『ジョジョの奇妙な冒険外伝 SNOW MEMORYS
第6話 マクスウェルの闘い!@』




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北川&香里視点
香里のスタンドが頭の上で現れた。

「あ、あなたが私のスタンドなの?」

「ソウデス、マスター。私ハアナタノスタンドデス」

どうやら香里のスタンドは喋る事も可能なようだ。
しかし、そんな会話を見逃すほど…デンジャラス・ザウルスは悠長ではなかった。
このスタンドは人を殺すために具現化したスタンドだ。そんなスタンドが待つなど考えられない
ただ一人恐竜に注意していた北川は香里を右に倒し、自身は左に避けた。

「あ、あぶねえ」

北川の避けたタイミングはかなり際どかった。あと少し遅ければ完璧に爪で引っ掻かれていただろう。
もっとも完璧にかわせなかったようだが…

ドクドク

北川の腕から血がこぼれてくる。香里は焦った

「き、北川君!大丈夫!?」

「あ、ああ、大丈夫だ。まだいける!」

無事な姿に安堵した香里。しかし、

「問題は……どうやって倒す?」

北川の質問に答えられない。そして、

「フタリガカリノ、イッセイコウゲキデス。ソレシカアリマセン」

「ま、それが妥当か…美坂……攻撃避けたら、あれにスタンドで攻撃だ!いいな!!」

「わ、わかったわ」

そして、またも愚直にも一直線に突っ込んでくる恐竜。2人は左右に跳び、そして、

「ドラドラドラドラドラドラァ!」

「ハァッハァッッ!」

ふたりがかりのラッシュが炸裂する。香里のスタンドはスピードよりパワータイプのようだ。
一撃の威力は北川より少し弱い程度だ。
そして、二人のラッシュは意外な事にかなりのダメージを与えた。恐竜の肉がまわりに飛び散る。

「以外と……防御力はないわ」

香里の台詞は現状を表していた。いざ攻撃を仕掛けると防御力がないのだ。これなら確実に倒せる。

「いくわよ!」

香里は突っ込む。しかし……

「後ロニ跳ンデクダサイ」

香里のスタンドの忠告で動きを止めた。それが幸いして、尻尾の攻撃を偶然にも回避できた。
香里は、助かった。と心の中で呟いた。確かに危機一髪だった。そして、

「ドラドラドラァ!!」

香里への尻尾攻撃の最中に北川の攻撃が炸裂する。そして、殴りつけた所が、熱で溶け始める。
殴りつければ肉片が跳び、そこから、熱が直に当たる。その痛みは恐竜の叫び声が示していた。

「ギャァァァアー!!」

恐竜が悲鳴を上げる。この攻撃で大ダメージをおったと思った二人は攻勢に転じようとした。
しかし、それは出来なかった……なにかが跳んできた!それは体長1mほどの小さな恐竜だった。
体当たりに体制を崩したところに、D・Sは尻尾での攻撃を北川にしかける。
咄嗟にスタンドで防御するも、その衝撃は並ではなく、木まで吹き飛ばされる。

ドカァァ

北川は木に打ち付けられた。あの尻尾をまともに受ければ、死んでいたかもしれない。

「北川君!大丈夫!?」

「大した事ない!美坂!!前見ろ!!」

前を見ると例の小さな恐竜が体当たりをしてくる。
それをスタンドで防御すると……その腕に噛みつこうとする。それを振り払った。
しかし、そこにD・Sが爪の攻撃をする。
香里は運良くツタにからまり、転んだ。爪が肩を掠めたのか、肩から血が出る。
そして、次の攻撃が来る前に北川の近くに移動する。

