重たい暗い地味な服に身を包みながら懐に手を伸ばす。

緑栄える風景を眼下に納めながら一本の葉っぱを寄り合わせたスティックを咥えた。

石造りの町並みと、深い緑に包まれた森がのどかな風景を作っている。




「平和だねー」

そうだなぁ。

手元で気化した油に火打石で着火し口元のスティックに……







オイ。








極めてナチュラルに俺の隣りにいた半袖シスターセイン。

「お前何してんの?」

「見て分かんない?」

そういって無い胸を張る空色の髪をした腕白新人騎士兼シスターの外見を観察すると……

あー、うん、なんだ? バッテンにテープと瘤が後頭部に……

「お前また……」

「アハハいやさー、退屈な日常にスパイスがいるかなーって」

あー、なんか耳を澄すと何やら大きな叫び声が……










「……セ……!!」






しかも段々近くなって……





「……セイン!!」





来ている、ような……




「シスターセイィィィィン!!」

「うわ来た!!」

よし。

携帯灰皿に火が点いたばかりの煙草を入れて……








トラップ発動、シスターセイン。

効果:トンファーシスターの攻撃を一ターン逸す。










鬼ーとか、人売りーとか言われてるが俺だって命が惜しいのだよ兄弟。

せっかくの喫煙休憩を邪魔されてしまった。

まあパチモンとはいえ牧師服着てヤニっつーのもアレなんだけどさ。

しゃーねーな、嫌だが行くか……

ここ、聖王教会本部においても割りと奥にある部屋。

つまり偉い人の部屋だ。

精密に切られ鏡面のように磨いた石を敷き詰めた廊下、

宗教機関に相応しくもあれば質素というものでもない。

ドアノブどころか、電化製品まで自力で修理した孤児院施設との差に泣きたい。






                  ケイスケの教会編







そんな奥にある、やはり高価な印象を受ける木製の両開きのドアを片側だけ開ける。

「ちーっす戻りましたー」

部屋の中はやはり高級な印象。

そこを彩る机や本棚は素材から塗られたニスに至るまで、そんな金があったら遊びに使うと豪語できる高級品。

勿論納められている無数の物品も目が飛び出る品ばかり。

ここの本一冊でバイクが買えると知った時はここが宝の山に見えたものだ。

そんな部屋に何の因果か通うハメになるなんて……











「お帰りなさいませご主人様」

……落ち着け、はい落ち着け俺、いつものパターンじゃないか。

スーハー、スーハー、よし。

「いい加減やめんかああああああ!!」








その身を包むものはシスター服。

ヘアバンドで留められたロングヘアとあいまって、極めて清楚な印象を人に与えるだろう。

元ナンバーズ12番、現聖王教会シスター見習ディード……

さる眼鏡猿が抜かしたジョークを本気にして、

何が楽しいのか俺の事をこんなふうに呼ぶようになりおった。









「しかし、既にこれに慣れてしまいましたので」

以前の無表情時代とは明らかに違う、困りましたという表情。

感情方面が進歩したのはいいのだが、頑固な部分があるのはどういう事か?

「相変わらず仲が本当によろしいですね」










……たまに思う、男というだけで俺って視界に入ってなくね?

ニコニコと邪気を全く感じない笑みをこちらに向ける女性。

金に輝く癖の無い髪が地味な修道服のせいで強調される。

髪から覗く造形、美しいという形容詞が一番合っている。

若干年齢不詳だが……












管理局名誉理事兼聖王教会司祭、長過ぎる肩書きをもつ騎士カリム。

別名、一番年上のくせに一番おっとり女。

「取りあえず楽しんで無いで修正手伝ってくださいよ」

かなりじとーって目で睨むがまるで堪えない鉄壁の防御。

「あら、だって陸士に来ていただいたのは彼女達のためですよ?」

つまりは俺に全投げかこのアマ……




















何でまた六課の後はこんな辺ぴなところに飛ばされたか。

戦闘機人メンバーの処遇は大きく分けて三つ。

スカ野郎と同じで色んな世界の衛星拘置所にぶち込まれてる奴等。

ゲンヤのおじさんの養子になったメンバー。









とはいえナカジマの家にいるわけじゃない。

というか姉さん、スバルクラスの食費+4

何処の富豪なら可能ですか?





