前回 変なお茶を飲まされました。

体が変わりました。

たくさん弄られました。

俺、運なさ過ぎね?



           ケイスケの機動六課の日々 その21




とても優しい夢を見た。

俺達が今の年で、オフクロ達が生きている夢。

スバルも姉さんも、メガーヌおばさんそっくりの子もいて、

四人でつるんで、それをオフクロ達が見守る。

多分、楽しくて幸せだろうという夢だった。

目が覚めた。

枕が濡れてる、不覚だ、出勤まだ時間があるもう少し寝よう。

「こら!寝るな!!」

!? 突然布団を取られって、

「姉さん!?」

「何時まで寝てるの、最近だらけてるわよ」

は?


















「というか、姉さん何その格好」

姉さんは胸元にリボンの付いたなんだろう、制服? を着ている。

ミニスカで普段ストッキングに隠れた太股に目が行ったのは秘密だ。

「何って、何か変?」

はぁ?  おかしい、おかしすぎる……

ようやく回り始めた頭を動かしよく周囲をみると。









どこ、ここ……

明らかに何時ものアパートではない、ゲームとマンガはあるがマシンが無い。

外は?

「ちょ、ケイスケ」

姉さんを抜いて窓を開ける。

「え?」

「え?」

スバルがいました。

着替えてました、カーテン閉まってませんでした。

色々投げられました。

「何してるの、今日は……」















おかしい、おかしすぎる。

外は明らかにミッドでは無かった。

この状況を考察すると





一、夢である。

しかし思考が普段通りだ、レム睡眠の可能性は低い。






二、幻覚である。

ここからまた薬物、魔法、と派生するが俺にする理由が分からんし

何より俺の脳内の出来事にしては俺の知らない事があるのは変だ。










三、別の次元である。

全く同じ顔と名前をもった人間のいる世界。

ある可能性はゼロでは無いが観測された事はない。

加えてなぜ俺がいるのかの謎は残るし、

前の俺といつ入れ替わったのかも謎。

オマケに仮定に仮定を重ねたもので物的証拠ゼロ。















回答、暫く待つしかない。

次元転移なんか出来ねえし。

観察した所ここは二階屋の一戸建、ミッドと同様のナカジマ家が隣り。

しかも屋根伝いにスバルの部屋に行けると。

それなんてギャルゲ?

