『ジョジョの奇妙な冒険外伝 SNOW MEMORYS
第1話 サンダービッツ』




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北川は港の倉庫に向かった。彼が自問した結果、責任として矢を使った物を倒す。彼はそう考えた。
確かにそれの意味は無いかもしれない。だが何かしたい。そう思ったのだ。
歩いている途中、彼は昔を思い出す。といっても二年ほど前の事だが…


二年前

高校入学を期に一度、家族旅行をしようという事で、S市杜王町に行ったときだ、
おれは両親と義妹との楽しい旅行になると思っていた。しかし、

「……あなた達の、誰かがこの矢に選ばれたらしい。試させてもらうぞ。」

そう言って、学生服の男が矢……そう今日、相沢が刺されたあの矢を打ち込もうとしたのだ。

「な、何が望みだ」

親父がそう言ったのを覚えている。

「この矢を撃ちこむ。」

「そ、そんなコトをしたら、死ぬぞ!!」

「かもしれないな。だが死なないかもしれない…」

そう言って、弓矢の準備をしていた。
まず、初めに父に射ち込まれ、次に母に射ち込まれた。
男は射ち込まれた二人は死んだのを確認すると、おれと義妹に射ち込もうとした。おれは、

「………さ、先におれから……うちこんでくれ。」

声が震えていただろう。だけど、はっきりといったのを記憶している。
男はおれに矢を射ち込んだ。しかし、先に射ち込まれた親と違い、おれは生き残ったのだ。

「……おめでとう。君は生き残った。君は選ばれたのだ。」

そう言い、男が出ていったのを覚えている。そこから先の記憶は無い


しばらくして目を覚ましたときに、聞かされたのは親が死んだということだった。
義妹はその時のショックで一部の記憶をなくしていた。日常生活では支障が無いのがせめてもの救いだ。
だから、真相はしらない。かくいうおれも、全てを知っている訳では無い。
義妹は親戚に引き取られた。裕福な家で、老夫婦だけではさびしいからとの事だ。
そういえば大学までいかせてくれるらしい。
おれは一人暮しを始めた。二人引き取るのは大変だろうし、一人暮しに興味があったから。
そんなふうに毎日を過ごしていた。
しかし、その一年後、おれは出会った。ある一人の男と

「君が……北川潤か?」

その男は190を超える身長で、体付きもガッチリとしていた。

「……そうですけど……」

おれはそう答えた。威圧感がすごいような気がしたが、なんとか気圧されないようにした。

「矢について……知りたくないか」

その言葉を聞いて…おれは経緯を聞いた。男の名前は空条承太郎さんといった。
スタンドについてのルーツ。矢の使い道、あの町…杜王町で起こったこと等を聞いた。
ちなみにおれに矢を撃った男は死んだという。名を虹村形兆という。
そして、おれのスタンドのことを聞かされて、愕然とした。そんな事は有り得ないと否定したかった。
しかし、現実にスタンドを見て、そして自分の体から出しているのを見て、現実だと認めた。そして、

「出来ればでいい……この街でスタンド使いを見つけたら、悪用しないように説得するか…
あるいは暴れられないように痛めつけてくれ。」

そう言われて、おれは迷った。曲がりなりにも、一応常識人としてだ。しかし、

(おれのような奴を作らないために)

そう考えている自分もいた。そして、一日迷い

「やります」

そんな事があった。そして、スピードワゴン財団の連絡方法、杜王町の仲間のことも教えてもらった。
夏休みを利用して会いにいったのだ。


思い出していた。しかし、

「ここか……」

港の倉庫に到着した。そして、中に入ると

「来たか……遅かったな」

あの男は既にいた。あの趣味の悪い格好で立っていた。
怒りに任せて攻撃しようとしたが、なんとか自制した。突っ込んで、逆にやられたら意味がない。

「けけけ、死にな。俺様のスタンド、サンダービッツでな!」

それと同時に、何かが飛んできた。北川は自分もスタンドを出した。

「ドラッ」

北川のスタンドは飛んできたものを地面に打ち落とす。
打ち落としたものはソフトボールほどの大きさの玉だった。しかし、

「これがスタンドか?こんなものが?……ま、これで大分ダメ……ガッ!」

突如、腹に衝撃がきた。それと同時に痺れるような感覚が来た。

「どうしたよ?さっきの威勢はどうした?あ!!」

無傷の男が立っていた。北川は

(ばかな!?スタンドを殴ったんだぞ!?何故、ダメージが無い!!?)

