久遠。

神咲那美さんが連れて来た妖怪の子キツネ。

能力は人に化ける事と雷。

一年前のある時期から言葉がよく喋れるように、後大人モードとオレが勝手に言ってる二段階変身を獲得。

沢山お腹が空くからやりたくないらしいけど。

後、人の夢を繋げる夢写しって力もある。






オレ雪児とは那美さんが初めて寮に来た時から。

最初は逃げられっ放しで中々遊べなかった。

が、逃げられると追いたくなるのが人情、布団を薫さんの部屋に持ち込んでまでの持久戦を敢行。

その後、オレの肩や懐を定位置としてくれるソウルフレンドにまでなった。

それが久遠との付き合いだ。









          HOME_REHOME 4話

















「くーん」

あさー。

おひさまが顔にあたるといつも目がさめる。

足をのばしてしっかりする。

那美はまだおねむ。

りょうに来てからおねぼうさん。

那美のへやはにかいだけど子供になっておりる、こーすけはもうおきてる。








「お、おはよう久遠」

そう言ってあさごはん分けてくれる。

だからこーすけ好き。

お外にでると刀がある。

おはようみかづき。

「久遠様おはようございます」

みかづきはお化けなかま、おんなじくらいのとし、だからすき。

いっしょにひなたぼっこ、お外のコートでさとみがれんしゅう。

手ふってるからしっぽふる。

たまにゆきじもねむそうにやってる。

きょうはゆきじおやすみかな?

七時。

ゆきじ起こそ。













ごはん、みんなでいっしょ。

みおはおヒゲひっぱる、やめてほしい。






がっこうに行く時間。

ゆきじのおなかはだれもいじめないからすき。

なかに入ってきょうも那美とゆきじのぼでぃーがーど。

がんばる。













おっきいがっこうのなかにわで、おひるをまってる。

ゆきじとゆいこがいる。

ゆいこはさいきん遊びに来てくれない、さみしい。

ゆいこがおうえんしてゆきじが走る。

ゆきじーがんばれー。




次の時間は那美がはしった、転んだ。

けがしてないかな?

















おなか空いたらおひるになった。

「久遠ーメシー」

ごはん、ごはん、こーすけのごはーん。

ゆきじのおひざでいただきます。

那美もみゆきもいっしょにごはん。

しあわせー。








おひるが終わったからゆきじ達がおわるまでまつ。

……ひま。

ちょっとおさんぽしよ。

へいの上なら車がこないからへいき。

くおんアタマいい、ぶい。














「もー、なのはは何やってんのよー!!」

「うん、心配だよね……」

ん? あ、すずかだ。

げんき無い、どうしたのかな?

へいの下のどうろあるいてる。








「あ、キツネ」

「え? 本当だ、久遠ちゃん?」

……すずかは少ししってるけど……となりはしらない。





「知ってるの?」

「うん、少し」

……しらない子、なにかこわい……

「撫でられるかな」

「え? ちょ、ちょっとアリサちゃんやめた方が」

!! しらない子、へいのぼる、逃げる!!









「あー」

「やっぱり……」

しらない子きらい、みんなこわい。













後ろ、いない、よかったあんしん。

……あれ? ここどこ?










……ちがうもん、くおんマイゴじゃない。

くおん三百さいだから大人。

……きっとこっち。









しらないみちになっちゃった。

どこだろここ……






あ、こどもになってでんわすればいいんだ!!

くおんやっぱりアタマいい。

でんわ探す。

みつけた、たばこやさんの前。

だっしゅ!! したらきゅうに人が出てきた。






「ん? なんだいアンタ」

!? なにこのひと、ちょっとこわい。

まっかであんまりふく着てない、かぜひいちゃいそう……

「なんだいアンタ、なんかこっちの話が分かるみたいだね」

!?





「くーーんくーーん」

「やっぱりそんな事ないか」

ほ、危なかった……

「今、安心したね?」

あ!!

「あのイタチ以外にも使い魔? 全くどうなってるんだか」

にぃってにぃって歯、歯、とがってる。

「ガブッと」

逃げる!!

