※ご都合主義で妄想満載な内容となっており、一部StS本編のネタバレも含まれております。
その辺りをご了承の上、お読みください。


作者は少し疲れているのかもしれません、脳が。

















共同の場として使用される事になった部屋に、宮本探偵事務所の所員全員が集合していた。

テーブルの上には、出前の料理が並び、飲み物が注がれたグラスが置いてある。

「それじゃ、事務所の移転祝いと、新しい所員の歓迎も兼ねて―――カンパーイッ!」

「「「「「「「「「かんぱーいっ!」」」」」」」」」

アリサの音頭に続いて、グラスを打ち鳴らすチンク達。

良介は、乾杯の言葉を言わせて貰えずちょっぴり拗ね気味だったり。

「ほらリョウスケ、なにスネてんのさ」

「リョースケさんっ、これ美味しいっすよ〜っ」

「うるせぇやい」

「まだ拗ねてんの? いい加減機嫌直して、ほら、メロンもあるから」

「仕方ないな、まぁ俺様は寛大だから無礼な扱いも許してやろう。さぁ俺のメロンは何処だ?」

「うわ、立ち直り速っ」

「見惚れる位の単純さっすね…」

呆れるセインとウェンディを尻目に、メロンに突撃する良介。

その後、メロンを取り合ってノーヴェと喧嘩になり掛けたり、ウェンディが始めたあ〜んを真似する姉妹達が続出したりと騒がしかったが。

一応、移転祝い兼新所員歓迎会は恙無く終了するのであった。








かえして、ナンバーズ!…じゃない、召しませ☆ナンバーズ!


