地面から現れたのは確認できるだけで5機。

自分たちが破壊したカプセル型のT型が4機と・・もう一機は球体の・・多脚型!?

新型か・・!まさかこんな所で・・・!




しかもなんてところから出てくる!!!




とにかく、今は毒ついてもはじまらん・・!



俺は戦闘態勢を整えるべく、懐からデバイスを取り出した。















●魔法少女リリカルなのはstrikers〜空を見上げる少年〜第6話 〈戦場の指揮者〉●
っち!くそったれめ!

あたしは、毒づきながら一気に跳躍していた。

一番近い位置にいた、チビすけもガジェットが出現した直後にバックステップで距離を取っていた。なかなか冷静じゃねぇか・・。

まぁレイナの部下ってだけの事はあるみてぇだな。

チラッと横目でチビすけを見ながら、次にあたしはデバイスを起動する。起動するっつってもあたしのはフィンガーレスグローブ形状のアームドデバイス。既に左手に装着済みだ。

起動つーのはつまり、デバイスのモードをコンバットモードへ移行するだけ。

『スターク!他の連中と一緒に援護しろ!一気に叩く!』

『了解!』

次にスタークに念話で指示。スタークもデバイス準備の手を止め手早く隊をまとめ、各ガジェットに振り分けていく。

さぁて・・!

あたしは、移動を始めようとしていたガジェット群の前に立ちふさがって睨みつける。

新型だろうがなんだろうが・・関係ねぇ・・貫くのみだ!


























小隊長からの指示でデバイスの起動を後回しにし、隊を手早くまとめる。


相手はたった5機だが、新型が1機いる上に相手にはAMFがある。

数的優位は変わらないが、相手がAMFの展開能力を持っているというのは、こちらにしてみれば間違いなく不利だ。

現状出来るといえば・・。

今度こそ自分のデバイスを起動させる。自分のデバイスは少し特殊で起動には専用のキーが必要になる。

カード状態のデバイスの側面に設けられたキーシリンダーにセットし右に押し回す。そして愛機の名を叫ぶ!!

「行くぞ、ヘリオス!!!」

All right operation system start!

コアクリスタルがひかり、またたく間に大きな砲撃デバイスへとその姿を変える愛機。そして俺の左目に緑色のオペレーションディスプレイが出現する。

超長距離砲撃支援デバイスヘリオス。砲撃魔法に特化したインテリジェントデバイスだ。

大きさは、自分の身長よりも大きくそれを左手は前のグリップ、右手でトリガーを持って構える。

小回りは絶望的だが、腰を据えて撃つ分にはその火力は絶大だ。

「班の振り分けはさっきの通りだ、無理はせず対象とは一定の間隔を持って行動しろ!
相手のフィールド内に入れば、魔法行使は難しい。単独ではなく必ず複数で行動すること、良いな!」

俺の指示に各班から、『了解!』という声が返ってくる。

しかし・・・なんだ、少し違和感があるが・・気のせいなのか?

俺は相手のガジェットの動きに若干の違和感を覚えたが今はそんな事を考えている場合でもない。

今俺の周りには若干名の局員がいる。

その数俺を含めて4名。

内2人はクロスレンジ担当そして俺ともう一人が、ミドルロングのバックアップ隊という振り分けだ。

俺は新型を見やる。新型とは既に小隊長が戦闘を始めていた。

・・・よし。

「残ったものは俺と新型だ!クロス担当は小隊長の指示に従え。お前は俺とこの位置から小隊長らをバックアップする。」

・・・とりあえず、ひと段落・・・か。俺はふうっと息を、はくとヘリオスを構えなおし、左目のオペレーションディスプレイで狙いを定める。

・・・・・・新型か何型がは知らんが・・悪いがサンプルになってもらうぞ!!
































