前回 スバルとちょっと練習してみました
予想外の仕事が入りました。
少し毒吐いてみました。
疲れた……


    ケイスケの機動六課の日々その5


さてさて、ウチの交代部隊以外の初出動がありました。

記録見たところテラ危ねえ、チビ共少しとちった死んでるよ。

そもそもライトニングの部隊配置がおかしい。

隊長が空だし副隊長は交代部隊の指揮で常駐できない。

仲良くなった以上、一応意見もの申すべきだろう。

今回の書類が終わったら。




あいつら物壊しすぎだろ、車両いくつ壊してんだよ、電車はデカくて高いんだぞ。

ロングの方々は通信報告書類作成してるわ隊長ズは訓練やら調査やらでいやしねえ。

なんとか必要経費で落とさねーと六課の予算超えていきなり借金部隊になっちまう。

くそ車両の保険会社に連絡して絶対保険払わせてやる。
















またしても人事にお世話になった。やつの調査と脅迫能力は素晴らしい。

違法しまくって集めてるから書類に書けないがな。

少なくとも食事をとる余裕ができた。

すまんね、ウチの隊長ズのサイン入り生写真で勘弁して。

馬鹿の一人はネガごとで三十出した。ラッキー。







メシ時間、今日の昼は麺類の気分、ペペロンがあったのでそれにする。

薄い、もっと辛くしてほしい。

フォワード組とはほぼ2日に一度は同席する、なんか事務組より仲がよくなった気がする。

いやいいんだけどさ。

なぜかエリオの部屋なんか俺の私物があるし、

「ケイスケー 座っていい?」

ほらきた返事前に座るよなお前。

スバルは相変わらずだ、話す時以外暗いやつだったのに、

何がそんなに変えたのやら。

「座るわよ」

ランスターさんはあんまし俺とは喋らん、どっちかつーと付き合いだけってかんじ。

「「しつれいしまーす」」

ちみっこは慣れてくれた。

最近はスバルもタメ語しろと言ったそうだが隊長前でうっかりしたらまずかろうと止めさせた。

ブーブー俺に文句言ってきたが。







話題は前の出動のこと、ここで今の不安を言いたいが

チビの不満になるだけだろうと自重。

むしろエリオ達に喋らせた。

何だかんだといい経験にはなったと結果論だがそう思うことにする。

後は増長しない程度にシバかれて、適度に死にそうにシバかれていい魔導士になるだろ。

スバルは俺のことを親父さんと姉さんに連絡したとのこと

「絶対に一度会いにいってね!」

うーむこれがいい機会と思うべきか?

不意にランスターに目が合った、なんだ? 何か知らんが不機嫌だ。

は、まさか本当にユリの人でスバルとあーんな感じとか!

だからそんなに不機嫌なのか?

「ちがうわ!!」

地の文にツッコまないでいただきたい。















さて午後の業務だが…… 終わらねえよ!

くそフォワード組の報告書類がこねえ、

ヤツらの使った備品、用はカートリッジだが何発使ったかてのが来ねえと発注できねーだろ。

実際はもう知ってるんだが、報告がきたから発注したというプロセスが必要だ。

あいつらの決済が終わってからじゃねーと書類不備で二度手間になる。

くそまた残業かよ。







今回は事務の新人達にやらせることにした。

前線の4人を手伝ってこいと指示。

経験としては悪くないはず。俺は今回動きません。

発注を来たら直ぐ書類を出せるように準備。

後は新人ズとフォワードズの飲み物を買って冷蔵庫に。

そんなことしてるとアルトとルキノがやたらとニヤニヤしやがった。

「いやーいい先輩だねルキノ君」

「ほんとですねー」

「なんだよ奢んねーぞ」

「いやいや、そんなことしませんよ」

「ただ少し〜手伝ってくれ「だが断る!!」ってはや!?」

このケイスケの最も好む物の一つそれは上からもの言う奴にNO!! と言ってやること!!

