誰かとぶつかり何かを飲み込みました。

うえっ……まずっ。

飴じゃねえのかよ。









時空を駆けちまった少年



第24話












「うえっ! まずっ! ぺっぺ!」





何だったんださっき飲み込んだ宝石は。





「ドクター!? しっかりして下さいドクター!?」

「やい! テメエ! 何しやがる! つうかどっから侵入しやがった!?」



声の方を見ると白衣を着た紫髪の長髪の男が気絶していて、秘書っぽい紫髪のおばさんが介抱してる。

そんでもって



「……スバル……髪染めた?」

「ああ!? アタシはノーヴェだ! 誰だよそれ!」



だよな。別人だよな。だけどかなりそっくりだ。

しっかしここどこだ。

周りの確認を……って壁の方とかにガジェットがいっぱい!?

しかも何故か待機状態!?

よくよく見るとここ暗いな!? 地下か!?



状況を整理しよう……ここは地下でガジェットがいっぱい。

そして何やら博士っぽい男とその秘書。そして変な全身タイツの女が ひい ふう みい よう いつ ………7人。



まさかここは





「動くな。動けばその首を飛ばす」





やったらむっちりでぱっつんぱっつんにタイツを着こなす紫髪のショートのお方がエネルギー状の刃っぽいのを首に突き付けてきました。

動き速っ!?



「……あれ? あんたもしかして……」

「ん?」



何やら聞いたことのある声が……

そこには前に街で会った赤毛に水色髪に銀髪幼女の姿があった。

えっと今話しかけてきたやつの名前は確か……



「……ウェンズデイ?」

「ウェンディっス!」



あっ、そうだった。失敬失敬。



「あれ? あんたなんでここにいんの?」

「というかまた会うことになるとはな……」



でこっちが確か……いかん。忘れた。

仕方ない適当に。



「おお、モグラっちに銀チビ」

「セインだ! モグラっちってなんだ!」

「チンクだ! それにその呼び方やめろと言っただろう!」



おお、そうだった。そうだった。

いや〜久しぶりだ。そしてこうやって誰かからツッコミ受けるのも久しぶりだ……



「……知り合いか?」

「ああ、以前会ったやつだ」

「あら〜ん。チンクちゃん達ったらこ〜んなマヌケ面なんかとお知り合いになったの〜ん?」

「誰だオバハン?」

「お、おば!?」



変なマントにでかい丸メガネの変な髪形の変な口調のオバハンだな。



「ふっふ〜ん……よっぽど殺されたいようねん」



うむ……失言だったか……死亡フラグだった!?



「貴様少し黙れ。立場がわかっていないのか?」

「刺さってる! 刺さってる! 微妙に刺さってる!」



頸動脈が切れるよ!?





「う……」

「ドクター!? 大丈夫ですか!?」

「ああ……少しふらつくが大事ないよウーノ」



あっ、ドクターとかいうのが起きた。

頭強打したけど大丈夫か? 治療費と慰謝料はどうしよう……1円もないぞ。

むしろ俺が金欲しいんだから。



「大丈夫っぽいね。じゃあ俺はこれで」



スタスタと出口っぽいとこに向かう。



「い、いつの間に抜けだした!?」



ふっふっふ。ムチムチぱっつんぱっつんさん。

俺を侮っちゃあいけねえ。回避、脱出スキルは以前の比じゃねえぜ。



「まあ待ちたまえ武ノ内ケイクン」

「……なんで俺の名前知ってる……」

「いや何、以前君がレールウエイに落ちてきたときにここで見てたのさ。その後何者か調べさせてもらったよ」



個人情報保護法どうなった。

異世界にダダ漏れだぞコラ。



「さらに面白い体をしているね……」



まずい、これでコイツ100%ガジェット作ってる犯罪者決定。

今すぐ逃げる! 解剖されてたまるか!



出口に真っ直ぐダッシュする。



「逃がすかよ!」

「!?」



ジェット噴射しながらスバル似の赤毛がローラースケートで蹴りかかってきた。

回避できねえ!? このっ……!

