あらすじ
当直当番の最中にティアナが倒れたよ。
ティアナ・ランスター。
チートキャラだらけの機動六課において自身の才能に絶望「私は凡才、私は凡人」と、のたまうが、
はたから見れば彼女も大概チートキャラ。
女性キャラが大半を占める機動六課においてツンデレとツインテールをメインウェポンに確固たる地位を確立している。
またサブウェポンに影分身の術を搭載。
これで脱げば、お色気の術だってばよ、とは同僚談。
「ふむ……患者のプロフィールはわかった。しかし、そうなると不味いな……」
「ブラックジャック先生、ティアナは、ティアナは助かるんですか!?」
「半々だ。今調べてみたみたところ、彼女の体内ツンデレ比率が正常値の7:3を大きく下回る、1:9になってしまっている。
これは典型的な新型インフルエンザの症状だ」
「そんな……それじゃ、ティアナは……」
「取り乱すなマツダ君。半々だと言った。まだ助からない訳ではない!処方箋を記して置く。あとは君次第だ」
「先生……俺、頑張るよ」
………
……
…
こけこっこー
一夜が明けました。
朝食の風景。
「ティアナ。お粥が出来たぞ」
「ケイスケ、ありがとう。あ〜ん」
「いや、自分で食べられる「ぐすっ」……あっあ〜ん」
仕事開始5分前の風景。
「えへへ〜」
「あの〜ティアナ、そろそろ離してくれないか。仕事が始ま「ぐすっ」「なんや面白そうやから、そのまま出勤な」ちょっ!おまっ!」
仕事の風景。
パチパチパチパチパチパチ。
もふもふもふもふもふもふ。
ケイスケです。肩がおもいです。
バキッ!
「ああっ、スバルさん、ボールペンが砕け散っちゃいましたよ」
「目がぁー目がぁー」
「ああっ、エリオ君の目に破片が」
昼食の風景。
「はい、ケイスケ。あ〜ん」
「いや、俺一人で「ぐすっ」あっあ〜ん」
ダンッ!
「ああっ、スバルさん、フォークがお肉とお皿を突き抜けてテーブルまで刺しちゃってます」
「目がぁー目がぁー」
「ああっ、エリオ君の目に肉汁が」
仕事の風景(午後)
「ケイスケ」
「ん」
「なんでもない。呼んでみただけ」
「そっか」
「ふふ」
バキャ
「ああっ、スバルさん、キーボードどころか、机まで」
「目がぁー目がぁー」
「ああっ、エリオ君の目にEnterキーが」
………
……
…
ツンデレは死ぬまでツンデレ。
ならば、デレた状態のティアナの好感度をあげまくれ。
彼女が君にデレればデレるほど、ツンが刺激されて活性化して。元の正常値に戻るだろう。
これこそがブラックジャックの処方箋の正体。
とは言うものの……
「ケイスケ……ツラァ貸して」
仏血義理全開のスバル番長。
先生。俺の処方箋もお願いします。
目をつぶって、念仏を唱えていたが、いつまでたっても、鉄拳が飛んで来ない。
恐る恐る目を開けると、
「ケイスケはやらせない」
後頭部にタンコブを作り倒れ伏すスバルとクロスミラージュを構えるティアナ。
助かった……のか?
そして夜。
「ティアナ、落ち着け。お前は病気に掛かっているんだ。その気持ちはまやかしなんだ」
「まやかしなんて失礼しちゃうわね。あっ、でも病気なのは認めるわ。恋の病って言うしね」
「もちつけ!もちつくんだ!もっと自分を大切に……「ケイスケ」ああっそんな潤んだ瞳で見ないでー」
俺逃走。
今逃げなきゃ、俺は、人生においての個別エンドに強制突入してしまう。
「っ!逃がさない!」
俺を逃がさないように掴み掛かるティアナ。
しかし、男の俺と女のティアナ。単純な力比べでは俺に軍配があがるのは自明の理。
しかし、ティアナは不敵に微笑んだ。
「ふふ……もう逃がさない」
「なっ」
ティアナが1人2人とどんどん増えていく。
しまった!これは!
「ありがとう。クロスミラージュ。さて、ケ・イ・ス・ケ」
淫靡に笑うティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナティアナ……
「むかし、言ってたお色気の術。気に入ってくれたかな。かな」
俺はティアナの海に……溺れた。
………
……
…
「あっ、そういえば、彼は職場の同僚と言っていたけど、それは彼視点の話。彼女の視点ではどうなのだろうか……もし、なにかしらの好意を持っていたら、ツンデレをこじらせてヤンデレになってしまうんだよなぁ……」
星空を見上げるブラックジャック。
満天の星空に一筋の流星がキラッと流れる。
「ふっ、まさかな」
あの流星が、なぜかマツダ君に見えた。
了
カッとなってやった。反省はしていない。
この作品を展示して頂いたリョウさん、掲載を許可して頂いた鬼丸さん、そして、最後まで見て頂いた読者の皆様に感謝を
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