・・・・正座させられています。




え?誰がかって?



レイナさんですよ。


いやもう色々・・・あって・・。


あんなにダイナミックで綺麗な正座への移行は始めてみました・・・。






いやってかもう・・・・うん。 ●魔法少女リリカルなのはstrikers〜空を見上げる少年〜第11話 〈それって凄いんじゃない?〉●

まぁ正座させられているのは、置いといて。

このリリィさんと言う方は、レイナさんの元上司の人だそうだ。

元々空の魔導師だったのを、自らの意思で管理局地上本部に移ったらしい。

だから、空の魔導師ながらその階級は地上の三等陸佐ということになる。

そして、何より驚いたのが、この人が数少ないSランクを持つ魔導師だということだ。

この人は凄い。

誰よりも、とびぬけて凄いのだ。

また、収まりかけていたいら立ちが、湧き上がる。

僕は苦い顔になる。

・・・・分からない。なんでこんな。

相手が凄いからいら立つのか?

いや、違う。だったらレイナさんのいるときでもいら立っているはずだ。

いら立ちだって、今の今まで顔をひそめてた・・・・。


これが一体何のいら立ちなのか・・・その意味をっつったって・・。


完全に僕の頭の中は、ゴールの見えない、抜けだせない迷路、その中を答えを、求めてさまよっている状態だった。

まぁ所謂一種の混乱なんだけど・・・。

僕は、うつむくと、無言でその場を後にした。

前と同じように、あそこにいたら多分誰かに八つ当たりをしそうで・・・そんな自分が嫌だった。

















む?・・あの少年が出て行ってしまった。

む?マリエス・・・まったく後を追いかけおって。

マリアスをチラリと見やる。マリアスはうなずくと2人の後を追った。

さて、にしてもあの少年は良いのかとレイナに聞こうとしたが・・・。

レイナは何故かすこし満足げな顔でそれを見送っていた。

まぁ・・上司と部下。その間には色々と考える物があるのだろう。

我は、ひとまずあの少年を思考の隅へ追いやり、正座している元部下の顔を見下ろした。

・・・・何故だろうな、今日は見下ろすのがやけに多いわ。

「ふむ、レイナ・・。お前何故正座させられておるか分かっているな?」

「あ、アハハハ・・・な、何故でしょう〜かぁ〜?」

レイナはひきつった笑みを浮かべる

・・とぼける気か。ならばその理由を貴様の前に示してやるとしよう。

我は先ほどの会話中に、おもむろに棚の中から引っ張り出し、デスクの上に無造作に置かれていたファイルを手に取る。

バラバラとめくっていくと、その中にぐちゃぐちゃになった、記録紙が数十枚。

「貴様は、この特観というものが一体どんな部署か、一番知っている人物だ。」

我は、そのページを開きながら一歩前に出る。

「観測にとって、最も重要な物はこの綿密に取られたデータだ。違うか?」

「うぅ・・・はいそーです・・。」

ちじこまってボソッと答えるレイナ。それを見て我は更に語気を強める。

「その命よりも大事にせねばならんデータをこんな乱雑に保管するとは、一体何を考えている!!」

「すいませんでしたぁ〜!!」

・・・・・・・・。

涙目になって即土下座・・・。

い、いやまぁ・・。謝るのは当然のことであろうが。ここまで綺麗に頭を下げられてしまうと・・こちらも。

「・・・・ま、まぁよい。幸い破れてもおらん。今後は気をつけろ、分かったな?」



「了解ですッ!」

さっきとは打って変わって、笑顔で座りながら敬礼とは・・。


まったくこ奴は。

我はチラッと部屋の片隅に目をやる。そこには、ほうきとチリトリ。

我は軽く息をつくとポツリと漏らしてしまった。

「・・・何も変わっとらん」








我はその後、2階から1階におり、客間に通された。

ほう、畳とはまた。我がこの前所用で向かった、第97管理外世界の物とだったはずだが。

フッ・・異文化の交流はますます盛ん・・・か。

そして我の目の前には、緑色の飲み物。

ふむ、緑茶か。これも中々ミッドではまだ見ない代物だな。

うむ、程よい渋みと温度だ。美味い。

しばらくするとレイナが入ってきた。

「・・どうですか、それ」

「あぁ、美味いぞ。しかしこんなものよく持っていたな」

「あぁ、それだいぶ前に調査で行った世界で買ってきたんです。渋みが美味しいですよね」

あぁまったくだ。にしても・・・

「お前とまたこうしてゆっくりと話が出来るとは・・な」

「そうですね、あの事件≠フ前後はバタバタしていましたし」

不意にレイナの顔が曇る。

まぁ・・当事者だからな。

「・・・すまない。嫌な記憶を思い出させるつもりはなかったんだが。」

「いえいえ、そんなんじゃないですよッ!」

両手を左右に振ってあわてて取り繕うレイナ。

「大丈夫ですッ!」と笑顔を見せたが、その笑顔の中にうっすらと曇りが残っていた。

・・・にしても、マリエスめ勝手に追いかけていきおって・・。

まぁ直にマリアスから連絡も来よう。

我は、話を巧く切り替えながら談義を進めていった。



