        〜初めての夜編……〜









時刻は午後11時。

歓迎会は既に終了し、後片付けを終えた面々はそれぞれの時間を過ごしていた。

ここがさざなみ女子寮ならば、歓迎会→宴会→二次宴会→三次宴会→以下全員が倒れるまで続くことになるのだが。

一応明日から業務開始なので、明日に疲れを残さない為に早々にお開きになっていた。

アリサとチンクは、明日の仕事の簡単な確認と打ち合わせをしており、ミヤはその手伝い。

ノーヴェとディエチ、オットーはそれぞれの部屋で入浴中だ。

「ぶ〜…」

「何不貞腐れてんのさ、ウェンディ」

「せっかくドアを開けて、鼻歌歌いながらお風呂入ってたのに、リョースケさん覗きにきてくれなかったっす…」

行ってたまるかど阿呆!と殴られかねない事を言うウェンディに、頬が引き攣るセイン。

「覗かれたかったの」

「むしろそのまま侵入してきて、襲われたかったっす」

色々アウトな発言だったが、突っ込んでくれる人は現在不在。

良介本人も、片付け直後から姿が見えない。

「そういや、リョウスケどこ行ったんだろ?」

歓迎会が終了してから既に1時間ほど。

その間一度も良介を見掛けていないセインは、軽く首を傾げた。

「そういや、ディードとセッテも見かけないっすね…」

二人揃って姿が見えず、首を傾げるウェンディ。

そして、ハッと顔を見合わせる二人。

「「抜け駆けされたっ!?」」

まさかという予想を、揃って口に出す。

そしてこうしちゃ居られないと走り出す二人。

先ずは自分とセッテが暮らす部屋に突撃するセインとウェンディ。

部屋の中にも、お風呂場にも、そしてトイレにもセッテは居ない。

どんどん焦りが募る中、ディードとオットーの部屋に押し入る二人。

「? どうしたの、二人して」

部屋の中には、ほこほこの湯上りオットーが一人。

「オットー、ディードはっ!?」

「どこかで見なかったっすか!?」

「ディード? う〜ん…そう言えば見てないや。確かリョウスケさんと話してるのを見たのが最後―――」

オットーの話も聞き終えずに部屋を飛び出していく二人。

そんな二人に首を傾げつつも、湯上りの牛乳を飲むオットー。

腰に手を当てて呑むのは大変素晴らしいのだが、下着一丁なのはどうかと。

姉妹の中で、一番羞恥心が薄いと噂のオットー。

今後の教育に期待したい所である。

「不味いよ、セッテもディードもリョウスケ的好みの上位ランク!」

「その上あのボディっすからね、ぺチャパイなセイン姉じゃ逆立ちしても勝てないっすね!」

「余計なお世話だっつーのっ!!」

軽い口論をしつつ建物の中を走る二人。

事務所やガレージの中を覗くも、三人の姿を見つけることは叶わず。

途中、ノーヴェの入浴中に突撃してしまい、激怒した彼女に風呂桶を全力投球されたり。

「いや〜、ノーヴェはまだまだ初心っすねぇ〜」

「それに同意するとアタシまでヨゴレ扱いされそうだから遠慮しとく」

ノーヴェの恥ずかしがる姿を思い出して、ちょっとオヤジっぽく笑うウェンディ。

風呂桶が直撃したタンコブが見事だった。

「でも、三人は一体何処に行ったんだろ…?」

「建物内に居ないとなると…そ、外っすか、初めてなのに外っすかっ! いや〜ん、リョウスケさんてばケダモノ過ぎっすよ〜」

何を想像したのかイヤンイヤンと悶えるウェンディ。

その姿に軽く引きつつ、ふと4階から上に続く階段を見上げる。

「そういや、屋上は見てなかったっけ」

「あ、そう言えばそうっすね」

もしかしたらという予想を持って、階段を登る二人。

そして、屋上への扉を開けようとした瞬間、聞き覚えのある声が聞こえてきた。

『はぁ…はぁ…凄いです、リョウスケさん…』

『二人掛りでもまだ余裕とは…』

ディードとセッテの声。

その声には、幾分かの疲れと、熱っぽさがあった。

『はっはっはっ、伊達に鍛えちゃいないからな』

『流石です…でも、これなら…』

『ディードは上を。私が下を』

『へっ、何処からでも来いってんだ!』