部屋のハンガーに掛かっている服に袖を通す。

ぶっちゃけ幼年学校出たら速攻管理局に入った俺は学生服を着るのは初めてだ。

下着も拝借した。









……まてよ? 今着てる服、いつ着た。

……仮定四、精神が入り込んでいる。

おいおいおい、そうなると最悪だぞ。

俺の脳内神経を上書きとかだと、今の俺はコピーという事に。

そして四では間違いなくロストロギアが絡んでる。

クソ、どっちにしろ情報が無いとどうしようもねえ。

着替えて下に降りる、

受け身でいるのがきつくなってきた。

自分から動けないのは辛いぜ。

リビングらしきところに降りると姉さんが配膳をしてくれている。

「やっと降りてきた」

んな事言われても……

テーブルにあるご飯は俺のだろう、礼を言っていただく。

うめえ。

「おば様いないからって、ダラケすぎよ」
















……おい

「姉さん、オフクロは……」

「? 今日の夜、母さん達帰ってくるじゃない、忘れたの?……」

後半は……聞こえなかった。


















姉さんがもう出るといい、一緒に。

生きてるのか、おばさんもオフクロも……

駄目だ、考えがまとまらない。

そのまま姉さんについて外に。

「ケイスケおそーい」

スバルか、スバルはセーラー服みたいな制服。

でも……

「ケイスケ? ケイスケー」

「あ、ああ、なんだスバル」

「変だよ? ケイスケ」

「きっと夜更かしでもしたんでしょ」

「えー、昨日は私より先に寝てたよ」

二人の声も、何か、遠く感じる。

そう、ここは、俺の場所じゃないんだ……















ギン姉さんとスバルの会話にただ相槌だけをうちついて行く。

行き先はマンション

入口のオートロックで

「ルーちゃん、迎えに来たよ」

「ん、今出る」

そんな会話の後、例の召喚士とユニゾンデバイス、もっともリイン曹長のフルサイズ状態だったが、が来た。

やっぱそうなのか、ルーテシアなのかあれ……

「? ケイスケ、どうかしたの?」

「それがさ、朝から変なんだよ」

「何時ものばかズラじゃん」

よし殴ろう。






















幼年学校はバス通学らしく、バス停まで二人を送る。

小さく手を振るルーテシアとたん瘤付けてあっかんべするアギトとかいうやつ。

バスの中にヴィヴィオとリイン曹長がいたのは驚愕した……

あ、アギトとケンカしてる。

「さ、走るよケイスケ」

へ?

「ほら時間」

をな事言われても……

あかん、記憶喪失を誤魔化してるようなもんだ。

フォローができない……

スバルと姉さんについてダッシュ、しかし体に違和感がある。なんだ?















スバルは途中で別れた、やはり別学校か、制服違ったし。

別れたところで知り合いらしき男と合流してたが、彼氏か?

「ケイスケ……命が惜しければ、それスバルに言っちゃだめよ」

なんでさ

で、学校だが……何故シグナム副隊長がいる!!

しかもジャージに竹刀!?

オマケに異様に似合う!!

「おはよう、ギリギリだな二人とも」

「おはようございます、シグナム先生」

い、違和感が!! 違和感が拭えませんよ!?

何この展開!?





胸ポケットにあったIDカードで姉さんに教室を聞く愚行は避けられた。

一のCか。

時間一杯に入れば席も分かるだろう。

……休みがいない事を祈る。

「おい、ケイスケ何やってんだ、入んないのか」

ん? 声はした、しかし姿が見えない。

はて?

突然足に踏まれたような痛みが走った!!

んだあ?

屈んだ俺の前に現れたのは、

「ヴィータ副……」

いや待て、その手に持つ大量のプリント、

加えてまるで似合わない明らかに特注なスーツ。

信じがたい、実に信じがたいが。

「せん、せい……」

「おうよ」

せ、世界は俺にどんなリアクションを求めているんだ!!

副隊、じゃなくて先生の「お前、私なめてる」とかの愚痴は右から左。

少なくとも分かった事、

この世界は狂っている……























「おはよ」

おう、と返事。

いや、半ば予測したが……

隣りの席がランスターだった。

確認したい、とても確認したい!!

どんな経緯があったのかを!!

いや、実際知ってる顔や知らない顔に散々挨拶した。

昔読んだ右手で神様も消し去れるやつもこんな気分だったのだろうか?

いやあれよりある程度マシである程度悪い。

だってよ、手探りなのは変わらんが、俺は身に着いた対応がある。

下手打ってそれをしちまってアウトなら……

いや、白い目で見られるだけだが、元に戻らなかったりすると……

ぐぐぐ、身動きが取れないとは、まさにこの事。

「……ケイス……ケイスケ!!」

んだよ?

見るとヴィータ副隊長、あえて中ではこう呼ぶ。

が青筋立てて、

「お前、今度は無視か……」

ん? 授業中? で指された?

ヤバイ……

ヴィータ副隊長の立ってる踏み台にツッコミ入れられないくらい。

前にでて解けと、物理かよ、うん。

「分かりません」























本当の地獄はここからだった……

何せ言語がみんな日本語だったから……

どーも思い出記憶だけでなく知識関係もミッドの俺らしい。

ゲームでやるような、基礎はいいが、難しい漢字がわからん……

「つ、疲れた……」

「いつも変だけど、今日は特に変よあんた」

「馬鹿さも磨きがかかってるし」

ランスターと名前知らん女、どーもこいつらのグループらしいな俺。

昼、メシどうするか考えてたら姉さんが弁当持って来てくれて

どうも普段からそうらしく、みんな普通に流していた。

どんなラブコメ状況なんだよ本当に……

メシ食お。



























つ、疲れた……

周りが帰る準備をした事で今日が終わったのを判断。

さてと

「ケイスケ、ゆっくりしてるけど平気なの?」

……すまんランスター何の件かわからん。

「えーてすてす」

を放送?