という事で施設で集団生活中。

残りメンバーは何故か聖王教会に入る事になった……なったんだ。

そりゃいいよ!! 教会が戦闘機人を認めましたってのはさ!!

何で俺も!?

「はあ、私だって最初はシスタードゥーエに頼むつもりだったんですよ?」

ええはい分かってますよ、あの反逆シスターが「忙しいからパス」とか抜かしたのが全ての過ち。

そして代わりにと俺を差し出したのが全ての事情……しかもその時のセリフは









やれ。










……憎い!! 姉さんとかシスターに色々逆らえない自分が憎い!!

そんなこんなでこの世を呪っている最近であった。

ちッと聞こえるように舌打ちするのがせめてもの抵抗。

当然だがここに来て遊んでる訳にもいかない。

何しろ俺の局での席は出向ではなく休職。

金払えといいたいが、実際の業務(というか事務仕事)とも関係ないため研修の名目が使えない。

結果として聖王教会、より正確には騎士カリムのポケットマネーから月々のお給金を頂く始末。

当然ながら金髪シスターの胸先三寸で俺の生殺与奪は確定するのだ。

まあ、かなりあるな、三寸は……











ジーっという視線を感じる。

借りた机に散らばる書類をまとめながら無理言って使わせて貰ってるノートマシンでタイプを続ける。

ジーっという視線はより強くなるがスルーを続ける、一々反応してたらかったるい。









ジーっと、ジーっと、ジーっと








「……あのなあ、言いたい事あったら言えよ」

「……スケベェ」

蚊の泣くような声で言われても堪えないぞ俺は、

入口のドアから覗くように視線を送り続けるナンバーズ[オットー。

いい加減慣れて欲しい、いやセインのやつみたいにはなって欲しくないんだけどさ。

その身を包むのは……包むのは……










よそう、ツッコミ入れないと誓ったはず。

なんかツッコミ入れると提供のはやてさんが喜びそうだし。

「騎士カリムお茶が入りました」

片手に持つトレイには真っ白い陶器の茶器。

それを正に見本というか見本をまんまトレースしてるというか。

取りあえず慣れた手付きでホカホカした紅茶とジャム、スコーンでお茶の準備が整っていく。

「ありがとうオットー、執事服も似合ってますよ」

俺がツッコミ我慢したのにー!!










提供八神はやて、あの元上司……オットーに絶対似合うとか言い出して

手縫いしおった。

びっくりだよ、マジびっくりだよ!!

キタキタキターとか叫びながら縫い手が分身を始めた時は。

多分、きっと、間違いは無い筈だが、騎士カリムは純粋に似合ってる事を褒めているのだろう。

だが、事務員は見た。

八神はやての机にOの他にF・T・HにSと書かれた型紙を……

そしてオプションとして、耳と尻尾もあった事実を……

例えそれを報告しなくても、緊急避難的な意味で無罪だと思ってる。

決してその写真を撮ったら高く売れるなんて考えてはいない。















お茶の間、ずーっとオットーのやつはカリム理事と俺の軸線先にいやがった。

まあ、スコーンを差し出すと取りに一瞬だけくるんだが。

相変わらず懐かない猫のようだ。

休憩が終わりまた書類整理に移る。

これはカリム理事に、これは認証だけだから俺が、これは……

こうしていると教会の色々なとこが見える。

シスターのとこの補助金が……他のとこよりゼロが多いのは気にしない……

ふーん、騎士団の実戦部隊の予備予算申請ねー。

なんかやらかすんだろうなー、確かオルセアに出向してるのが……

あれ? もしかしなくても「知る必要の無い」をブッチしてない俺?

確認したいが怖くて聞けない……
































「ん、んー!!」

下ばかり見て強張った身体を伸ばすとペキペキと関節が音を立てる。

気分を変えて続き続き。

すっと背後に人の気配がした。

なんだと思うのも一瞬だ。

肩に伸びる細い指が妙にピッタリな力加減で揉んでくれる。

「あーいいよ、それ……」

「はい」

ディード、彼女がこんな事してくれるのは勿論嬉しい、嬉しいが。

「メイドですから」

……ここでだったらメイド服でも着ろというと本気で着るだろうなー。

眼福だろうが止めとこう。

「ディード、後で私もいいかしら?」

カリム理事おるし。

「……」

死ねばいいのにと感じる射る視線もあるし。











ある程度仕事が終わるとシャッハさんにアイツらと一緒になって教会のお約束を習うのがいつもの日課になる。

勿論セインと並んで劣等生なのは言うまでも無い。

「……困りましたね、教会の習慣が分かってると思っていたのですが……」

シスターシャッハの呆れた声もこれで158回目。

だってシスターはこの辺超適当だったんだ……

学校だって、ちょっと校内に力の派閥があるだけの普通学校だったし。

「普通?」

シスターシャッハ頭抱えないでくれ。

ちょっと卒業すると、みんながみんな、ながーい黒い学生服着るだけだよ?