戦闘区域から少し離れたところまで、避難した僕たちは遠巻きにそれを眺めていた。

初めてみる本格的な集団戦闘。

これまでは、基本マンツーマンでレイナさんに教えてもらっていたし、多対多の戦闘の機会なんて無かったから

距離があっても圧倒される。

正直言葉が出ないって言った方がいいのかな。

真剣な眼差しで、戦闘を眺めていた僕にレイナさんが急に声をかけてきた。

「少年君この戦闘のポイントわかるかい?」

「え?ポイント・・ですか?」

「・・あぁやっぱりすぐには無理かな。」

ん???何のことだろうか・・・。

「この戦闘が始まるすぐ前・・スターク君が色々指示していたの覚えてる?」

指示?・・あぁ確かに、スタークさんの周りに局員の人が集まっていましたね、それが・・?

「この戦闘においてはそこに全てがあるんだ。言ってる意味が分かるかな・・?」

「すいません・・ぜんぜん分かりません・・」

「じゃあ、ね少年君。全体を見てごらん?誰かを見るんじゃなくて、全体を見るんだ。」

全体・・・全体を見る・・・。全体・・・。

・・・・ん?・・・全体・・・。

僕は言われた通り全体を見渡してみる。

初めはよくわからなかった。

でも次第になんとなくこれはっていうのが分かり始める。

そして、スタークさんのいた位置から太い閃光が走った時・・・・。

「あ!」

「んふふ〜気付いたかな?」

分かった。そういうことだ。多分・・いや絶対。

「リズムですね!戦闘の・・リズム。クロスを打って・・絶妙なタイミングでロングやミドルのバックアップが入る・・・。その動き・・。」

「にはは〜正解〜♪」

レイナさんはピッと指を立てると「じゃあ解説しようか!」と言って僕の横にしゃがみ込んだ。

「その通り、少年君が言った通りこのリズムが重要なんだ。クロスから打ち込む、ミドルから撃つ、ロングから支援する。この一連の流れを彼らは絶妙なリズムで行ってるんだ

ん〜とね・・あぁちょうど今ライアが新型と打ち合ってるでしょ。よく見ててごらん・・・。細かいのを3発・・その後すぐにミドルから援護が入って・・

もうミドルを撃った時にはほら、スターク君がロングレンジから砲撃を始めてる。ダダダン・ドドドン・ドーンみたいな感じでね。」

確かに、レイナさんが擬音でリズムを取ったそのままのテンポで攻撃が行われていた。

「でも、このリズムとスタークさんの指示にどういう関係が・・・。」

「うん、それを今から説明するよ。このリズムはね生まれるべくして生まれたものなんだ。なぜかっていうとね、彼の指示。振り分けた班数の割にその時間が短くなかったかい?」

確かに・・言われてみればそうだ。結構な人数がいたにもかかわらず、パパッと振り分けが終わった。そして今見るときれいに一班クロス・ミドルで半々に人数が分かれている。

「そして、振り分けた班員。きれいに半々ってことは気づいてるよね。全部はこのリズムを生みだすための意図的な振り分けと正確な指示とそのテンポのよさ・・
まさに戦場の指揮者ってとこかな。ライアにはもったいないぐらいの良い補佐官じゃないか。」

戦場の指揮者・・・・!

あの人・・会ったときからどこか只者じゃないような雰囲気は持ってたけど・・。やっぱり・・凄い人だったんだ。

気づけば僕は、スタークさんが作り出したテンポのいい戦場を食い入るように見つめていた。

































ッハ!流石はスタークだぜ・・。良いテンポだ。他の奴らもうまくやっていやがんな。あたしは新型の攻撃をかわしつつ、周囲を見やる。

新型を除いた4機中既にもう2機は戦闘行動不能に陥っていた。おおかた近代ベルカのクロス担当の連中が、格闘戦でボコボコにした挙句、

トドメにスタークの一撃が入ったんだろ。

ま、悪くねぇ流れだ・・・・・若干気になる事はあるんだがな。




にしても・・この新型ぁ!!!