腕を交差させガードするがそのまま吹っ飛ばされ壁に激突、壁が抉られ瓦礫や埃が舞う。



「へっ! ざまあみやがれ!」

「ノーヴェ!?」

「大丈夫だってチンク姉。手加減くらいしたから骨やら内臓が何個か逝ったくらいだって」



「どこが手加減なんだよそれ……おー痛ててて……」

「!? てめえバリアジャケットもなしで何で無傷なんだよ!?」



どこが無傷だよ……くっそ、全身擦り傷だらけだ。

腕やらもかなり痺れた。

クッション代わりで魔力衝撃出してよかった…… 



「ちっ、大人しく潰れていればいいものを」

「トーレ、手出すんじゃねえぞ。こいつはアタシが殺る」



赤スバルは不敵な顔で笑ってこっちを見る。



「おら、とっととデバイス起動させろよ。暇つぶしくらいにはなんだろ」



メチャメチャ嘗められてるな……

まあ、いいや。こいつの装備は……スバルよりごっついローラースケートに手甲……銃口っぽいのもついてるな。

じゃあ使う装備はこれだ。



右腕を何もないところに伸ばす。

その先に黒い穴ができてそこに腕をつっこみ、装備を引っ張りだす。



「……なんだそれ」

「バドミントンラケット」

「どこから出しやがった!? つうかそれデバイスじゃねえだろ!?」

「こっから」



さっきの空間を指さして答える。

超便利だぞ。この収納空間は。ジジイから貰った3つの装備の1つだぜ。

ちなみにロストロギアらしい。

なんでもスバルのリボルバーナックルみたいにデバイスに収納する技術のもとになったやつだとか。

惜しいのはナマモノ厳禁なこと。

時間経過は変わらないから中で腐る。

ラケットもそうだ。まともに防御壁やら張れない俺が頼み込んで作ってもらった防御装備。

盾でもよかったんだけど……なんか動きにくくなりそう。



「このっ……ふざけてんじゃねええ!」



火花を散らしながら猛スピードで突っ込んでくる。



「すぅ……喝!」



口にラケットを咥え、全身から一気に魔力を噴出させる。

そしてそれを体に纏って両手をやや前に構える。



「うりゃあああああ!」



そのままジェット噴射で加速、両足でとび蹴りをかましてくる。

その両足に両手を添え左に流す。

体勢を崩したところで体をそのまま左に回し



「回転ひじ打ち!」

「うおっ!?」



左腕の肘で打つ。

赤スバルはそのまま地面を3,4回横に転がってすぐに起き上がる。

ちっ……手甲でガードされたか……反応が速ええ。



「てめえ……このクソがあああ!」



そのまま今度は手甲の銃で撃ってくる。

だが甘い!





「高速……連続レシーブ!」



体に当たりそうなのだけを打ち落とす。

乱射するだけだから当たりそうにない弾は無視だ。

バック、バック、フォア、バック!

あっ、手が間に合わん。回避!





「ちっ……そんなふざけたもんでやられるかよーー!」

「うらあああ!」



互いに突進して接近戦に持ち込む。

右正拳突きを放つとそれを左足でガードされる。

そしてそのガードした左足をジェット噴射を利用してノーモーションで顎を蹴り上げられる。



「がっ!?」

「死ねええええ!」



顎が跳ね上がった隙にそのままバク宙の要領で後ろに戻るとまた両足でとび蹴り。

やばっ!? 腹に来る!?

脇、足を閉め体の筋肉を引き締める。同時に魔力を腹と背中に集中。



蹴りが綺麗に入ってまた吹っ飛ぶ。

うげえっ!? 鳩尾に入った!

がっは、また壁に激突かよ……



「うげえ、ごっほ、ごっほ !? うおおおおっ!?」



くっそ、埃やら瓦礫の細かい砂煙があがって見えないのにこっち向って撃ってきた。

横飛びに回避。

ってなんで正確に俺の逃走方向に飛んでくる!? 位置ばれてるのか!?



腹を抑えながらレシーブして砂煙から脱出。



「見えてるんだよーー!」



黄色いウィングロード!?

その上を駆け、猛スピードで突っ込んでくる。

やべえ、完全に位置掴まれてる。どうなってんだ!?

防御……じゃダメだ。このっ……



おもいっきり真上に跳躍。

よっしゃ、真下を通り過ぎやがった。そのまま壁に激と……



突然真横から衝撃。

なっ!? なんで赤スバルが真横に!?

やべえ! モロ入った!