「だいじょうぶか!?」

「なんとかね…」

危険を脱した今は少し余裕があるが…その余裕が疑問を呼ぶ

「あの、小さい恐竜はどこにいたの!?」

香里は声を荒げる。あれがいなければ、今ごろトドメをさしていたはずだ。
2人は周りを見る……すると、先ほど吹き飛ばした肉片が動いている。

「「???」」

肉片は徐々に集まり、形を作る。それは、先ほど彼等に体当たりをした、小さな恐竜だった。
そう、彼等が殴った肉片は好機ではなく、彼ら自身の首を締めたのだから…

「ど、どうするの!?攻撃すればするほどやばくなるわよ!!」

「くっ……とにかくおれが攻撃しているからなんとか策を考えてくれ!」



北川は香里が策を考え付くまで一人で足止めを決行するようだ。そして、彼は飛び出した。
まず、最初に襲いかかるのは小さな3匹の恐竜だった。彼はその3匹の攻撃をなんとか避けながら、

「ドラドラドラァ!!」

北川のラッシュで恐竜達は、D・Sに向かっていく。そして、

パシュゥ、パシュゥ、パシュゥ

恐竜は3匹とも、内部から熱せられ、熱い肉片を撒き散らす。
北川は前にサンダービッツにしかけた攻撃を、今回は恐竜に使ったのだ。
当然、D・Sに熱い肉片は頭から全体に降り注ぐ。小さいものならこのような攻撃が可能なのだ。
逆に大きい……大人ほどの大きさのものは出来ないが……

「ギャォォォー!!」

熱さに絶叫を上げる、D・S!それの効果も見ずに北川は飛び込んだ。

(やれるところまで……やる!!)

そして、北川のラッシュがD・Sの体に叩き込まれる。そのラッシュも当然熱を送りこむ。
顔に、手に、体に荒々しく、それでいて正確に打ち込まれていく。
しかし、D・Sも並のスタンドではなく、このラッシュの最中に右の手で爪の攻撃を仕掛ける。
北川は咄嗟にスタンドの左手で受け止めたが、その強い攻撃によろめく。その直後右からも攻撃がきた!
先程の攻撃のよろめきはまだ残っている。
北川はそれでも避けようと、必死に右に跳ぶ。
そのタイミングはかなりの神業である。初撃に比べて大分弱い攻撃を防御する。
しかし、やはり片手では受け止めきれず樹に吹き飛ばされる。が、すぐに立ちあがった。
彼に手傷ができたが、この攻防を見る限り、互角以上である。



香里はそれを見ていた。この巨大な敵と互角の死闘を演じている少年を

(す、すごい……こんなに強いの?)

学校で見る姿と今の姿のギャップが激しすぎるのだ。しばし呆然とする。

「…………スター…マスター!」

香里は自分のスタンドに呼ばれて、我に帰る。

「マスター、ワタシノ能力ニツイテノ説明ヲシマス。」

「能力?」

「北川様トワタシデハ、タイプガ違イマス。ワタシハアマリ近距離ハムキマセン」

「でも…北川君は………」

「北川様ノ能力ハ近距離用ナノデス。ワタシハドチラカトイウト遠距離用デス。」

「つ、つまり……人によって能力は違うの?」

「ハイ、北川様ノスタンドガ熱ヲ操ルヨウニ私ニモ能力ガアリマス」

「そ、その能力は?」

「私ハ……………………デス。ソノ事ヲ踏マエテ作戦ヲ考エテクダサイ」

香里はそれを聞き、必死に頭脳を働かせた。
その姿をもし他人が見たら話しかけても、その手を引っ込めるだろう。周りに他人はいないが…
ふと、何を思ったか、香里は鞄の中を漁った。
香里の考えに必要になるかもしれない物があるか、確かめるために……
そして、それは見つかった。香里はこれが見つかったのに普段は祈らない神に感謝した。
この作戦に、これは絶対に必要なものではない……しかし、必要になるかもしれないのだ。
それが、見つかり香里は安堵した。そして、

「北川君!!熱をおもいきり叩きこみなさい!!」

彼女は思いきり叫んだ。


北川は圧倒していた…しかし、それもすぐ崩れるだろう…なぜなら、

(くそ……目がかすんできた…)