あたしは新型の鋭利な多脚型のユニットを使った攻撃を右腕でガードし引いた左で思い切り、ガジェットをぶんなぐる。

はっきり言ってあたしが苦戦してんのは、AMFじゃない。このクソ固い装甲に攻撃を阻まれているのだ。

「こんの!クソボールがぁ!!!」

あたしに殴られて若干よろめいた新型に回し蹴りで追撃をくらわせる。

体勢を崩し転倒するが、形状が球体なだけに転がって、またすぐに器用に足を使い起き上がってきやがる。

あぁ、もうラチがあかねぇ。何か・・何かねぇのか。

何度も言うがこの装甲の厚さがくせもんだ・・。AMFも展開されりゃあ厄介だが、クロスレンジを不得手としていないあたしにとっては特に問題はねぇ。

あたしのバリアジャケットのシューズは先端部にでけぇボルトヘッドが専用のステーに2本固定された厳つい外観をしている。まぁ名前は一応ボルトレッグってんだが

名前はまぁいい。当然だがこいつは見かけ倒しじゃない。はっきり言ってこいつの威力は馬鹿にできねぇ。T型なら1〜2発で致命傷位の一発は撃てるんだ。

それでもこいつには届かない。

さっきは回し蹴りだったから、かかとのほうから行ったが、それでも蹴り破れない。

・・・・こうなったら・・。

えぇい仕方ねぇ・・!

あたしは、近くにいたクロスレンジ担当の局員に指示を出し一端距離を置く。

その行動にスタークが何事かと念話を入れてきた。
『どうしました・・?』

『・・スターク・・ラチがあかねぇ・・アレで一気に潰す!』

その返答にスタークは焦った声で返してくる。

『ッな!・・・本気ですか!?そんなことをせずとも・・』

『あのなぁ、こんな事冗談で言うかつーの!それしかねぇんだよ!』

『・・・っ!り、了解!』

スタークは戸惑いながらも、そう答えるとあたしよりも前のポジションに移動しそこでヘリオスを構える。

そしてあたしはその少し後ろで、セット。

・・・・あたしがクロスレンジの連中にした指示は2つ。

それは、【出来るだけその場で新型を足止めする】ことと【閃光が見えたらすぐにその場を離れる】これだけだ。

足止めという指示をしたのは距離も重要なファクターの一つだからだ。そして閃光が見えたら、離れろと言ったのは・・・。

「へたすりゃ巻き込んじまうからだよ!!行くぜスターク!!!」

あたしはマージンを取りつつも出来るだけ多くの魔力を引いた両手に集中させる。ミッド式ワインレッド色の魔法陣と閃光が左右の拳付近に収束する。

そしてそのまま力強く踏み込んで・・・・一気に押し出す!!!!

「うぅぉぉらぁぁぁッ!!!!!」

押し出された魔力は太い砲撃となりガジェット目がけて真っ直ぐ突き進む。そして更にその後ろからスタークが灰色の魔力光の砲撃をかぶせる!

砲撃の先端がガジェットに当たるか当たらないかというあたりでスタークが絶妙なタイミングで打ち出した砲撃があたしの撃ちだした砲撃に包まれるように結合される。

更に太く強固な砲撃となってガジェットを襲う。

スタークを前に出させるのはあたしの砲撃の足がスタークのそれよりもわずかに速いためだ。

こうすることで、速度差を距離というハンデで埋め、弾頭部分のみ魔力結合を弱めた砲撃によってあたしの砲撃と結合。複合2層式の砲撃魔法になるっていうわけだ!
当然のごとくガジェットはAMFを展開するが・・・・・・・無駄だ。

初弾のあたしの砲撃がAMFによって消える。しかしまだその中にはスタークの砲撃が残っているのだ。

「これで決まりだ!」

そう思った・・しかし・・・・

AMFを抜いてもなお堅牢な装甲と激しく火花を散らすスタークの砲撃。

くっそ、これでもまだ駄目なのか!?

あたしは若干焦りながらスタークを見る。これでも抜けねぇのか!?

