やっとの思いで追いかけてきたスバル、ティアナ、エリオ、ギンガ先輩を倒して(一部セクハラ)
逃げ切れると思った。
だけどその瞬間、空から現れたるシグナム師範。
しかも目が据わってました。

………あっ、俺死んだな。
モグ……じゃなかった、セインーー! 早くヘルプミー!






時空を駆けちまった少年

第33話






*********************************************


「……………」
「「………………」」

「ど、どもー。失礼しましたー」

やばっ、スコープ壊れたから地面から顔だけ出して地表確認してたらおかっぱとハンマー持ってる赤い幼女に見つかった。
とりあえず何事もなかったように……


「待ちなさいーー!」
「逃がすわけねえだろーーー!」
「きゃああああーーー!!」


何か知らないけどあのおかっぱは天敵な予感がするーー!
そして幼女のハンマーでかくなって上から叩こうとしてきたーー!!


「逃がすかモグラーー!」
「モグラ言うなーー!」
「隙あり! ヴィンデルシャフト!」
「きゃーー! 変なツッコミ癖でついーー!」






*******************************************************













………何故だろう。
とってもまだまだセインの救助が来ない気がしてきた……


「このまま逃がすと思ったか?」


お空の上から俺を見下ろすシグナム師範。
その目は物凄く据わっていて今までになく恐ろしかった。
冷や汗がダラダラと止まらない。
やばい、やばすぎる。
尋常じゃないくらいやばすぎる。
前は木刀でしかも魔力なしな状況ですらフルボッコ。
今はリミッター有りと言ってもフル装備。
……俺超ピンチ!


「どういうつもりだ」


同じ高さに降りて来て睨みつけられる。
まさに蛇に睨まれた蛙のごとしな俺。


「シグナム副隊長……」

「スバル、バリアジャケットを解除しろ。私服に戻れば破れてはいないだろう」

「あっ、そっか」


そう言われて解除し、多分私服なんだろう。
その服装になって立ちあがる。
とりあえず惜しい気もしたけど。


「ギンガと2人で下がっていろ。この馬鹿は私が捕まえる」


うげ……やっぱその気満々だこの人。
炎の魔剣レバンティンを構え立ちはだかる。
プレッシャーに圧される。
オーバーSの空戦魔導師。
魔導師というより騎士であり、近接戦闘なら六課どころか管理局でも屈指の強さ。
そして何より向かい合っただけでわかる。
俺は絶対負ける。
逃げる? レベルが足りません。
回り込まれてジ・エンド。
……どうしよう!?
とにかくこっちも刀を構えないと……素手じゃやばい。


「……なぜ抜かん」


怪訝そうだが一切容赦をしないつもりでこちらを睨みながら質問される。
その表情には色々な考えがあるのだろうが、師範はあんまり思ったことを口にしないからな……
行動で伝えるというか背中で語るみたいな感じの方が強い。
多分今は抜いていないことに少し切れてるんだろうな……
武士とか騎士にとったら侮辱みたいな行為だと思うし……


「……正直言うとこれデバイスじゃなくて真剣なんで非殺傷設定もクソもないんすよ」


さて……どんな反応が返ってくるのか……


「そうか……」


意外にも特に反応はなかった。
……もっと何でそんなものを持つとか言うのかなとか思ったけど……
そう考えながら師範から意識が一瞬逸れた瞬間
師範の姿が霞んだ。


!? やばっ!!

すぐさま無明で横斜め上からの斬撃を止める。
さっきの隙突かれた!
つうか滅茶苦茶速ええ! しかも重え!
前からわかってたけど魔法で威力上がってる上に本気モードだからさらにすげえ!


「真剣だからどうした? そんなもの今までにも何度も使う者がいた」


そう言ってそのまま圧して来る。
くっそ……圧される……
つうか今まで何度も使うやついた?
……ってそりゃそうか。
犯罪者がわざわざ警察みたいなの相手に殺さないようにするわけもないか。
ってぬおおおお!?
余計なこと考えてたらさらに圧されるーーーー!
くそう、こうなったら一旦離脱。
刃を滑らせ、受け流すようにして鍔迫り合いを切り抜ける。
横に大きく跳び、一旦距離をとる。
受け流されたように下へと降ろされたレバンティンでビルの屋上を大きな斬り傷をつける。
……恐ろしや。


「以前言っていたな。自分の生きるために障害になるのなら消すと」


あー……そんな馬鹿なこと言ってた頃もありましたね……
いやーなんというか……マンガでよくある殺しちゃったからって悩む場面を読んでそーいう考えになったんだよな。
でも実際体験すると……そんな気持ちなれるわけねえ。


「……抜かない所を見るとその考えが変わりでもしたか」

「…………………」

「そうか……それはそれでいい」

「はっ?」

「人を殺すことに恐怖を覚えていられるならその方がいい」


師範……


「だが今こうして対峙している状況への説明にはならん、スバル達に話せないと言っていた。ならば無理矢理でも連れて行き吐いてもらう!」


うげえ!?
なんか思いっきり魔力噴き出したみたいに紫色の光が見えるんですが!?
というかしんみり空気も結局バトル展開で打ち消しですか!?