そのまま思いっきり地面に叩きつけられゴロゴロと地面を転がる。



「おいクアットロ! 余計なことすんじゃねえよ!」

「あら〜ん。ノーヴェちゃんたら、誰が1対1で戦いなさいなんて言ったのかしらん? それに〜こんなのに真面目にやっても時間の無駄、無駄〜」



くっそ……骨イッてないだろうなこれ……



「簡単に私のシルバーカーテンで作った偽物に騙されるなんて、お馬鹿さんね〜ん」



寝転がって立てない俺の頭をメガネオバハンが踏みつける。

この……クソババア……幻術使いかよ……だけど失敗したな……



「まあ、流石にあんな体勢でまともに喰らえば生きて」

「ところがどっこい……生きてんだよ。メガネババア……」



秘技死んだふり。

まんまと騙されたな。

俺を踏みつける足を掴む。



「なっ!?」

「てめえが死んどけやあああ!」



そのまま引っ張りババアはバランスを崩し後頭部を床に強打する。



「うらああああ!」



さらに足を掴んだまま今度は反対側に顔面が叩きつけられるように投げる。

ババアはそのまま鼻血を出して顔がやや歪んで気絶。

うっし、すっきりした。

ってあだだだ! 脇腹が!



「クアットロ!?」



栗毛の尻尾髪のやつがメガネに駆け寄る。

まあしばらくは目を覚まさないだろ。それより赤スバルは……また攻撃が……



突然目の前に十数本のナイフが俺を狙うように静止する。

なんだこの周りのナイフは!? どっから!?



「止まれ。さもないとそのまま串刺しだぞ」

「チンク……」



チンクのナイフか……どういう能力だ?

ナイフを自在に出すのか……飛ばすのか。

はたまた別の能力か……





「何故姉妹達と……」

「……いやだってそっちから攻撃してきたし……」

「貴様が逃げるからだろう!」

「こんな場所に落っこちてきて、さっきみたいな状況になれば俺でなくとも逃げるわ!」





正面のナイフ……この数なら全部とはいわなくても急所の方に飛んでくるやつなら……





「動くな今度は少しでも怪しい動きを見せたら本気で首を飛ばす」

「動くんじゃねえよ。その脳天ぶち抜かれたくなけりゃな」





ムチムチ姐さんが首筋にまたエネルギー刃を突き付ける。

後頭部は赤スバルに銃口のついた手甲を突き付けられる。

ちっ……今度は抜け出せそうにないな……

タイマンはもうなさそうだし……囲まれた……やばい。



「まあとりあえず捕まえないとまずい空気っスからね〜悪いけど大人しくしてっス」



いつの間にそんなでっかいボード出してきたおまえ。

しかもそれ大型の銃だったのかよ。

スフィアが数発ウェンディの周りに浮いて俺を狙ってる。



赤スバルをナイフと姐さんの方に掴んで投げてその隙に脱出を……ダメだ。このムチムチ姐さんのほうが速い。

考えろ。考えろ俺。こっから脱出する手を……

…………………

………………

……………

…… ない …… どうしよう ……



うおっ!? いきなり体が地面に沈む!?



「セインさんを忘れるなよ〜」

「……正直忘れてた」

「おい!」



最初から地面に潜ってチャンス伺ってたな……姿見えんかったから注意それた……

まずい……体だけ埋まって、生首状態になった。

完全に動けなくなったと悟った他の4人は俺を狙ってたナイフやスフィアを消す。





「よくやってくれた」



不敵に笑いながら紫髪の白衣が近づいてくる。



「しかしノーヴェとあそこまでやり合うとは……どうゆう魔法を使ったんだい? ここは高濃度のAMF空間だというのに」



娘!?