けどスタークのその目は一点に集中していて・・・・・・・・・・まだ・・・・あきらめてねぇ!!

「・・・うおぉぉぉああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

スタークの咆哮とともに、更に砲撃の太さが増していく。だったらもう一発!もらっとけぇ!!!!!

あたしはその後ろからもう一度、同じ砲撃を撃ちだす。AMFで若干結合の弱まったスタークの砲撃とあたしの砲撃がまた交わる!!





それを見て、カッと目を見開くスターク、おっしゃぁ!いけぇぇ!!

「これでフィニッシュだ!!ヘリオス、バーストモード!!メインマズルフルオープン!!!」

all right! maine muzzle lock off. maximum burst start!!

「「ツイン・ピストン・マキシマムッ!!!!!」」

その合図でヘリオスのマズルが上下に開き、また更に太さが増していく、既にその太さは新型の直径を大きく超えていた。

そして次の瞬間・・・。

轟音とともに、ガジェットは地にひれ伏した。


























終わった。

地鳴りのような音と共にガジェットを包んだ砲撃は、しばらくガジェットと拮抗していたが最終的にはガジェットを貫き、地平線のかなたへと消えた。

正直言葉も出ない、これが前線で戦う一線級の魔導師の戦闘。

そう考えると自分がいかに小さい存在かということに気づかされる。

自分にはあんな、攻撃は無理だし多分、あの新型相手だったら倒されているだろう。

・・・って、ダメだダメだ!またネガティブな思考に!!つい先日上を向こうって考えたばっかりなのに・・。

マイナス思考をシャットアウトするようにかぶりを振る。

僕のその行動を見て、レイナさんは「フフッ」と笑みをこぼしていた。

そして一言「ライア・・また強くなったなぁ」とボソッともらした。











そうこうしているうちに、ライアさんたちが戻ってきた。

「お疲れ、ライア、スターク君もね」

レイナさんは2人に向かってねぎらいの言葉をかけている。

「フンッ、んなもん疲れたの内にはいらねぇよ。なぁスターク」

「・・・・・」

ライアさんがスタークさんに話題を振ったが、スタークさんは何かを考えているようだった。

ライアさんの声に気がつかないほど・・真剣に。何を考えているんだろ。

「・・おい、スターク聞いてんのかよ?」

「え!?あ、す、すいません、何か仰いましたか、小隊長。」

2回目でようやく気がついた。ライアさんも若干怪訝な顔をしている。

「一体・・何について考えていたんですか?ライアさんの声にも気がつかないなんて。」

僕がそう訪ねると、スタークさんはチラッとこちらを横目で見ると一呼吸おいて、話し始めた。

「・・・いえ・・その、ガジェットと小隊長の事を少し考えていました。」

「・・あたしの事?なんでまた。」

ライアさんの顔が一層怪訝な物になる。

どういうことだろうか。

スタークさんが更に言葉をつづけようとしたところで、お約束のようにレイナさんがちゃちゃを入れる。

「スターク君も物好きだねぇ〜。ガジェットの事はともかくこんな、胸がでかいだけの突撃馬鹿のことなんて考えるだけ無駄なのに〜・・」

そしてまぁ、当然のごとくこれをスルーして話を続けられるライアさんじゃないから・・。

「・・・・てめぇな。さっきまでのねぎらいの気持はどこ行った!」

「ねぎらいはもうしたじゃないか!お疲れさんって言ってあげたでしょ、それとも何まだ欲しいの!?」

「お前の場合は何か形がねぇと、信用できねぇんだよ!」

「うわッ!酷い!!あたしの真心こもったねぎらいをそんな風にしか取れないだなんて・・・やっぱり」

「・・・やっぱり・・あんだよ。」

「やっぱりおっぱい馬鹿じゃないか!」

「な、って、てめぇおっぱいは余計だ!!それになてめぇみたいに小さいよりはマシだ!!」

「ち、小さいぃ!!」

あぁ・・ライアさんそれだとただの馬鹿って事を自分で言っちゃってます・・・・・。

はぁ・・仕方ない。あの二人はしばらく帰ってこなさそうだから・・。

「そ、それでその・・考えていた事っていうのは・・。」

僕がその先を聞いてみることにした。

スタークさんは、「まぁお前に行っても仕方ないんだが・・」と前置きして話し始めた。

「俺が考えていた事。まずはガジェットの事だ。お前も知っていると思うがガジェットは、あるロストロギアを狙って行動している。
だがこの高原にはそれらしき反応は見られなかった。」