扉の向こうから聞こえる会話に、真っ赤になるセインと何を妄想したのか恍惚の表情を浮かべるウェンディ。

我慢の限界になったのか、二人同時に扉を蹴り破り、屋上へと飛び出していく。

「「抜け駆け禁止ぃぃぃっ――――って、あれ…?」」

二人が飛び出した屋上では、こちらを呆然と見るディードと、首を傾げるセッテ。

そして、現れた二人に気をとられたのか、二人の攻撃が見事に命中した良介の姿。

「お前ら…俺に何ぞ恨みでもあんのか……ガフッ」

「あ、りょ、リョウスケさんっ」

「いけません、すぐに人工呼吸を」

「必要ないでしょう!?リョウスケさん、しっかりしてリョウスケさん!」

崩れ落ちる良介。ツインブレイズで叩かれた頭部のタンコブと、腹部に直撃したブーメランブレードがとても痛そう。

因みに二人の攻撃は非殺傷だが、切れないだけで痛みはある。

呆然としつつも、良介が目覚めたらお仕置きされると思い静かに逃げ出す二人。

気絶しただけなのに人工呼吸しようとするセッテを押し留めて、肩を揺するディード。

結局、夜間の訓練をしていただけと判明し、セインとウェンディは日本の伝統的罰、ウメボシを受ける事となった。
















「まったく、何を勘違いしたのか知らんが訓練の邪魔しやがって…おー痛ぇ…」

自室…はアリサとミヤが使用中だった為、共同部屋のバスルームを使用中の良介。

ツインブレイズが直撃した頭部のタンコブ二つが痛むのか、頭を洗うのも一苦労。

まぁ、常日頃から常人なら入院するであろう怪我でも平気で退院するような良介だ、打ち身打撲程度なら気にしないのだろう。

因みに退院は無許可である。

「能力無し、魔法無し、地上戦オンリーなら戦えるな。しっかし、流石は後発組み、中々強かったぜ…」

先ほどまでの訓練を思い出して一人呟く。

技能的な物はシグナムやフェイト、トーレには及ばないものの、基本スペックが圧倒的に高い二人。

その二人相手に疲労を見せずに戦いぬけるのだから、恐ろしい体力である。

しかしそれも、ディードはISを封じ、セッテもISと得意の空戦を封じた状態故に可能だった。

あの二人が、今後経験という武器を得たらどれほど強くなるのかと考えると、密かに良介の胸は高鳴る。

「今後の成長に要期待ってとこだな…」

「二人とも胸大きいのに?」

「誰が身体の事を言ったか。腕前だよ腕前。やっぱり経験が少ないからか二人とも攻撃がストレートなんだよなぁ…」

突然後ろからかけられた言葉に、頭を洗いながら平然と反す良介。

反されたオットーは、ふ〜んと頷きつつ、手に持ったスポンジをワシャワシャと泡立てる。

「背中洗うよ」

「おう、悪いな」

良介に一声かけて、良介の背中を丁寧に洗うオットー。

その背中には、これまでの戦いで受けた、無数の傷があった。

切り傷から擦り傷、火傷、何かに抉られたような傷に、身体を貫通していると思われる傷。

たくさんの傷があったが、良介はその傷を恥とは思わない。

何故なら、その傷が今の良介を作る基であり、彼の生きてきた道を示す、生き様なのだ。

「傷だらけだね」

「……まぁな、昔は本当に馬鹿で弱っちい小物でな。誰彼構わず噛み付いて、傷つけて、傷つけられて…」

「消さないの。今の技術なら、消せるでしょう?」

「確かにほとんどの傷は消せる。でもな、これはまぁなんつーか、あれだ、勲章なんだよ」

「勲章?」

良介の言葉に、首を傾げるオットー。

「この一つ一つが、何かを守れた、何かを救えた証だって、言ってくれた奴が居てな。だから、消さずに残してある」

男の勲章って奴だと笑う良介に、やはり首を傾げるオットー。

彼女には、少々理解できない話だったようだ。

「ボクにはよく理解できないけど…この傷がリョウスケさんの生きた証だって事は、理解できるよ」

「そりゃ何よりだ。まぁ、女子供には少し理解し難いだろうが、お前も大人になれば――――って、オットー!?」

「?」

頭を洗い流し、振り向いた瞬間叫ぶ良介に、スポンジ片手に?顔のオットー。