「あんたその若さでこんな大きい娘7人いるの!? てかそっちの秘書っぽいおばさん奥さん!?」

「ドクター……さっさと解剖しませんか?」

「ああ、違った!? そっちも娘さん!? えろうすんません!」

「……君自分の首絞めるの好きだね」



いやしごく普通に思ったことを言っただけなんだけど……



「ウーノ、とりあえず落ち着きなさい」

「…………はい」



ふう……助かった……わけでないか。

この状況を切り抜けれてるわけじゃないからな……

なんとかここから抜けられないかな……





「さて、では質問の続きだ。このAMF空間でどうやって魔法を使っているんだい?」

「あ〜……何それ?」



どっかで聞いたようなそうでないような……



「……………テメエ魔導師のくせに知らねえのかよ」



正確には魔導師ではないぞ。

魔力を勢いよく体の外に出せるだけ。

ジジイの講義っぽい話だと結合させて、術式通してるわけじゃないから燃費が悪いたら聞いたけど……





「機動六課の隊長クラスになればこの中でも魔法使用が可能だろうが……君は術式も浮かばなかったからね」

「そんなの知らん」

「貴様……答えんのならこのまま……」

「だからマジで知らねえんだよ。ただ魔力をまんま体の外に出してるだけなんだから」



てか俺って術式なんて細かいもの体質的に作れないんだよな……コアの輪のせいで。

まああと……認めたくないけどチンプンカンプンで式どのみち作れないっての。



「うむ……まあそこは戦闘でのデータから調べるとするかな」



じゃあ聞くなよ。



「じゃあ次だ。これは君のデバイスだろうが……機械部品が特に見つからないね……」

「そりゃ材料が木と蜘蛛の糸だからな」



ただ木とかじゃないけどな。

魔力やらエネルギー系のものに対して暴れたりする木やら、馬鹿でかい魔法生物の蜘蛛だからな。

……よく回収できたよ。ほんと。



「……よくそんなで……」



こらこらチンク。小難しい公式使える機械よりこっちのほうが俺はいいんだよ。

そんな呆れるな。



「……本当に木材のようだね……どういう種類の木かな?」





興味津津で見てるなよ……



「さっき突然出てきたが何か収納方法でも?」

「あるけど教えん」

「テメエに拒否権ねえんだよ。キリキリ吐け」



このアマ! 人の頭踏みつけるな!

ローラー部分でグリグリするな! 痛え!



