでも下手をすれば小さな会社の平社員の月給を越す。まあ、住み込みは勤務時間がばらつくので、日給ということになっているが。

　ともあれ。食費、住居費は給料から引かれているため、特に何に使うでもない瑠璃の貯金は積もり積もっている。羨ましい限りである。

「たまには服を見に行くのもいいかな。春物は少し早いかもしれないけど。楓さんと２人でさ…」

―――そして。電話が鳴る。人生と言う階段を崩す、彼女たちには早すぎるトリガーが。

「はい。片桐ですが。」

「七瀬…瑠璃さんですか？」

　瑠璃は、返事をするのに一瞬を要した。こう訊いてくる事は今まで１回も無かったからだ。家の外との関係が希薄な彼女にとって他人からの電話はほとんどありえないはずだから。

「…はい。そうですが。どちら様でしょうか？」

「申し遅れました。私は警視庁の神崎です。大変申し上げにくいのですが…片桐明日香さんがお亡くなりになりました。」

カツンッ……―――

　瑠璃は、コードレスの電話を絨毯の上に落とし、自分もへたり込む。まだ何やら声の聞こえる電話に手を伸ばし、それを耳に宛がった。

「―――――璃さん！？大丈夫ですか？」

「はい…何とか…」

「それでですね。身元の確認をして頂きたいので、警察病院までお越しいただきたいのです。迎えの私服警官を遣りましたので、それに乗ってください。楓さんには私から連絡をしておきます。それでは、失礼します。」

