某月某日

 それは夕食時の事だった…

 「なぁアリサ…」

 「なぁに?」

 俺はその料理を端でつつきながら同じモノを黙々と食べてるアリサに問いかけた…

 「肉の入ってない青椒肉絲(チンジャオロース)は青椒肉絲(チンジャオロース)と言わないと思うのだが…」

 だが…

 「言うわ…」

 あっさりと即答された…

 「いわねぇよ!!」

 それに俺は即答で返してやったがな!!

 だが…

 「言うのよ…特にお金が無い時はねぇ…」

 哀愁を込めた瞳で遠くを見られたらなぁ…

 何もいえねぇだろ…

 だからあせった俺は話題を変えようとしたのだが…

 「そんなに金がねぇのか?」

 そんなあせった思考では地雷原に突っ込む事しかいえなかった…

 結果…

 「えぇえぇお金が無いのよ!

  良介が壊した物の賠償金!

  良介が暴れて怪我をさせた治療費!

  良介が捕まった時の保釈金!

  良介が迷惑かけた人へのお見舞い金!

  その他色々で家計は火の車よ!!!

  全て良介が原因でね!!!」

 ぶち切れアリサにポルターガイストアタックでボコられました…

某月某日

 流石にアリサの手腕があったとしても探偵業なんて定期収入が期待できない職業だけでは苦しい…

 なので副業をする事にした!!

 副業は喫茶店のマスター兼コック!

 俺の料理スキルと、アリサの経営能力で出来るモノを考えたらこうなった!

 店は自宅の一階をシャリオと月村に改造してもらったのでタダである!!

 あと開業資金は、リンディに

 「一年間御菓子をタダにする」

 って言ったら心良く出してくれた!!!

 なので資金は大丈夫!!

 そしてさらに!

 桃子に喫茶店を開く事を言ったら…

 「なのはが継いでくれると思ってたけど…あの子は別の夢を見つけちゃったから…」

 と言って翠屋の暖簾を分けてくれた!!

 本当に感謝である!!!

 そして今日!

 翠屋ミッドチルダ店がオープンした!!

 とりあえず頑張るぞ!!!

某月某日

 翠屋ミッドチルダ店開店日

 本店はシュークリームが目玉商品だ。

 こちらもそれに負けないモノを用意しなければ桃子に申し訳ない。

 そう……喫茶店と言えばコレだ!

 「……なんでメイド服なのよ」

 「最近ごく一部で流行ってるらしい」

 「却下よ!」

 「翠屋のウェイトレスの制服にフリルとカチューシャつけただけなのにな……」

 「ご主人様はアンタだけで私は手一杯よ」

 「ひどい言い草だな」

 「それにリョウスケ以外の人になんて……」

 「ん?」

 「いいからさっさと店開けてきなさい!」

 「へいへい」

 「……まったくもう」

某月某日

 昨日は制服がアレしかなかったんであのままで仕事をしたアリサだが……

 「なぁ、開店前から行列が出来てるんだが」

 「ええ」

 「しかも男ばっかり」

 「……そうね」

 「制服、翠屋のやつ持ってきたんだな」

 「…………」

 そう、アリサのメイド服に釣られた独身男性が行列を作っているのである。

 「さて、飲み物の仕込みでもしてくるか」

 「絶対に着ないわよ!」

 結果昨日より売り上げが落ちた。

某月某日

 「ねえリョウスケ」

 「何だ?」

 「パフェの盛り付け用のメロンが無くなってるんだけど、どうしたのかしら……?」

 ビクゥッ

 「買い足し忘れたんじゃナイデスカ?」

 「(食べたわね)それじゃ、代わりにバニラ以外のアイスで彩りを付けましょう」

 「いや、バニラ以外在庫が無いんだが」

 「作 り な さ い」

 「今作るすぐ作る凄いのを作る!(ば、ばれてないよな?)」

 「まったく……(まぁそっちのほうが売り上げあるからいいんだけど……言わないほうがいいわよね)」

某月某日

 今日も順調に売り上げを伸ばしている翠屋ミッドチルダ店!

 現在の目玉商品は桃子も認めるバニラアイスだ!!

 ただ…

 俺とアリサはある事実を見落としていた…

 「アリサさん…」

 「なに良介?」

 「人員が絶対的に足りないと思うのですが…」

 そぉ本店並とは言わないが、それに迫る客が来る現状で店長兼コック・給仕兼オーナーなんて
  二人とも二束の草鞋装備状態なんて無茶な現状で回転させてるのである…

 「人を雇うとしてもねぇ…華やかさの為に女性を雇うとなのは達がねぇ…」

 人を雇うって選択主は前からあり、雇うのだが…

 「「コレとコレとコレと…あとコレと…」」

 と同時に早口で注文し、間違えるとニコやかに殺気をぶつけるなのはとはやて。

 「…………(じぃ〜〜い)」

 羨ましそうに眺め続けるフェイト。

 などなど…

 六課や数子達が色々やって直ぐにやめてしまうのである…

 「アイツらの重圧に耐えられるヤツは居ないのかねぇ…」

 「無理でしょ…」

 まぁ人手不足は当分解消されなさそうである…

某月某日

 俺はついに禁断の手に出ることにした!!

 「スカえもぉぉん!

 ウエイトレス用ガジェット作ってくれ!!」

 本来なら我が弟子であるシャリオに頼むのが通例なのだが!

 ロボット技術の面からナルシーに頼んだ!

 まぁ助っ人として

 「博士……おねがい(うるうる)」

 お嬢にもお願いしてもらった!!

 報酬として俺特性バニラアイスをガロン単位で渡したが安い物だ!

 で、今日はウエイトレス用ガジェットの入荷日なのだ!!

 コレで人手不足解消!!!

 と思ったのだが…

 「ローゼン…

 こんなガラクタに頼むより優秀な私達の方に何で頼まないの?」×12

 数子達にウエイトレス型ガジェットを壊され…

 「「「私達と敵対してる組織に技術協力を頼むなんて…」」」

 となのは達もやってきて…

 結局この方法は廃案になった…

 ちなみにお仕置きで店は一週間お休みした…

某月某日

 人手不足が深刻化してきたので…

 不安があるが久遠を臨時でウエイトレスとして採用する事にした!!