因みにオットーさん、全裸です。

「お前いつの間に、って言うか何で気づかない俺!?」

「リョウスケさんが脱衣所でズボン脱いだ時から。ボクもゲームして汗かいたからもう一度お風呂入ろうと思ったんだ」

しかしオットー達の部屋は、現在ディードが汗を流している。

一緒に入っても何ら問題ない二人だが、オットーはこちらを選んだ。

因みにオットーが遊んだゲームは、体感型のゲームだ。

「リョウスケさんの背中を流してみたかった」

「それだけで侵入してきたのか!?」

しかも良介に気づかれない…と言うか、疑問に思われないで。

凄まじい違和感の無さ。

確かに、顔だけ…と言うか、肩から上だけだと、確かに華奢な男の子に見えてしまうから困り者。

現に、今この瞬間まで、良介はオットーが居ることに疑問を抱かなかった。

抱いたのは、オットーが女性であると認識した為。

何を見てそう認識したのかは機密事項である。

「と言うか、お前は少しは隠す事をしろ」

「何故?」

「何故ときたか。あのな、お前も一応女だろう、女なら異性に無闇に肌を見せるもんじゃない」

意外な事に、大和撫子的な女性が好み(好き、ではなく好み、というのがポイント)な良介、その辺りは割りと常識人。

しかし言われたオットーは理解できないらしく、首を傾げている。

タオルすら装備していないオットーだが、大事な部分は泡で隠れているので問題ない…ハズ。

「でもリョウスケさん、アジトでボク達の入ってたポットをジロジロ見てたって」

「誰だそのデマ流したのは」

「ウェンディ」

この瞬間、ウェンディの運命は決定した。

明日は彼女の高らかな絶叫が聞こえることだろう。

「兎に角、タオルだけでも身体に巻け。でなきゃ俺が殺される」

アリサとかミヤとかチンクとかノーヴェに。

六課やギンガに知られたら、それこそバッドエンドだ。

幸い、オットーは華奢な男の子と思えばそう思えるので、エリオ辺りの子供とお風呂に入っていると思えば問題ない。

オットーは良介の言葉に、首を傾げつつタオルを装着する。

やはり羞恥心が姉妹の中でもダントツに低いオットーに、その辺りを理解させるのは骨が折れそうだ。

双子のディードは、逆に羞恥心はかなり高い。足して割ると丁度良いのではないだろうか、肉体的にも。

「これで良いの?」

「腰に巻くな!?」

良介と同じようにタオルを巻いたオットーが仁王立ち。

思わず視線を逸らしてしまう良介。

その後、何とか女性のタオルの巻き方を教え、仕方なく湯船に浸かる二人。

もし一緒に入ったのがセインやウェンディ、ディエチ辺りならヤバイ気持ちになったかもしれないが、残念ながらオットーでは無理だった。

別にオットーが可愛くないとかいう訳ではなく、羞恥心が薄く、肉体的にも言動的にも男の子に近い為、そういう対象には見えないのだ。

因みに、アリサとチンクの場合は、単純に幼すぎてその手の対象はならない。

ミヤは論外である。

と言うか、お風呂程度ならアリサもミヤも一緒に入る事などざらだ。

当然タオル着用で。

良介とお風呂に入れるのは子供の特権という変な噂があり、
これを利用して一緒に入ろうとしたヴィータは、口先で丸め込まれ、結局入れなかった。

その後、エリオとキャロ、そしてヴィヴィオが入ったと聞いて、ギガントなアイゼン構えて突撃してきたが、関係ないので割愛。

「気持ち良いね」

「だな。あ〜、落ち着いたら温泉でも行くかぁ…」

ミッドチルダには、お風呂という文化があまり浸透していない。

首都クラナガンなどの都市部では最近広まってきているが、温泉という施設はまだ作られていない。

探せばあるかもしれないが、良介の求める日本の温泉は無いだろう。

その後、天然な発言を繰り返すオットーにツッコミを入れつつも、入浴を終える二人。

風呂上りに、二人揃って牛乳を飲んだりした。

「少しは大きくなるかな…?」

「それで飲んでたのか」

下着を着けずに済む自分の大平原を軽く揉みつつ、呟くオットー。