スタンドのダメージは本人にも依存する。逆に、本人のダメージもスタンドに受け継がれる。
今回の場合、スタンドを殴ったのならば、本人にもダメージを受けるはずなのだ。そのダメージが無い。
ましてや、北川のスタンドは、パワーも普通のスタンドに比べて、かなり高い。
それをうけても何らダメージが無い。おかしいのだ。

「くっくっく。不思議そうだな。お前、まだ俺のスタンドが遠距離型だと思っている。それが間違いだ。
見よ!」

その台詞と同時に合計10個ほどの玉が現れた。

「……おれの推測は始めから間違っていたのか…集団型か。その可能性も有ったな。
だけど種がばれれば少しは違うぞ」

そうは言うが、不意打ちのせいか少しふらついている。少し効いているようだ。しかし、

(……厄介だ)

北川はそう思った。集団型の利点。それは一体潰しても大したダメージにはならないのだ。
しかし、

(いくら集団型とはいえ、ダメージが全く無いのはおかしい)

確信はないがダメージを受けた様子がまったく無いのだ。少なくとも1体は潰したのに。

「強がるなよ、簡単に倒せないと分かっているはずだ」

男は言う。それは今自分が考えていた事だからだ。そして、無言のうちに男はスタンドを動かした。
9体の玉が北川に襲い掛かる。

(9体?なんで……そうか!)

北川は気付いた。このスタンドは、本当は遠距離型なのだと。
普通、遠距離型はもっとスタンドを離して攻撃する。 一体のパワーが少ないためか、離れて全ての力を使いながら攻撃するか、道具を使う。それが厄介なところ。
しかし、このスタンドは10体なのに、9体でしか攻撃していない。すなわちその1体が本体なのだ。
しかし、周りの9体の玉はうるさかった。

「先に回りの奴を叩き落す。くらえ!!」

北川のラッシュ。その攻撃は速く、正確に玉を叩き潰した。そして、9体目の玉を叩き潰した。そして、

「…お前のスタンドは10体しかない。今、9体潰した。もう勝ちは無いぞ!」

おれは勝利を確信した。しかし、男は笑った。馬鹿みたいに笑った。

「くくく、この程度だと思ったか?おめでたい奴だ!まだまだだ!!」

ドカッ

そんな音が響いた。その音はおれの背中から聞こえた。

「グアッ」

おれは倒れこんだ。痛さと痺れるような感じが一遍に襲ってくる。
後ろを見るとおれが叩き潰した玉が全て復活していた。

「そうだ。俺のスタンドは遠距離型としては弱い。こんな形だしな。
だが代わりにスタンドの回復力はすごいぞ。自分で確かめたから分かるとおもうがな!」

確かに回復力にかけては凄い。潰した玉が一秒で回復した。

(この男…自分の弱点を逆手にとってる!)

遠距離型の弱点を忠実に守り、そのうえ道具を使わないが、回復力という利点をもっている。
初めから騙していたのだ。騙すために弱点をちらつかせていたのだ。
遠距離型と思わせて、集団型。そして、本来は遠距離型なのにだ。その事は別に問題はない。
聞けば、ほう。と思う。しかし、実際のところ知らずに闘うと厄介である。
何せ、弱点と思って攻撃したのが、意味がないと思い知らされるからだ。

「降参するか?今なら半殺しで許してやる」

「冗談…きついぜ。絶対…降参するかよ!」

もう一度攻撃をする。やはり、叩き潰しても復活してくる。しかし、北川は気付いていた。
絶対に攻撃を仕掛けない1体。その意味を

(やはり、あれが本体か!)

男の近くにある、一つの玉。おそらくこれが本体だ。残りの玉は偽者………というか目晦ましなのだろう。
しかし、どうにかして奴は偽者に攻撃能力を持たしたのだろう。

(あいつが犯罪をしやすいように成長したのか?)

確かめる事が出来ないがおそらくそうだろう。でなければこんなふうに戦闘できないだろうし。
ぼんやりとそう考えた。しかし…

(グッ……なんだ!?)

突如北川の体が動かなくなった。

(なんだ!?………まさか!?)