「【紫電一閃】!!」

「ぎゃあああ!?」


かわすとかそんなレベルじゃなくて逃げた。盛大に逃げた。
あんなの紙一重でかわすのも受けるのも嫌だ!


「ええい、待て!」

「待てと言われて待つわけないでしょ!」


ビルを飛び交いしながら逃げるけど普通に飛んで追いかけられる。
飛べるって便利ですね!?


「【飛竜一閃】!!」


レバンティンがカートリッジをロードするとその刀身を連結刃に変形させる。
その姿はまさに蛇のようになり俺の周りを取り囲む。
なにそれ!? 蛇尾○!?
つうかやばっ!? 360度全部囲まれたし!
蛇がとぐろを巻くかのようにしてどんどん俺を追い詰めていく連結刃。
こういうのはどーやって逃げよう!?


「…………ふ、ふふ……ふははははは!!」


不敵に笑いを零してしまう。
その笑みに対して警戒と疑問の表情を作る師範。


「何がおかしい?」


何がおかしいって?
ちゃんちゃらおかしいに決まってるじゃないですか。
くっくっく。


「こんな技……」


小さく、小さく呟く。
だがしっかりと師範と戦闘から離れたスバル、ティアナ、ギンガ先輩に聞こえるようにその声は響く。


「こんな技避けられるわけねえだろおおおおおお!!」


魂からの叫びが木霊した。
同時に外野の3名がこけた。
師範もこけかけた。
こんなのどーせえっちゅーーうねん!!


「貴様はふざけているのかーーー!」

「ぎゃあああ! 来るなーー!」


連結刃が来たーーーーー!
あっ、俺ミンチになったわこりゃ……
















なんかもう色々真っ白になったと思った瞬間
目の前を爆発とシールドが俺を囲んだ連結刃を弾き返した。
そして爆発で飛んだコンクリの破片が額に当たった。

イテーー!


「……何者だ」


連結刃から元の剣の状態にレヴァンティンを戻した師範が爆煙に向かって殺気を飛ばす。
そしてその爆煙を巨大な炎が周りの空気を吸収しながら散らし、師範に向かって襲いかかる。


「くっ……レヴァンティン!」

《 Ja! 》


カートリッジをロードし、威力を上げた剣撃で巨大な炎の塊を両断する。
2つに裂かれた炎はそのまま爆発を起こし轟音を一体に響かせた。
炎ってことは……まさかというか間違いなく……


「何者かだって? 聞いて驚け!」


見て笑え!


「烈火のぉ……剣精アギト様ったぁアタシのことだ!」


ちっ、見て笑えと続かないのか。
そのままもう一言言って合体って流れの赤、青、黄色じゃないのか。
……この状況で浮かぶシーンでもないな。


「あっ! さっきの!?」

「何で!? リイン曹長から逃げて……」


アギトを見て驚く2人。
俺も驚いたけど多分一旦逃げてからわざわざ戻って来てくれたんだろ。
変装してたけど俺って分かったんだな。
……最初からバレてたのって恥ずかしいな。
できれば知られたくないことだから。
でもリインから逃げたって何だ? リインと何かあったのか?
逃走劇でもしてたのか? そういや逃がした後の戦闘で見なかったな。


《 おい、ケイ。魔力使ってないだろうな? 》

《 おう、使ってないぞ 》

《 よっしゃ。ユニゾンして一気にあの騎士倒すぞ。あいつ相当やばい 》


そんなの知ってるわい。


「「 ユニゾン・イン!! 」」


ユニゾンすることで髪と目が赤くなる。
そしてバリアジャケットを生成。
デザインは相変わらずの黒のジャージ。
そこに手甲とローラースケートが追加された姿になる。


「ユニゾンって……あんたデバイス使えないんじゃなかったの!?」

「いや、ユニゾンデバイスは試したことなかったけど実は使えたみたいなんだ」

「……というか何がどうなってさっきの子とかそのユニゾンデバイスの子と知り合ってるの」

「いや、だから色々あってそれを言えんとさっきから」


スバルとティアナからいくらかの質問が飛ぶ。
ちなみにティアナだけまだ破れたジャケット姿でいる。
デバイスが遠くに行ってしまったせいで解除できないっぽい。
……凝視するな、しちゃダメだ。
さらに怖いことになる!