羞恥心は薄いものの、女の子として気にはしているらしい。

とりあえず良介は、飲みすぎると腹を壊すとだけ伝えておいた。

後日、他の連中に一緒にお風呂がバレ、入ろうと迫る者と、怒って追いかける者が現れたりした。

そんな中、オットーは相変わらず謎の違和感の無さを武器に、良介の背中を流していたり。

















さて、時刻は深夜。

既に殆どの人間が寝静まり、明かりの消えた社宅内。

最新式のセキュリティに守られたこの建物に侵入するのは、かなり難しい。

まだ灯りがついているのは、オットーとディードの部屋。

とは言えもう寝る準備を整え、二人ともベッドに潜っている。

「オットー、明日私早い時間に起きるけど、寝ていて良いから」

「? うん、分かった。でも、何時に起きるの?」

枕元の目覚まし時計(本日購入、猫の形をした可愛い時計)のタイマーをセットしているディード。

その言葉に軽く首を傾げつつ了承するオットー。

因みにディードは無地に子猫と子犬がプリントされた可愛らしいパジャマ。

オットーのは緑色で、何故かフォーク柄。天然だからか、感性も少しずれているのかもしれない。

「五時」

「五時? ずいぶん早いね」

別に早起きは苦手ではない彼女達だが、五時は早い。

仕事を始めるのは8時と一応決まっているが、幾らなんでも早すぎる。

「うん、リョウスケさんが、早朝訓練に誘ってくれたから…」

そう言って、ポっと頬を赤く染めて布団に潜るディード。

その言葉を聞いて、停止したオットー。

「オットー、電気消すよ?」

と聞くも、オットーは停止中。

しかし、早く寝て明日の良介との訓練に備えなければならないディードは、姉の返答は聞かずに枕元の灯りを消した。

因みに二人の部屋は、中央で仕切り、左右にそれぞれのベッドがある配置。

反対側のベッドで眠りに入るディードを、オットーは暫く見つめ…「ずるいよ…」と呟き、くすんと鼻を鳴らして寝に入った。

拗ねて寝たらしい。

しかし自分には、良介に疑問に持たれずにお風呂に入れるという特権があると気づいて、愛する双子の妹の邪魔をするのを止めた。

因みに邪魔の内容は、目覚ましの停止である。





さてそんなオットー達の隣部屋。

位置的に中央の部屋で、良介達の部屋の真上であるセインとセッテのお部屋。

既にセッテは就寝し、セインも眠っている……フリをしていた。

セッテが眠りに入ってから数十分。

微かな寝息を確認し、静かにベッドから起き上がるセイン。

静かに真下のセッテの姿を、二段ベッドの上から確認。

「よし、良く寝てる…」

完全に寝ているのを確認し、いそいそと布団の中に隠したあるモノを取り出す。

「えっへっへ〜、この時の為に買っておいた、勝負下着! これでリョウスケも…くふふ」

小声で呟きながら、着ていたパジャマを脱ぎ捨て、勝負下着に着替えるセイン。

その上には、とある情報筋から入手した情報を元に用意した、大き目のYシャツを装備。

男物な為に、手は完全に隠れ、裾が太股まで隠してしまう。

が、その姿の破壊力は、その手の男性には悶死確実な魅力をたたき出していた。

最も、それが良介に効くかどうかは不明だが。

「さてと…リョウスケ、今行くからねっ」

良介の部屋のベッド位置は確認済み。

その真上に向かって、二段ベッドの上から緩やかに飛び込むセイン。

「IS、発動!」

そしてセインの、突然変異で生まれたとされる能力、ディープダイバーが発動して―――



――――ゴスンッ!!―――――



――――物凄く痛そうな音が響いた。

その物音に目覚めたセッテが起き上がると、そこにはカーペットの床に口付けして痙攣しているセインの姿。

状況を一瞬で理解したセッテは、やれやれと首を振る。

「姉様に言い忘れましたが、この建物は深夜を過ぎると防犯の為に建物の壁や床に、魔力フィールドに似た防壁を展開させるそうです。
外部からの移動魔法による転移を防ぐ為の装置らしいですが、当然姉様の能力も防がれますので」