「あ、待ちな!!」

やっぱりまちこわい、那美ー、ゆきじー。













へいの上をぜんそくりょく。

うしろからさっきのこわいひとはきてない。

あのひとおかしい、におい、ワンコみたい。

走ったらまたしらないばしょ、どこなんだろう今。

へいからおりて歩く、なんだかくらいとこ。

ビルのあいだ、においがいや。












「にゃー」

……ネコだ。

……しらないネコだからみないようにしよう。






「にゃあ!!」

な、なに?

「にゃあにゃあにゃあ!!」

おこってる。

ナワバリ? いけない、にげる!!

やまのネコとちがうからいつもよりこわい。








「ニャー、ニャー」

こえがちいさくなった……たすかった……

ほんとにここどこだろ。

コウバンがある、ひとにバケればいいんだけど、みみ……








はやくかえりたいよ……

あう、ひとにあたった、いたい……

「あ、ごめんなさい」

しらないひとだ……きんいろのかみのけ、くおんとおんなじだ。

「キツネ? なんで?」

にげるのおくれた、つかまった。

かおのところまでもちあげられる。

めがまっかっかだ、はじめてみた。







「どうしたの? 飼い主さんとはぐれた?」

……うん。

でもだめ、しらないひとだからあぶないから。

「あ」

からだをくるってやってじめんににげる。

「まって」

だめ、ごめんね。

くらいとこに……あ。
















「ニャー」「ニャー」「ニャー」「ニャー」

ねこ……たくさんいる……

きっとこのへんのネコのきちだ。

いけない、にげる。

「フゥゥゥ!!」

あっ!!

いたい、いたい、ひっかくな!

あう、たすけて。

「あ、ダメ!!」

さっきのきんいろの子!?

「し、し!!」











ネコ、どっかいった……たすけてくれた?

「大丈夫?」

……いいヒトだ。

ユビを舐めてへんじ。

「あ……」

「くーん」

ちょっとだけ、ちょっとだけ。









「君、何処の子?」

キツネはしゃべらないから久遠もしゃべっちゃだめ。

ちょっとこまったみたいなこえ。

「分からないの?」

うん、まいごになっちゃった。

「……使い魔じゃないよね、頭のいい子なんだ……困ったな」

? つかいまって、何?

「えっと、この世界だと……コウバンでいいのかな? でも私は、うーん」

世界? 何はなしてるのかな?

「くん?」

「ああ、ごめんね、えっと……」

いそがしいのかな? じゃあ、くおんもうちょっとがんばる。

がんばってかえるね。

ぴょんと飛び下りて……あれ?










おいてあるあおいバケツ……何かへん。

においは……わからない、くさくてわかんない。

でもザワザワする。

「キツネさん?」

あ、女の子あぶない。

すこしはなれよう。

まちのほうにむけてあるくと。










うしろからピカピカがでた。

「ジュエルシード!?」

なにそれ?

おんなの子はこわがってない、なんでだろ?

とにかくなんとか……しな……く……

「へ? あ、え?」









おとがしない、からだからたくさんあぶらがでてるから。

「え? あ、うん、そうだよ落ち着け落ち着け落ち着け」







まっくろなからだは、はじめてみたかいじゅーみたいだけどぜんぜんちがくて。

『カサカサ』







「…………………ごめんなさい母さん、これは……無理です」

どこでもいるこーすけのテンテキです。








「……キツネさん逃げて……私は……」

ごめんなさい、くおんもむり。

だって……








ギョロっとしてる。

おっきい、にらんでる。

ヌメヌメしてる、ピカピカしてる、まっくろなからだで。








『……』

声は無いけど、くらいところいっぱいに広がったおっきいからだで口をあけた。










……あぶらむしだ(注ようするにゴキ)

くち……つばたれた。

つばで、どうろがとけた……

『……!!』

「「――――――!??!!」」









こえにならない、たすけて!!