「ふっ……面白い。どういう経緯があったのかはわからんが同じ条件での戦いというわけか」

「……そうっすね。何だかんだで魔法ありな状況での戦闘は初っす」


前の時は結局なしになったからな。
ん? てか前のは俺も魔法使えたにカウントされるのか?
カートリッジで魔法使ってた感じだけど。
ってどうでもいいか。
ぶっちゃけユニゾンして今の俺でどこまでいけるかわからねえけど勝つ気でいかんと駄目だ!
無明を鞘から抜き出し、その鈍く輝く黒刀の刀身を晒す。


《 アギト。ユニゾンしてれば確か非殺傷設定は 》

《 安心しろ。できてるよ。前もそうだったろ 》


よし。
使えるんなら使わないとな。
100%安全じゃなくても大幅に殺してしまう可能性は消せる。
まあ、それ以前に……









俺が師範に勝てるわけない気もするから気にするところでもないんだけどな。









********************************************************





「……抜いたか」

「抜きました」


ビルの上で構え合うシグナム副隊長とリイン曹長と同じくらいの大きさの子とユニゾンして赤い髪に変わったケイ。
意味深な表情で投げかけたシグナム副隊長の言葉を、間の抜けた感じに返事する。
……いや、空気読もうよそこ。


「……まさかあいつがね……」

「本当に何があったのかしら」

「ティア……ギン姉……」


破れたバリアジャケットの胸元を隠したティアと少し疲れた様子のギン姉が近くに来ていた。
……3対1で負けるなんて。
……若干、というか大部分でセクハラ混ざってるのが余計腹が立つ……


「あんな負け方するなんて……あいつ……」


ティアも同じこと考えてたみたい。
片方の手が握り拳になって物凄い震えてる。
うん、とにかく捕まえた後で話聞く前におもいっきり殴る。


「シグナム副隊長……大丈夫かしら」

「いや、それは流石にないかと……」

「そうだよね。いくらなんでも勝てないよ」

「そうじゃなくて……」


ギン姉が言い詰まる。


「……また何かセクハラ攻撃でもされたりするんじゃないかなって……ほら……副隊長スタイルすごいし」

「「 ああ、成程 」」


物凄い納得。
とりあえずそれをしたら完全に死刑は免れないと思う。
わたし達3人はさっきの怒りと、なんだか哀れに感じながらシグナム副隊長とケイの戦いを見ることにしたのだった。









「とりあえず先手必勝!!」


ケイが距離を一気に詰めて1撃を振り下ろす。
それを副隊長に受け止められ、そのまま接近戦での打ち合い。
刀と剣との打ち合う音が10、20と響き合う。
最初こそは攻めに回っていたケイだけど数が進むにつれ、状況が厳しくなる。


「……やっぱり副隊長の方が地力が上ね」

「でもあれについて行ってよ」

「1撃の威力だと互角……ううん。多分重さは上かしら……でも振りのレベル差がありすぎるの。斬り返しの差がそのまま出てるわ」


斬り返しの差……
本当だ。剣のスピードが違う。
どんどんケイが圧されて防戦一方に。


「っーー、こなくそーー!!」


シグナム副隊長の1撃を思いっきり押し返して、体勢を崩してチャンスを作る。
そのまま上段からの振り降ろしを放つ。
副隊長危ない!
だけどそれを副隊長は普通に避けて横薙ぎの1撃。
ケイの顔が驚きに変わる。
さっきの体勢を崩したのはわざと!?
このカウンターを狙ってた!?


「はあっ!」

「ふんぬらばっ!!」


嘘お!?
その横薙ぎの1撃を刀じゃ間に合わないから手甲で防いだ!?


「炎弾零距離発射!!」


刀を持ちながらその手からアギトっていう子が出していた炎の魔力弾を複数シグナム副隊長の腹部に触れながら放つ。
そしてシグナム副隊長がそれに飛ばされる。


「よっしゃああ! 1撃入れたーー!!」

「「「…………嘘ぉ!?」」」


まともに1撃入れた!?










**********************************************************






しゃああっ!! まずは先制!!
いくら何でもあれは効いただろう!
そう思いながら師範が吹き飛んだ姿を目で追う。
だけど師範はそのまま空中で急ブレーキをかけそのまま止まる。


「……あ、あれ?」

「中々だ。だが私を相手にするにはまだ足りないな」


普通に無傷で空中に浮かれているシグナム師範。
よーく目を凝らすとちこっとだけ、本当にちこっとだけジャケットに焼けた跡があった。
大体半径1センチくらいの。
……
………
…………嘘おおおおおおおおおお!?
反則!! 反則!!
あれでそんだけ!?
どんだけ!?
こんだけーーーーーー!?