「身体能力の方はどうなっているのだろうね……」

「……解剖する気か?」

「したいところだが……今はまだしないだろうね」



コイツも管理局と同じか……

チンク達とは顔見知りだし、こいつはその親みたいだけど……どうする……

脱出するには完全に潰さないと……

つかできるかな……





「じゃあ最後の質問をさせてもらおうどうしてこの場所に? 確かこっちの調べだと地球に帰っていたはずだが?」



……六課の情報ダダ漏れかよ……

どういう情報収集能力だよ。



「……どっかの馬鹿が俺の居場所消したから」

「どういうことだい?」

「話す義理はねえ」

「話さねえとそのからっぽの頭蹴るぞ」



いちいちうるせえ赤スバルだな……



「……………」

「おい喋れよ。マジで殺すぞ」

「ノーヴェその辺にしろ」

「だってチンク姉! こいつクアットロを!」

「まーまー落ち着く、落ち着く」

「そーっスよ。今はドクターとお話中っスからね」



チンクとセイン、ウェンディが赤スバルを止める。



「おや、チンクとセイン、それにウェンディは彼にご執心かい?」

「ん〜別にそういうわけじゃ……」

「まあ一応顔見知りっスからね〜、そうでないにしろ多少殺すってのに抵抗はあるっスね」

「ケイ。話しては貰えないか?」



……どうする……ここで話さなくても話しても結果はそうかわらなさそうだが……

まあいいか……



「……管理局」

「あっ?」

「管理局に家族の俺に関する記憶と戸籍やら消されたからこの世界に戻ってきた」

「ほお……」



何ニヤついてやがる。



「その顔なんだよ」

「いや、気にしないでくれ。話を続けてもらえるかな? それだけではよくわからないのでね」

「……お前の知っての通り俺の体は普通じゃねえ。だから前に地球に戻るとき1度攫われた。色々あって逃げて来て地球に戻ったらそうなってた」

「なぜそれだけで管理局と言えるんだい? 法を守る組織だよ? あれでもね」



クックックと笑いを堪えている。



「……その言いぶりだと何か知ってるだろ」

「ああ、気になるなら何故君がそれを知ったのか話してくれたら話そう」



うまいこと誘導尋問するなこいつ。



「俺を助けてくれたジイさんが教えてくれた。素性は知らん。昔ふらりと現れて、攫われたときにまた現れただけだ」

「その御老人も興味深いね……名前は?」

「知らん。あだ名で呼んでただけだしな。手を出すのはやめとくんだな。この場にいるやつじゃ誰も勝てねえ」



まだ戦ってないのかなりいるけど……

でも多分ジジイの方が勝つ。圧倒的に。



「戯言を言うな。我々が負けるわけないだろう」



その根拠はどっからくるんだよ。

あんたらも魔導師だと思うけどジジイの方が速いし威力あったぞ。





「君が誘拐されたのが戻るときだとしても約2ヶ月の時間があるが……その間は?」

「……局に捕まらないよう鍛えてた。さっきのはその成果だ」



まだ全部手の内出したわけじゃねえけど……

くっそ。出し切っとけば今みたいな状況にならなかったかもしれねえってのに……

捕まりはしただろうけど、もう少し数が減らせたかもしれない……



「次はそっちの番だぞ。局について知ってること話せよ」

「ああ、いいとも。まず自己紹介をしよう。私はジェイル・スカリエッティ。時空管理局最高評議会の命で人造魔導師計画を行っている次元犯罪者さ」



!? こいつ管理局の手のやつかよ!?



「そしてそこにいる娘達が私の研究の集大成である戦闘機人ナンバーズだ」

「ああ……そうかい……つまりお前らがこうなった原因か……」



やべえ……頭にきた。知ってて俺のこと嘲笑ってたな……



「まあ落ち着いてくれ。君の件に関しては私達は一切関与していない」

「……だけど同じ管理局の裏だろ……」



怒りで体が震える。

全身に力をいれる。魔力を溜めて一気に放出しようとする。

少しづつ俺の嵌まってる床の部分にヒビがはいる。

全員が身構える。

……やるか? ノーダメージじゃ抜け出せないだろうけどその後全力でやればまだ少しくらいは可能性が……



「ああ……確かにそうだ。だが我々……私を含めてそうなるように造られた命だとしたらどう思うかね?」



……はあ?



「私自身、評議会に生み出され命を研究する、知識を、そしてすべてを手にする無限の欲望を植え付けられてね」



今にも狂気のような笑いを上げそうに堪える。

……く、狂ってやがるな……



「そして今の私の欲望が欲しているのは自由だ」



……そこはまともだな。



「我々が望む我々の世界。自由の世界。今はまだ評議会の下にいるが襲い、そして奪い取るのさ」

「……ふ〜ん……」



なんか頭が冷めた。

だから何?



「……なあ、その反乱に俺関係ないから見逃してくんねえ?」



マジで反乱と俺への共通点がないじゃん。



「君の体を単純に知りたいんだがね。私は」

「今までの説明関係ねえ!?」

「管理局について話せと言ったからじゃないか」



あっ、そっか。



「でもさ、正直無理じゃねえ? 管理局潰すって言ったけどあんな馬鹿でかい組織どうやってお前らだけで潰すんだよ」

「それを言ったら君こそどうするつもりだい? たった1人でミッドに来て評議会に1人で突っ込む気だったのかい?」

「んなわけねえだろ。六課に行って、マスコミにでもバラして訴訟起こす気だったんだよ」



そう言ったらキョトンした感じで俺を見てきた。



「な、なんだよ」

「くっくっく……あっはっは! あ〜っはっはっはっはっは!」

「何だってんだ!?」

「い、いやまさかそんな手を使うつもりだったとはね……正直それは無理な話だよ」

「何でだよ」



マスコミに言えば世間体が悪くなって組織にダメージ少しくらいはでるだろうが。



「では聞くが……正義と認識されてる組織にいきなりどこぞと知れない子供が家族の記憶を消されたと言って誰が信じるのかね」



うっ……



「ましてや広い次元世界の法を司る組織の頭が違法研究の証拠、痕跡その他諸々を消せないと思うのかい? 証拠なんて出ないだろう」



た、確かに……言われてみればそうかも……



「しかし……君も居場所がないのか……ふむ……どうだい? 我々と組まないかい?」

「はあ!?」

「ドクター!?」



何言ってるのこいつ!?



「居場所を取り戻したいのだろう? 我々と管理局を潰せば君の家族の記憶も戻せるし、君自身狙われることもなくなる」

「まてや。お前俺を解剖する気だろう」

「解剖はしないさ。ただ君の体をいっさい弄らないで調べるまでに留めておこう。破格の条件だと思うがね?」



……まあ確かに解剖されない上にただ検査だけで済まされるってのはいい話だが……何事もなく地球にいてもそうだったし……



「ドクター!?」

「だけどこんなやつじゃ戦力に……」

「デバイスも魔法もなしでノーヴェ、君と戦えたのだよ? 十分戦力になると思うがね。それに彼は以前アギトとユニゾンしてそれなりの成果も出している」

「しかし……」

「どうかね? こちらには君の知り合いのルーテシアとゼスト、アギトもいるが」



あいつらも!? つうかどうやって知り合いだって知ってるんだよ!?