「すー、くおらーケイスケ君!! さっさと生徒会室にこんかー!!  以上連絡でした」










今の声……部隊長……

よし、逃げる!!

鞄を持ってダッシュ!! ドアを開けて一気に。

「あ、やっぱり逃げようとした」

開けたドアの前にいた人、ランスターや姉さんと同じ服着て頭に尻尾生やした……

なのは隊長……

「ティアナー、ケイスケ君連れてくねー」

どうぞー、と響く声をフリーズした頭で聞いていた。























生徒会室、学生自治の最高決定機関のもつ部屋。

そこにいたのは隊長ズ。

うん、はまり役だ、はまり役なんだが……

ツッコミたい、凄くツッコミたい!!

何であんたらだけ設定年齢マイナス1なんだー!!

ダブリか? ダブリなのか!?

説明を要求する!!








危ないからしないけど。

「さて、本日は体育倉庫を占拠している科学同好会の立ち退きをやるでー」

何故か机に最高権力者と札を立てた部隊長。

「平和に行こう、平和に、ね」

良心担当と札を立てたなのは隊長。

「……」

なんだ萌え担当って、なフェイト隊長。

ず、頭痛が……

つか、この世界の俺って何やってんのよ。

部隊長に連れて来られた校舎裏、何という不良ゾーン。

絵に書いたようっす。

その奥のプレハブ小屋が目的地で








「断る」

はや!!

まあ、部隊長の聞き方も悪い。

なんせ、「出てけ」だからな。

「ええか、キミら部室が無い人間の気持ちはエアコン付の部屋で高級ソファーに座る私にはわからん」

ケンカ売ってるよね、この人。

というか、科学同好会?

格闘技部じゃないの、すげえマッチョでスキンなんですが?

「しかしや、アンタらの撒き散らす異臭が周辺住民にエラい不評や、即刻でてき!!」

あ、そりゃだみだ、同好会さん御愁傷さま。

「むう、おにゃごと思いおとなしくしていれば」

「我ら科学同好会、科学の力で人間を超えるのだ」

「ええい、やってしまえ、会員B、会員D!」

何その展開!? というかCは?

「こっちもや!! フェイさん、ケイさん、少し懲らしめてやりなさい」

「え!?」

「何でさ!?」

「あれ、私何しに来たの?」

乱闘スタート。




















俺に向かってきたのは……判断つかねえ、だって顔同じだし。

構えが小さい、なんかやってやがる。

初撃を躱して投げる、さっさと終わらせよ。

見える見える、右のストレートこいつを躱して、

よし、掴む。

袖口ごと手首を





ズルッと外れた、おれの握りが、

!? 何っと、そう思ったところに左が顔にきた。

やべ!! っと思ったが遅い、脳が少し揺れた。

クソ、何がどうなってる、俺の握力なら外す訳ねえ、転がって距離を取る。

「はあ、はあ」

「なにやっとん!!何時もみたいにパーンとやらんかい」

!! 何だと……パーンって、打撃!?