北川は今までの闘いで血を多少失っている……
それだけなら普通は問題ないが、今動きをセーブせずに全開で動かしている。
そのため新たに血が吹き出ている。
少しの間なら平気だが、このままだと……確実に死ぬ!
怪我をしていなければ、このままならD・Sの全身に熱を叩きこめるはずだが…
そんなときに……

「北川君!!熱をおもいきり叩きこみなさい!!」

香里の声が耳に響いた。
北川はこの意味を理解はしなかったが、すぐさま後ろにさがり、
言われるままに熱を叩きこむために一呼吸、力を溜めた。
そして……それは爆発させる!今までで最大の一撃!!恐竜は吹き飛ぶ!!
そして、熱も今までで最大だった。

「ギャォォォォォー!!!」

あまりの熱による攻撃のための絶叫。それほどの攻撃を放ったのだ。しかし、それでもD・Sは倒れない。

ピキィィィィン

突如として凍りついたD・S。さすがの北川も意味がわからない。そして…

「私の能力は元素を完璧に操る……内部の熱のエネルギーを反転させた…これで!」

ようするに熱いも冷たいもエネルギーの正か負か……ただそれだけなのだ。
熱の+のエネルギーを−に変えた。それにより氷の氷像に姿を変えた。

「やったわ!これなら…」

確かに北川の熱を完璧に逆転させて、氷付けにさせたのだ。しかし、D・Sがかすかに動いた。

「お、おい……今……動いたぞ…」

氷にしたはずのD・Sが一瞬動いた。北川は見間違いだと思いたかった。しかし、またも

ピクッ

…一瞬だが動いた。北川は焦る。しかしそれとは逆に香里は冷静だった。
なにを思ったのかペットボトルを取り出し、それを投げた。
それは恐竜の近くに転がり、中の水はこぼれ、拡がった。その動作を2回ほど続けた。
そして…

ジュウゥゥゥ

頭の氷が溶け始めた。それは水になり、地面を濡らす。頭から体へと、どんどん氷が溶け始める。
そして……

「ギャオォォォォォ!!!」

遂に復活した。しかし、同時に疑問も起こる。

「なぜだ!?なぜ溶ける!!?」

北川の疑問点はそこだった。ヒートマスターの能力である熱のエネルギー……
それを全て反転させ、氷付けにしたのだ。
いかに強大なパワーを持つスタンドでもそう簡単には溶けないはずだ。しかし…現実に5秒程で氷は溶けた。そして、全ての氷が溶ける。

「グルルルル!!」

唸り声をあげた恐竜の顔を見る。そこに、先程
北川が溶かした恐竜の肉片がついていた。
(そ、そうか!!)

北川は悟った。そう全ては自分のせいなのだ。氷付けにしたのも、そして、それを溶かしたのも……
真相は、香里のスタンドの能力により、内部の熱は全て反転しただろう……
しかし、外部の熱……この場合は肉片の事だ。それは熱を持ったままだった…だから溶けたのだ。
ヒートマスターの持続力はそれほど無い…が直ぐにはなくならない。その肉片を元に溶けたのだ。
そして……氷が溶けた……D・Sが襲いかかると思ったそのとき……

ズダンッッ!!

突如として転んだ。その地面を見ると……
それは半径にして5mほどの氷になっていた。小型のスケートリンクのようだ。
北川は香里を見る。そして……氷の上を歩きながら、氷の範囲からでた。香里の説明を聞いた。

「簡単に言うとね……溶かさせるのが目的だったの……その気になればあの肉片も冷やす事が出来たの。
念の為ペットボトルのジュースも使って氷の面積も広くしたし」

香里の説明は分かったが……別の疑問もできた。

「なんで、そんな事を?」

「倒すためよ」

一瞬呆気にとられる。今の今まで倒せなかった、このスタンドをどんな方法で倒すのか…
それが北川には分からなかった。

「それで……お願いがあるんだけど……氷を溶かしてくれない?氷が、水かお湯になるくら……」

「な!?そんなことしたら……」

香里は北川の台詞を遮った。そして……

「お願い……私がしてもいいけど……それだと、多分間に合わないから……」

北川はまだ渋っていたが、そろそろ立ちあがりそうだったが、またも転ぶ

スドォォォン!!