 「くおん……がんばる」

 とりあえずそのほのぼの感からある程度のミスは許してもらえてるので、不安は杞憂に変わったがな…

 ただ…

 「宮本!!いや…宮本殿!!どうか、どうかこのザフィーラめも貴殿のお店で雇ってもらえぬでござろうか!!!!」

 某駄犬が毎日バイト申し込みに来てうざかったがなぁ…

某月某日

 客──ティアナ・スバル
 
 「いらっしゃ……なんだお前達か」

 「いきなり失礼な店ですね」

 「あはは、いいじゃんティア知らない仲じゃないんだし」

 「文句があるならこなきゃいいだろ」

 「スバルが行きたいと駄駄をこねて……」

 「ほぼ毎日来てるじゃねえか」

 「私が行きたいって言わないときは、ティアが絶対行こうって言うんですよー、ね、ティア?」

 「あ、え、ほらっなのはさんの実家のスィーツが食べられるのは近場ではここしかありませんからっ」

 「まぁ桃子直伝だからな、味は保障つきだ、んで注文は?」

 「私はアイスの盛り合わせを!」

 「そんなもんはねえ!」

 「えーこの前は作ってくれたじゃないですか」

 「スバル、あんまり我侭言ったらいけな……」

 「ったく、ナカジマのおっさんには世話になってるしな、他の客には言うなよ、特別だからな」

 「やったー!」

 「え……特別……?」
 
 「ティアナの注文は?」

 「…………アイス宇治茶を」

 「アイス宇治茶?」

 「はい、スバルだけ特別扱いなんて」

 「よく知ってたな、隠しメニュー」

 「事はあるわけないで……は?」

 「うし、ちっと待ってろ
 くおーん、厨房使うからホール頼むー」
 
 「ティア、隠しメニューなんて知ってたんだ?」

 「……」

某月某日

 客――リンディ

 「いら……ってまた来たのかよ!!!」

 今日も常連客っていうか毎日御菓子を集りに来るリンディに突っ込みを入れるも…

 「良介くん……その接客態度はだめですよ…」

 アノ微笑に何もいえなくなる…

 「で、今日は何を注文するんだ?」

 「このメニューのココからココまでv」

 このお方…ニコやかに10品以上を頼んできやがった!!

 「すこしは遠慮しろよ!!」

 「良介くんがいったのよ…

 一年間無料って…」

 「あんな約束するんじゃなかった!!」

 今日も今日とてアノ開業資金の融資の条件を盾に集られたよ!!

 「それに…」

 「それになんだよ……」

 「良介君の作ってくれる御菓子が美味しいってのもあるけど…

 良介君とのこんな会話が楽しみってのもあるのよねぇ…」

 そんな臭い台詞を微笑みながら言ってくるリンディ

 「ちっ…解ったよ…直ぐに作るから待ってろ…」

 そんなリンディの微笑みに恥ずかしくなって厨房に逃げ込む俺だった…

某月某日

 客――シャリオ

 「師匠〜遊びに来ましたよ〜♪」

 「冷やかしはお断りだ」

 「そんな事言わないで下さいよ。せっかく弟子が様子を見に来たんですから」

 「だったら手伝え!!」

 「そうしたいのは山々なんですけど…部隊長命令が出てて無理なんですよ」

 「何出してんの、あいつ!?」

 「そんな訳でミルクティーお願いします、あとシュークリームも」

 「ちっ、仕方ねぇなぁ。ちょっと待ってろ」

 数分後

 「ほらよ」

 「わ〜美味しそうですね。さすが師匠」

 「おだてても何も出ねぇぞ。さっさと食って帰れ」

 「そんなに邪険にしないでくださいよ。あっ!そうだ、師匠最近疲れてませんか?」

 「あ〜そういやそうだな。俺とアリサの二人で切り盛りしてるからなぁ」

 「そんな師匠にこれです!!」

 シャリオが懐から取り出したのは…、

 「私が開発したマッサージ機です。さあ、これで疲れをとってください」

 「……これどうやって「さあ早く!!」…ツッコンじゃ駄目なのか…まあいい」

 さっそく座ってスイッチを押した。

 「おお?おお〜いい感じだな。でも、もっと強いほうがいいかなぁ」

 「じゃあもっと強くしますね」

 シャリオはスイッチを操作する。

 「あっ…」

 「ん?今の"あっ"て何だ?」

 「な、何でもありません。私はこれで失礼しますね。それでは」

 「おお、じゃあな。にしてもいいなこれ。今度アリサにも貸してやるか」

 マッサージ機はドンドン揉む力が強まる。

 「ん〜…少し痛いか。よし!もう仕事に戻っか」

 ガシッ!!

 「なっ、何だと!?」

 マッサージ機から触手のような物が伸び俺の手足を固定した。

 「なんなんだこれは…はっ、さっきの"あっ"てこれの事かー!!」

 マッサージ機は俺の背骨を破壊しかねん強さで揉み続ける。

 「がああぁぁぁぁぁ!!…くっ、久遠ーー!!」

 久遠を召喚し、マッサージ機を破壊して貰いなんとか助かった。

 「ふ〜、助かったぜ久遠」

 「くおん……りょうすけのやくに…たった?」

 「ああ、すげー役に立ったぜ。ありがとな」

 久遠の頭を撫でてやる。

 「く〜ん……うれしい……」

 うんうん、こいつは素直で可愛いなぁ。

 ………あっ!!そんな事よりあいつ金払ってねぇ――!!

 今度会ったら十倍請求してやる!
 
 その後アリサにマッサージ機の残骸を見つけられコッテリ怒られた…。シャリオ…ゼッテー許さねぇ!!

 こうなったら、日本の伝統オンパレードの刑を味逢わせてやる!!!

某月某日

 喫茶店をやり始めて気付いたが、儲かるな喫茶店……

 毎日、アリサがホクホクの恵比寿顔だ。

 実際に俺もビックリしている。

 しかし、経理はアリサが一手に仕切っているので、どんなに儲かっても、俺の給料は変わらない。

 しかも、薄給なのでキツイ。

 給料をアップを願い出たが、

 アリサ「誰のせいで喫茶店始めたと思ってるの」

 と言われれば、グゥの音も出ない。

 わびしい……

某月某日

 なぜこの喫茶店が儲かるのか考えてみた。

 確かに翠屋の味はミッドチルダでも通用すると思う。いや、通用している。

 でも、それだけで、あの繁盛振りは異常だ。

 なにか、なにか、カラクリがあるはずだ。

某月某日

 わかった!カラクリが読めた!

 このカラクリを使えば、裏金が作れる。

 いや、しかし、危ない橋を渡るのも確か……

 金、命、金、命、金、命、金、命、金………

 この閃きを無駄にするな!

 漕ぎ出せ勝負の大海へ!

 GOだ!俺は命を賭ける。

某月某日

 喫茶店に来る客を観察する。

 見込みのありそうな客を見つけては、誰にも気付かれないように声を掛けた。

 彼らは皆、この話に食いついてきた。

 うむうむ。

 俺の目に狂いはないな。

某月某日

 〜裏メニュー〜

 一部の客、主に常連客しか知らない、メニューに載っていない商品である。

 良介「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」

 「ええっと……シュークリーを」

 ピクッ!