追撃をしてくる相手を躱して顎を狙う。

覚えが無いくらい、




早く、




正確なアッパーカットが決まる。

男はまるで棒を倒すように倒れた。




確信した、この体はミッドの俺じゃない事を。




フェイト隊長の方もすぐに片付いたようだった。


























ここは、俺の世界じゃない、そうハッキリキッチリ分かった。

病院を薦めるなのは隊長に断りを入れて屋上に、

海が見える屋上、眼下の街は、平和だ。

ここでは、オフクロもおばさん達も、スバル達にも

ミッドの悲しいは起きていないのだろう。

恐らく俺も、おばさんの教えを続けられたんだ。

そう、だから違和感があった。

柔拳を覚える必要の無かった俺の体は造りが違うんだ。

意識して動かすとよく分かる、トルクや持久力、ジワジワ締める力に関しては普段の俺にかなり劣る。




だけど強い、そして早い。





魔力抜きのガチンコならひょっとしらた六課でも一、二を争えるかもしれない。

これが、俺にあって、そして無くした可能性……












分かってるんだ、ミッドでは魔力の無い打撃に価値はない。

だけど、

「ケイスケ」








突然後ろから声がかかる、夕日に照る金髪がとても綺麗だと思う。

「フェイ……」

何と呼んでいるのだろうか俺って

「気にしなくていいよ、ケイスケ・マツダ二等陸士」

……そっか、通りで喋らなかったわけだ。

「隊長なんですね」

「うん、ミッドのケイスケだよね」































フェイト視点

夢見の粉、そう呼ばれる睡眠導入剤。

その中に稀に異世界を覗けるものがあるという、まことしやかな噂。

以前手に入れたものをケイスケに分けて、多分それが原因。

「そっか、夢なんですか」

うん、だけど今の私達にとっては紛れも無い現実。

ここまでくると、夢というより幻覚に近い。

「そして、多分後数時間、夜の7時くらい、そこでお終い」

やっぱりケイスケはそっかとだけ言った。

ここは、あの時の夜天の書の世界に近い。

とても優しくて、有り得ない世界。

母さんがいた、

リニスがいた、

アリシアがいた、

アルフも

なのはも、はやても、エリオやキャロ、ハラオウンのみんなも。

これは夢、余りに幸せ過ぎて、だから夢だと分かってしまう。

そんな夢だ。






「ここってさ」

突然ケイスケが語る、

彼はどう思ったのか、あの時の私にはなのは達友達がいたから、

だから振り切れた。

ケイスケは……

「きっと、もしもの世界だよ、みんなが幸せだったらって、そう願って、それでできた」








だから








「俺はここにはいられない」

……

「俺は……悲しい事もあった、諦めた事もあった、

でも、だから今の俺がいる」






ここはきっと、その俺を否定する。







幸せだけの俺は、俺じゃないから。







そう言ったケイスケは、屋上から出ていった。

今の自分、か。

下を見るとここのスバル達がケイスケを待って。

あ、断れて無い。

行こう、夢でこの世界の事だけど、母さん達に会っておこう。


















地球のはやての家に近い感じの、そんな家がこの世界のテスタロッサ家だ。

「ただいま」

でいいのかな?

あれ? なんだか騒がしい、何?

「はーなしーてー、フェイトがフェイトがー!!」

「リニス、後生だからー!!」

「リニス、私止めるのそろそろ限界なんだけど」

「が、我慢ですアリシア、フェイトの幸せの為なんですよ」

何? これ?





「あ、おかえりフェイト」

「た、ただいまアリシア」

私そっくりで、髪はバリアジャケット姿のツインをしたアリシア。

ここの彼女は私の双子らしい。

「フェイト!? そんな……」

「遅かったのかい……」

アルフは大人モードで、そして……

「あ、フェイト、どうですか、どうなったんですか?」

リニス、私の魔法の先生で、ここでは母さんの助手らしい。

「フェイト!!  大丈夫なの? 何もされてない? オノレあのクソガキ、やはり殺っておけば……」




母さん? 余りに、その、イメージが違うんだけど

「あの、何がどうしたの?」

「ほら、放課後に……」

どうもアリシアが屋上の時を見て、それをみんなに話したって。

「あー!! 私のフェイトがー!!」

話しの内容は聞かれて無いみたいだけど。

本当に、私達の世界と違う。

いや、母さん違いすぎるけど。

だけど、少しなら……一緒にいても、いいよね。




(ここは、その俺を否定する)




