六課に誘われた時、あたしは正直戸惑った。


あたしが・・・あたしなんかがって・・。



でも、その時はスバルにも後押しされて・・・。





だけど、実際は・・・。






入ってみればそこは、やっぱり皆凄くて。




スバルも、エリオも、キャロだって・・・。




なんとかなるとか、どうして思ったのか・・・。




でも・・・でも・・・・あたしはそれでも、立ち止まってなんていられない・・




そう・・・立ち止まってなんかッ!!!




●魔法少女リリカルなのはstrikers〜空を見上げる少年〜第13話 〈力と代償〜後編〜〉●

まさか、スバルが前半で落とされるとは思わなかった。

フォワードを失うとは・・。

でもまだやりようはある。

「キャロ!」

「はい!」



あたしはキャロを呼ぶ。あまりセンターガードのあたしが動いちゃだめなんだけどね・・。

エリオもレイナさんを任せてはいるけど・・。

いずれ、ライアさんがバックアップで到着する。

それまでに、レイナさんだけでも落とす。

そのためにエリオには、既にあたしとの距離を詰めてもらっている。

あたしの援護が、ただ単なる牽制ではなく決定打につながる布石にするために。

そして少しでもライアさんの到着の時間を伸ばすために。

仮にだめでも・・・・まだ奥の手がある・・・。

あたしは駆けよるキャロの傍らの白く小さい飛竜をみやる。

「キュクルー」と鳴くその飛竜、名をフリード。

フリードを、挨拶の段階から見せなかった理由。

駆け引きは、戦う前からってね・・。

あたしはニヤリと笑うと、また戦術思考を巡らせた。

相手は厄介だけど、そんな事言っていられない・・。

実戦だろうと、模擬戦だろうと・・・・こんなところで立ち止まってなんていられない!!















ったくあいつ、意外と遠いな・・・!

っていうか・・あいつがここまで動かなきゃならないほど、あのチビが速ぇのか・・。

あたしは今までの考えを少し改める。

ちょっと急いだ方がいいかもしれねぇ・・。

へたすりゃあいつ・・!















さっきから、ずっと避けられてる。

有効打は初めの、不意打ち的なスピアーシュナイデン≠セけ。

後はクロスレンジ、ミドルレンジ共に良いようにさばかれている。

少し距離を取る。

下手に行けば、クロスレンジで落とされる。

レイナさんは、今まで、一度も攻撃において魔法を使用していない。

いや、使っているといえば使っているが、それは身体強化それぐらい。

ただそれだけで、魔法による攻撃を続けている僕をさばき続けている。それは事実だった。

懐のとんでもなく大きい相手・・。

模擬戦と言う、実践とは大きく異なる戦い、そこで発揮される実力も全力で無いにしろ、この人は。

でも、速さは僕の方が上だ。それに加えて、ティアさんからの指示もある。

そして、さっきまでの攻防で少しづつだが対応しきれない攻撃がいくつかあった。

勝つためにそしてティアさんの指示を完遂するにはやはり速さ≠サれしかない!

僕は、ストラーダを構えなおす。

速さで勝負だ!

Sonic Move!

行きます!レイナさん!!
















ッく!!


エリオ君が消えた・・・!?

いや・・・高速移動と言う表現が正しいのかな。

どっちにしても、目が慣れてきたとはいえ正直ここまで速いと思ってなかった。

一瞬消えた光を求め、あたしは感覚を研ぎ澄ます。

一瞬の静寂から・・・気配ッ!

振り返り、右手を突き出す。

「そこかぁ!!!」

だが、あたしの拳は空を切る。・・・・・・・速いッ


攻撃が外れたと思った瞬間には、少し離れた場所の残骸が砕ける。

間違いなくエリオ君だ。

あんな所まで一瞬で・・。

再び気配を探る。下手に動くのは得策では・・・・ッ!