 良介「シュークリーですか。」

 「ええ、シュークリーです。ヴィターな味わいが好きで……」

 良介「分かりました。」

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

 アリサ「面白い略しかたする客もいるものね。シュークリーって」

 良介「あっ、ああそうだな。」

 うっ……意外に鋭い!

某月某日

 お金だ!ワッショイ!お金だ!ワッショイ!

 まさか、これほど儲かるとは……

 くっくっく……笑いが止まらないぜ!

 バリーン!!

 窓ガラスを割り、現れたるは青い毛をなびかせた盾の守護獣。

 ザフィーラ「見たぞ、貴様の悪巧み!」

 良介「!!ザフィーラか……」
 
 ザフィーラ「最近羽振りが良いと思ったら……答えろ宮本!この写真をなんに使った!!」

 良介「売った」

 ザフィーラ「思った通りだ!なら、シュークリーは写真。その後言う、シュークリーに対しての感想は写っている人物だな!」

 良介「名推理だな、ザフィーラ。確かにその通りだ。まぁ聞けザフィーラ、俺は考えたんだ。
       なぜ、この店が繁盛するのかを……味は確かに良い!しかし、見つけちまったんだよ……もう一つの理由を……」

 ザフィーラ「……機動六課か」

 良介「そう、そうだ!あいつら目当ての客がいることを!!」

 ザフィーラ「そいつらに、こんな、あられもない写真を売りつけたと言うのか!!」

 良介「ああ、そうだ!」

 ザフィーラ「貴様……見損なったぞ!しかし、貴様の悪行もこれ限り、始末してくれるわ!」

 良介「待て!これで手を打たないか!」

 一枚の茶封筒を投げる。

 ザフィーラ「貴様!俺が金で転ぶと思っているのか!!」

 良介「早とちりはいけないなザフィーラ君……君がお金で転ぶなんて思ってもいないよ。まぁ開けてみな!話はそれからだ」

 ザフィーラ「……ふん、貴様を始末するのはこれを見た後だ…………こっこれは!!」

 良介「くっくっく、まだまだあるぞ、アイスキャンディーを舐める久遠!ソフトクリームを口の周りにつけた久遠!他にも色々だ!」

 ザフィーラ「……宮本、いや宮本殿。裏金を作るのは男のたしなみだ。なんの問題もない!ところで……」

 良介「ああ、わかってる、久遠シリーズは最優先でザフィーラに渡そう」

 ザフィーラ「かたじけない。それでは」

 そう言って、茶封筒をくわえたザフィーラはまた窓から出ていった。

 良介「ああ……っておい!窓ガラス弁償しろよー!!」

 ワオーン

 遠くから遠吠えが聞こえた。ありゃ今夜は祭りだな……

 しかし、冷静に考えるとアレだな……

 あいつらがシュークリーム食ってる写真やアイスを舐めている写真がここまで売れるとは……

 改めてビックリだな……

 まぁいいか、新たな顧客を入ったことだし……

 うむうむ

某月某日

 翠屋ミッドチルダ店は今日も順調である!!!

 といきたかったんだがなぁ……

 「おとなしく金をだせ!!!」

 儲かってるだけにこう言うやからが出るのである…

 ただ…

 店長が俺だけに『強盗』などは多々ある…

 だが!

 「なのは……コイツ迎撃したら俺特性のスペシャルランチ!」

 「わかったの!!

 犯人さん……頭…冷やそぉか…」

 常連の六課や数子達に直ぐに鎮圧されるがなぁ…

 まぁこの逮捕劇も既に家の店の目玉の一つになって売り上げに貢献してるがなぁ…

 とりあえず犯人は"常駐"しているギンガに引き渡したがな!!

某月某日

 翠屋ミッドチルダ店にはある裏メニューがある!!

 「お会計は●●●●円になります…」

 「チャレンジでお願いします…」

 それは会計時にコノ"チャレンジ"と言う言葉を言う事で参加できるゲームである!!

 ルールは簡単!!

 店から半径5km逃げ切れば料金はタダと言う物!!

 ただ…

 捕まった際は料金3倍と言うペナルティーを受ける事になっている…

 だがコノ裏メニューを作ってから一度たりとも食い逃げは出していない!

 何故なら!

 「スバル!!」

 「ま、またですか!?」

 「俺特性アイスの盛り合わせ+新アイス…」

 「いってきまぁぁぁぁす!!!」

 六課メンバーや数子達から逃げられる人間など皆無だからだ!!!

 コレで料金を三倍で獲得できる!!!

 笑いがとまりませんなぁ〜

某月某日

 何となくチャレンジメニューを作ってみたくなった…

 で、完成したのがコレ…

 「これぞ究極のアイス主体のパフェ!!

 ギガントだ!!!」

 全長1Mの巨大なアイス主体のパフェ!!

 容器は特注品だ!!!

 そしてコノパフェ…

 大部分はアイスで出来ているのでアイスの甘さと冷たさに体温は冷え、甘さに辟易しすること間違いなし!!

 そして舌休めに見えるが実は甘さを引き立てる罠のトッピング!!!

 と言う凶悪なパフェだ!!!

 そして食べ切れればタダ!!

 てな歌い文句で店に出した!!

 もちろんた食べ切れなければペナルティーとして3万円支払うってルールもつけたがなぁ!!

 これでさらに設けさせてもらうぜ!!!

 と、思ったのだが…

 俺はコイツらの存在を忘れていた…

 「良介くん……お代わり頼めるかしら!!」

 「良介さん!!私も!!!」

 甘味女王とアイス魔人の二人の事を!!!

 二人で各4杯づつ食べ切るという化け物じみた事をしてくれた…

 もちろん赤字である…

 後でアリサに大変起こられた…

某月某日

 今日はアリサは用事があるとか言って休んでいる。

 チャンスだ!今の内にアレを売りまくってやる。

 ザフィーラはもう邪魔はしないしな。

 ふふふ、これで俺は天下を取ってやる!

 おっと、そんな事を考えていたら、客が入ってきた。

 「いら…しゃい……ませ?」

 「何故疑問形何だ?」

 入って来た奴は俺の想像を超えていた。

 だって普通ここに居ないだろ?

 花束と箱を抱えて立っているのは俺のよく知っている奴だ。

 何でこいつがここに来るんだ!?

 「なんでお前がここに居る!?恭也!!」

 そう、店にやって来たのは高町恭也だった!

 「開店祝いに来たに決まっているだろ。ここにはリンディさんに頼んで送ってもらったんだ。
    本当は母さんも来る予定だったんだが忙しくてな。だから俺一人で来たんだ」
 
 リンディめ、余計な事を!!