「うりゃぁ!!」

だれ? そうおもったけど、そのまえに……












……(とてもおもいだせません)……













「うひやぁ汚い、大丈夫かい?」

あ、さっきのあかいヒト、たすかった……

「……」

「あれ?」

「くん?」

まっかなめのおんなのこ……

「……気絶してる?」

「くん」

くおんだいたまま、おきてない。














あかいひとはこうえんにつれて来てくれたから、おんなのこあらう。

じゃぐち、だけどだいじょうぶ、くおんたくさんいきてるからできる。

「お、賢い子だね、やっぱりどっかの……」

もちろん、エッヘン。

おんなのこ、すいどうあびて、すこしぼーっとして、すこししたらばしゃばしゃやってる。

くおんもあびるけど……

那美かゆきじにシャンプーしてほしい。








「……ううう」

ないちゃった……

おんなのこのかたにあがるけど、やっぱりゆきじと那美よりのりにくい。

そのまま、ペロペロ。

「キツネさん? ダメ、病気になるよ」

ダメ、げんきだす、げんきないのだめ、ぜったい。

ペロペロペロ。








ほっぺたなめる、那美もゆきじもあいもみんなげんきでる。

おんなのこ、くおんたすけてくれたから、くおん、おんがえし。

ペロペロ。












「……ごめんね、ありがとう……」

「うん、もう大丈夫」

よかった、でも……ここどこ?

クルクルみてみるとしろいおっきいおうち。

ゆきじと那美のがっこう!!

「おーい、くおーん」

「くおーん、どこー」

あ、ゆきじ、那美!!

「くーーん」










はしる、はしる、はしる。

「お、久遠って?」

ゆきじのおなかにとびついてはいる……うう、こわかったよう。

「? なんなんだ?」

あ、おんなのこ。







くびをだすといなくなるとこ。

ゆきじにてでおしえる。

おんなのこにむかっててをだして。

「くーんくーんくーん」

「? 久遠?」

「あ、君がこの子見つけてくれたの?」

おんなのこ、びっくりしてる。

だいじょうぶ、那美、ゆきじ、いいひと、おんなのこもいいこ、だからなかよし。

「あ、いえ、その……」

「ありがとーう、もう私心配で心配で」

ごめんね、那美。








「……大事な子なんですね」

「子っていうより、家族だな」

うん、くおん、那美とゆきじ、かぞく!!
















那美とゆきじ、こんどおんなのこ、おれいするって。

りょうにくるみたい、たのしみ。

「珍しいな、久遠、始めから好きって」

? そうかな?

「久遠、あの子友達?」

「うん、ともだち、こんどはなまえ、那美きいてね」

やくそく。































雪児の方

むう、ほっぺたをザラザラしたものが……

朝?

ゆっくりと開く目にカーテンで区切られた朝日が入った。

「ふあああ」

「くーーん」

「ん、おはよう……」

眠い……二度寝したい欲求を感じる。

朝の布団に久遠抱きながら入るのはとても心地よい。

「ゆきじ、あさ」

……時間に余裕はあまりない。

仕方が無い起きよ。

立ち上がってカーテンを開けると青い空が

「よし、いい天気!!」

着替えてご飯にいこ。














「お、起きたな雪児」

とーちゃんはいつものように元気いっぱい。

返事をして外を見るとさとみさんがバスケ、御袈月が日光浴ないつもの光景。

しかし、いつもの事だが、夜だけ幽霊を怖がる友人達が理解できない。







「お、起きた雪児くん、バスケやる?」

桂木さとみさんは前に寮にいたみなみねーちゃんの先輩。

今は実業団に入ったみなみねーちゃんの部屋に入ってる

現在学校でコーチをしてるけど、バスケ留学もした凄い選手。








「さとみさん、時間いーの?」

「? あ、やば!! 朝練!!」

ぽいとオレにボールを渡して車に飛び乗る、はためく髪と汗が綺麗だと思う。

「雪児くん、風ヶ丘上がったらバスケ部入りなよー」

そう誘ってくれるのは嬉しいが、間違いなく朝から晩まで庭のコートでしごかれるからパス。

















車の排気音を響かせるのを見送る。

牛乳と新聞を取って、今日の録画を入力しておく。

寮は人が多いくせに誰もテレビを買わないからチャンネル権は戦争だ。

夢にも勝てると思えないので、こうして録画予約に走るようになったのはいつ頃だったっけ?







「あ、雪児さま、今日のご老公様をよろしくお願いします」

御袈月は見た目は高校生くらいだけど実際は何百年も前の幽霊。

機械は苦手らしい。

久遠のお皿に水とご飯、起きてるのか寝てるのか分からない那美さんを座らせて。

「いっただきまーす」













美緒ねーちゃんとウィンナーの奪い合いをこなしたら、久遠を懐にライドオンさせて。

「いってきまーす」

と、今日一日が始まります。













学校で中庭に久遠をリリースして、よし、今日も!!