「まさか甲冑まで使わされるとはな……ふふ、テスタロッサと初めて戦った時のようだ」


何か師範が嬉しそうに言ってるけど俺の耳に入っちゃいねえ。
あ、あはは……あんだけ……結構苦労して入れた1撃のダメージあんだけ……


《 弱気になってどうすんだよ! いい加減シャキッとしろ! シャキッと! 》


はっ!? いかん、つい弱気になった。


《 アギト、もうこうなったら考えた技全部やるぞ! 1個くらい効くだろ! 》

《 おう! ……いくつかスッゲー不安なのあるけど…… 》


ひでえなおい。
アギトとの作戦会議も束の間。
師範が空中を高速で飛びながらこちらに向かって来る。
カートリッジをロードしてレバンティンの刃に炎を纏わせている。


「【烈火刃】!!」


こちらも刀に炎を纏わせ迎撃の体勢。
そのまま高速で斬りかかってきた師範を迎え撃つ。
炎と炎、剣と刀のぶつかり合い。
激しい爆発のような音と光を出しながら斬り合う。
だけどその斬り合いも先ほどと同じように振り回しなど地力の差が徐々に現れる。


「はああ!!」


俺の攻撃が先ほどと同じようにかわされる。
そして再び師範がレバンティンを先ほどより大きく威力を上げた状態で、手甲の上からでも叩き斬るために振り下ろす。


「《 今だ!! 【爆発返し】!!》」


避けられ振り抜いた刀の刃先を爆発させる。
刀はその進むはずだった軌道を爆発により無理やり変えられ、先ほど通った軌道を加速しながら通る。
名前のまんま爆発による"燕返し"である。
そして師範の決まる筈だった1撃を受け止める。
余談だがこの技名にアギトは大反対だった。
ダサ過ぎると。
……単純明快でいいと思うんだけど。


「なっ!?」

「へ、へへ。どうですか」


くそう、本当ならこのまま相手の武器も吹っ飛ばしてフィニッシュの予定の技だつーのに、普通に抑え込まれる。
そのまま剣と刀で押し合いの状態になる。


「面白いことをするな」

「そりゃ、どうも」


お互いに力みながら会話をするから声が若干震える。
さて、この状況からこっちの先手に持って行く方法……
閃いた。


「かぁ〜〜〜〜……」


喉の奥から息を吐く。
それを見て怪訝そうな顔と同時に何かをしてくると警戒を示す師範。
そしてその瞬間


「かぁ〜〜っっぺ!!」

「んなっ!?」


喉元から思いっきり痰を師範の顔に向かって飛ばす。
流石にこれは嫌だったのか予想外だったのかあるいはその両方だったのか
必死の形相で素早く首から上だけを動かし避ける。
その隙をついて一旦離脱。
そのまま精一杯の空気弾を蹴り放つ。


「くっ!」


しかしそれも三角形の魔法陣で作られたシールドによって防御される。
シット! これもだめか!





「最低ね」

「最低だね」

「不潔ね」


そして物凄い嫌悪の眼差しが3つ外野から向けられた。
うるせーー!!


《 まあ当然の反応だよな 》

《 モラルより合理性です 》

《 何か情けねえ…… 》


ひどい相方だ。
はっ!? ものすごい殺気と怒気!?
振り返るとそこには怒りマークだらけになっていそうなほど濃い魔力を纏って浮いている師範。


「ひいっ!?」

「この馬鹿者がーー!」


鋭く重い横薙ぎの一撃を受け止めようとしたが、衝撃に負け吹き飛ばされる。
さらに追い打ちとばかりに飛ばされている俺に追いついて1撃、2撃と攻撃を続ける。
なんとか捌こうとするがダメージを受ける。
そして地面に向かって叩き落とされる。


「ぐぼっは!?」


結構なダメージを負う。
動けない程じゃないにしろ、先ほどのスバル達3人との戦闘でのダメージを合わせると結構辛くなってくる。
くそ……


「はあああああ!!」


真上から師範が斬りかかってくる。
その勢いは止めと言わんばかりである。
それを咄嗟に炎を噴射させることで逃げようとする。
そのまままだ慣れていない飛行魔法を発動し、空に一旦逃げようとする。


「逃がさん!」

「うあっ!」


行き成り進行方向を転換させ俺に攻撃を入れる。
刀で受けるが踏ん張りが利かない状態のせいでそのままビルの壁にぶつかり、一部陥没する。
師範の動きと攻めがくそ速え。
距離を必要とする魔法を発動する時間がない。
発動しようとする所で懐に入られるから使いたくても使えない。
空中に逃げてもダメだ。
俺の飛行魔法がド下手過ぎる。


《 いつまで壁に張り付いてんだ! すぐに動かねえと的だぞ! 》


俺の意志とは別で体が宙に浮き、近くのハイウェイの上に降りる。
アギトが浮かせてくれたのか。


「はあ……はあ……」


やばっ、息切れしてきた……
連戦でしかも相当な距離走ったり、ここ最近ハードにやってたからな……
でもまだやれないってほどじゃ
程ではないと思い動こうとすると脇腹や背中に鈍い痛みが走る。
骨が軋むような感覚と共にその痛みに俺は苦悶する。


「っ……」


その場で両手を地面につき痛みに耐える。
まずい。
骨が何かなりやがった。
バリアジャケットをしてはいるが大きなダメージを受けるような戦いばかりの上、
身体が普通以上に頑丈だということに対して過信し過ぎていた。
いくら頑丈でも痛いものは痛いし、壊れるのは壊れる。


《 お、おい。大丈夫かよ! 》

《 ち、ちと微妙……あいたたたたたた! 》


こんな時にこんなことになるなんて。
くそ……このまんまじゃ……
俺が痛みで動けないの見て空から降りてくる師範。
その顔からは隙を感じさせない。
だがそれと同時に恐怖も威圧も感じなかった。
……どういうことだ?