「ふん、気付いたか?その通り。お前の体は痺れているのさ。
あの体当たりには電流が流れているからな、まぁ、弱い電力だがな」

と言った、

(あの体当たりには電流が……通りで痺れるわけだ……それに拳で殴ってたしな。)

反省しないとな。と心の中で反省していた。

(………その前に名前で判別できたよな。馬鹿だな、おれ)

確かに名前で判別は出来ただろう。うかつ……というかなんというか
そんな事は露知らず、男は玉を、自分のところに戻した。

「ふん!じゃあ殺してやるよ。だが近づいては殺さない。スタンドは動かせるはずだからな!
サンダービッツの能力で殺してやる!!ありがたくおもいな!!!」

男はサンダービッツに集中した。そして、一つ一つの玉の電流が強くなってきた。

「この技は!本当なら実戦じゃあまりつかえないんだよ!!何しろ電力が溜まるのが遅いからな!
てめぇのように体が動かねぇ奴にしか使わないんだ!見れる事を感謝しな!!」

そう言って、電流が更に強くなる。そして、

「これで、どうなると思う?」

北川は答えない。男は恐怖していると思った。恐怖で答えられないと疑わなかった。

「この溜めた電力をてめぇにぶち込むのさ!!
名付けるとしたらサンダーアローってとこだ!なんとか言ってみろ!!このばか!!」

「……せぇ」

北川の声は小さいのかよく聞こえなかった。男は眉をひそめる。

「アアッ、ナンか言ったか?」

「うるせぇって言ったんだよ、おっさん。喋る前にトドメをさせよ!ばーか!」

この台詞を聞き、頭に血が上った男は、

「こっ、このクソ餓鬼が!!死にや…「死ぬのはおまえだ」なにぃ!?」

ドジュウッ

いきなり9体の玉は爆発した……いや、違う。
どちらかというと中から蒸発して周りに飛び散ったという感じだ。
そして、その飛び散ったものは本体である玉と…男に直撃した。

「ウギャァァァ、熱い!アチィィー!!」

男は転げた。倉庫の中で転げまわった。それを見ながら、北川は説明を開始した。

「これがおれのスタンド、ヒートマスターだ。その名のとおり熱を操る。
二回目殴った時に熱のエネルギーを送りこんで、今、内部破壊した。
本当の所、最後の玉に当たればいいと思ったが、本体にも当たった。嬉しい誤算だな」

しかし、男は聞いていない。というか聞けない。熱すぎるのだ。そして、近くに転がってきた。

「……まぁ、もう必要無いと思うけど……一応、トドメはさしておく。じゃ………」

北川は深呼吸した。そして、

「ドラララララッ…ふぅ、ドラァーーー!!」

拳のラッシュを食らわしたあと、上空に打ち上げ、トドメの一撃を加えた。
これで名も知らぬ男は完璧に気絶した。そして、男が持っていると思われる矢を回収しようとした。
しかし、

「…………無い!!なんで無いんだ!!!」

男の持ち物を全て捜した。しかし、矢がどこにも無いのだ。
北川はどこかに吹き飛ばしたかとおもい、周りの捜索をした。しかし、無い。どこにも無いのだ。

「くっ、どこに隠したか。本人に聞くしかないか」

男の所に到着した。しかし、

「ば、ばかな!!死んでいる!!捜しに行った時に殺されたのか!?」

胸にナイフが刺さっていた。おそらくスタンドを知られないために、わざわざナイフで殺したのだろう。
しかし、北川は

「くっ、仕方ない。退こう。このまま攻撃されたらまずい!」

北川は倉庫を出た。そして、

「………北川……潤、か。始末しなくては、そのためにこの矢を利用させてもらう!」

倉庫に残った黒い影はそう呟いた。


翌日の朝6時

北川は迷っていた。祐一が生きていた場合、こちらの世界に引っ張りこんでいいのか。と

(どうするか……なるべく、撒き込みたくないんだが……)