 「開店祝いなんぞ要らん!!さっさと帰れ!!」

 「そうか?せっかくメロンを持ってきたのに…じゃあこれは、なのは達にあげるか」

 「お席にご案内致します、お客様」

 「…本当にメロンで動くんだな、お前は…」

 うるさい!さっさとメロン様をわたせ!!

 「ご注文は何に致しましょう、お客様」

 「うーん…何にするかな…」

 速く決めて帰れ!!

 あっ?客が来やがった。

 この色んな意味で忙しい時に!

 「ん?他の客が来たようだな。俺はいいから先に向こうの注文を訊いて来てくれ」

 そう言われ恭也を離れて、客の元へ向かう。

 「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」

 「シュークリーをください」

 ゲッ、こんな時に。

 「シュ、シュークリーですか?」

 「はい。運命的な味がして、大好きになりました」

 「か、かしこまりました」

 厨房に入り用意する。

 フェイトの写真を封筒に入れ準備完了、さて問題は…渡すタイミングだ。

 もし恭也に見られたら…俺、殺されるかも。

 恭也が向こうを向いた!今だ!!

 そっぽを向いている隙にサッと渡す。

 「どうぞ」

 「おお!ありがとうございます。少し拝見しても宜しいですか?」

 「いえ、御家でじっくり拝見してください。その方がその子も喜びます」

 ふ〜、危ねぇ、ここで見られたら恭也にバレるからな、あっ、そろそろ恭也の注文聞かねぇと…。

 「注文は決まったか?さっさと頼め」

 「ああ、それなんだが、シュークリーとは何だ?新商品か?それならばそれをお願いしたいのだが」

 「えっ!?あーと…実は…そのー…そう!品切れなんだよ!今の客に出したのが最後でもう無いんだ。いやー、残念だったな」

 「そうか…それは仕方ない。じゃあミルクティーをお願いする」
 
 「ああ、分かった」

 危ない危ない、もう少しでバレる所だったぜ。

 ミルクティーを淹れに厨房に入ろうとしたその時…。

 「兄さん。手伝いに来ました」

 な、なのは!?何故だ?今日は高町デーなのか!?

 「なのは何故ここに来たんだ?部隊長命令で手伝えないんじゃなかったのか?」

 「それなんですけど、緊急会議で毎日一人ずつ手伝う事に決定したんです」

 「そ、そうか」

 そんな事で緊急会議してんじゃねぇ!!

 「久しぶりだな、なのは」

 「お兄ちゃん?なんでここに居るの?」

 「実は―――とゆう訳なんだ」

 「そうなんだ、ゆっくりしていってね」

 は〜、どうなるんだ?この先…あっ…また客が…。

 「私が注文を訊きますから、兄さんは厨房に入ってください」

 そう言われ厨房に入る。

 数分後

 「はいよ、ケーキセット上がり」

 なのはに渡す。

 その時手が少し触れ合ってしまった。

 ピキッ。

 「ふふ、二人で喫茶店なんて何だか新婚さんみたいですね」

 ピキキッ!

 「馬鹿な事言ってないで、サッサと持って行け」

 全く何言ってんだか……にしてもさっきから聞こえるあの音は何だ?

 「はい、お待たせしまし、きゃあ!」

 なのはが転びそうになっている!くっ、間に合うか!?

 「とっ、大丈夫か?なのは」

 「に、兄さん…ありがとうございます……あっ、兄さんの匂いだ…」

 なのはは俺の抱きつき顔を埋めている。

 何やってんだ?こいつ。

 ピキキッ、ブチっ!!!

 何だ?今、何か切れた音が…。

 「宮本…何をやっている?」

 振り向くとそこには…。

 「恭…也?」

 多分恭也が居た。

 多分とゆうのは、後ろにどす黒いオーラが見えるからだ。

 えーと…俺、死んだ?

某月某日

 たとえ俺の懐が暖まろうとも
 
 たとえ本業より副業が儲かろうとも

 店の人手不足は変わらない。

 よって、

 リンディに手伝ってもらった。

 翠屋を知ってる分いきなり戦力になった。

 しかし、みょーにスカートの丈が短かったりした。

 年考えろとツッコミたかったが異様に似合っている。

 店に来たフェイトの微妙に絶望した顔が忘れられない。

某月某日

 今日は恭也を呼び出した。

 「お前の頼みだから受けたが、いいのか、オレがここに来ても」

 「何が?」

 「なのはの職場には興味があったが関係が薄いオレが異世界に来るなど」

 気にすること無いだろう、それを言ったらエイミィとかは不法入国だぞ。

 それもそうかと納得して今日も開店。

 何故か知らんがこの日は女性客が多かった。

 後日

 店を見回して明らかに落胆する客の姿を多く見た。

某月某日

 今日は副業の為の写真を撮りに六課に来た。

 「いいんですか?こんなに沢山のアイスを貰っちゃって」

 スバルは少し恐縮している。

 「いいんだ。さあ、たらふく食ってくれ」

 「じゃあ…いただきまーす!」

 では俺は写真を撮るか。

 パシャッ、パシャッ。

 「?、何で写真を撮ってるんですか?」

 ぐっ、流石ティアナ、いい感してるじゃねぇか。

 だが俺も数々の修羅場をくぐり抜けて来たのだ、これくらいじゃ負けねぇ。

 「なーに、少し思い出が欲しくなってな」

 「思いで?兄さん、何かあったんですか?」

 「最近俺に脅迫状が届いてな。中には俺の命を狙っているとゆう事が書いてあった。
    だからじゃないが、少しでもここに居たとゆう証が欲しくてな」
 
 「そんな…またですか!?」

 あっ…こんな事前にも言ったっけ…あん時は大変だったなぁ。

 いやいや、思い出に浸ってる場合じゃない!何とか誤魔化さなくては。

 「だが、安心しろ。もう犯人の目星はアリサが特定した。あとは捕まえるだけだ。じゃあ、俺はもう帰る」

 フッ、日本の伝統…二枚舌が成功したぜ。

 また奴らが犯人を捕まえるとか言う前に手は打った。

 完璧だ…完璧すぎて笑えるぜ。

 後日

 何故か本当に脅迫状が来た。

 ……俺が何をした? 

某月某日

 2号店の様子を見に桃子がやってきた。

 さすがに親会社の社長の前で裏メニューは売れない。

 常連には悪いが自重してもらう。

某月某日

 また桃子がやってきた。今度はレティとリンディまで一緒に来た。

 何故か手伝ってもらうことになった。

 三人ともノリノリであった。

 閉店後、事務所で酒盛りが始まった。

 さすがにアリサをいさせるわけにはいかず六課に泊まってもらった。

 俺はもちろん付き合わされた。

 うわばみどころか三人ともザルだった。

 もう無理です、もう飲めません…………ガクorz

某月某日

 気がついたら朝だった。

 それはいい、だが!!