「この問題の証明は……」

眠い……zzzzz

隣りのフェイフェイに指にシャーペン刺された。












「うう、相変わらず遠慮の無いやつめ〜〜」

「いや、槇原……普通はそのラブコメっぽい状況を喜ぶとこだ!!」

「二次元に帰れ」

帰れるものなら帰りたいと抜かす馬鹿。

オレにだってクラスに友人はいる。

男の。







竹下慶次、このようにロマンスを日々求めて告白を……した事がない男。











「槇原は環境がおかしいからな」

杉並仁。

かなり美形で何故オレと竹下とツルムのか理解出来ない。

風ヶ丘に入ったら三代目の噂の美形になると評判。





「つかお前にいわれたくねー」

なんだよ可愛い幼馴染みの三角関係、しかも自覚がねーって。

稀に死ねばいいのにと考えるオレは悪くない。







「モテる男は死ねー!!」

「嫌だ」

ズピシといい音を響かせて杉並の拳(中指立て)が竹下に突き刺さる。

瓦を五枚砕く拳のコメカミ撃ちとか普通死ねる。

心配とかはしない。いつもの事だし。

「痛いじゃないか」

「相変わらずタフな……」

撃墜から三秒、超人的だ。













「む、二人とも急げ」

「へ?」

「ほ?」

教室内……オレ達だけ。

次の授業、唯子ちゃんの体育、残存時間、残り三分……

「諦めようか」

「そうもいかんだろ」


















速攻で着替えてダッシュ開始、階段の踊り場をショートカット、気合を入れて。

「はい、三人アウトー」

撃墜。

グラウンドに揃う男子クラスメイト、この薄情者どもが!!

アウト発言をした若干明るい髪をした教師、鷹城唯子先生。

体育教師らしくシャツとジャージ姿だが、長身と出るところは出てるスタイル、元気いっぱいな笑顔、後妙に耳に残る声が印象的

オレ達生徒からのあだ名は唯子ちゃん。










みなみねーちゃんの友達で同じクラスだったこともあるので顔見知りだったりする。

童顔で、高校の制服を着れば先輩で通ると評判。

だが、見掛けに騙されてはいけない。

これで在学中、護身道部にてトップクラスという成績を持つ、うちの学校最強戦力だったりする。

教師としての、権威ではなく、人格と物理的な意味で誰からも一目置かれる存在。

不良グループが色々やって全員ぶん投げられたのは圧巻。

後、晶先輩とフェイフェイのバトルを鎮圧できる校内唯一の教師。







ひょっとしたら美由希先輩もできるかもしんないが。



















「だりー」

「めんどくせー」

「……」

唯子ちゃんに命じられたグラウンド五周中。

杉並のやつにだけ女子の視線が集まるのを感じる。







「ちくしょうちくしょうちくしょう……」

竹下……気持ちは分かるがウザい。

こう言うのってやる気でねーし、かつ視線がガリガリ精神を削る。








ふっと目に入った中庭、

お、久遠だ……ありがとう久遠、お前だけが心の支え。














貴重かつ、唯一公然とゲームができる体育の時間、その十分を使いようやくノルマが終わった。

もしも部活タイムならタオルイベントを杉並がこなすだろう。

そしてオレと竹下のSAN値はガリガリされる。

「おーい、三馬鹿終わったー?」

唯子ちゃんのお許しで授業復帰、楽しそうに野球に興じる連中にやっと混じれる。








「三馬鹿ー、分かれろよオマエラー」

言われるまでもない、攻撃側に竹下とオレ、防御側に杉並。

早速代打と言う名のポジションチェンジ。

決まってるかのようにピッチャー杉並。

「ぐふふ、これで杉並に一泡……」

「はいはい、サッサと行け時間ねーんだから」

こんな事を言いつつ竹下の作戦は、成功例がねーんだよな。











「うりゃぁ!!」

「ストラーイク、アウトー」

ズルズルバットを引きずって帰ってくるのもいつも通り。

「次は槇原か……」

「そゆこと」


















さーて、負ける気は無いんだよ、知り合いの前なら格好つけたいし。

ランナー二塁、ツーアウトか……ヒットくらいは打ちたいな。

杉並との勝率は野球なら三割くらい、多分何とか……

ランナーいるのに頭の上に手を回してる。

そこからオーバースローに……

うし、打てる!!