急に間後ろからオレンジ色の光弾が飛来する。

そうだった!後ろには、ティアナちゃんがいる。

しかも初め見た時よりも近い。

徐々に範囲を狭めるつもりか・・。

さっきから、牽制程度にスターク君の砲撃も飛ぶが、距離が距離だけに射程内ではあるが、確実にダメージを与え切れていないのが実際だ。

それにティアナちゃんも、初めは動かなかったのに、今のは確実にしとめに来ていた。

ってそんな事を考えているうちに・・・ッ!!

光が目の前に!!

っく、しまっ!


反射的に飛び退くが、刹那真下からストラーダをねじ込まれる。

ジャケットの胸部を持って行かれながらも、何とか体勢を立て直すが、速さは向こうの方が上それに加えて、ティアナちゃんが後ろから狙っている。


あれ〜・・これってヤバくない?

また一瞬で間合いを詰められストラーダであたしを突く。

それを左手ではらいながら、右手を引く。

「っちぃ、仕方ない・・・アレを!!」

右手に魔力を集中させる。

はらわれながらも、押し続けていたエリオ君の刃が一瞬ひるむ。

その隙を見逃さなかった。アレなんてただの出まかせにすぎない。

あたしは魔力集中をやめ、その右手でストラーダをつかみ、思い切り後方へ放り投げた。

「うわぁぁッ!!」

そしてその後方にはオレンジの光弾。

「っく、そんな!!」

ティアナちゃんの驚きの声が、ここまで聞こえた。

オレンジの光弾は、寸でのところで、方向を変え左右のビルに直撃。

その煙で互いの姿が見えなくなった。





一息つく。少し息も上がってしまったが、この煙だ・・下手には・・・・ん?

一瞬何か光ったと、思った時にはもう遅かったのかもしれない。

一気に間合いを詰められる。

まさかそんな。そう思ってしまった事がこのピンチを招いた。

あの煙の中、確信があったのか博打かは定かではないにしろ、真っ直ぐぶっ飛んでくるなんて!


当然一瞬の油断が、対応を遅らせる。

「―――うあぁぁッ!!」

あたしは腹部に、もろにストラーダの一撃を食らう。勢いのままあたしはかなり後方へ飛ばされた。

何度か、転がってようやく勢いが止まる。

けほっ・・げほっ!!・・くぅぅ〜息が・・

あたしが肘をついて身体を起き上がらせようとした時、すぐ間横に気配がした。

そして・・・・・・・決着はついた。

首元にストラーダを押しつけられる。

あっちゃぁ、あたしの負けとはね・・・。お姉さん、知らないうちに結構弱くなったみたい。

その時、あたしのすぐ後ろにもう一人魔導師の気配がした。

「うっしゃぁ!待たせたな、来てやった・・・・・・ぜ?」

「遅っいんだよ、おっぱい馬鹿!!!」

ライア、もう少し早く来ようね・・。












こちらも1人落とされた・・・・か。

その脱落者がレイナさんだった事はかなり意外だ。

ティアナがどんな指示を飛ばしていたのか、なんとなくだが理解できる。

わざとレイナさんを、自分の方へ誘い込み、そこを隠れていたエリオが挟む。

そして後は、手早くその間を詰めていけばいい。

スバルがかなりこちら側で単騎で戦ったのも、要は対スバルの魔導師を割きたかったから。

挟み込むのは実質誰でも良かったというのが本音か。

速さのあるエリオだから出来る策と言うわけだな・・。

だが、あの場に小隊長がたった今到着した事は最悪だ。

同じ手で、挟まれる。

いやむしろ同じ手など使わなくても、エリオの速さはこちらの誰でも勝てないのだ。

結局挟まれる・・。

俺は思案する・・。

この中で一番厄介なのは?