 四人で雑魚寝していたこともまあいいだろう!!

 しかし

 なんで三人とも色々脱げてんだよ!!

 やばい、やばすぎるアリサが帰ってくる前になんとか  

 ちりん

 「兄さ〜ん、母さんが来てるってほんとですか〜」

 「なんやまだ寝てるんとちゃうか?」

 「リンディ母さんもいるみたいだけど」

 ……死亡確認………

某月某日

 なのは達を懲らしめるために最凶のアイスを開発

 その名もナイトメア!

 柑橘系のさっぱりとした味わいと、えびせんのようないくらでも食べたくなるような風味、
  そして仙豆に匹敵する高カロリーを兼ね備えた珠玉の一品!

 これを一度食べればあいつらは……

 想像しただけでも笑いが止まらんぜ

某月某日

 早速試作品ということで店に来ていたなのは達6課隊長sに出してみる

 「凄く美味しいですよ、兄さんっ!」

 「本当、さっぱりしてていくらでも食べれそうだよ、リョウスケ」

 「ほんまやね、採用されたら毎日でも食べに来たいくらいや」

 「うむ、そこまで言ってもらえると作った方としても嬉しい限りだ」

 くっくっくっ、この後の自分達の運命も知らず呑気な

某月某日

 店にやってきたスバル達フォワード陣に泣きつかれた

 「先輩、助けてくださいよー。この間の夜、隊長達の悲鳴が聞こえたと思ったら、
    次の日から訓練が、リミッターを外した隊長達と部隊長のチームと副隊長達と私達の模擬戦ばっかりなんですよ〜。
    しかもすごい気迫で迫ってきてこの数日間で何度死にそうになったことか。」 

 うーむ、まさかそんな風にダイエットに励むとは予想外だったなぁ。今度来たら諌めておかないとなぁ

某月某日

 店に来たなのは達にスバル達の訓練がきつすぎるんじゃないかと、忠告してみた。そしたら

 「今後どんな敵が出てくるか分からないから、今鍛えないといけないんですっ」

 こう言われてしまうと何も言い返せないなぁ。原因を白状したら今度は俺が追い掛け回されそうだし

 スバル達には悪いが尊い犠牲になってもらうとしよう

某月某日

 どんどん真っ白になっていくフォワード陣…

 流石に死なれると目覚めが悪いので作ってみた…

 その名もエヴァンジェル!

 名前の如く福音をもたらすアイス!!

 なんとダイエット効果があるアイスだ!!

 おもに新陳代謝を促進させる漢方を主成分にしている!!

 ただ効能を優先した結果、そのままだとかなり苦い!

 なので辛さで苦味を打ち消す事にした!

 結果、スッキリした辛さをメインに辛いアイスに仕立て上げた!!

 コレを食えば脂肪の燃焼度アップだ!!!

某月某日

 陣中見舞いとして六課にエヴァンジェルを持っていった…

 もちろん表向きは

 「陣中見舞い兼試作品のアイスの試食をしてもらいに来た!!」

 って感じだ…

 まぁアイツらは食べるのを渋ったのだが…

 俺の十八番である話術を駆使してやった!!

 「俺には良く解らんが…

 アリサ曰く、女性は美の追求に熱心らしいからなぁ…

 其処に目をつけた俺は美容に良いアイスを作り上げた!!!」

 ココでもぉなのは達だけではなく、女性陣は既に俺を注目していた!!

 そしてすかさず止め!!

 「今回はダイエットに効果があるアイs…」

 最後まで言い切る前に凄い勢いで食いだした…

 コレでスバル達も死ぬことはないだろぉ…

某月某日

 とりあえず結論から言えばスバル達は生き残り、なのは達はやせる事が出来たらしい…

 だが…

 「確かに目の付け所は良かったみたいねぇ…」

 「大当たりしすぎだろ!!!!」

 女性の美に対する熱意を甘く見ていた!!!

 店頭にエヴァンジェルを並べて数日で話題となり!

 来客数がうなぎのぼり!!!

 しかも有名人であるなのは達がその効能をゲストで出た番組で紹介したのでさらに客がドン!!

 「つまりアレか…

 人を呪わば穴二つ…

 ってか…」

 「良介!ブツブツいってないで手を動かす!!」

 スバル達ではなく俺が過労死しそうだ…

某月某日

 アイス専門店じみてきた喫茶店である。他のメニューもあるんだが。

 桃子直伝のシュークリームとタメをはる売り上げは自信持っていいんだろう。うん。

 で、その品のほとんどを食い尽くすリンディ対策を考案中だ。

某月某日

 アリサに相談して一般には食べきれない甘味を聞いてみると

 「ん〜。私はハニートーストかしら」

 ほうほう。パン一斤を調理するのか。純粋な甘味だけじゃないからいけるかもな。

某月某日

 遂に完成した。リンディ対策のハニートースト。その名もR-BUSTER!

 まずはくり抜いた中身を蜂蜜漬けにして、フレンチトースト風味に焼く。外側の中には念入りにナイトメアのペーストだ。

 中身を戻してからは上にナイトメア・アイスをかけてチョコと蜂蜜を皿に満ちる程に!

 ふっふっふ、さぁ、いつでもきやがれ!

某月某日

 うちの店は喫茶店である、そう"喫茶"店。

 菓子の思わぬ評判をいいことに肝心の飲み物に凝るのを忘れていた。

 とりあえず聞いてみるか。

某月某日

なのはの場合

 「コーヒーがいいですね」

 なるほど、仕事大好きのお前としてはおいしいコーヒーは必須か。

 「後できたら甘みのある飲み物が、ヴィヴィオが喜ぶので」

 なるほど了解、参考にする、メモメモ。

はやての場合

 「う〜んわたしは紅茶が欲しいな」

 ほう紅茶か、ちょっと以外

 「ほらみんなで集まるって飲むっていうと紅茶のほうが絵になるやん」

 まあ、みんな集まって緑茶ってのもな

 「後、ヴィータが苦いの苦手で……」

 あい、了解。

 ヴィータに聞く手間が省けた。

シグナムの場合

 渋い緑茶ね了解。

 「まて、まだ何も言っていない!!」

 じゃあ何を言う気だった?

 「……………」

 はいサクサク行こうサクサク行こう。

スバル・ティアナの場合

 「やっぱり訓練で疲れるので甘いのがいいです」

 お前、その前に死ぬほどアイス食うだろ……

 「あーあれよ、甘くないチョコドリンク、元気出るらしいし」

 はいはい、ビターでポリフェノールたっぷりね参考にするわ。

シャマルの場合

 「私は良介さんの愛情さえあれば何でもかまいません」

 参考になりません。具体例をお願いします。

某月某日

 こうして飲み物の強化プランは実行された。

 さすがに地球のブランドを入れるのは難しい為

 紅茶はイギリス組に、コーヒーは桃子に、緑茶は神咲家に淹れ方を再指導してもらった。

 甘味はフィリスに頼んでみた、評判は上々だった。

 満足満足。

 後日

 フェイトが恨み篭ってますって顔で現れたが

 リンディ茶など決して採用せん!!