そう思ったボールはバットのかなり下を潜る。

「ち、ミスった」

ええい、ギャラリーキャーキャーうるせぇぇ!!

「うらー雪の字ー、アンタに賭けとるんやから気張らんかー!!」

「うるさいフェイフェイ!! つか女子のマラソンは?」

「んなもんとっくに終わったわ、ハンデの無くなったニューレンちゃん舐めんやないでー」

ぐぐぐ、いいぜ、こーなったら。









「えー槇原くん槇原くん?」

? 声は審判してる唯子ちゃん、何?

「三振アウトー」

「へ?」

キャッチャーが持ってるボール、悪いなって手を出してる杉並……

アホーと言ってるフェイフェイ……

ORZってやつだ……

結局打席が周るまで時間が保たず屈辱の黒星を刻む。

「杉並……お前なー」

「槇原、お前はもう少し考える事を覚えるべきだ、勘に頼り過ぎる」

う、うるせぇやい。
















「グオォ、また杉並人気があああ、心を癒すためには槇原の弁当があああ」

「いやだ」

「竹下は少し……いや、沢山落ち着け」

取りあえず今の弁当はやれん、久遠の分も入っているのだ。

それを伝えると






「槇原!! 俺達の友情は何処にいった」

「何をいう、オレの中で優先順位が負けてるだけだ」

あ? 久遠〉〉〉(銀河中心核までの距離)〉〉竹下達ですけど何か?

















昼休みに中庭へ移動。

呼べば来る子狐……

ビジュアル的に和む。

こっちから話しても寮じゃないし人目もあるから「くーん」としか返事は無い。

それでも身体を動かして意思を伝えてくれるから、困った事にはならない。









「こんにちはー」

「あー、また先に食べてる」

薄情と那美さんに酷評されるが

「えー、中庭でずーっと待っててくれる久遠が優先でしょ」

「う!? それを言われると……」

ああ、久遠がキョロキョロしてる……那美さんのせいだな。

「いや、雪児くんが意地悪するからでしょ」

ハワハワ言ってる那美さんに変わって美由希さんにツッコミ入れられた。





















今日の方針を那美さんと話し合い本日は海岸周りを探索する事に。

教室に帰ると

「死ねー槇原ー!!」

「のわ!?」

イスを振りかぶる竹下、ワリとマジだ。

ドアを開けたところだから回避が出来ない、出来ないが。








「あ〜〜〜〜〜!!」

一秒前と真逆なベクトルに捕まる竹下。

いや、ついついリミッター切って念動使ったからなんだが。

ドンガラガシャーンと派手な音を立ててすっ飛ぶ、ワイヤーアクションみたい……

「……け、竹下?」

なんか血溜りが出来てるんですが?手加減とかしてなかったような……








「……槇原ー!! なぁんで神咲先輩と高町先輩と楽しくお昼なんじゃー!! 裏切ったな? 杉並と同じようにお前も裏切ったんだー!!」

「落ち着け」

杉並……流石に折れた机のパイプで喉を刺すのは……







「何でだぁぁぁ、何でおれには何も無いんだぁ」

「何で生きてんだよお前……」

ピンピンしてる……人類では無いのかコイツ……

「つーか寮が同じなんだからメシ一緒だっていいだろうが」

「出たよここで恵まれる設定!! 神は死んだ!! ダン(神は裁き)を寄越せ!! おれがここで裁きを」

「落ち着け竹下、槇原の家については今更だろう」

「幼馴染みからお弁当もらうお前には、校内ダッシュでパンを買うおれの気持ちが分かるもんかー」

……物理の先生がフェイフェイに鎮圧依頼、三人セットで制圧されてしまった……







「えー、この場合衝撃を計算するには……」

……眠い……

チャキっとボールペンを構えたフェイフェイがいるから頑張る。

……しかしノートが取れない。

夢世界に頭がシフトしてる……

ふふふ、カバだ、ピンクのカバだ……

「うりゃ」

フェイフェイの攻撃、コメカミにボールペン。

声も上らない痛みにうちふるえた。


















響き渡るチャイムの音、終わった……

「今日の授業はテストに出るので、では」

!? マジか!!