決まっている。相手のブレイン、ティアナだ。

高い射撃センスはもとより、戦略的思考を素早く立てられる技量があいつには備わっている。

非常に厄介な相手だが・・・。


俺は仕込みのアレを左目のディスプレイで確認する。

・・・ふむ、良い感じに広がってくれたようだな。


元々こちらにこの距離からティアナを落とす気などさらさらない。

だが小隊長を1人であの間に置いておくのもそれはそれで危なすぎる。


四の五の言っている間に小隊長まで落とされたら、こちらのオプションがグッと狭まってしまう。

まぁ・・・こちらの意図に気がつかない小隊長では無いと思うが、それでも下手に落とされれば全てがパーだ。

だから・・。

「おい!」

あのチビに、指示を飛ばす。あいつは頷くと行動を開始した。

それを追うように、俺も動く。

さて・・・うまくいけば懐に潜り込める。

頼むぞ・・。











フィールドを出たあたしは、そこにバリアジャケットを解き、座って大型モニターに映し出される戦況を見つめるスバルちゃんを見つけた。


「あ、レイナさん!」

こちらに気付いたようで、あたしもそれに手を振って返す。

そしてスバルちゃんの横に腰を下ろした。

一つ息を吐く。

まぁ、流石は六課っていうか・・・。

ティアナちゃんというか・・・。

あたしが苦笑いしていると、スバルちゃんが不思議そうに顔を覗き込んできた。

「どうしたんですか?」

「あぁ、いや・・流石ティアナちゃんだなぁと思ってね」

するとスバルちゃんは、ティアナちゃんが褒められた事を自分の事のように喜んで上機嫌になる。

「エヘヘ〜、凄いでしょ、ティア。最近すっごく頑張ってるし、努力してるし!」

「まぁ、それは分かるよ・・・。こうもしてやられちゃね」

はっきり言って挟まれた時、特にティアナちゃんをそれほど警戒しなかったあたしは軽率だったと思う。

距離もあったし、何よりエリオ君の速さが正直怖かった。

でも、距離が縮められてからなんとかしようと思った自分が馬鹿だったのだ。

久しぶりの、模擬戦で浮足立っていたのもある。

ったく自分で言っておいて・・何がハンデだっつーのね・・・・けどまぁ、次は・・・。

「でも凄いって言えば、ラウル君!びっくりしちゃいましたよ。

確かにバリアジャケット展開してのガチンコって初めてですけど、以前と全然動きが違いましたもん!」

ほぅ、それは聞き逃せないね・・・。あたしもエリオ君に付きっきりで、少年君の戦闘は、よく見てないんだよね。

特に決着のシーンは。

「そんなに凄かったの?」

「う〜ん・・・なんて言ったらいいのか分からないんですけど、動きがひどく正確だったんですよね。無駄が無いっていうか」

「・・・他には?」


「後、そう・・目がそのなんていうか、見たことないぐらい凄い鋭くて、こっちが大声で呼びかけても全く聞こえてないみたいな感じで・・・。」

あたしはその証言に思わずニヤっと歯を見せる。

気づき始めたようだ、自分の2つ≠フ力に、可能性に。

1つはライン・オブ・アブソリュート$竭ホ線とも言い換えられるそれは、あたしが少年君を鍛え始めたころから、ちょくちょく似たようなのは顔をのぞかせてはいたけど

最近は良く見るようになった。ただ、スバルちゃんが言うようなほぼ完全な形での発動は初めてだ。

これは、少年君の持つ高い感性がなせる奇跡。少年君にしかできない芸当だ。

クロスレンジの相手にしか使えないけど、彼は間合いを線で見る事が出来る。多分あのあたしとのスパーで最後棒っきれをいきなり地面に刺して

勢いを殺したのはその線が見えたからだろう。

そしてもうひとつが、アクティブ・イメージ・フィードバック=Bライン・オブ・アブソリュート≠フ発動と同時に

彼は頭の中で相手の次の攻撃、行動を全てイメージしている。

多少ずれる事はあっても、そのイメージによって裏打ちされた相手の動きからは、意図せぬ攻撃≠ヘ絶対にあり得ない。