「そ、それを…はやく言ってよぉぉ……うぐぐ…」

「それと蛇足ですが、リョウスケさんの部屋にはアリサさんとミヤさんが居ますので、侵入しても怒られるだけかと」

「それも…そうかぁ……っ」

最もな言葉に沈黙(気絶)するセイン。

セッテはそんな姉を尻目に、ベッドに横になるのだった。

そして自爆したセインは、そのままの体勢で気絶し、朝を迎えるのだった。

因みに、セインは特に怪我も無かったそうな。





「へっへっへ〜、セイン姉の能力も役立たず、この勝負はアタシの勝ちっすねぇ〜」

小声で笑いながら部屋から静かに出てくるのは、ライディングボードの上に乗ったウェンディ。

彼女は足音を出さない為に、わざわざ能力で浮いて移動していた。

同室であるディエチは既に夢の中。

ライバルであるセインは、能力が役に立たない以上、もはや敵ではないと確信。

「さぁ、リョウスケさん、今貴方のウェンディが行くっすよ〜!」

「何処へだ、ウェンディ」

「うげっ!?」

女の子らしからぬ声を上げてしまうウェンディ。

彼女へかけられた声の方を見れば、3階へと続く階段の前の仁王立ちするのは、小柄なお姉ちゃん、チンク。

「チンク姉ぇっ、うわ、スティンガーまでっすか!?」

気づけば、ウェンディの周囲には刃先を此方へと向けている無数のスティンガー。

「全く、初日から夜這いをかけるとはな。姉として恥ずかしいぞ」

「うぅ、なんでチンク姉が…と言うか、えらいファンシーなパジャマっすね…」

暗闇の中浮かび上がったのは、フリフリのフリルだらけの白いパジャマ姿のチンク。

白ゴスロリとでも呼べばいいのか、お嬢様チックな寝巻きであった。

「う、うるさいっ、アリサ殿が似合うと言って貸してくれたのだ!」

「いや、確かに似合ってるっすけど…」

と言うか、似合い過ぎだ。

「兎に角、姉の目が黒い内は、淫らな行為は許さんからな!」

「チンク姉の目って金色―――ごめんなさいっす、謝るからIS発動させないで欲しいっす!」

「判れば良い。早く部屋に戻って寝なさい」

「うぅ、了解っす………」

渋々と部屋に戻るウェンディ。

それを見届け、やれやれと首を振って部屋に戻るチンク。

「ふっふっふ〜、甘いっすねぇチンク姉は。廊下がダメなら、外から直接侵入すれば良いっす。
名づけて、ロミオとジュリエット作戦っす!」

ふよふよと浮いて窓際まで移動するウェンディ。

どうやら彼女の中では、ロミオとジュリエットは窓から侵入して夜這い、愛を確かめる物語だと認識されているようだ。

酷い解釈もあったものだ。

「あぁリョウスケさん、貴方はなんでリョウスケさん、な〜んちゃってっす。さて、窓を開け―――げ!」

閉まっていたカーテンを開けると、そこには月を背に、エアライナーの上に立つノーヴェの姿。

「何処に行く気だ、ウェンディ?」

「い、いや〜、月が綺麗だな〜っと思っただけっすよ? と言うかノーヴェ、寒くないっすか?」

ノーヴェの格好は、寝巻き代わりの黒いTシャツ(ダボダボ)と、スパッツのみ。

「あぁ、寒いぜ。こんな寒い中外で見張らなきゃならないのは、誰のせいだコラ」

ものすっごく不機嫌だった。

「あ、あははははは〜……おやすみっすっ!」

シャッとカーテンを閉めてベッドにダイブするウェンディ。

それを気配で確認して、3階の自分の部屋へと歩いて戻るノーヴェ。

その際、窓から見えた暢気な寝顔の良介に、小さく微笑み「良い夢見ろよ、リョウスケ…」と呟くのだった。

もう良介は傷つけさせない、絶対に彼を守る。

それが、ノーヴェがチンクと交わした約束。

あの日、自分達を命がけで解放してくれた、魔法使いへの恩返し。

ノーヴェは寒い寒いと文句を言いながら、ベッドに入り、眠りに落ちる。

そんな妹の姿を眺めて、チンクは願う。

どうか、優しい夢を見れますようにと……。












初めてのお仕事編に続く?













あとがき?

毎度どうものアヌビスです。
初めての夜編、書きました。
途中キャラが壊れていると感じる。でもこのまま書く。
それが私に残された、たった一つの道だから。
とかカッコよく(?)言っても無意味なので、ひたすら土下座でございます。
特にオットーファンの方、色々とごめんなさい。
彼女は何となく、他のナンバーズに比べて羞恥心とか薄そうに感じたのでこんなキャラに。
ウェンディとセインが完全にお笑いキャラに、そしてさり気無く美味しい思いをしているディード。
大変、ディエチの影が薄いわと気づいて、次回は彼女を活躍させようと妄想開始!
そろそろ六課の人達も出さないとかな〜と思いつつも、暫くはナンバーズを中心に書きます(何)
サブタイから18禁描写を期待した方、ごめんなさい。
そっち系のは書こうと思えば書けるのですが、カップリングが…(汗)
と言うか、書いたら掲載できませんしね(苦笑)

最近は絶望先生にはまっている私。
絶望した! なのはとDVDが同じ発売日で絶望した! お金無いのに!(何)







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