ケイスケの言葉が、少し頭をよぎった。
















ケイスケ視点

スバルに姉さんにランスター

どうにも……このメンツに勝てる気がしねえ。

出来れば、離れていたい。

結局騙さないといけないから、

年下のスバルは一人学校が違うみたいだ。

スバルやギン姉さんだけでなく、ランスターもよく笑う。

俺は一歩引いた位置で相槌をうつ、

暫くしてランスターが別れた、家族の夕飯を手伝うらしい。

そして自宅前、家に誰かがいる……

「じゃあな」

スバル達に別れを

「……ねえケイスケ? 何か悩みある?」

!!  スバル……

「そうね本当に今日は変、話は聞くわよ」




姉さん……




ほらな、違うんだよ、もう俺とは

「スバル、姉さん」

話すか、いや

「明日から、きっといつもの俺だから、きっと、俺に戻るよ」

納得はしてくれなかった。

それでも帰ってくれたのは本当に、ありがとう。














懐にあった携帯端末を、名前が分かりやすいのは助かった。

十回コールで繋がった。

「あ、ケイスケ、何、用?」





もう思い出にしか無い声。





段々擦り切れて、それで美化して

通信越しでも、懐かしくて

「ケイスケ? ケイスケ?おーい馬鹿息子〜」




ああ、クソ、目が……




「何でもない、ちょっと帰るの遅れるから」

「あ、ならさ雑誌買ってきてよ、今日発売のTV雑誌ね」

「約束はできないけど分かった、じゃ」

これは別れだ、本物で無いけど、

それでも俺にとっての














屋上に行った時に見つけた海岸公園。

山で太陽が隠れてもうすぐ終わり。

優しい夢はお終いだ。

「……ゲホゲホ、くそ、ヤニもやらねえのかよ」

タバコを吹してみたがまるで美味くない。

周りが徐々に暗くなって

そんな中、人がトボトボと歩いてきた。

「フェイト隊長?」

「あ、ケイスケか……」




隊長の顔は暗い、多分。

「違うんだね、私って」

やっぱ、な。

「ケイスケの言う通りだったよ、母さんも、アリシアも、みんな、違うって、いつも見たいじゃ無いって……」





俺達は、違う。






例え同じ人間だったとしても

俺達だけの思い出が別の人間にする。

そうでなけりゃ……

「何のために、進んできた……」

「うん……」

二人でベンチに腰掛ける。

後は時間で、終わりだ。

「母さん、優しかったんだ」

……

「本物は私には優しくなくて、私はアリシアの偽者としか見られなかった」

相槌しか打てない、隊長の言葉に迷いはない。

もう隊長の中ではケリがついていて、これはきっと、ただの確認。

「それが私の母さん、寂しいけど、それが本物」

隊長、あんただけに話させるのはフェアじゃない、俺も。







「……オフクロとクイントおばさん、確認してないけど、メガーヌおばさんも生きてる」

隊長は黙っている。

本当、ガキが絡まなけりゃできた人だよ。

「でもさ、俺にとっての本物は、死んでんだ」

……

「死んでんだ」

覚えてる、クイントおばさんの部隊が全滅して、

おばさんの体だけが帰ってきて

次にオフクロも……






覚えてるんだ、冷たい感触も、何もかも

ふっと温かいものが手のを覆った。

「……ケイスケは、強いね」

「隊、長」

「でも、我慢はしなくていいと思うよ」

我慢?

隊長がゆっくり俺の手を開いて、

あ、血が出てる、全然気がつかなかった。

隊長がハンカチ濡らして巻いてくれるのが、なんか遠く感じる。

「本当に、ケイスケも頑張ってるよね」

「よく、わかんね」

「頑張ってるよ」

そうなのか、そうなんだろうか。





「だから、たまには泣いていいよ」





泣く?