発動時間はものの数秒だが、その数秒の攻防が決着をつけるクロスレンジにおいて、この能力は相手にとってとんでもない脅威だろう。


それが、あたしが前々から薄々気づいていた少年君の力。

それがスターク君がきっかけで、目覚め始めている。これはうれしい誤算だった。

ただ・・・まぁ、とあたしは思う。

それが、いつ出るのかははっきり言って誰にも分からない。

多分彼自身にも。


好きな時に使えれば確かに、それは凄い武器だけど、使えないんじゃあねぇ・・・


・・・・・・・こればっかりはどうしようもないか・・・考えても。

「あの・・・・どうかしました?」

「え!?あ、あぁいやなんでもないよ、うん・・・・・・アハハハ」

どうやら、じっと考え込んでいたようだ。

あたしは、大げさに手を振ってそれを否定すると、あたしも大型モニターへと視線を移す。

スターク君達も動き始めた。

そろそろ、終盤かな。













「おらぁぁぁぁッ!!!」

突きだされたエリオのストラーダを右手でつかみ一気に引き寄せると、そのまま逆の手で殴りかかる。

それをエリオは小柄な体を活かして器用に避け、こっちが一動作終わったころに、絶妙なタイミングでスフィアが飛来する。



「・・・・・・・・っちぃ!」

とっさにストラーダを離し、飛び退いてスフィアを回避。

とにかくあのスフィアを何とかしてくれねぇと、エリオに集中できねぇ!

正味よくこれだけのコンビネーションのなか、レイナはそこそこ粘ってたと感心する。

この2人でも十二分なのに、加えてスフィアの速度、威力から察するにキャロのブーストまでかけられていやがる。

なるほどこいつは確かにいやらしい相手だ。

元々あたしはチマチマ回避なんて考えるようなタイプじゃねぇ。

あたしが砲撃魔道師を目指したのも、相手の攻撃範囲外から一方的に攻撃が出来るっていう考えもとだ。

砲撃魔道師こそ、合理的な考えの頂点だとあたしは思ってる。

スタークがいるから今はクロスレンジやミドルを中心にそろえちゃいるが、どの魔法も基本砲撃なのだ。


・・・・・・冷静になれ。この場で焦るからレイナみたいに油断も起きるんだ。多分あいつはそういう負け方をしたはずだ。

焦って自滅は一番やっちゃいけねぇ。

この場合、これが本ちゃんの戦闘だったらどうするか・・。

そもそも論を言ってしまえば、こんな相手の策に乗る事自体合理的じゃあねぇ。

まぁでも、今はそれを言っちゃあ元も子もない。

チラッとエリオを見る。

ストラーダを構え今にもこちらにぶっ飛んできそうだ。

どうあがいても、あたしをこの間から出すつもりはねぇらしい。





あたしはそれを確認すると、今度はそのエリオのずっと奥のビルの残骸の落下場所をチラッと見る。

そこに何かが光っていた。

まったく・・・遅いんだよ。

あたしはそれを確認すると、不意に構えを解く。

それを警戒して、一瞬エリオもティアナもデバイスが揺れる。

そして・・・次の瞬間だった。


「なっ!?」

「うそ!?」




エリオの切っ先をS3Uで抑え込むチビすけと、その2人の驚きをかき消すほどでかい砲撃があたしの間横を通り過ぎる。

スタークの主砲とも呼べる砲撃魔法ストライク・インフェルノ≠セ。

ティアナもかろうじて、それを防いだが、距離がそれなりだったこともあって、削られはしたようだ。

これで落とせるとは思っちゃいないが、スタークにしちゃ上出来だな。

形成は逆転した。一気に終わらせるぜ!















そんな、どうして!?

いつの間にあの2人がこんな近くに・・・!

クロスミラージュのエリアサーチにも引っかからなかった。どうやって・・!

すると、クロスミラージュがとんでもない事を淡々と述べてくれた。

The jamming bullet was detected. They seem to have disappeared in the previous attack.