うんふつーふつー。















大体やる気が出ないんだよ、これ。

ベルカ自治区には娯楽が無い。

なんせロープレみたいなとこだし、文化保護区的意味合いもあるし。

ばーっと終わらせて、ばーっと遊べないって状況がストレスだ。

「はー、南部とかにいきてー」

「あー、あそこのゲーセンとか?行きたーい」

「行きたーい」

「……」

オットー、ここは倣う場面だぜ?

「ディードも行きたいだろ?」

「ご主人様の行かれる場所ならどちらでも」

……じゃあホテルとか言ってみたいが命が惜しいぜ。

グダグダな生活中。

六課みたいに騒がしいのは勘弁だが、ある程度の刺激は欲しいのが人情だ。

なんか無いかなー。





















カリム理事の手伝いがはけ、教会本部敷地内の借り家に戻る。

石畳の一軒家、こう聞くと生活グレードアップに聞こえるから不思議不思議。

しかし……オフクロ生存期よりナカジマ式(日本式)生活に馴染み切った俺がぁ!!

床に寝っ転がれない生活に我慢出来るわけねーだろーがあああ!!

カリム理事の金(ここ重要)でスノコとゴザを買ってベッド以外に敷き詰めた。

勿論ゴロゴロと横になったのは言うまでも無い。

はふう、この香りが落ち着く。

ふっと目に触れたカレンダー、よく読む漫画週刊誌の発売日だった。

読みたい……しかしここはベルカ自治区。

コンビニまでバイクで十分くらいかかる素敵に不便な場所。

……コミック化まで我慢かな?

とかふつーなら思うのだが。















「やっほー、漫画見せてー」

この馬鹿が来る。

セインのやつ、更に後ろから普通に入ってくるディード、オットー。

「ねぇよ」

「買いに行って」

「やだ」

こんな事話してるうちにオットーは勝手にオーディオつけるし、ディードは何故か置いてあるエプロンを付け始める。

てめえら……取りあえず。

「ディードいらんってんだろ、普通にしろ普通に!! つかオットーは何自然にベッドに座る!!」

それ以前になんだその抱いてる人形は!?

何故クローゼットにお前の縫いぐるみスペースがある!!










「ケイスケー、ジャ○プー」

「くそ、一走り行って来るか」

セインのやつは行くまで延々と注文するだろうしよ。

「いいか荒らすなよ!! 別に置いてあるの見てもいいが片付けろよ!!」

ジャケット羽織って、財布と鍵を確認。

外に置いてあるバイクのカバーを外す。

教会に屋根付駐輪場なんて物は無い。

当然ながら野晒し、ビニールカバーで防御。

台風とかになったらスノコを外して中に入れる予定だ。

「行ってらっしゃいませ」

……一応返事はした。

バックミラーに見えなくなるまでディードは頭を下げている。

どうでもいいが、お辞儀って何処の文化だっけ?

スロットルを開けてギアを上げるのを半ば反応で行いながら、必要な買出しを頭に浮かべていた。



































セイン視点

「いやー、ケイスケいいやつだよねー」

ニッシッシ、アタシらお小遣い少ないんだからある人に買って貰わないとねー。

「……セイン、あんまりよくないよ」

「とかいいながら、自分のスペース取ってるオットーでしたー」

ベッドの隅で縫いぐるみに顔を埋めながら言ってねー。

アタシ達がこの部屋に堪り出したのは何時だったか、最初は普通に遊びに来ただけだった。









何がここを基地にしたのか!!

それはここがシスターシャッハの監視外なのだー!!