・・・・出来れば、あまり来たくも会いたくも無い相手だったのだがな。

俺はごちりながら、とある建物に入る。

そこは以前俺にとってはあまり良い思い出の無い技術開発局・・。そうあの女に会いに来たのだ。

中に入って受付を済ます。今日は予約も何もしていない。少々不安だったがどうやらあの女はいるらしい。

意外とすんなり会えたことに若干の安堵と不安が入り混じっていた。

何せ、互いの印象は良いとは言えないだろう。

短いとはいえ声を張り上げて、言いあった間柄だ。

第2技術開発部。そう書かれたドアの前に立つ。

俺は、中に入るとぐるりと、あたりを見渡す。

一瞬の注目の後、また技術者達が、自分の仕事に戻っていく。

その中に、セミロングの深緑色をした女性を見つけた。

何やら他の技術者と話していたが、こちらに気がつき早々に話を切り上げるとこちらに歩み寄ってきた。

「受付から、話は聞いているわ。よく来たわね歓迎するわ。」

ジムニー技師はやわらかい笑顔で話しかけてきた。どうやら前の事はあまり気にしていないようだ。

「とりあえずここじゃ何だし、応接室に行きましょ」

俺は無言で応じると、技師の後に続いた。

俺が通されたのは、以前と同様の応接室だった。

ジムニー技師はソファに腰掛けると、俺も彼女に促されるように会い向かいに座る。

向き直って、今更気がついたのだが、ジムニー技師は前見たときにはなかった眼鏡をかけていた。

「それで、どんな御用かしら?・・・ん?あぁ眼鏡ね。細かい資料を読むときにはよくつけるのよ。」

俺がしばらく顔をじっと見ていたことに気がついたのか、右手で眼鏡をクイッと上げなおす。

「実は、これなのですが。」


俺は懐から待機状態のあいつのデバイスを差し出す。彼女は少し怪訝な顔をしながらもそれを受け取ると意外なこといった。

「これは、ラウル君のデバイスね、違うかしら?」

このデバイスを知っているのか。この人。どうやら俺が先に帰ってから何かあったようだな。

俺は、あえてそのことには触れず、話を先に進めた。

「単刀直入に申し上げます。このデバイスを直していただきたい。」

ジムニー技師はさらに怪訝な顔になる。そして当然ながらこんなことを聞いてきた。

「まぁ、私たちは技師だから、直してくれといわれれば、嫌とはいえないわ。

それが仕事ですものね。でも・・・なぜあなたがこれを持ってくるのかしら?」

俺はそれに答えになるのかは分からなかったが、はっきりと言った。

「・・・あいつのためだからです。」

「彼の・・ため・・・・ね。」



ポツリとつぶやくと右手で眼鏡をはずし、何かを考えるようにそのまま手をあごへと持っていく。

その目は、真剣そのものだった。・・・技術者の目というべきか。

その目でデバイスを見やると、軽く息を吐き立ち上がる。




「・・・・・・分かったわ。これを改修すればいいのね?」

「先ほどの理由で満足ですか?」

言ったのは自分だが、聞き返してみる。

ジムニー技師はフッと笑うと眼鏡をかけなおし、耳にかかっていた髪をはらう。

「えぇまぁね。詳しくは聞かないわ。それぞれ事情があるんでしょ。それに初めから期待する答えなんて返ってくると思ってなかったから。」

なるほど・・・どうやらこっちの理由はどうでもよかったらしい。

やはり俺はこの女性が苦手だ。

「それじゃあ、一度オフィスに戻りましょう?いろいろ要望を聞かないといけないでしょうしね?」

俺は立ち上がってドアに足を進める彼女に言った。

「要望は、たった一つしかありません。」

技師は静かに振り返る。

「元のS3Uとまったく同じに直していただければそれで。」

「同じですって?」

ジムニー技師がその言葉にまゆをひそめる。

「・・・・はい。」

「陳腐な言い方になるけど、同じように直しても、一番違和感を感じるのは彼よ?」

そんなことは分かっている。後々確認したのだがS3Uの破損状況は俺の想像を軽く超えるものだった。

外見コアは残っていたものの、至近距離からの収束砲撃は数十年前のデバイスにとっては致命的な損傷だった。

砲身が噛み込み、直撃を受けたセラミックブレードは跡形もないのは言うまでもなく、ブレードヒンジのすぐ下にあったコアユニットは、

余波によって内部の処理機能が完全にアウト。

まともに使えるのは、S2Uの原型をとどめる、柄の部分だけという有様だった。

だが、だからと言ってかけ離れたデバイスを戻してもあいつのためにはならない。


「ですが・・!」

そう言いかけたところでジムニー技師に言葉を遮られた。

「あなたにはあなたなりの考え方があるんでしょうけれど、その要望にはこたえられないわ。」

真剣な眼差しに嘘は無い。相手はプロだ。そのプロに、期待には答えられないと言われてしまった。

もちろんこちらも、このまま引き下がるわけにはいかない。これをあいつの手にしっかりと戻すという責任がある。

同じではだめ・・・何か・・言い手立ては・・。

まったく同じでは、あいつが戸惑う。でも似たようなものを渡せばいいという問題でも・・・・。ん?