「けち、後で怖いぞ〜」

断る、最近散々残業したんだ少しくらいまったりさせろよ。

こういうグダグダ空気を締めてくれるのが連日トップ高のロウラン補佐官

報告書まだ上がってませんよ、と纏めてくれた。

「少し休憩しま〜す」

さっさと移動、しばし待って印刷決済で今日の業務終了。

帰れる……



















最近というか配属になってずっと視線を感じる。

いや犯人分かってるんですけどね。

なんというかツッコミをしにくい方なもので放置プレイをしていました。

例えば八神部隊長ならやってもまったく問題ないと思うのだが

今まで碌に話したことの無い人でしかも上司なものでどうしたものかと

相談しようにもできる人がいないときたものだ。

しかしさすがにずっとこのままという訳にもいかない。

三週間近く放置した俺の台詞ではないが……






一人で廊下を歩く、視線は…… あるある。

基本としていきなり振り返ってみる。

角に隠れた、相変わらず髪の毛隠せてないけど……

一本道の廊下で振り返ってみた。

すごい風を感じたと思うと窓が開いていた。

歩いている途中でバナナの皮を置いてみた。

後ろでズッテーンという音がした。

狙ってるんじゃないかと思う俺の感性はおかしいだろうか?

廊下の途中でいきなりダッシュ!!

後ろからパンプスのカツカツした音で付いてきているのを確認

曲がり角を曲がると急停止

待つこと少し、走りこんできた金髪の隊長

「ケ、ケイスケ陸士、偶然ですね」



みなさーん、もうツッコミ入れてもいいですか〜〜

まさか律儀に引っかかるとは……







コーヒーを二本買って人目の無い屋上に移動する。

ここは話しやすい状況を作ってやるのはマナーだろう。

コーヒーを一口、あー落ち着く。

「で、なんの用ですか?」

「その、いつから気が付いていたの?」

んな台詞が飛び出てきた。

あっアホかーー

あのさ、この人執務管だよね。馬鹿みたいな超難関試験をクリアしたエリートだよな?

雷光なんて二つ名をもったエースだよな?

「え〜エリオんとこに泊まった日からですが」

「さっ最初からなんだ……」

おーい誰だよこの人合格させたの

「その、エリオとキャロの事なんだけど」

えーイマイチまとまりに欠ける説明でした。

時計の長針が二周する頃に






「あー要するに、自分よりも二人が懐いてる様で何でなのか聞きたかったと」

「そっそうなんだよ!!」

この三十文字にも満たない事を聞き出す為に二時間近くもかけたのか俺、

頑張った!

マジ頑張った俺!!

「何でスパーと聞かなかったんですか隊長?」

「その、どう聞いたらいいか分からなかったし君とはあんまり話した事無かったから」

「普通に考えて自分を付け回す人と積極的に話したいですか?」

「あうっ!!」

うずくまってしまった。

何処からか萌えとかいう電波が飛んで来た。忘れよう。








「俺が聞いた限りでは二人は隊長にすごく懐いてると思いますけどね」

事実彼等からは隊長を悪く言う言葉は聞いた事がない。

ん? 言ったことが無い? 

文句が出ない…… あーそういうこと

「エリオもキャロもいい子だよ、だけどこんな所に来ても弱音も言ってくれないし

…… 何だか固い所があるから」

んー俺の予想多分当たりだと思うなこれは

「ケイスケはあの二人とすぐに普通に話してるしやっぱり私が保護者じゃだめなのかって」

なんつーか子離れしない親との会話になってきてないかこれ。

まあ立派になったと言って欲しくて頑張る子供と甘えて欲しい親みたいな感じ?

「…… やっぱり…… クロー……… だめで……」

ちょ、なんかトラウマっぽいこと言い出したんですけど?

いかんこの人ダウン入ると際限無く凹むタイプか?