(ジャミング弾を検知しました。先の攻撃の中に紛れ込ませていたようです)

それに驚愕する。

そして相手のしたたかさに舌を巻く。

向こうは初めから、あの距離からの砲撃でこちらを落とすつもりなどなかったのだ。

あの距離から、数発撃ちこんでいたのは、こちらに射程を意識させるためとこのジャミング弾の打ち込み。

それも、それとなく他の砲撃に紛れ込ませるあたりが、いやらしい。

更にいえばそのジャミング弾も、撃った直後は他の砲撃の魔力にまぎれてその粒子が分散するからすぐには分からない。

あとは定点カメラの死角をうまくそして素早く、移動してこればだれの目にも止まらずこの大通りまで抜けてこられるというわけだ。

にしても、ジャミング弾の拡散の時間まで考慮しての砲撃とするならば・・・・。

スタークという相手は、思っていた以上に強敵だ。

ここにも、いたあたしより年下で、あたしなんかよりもずっと凄い才能を持つ人間が。

あたしはギリッと奥歯をかみしめる。


でも、それでも・・・あたしは!!

既にエリオはラウルとライアさんに挟まれ向こうからは、スタークがヘリオスを構えている。

こんなところで、あたしはぁッ!


「キャロ!フリードいけるわね!?」

その言葉に一瞬ハッとしたが力強くうなずく。

「いい、あたしが合図したらフリードの能力を解放、あたしのスフィアも混ぜて一気に3人を落とす!」

「えぇ!?さ、3人ですか?」

キャロが少し不安そうな声を上げる。

大丈夫・・・あたしはやれる。努力した。あのアグスタで失敗してから、死ぬ気で今日までやってきた。

だから、この3人ぐらい一気にかたずけで見せる。

「フリードの攻撃はスタークに固定して。あたしのスフィアはその攻撃にまぎれて、ポイントポイントであたしが誘導。それなら3人をまとめて落とせるわ」

キャロの顔がこわばる。本当にそんな事が出来るのかと、でも出来るのかではなくやらねばならない。

そうやるのだ!

そう思いながらあたしは、キャロに合図を出し自分のスフィアを整える・・。

数は多いけど・・あのときよりはそんなに多くなんて無い。これぐらいなら大丈夫!

そうだ、大丈夫、落ち着けティアナ・ランスター。

わたしは・・・出来る!!!!



















僕はその・・・、なんていうかタイムスリップでもしたんでしょうか・・・。

まさにそれは驚愕の出来事。

エリオ君と打ち合っていたら、あら不思議ティアナさんの元に白い竜が舞い降りました。

「・・・あ・・・・・・え!?」

ライアさんは完全に顔が引きつっているし、チラリとスタークさんを見やると、かなり厳しい顔で・・。

・・・ちょっと待ってこれはまずいんじゃない??

にしても・・・竜って・・・。

「っち。あんなもの・・・。隠していたってのかい?」

ライアさんがごちる。確かにここに到着した時、あんな竜はいなかった。

キャロちゃん・・・。

まぁ、以前竜召喚士という事は聞いていた。だがまぁ、目の前でまざまざと竜を見せられると驚いてしまう。

「それを隠していた・・か。これは・・・ティアナだな」

スタークさんも警戒しながら竜を見上げる。

僕も一瞬その竜につられたのがいけなかった。

その一瞬、そのわずかな時間がクロスレンジでは致命傷、そして相手は、速さのあるエリオ君。

エリオ君はその一瞬を見逃さなかった。ストラーダをS3Uのブレードヒンジに噛ませ思い切り下に叩きつける。

叩きつけられた衝撃で、しびれた手になんとか力を入れなおし寸でのところで、S3Uを落とすのを回避。

同時に離れたストラーダをS3Uで横へはらう。

だがエリオ君は、それを見越して叩きつけた後すぐにストラーダを引いていた。どうやらS3Uを払い落した隙に一撃を入れるつもりだったようだが・・。

空を切ったS3Uだが、危機はなんとか回避し・・・・・え?

再び、その竜を見た時、既に竜の口元は赤く光っていた。




















「行くわよ!キャロ!!!」

「は、はい、いくよフリード!」

キャロはフリードに合図しフリードの口元に炎が宿る。

ブラストフレア<tリードの持つ、火炎砲撃だ。

威力もそこそこで何より派手な分あたしの、スフィアを紛れ込ませやすい。

いけるやれる!