　音も無く、電話は切れた。そして、迎えにきた女性警官がリビングの戸を開けるまで瑠璃はそこにへたり込んでいたままだった。

　笑い声や明るい悲鳴が交錯する教室。

「だから。あれは俺の予測範囲外だっていってるだろ？いきなり飛ぶなんて考えてなかったんだから…」

「どうであろうとお前が悪いことには変わりないだろう。って言うか予習くらいしろ。」

「難しいことをおっしゃいますな、お代官。」

　ぐへへ。という吹きだしが似合いそうな顔で言う。

「おぬしも悪よのぉ…ってふざけるな！」

　楓の裏拳が東の右のこめかみにクリティカルヒット。

「お代官様こそ…ってぐがっ。」

　その様子を、すっかり慣れきってしまった級友は温かい目で見守っていた。

「片桐さんはいますか？」

　教室の入り口に禿げ頭。今年来た事務員の小田原さん。

「はい。私ですけど。」

　楓がおずおずと手を上げる。東が止めときゃいいのにと言わんばかりの顔で楓を見るが、もう後の祭りだった。

「電話です。事務室まで来てください。」

　授業が始まっても、楓は教室に現れなかった。教団に立っている教師は連絡を受けているようで、さしたる問題にはしなかった。

　授業も終わりかけになって、教室の扉がゆっくりと開く。そこに立っていたのは憔悴しきった楓だった。級友は皆驚いた表情を見せる。教師もまた然りだった。

「片桐くん？何かあったんですか？」

　楓は、教師に１枚の紙を差し出した。それを受け取り、読む。すると、教師は瞬く間に顔色を変えた。

「行きなさい。」

　紙を返し、教師はそうとだけ言うと、楓の背中を軽く叩いた。そして教鞭を取り直す。

　楓は、ふらふらと席まで歩き、机の横にあったバッグを取った。

「おい、楓。……何があった？」

　東が小さく訊くと、楓は教師に渡したあの紙を東に差し出した。

『片桐楓君のお姉さんが事故でお亡くなりになったので病院に行かせる為早退させてやってください。事務室長　小田原　優治』

　紙には殴り書きでそう書かれてあった。

「……嘘、だろ？」

「俺だってそう思いたいよ。」

　虚しい声。楓の目は赤く充血していた。泣いた所を皆無と言ってもいいほど見たことの無い東は、思わずそこから目を逸らした。

「楓。何かあったら俺に相談してくれ。役に立たないかもしれないけど、俺はお前の味方だから。」

　楓は、背中越しに掛けられた親友の声に小さく頷くと、教室を重い足取りで出て行った。

　そして、ちょうど正門前に車が止まり、そこから出てきたスーツを着た男に迎えられて病院へと向かった。

「楓さん…！」

　瑠璃が、楓の姿を認めるなり駆け寄って、その胸に飛び込んだ。

「瑠璃ちゃん…」

　楓は力なく抱き留め、その髪を軽く撫でた。

「片桐楓君だよね？」

　楓は掛かった声に聞き覚えがあった。でも、思い出せない。とりあえずその質問に頷いた。

「警視庁の神崎です。覚えているかな？まあ覚えている、というのも複雑なんだが…な。」

　中年太りを起こしていない長身で、どこか機智を感じさせる顔つき。それに楓は心当たりがあった。父親が死んだとき、電話をよこしたのも彼だった。

「事件についての話は後にして、まずは―――」

「ええ。分かりました。…瑠璃ちゃん。」

　楓の声に瑠璃は頷き、そっと離れてもといた場所に戻る。瑠璃の目も真っ赤に充血していた。

「……お悔やみ申し上げます。」

　白衣を着た女性が礼をし、蝋燭の光だけが支配する部屋でその白い布を取った。

「姉さん……」

　その顔は痣だらけで、その青白い顔は思わず目を逸らしたくなる。

「お姉さんの片桐明日香さんに間違いありませんか？」

　神崎が小さな、しかしはっきりとした声で訊く。

「……ええ。間違い…無いです。認めたくは、無いですけど。」

　沈黙。誰も喋ろうとはしない。

「今回のことでお話がありますので、急ではありますが、部屋を移して…」

　楓は頷き、女医が白い布をもう一度掛ける。

「死因は失血死のようです。発見場所は隣町の商店街の路地裏。現場の状況や痣などから見て強姦に遭ったものと思われます。―――――それでなのですが。」

「司法解剖でしょう？それはお任せします。検挙に役立てば幸いです。」

　重苦しい雰囲気の中、男２人の話は黙々と続いた。

「助かります。詳しい話は後ほどにさせて頂きます。それと、これは私の携帯の番号です。何かありましたらここに。」

　差し出されたメモ紙を受け取り、携帯に挟み込む。

「私に連絡があるときは瑠璃ちゃんを通してください。あいつはいつも家にいると思いますので。」

「…分かりました。それでは明日そちらにお伺いいたしますので。葬儀等の予定をお教えいただきたいので。」

　楓は頷き、廊下に出る。

「一つ言い忘れていました。瑠璃さんに出かけるときは注意するようにお願いします。念のため女性の私服警官をガードに回らせるつもりですが。」

「……それについては私からもお願いします。瑠璃ちゃんにはそのように言っておきますので。明日は夕方にお願いします。」

　返事も待たず、楓は扉を閉めた。扉のすぐ横にいた瑠璃にさして驚いた風も無く、

「帰ろうか、瑠璃ちゃん。」

　そう小さく言って瑠璃の髪を撫でた。

―――同時刻、教室。

「なあ東、片桐は何で帰ったんだ？事務室に言ったって事は風邪じゃなさそうだが。」

「いやいや、事務室に行った後、保健室に行ったのかもしれないぞ。」

「もしかしてあの年下のお手伝いさんに何かあったとか？」

「いや、そう見せかけて大学生のお姉さんかもしれないぞ？」

「違うな。その両方だよ。」

「でも一体何があったんだよ？あんな顔して帰るなんてただ事じゃないぜ？」

　声が交錯する。―――東の席の周りで。しかし、あの迎えに来た車の話が全く無いことからしてそれを見た人間は東だけのようだった。

「何故俺に訊く？それと、どうでもいいけど何で俺の周りに集まるんだ？」

「それはだな、東。いたって単純な理由だよ。君は片桐君から早退の理由が書かれた紙を見せてもらっている。みんなその理由が知りたくて集まっている。まあ三割は野次馬だろうけどな。」

　東にだってそんなことを訊かなくても分かっていた。分かっているけれども、理解できなかったし、親友の非常事態を話の種にできる級友に不快感を覚える。

「帰るか…」

　東は、わざと声に出して立ち上がった。

「ちょっと待て東。理由を言わない限りここから逃げることはできんぞ。」

「言ってどうなるわけでもないだろう？そこを通してくれ。」

　言ったところでどうなるわけでもなし。人は集団に属すれば気が大きくなる。一対複数で東の言葉に耳を傾けるものは少なかった。

「明日になれば分かるんじゃないか？俺としてもあいつの許可無しに喋るわけにはいかないし。……どいてくれるか？」

　東の言った台詞は一同を静めるには事足りた。明日になれば分かる。それが示すいくつかの意味。

　自然と東の前に一本の道が生まれた。そこを通って廊下に出る。

「…雄貴？」

　廊下に出た途端、声が掛かった。水上茜だった。

「茜か。どうした？」

「どうしたって…なんか教室が騒がしかったし、雄貴、中心にいたみたいだったし…」

「別に。気にすることじゃないさ。…部活とかは無いのか？」

「今日はオフ。で、一緒に帰ろうかなぁ…って…あの…その…」

　急にもじもじしだす茜に黙って先を促す。

「で、でね。雄貴の家に遊びに行ってもいいかな、って…ダメ？」

「ダメなわけないだろ。それじゃあ、とっとと帰りましょうか。」

　茜は急に明るい顔になって、

「うん。」

　と言って、そっと東の手を握った。無論、東は拒否するわけもなく、そっと握り返した。

「楓さ、早退したの知ってるか？」

「え？そうなの？風邪？」

　茜は、東のベッドに仰向けになったまま訊き返した。

「……誰にも言わないって約束できるか？」

　神妙になって言った台詞から何かを感じたのか、茜はベッドの上に座りなおして頷いた。

「明日香さん、知ってるよな。」

「何度か瑠璃ちゃんと一緒に買い物に付き合ってもらったりしてたけど？明日香さんに何かあったの？」

「―――――――――――――――」

「ねえ。何とか言ってよ。」

「事故だってさ。」

「――――え？」

「明日香さんが死んでしまったってことだ。」

　茜は東の言っている意味が分からなかった。茜は瑠璃と明日香の３人でよく遊んでいた。それが故にその事実を認めたくはなかった。

「明日香さんは今年でちょうど二十歳だったから、新聞に名前が出るだろうな。」

「雄貴は…悔しくないの？」

「……そりゃあね。」

　茜はベッドから降りて東に詰め寄った。

「嘘。じゃあ何でそんな顔していられるの？」

「辛いだろ。俺までそんな顔したら。」

　茜は東の肩を掴んだまま、どのような顔をすればよいか分からなくなっていた。

「楓はもっと辛いんだ。俺まで鬱になってたらあいつはどうすればいい？」

「……ごめん。」

　茜は額を東の肩に乗せた。

「いや…いいよ。別に茜は悪くない。」

「ありがと。」

　茜は涙声で笑った。

「泣け。ここには俺しかいないから。」

　茜は胸の中で小さく頷き、泣いた。

　この後、この場面を母親に見られ、こっ酷く怒られたのは誰にも言えない話である。

To be continued

この話はフィクションです。

実在の組織、グループ等とは何ら関係ございません。

尚、ＫＳＴ内とのプロフィール等とは少々相違点がありますがご了承ください。
��z�A�w�E��C�y��