つまりここでは裸足で足出してよーが、寝転がって漫画読もうが自由。

素晴らしいね、煙草臭いのがネックだけどさ。

何だかんだ言いながら双子もくるし。

たまに八神さんとかもケイスケ風に言うと沸く。

後はロッサも来るね、ナンパがウザイけど。

とにかく、ここがアタシ達の基地になるのは当然の帰結さー。











「セインお姉様、お飲み物は何にいたしますか」

「あ、アタシ紅茶ー」

「ボク、緑茶、砂糖だけ」

……これ、ギンガもやってたけど……ごめん無理だ。

「あ、ブルーレイ見っけ買ったんだ」

本棚に並ぶ青いケース。

ケイスケも好きだなぁ。

まあ見るんだけど。

P○3とかさー、一々電圧変換器とか噛ませてるんだよねー。

そう言えば画面はどうせTV見ないからって安く買えたーって言ってたな。

えっと……空気? なにこれ?

「ま、いっか、再生ー」

コンコン。

え?




























ケイスケ視点

ち、話に聞く黄金時代じゃねぇんだから三件目まで売切れとかすんなよ。

これだから合法ギリギリ物は。

卸売りが金払ってるけどあっちからすりゃ資源ドロとも言えるからな。

惑星レベルでマジで微量だが質量が減ってるんだし。

つーか卸売業者はどうやって現地貨幣調達してんだろ?

後はアイスを四人分買い足して帰還コース。

居住エリアには他にも何人も教会で働く人が住んでいるが夜八時だというのに皆さんご就寝済み。

俺みたいな不信心者くらいだよなぁこんな時間にバイク乗るのなんか。

タブーが少ない聖王教会だが規則正しい生活推奨なのは変わらない。

まー聖王さまの頭はたくレベルだからなー俺。





秘密だけど。





真面目にもう二度と祈らねえと心に誓ったし。







電気が付いてるの俺のとこくらいだよ。

何を娯楽にしてるんだ住民。

「ただいま」

……




















えーっと、確認しよう。

セイン達がいつも通り部屋を襲撃。

セインは床に大の字、オットーは陣地作成、ディードはキッチン占拠。

その後、セインの要望の買出しに行った。

よし間違ってないな。

じゃあ、何で……












『もう……ゴールしても』

「ゴールじぢゃだめー」

ガン泣きしてアニメ見てるカリム理事がいんの?

後ろの方で完全見物モードの三人に聞きました。

「セイン姉様が見始めたら」

「騎士カリムが来て」

「かぶりついた」

ディード、オットー、セインは完全に見物モードに入っていた。










その後エンディングに突入。

もう理事の周りは涙を拭いたティッシュの山だ。

何だろ、いいシーンの筈が画面より理事の方が気になる。

「ぐすぐす、もう一回最初から」

まてや。

「ちょっとカリム理事!?」

「ああ陸士お帰りなさい」

「いや今まで気がつかなかったのかよ。
つか何か時間の流れがおかしくない?
何でもうワンクール見終えてんだよ、何もう一周しようとしてんだよ。
それ以前になんでいんだよアンタぁぁぁ!!」

はあはあはあ。










「ご主人さまお水です」

ディードがすっと出すコップを一気に飲む。

さ、流石に今のをワンブレスでやり切るのは疲れた……






「……珍しく電気が付いてるので誰のお部屋か気になりまして」

うん取りあえず目が真っ赤ですよ局理事兼教会お偉いさん。

「陸士ーなんで死んでしまうのですかー」

いや、こいつは確か解説してただろ、空に行っちゃった人に伝えに行かないといけないって。

「おかしいでず、おがじぃでずぅぅ」

もう……また思いだし泣きかよ。

「ほら紙」

もーびーんって音立ててると美人が色々台無し。

「ううう」

……これは切りが無くない?
















……確かノートに……

「ほれ」

「?」

突き出したノートパソコン(地球製)。

「これ、原作ゲーム入ってるから」

「……原作ですか?」

そーそー持って帰って下さい。





「……やり方教えて下さい」

……はいはい……











パソコンを持って帰って行くカリム理事。

はあ……何か疲れる。

「ねえケイスケ、帰してよかったの?」

「何でだよ」

セインの言ってる事が理解不能ですよ?泊めろと?

「……泣いた騎士カリムがケイスケの部屋から帰る……」

ボソっとオットーが話した台詞……

考えないようにしよう。






























太陽が朝を告げ、ベッドの下から転がりでる。

昨日の時点の襲撃は無かったか……

しかし万に一つでもシスターシャッハと理事がエンカウントしたら問答無用は間違い無い。

段ボールを用意するべきか本気で悩む。

出勤時間まで部屋に引籠もり、出勤時はカモフラ率に気を使った。

簡単銃かオクトカム(顔含む)が本気で欲しい。









「おはようございまーす」

「陸士!! 他のありますか?」

うお!? 出会い頭?