「……骨に異常が出たか。もうそれでは戦闘も逃走も無理だろう。大人しく連行されろ」


目を閉じ、そして穏やかに諭すように話しかけてくる。


「だからそれは無理だと……」

「何故お前が今ここにいて先ほどの輩と一緒に戦うのかはわからん。理由もきっとあるのだろう。
 過去に私も同じことがあった。譲れないものがあった。守りたい者がいた。だからこそ過ちであるとわかっていても犯罪を犯したことがある」


師範にそんな過去が……
……って過去っていつだ? 師範見た目20行くか行かないかだよな?
俺と同じ歳くらいの頃? それより前か?


「そして今のお前のように他者に話せなかった。信頼できるものがいなかった。だがそれでも話をしてくれと歩み寄って来てくれた者達もいた」


何ともお人好しな……というか会話の流れ的に六課の人か?


「結果を言えばその事件の最後まで話すことはなかった。いや、話すこともできないような程に事態を加速させてしまったのかもしれん」


詳しい出来事がさっぱりわからんからよくわからんけど……
話をしなかったから悪い方向に行ってしまったということか?


「もしもっと早くその者達と出会っていれば悲しい別れも……その事件ももっと違う、誰もが幸せな終わり方ができたのかもしれない」


可能性……


「だが、お前はその時の私と違い信頼のできる相手がいるはずだ。私達と短い間だが共に生活し、笑い合ってきた友もいるだろう」


信頼っていうのか……そういう難しい括りになるのかどうかだけど友達として……
いや、隊長陣は何て言えばいいかわからないけど信用はできるし一緒にいても嫌じゃない、むしろすげえ楽しい人たちだ。


「絶対になんとかしてやるとは言い切れない。だが絶対に一緒に何とかしてやるために動くことはできる。話してくれんか」


師範はレバンティンを地面に刺し、手を離す。
これ以上の敵対の意思はないとアピールをする。

きっとここで六課に行けば本当に何とかしようと動いてくれるんだろう。
例え自分たちの仕事が増えたり、命の危険があろうとこの人たちはそうするし、そうして来たんだろう。
正直言えば甘えたい。
六課の人たちに頼りたい。
でも後ろめたいのもある。
それに俺と違って"行けない"奴もいるし、"放っておけない"奴もいる。
俺の家に帰るって目的だけに集中するならきっとすげえ迷惑を掛けながらも、六課の人たちの命を危険にしながらも何とかなるのかもしれない。
政治的なこととかさっぱりだけどかなりの権力者も六課の身内にはいる。
だからってここで"行く"を選択すれば俺だけのために六課側もそうでない側にも最悪のことをするってことになる。
そんなのでいいわけがねえ。
まだ時期じゃないんだ。
これから先、どっち側も笑っていられる時期が来るかどうかわからない。
むしろ管理局側と犯罪者側だ。
そんなのは来ない方が当たり前だ。
時期なんて来ない可能性の方が当然だ。
でも今は違う。
自分でも理屈だとよくわからない。
でも今ここで甘えたら一生後悔することになる気がするんだ。


「師範……ありがとうございます」


軋む体をゆっくりと起こし、一礼する。


「俺はものすげえ甘えん坊です。その言葉に本音を言えばお礼を言ってお世話になりたいです」


師範は黙って話を聞いてくれる。


「だけど放っておけない奴がいるんです。そいつはそっちに行けないんです。それに俺が行くことで師範達にかなりの負荷をかけることになります」

「……ただ私達のお前の保護、擁護、これまでの経緯の捜査など仕事が増える……というわけではないんだろうな」

「それは言えないです」


これ以上先は言えない。
言えば六課全体にも管理局の裏から何かがあるかもしれない。


《 ケイ……お前…… 》

《 すまん……向こうさんに行きたいって気持ちもお前らといたいって気持ちと両方あるんだ……優柔不断でごめんな 》

《 別に行ってもよかったんだぞ。別にアタシは恨んだり…… 》

《 ……いや、そこはするだろ? 裏切ったー! って 》

《 多分したわ。やっぱ撤回 》


素直なやっちゃ。


《 でもそれでもアタシ達といるって言ってくれたのは嬉しかったぜ 》

《 なんというか俺はそう言って貰えて嬉しいわ。ぶっちゃけどうしようもないほどコウモリな状況なのに 》


ああ……自分という人間が情けない……
本当に感謝してもしきれない。
ん? 感謝?