それは僕も来るときに、レイナさんの車の中で考えていた事だ。結局答えは出なかったけど、どうも気になっていたんだよね。

なんで、こんなところにガジェットが現れたのか・・・・・か。僕はそのままスタークさんの見解に耳を傾けた。

「これは・・お前たちが来る前・・ガジェットの第一陣を片づけた時にも思った事なんだが・・。」

スタークさんはまた、一呼吸置いて息をふうっとはいて、まだ残るガジェットの残骸に目をやる。

「あいつらは・・・俺たちが攻撃するのを待っていた気がするんだ。」

「待っていた・・・?どうしてそんな」

「確かにあいつらは、出てきてから動き出したのは早かったが、こちらを倒そうとする明確な意思を感じられなかった。どちらかというと・・・・そう時間稼ぎのような・・」

時間稼ぎ・・・何の・・

「そして、もうひとつは小隊長の指示だ。」

そう言えば、最後の攻撃の前なにかやり取りをしていたみたいだったけど・・。あれは指示を出していたのか。

「合理的で、基本に忠実な小隊長が・・・いくら攻めあぐねていたとはいえ、とどめを急いだ理由・・・それが気になっている。あの時、他のガジェットの半数は

既に戦闘行動が出来るような状態ではなかった。そちらの人員を回しても良かったはずだ。やりようはいくらでも・・」

なるほどね、そう言われてみればライアさんは自分から下がってスタークさんとやり取りをしていた。

みていた限りではライアさんは、攻めあぐねてはいたが、攻撃を食らったりはしていない。所々に小傷はあるものの、無傷というレベルだろう。

・・・・確かにどこか不自然さは残るな。

一連のやり取りが終わって、僕らはライアさんとレイナさんを見る。・・・あぁ・・まだやってるのか。

しかし、ライアさんもレイナさんも取っ組み合いしながら僕らの会話は器用にも聞いていたらしい。しっかりと・・・・

「ふぁんふぁ・ふぉんんふぁふぉふぉ、ふぁんふぁふぇて・・・・ふぃふぃふぁふぇんふぃふぃふぉ!!!」

「ふぁんらろー!!ふぉっひは、ふぁきに・・・!!!」


・・・・・・会話には入ってきたけど、言語学者でも多分解読不能な二人の発言だった。

僕たちは、顔を見合わせると、ほぼ同時に大きくため息をついた。



























うぅ、イテテ・・。まったくライアってば・・。

そんな思いっきり引っ張らなくてもいいじゃないか・・

顔の形変わったらどうしてくれるんだ。

にしても、あの2人意外と色々考えるてなぁ。

あたしは、少年君とスターク君を見てそんな事を考えていた。

まぁスターク君は当たり前か。ライアの補佐官やってるわけだし。

ただ少年君も、口にはあまり出していないけど、顔は前から少し考えていましたって顔だ。

良い傾向だね。

こういう空気になれることも経験の内だからね。

さて・・・さっきは取っ組み合いしてたから、ライアも何言ってるのか分からなかったけど改めてライアに聞いてみようか!

「で、ライアさっきのスターク君達へのQ&Aは、なんなのかなぁ?」

あたしの声に振り向いたライアはまだ若干、お怒りのご様子・・。いやぁ・・あはは・・あたしもまぁ、少しぐらい・・1:9位の責任はあるよね、うん。

もちろん自分の比率は1だよ。

ライアは、あたしのそんな考えを読み取ったのか、わざとらしく一度「はぁ〜」とため息をついて腕を組んだ。

な、なんで!?あたし何か間違えた!?