「……杉並ー、分かったかー?」

「俺に聞くな……」

だよなぁ……










「ん? つまり物を動かす理屈の話だぞ」

こういう時頼りになるよな竹下は。

成績いいし、テスト上位だし。

「つまり、ものを動かす速さと設置点の摩擦が……」







「すまん、もっと分りやすく」

「……」

おお、杉並の頭部から煙が!!

「相変わらず馬鹿だなお前ら」

さーせん。

ちなみに成績順では、竹下、オレ、杉並。

運動関連と逆転する。














「フェイフェーイ、ノート見せてー」

取りあえず借りる、竹下の説明を理解するのに必要だ。

「何でウチやねん、竹下に見せて貰えばいいやろ」

「竹下のノート、竹下語で書いてるから読めん」

ようするに汚くて読めない。

古文書に悪戯書きされてるような感じ。

「……よく思うが、雪児も杉並くんもよく入れたな……私立やで? 海中」

「ああ、マークシートだったから」

「はい?」

鉛筆神さまのご加護を……









「馬鹿や、馬鹿や馬鹿やとおもっとったけどホンマもんや自分……」

「失礼な、正解率八割だ!!」

「無駄に優れとるー!!」

いや関係無いよ? 能力、多分……きっと……























「最近変な噂が多いからみんな気をつけてね〜」

帰りのホームルームで唯子ちゃんが言うセリフはここの最近それだけだ。

つかふつーの街なら休校らしい。

流石は五月に雪が降った街、この程度じゃ驚かないぞ!!






「槇原ー、今日は空いてんのか?」

「すまん杉並、しばらく無理だ」

杉並達とつるむのはご無沙汰だ。

まあ、一月二月遊ばないで追求なんかされない。

女子は違うらしいが、男子の付き合いなんかそんなもんだ。

「……まあ、いいが……神咲先輩と出歩いてるという噂が」

あれ?

「お前っていつも狐連れてるからな、目立つ」

……否定できない、確かに久遠は目立つ……

「何してるかは知らんがあんまり目立つなよ」

ポンと肩を叩いて杉並は部活に向かう。

ごめん、今日早速海岸線に行く。















中庭で待ち合わせて久遠を回収して、あれ?

「久遠?」

「寝ちゃったのかな?」

二人で中庭の茂みを漁るが見当たらない。

あ、あれ?












「どどど、どーしたんだなんかあったか?」

「おおお、落ち着こう雪くん、深呼吸、深呼吸だよ!?」

そ、そうか、よし、こぉぉぉぉ。

「落ち着いてないよ? 何練ってるの?本当に落ち着こう?」

ひとしきり暴れて……








「と、とにかく探そう!!」

「そうだね、うん、そうしよう、くおーん」

「那美さん、久遠は蟻の巣に入らない!!」

全然落ち着いていなかった。









校内を外周一回りすれど見つからない。

何処行ったんだろう……

「……とにかく、久遠だったら、少しでも自然がある方が好きだから……」

「公園? 外にある」

「うん、行ってみよう」

二人揃ってダッシュで

すってーんと倒れる那美さん、うん気をつけてゆっくり急いで行こう。










公園内、極めて小さいけど茂みとかがある。

普段の久遠なら知らない猫ナワバリだったりするからいないけど……

くおーん何処だー。

「くおーん」

「あ、ゆきくん、いた、いたよ」

公園の隅、そこの水道。

典型的な小さな街中公園。

随分アンマッチな金色の女の子、水道で何か洗ったみたい。

そこにいた、女の子の肩、そこに慰めるように女の子の頬を舐める久遠が。

おお、久遠ダッシュだ。

ヨッシャ来い、ぴょんと飛び跳ね懐にキャストオン。

ああこの懐のもふもふが安心する。








「こら久遠、勝手に街に出るなよ」

「そうだよ心配したんだよ」

ん? なんだ久遠?