「いけぇッ!!!」

「ブラストフレアァッ!!」

これで・・・決まった!!!!















これは!

ヘリオスが感知した物それはとんでもなく多いスフィアだった。

それをあの竜の砲撃に、紛れ込ませて・・・ッ!

ッチィ!

同時に俺達3人をやるつもりか!

だが・・・。

焦りながらも、少し不安になる。

あれはおそらく誘導弾で、こちらを3人一度に落としに来ている事は分かった。

しかし、あんな無茶な砲撃・・本当にうまくいくのか?

俺はともかく、あそこには小隊長とあのチビそしてエリオがいる。

砲撃の合間にそんな事を瞬時に!?

・・・・・・―――――――無理だ。

考えている時間その間にも砲撃との距離はグングン狭まる。

えぇい、相手のことなんか考える必要はない。

今は、あの砲撃をなんとか・・・・・・ッ!

小隊長付近を通過した時さっとスフィアが散開するのが見えた。

あのごちゃごちゃしたところで何も起きない事を頭の片隅で祈りつつ、俺は手早くコアプロテクションを発動した。

耐えきれるか・・これで!!!














散開したスフィアが、目標めがけて飛来する。

なるほどこれは!

僕はエリオ君と距離を取ると、ウェイブ・シザーズ≠起動。

これはバリアブレイクの他にも、純粋魔力ならばある程度、スフィア自体を切断することもできる。

来るスフィア、来るスフィアを片っ端から落としていく。

時間にして数秒だが、それでも結構な数だ。

そしてある程度落とし終えた時だった。

3つのスフィアが、あらぬ方向に飛んでいく。

「ッ!?」

な、なんだ。

あがった息でその方向を目で追う。

そしてその先に見た物は・・エリオ君!?

・・・・何を・・まさか連携?

そんな事を考えていると、不意にティアナさんの叫びが響く。

「エリオッ!避けてぇッ!!!!」

え!?ってことはアレは、まさかコントロールが効かない!?

僕はS3Uを握って蹴りだそうとするが・・・・、間にあわない。

どう考えても僕の足じゃ間にあわない。

ただエリオ君もエリオ君で、砲撃の音がやまぬうちに発せられた、ティアナさんの声だけに届いている感じは見当たらない。

チラッとライアさんを見るが・・ダメッ・・!
























そして・・3回の鈍い音とともに最悪の瞬間が訪れた。





































・・・・・・あたしは呆然とただ立ち尽くすしかなかった。

出来ると、思った。

いや出来なきゃいけないと思って・・。

その結果がこれだった。

目標の内落とせたのは、ブラストフレアの直撃を受けたスタークだけ。

ライアさんもラウルも、あたしのスフィアを全部回避して・・・・。

その代わりに、直撃したのがエリオだった。

しかも、3発。

その結果エリオは倒れて、今ヴァイス陸曹のヘリに載せられて・・・。

別に非殺傷だから、命に別状はないだろう。

ただ・・・・あたしは取り返しのつかない事をしてしまったという事だけは確かだった。

「・・あの、ティアナさん・・・。」

キャロが心配そうに手を出してくる。

それをあたしは、無意識に払いのけてしまった。

「―――――え?」

「あ、あぁ・・。」

自分が今、何をしたのかさえよくわからないまま、模擬戦会場には、終了の合図がむなしく響き渡っていた。






























〜あとがき〜
みなさんどうも。しるくです。
さてこの回は模擬戦の後半丁度題の代償≠ノあたる部分です。
でティアがアグスタで起こした誤射事故それがあの時は命中しませんでしたが
この回ではエリオ君に直撃さぁ大変(棒読み
この回はアグスタよりも後のお話です。
基本的6課の日常を描きませんのでね、この作品では。
なので今どのあたりなのだろうという事はあとがきで書いていけたらと思いますが
ここからティアナ暴走へと入ってきます。
前も書きましたが、あの回には色々と思うところがあるのでね。
うまく書けるか分かりませんが頑張っていこうと思いますので、今後ともよろしくお願いします!





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