ライアは「まぁいいや」ともらして、スターク君の方を向いた。

「で、なんだったっけ・・・・・・・・・あぁ・・思い出した。まずてめぇの一つ目の疑問。ありゃ、まぁあたしも同じ事を考えてたんだ。」

「同じ事を・・ですか?」

「あぁ、でもお前とは少し違うんだ。あたしは待ってたっていうよりも、新型の戦闘行動の邪魔にならねぇ様に、後ろの方に下がっていた感じに見えた。
その証拠に新型はまだしも周辺のT型は積極的に攻撃をしちゃいねぇ。第一陣の時も新型がいなかっただけで、こっちを何か図っているようにも見えたしな
それに、ここだからはっきり言うが・・」

そう言うとライアは残骸の回収を行っている自分の隊の人たちを見た。

「あいつらは、まだガジェットを倒せるほどの実力はねぇ。」

うわーばっさりいくなぁ・・。まぁライアらしいっていえばらしいけど。

「じゃぁ、ガジェットが手を抜いてたって、ライアはそう言いたいわけ?」

あたしが、そこから考えられる事をさらっと言ってみる。そしてライアはそれを肯定した。

「・・ま、おそらくな。その証拠に、新型を含めて5機のうちその半数以上を倒したのは、スタークの砲撃だしよ。」

「そう・・・そうだ。言われてみれば新型以外AMFも展開しませんでした。」

「そりゃそうだろ、AMFなんざ展開されたら、今頃あたしらはここで笑ってなんていられねぇよ。」

ライアは・・・またさらっとそういう事を・・・。間違っちゃいないけど、ストレートすぎだよ・・。



「それによ、さっきみたいな考え方なら、戦力を図って、ちょうどいい感じだったから新型のテストに使いましたってのも、考えられんだろ?」

なるほどね・・・あ、でも・・。

「なんでガジェットが現れたんですかね?」

あたしが言おうとした事少年君に言われちった。

「まぁそこはちっとわからねぇけど、さっき言ったあたしの考えが正しいってんなら、なんで現れたかは説明がつくぜ?なぁスターク」

「はい・・・・・小隊長が仰る事が正しいのならば、ガジェットの狙いは俺たちだ。」

「え?スタークさんたちが・・・狙い?」

「そうだ、元々俺たちはガジェットが現れる数日前からこの地で、単独の演習を行っていたんだ。個人的なスキルアップから魔法を使用した戦術レベルまで幅広くな。」

「で、何者かに目をつけられた・・・か。」

静かにうなずくスターク君。なるほど、簡単な話だね。つまりは、新型の性能評価に使われたわけだ。

確かにライアの仮説が正しけりゃ、ロストロギアが無いこの場所にガジェットが現れても不思議じゃないね。でもだとすると、今後もこういった事が起こる可能性があるのか・・


「もうッ、どうするのさ!このままライア達が新型の評価試験に利用され続けたら、あたし達がまたサンプル回収に来なきゃいけないじゃないか!」

「って、心配する場所が違げぇよ!!そこはあたしらを素直に心配しやがれ!!」

まったく・・・・。




んで、そういえばスターク君の抱いた疑問はもうひとつあったね。

これはあたしもちょっと興味があるんだ。あのライアがどうして他のやり方もあるのに、トドメを急いだのか聞かせてもらおうじゃない。

だって合理的な考え方のライアにしては結構強引なやり方だったし・・。

「で、もう一個の方だが・・。」

ライアはあぐらをかいて芝生の上にドサッと座り込むとバツの悪そうな顔で頭をかいた。・・・おやなんか様子が?