某月某日

 先日の再指導後、緑茶が売れるようになった。

 というか固定客がよく頼む。

 客に感想を聞いてみると……

 「緑茶ってこんなにうまかったんだって、初めて知ったよ」

 「食事の後に飲むとほっとするのよね」

 「コーヒーほど強くない苦味がなんとも……」

 共通していた感想は

 「「「緑茶って甘くないんだ」」」

 こいつら以前アースラに着任していた事があったんだな。

某月某日

 飲み物の種類を増やしてみた。

 基本はコーヒー・紅茶・緑茶・ソフトドリンク。

 増やすといってもコーヒーは豆、紅茶緑茶は葉っぱを選べるようにしたのだ。

 だが……

 「6番テーブルにモカ2ダージリン1アールグレイ1、バニラアイス2シュークリーム4お願いね」

 「いっぺんに覚えられねえよ!」

 「1ばんかうんたーに、せんちゃいっこ、まっちゃいっこ、ばにらあいすいっこ……?」

 「忘れちまったならもう一回聞いて来い、久遠なら許してもらえるから!」

 種類が増えた分だけ仕事が増えた。

 明日から絶対元のメニューに戻すぞ!

某月某日

 この前月村家の倉庫整理した時にあるモノを見つけた!

 業務用の水出しコーヒーメーカー!

 月村もノエルも今は数人用のヤツがあるとの事なので貰って来た!

 もちろんタダで!!

 で、今日はコノ器具を使って飲み物を作る!

 ただコーヒーだと緑茶等と違い水で抽出すると8時間は楽にかかるので今日は設置と仕込みだけだがな!!

某月某日

 今日から水出しコーヒーを家のメニューに加える事にした!

 ただ作るスピードがかなり遅いので数量限定だがな…

 まぁ手間の掛かる飲みもんだけに個人の喫茶店に置くには大変だしなぁ…

 最近じゃぁ機械で作れるらしいし…

 まぁ家は古いタイプのヤツで、珍しさに頼んでったりそんなに頼むヤツは居ないがそれなりに出たがな…

 あと、

 「「ほぉ〜(くぅ〜)」」

 ポタポタと等間隔に零れ落ちる琥珀色の液体を物珍しそうに眺める久遠とヴィヴィオってほのぼのする光景が最近の日常になって…

 ソレを眺めに来る客が増えたがなぁ…

 まぁ邪な目で見たヤツはなのはの"頭冷やそうか"の餌食になってたが…

某月某日

 また月村家の倉庫から面白い物を見つけた!

 ただ今回は壊れていたので

 「直してくれ!」

 と月村のヤツに頼んだんだが…

 「報酬くれなきゃやだ〜」

 てなふうにニヤリ笑顔で返された…

 仕方がなく…

 "翠屋ミッドチルダ店一週間働ける券"

 を発行してやった…

 一応本店でウエイトレスの経験があり、即戦力となったのだが…

 「「「ずるいです!」」」

 となのは達に散々文句言われたがな…

 でもバイトは許されるのか公務員ども!!!

某月某日

 月村に修理を依頼した物が届いた!!

 「へぇ〜レコードプレーヤーねぇ…

  いいんじゃない…喫茶店には…」

 アンティークなレコードプレイヤー…

 そのアンティークな外見と、未来的なミッドだけにクリアな音質ではなく、そのアナログな音質に人気を呼んだ…

 俺とアリサもこのレコードプレーヤーはお気に入りになった!

 一週間針の筵もコレのためだと思えば良い思いでだ!!

某月某日

 翠屋ミッドチルダ店裏メニューのシュークリー。

 最初はちょっとした小遣い稼ぎで始めたサイドビジネスが、気付いたらビックビジネスに早変わり。

 昔は機動六課だけだったが、今ではナンバーズまで取り扱う始末。

 俺しか店に居ないとき入口に、

 「カズノコ始めました」

 と昇り旗を置いてみたら一時間後には長蛇の列が出来たのには心底おでれーたよ。

 しかし……

 うーん……売りすぎた……というか、売れすぎたな……

 と言うわけで、裏金一億円ほど出来ちゃいました……

 もう、ちょっとした出来心ではすまされないな領域です……

某月某日

 取り敢えずジュラルミンのケースを買ってきて、裏金を全部詰め込んだ。

 気分は犯罪者だな……

某月某日

 終わりというものは実に呆気なく来るものだと思った……

 今日の「その時歴史は動いた」はシュークリーの最後です。

 その日、

 シュークリーの常連客達の中でも俺が、

 「ネ申」

 と認定している客が来た。

 新メニューが追加されれば、

 「全て持ってこい」

 とまことに漢らしい注文を山彦の如く返す客である。

 良介「いらっしゃいませ。お客様、御注文はお決まりですか?」

 「シュークリーとカズノコを全種類もって来てくれ。」

 良介「ぜっ全種類ですか!?」

 「ああ」

 良介「かしこまりました。少々お時間が掛かりますがよろしいでしょうか。」

 「ああ問題ない」

 良介「かしこまりました。」

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

 もの凄い厚みになった封筒をお盆にのせて、お客に運んでいる最中の時。

 今日のその時です。

 セイン「ローゼン〜シュークリーム食べに来たよ〜」

 いきなり地面から出てくるモグラ娘。
 ↓
 良介「うっうわぁ!」
 俺、転ぶ。
 ↓
 店中に舞い散るシュークリー。
 ↓
 なのは「兄さん、お昼食べに来ましたよ♪」
 タイミング良くなのは率いる機動六課が来店。
 ↓
 なのは統括本部長による、
 PRIDEなのは祭り開催。
 ↓
 「兄さん……出て来いや!」
 ↓
 俺、闘争……ではなく逃走。

 取り敢えず、逃走シーンをダイジェストでお送りします。

 セイン「ローゼン、これ何かな〜?」
 コメカミに青筋立てるモグラ娘。

 スバル「ギン姉まで……」
 籠手が光って唸るアイス魔神。

 ティアナ「……」
 無言で銃を取り出すツンデレ。

 アリサ「あんたなに考えてんのよ!」
 激怒するメイドさん。

 そして、

 なのは「兄さん……頭冷やそうか……」
 レイジングハートを取り出す、魔王兼我が義妹。

 後ずさる俺。

 迫り来る、五つの影。

 バリーン!!