しかも前にユニゾンしたことまで……



「何、彼らも戦闘機人とはまた別の私の作品と言えばわかってもらえるかな?」



………こいつあんな子供まで弄ったのかよ……



「おっと、睨まないでくれ。彼らを改造しろと命令してきたのは評議会さ。私はそれに従ったまでのこと。目的が果たせれば彼女たちの願いも聞けるし開放もする」

「嘘じゃねえだろうな……」

「もちろんだとも」



……うさんくせえ奴だな……



「けどこんだけの数で潰すのか? それに向こうの戦力は地上だけでオーバーSが何人もいるんだぞ」



無理あるだろ。



「手を組んだわけでもない相手に計画の内容を話せると思うかい? それにまだ完成を見ていないだけで娘たちなら勝てるさ」



完成じゃねえのに動いてるってのも不思議な話もするけど……





「それにさっきレリックを飲み込んだね? そんな体で管理局に行ったら鴨がネギをしょっていくものだよ?」



うっ……



「どんな変化が起きるのかな? 破裂かな? 爆発かな? 融解かな?」



ええ!?

い、いや待て……俺のスキルは体の外からのものを適応させるスキル……きっと大丈夫なはず……

……あ、あかん。大丈夫って言い切れる自信がない……



「そんな危険物飲んだ人間を私より知識のない局員が摘出や対処をできるのかな?」



ぐおお………



「下手に手を出せないから上層部が君ごと封印というのではないのかな?」



封印って……でも確かに六課が一番偉いわけじゃないから・裏に関係ない上層部でも合理主義だったらそうなるかも……

でも流石にそれは……



「過去の事例もたくさんあるよ? 中には魔導兵器でロストロギアの持ち主を蒸発させたり……」

「お世話になります。解剖、投薬、死ぬとか動けなくするとかない範囲で体の変化調べてください」

「そうかい。ではよろしく頼むよ」



「ちっ」



ものすっごく嫌そうに舌打ちするノーヴェとかいう赤スバル。

あっ、怒ったまんまどっかにいった。



「1つ聞いていいか?」

「いいとも。何だい?」

「……管理局潰したとして……裏を知らない表の局員はどうするんだ?」

「もちろん何もしないさ。私はただ自由になりたいだけさ」

「……信用していいのか?」

「信用するかしないかは君が決めることだろう? 私に聞くことではない」



……あとでいくらでも言い訳の効きそうな言い方だな……

まあどのみちここしかいられる場所はないか……



「それではチンク、どこか部屋に案内をしてあげてくれるかい?」

「わかりました。ケイ、来い」

「いやまずこっから出せよ」

「はいよ〜今出すからね〜」



しっかし厄介なことになったな……今まで以上に。

これからどう動くべきだか……





*****************************************





「ドクター……何故あんなことを? 実験素体にするにしても強行して捕えてしまえばよろしかったのでは?」

「ウーノ。私はいつも言っていないかい? 生きているからこそ生命としての素体は最高だと」



死んでいるものを調べても面白みがないじゃないか。



「ですが納得がいきません」



やはりトーレもそう言うかい。

まあ……そうだろうね。

娘たちの大部分は反対だろうね。

ノーヴェなんかは物凄く嫌な顔をしていたからねえ。



「正直私たちの目的に必要性を感じません。それに六課の方に思い入れがあるようですし、いつ裏切るとも限りません」

「それはゼストも同じだろう?」



ルーテシアと母親のメガーヌという鎖をしているからこそ彼は我々に牙をむかないのだから。

まあ彼自身確かめたい目的もあるからだけどね。

彼の方もルーテシアと繋がりはある。

いざとなったらこちらにも鎖としての役割を果たしてくれるだろう。





「確かに計画の最終段階に彼は必要はないだろうね」

「では何故……」

「彼の戦い方……中々おもしろいじゃないか」



先ほどの戦闘データ……

魔力を魔法に変換しないでそのまま使う。

AMFは魔力の結合を阻害する魔法フィールドだ。

おそらく彼の場合結合という過程なしで吐き出すように使っているから魔力を使えるのだろう。

ただ使う魔導師はいないだろうね。効率も悪いし、何よりあそこまで勢いよく出せないだろうしね。

どういう理屈で出せているのか……研究のしがいがありそうだ。