「・・・すまん、本当に焦ってたんだ。」

「「「はぁ?」」」

あまりにも意外な言葉に3人でハモッてしまった・・・。

あぁ、スターク君なんて頭抱えちゃったよ・・・。

「・・・・・い、いやだ、だぁってよ、あのクソボールマジで固いんだぜ!?」

「え、・・何、本当に焦ってた・・・だけ?」

「じゃあ、てめぇがあれと戦って見やがれぇ!!」

ってうわっ、ぎゃ・・逆切れ!?何もう、怖い!切れる20代!?

「・・し、真剣に考えた自分が・・・馬鹿だったのか?」


「おい!スターク!てめぇまで、何言っていやがる!」


あたしを含めた3人に完全に呆れられたライアの声が、日も傾きかけた高原に響き渡った。

「あたしが焦っちゃいけねぇのかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」






























〜おまけ〜
帰りの車内

「はぁ〜疲れました・・」

「確かにね〜、戦ってないけど緊張とかもあったんじゃないかな。」

「まぁ、そうですね。なにぶんなれない空気でしたし・・。」

「でね、あたし一つすっっっっごく気になる事があるんだ。」

「おいスターク、飲み物取ってくれ。」

「えぇと水でよろしいですか?」

「なんで君たち乗ってるの!?」

「んだよ、ケチケチすんなよ」

「あの・・他の隊の人たちは・・・」

「ん?あぁあいつらなら今頃、局のトラックでガジェットの残骸と相乗りして降りてきてんじゃね?」

「・・・レイナさん僕ねライアさんがどうして小隊長として隊で慕われてるのかいまいち分からないんですが。」

「案外、後ろ指さされてるのかもね・・。」

それは・・・小隊長としてはどうなんだろう



〜おまけ2〜

「ところでさ、ライア」

「あん?なんだよ。」

「あの新型そんなに固かったの?」

「まぁなぁ。」

「どの位?」

「どの位?・・・そーだな・・・・・」

「ん、何?あたしがどうかした?」

「お前の胸ぐらいかな」

「んっ!?・・何が言いたいのかな・・・。」

「いやだから・・てめぇの胸みたいに小さくて骨みてぇに固い感触ってこt・・ばっかやろうファイルは殴るもんじゃねぇ!!」

「ライアみたい馬鹿でかくても意味無いでしょ!ちょうどいいサイズなんだよ!」

「んなこと言ったってよ、お前んとこのチビすけはでかい方がいいっぽいぜ?なにせ、
あたしのバリアジャケットみて赤くなってたしな!」

「って、ちょ!!この状況に僕を巻き込まないでくださいよ!!!それにあれは別に胸とかで・・
ってうわ、レイナさん角はだめ角は!!」

「なんだよ!顔赤くして!!もういいよ!この中であたしの味方はスターク君だ・・・「・・大きい方が・・」・・え?」

「・・そ、その小さいよりは大きい方が・・その自分は好みですが・・。」

「・・・・ウツダシノウ・・・」


















〜あとがき〜
どうもしるくです
こ、このぐらいは大丈夫ですよね??
若干オパーイネタが入りましたが・・・
大丈夫だよな!?!?!?
さて、新キャラの登場の戦闘シーンです。
ちなみになかなか細かく説明できていないのですが、ライアもスタークも
一応は砲撃魔道師です。
ライアはただ単に格闘戦のスキルが高いだけです

あとこれは・・・書いた方がいいのか分かりませんが・・・。
レイナはスレンダーな体型です。胸はそんなにありません!
逆にライアはプロポーション抜群です。まぁ言ってみればグラマー?
これからもちょくちょくこのネタは入れていくかと思いますが、そのあたりはご了承ください〜。

ちなみに僕個人はちょうどいいのが好みです(ドンナヤネン

あ、あとデバイスの発言なのですが、出来る限り英語で書こうかと思います。ただ筆者は英語は強くも何ともありません(爆

こっちでは英語で発言してるが、こっちじゃ日本語だぞって言うのがあると思いますがそのあたりはご容赦ください。

それでは、今回はこのあたりで、失礼いたします。お読みくださいましてありがとうございました。



作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。