というか初めて話すような俺にこんなことまで言うか? 普通

相当思い詰めてるだろこの人、自分で自分を追い込むなよ。

「えーあのですね、隊長は幾つで管理局に入ったんですか?」

「…… かあ…… アリ…… えっ入った時? 確か9歳だったかな」

て入局十年かよ、超先輩じゃねーか。

「その時ですね隊長はやたらと頑張ろうとしませんでした?」

「…… した……」

「多分今のエリオ達はそんな感じなんですよ、隊長の力に少しでもなりたいって」

俺は二人じゃないから本当のとこなんか判らないけど。

「だから隊長の前では少しでも一人前に見て欲しくて背伸びするんだと思いますけどね」

「私はもっと自分好きなことして欲しいんだけど……」

「今は隊長に認められるのがあいつらのしたい事ってことですよ」

なんか喋ってる内に適当なこと吹き始めましたよ私の口は。

「つまり今はあいつらを見守るぐらいでいいと思います

いざとなったらフォローする事を忘れなければ」

あっなんかきれいにまとまった。言っておきたかった事も言えたし。

大体ガキの頃なんてトコトンやりたい事をやるもんだ。

やめろと言われてやめるものじゃない。

「うん、そうか、そうかも、ありがとうケイスケ」

うわ、悪意の無い笑顔が眩しい

こんな人間の写真をあのエロに満ちたあの馬鹿にあげてしまったのか俺

ごめんなさいマジごめんなさい。
















「取りあえずこれで俺の後を付けることは無くなりますね」

「あっごめん、うんもう大丈夫」

「いやーよかったこれで変な噂とはおさらばできるんですね」

「噂? 噂って何?」

え? もしかして気が付いてなかったりしません、この人

「なんで隊長が俺を追いかけ回しているのかと噂が流れていまして」

曰く

俺は六課の資金を横領している。

曰く

俺は何かの犯罪組織の一員で重要参考人である。

曰く

俺は以前ハラオウン隊長を弄んで捨てた。

なんか知らんがトコトン俺が悪者のストーリーが六課に蔓延しているのだ。



「一番大爆笑だったのは

俺がどっかのスパイでそれと知らず隊長は付き合った

仕事が終わり消えた俺、探していた矢先同じ部隊にいるのを発見

他人のような態度をとることに戸惑う隊長というストーリーが、どうしました隊長?」

凹んだ、ハラオウン隊長がいわゆるorz

いや俺としてはここまで超展開になってくると続きが気になるんだうん。

「は〜や〜て〜……」

あ、やっぱり隊長も犯人部隊長だと思いました?

多分今も仕事しながら続き考えてるんじゃないかと睨んでます。

「ごめんね、急用ができたから私行くね」

言うやいなや恐ろしい速さで隊長はフェードアウトした。

これにて一件落着。







少しだけ残った冷めたコーヒーを飲み干す。

言わなかったが多分ハラオウン隊長の求める砕けた態度をチビ共がすることはないだろう。

あの二人にとって隊長は尊敬する人という役柄だと思う。

対して俺はいいとこ困った兄貴分ってとこだろう。

だから弱い所も見せてくれるし親しくできる。

多分隊長がやりたい役は姉貴分。

今回のは俺がどうやってやりたい役をやっているのかを見る為といったところか。

一度決まった役を変えるには相手のイメージを変える必要がある

が、あの調子じゃあ無理だな。

まあ俺は付きまとうのをやめてくれればそれでいいのだ。

隊長達には悪いが何をしたら互いに納得がいくかなんて俺には判らん。

上を見上げると今日は快晴だった。海上では相変わらず派手な爆発が起きている。

今日も平和だと似合わないことを考える俺と雷光走る部隊室だった


















自分の机で日常業務をする。

素晴らしい。何事も無い一日がこんなに素晴らしかったとは!!

思えばここに配属になってからスバルにあうは、部隊長にはからかわれるは、

残業するは、よく判らん仕事するは、それに加えて昨日までの件。

とにかくイベント満載だった。

しかし今日は何も無い、仕事も俺一人の負担も減りぶっちゃけ暇が出来た。

きっと昨日の一件で溜まったイベントストックが切れたんだ。

これからはきっと静かな日々が訪れるに違いない。ビバ平穏。

「ケイスケー!!」



ビバ……

「あのね、少し見守るくらいがいいって言われたから少し話さないでいたんだ、

そしたら今度は二人共元気が無くなってもう嫌われたのかな? そうなのかな?」

ええーい落ち着けこの暴走子煩悩が!!

というか思いっきり押し倒されてるんですが私!!

あんたはテンションがオンとオフしかないんか?

皆さーん助けてー



「あ、通信報告書書かなくちゃ」

「さて、ヘリの整備を手伝いにいくかな」

「デバイスのチェックしなくちゃ」

ほっ補佐官ーー

ニッコリ、プイ

み、見捨てやがった!!

こうなったら、部隊長ーー

(君、昨日のこと忘れたんか?)

(じ、自業自得じゃないっすか、てかやばいんです、直接マウントなんで俺の男の子が色々と)

(ほーそら良い事聞いたわ)

うわー何その悪魔の笑顔ー

折角のアイコンタクトは俺絶望しか与えなかった。

「あのさ、何が悪かったのかな、判ったら教えて欲しい」

だからあんたは少し冷静になれー!!

「今日も平和や……」

綺麗にまとめようとするなーー




   後書き

ちょっと暴走させすぎた気がする今日この頃
いやマジに
このくらい暴走するとしそうな気はするがどうなんでしょう














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