 突如窓ガラスが割れる。

 窓ガラスをぶち破ってに乱入してくるは、逃走犬じゃなくて盾の守護獣ザフィーラ。

 ザフィーラ「宮本!今が駆け抜けるとき」

 良介「応!」

 良介「人狼一体!」

 ザフィーラ「吼えろ宮本、変態の如く」

 良介「駆けろザフィーラ、逃走犬の如く」

 あまりの怒濤な展開についていけなくなった五人。
 
 その隙をついて、
 
 口喧嘩しながら仲良く逃亡しました。

 現在、この日記をザフィーラの背中の上で書いてます。

 これが遺書にならない事を祈りながら……

某月某日

 現在、良く分からない山の中に潜伏中です。

 良介「なんで俺を助けたんだ?ぶっちゃけ理由が見つからんぞ」

 ザフィーラ「貴様が捕まったら、俺まで捕まってしまうではないか」

 良介「あっなる程……って俺が簡単に口を割ると思ってるのか!」

 ザフィーラ「いや、簡単には割らんだろう……」

 良介「なら…」

 ザフィーラ「簡単ですまされるはずがなかろう」

 良介「うぐぅ……」

 ザフィーラ「それよりコレからどうするかだ、ほとぼりが冷めるまでどこかに潜伏する事を勧めるが……」

 良介「そうしたいのは山々だが、金が……」

 ザフィーラ「これを使え」

 そう言って財布を良介に渡す。

 良介「なっ!流石にこんなには貰えないぞ!」

 ザフィーラ「そんなこと言ってる場合か!。それよりも逃げろ宮本!生き抜くんだ!」

 良介「ザフィーラ……すまん……恩に着る」

 ザフィーラ「気にするな」

 良介「無事に、無事に生き残ったら、久遠を紹介する」

 ザフィーラ「宮本……貴様が生き残ったら、主をデートに誘ってやってくれ」

 良介「ああ、分かった」

 ザフィーラ「久遠殿の件、楽しみにしているぞ」

 良介「まかせろ」

 ザフィーラと相棒エンドみたくなりました。

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

 これで綺麗に終わらないのが良介クオリティ。

 ザフィーラ「はっ!久遠殿!」
 
 良介「どうしたんだザフィーラ?久遠がどうしたんだ?」

 ザフィーラ「聞こえないのか宮本!久遠殿の声が!『ザフィーラ助けて』と言っている声が!」

 良介「俺には聞こえないが……」

 ザフィーラ「久遠殿!今行きます!」

 良介「ちょっ!落ち着けザフィーラ!ヴォルケンリッターは動揺しないんだろ!冷静に考えろ!
        なんでミッドチルダの山中に久遠が居るんだ!罠だ!これは孔明の罠だ!」

 ザフィーラ「それでも、それでも、久遠殿は呼んでいるんだ!それで理由は十分だ!」

 良介「ザフィーラ……」

 駆け出すザフィーラ

 …………
 ………
 ……
 …

 数分後、

 山の向こう側から、巨大な十字架の火柱が上がった。

 まるで使徒の爆発みたいだなぁ。

 って……ザフィーラァァァァァァ!

某月某日

 僕の任務の一つとして彼の査察も含まれている…

 なんせ電脳世界の女神とか情報統括者とか歌われるアリスがバックについているからねぇ…

 僕ですら正体をつかめない要注意人物のナンバー2だし…

 もちろんナンバー1は彼だけどねぇ…

 で、彼が店を出したって言うじゃないか…

 総勢3人と言う少数以前の人数なのに既に一勢力…

 いや災害指定になっている彼らが大規模な行動に出たとあっちゃねぇ…

 まぁ彼がらみの査察は全て僕が担当なんだけど…

 あれ…

 字が滲んできた…

某月某日

 彼の御菓子作りのスキルの高さを知ったよ…

 たまに姉さんやはやてに差し入れしてるのを食べた事があるけど…

 商売用はもっと凄いねぇ…

 見た感じじゃぁ上の考えも思い過ごしですむかもねぇ…

 あ、姉さんが彼が作った特性アイスを絶対買って来いって言ってたっけ…

 ちょっとでも融けたら死刑って言ってたし…

 アレは怖かったなぁ…

 あ、また字がにじんでる…

某月某日

 彼が暴走しだした…

 いつかは来ると思ってたけど今度は何をするんだろうか…

 今日は本格的に査察するためにココで日記を閉じる…

某月某日

 彼がやってる事が判明した…

 彼女達のあられも無い写真の販売だった…

 僕はそれらを全て購入した…

 別に欲しかったわけじゃないよ…

 他の人に可愛い妹分や彼女達のあられもない姿を見られ様に買い占めたんだ!!

 ほ、ほんとだよ…

某月某日

 今度は僕が内偵中の某組織の要注意人物の写真まで販売しだした…

 その資料の為に買っただけで、べ、べつにやましい気持ちは一切無い!!

 自腹ではなく必要経費で落としたから完璧な仕事のためだよ!

 本当だよ!!

某月某日

 彼がついにうっかりで今までの悪事が知合いにバレてしまった…

 今は彼女達に追われている…

 自業自得だねぇ…

某月某日

 他人の不幸を笑う者は自分も不幸になるって本当だねぇ…

 資料としてや彼女達の為に購入した写真が僕と姉さんを昔から世話をしてくれている彼女にバレた…

 さらにその人経由で姉さんにもバレた…

 逃げなきゃ…

某月某日

 姉さんと彼女が何処までも追ってくる…

 彼はコノ倍の戦力から逃げてるんだからねぇ…

 本当に感心するよ…

某月某日

 悪騎が追いかけてくる…(血で書かれた文字)