似たような・・・物・・・。

そこで俺は閃く。


少し屁理屈めくが・・これなら・・・。

「な、ならあいつが持った瞬間に違いが分かればいいわけですよね?そうすればまったく同じデバイスでも違和感は少なくなる。」


「と、言うと?」

ジムニー技師が首をかしげる。

「だから、持った瞬間に違いが分かるならいいと申し上げているのです。」

「・・・つまり、持つ能力、外見は同じで質感や重量配分とかを変える。見えないところを弄る・・・というわけかしら?」

この方法だと、初めから違うデバイスを握るということを感覚的に理解していれば、

外見は同じだが使った感覚が違うという違和感を少なくさせることは可能だろう。

だが、これは最悪あいつの、戦闘スタイルを崩しかねない。

持った質感は装甲材質で何とかなるにせよ重量配分は出来れば、変えたくないところだが・・。

しかしそれを拒んでいる状況でもない。俺はこれを何にせよ絶対に来るべき時に返さねばならないのだ。

分かりやすいところでS3Uとの違いを出していくしかなかった。

そう、これは大きすぎても小さすぎてもダメなのだ。壊しておいて言えたことではないが、

あいつが気がつくべき力は紛れもなくコレ≠ネのだから。

俺の意志をくみ取ったのかジムニー技師は深く息をつく。

「・・・・・分かったわ。じゃああなたからの要望をまとめると『同じ外見で同じ能力だが、同じ外見で同じ能力だけど、

持った瞬間に違うデバイスであるという事が分かる何かが欲しい』とこんな感じかしら?」

指をピンとたてて言いたい事を要約する技師。

俺はゆっくりとうなずく。それを見てジムニー技師は今度こそ部屋を出ていく。

「デバイスが上がるのは、早くても2週間後よ。出来たらこちらから連絡するわ。それじゃ、失礼♪」

ため息をついてはいたが、出ていくときの声はどこか上機嫌だった。

やはり技術者なんだなと・・・そんな当然の事を思いながら、俺は技術部を後にした。

後は、あいつからのアクション待ちだな。


































僕は、気づけば、あの夜星空を見上げた臨海公園のベンチにいた。

今日も良く晴れた良い日だったが、太陽は傾き始めていた。

僕はひとまず、ベンチに腰掛ける。

当ても無くまた空を見る。雲がゆっくり流れていく。

僕と雲と、見えている世界はきっと違う。

レイナさんもライアさんも、スタークさんもそれに六課のメンバーだって違うだろう。

そう思うとまた、少しいら立ってしまう。それに最近では胸のあたりがチクリと痛む。

・・・・劣等感なのかな。やっぱり。

これまでレイナさんとやってきた事。つい先日まではそれが自信になっていたがはずなのに・・・・。

僕も話を聞いただけで、目の前で戦闘を見た事はほとんどない。

ただ、見なくても分かることもある。

それは今を見れば明らかだ。

本当はこんな事思っちゃだめだ。今いる場所を卑下するなんて事は。

でもどうにもならなかった。誰に何を聞けばいいのかさえ今の僕には分からないのだ。

前はスバルさんという相手がいた。でもこれは自分自身の事だ。

強いて言えば相手はスタークさんだが、気づけと言われた手前聞くわけにもいかないし、あの人が気づけというくらいだから

聞いても答えなんて返ってこないだろう。



「ん〜・・・・ありゃ、いな・・・・あ、!いた!!」

その時底抜けに明るい声が、響く。

声の主は・・・・見なくても分かる。レイナさん以上に明るいこの声は・・。

「マリエスさん・・」

彼女は僕を見つけるなり、勢いよくこちらに向かって走ってくる。