「そう、泣いていいの」

ポンと、隊長に抱き寄せられて、抵抗する気が起きなくて。

「私は見えないから、どんな顔しても、よく見えないから」

隊長の、体温と柔らかさ、

何かが緩む

「っ………が、あ、あぁぁ」

出て来ちまった、目が滲んで、胸がきつくなって

止まらなかった。

「あぁぁぁぁ!!」

出そう、今だけは、今は……

頭に落ちる水滴の正体に気がついても、ただ全部を外にだす。













そして、夢は覚めた。

……頬に涙の後があるのが分かる。

朝日が、目にしみて

「こら、起きなさい!!」

!? 姉さん!まだ終わって……

あ、ここエリオの部屋。

「スバル達の訓練とっくに終わってるわよ、もう」

現実、か












「ケイスケが起きないって珍しいとは思ったんですが」

食堂にてみんなと食事。

あー、やっと脳味噌動き出した。

そうだ、残案件かたして遅くなったんだった。

で、残ってたフェイト隊長から貰って。

あ、ちと思い出した……

「ケイスケ? どうしたの、急に赤くなって」

「何でもないですよスバル」

むー、と言って黙るスバル。

いや、どう言われても話しませんよ。

「おはよう、みんな」

ん、フェイト隊長……







落ち着け、ここで変な反応は不味い。

すーはーすーはー

よし。

「おはようございます、フェイト隊長」

「あ」

……しもたー!!

俺だけ心の準備しても意味ねー!!

湯で蛸のように赤くなり、俯かないで頂きたい。

あー、隊長って色白いから赤くなると生々しいな〜

現実逃避したい俺を誰が責められる。

「ケイスケ、あなたフェイトさんに何を……」

「し、してない、何も」

「そういえば、昨日はフェイトさんも残ってました」

キャロー!! もうちょっと空気読んでくれー



「ケイスケ」




う、背筋に冷たい柱が……

「お話し、聞かせて」

か、可愛く言っても目が怖いよスバル!!

「アーメン」

ランスター、助けろよ!!

「あううう」

誰かメシアをプリーズ!!




後書き

導入部にフェイトに薬貰うシーンがあった方がよかったか?

結構悩んで書いてました。

二人とも前に行くタイプなので、こんなところにはなじめません。



拍手レス



>外伝的なのでお花見編をやってもらいたい
>もしくは、ヴィヴィオが親子川の字で寝たいと言い出すのが見たい

うーん時機を逸してしまった。
でも川の字はまだいける……にやり



>ケイスケ君に災いあれ(ニヤッ

他人の不幸は蜜の味ですな


>鬼丸さんへ 面白かったのですが、
>キャラを使って全く関係のない作品を貶すのはどうかと思います

あ、すいません、よろしくなかったですね。
スパロボZでどうなるか期待


>三人娘ってユーノとケイスケ除いたら男とくっつく可能性あんま無いなぁ。
>特にはやて。壁(ヴォルケンリッター)いるし。

確かに、裏で何人か沈めてるのかもしれません、ヴォルケン


>ザフィ出てきたと思ったらムックル状態ー!?

ヴィヴィオ出すと決めた時からこのネタはやる予定だったぜ!!


>>ケイスケ君と一度大論争をしたことがある。とありますが、
>なにげに家族会議ですかwwもうほとんど夫婦w

ちなみに子育て思考は某忍者の無敵お父さん風です。


> 楽しく読ませてもらっています。
>ナカジマ姉妹が少し悪ノリ(?)が過ぎるような気も

純粋に心配してるがまるでセクシャルなところには思考が行かないギンガさんw


>おまけのネタ、うたわれるものでもあったなぁ

ですです。


>あなたの小説は楽しいです。これからもがんばってください

あざーす、今回趣向を変えてみましたがどうでしょう?


>たとえばヴィヴィオが赤頭巾ならばエリオとキャロでヘンゼルとグレーテルをw

グリム童話ネタ!? 実はよく知らない。


>鬼丸さんとは同年代臭を感じるぞ!
>ろくでなしブル○スとか特○の拓とか(ひ、ひきにく!?ビキィ!

ライトクロス!!
ルーキーズまだドラマ見てない……


>ケイスケにはハーレムルートを歩んでもらいたいですけど、
>もしかしたらこの不幸具合では永遠に独身?