豪快に転んだD・S……そして

「わかったよ!どうなっても……知らないからな!」

そう言って、半ばヤケクソ気味にヒートマスターが氷の端を叩き、その一帯の氷を溶かした。
まだD・Sは立てない。そして、

「元素を操れるから………こんな事もできる!!」

そういって、持っていた杖が輝く……そして、

ドカァァァァァン!!ドカァァァァァン!!

大爆発が響き渡る。北川は呆然としていた。

「溶かした氷の水を使って……水素を3乗にして、それを元に小規模な核融合をしたのよ。」

爆発の中心部からは未だに煙が蔓延している。
一回しか設定していないのに……と香里が思ったが、
どうやら、マクスウェルは水が増えた分だけもう一回爆発させたようだ。その威力はスゴイ。

「す、すげぇ!!すごいぞ!美坂!!こ、こんな方法があったなんて……」

「科学の知識も以外と役にたつわね……」

北川は感動した。まさかこんな方法があるとは……
普段はあまり真面目に勉強しない科学がこんなふうに役に立つとは……
北川は今度からは真面目に勉強しよう、と心に誓った。

一方の香里はこんなにうまくいくとは思っていなかったのか……呆然としていた。
そして、こんな事実がある……
実はこれは……昔、漫画を読んでいたときに載っていた知識だという事を……
この事は、自分の心の中に閉まっておこうと香里は強く誓った。

「そ、それじゃ……出口を捜しましょう」

未だ感動している北川に出口捜しを促した。
これ以上感動されると……自分の知識に対する冒涜のような気もするし……
さらにいうと…このまま質問されるとうっかり口が滑りそうだったからである

「そうだな……ところで美坂…」

香里はこの台詞を聞き、少し動揺した。このまま質問されると何を口走るか分からないからだ。そして……

「なんであんなペットボトルを持ってたんだ?いつもは持ってきてないだろ?」

これを聞き安堵したのは当人の秘密だ。

(まぁ……北川君がそんな難しい質問はしないか…)

何気に失礼なことを考えていた。

「栞が朝の占いにはまってて、
それであたしのラッキーアイテムがペットボトルのジュースだからって、持たされたのよ」

まさか、ほんとにラッキーアイテムになるとは思わなかったけどね。と苦笑していたが…

「運も実力だって……速く出口を捜そうか」

「質問したのは誰よ?」

「うう、ごめんなさいー」

北川はどうやら、学校の時と同じ状態のようだ。
2人は出口を捜すためにここを後にした。
しかし……爆煙のなかで二つほど輝きがあったのを……

……2人は知らない

後書き
作:どうしたのでしょう?祐一が……おわっ!
祐:く、後書きは俺の専売特許だ!
作:ど、どうしたんだ、一体?
祐:香里が水素を使って、水素爆弾を作りやがった……
作:(汗)よく生きてたな
祐:ぎりぎりだった……あと1秒能力の発動が遅いと死んでいた
作:ようするに、その時お前の寿命は3秒だったのね(汗
祐:まだ体は痛いが……まだ続くのか?
作:あと1回……もしくは半分の予定だ。
祐:俺の方は大丈夫か?
作:お前のほうは戦闘も考えてあるから大丈夫…ただな…
祐:どうした?
作:今は関係無いが……栞のスタンドに悩んでいるんだ
祐:……どうするんだよ?
作:候補が3つあるんだが……どうしましょう?
祐:登場人物に聞くなよ
作:それとな…
祐:まだあるのか?
作:香里の能力……これであってるか…自信無し
祐:お前……ほんとに大丈夫だろな!!?
作:まじでどうしよう?
祐:やれやれだぜ
作:では、次回!




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