 ある傷害現場に残された捜査手帳より抜粋

某月某日

 昔読んだある本に、こんな事が書いてあった。

 夜逃げや駆け落ちなどで、寒い北国に逃げる人は、破滅的思考があり、
  逆に暖かい南国に逃げる人は、現実的に前を見据えている人であると。

 でも俺はそうは思わない。

 北海道はでっかいどう♪

 そんな歌が昔あったように、北の大地は広かった。

 また、夕張メロンを筆頭に、

 カニ、イクラ、ウニなどの海産物。

 ジンギスカンや味噌ラーメンもなど、美味い食事の数々。

 美味いメロンに美味い飯に美味いメロンにメロンにメロンにメロンに………っといけねぇメロン一色になっちまったぜ。

 広い大地に横たわり、美味い飯を食う。

 幸せじゃないか。潜伏するのも悪くないな〜♪

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

 そう、夢に見ていた時期がありました……

 あの後の山狩りは熾烈を極めた。

 機動六課とナンバーズが手を組み、俺一人に対して総力を挙げ山狩りを決行。

 俺は死力を尽くして逃げ回った。

 山中においでは、元野生児の俺に分がありなんとか逃げる回る事に成功したが、それがそもそもの間違いであった。

 なかなか捕まらない俺に対して機動六課のドンがぶちキレた。

 はやて「まだ良介は見つからないんか!」

 フェイト「落ち着いて、はやて、きっと見つかるから」

 なのは「そうだよ、はやてちゃん。兄さんが、この山にいるのは確かなんだから」

 はやて「そうかて、良介は山に強いで、それに比べて、私達はそんなに山に強くないんや。ああもう、山がうっとおしいわ!」

 シグナム「確かにそうですね。それにしても早く捕まえて、お灸を据えてやらなければならないな」

 はやて「!今なんて言ったんやシグナム!?」
 
 シグナム「えっ、あっ、はい、確かにそうですね。と言いましたが」

 はやて「違う、その後や!」

 シグナム「えっ、え〜っと、それにしても早く捕まえて、お灸を据えてやらなければならないな、と」

 はやて「それや!良介にでっかいお灸を据えてやるんや!」

 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

 ボォォォォォー

 木々が燃えあがり、灼熱が大地を支配し熱風が体に突き刺さる。

 俺は燃え盛る山中を、灼熱の森を必死に逃げ回った。ってかあいつら、山に火を付けやがった!

 山は火の海、空には、義妹と言うかもう魔王にしか見えない、
  なのはが、これまた般若みたいな顔をした部下を引き連れブンブン飛び回ってる。しかもナンバーズまでいる……

 ここは地獄だ……

 体力がガンガン削られ、意識が朦朧としてきた。

 駄目だ……気絶…し…た……ら………

 かくして、俺の意識は闇に飲まれた。

某月某日

 目が覚めたら、十字架に磔にされていました。

 っておい!

 なんじゃこりゃあ!
 
 ザフィーラ「気付いたか宮本」

 横を見るとザフィーラが磔にされていた。

 良介「ザフィーラ……ここは一体……それにこれは」

 ザフィーラ「ここは……」

 ヴァロッサ「機動六課特別撮影会場さ、良介君」

 良介「なんだそりゃ……ってヴァロッサ!お前……なにしてんだ?」

 ヴァロッサ「見ての通り磔さ。義姉さんにシュークリーがバレてね……」

 良介「げっ!カリムにもバレたのか」

 ヴァロッサ「義姉さんカンカンだったよ……」

 良介「うぐぅ」

 ヴァロッサ「それにしても、良介君は凄いな。彼女達相手によくあそこまで逃げ回れたね。ほら見てみなよ。アレを」

 良介「アレってなんだよ……って、ぶっ!おっおい!なんか山が凄い事になってるぞ!」

 ヴァロッサが顎でさす方角には、緑豊かな山脈が連なっているが、一つだけ黒こげで岩肌むき出しの山があった。
  山火事にあったというか、原爆落としたような惨状だ。
 
 なんと言うか……ドン引きしました。

 ヴァロッサ「良く生きていたね」

 良介「普段の行いが良いからな」

 でも本当に良く生きていたな……

 ザフィーラ「馬鹿話もそこまでにしておけ、来たぞ」

 良介「来たって、なにが……げっ!」

 朝日の逆光でシルエットしか見えないが、爛々と瞳を輝かせた機動六課の皆さんとナンバーズが歩いてきた。

某月某日

 六課・数子達による裁判はまだ続いている…

 既に罪は立証され、罰を決める段階になったとたんアイツらが仲違いしだしたのが原因だ…

 最初に

 「宮本さんの逮捕及び更正は私にのみ許された権限です!

 つまり今後私のそばに置き、私が一生をかけて更正させます!!」

 てな事をとっつぁんが言い出して…

 「ちがうの!!二度とこんな事をしないように身内、特に"妹"が更正させるべきなの!!」

 となのはが反論

 「ソレこそ違うで!!家族なら私にこそ権限があるんや!!

 そして部隊長って役職もある私が更正させるべきや!!」

 家族の部分に反応したはやてがさらに反論

 「「家族なら奥さんである私が!!」」

 そんな中、変なボケをしたクワ子と緑が回りに一斉射撃されたが気にしない方向で…

 てな感じで誰が俺を引き取り更正させるかの権利をめぐり論争中である…

 ちなみにザフィーラは保健所に送られるか、動物病院で去勢されるかの究極の二択をだされ、思案中である…

 ヴァロッサのヤツは何か解らんが手帳みたいなのをなのは達に渡し司法取引を舌みたいで、全員の気が住むまで奢る事で済まされた…

 俺はいったいどうなるんだろ…

 補足:ヴァロッサの渡した物は宮本良介内偵中の色々なデータと写真一式

某月某日

 俺にメシを届けに来たシャマルに

 「俺と逃避行しないか?」

 と唆し、逃亡しようとしたが…

 どうにもココって隠しカメラ有るみたいで直ぐに阻止された…

 その日以来シャマルを見ていない…

 ちょっと心配になった…

某月某日

 何か今日は地震が多い…

 だがコノ揺れ…

 魔王が全力前回やった時や、親分が本気で振り下ろした時の地面の揺れ方と似ているようなぁ…

某月某日

 ついに俺の牢屋に迎えが来た…

 それは意外な人物だった…

 「宮本良介君…

 貴方の更正役を務めるリンディ・ハラオウンです。」

 その意外すぎる人物に俺は呆然とした…

 リンディのヤツはそんな俺を引きずり、俺の喫茶店に連れて行かれた…

某月某日

 現在は喫茶店を再開している…

 あのような暴走は規模は小さいが日常茶飯事だったので近所の常連客はあっさり受け入れまた繁盛している…

 ただ前と違うのは…

 「良介くん、1番テーブルバニラ1チョコ2ショート1お願いねv」

 リンディのヤツが居ついて家でウエイトレスをしてるって事だ…

 管理局の仕事はどうしたって聞いたら

 「辞めたわ…

 それに喫茶店で第二の人生ってのも面白いと思わない?」

 ってな事を言われた…

 まぁ欲を出さなきゃこの生活も悪くないか…

 でも一つ気になる事がある!

 なのは達の事だ…

 普通ならリンディのヤツが家で勤めるとなったら騒ぐのに…

 なぜかリンディの微笑みを見るとビクビクしやがる…

 理由は怖くて聞けないがなぁ…

 ま、アイツらが元の調子に戻るまで当分平穏な生活を堪能しますか…

 

作者様一覧
D,様
ハイズ様
シエン様
名無しAS様
鬼丸様
海月雲様
Marl様

1、誤字ではありませんが、「・・・」と「……」が混在していましたので、「……」に統一させていただきました。

2、一部誤字を訂正させて頂きました。




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に下さると嬉しいです。