部屋に入った途端カリム理事が待ち構えていた。






てか……目が真っ赤、クマがしっかり……

「あ、あーたまさか……」

「回想モード? ですか、全部埋まりました次のをお願いします」

ね、寝てねー!?

「いやそれ以前に時間おかしくない? アンタ時間に制御されてないで時間を制御してるだろ!!」

おかしいよ!! ゼッテーおかしいよ!?

何で最低五時間かかるワンクールアニメと原作ゲーム(しかもどっちも日本語)を
半日足らずでミッド人がコンプしてんだよ!!

「陸士……他のオススメを……」

聞けよ人の話!?




















「騎士カリム、魔法学院から戻りました」

「お疲れ様ですシャッハ、これを」

「? 騎士カリム、これは……」

「お米券進呈です」

「はあ?」

……染まり過ぎだ……











一日、理事は何かある度にお米券だった……

人が少なくなって頭がグラグラ始まる、明らかに廃人プレイです本当にありがとうございます。

寝息をスースー立てながら書類仕事をこなすのは既に神の領域だと思う。















どうやらシスターシャッハには色々バレなかったらしい。

呼ばれる度にドキバク動物だったのは不信がられたが。

そして今日も自室に帰ると客がいるのはお約束。

「あ、パ……にぃお帰りなさーい」

「帰れ」

上っ張りをベッドに投げながら勝手に某振り回すコントローラーで遊ぶやつに言っとく。

「むー、何でー」

「寄り道してないで家に帰る、当然だろ」

俺は何も間違って無いぞ。

「だって私ここじゃなかったら無限書庫以外行くとこ無いもん」

「家に帰れ、つかここをカウントするな」

サッサと無限書庫で原作齟齬を修ーーーーー(検閲)ーーーーー








「あれ? 俺何話してたんだ?」

「ダメだよパパ、邪神の検閲を招いたら」

な、何の事だ!? Sランクとかゆりかごとかそんなチャチなもんじゃねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を感じたぜ……

「あらヴィヴィオさん」

「あー、カリムさん、一緒にみ○ゴルやろー」

……










は!? 俺はいったい何を?

見回すと部屋の中にはカリム理事、ヴィヴィオ、セイン、オットー、ディードが揃っている。

しかもディード以外はみん○ルしてる……

は!? 時間が!! 時間が1時間くらい進んでいる!? いつの間に……

「ヴィヴィオ、お前帰る時間は!?」

「だいじょーぶ、パパのとこって言ってあるから」

「だからパ「陸士、いつの間に結婚を!?」」

……いたなーパパ発言初エンカウントが……









理事以外は平然としているくらいヴィヴィオが触れ回っている現実に泣きたい。

「あのですね「早く認知」ぐおらぁ!!」

こ、このガキ、段々発言がヤバくなって来てないか?

本当に七歳だろーかコイツ……
































オットー視点

陛下も段々したたかになられる。

でもディードもそうだけど、ケイスケが一々反応するから止まらないのでは?と少し思う。

「いいですか陸士、ロッサもそうですが女性に対して不誠実な」

「だから違うっつーの!!」

この会話にニヤリとしてる陛下を見るとそうでもないのかも。

セインは面白そうに見てる。

ディードは……マイペースにお茶のお代わり入れてるし。

はーはー言いながら騎士カリムに説明してるケイスケ。

でも騎士カリムもタフだ。

仕事中は限界っぽかったのに……









「と、とにかく、コイツが勝手に言ってるだけ!! そーいうのは無い!!」

「はあ、そうですか」

あ、アレは信じてないね。

というか陛下はもう飽きてゲーム始めてるし。

「オットー、遊○王詰まったー」

……何で陛下のユーザー登録があるんだろ。










「お嬢様紅茶です」

「うん、ありがとうディード」

「いえ」

……お嬢様?

「ディード?」

「許可をいただきましたので」

「誰の?」

「私ー」

……騎士カリムに貸与するものを探してるケイスケは気がついていない。








「何で?」

「うう、実は進学するにはメイドを連れていないといけないという校則が」

「嘘ですね」

? 何だろ、何で陛下は肩透かしを受けてるんだろう?