そのままの勢いでベンチに飛び込むように座った。手には・・・レイナさんの棒?

「ねー、どうしたの?急に出て言っちゃって?」

そのストレートは質問に少しムッとなってしまう。元々少しいら立っているのもあるけど。

とにかく今は、それを抑えなくてはいけない。

「何か、悩み事?聞いてあげようか?」

あくまで、明るいマリエスさん。向こうに悪気は一切ない。でもその明るさが僕の神経を逆なでする。

「ねぇねぇ!話してよ〜。そうじゃなかったら帰ろう!」

マリエスさんは僕のマントの裾を引っ張る。こっちの気も知らないで!!

しばらくは辛抱していたが、僕はどうやら我慢強い方ではないらしい。



「ッ!離してくださいよ!!どうせ話したところで・・・」

気がつけばその手を振り払っていた。目をまん丸にして驚くマリエスさんの顔を見て初めて自分がした事に気がついた。

「あッ!・・・・あの・・。」

自分でやっておいて、どうすればいいのか分からない。何と言えばいいのか。謝ればいいのか・・・。でも言葉が続かなかった。

「・・・・・・すいません」

それが精一杯だった。

それでもマリエスさんはチラチラとこちらを、見てくる。それがたまらなく痛かった。

勝手にいら立った挙句に八つ当たり。僕の想定していた最悪のシナリオだ。

しばらくの沈黙。

僕がチラリとマリエスさんを見る。さっきまでの笑顔とは打って変わって、心配そうな顔でこちらを見ている。

そして、再びマリエスさんが口を開いた。でも今度は優しい声で。

「ねぇ、話してよ。力になれるかは分かんないけどさ・・・。やっぱり・・・悩んでるんだよね。さっき『どうせ話したところで』って言ってたし・・。」

「・・・・・」

「ね!」

ニカッと歯を見せて笑いかけてくれた。

・・・・僕はさっきの考えを恥じた。こっちの気も知らないでではないのだ。ある程度くみ取った上での彼女なりのこれが接し方だった。

そんな彼女に僕は・・・。

でも、彼女の言うとおりだ。たとえ何の解決にならないとしても話さなきゃ分からないこともある。

僕はゆっくりこれまでの事を話し始めた。














「・・・・・と、言うわけなんです。」

事細かに、マリエスさんに今までの事を話した。

すると、意外にも驚くほどすっきりした自分がいた。

・・・やっぱり話してみるもんだな。

僕がそんな事を頭の片隅で考えていると、不意にマリエスさんが口を開いた。

「ん〜・・・・なるほど〜・・。」

なるほどと言いながらまだ何かを考えていた。

やっぱり、解決はしないようだ・・でも、これはこれですっきりしたから良かったのかもしれない。

話は終わりと言わんばかりに、僕が立ち上がろうとした時意外な一言が返ってきた。

「・・・・でもさ、それってラウルくんが弱い事になるのかなぁ〜?」

「え!?」

思いもよらない発言だった。だって僕はこれまで誰にも勝てていない。

それどころか周りの人は凄くて・・・。本当にちっぽけで・・。

「ん〜いやだってさ、最初に話してくれたあの機動六課の人との模擬戦のくだりがあったじゃない?あれだって、要はデバイスのせいでしょ?」

い、いや確かにそうなんだけど・・。でもあの時スバルさんは本気では無かった。僕は結構カツカツだったけれど。その時点で自力が違う。

やっぱり僕は弱いのだ。

「でもさ、その戦った娘のバリアを抜いたんでしょ?」

でもそれこそデバイスのおかげだ。僕は何もしていない。

「普通に考えれば、結構脅威だと思うんだよね、バリアブレイクって。」

脅威?僕の持っている技が?