必死に手で誘導するのは女の子。

近くで見ると綺麗な子だ。

髪細かいし、肌も白い。

「久遠見ててくれたの?」

「え、えっと……その」

どうも女の子は結構人見知りするようだ。

知り合いが腰の強い人ばっかりだから少し感動。

「この子、家族みたいな子だから、本当にありがとう」

「あの、そんな……」

あー、なんか癒される……

「この辺りの子?」

「えっと、隣り町、だと思います……」

何故思う? 最近越して来たのかな?

とにかく、那美さんは善人特性のため御礼をしないと引き下がらない。

なんとかかんとか、一度寮に来てねということに。












「なあ、久遠、あの子友達になったのか?」

「うん」

むう、一日で久遠を籠絡させるとは……ちょっとじぇらしー。


























「遅くなっちゃったけど、今日も頑張って探そう」

「ういーっす」

「くーーん」

那美さん先導で海岸周りを探して行く。

仕方が無いとはいえ効率の悪い三人パーティ全員の探し物。

とは言え、那美さん達神咲の裏技お化け聞き込み。

流石に滅多に話ができて悪さをしないお化けはいない。

それでもいれば24時間張込みしてるから頼りになる。

「じゃあ、岩場のところにすっごく大きい魚が?」

どうも当たりらしい、話の岩場に行ってみたが当然海中なんか肉眼では見えない。










リミッターを外して熱を見る、海の中だから難しいけど、あーいるなあ。

太平洋とはいえ海岸沿いの岩場にサメみたいなのが……










「いたけど……どうすんの? 雪くん」

海の中だから久遠の雷とか……

「ゆきじ、むり」

「あのね雪くん、電気の性質って知ってる?」

……み、水系は雷に弱いとポケ○ンで……

なんか那美さんに肩を叩かれて呆れられた……












「じゃあどーすんですか」

「……釣るとか?」

こんな巨大魚釣るとかどんな竿ですか!?

「漁船でも来て貰うんですか!?」

「う……じゃあどうしよう……」

うーん……










「……ゆきじがねんりきでもちあげればいい」

……それだ!!

幸い太陽もあるので熱量は豊富。

季節も春で温かい、問題は射程距離、待っていれば解決する。

海岸の端に立って、あれ?

「どうしたの?」

「いや、何だか近付いてきてるような」

「じゃあ簡単だね」

まあ手間が省けたと思えばいいか。

巨大魚はドンドン勢いを増してこっちに向かってきている。

グングン、グングン、口を開けて……あれ?













ひょっとして……

「雪くん!!」

「ゆきじ!!」

二人が声を上げている、分かった、コイツ。

食う気だ、オレを。

ザバーンと飛沫が上がる、大口を開けた魚が眼前にいる。















「バリアー!!」

念力で自分を中心に壁を作る、透明なんで目の前に魚の口が見えます。

念動の壁だ、リスティねーちゃんとかにはあっさり破られたりするが、デカイ魚程度なんてことは無い。

「ゆきじ、雷いく!!」

「大丈夫!!」

久遠はそういうが、バリアで受け止めたならもう大丈夫。

後は何倍も大きくなっても所詮は魚、当初ね予定の通り。

「オオリャアアア」

リアーフィン展開、フルパワーで持ち上げる。

全開で念動を使う、思ったように物を動かす念動。

重さと距離、それと俺の場合溜め込んだ熱量が強さに比例する。

そして、この超至近距離なら。
















「一本釣りー!!」

岩場に投げ捨てる。

ビッチビッチ抵抗するが、丘の魚なんか怖くない。

ようやく観察する余裕ができた。

映画のサメくらいでっかいが、コイツは……

「シーバスだ」

「スズキだね」

「おいしそう」

色々言い方あるけど、取りあえず普通に食べるあのスズキだ。

サメくらいあるスズキは岩場で跳ねて苦しんでいる。











……中々石を出さない。

「……温風放射ー」

熱波を手からとどめとばかりに出すと、流石に動かなくなって石が現われる。

「ヨッシャ、四つ目ゲットー」

「やったね」

「せいこー」

結構久し振りだなぁ。

確保した石はリスティねーちゃんに渡して東北の葉弓さんに処理して貰ってる。

これで四つ、いくつあるのか知らないけど、また少し海鳴は平和になったのだった。












「ねえ、ゆきじ、おさかなどうするの?」

ん?