可能性は……高いかもしれません……


>待てカリム、お前はどこのアンゼロットだ!!

アンゼではありません、小暮ロットですw


>ナイトウィザードは反則ですよっ。
>考えてみたらケイスケと下がる主人公って似てる。不幸っぷりが(爆)

ええ、私も最近そんな気が……魔剣使いにしようかしらw


>いつ第8世界に行ったのさッ!? 
>流石にアンゼ役をカリムにやらせるのは無茶wでも見てみたい俺は負け組

立場は一番ふさわしいですよ。
一番似合うのはリンディw


>全話を一気に読みました、面白かったです。 裏側から見た六課。

ありがとうございます。ペースが落ちてて申し訳ない。



>機会があれば・・・某葱よろしく『上がる薬』を飲んだらどうなるか知りたいカモ

被検体はちみっこ軍団ですなw


>ザフィーラーあああああああああ!!!!逝くなあ!!!むしろ死ね。

殺意!?


>ステータス情報が追加されました。ケイスケ:不幸X(Sの更に上と思いねぇ)

そこまで行ったか……強く生きろw



>逆にここまでされていじくられるケイスケに萌えた。後、女体化万歳!!

萌え!? というか女体化って需要あったの!?


>これは「うたわれるもの」ネタ・・・なのか・・・?

YESでございます。声なしからのファンです


>ここでまさかのナイトウィザードwww こいつも(運の)下がる男だったかwww

下がりっぱなしですよ、ついでにLVが低いw


>ちょ、おまけネタはドラクエ4コマ劇場ですかw

そういえばゲレゲレでそのネタあったな、懐かしいです


>ケイスケは何処まで弄られるんでしょうか?子供に成ったり
>女に成ったり。
>しかし、本人否定しても何処から如何見たって
>ケイスケはヴィヴィオの父親ですよね?それで妻はなのはとフェイトで・・・
>後、最後のかくれんぼしている所のザフィーラの口の中に居たのは元ネタはうたわれるものですよね?
>と言うか良く口の中に入れましたね。元ネタのは入った動物が大きかったから出来た筈なのに

無理やり入りました、その後ヴィヴィオの尻を叩いたのがケイスケw


>ザフィーラ、がんばれ。ちょーがんばれ。ケイスケはそろそろあきらめようw

諦めるの!? 不幸がデフォか……


>ティアナお前もかwwwwてか声優ネタwwww

よくあるネタでしたw
魔女なのはもいきますかw


>てっきり下がると変わるで幼女発生だと思ったのに…
>裏切ったな!!!!!

私は腰と足のラインが!! ゆえにロリはあれなんだw


> “嘘だ” に続くもう一つの形態、“お持ちかえり”が発動しなかったのも残念。

ティアナとして否定しました、全存在をかけて


>本日のトップ賞は「ザフィーラがヴィヴィオを喰った(物理的に)」に決定。

むしろ入られた、ザフィー、安らかに。


>その後、青い犬を見たものは誰もいなかったとさ。

六課裏にはマジックでざふぃーのはかと書かれた石がw


>ケイスケ不幸街道ばく進中!ラストのうたわれネタワロタ

今回は不幸? 最後がヤッパリ不幸か……



>下がると変わるは某夜の魔法使いの世界産ですか?

全くその通り!!


>うたわれネタかよ??!! ってザフィーラァァァァァァ

また一人、犠牲が……


>ショタか・・・ティアナ・・・・・・

一度はされる、中のネタw


>性転換キターー!

やっちゃいましたw

>ケイスケはまたドッキリとかで
>他のメンバーに飲ませて〜。金色の兄貴とか悪魔の彼氏(候補)とか
>飲まされるんだろうなぁ・・・

ケイスケ受けで同人とか書きそうだ、はやてがw


>さすがにケイスケ不幸過ぎ……もうちょっと位幸を…無理か

ちょーっと、無理かもw



作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。