北川はなおも考える。そして結論は
「ま、なるようになるか」

考えないようにしたようだ。そんなこんなで到着した。


ロビーについたとき、

「北川君か……彼は目を覚ましたぞ」

「そうですか。会って話しをしたいのですが……」

「どうぞ、どうぞ。ですが、なるべく早くお願いします。まだ、検査がすんでいませんので」

祐一の部屋に到着しノックをして入った。

「よう、北川。どうしたんだ?随分と早いな」

その声を聞き、生き残った事を確認した北川は

「相沢……」

「ん?どうした?」

「………これが見えるか?」

北川はスタンドを出した。祐一は

「お、おい。それなんだよ!?」

「……やはり……見えるのか」

北川は暗くなった。自分のミスで一人の男をスタンド使いにしてしまったのだ。
これが暗くならづにいられるか。

「お、おい!だからそ……」

「今、説明する」

北川は説明した。これがスタンドというもので、そして、それはスタンド使いにしか見えないという事を、
しかし、

「お、おいおい。俺は今まで、スタンドなんて見た事無いぞ。冗談きついぞ、北川。」

「それが……相沢昨日のことを覚えているか?」

「い、いや。そういやなんで俺、入院しているんだ?」

祐一は首を捻っていた。そして、祐一は昨日の事を思い出そうと、必死に頭を働かせた。
後に、本人もここまで、頭を使ったのは初めてだという。

「昨日は、ゲーセンに行って……栞のもぐら叩きを見て、その後悪趣味な……!
そうだあの男が物盗んだの見て、追いかけたんだ!あれ……確かその後……北川と…あの男が……」

「そう、その後おまえは『矢』に胸を刺されたんだ。それでここで入院しているんだ」

北川はそう言った。話の大筋はそんなものだ。

「俺は……刺されたのか…!まさか、俺のビューチフルボディに傷がー……無いな、良し。」

北川は一瞬、殴ろうかと本気で思ってしまった。なんとか耐えて、

「それで、だ!おまえはスタンド使いになった。それで、一緒に闘わないか?
正直な話しこの街をおれ一人で闘うのは辛いからな。嫌ならそれでいい。そのまま普通に暮らしてくれ。
さぁ、どうする。」

「………」

祐一は考えた。これからどうするか。真剣に…だ。

「とりあえず、あし…」

「やるぞ、北川」

祐一はあっさり結論を出した。北川は

「お、おい。そんなにあっさりと……」

「だってよ。闘わないと、俺みたいに矢を撃ちこまれる奴が増えるんだろ?そんなの目覚めが悪いしさ。
それに……」

祐一は一瞬、言葉を捜した。そして、

「なんていうか……もう……見てるだけっていうの嫌だしな。」

北川は思った。こいつ、すげぇ。と。おれはそんなふうに言えなかったから……
そして、

「分かった。頑張ろう……その前に……お前のスタンドを確認しよう」

「へ?」

そして、北川のスタンド……ヒートマスターは祐一に向かって、軽いパンチを繰り出した。

「う、うわぁぁぁぁ」

祐一は叫んだ。そりゃ、納得したとはいえ、いきなりスタンドで殴りかかろうとすれば普通は驚く。
この点はやはり、祐一は普通の人だった。

パシィィィ

(俺…死んだかも……あれ…衝撃が……)

祐一にいつまでたっても衝撃がこない。見ると

「………これが…お前のスタンドだ」

そこには、銀色の光沢を放つスタンドが立っていた。

TO BE CONTINUED

スタンド解説

北川潤
スタンド名 ヒートマスター
破壊力 A  スピード B  射程距離 E(最大1.8m)
持続力 D  精密動作 A   成長性 C
能力説明
物やスタンドに熱のエネルギーを与えることが出来る。
熱を与えたものを一瞬なら操る事も出来る。
周囲の気温も熱で調節が可能である。
これとは、別に切り札もある。
ただし、人には熱のエネルギーは与えられない。


趣味の悪い男
スタンド名 サンダービッツ
破壊力 C  スピード C  射程距離 B(最大20m)
持続力 C  精密動作 A   成長性 E
能力説明
本体が作り出した、偽者の玉で電流を纏った体当たりが基本スタイル。
パワーはそれほどでもない。
偽者は、いくら壊しても復活する。
また、溜めた電力を放出する事も可能。

A=超凄い B=凄い C=普通 D=苦手 E=超苦手

後書き
祐:終わったな
作:ああ
祐:北川、強いぞ。
作:ああ、だけど北川どこか抜けてるから
祐:……確かに。そういや、名雪達のスタンド、出すのか
作:出します。これは確実
祐:大丈夫なのか?
作:大丈夫。香里以外決まった。その香里にしてもどれにしようか迷っているだけだ
祐:ふーん、そういえば俺の能力は?
作:次回公開予定。それと、上の能力はこんな感じというだけです。
祐:やれやれだぜ
作:感想くれる人、敵スタンドを募集します。




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