そんな風に考えた事は今まで一度も無かった。

僕の持っている技が相手の脅威?・・・。ん?今・・・・何かヒントが見えたような・・。



「それがたとえ、デバイスのおかげだとしても、それをするのはラウルくんで、あくまでデバイスは、機械じゃん?

充分にボクは凄いと思うんだけど・・・」

まったく違う視点からの意見だった。でも・・・・。何か大きなヒントを貰った気がする。

スタークさんが気づけと言ったのはひょっとして・・・こういうことなのか?

まだしっかりと答えは出ていないが、大きなもやもやの半分ぐらいが、スッと消えた気がした。

「って、ボクは考えるけど・・・どうかな・・・って聞くまでも無いか!」

マリエスさんは同時に僕の背中をバンっと叩く。

反動で前に押されそのまま立ち上がったところを、そのままマリエスさんに手を取られ臨海公園の芝生まで連れてこられた。

マリエスさんは、向き直るといきなりこう言った。

「ねぇ!軽く一本!」

そういうと、マリエスさんは持っていた棒の1本をこちらに投げてくる。

い、一本って・・。

いきなりの事に戸惑うが、さっきまで少し落ち込んでたしその気分を上げるには、悩みを聞いてくれただけでは正直満足ではなった。

身体を動かす・・・・か。丁度いいかもしれない。


僕はマントと上を脱ぎ構える。

マリエスさんもこっちのやる気に気がついて、自信満々な笑顔を向けてくる。

「・・・・行きます!」

「お〜う!かかってこ〜い!」

その瞬間ほぼ同時に地を蹴った。


































カンコンと、こぎみの良い音ではないか。

我とレイナはマリアスの連絡を受け臨海公園へ赴き、3人で少し離れたところから事のてん末を見届けていた。

しかし・・マリエスが悩みを聞くとはな。

いつものあ奴からは少し想像できない意外な面を見たな。



我は隣で同じく見守るレイナを見やる。

その目は、とても優しい目立った。

「・・・ふむ、どうやら迷いのゴールはもう少しかもしれんな?」

「あれ?リリィ三佐気が付いてました?」

大かた予想はついていた。スタークから悩みを聞き、そしてラウルに会ったその時にな。

にしても、なるほどあれが。

我は目を細め、目の前でマリエスと打ち合っている小さな魔導師を見る。

あの他人に中々、干渉せんスタークが何故気にかけるのか。あ奴は分かっておらんようだが・・・。

ッフ、居るものだな。不思議と周りに人間が寄ってくる人間というのは。

「にしても、やりますなぁ〜少年君は。」

「む?何がだ?」

「いやいやぁ〜、モテるねぇってことですよ」

ッフン・・・・まぁどうなのだろうな。

さっきも言ったが、あいつにはどこか、不思議な魅力がある。

これから楽しみではあるな。あの少年がどう成長し、どんな出会いをしていくのか・・。

我はそれが少し楽しみになった。

我らは今しばらく、あそこで打ち合う2人を静観することにした。












































・・・・さて、彼からの要望をまとめましょう。

私はオフィスに戻って、端末を使いデバイスを強制的に起動させる。

・・・・・・うっわぁ。これ2週間で終わるかしら。

基礎フレームは使えない。

う〜ん。難しいわね。

元々長く使えるS2Uではあるけど、数十年も前のロッドとなると・・・それにここまでいっちゃうとね。

でも、これでも副主任よ、期待に添える物を作ってみせるわ。

品番とかは、調べれば出てくるし、ちょっとした小細工も入れちゃおうかしらね。

ウフフ、こうやって色々考えるの大好きだわ!

その夜、技術部には不敵な笑いがこだましていたという。

























・・・・・俺は、あの人に託して大丈夫だったんだよな?

そしてふと不安になるスタークだった。



























































〜あとがき〜
どうも皆様、お久しぶりです?しるくです。

お付き合いいただきましてありがとうございます。

もうすぐ・・もうすぐで六課とかと絡みだしますから!!

いや・・でもボクっ娘はいいなぁ〜

っていうかなんでスバルはボクっ娘じゃないの!?

だから石とか投げないで!ヤメテ!!

それでは投てきが投石に変わらないうちに失礼します!

またお会いしましょう!


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