石は抜けたがそれでも60台の大物……












勿論とーちゃんにお土産、夕飯はスズキの洗いでした。

旨かった。




後書き

最初、久遠の大冒険で終わらせようとしたのですが

短いということで、この日の雪児の行動を追加しました。

オリを出した理由? 男友達のいない学校生活って何?

ちなみに 竹下 竹之内  杉並 皇

許可は取っている!!



拍手レス

>鬼丸さんへ
>なのは登場……でもほとんどアウト・オブ・眼中なのは仕方ないか

というより、双方ともに気がつきませんw
雪児たちは神咲の方に送っていますし、魔力も無いですしw

そしてなのはが実は……なんて、想像できます?


>鬼丸さんへ
>これからどう絡んでいくか楽しみです 久遠をもふりたい……

フェイトとは久遠が先に会いました。
そして久遠の人タラシパワーは圧倒的なのです。


>鬼丸氏へ
>面白いです。続きが非常に楽しみです。

ありがとうございます!!やる気が出ます!!


>鬼丸様宛
>電文:リリなの本筋との交差が少ないので地味っぽく感じますが、
>それでも所々に光る笑いどころが素敵です。
>フィリス×雪児ルート、なさそうだけどちょっとあって欲しいと思ってしまったりw

フィリスですか、何と言う……
今回はすこーしだけ交差が増えました。


>鬼丸さんへ
>雪児となのはが会わないのは主人公にスルースキルが必須だからか しかし、
>久遠はマスコットとして歴史に名を残す可愛さだな
>まったくスタッフはなにを考えてアニメでオミットしたのか……

まあ分割されてフェイトに流れたと思いましょう。
雷、金髪、ほら分かりやすい。


>鬼丸さんへ 
>HOME_REHOMEの感想です。 相変わらず2、3のキャラの掛け合いが素晴らし
>く、楽しく読ませていただいています。これからも頑張ってください。  ひと
>つだけ、誤字報告を。 ノエル、ファリンのミドル・ネームは輝堂ではなく綺堂
>だったようなきがします。

ぐはああ!? 漢字キャラの大切さがよく分かりした。
なのはとはやてくらいしかいなかったからなあ。


>「鬼丸さんへ HOME_REHOME 03話の感想」 
>こんにゃく吹いたwww そりゃ雪児くんも覚えてないわけだ あとは美由希に幸あれww

ふっふっふ、まさかこんなしゃーない過去を持っているキャラは滅多におるまいw
美由希は弄られてこそだと思いません?w



>鬼丸さんへ
>うをい!!雪児君よ、お前さん随分な事忘れたね!? まー小さい頃の話だからしか
>たないんだろーが…。して、これはすずかフラグなんですか…?

どっちかというと悶絶フラグ。
たかだか人間じゃない程度、雪児からすれば珍しくも(ry


>鬼丸さんへ)
>ケイスケの機動六課の日々、面白くて何度も見ています。一番印象に残ったのは
>なのはとティアの模擬戦のところですかねェ。いろんな人のSS見てますが、
>みんななのはを正当化しすぎている気がしますから。ケイスケの対応はGoodだったと思います。
>あ、あと、IFssでいつかなのはとケイスケが互いに好意を
>持っている状態でそこにそれを知らなかったユーノを登場!みたいなのを作って
>ほしいです!

まあ、もうちょっと今なら少しダチ的に対応できたかな〜とも思っています。
しかし当時だとあれが私の限界です。
ユーノ登場は……正直なーんにも考えていなかったりw


>鬼丸さんへ>
>いつかケイスケの機動六課の日々のAfterstoryを作ってほしいです!
>登場人物の関係は、なのは、はやて、フェイト、スバル、ティアナが彼に少なか
>らずの好意を抱いていているみたいな感じがいいです!

うーん、そう言ってくれるのは嬉しいですが、うちのフェイトでそういう関係は外道にも程が……
とりあえず4期の様子見をしてからでしょうか?
しかしあの新主人公ズ、とってもWA5……


>鬼丸さんへ
>いつか続編でないかなぁと、心待ちにしている所存です。

申し訳ない、気長に待ってください。




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