「あっ、ああーーー! そうか! そうだ! "感謝"だよ! "感謝"だ!」

《 い、いきなり大声上げてどうしたんだよ!? 》

「決まったんだ! 俺の中での折り合いというかそういうのが!」


テンチョーは誤魔化しって言っていた殺してしまった人に対しての自分のあり方。
あの人は忘れないことにしたって言ってた。
俺は俺で別の答えを見つけろと言われた。
それが"感謝"だ。
お互いに戦う中で必ずどちらかが死ぬ。
そんな場面で他者の命を気にしたら自分が死ぬ。
それがこの前の俺が殺してしまった犯罪者の魔導師との場面だった。
そのとき戦って俺が殺したことで、今の俺は生きている。
あの魔導師という犠牲があって俺は生きているんだ。
だから感謝をする。
殺し合ったことにはしないし、俺を殺そうとしたことには変わりはないけど、俺の代わりに死んだことに対してのみ感謝できる。
償いや何かはこれから俺の生きてく人生を縛ることになる。
そんな縛られ方は嫌だ。
だからこそこうなった。

戦いの中で、殺し合いのような場面はこれからも多分続く。
そのとき今のようにアギトがいて非殺傷設定ができるような場面じゃないかもしれないし、非殺傷設定じゃこっちが殺される場面だったりするかもしれない。
だからこれから生き残るために殺すことを怖がったら確かに死ぬだろう。
それは嫌だ。だからその戦い、殺し合いの中で俺が生きる代わりに犠牲になってくれることに"感謝"持とう。

"感謝"を持って殺そう。

……いかん。このワードだけだとすっげええ危ない人だ。
でもこれ以上うまく纏まらん。


「……お前の中でどういう思考が働いて、何が決まったのか知らんがお前を連れて行くのが私の役目なのは変わらん。無理やり連れて行かせてもらう」


俺の中で色々自己解決してる間に師範が構えに入った。
……しまったーー!?
俺の中での問題は解決したけど今現在の問題はまったく何にも解決してないじゃん!
逃げないとって、いたたたたたたたたたた!! 
背中が! 脇腹が!!


《 あー、もうしょうがねえな……無茶をしすぎんじゃねえぞ。これ以上ダメージ受けるとどーしようもねえからな 》


身体の中がほんのり温かくなったかと思うと痛みを感じなくなる。


《 いいか。麻酔みたいな効果を出しただけだからな。治っちゃいねえんだからこれ以上はまずいんだぞ 》

《 サンキュー 》


もう小細工をする余裕もないし、素直に逃げてもどうしようもない。
一か八かの大技で決めてとんずらだ!


「はあっ!」


レバンティンが振り降ろされると同時に後ろに跳んでかわす。
そしてそれを飛んで追撃してくる師範。


「アギト! 飛ぶぞ!」

《 今度こそうまくやれよ! 》


ローラースケートのホイールが高速で回転する。
そして火花を散らし、その火花が周りの空気を燃やし、アギトの魔力コントロールにより火は炎へと変わる。
ホイールに炎が纏わる。


「うおりゃあああ!」


炎を纏ったローラースケートにより高速で上昇する。
ジェットエンジンのように空高くに上がり、数百メートル上空にくるとそこで上昇をやめ眼下を見下ろす。


「アギト、どうだ?」

《 まあ上等じゃねえか? 浮くのですら手古摺ってたのがここまで飛んだんだからな 》

「ふっふっふ、どうだ。見直したか」

《 でも自由自在には飛べないんだろ? 》

「……御名答。直線的に飛んだだけだからもっと訓練しねえと」


けどまあただふわふわと飛ぶって間隔よりはわかりやすい。
というか足を使う分完成形は走るに近いんだろうな。
スバルみたいなウイングロードは出ないだろうけど。


「ふう……さあて、本日2度目だけどやりますか」


目を閉じて集中。
目が熱くなる。
全身に力が伝わる。
目を開くと眼は灰色に変化する。


「アギト。【轟炎】」

《 おうよ! 》


頭上に巨大な炎の塊が生成される。
アギトの放つ炎の魔法の中でもかなりの破壊力の炎。
それに向かい刀を掲げる。


《 【烈火刃・轟炎】!! 》


轟炎の炎は烈火刃のようにそのまま刀へと纏わる。
烈火刃は剣に炎を纏わせ攻撃力を上げる。
だけどその炎の質量がこの技だと圧倒的に違う。
極大の火炎球で大爆発を起こす轟炎を刀に纏うんだから当然ちゃあ当然だ。
今の俺たちの技で最強の技。
ただ……問題点が1つあり……


「熱いいいいいいいい! 手が! 腕が焼ける!!」

《 コントロールが甘いからそうなるんだよ! アタシだって何とかしてやりてえけど轟炎と烈火陣の並列処理で厳しいんだよ! 》


威力重視なもんで術者の安全性がめっちゃ低い。
アギト曰く普通の魔導師でもちょっと汗かく程度にできるそうだがいかんせん俺はコントロールというものができない。
ド下手もド下手。
赤ん坊レベルらしい。
だって魔力なんて放出しかできないし!
出す勢いもまだコントロールできねえし!