「むう、やっぱりオットーには通じないかー」

「申し訳ありません、次までに勉強して「しちゃダメだよ!?」」

? 何でだろう?








「ちなみにママは奥様って呼んでもらってます」

「はい、アイナさんには先輩としてご指導を」

いつの間に……ちょっと寂しいかな。

「いやオットー、そこもツッコむところだよ……」

はあ……





















その日は陛下をケイスケが送る事で解散。

騎士カリムはフェイトさんの名前と同じゲームを借りていった。

ケイスケは

「これはいくら何でも一日じゃ……」

って言ってたけど。

「陸士、続きは無いんですか!?」

「何でP○2版一日で終わるわけー!?」

とかなんとかあった。

僕もやるべきなんだろうか?






































ケイスケ視点

そして暗闘の日々が始まる。

何をどうしてどうやったらテキストだけで六○時間かかるものを一晩でタイガーコンプできんだよ!!

なんつーか、そう。

既に意地の領域である。

「身体は予言で出来ている、血潮はインクで心は羊版紙……」

染まり易いカリム理事が面白いというのも少し、ほんの少しあった。











「これでどーだ!! ロープレならどう足掻いても時間短縮はねーだろ!!」

某有名王道ロープレ八本(一本だけSFC)







三日で終わらせやがった。









「な、何故だ……レベルはまだ分かるが携帯5のモンスターコンプ……しかも三匹……6、7の職業コンプ……」

「大変でした」

大変で済ますな!?









「これならどーだ!! スニーキングゲーム!!」

時間をかけないで最高称号は不可能、何よりアクションなら!!

「陸士……ダンボールって落ち着き……」

……執務室で被らないでいただきたい。












く、何てお人だ。流石に睡眠時間はヤバいようだが……

仕事中、スピーと音を立てているのにペンが止まらないのはどう言う事でしょう?

しかし、この日々も終わる時が来る。




















「シャッハー後生ですからー」

「いけません!! 没収です!!」

ハードを積み上げて、それを持ったシスターシャッハの足。

そこにしがみつく管理局理事にしてベルカ騎士のカリム。

……何かを彷彿とさせる光景に何も言えなかった……
















で。

「ううう、お世話になりますぅぅ」

「いらっしゃいませ騎士カリム、どうかおくつろぎを」

ディード、それは俺以外が言うべき台詞では無いと思うんだ。

「騎士カリム、どうぞお好きなものから初めてください」

オットー何サラッとオレの所有権侵害してんの?

「ケイスケー、カリムが来たからアイス足りなーい」

セイン、何で俺がパシられるの?

「……確か……あの二本の元って……これ、やってみましょう」

何んで理事もふつーに漁ってんの?

何ピンポイントで魔を斬する大聖引っ張ってんの?

後月の箱も引っ張り出してるね……

シスターシャッハにバレるまで、ここはカリム理事の時間に支配されました。





























後の話

ふう、あー楽しみました。

しかし、流石に陸士のコレクションも大部分消化してしまいました。

「私はこれから何をしたらいいのでしょう……」

あら? これ、はやてから?

(カリムへ、なんや色々ゲームしとる言うから私からオススメや、ケイスケ君には秘密にしてなー はやて)

何でしょう? はやてのオススメですか、楽しみです。

タイトルは、ええっと、前のロボットと同じメーカーの……咎○の狗……






















ケイスケです、何か最近視線を感じます。




ケイスケです、ロッサ査察官と話をしてると二人で全身に鳥肌が立ちました。



ケイスケです……

「……ゲンケイ……ヴェケイ、いえ、ケイヴェ……うっ!?」

鼻を押さえるカリムさん……

書類の下にコマがある紙、何より爪に挟まったトーン……

シスターシャッハに夜逃げの相談をしたのは一分後でした。




後書き

鬼丸です、久しぶりなケイスケを送ります。

もしも教会に行くことになったら〜で始まりまして、カリムがキャラ薄いためこんな属性追加を。

なんというか……ごめんなさい。

拍手はもらっているんですが、雪児のものをこっちに乗せるのはどうかなということで、

次回のHOME_REHOMEに載せます。

それでは失礼します。



追記 拍手は出来るだけあて先を書いて送ってください。
拍手はリョウさんの手で切り分けられています。

作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。