「手が焼肉になる前に攻撃するぞ!」

《 お前は表現がいちいち変なんだよ! 》


目を凝らし、真下に向かってホイールを回転させ炎により加速をつけ急降下する。


「【戟墜・極炎】!!」


重力の加速と炎による加速と最大魔法と解放した力による刀の一撃。
これで決まらなかったらどうしようもねえ!!
決まれええええ!!









************************************************







ケイが上空に上がるのを見てあえて追わなかったシグナム。
逃がすつもりは毛頭ない。
ただ追う必要がなかったのだ。
ただ単純に飛んで逃げるにしてもシグナムならば簡単に追いつける。
そんなのはケイもわかっている。
つまり上空に上がったのは何かを仕掛けてくるためだ。


「何かを仕掛ける前に潰してもいいが正面から受けてやろう。レバンティン!」


カートリッジを1発ロードすると同時にレバンティンがボーゲンフォルムへと変形する。
そして弓へと変形したレバンティンをはるか上空にて炎を生成しているケイに向ける。


「お前にはお前のなすべきことがあるのだろう。だが私にも為さねばならんことがある。だからこそお前の全力を正面から受けて立とう」


さらにロードされる2発のカートリッジ。
リミッターにより力が制限されてるとはいえシグナム自身も出せる最高の技。
過去にも使った技だがその威力は局入りを果たしたことで性能を上げたレバンティンと共に上がっている。
ケイが先ほど生成した轟炎を纏わせた刀の一撃を放つために急降下するのを確認する。
そしてそれに向かい


「翔けよ隼!!」

『 Sturmfalken (シュツルムファルケン) 』


シグナムの魔力が収束された矢が直上のケイへと放たれる。
互いの最大技がぶつかり合う。
シグナムの放った遠距離魔法に驚きを見せながらも正面から叩き潰そうとするケイ。
シグナムが遠距離魔法を使えたのが意外だったが、すべてを懸けた技を放ちどの道後がないのだからある意味開き直ったのだ。


「ぐっ……く、こ、このおおお!!」


2つの炎の魔法と技が圧し合う。
辺り一帯にその衝撃と巨大な音が響き渡る。
スバルもティアナもギンガもその光景を見てどちらが勝つかを見ることしかできいない。
だが、ただ1人。
この戦いの結果が見えた者がいた。


「……ここまでだな」


目を閉じ、弓となったレバンティンを剣の形へと戻す。


「確かにお前は強くなった。……だがまだ足りん」

「っ……くそおおおお!!」


シグナムの放った矢が上空から斬りかかったケイを押し戻す。
そして刀に纏っていた炎をすべて打ち消すと同時に大爆発が起こりそれに飲み込まれた。













爆音が響き渡り爆煙が舞う。
先ほどの激しい魔法と魔法、技と技のぶつかり合ったその場所を見つめる3人。


「あ、あれ……生きてられるの?」

「さ、流石に副隊長やりすぎじゃ……」


その破壊力に驚きもするがそれよりもそんな技を直撃したケイを心配するスバルとティアナ。
たとえ非殺傷設定だろうとその威力を目のあたりにすると命の心配をしてしまう。


「! まだ飛んでる!」

「嘘お!?」


煙の中を目を凝らし、まだ浮いているケイを発見したギンガ。
だがその姿を見ると意識はない。
そのままゆっくりと降下し、地面へと倒れ込んだ。
それと同時にユニゾンが解け、アギトとケイの2人が地面に伏せる形となった。
シグナムはその2人の傍へとゆっくりと降下した。


「……私達も降りましょう」

「了解です」

「うん、了解」


ギンガの作ったウイングロードでゆっくりと歩きながら降りる3人。
その表情にはやっと戦闘が終わったと安堵の色が見えた。










「ちきしょ〜……おい、起きろ。起きろよ」


体力も魔力ももう空の状態ながらもケイの落下を防ぐためゆっくりと降下させたにも関わらずまだ意識をかろうじて保つアギト。
だがケイは完全に意識を手放していた。
息はしているのはわかったが戦闘はもはや確実に不可能だろう。
最大の技、最大の魔法で正面からぶつかり負けた。
その悔しさもあったがアギトにはロードとして選んだケイを勝たせてやることができなかったことに悔しさを大きく感じる。
それと同時にルーテシアやゼストが自分たちを待っているのにこんな所で捕まることに涙した。


「……無理はするな。もう限界だろう」

「くっそ……あんた等……ケイの仲間だったんだろ。だったらこいつの邪魔するなよ!」

「事情があるのはわかる。だがこいつの行ったことは詳しく調べねばわからんが犯罪の可能性もある。それに仲間と言っても過ごした期間は僅かだ」


実際ケイと六課の一緒に過ごした時間は約1ヶ月。
どちらかと言えば家主と居候のような関係の方が強い。
仲間というよりも友人、親しい知人に該当するだろう。


「だが、まったく知らん奴でもない。私自身こいつを鍛えたこともある身だ。こいつの人と成りはある程度わかっているつもりだ。できることはしよう」

「くっ……くそ……ルールー……旦那……」


アギトも限界が来た。
シグナムとの会話の途中だったがそのままゆっくりとその意識を手放してしまった。


「シグナム副隊長!」


後ろからウイングロードを歩いてくる3人の声に振り向き、レバンティンを鞘に納める。
そのままスバルとティアナに護送のためにヴァイスを呼ぶようにと、他の隊長陣や教会のシスター・シャッハの現状を把握に入る。
ヘリでその頃六課に一度戻ろうとしていたヴァイスをティアナは呼び戻し、スバルはヴィータに連絡。
なのは、フェイト、ヴィータ、リインで幻術使いであるクアットロを追ったが本物は捕まらず逃げられたとのことで
こちらの方と合流する流れとなった。


「ギンガ、手伝ってもらい済まなかったな」


六課ではなく108部隊所属であるギンガに今回の事件の協力に感謝をする。


「いえ、そんな。それに今回は!?」

「なっ!?」


この場の全員がここで戦闘は終りだと思った。
だが、完全に意識を失ったはずのケイが立ち上がったのだ。
すぐに身構えるシグナムとギンガ。
その後ろでデバイスでの戦闘は既に不可能でも構えをとるスバルとティアナ。
だがそれよりも速く巨大な殺気が放たれ
気付けばギンガの隣のシグナムが胸元を大きく斬られ血を大量に流していた。


「…………えっ?」

「ぐっ……かはっ……」


そのまま倒れ、地面に血の水溜りを作る。
ギンガはそれを呆然と見るしかできなかった。
スバルもティアナも何が起きたのかわからなかった。
先ほどケイが立っていた場所には誰もいない。
3人はすぐに後ろを振り返る。


そこには赤い血を滴らした黒刀を手に持ち、焦点の合わない灰色の眼の色をしたケイの姿があった。
だがその姿にはいつもの間の抜けた雰囲気も、明るさも何もなく
ただ狂気と殺意だけがあった。

























                                    



                                      つづく




あとがき



……長かった……執筆が一時期止まってしまいました。
2か月もかかるとは……遅くなってすいません。
自分を保たせる誤魔化しを悟ったというか電波を受信したケイ。思いっきり危ない人思考です。
でもこれで行きます!(コラ
元の生活に戻ってもずっと引きずることはしたくないと思いながら受信した誤魔化しでした。
そして、今回シグナムとの戦闘の結果、見事に負けたケイ。
だけど最後は再び暴走。いやーすずか戦以来ですね、うん。
構想は早くからできていたのに戦闘パートを書くのが苦手なのは相変わらず……



次はどんだけかかるのやら……とにかくもっとスピードを上げようと思いつつ期末が近づく今日この頃でした。



         Web拍手返信


※『時空を駆けちまった少年外伝?大怪獣』
大爆笑しながら読ましていただきました!!面白かったです!次話は是非キャロの三つ首金色竜召喚の話で!
次回楽しみにいてます!頑張って下さい!

>ありがとうございますw
>って次回御所望!? いやいやいや、対戦相手をどないしろとww
>というかもうパックンと逝かれますってw 食われますってw


※スーパーメカゴ○ラテイクオフの付近に1箇所○付け忘れてゴジラの名前が出てます

>伏字忘れOrz……
>報告ありがとうございます。後日修正させていただきます。


※テラバカスwwww

>イエスw アイアム馬鹿w


※なんということを……しかしGJ!

>b
>妄想電波が来てしまいました。後悔はありませんw



※ケイ君って覚醒(暴走)モードみたいなのってあったりします? ブ○ーチの白○護とか、
ガ○ダムooのハレ○ヤとか、エア○アのリ○ドとか……
個人的には覚醒モードがあるんだったら鬼畜王のハレ○ヤみたいのを期待します(笑  
これからも執筆頑張ってください!応援してます!

>ありがとうございます!
>今回のお話で久々に暴走しましたw
>覚醒モードはまだまだ先ですかね……一応イメージはありますが、そこはネタばれになるのでお楽しみということで。
>早くそこまで書けるようがんばります。










作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。