「あの戦い方はそうそうあるものじゃない。娘たちの戦闘データ蓄積に大きく貢献してくれるだろう。それに……」

「それに?」

「レリックを飲み込んだなんていう間抜けな素体がどうなるかも気になるじゃないか」



これが1番の理由だったりするんだけれどね。



「それは……まあ確かに……」



ウーノも中々呆れてるね……

まあ正直埋め込んできたことはあるが直接体内に飲み込むなどありえないことだと思っていたよ。

どういう風に変化が起こるのか経過をみたいのだよ。



「普通の状態でも中々ない素体でもある。私の研究対象としての必要性は大きいのだよ」

「……わかりました」







************************************************







「……なあ」

「……なんだ?」

「さっきお前ら戦闘機人とか言ってたけど……それって何?」



はっきり言ってよくわからん。



「……体に機械を埋め込んで身体能力やその他を引き上げた戦闘兵器だ」

「……結構物騒な存在だったんだなお前……」

「あまり驚きがないな?」



まあ……俺もね……似たことになってるし……

どこで狂った俺の人生。



「まあそのうちわかんじゃね? お前の創造主が俺を調べるっぽいし」

「それもそうか」

「……なあ、なんか刺々しくないか?」

「当然だ。姉妹を傷つけられたのだからな」



俺も傷つけられたんだけど。



「さっきの俺が戦ったのも妹?」

「赤毛の方がな。眼鏡の方は姉だ」



似てないな。血は繋がってないのかな?



「ついたぞ。ここがお前の寝床だ」

「…………」



寝床って……これ独房じゃん。



「なあ。やっぱ相当怒ってる?」

「ああ。怒っている」



まあ……家族攻撃されたら誰でも怒るか……



「食事をしたくなったらここを真っ直ぐ行って階段を上がってそのまま右だ。じゃあな」



それでもきっちり飯の場所まで教えてくれるってことはやっぱ面倒見はいいのね。

見た目はアレだけど。



チンクはそのままどっかに歩いて行った。



「さて……久しぶりのベッドだぜえええ! ひゃっほうーーー!」





牢屋でもいいや。ベッドだ。ベッド! 外敵、夜討ち気にせず寝られるぜ!

おやすみ!   









                                       つづく









    おまけ





「うっ……」

「あっ、クアットロ……大丈夫?」

「ディエチちゃん? あらん? 何で私ったらここに?」

「さっき落っこちてきたやつにやられたんだよ」

「……そうだったわねん……あのクソ餓鬼が……」

「あ、あのね。クアットロ」

「何?」

「鼻がね……折れてるけどすぐ手術するか? ってドクターが」

「い、いやああああ!? 私の鼻がああ。あの餓鬼絶対に殺す!」







「へっくし……す〜……す〜……」







     おまけ2





「なあ、どうする? ケイのこと」

「ん〜、どうするッスかね〜まあ一緒に暮らすってのは別にいいッスけど」

「あたしもね〜別に文句ないってか面白そうだからいいんだけど……」



「他の姉やらがどう言うか……」

「だなー」





「へっくし! へっくし! ……ううう……また悪寒が……」







    あとがき





ふう……24話苦労しました……特にスカの勧誘のところ。

計画にまったく必要ないキャラをどう仲間にさせればいいのか……ここが違和感あるかないかがでかいなあと思いながら書きました。

違和感あったらすいません。

数の子たちとは次回から少しずつ仲良くしていこうかと思ってます。







    Web 拍手返信





※闘いの中でもケイみたいな考えを持っていることは大事だと思います



>いや、こいつのは立派でないですよ。理由が自分のためとそのときの感情で主に動きますから(汗)



※なぜか原作非難がケイさん(作者のほう)に集中攻撃が・・・お疲れ様です。



>あざーす! 実は結構まいってました。まさかWeb拍手で気づいて応援していただけるとは(泣)



※ケイよ! なんつうものをごっくんしちゃったんだあああああwwww」



>ケイ「そんなにやばいの?」

>セイン「軽く数十キロ範囲を火の海にできる代物だよ」

>ケイ「……なあトイレどこ? 指突っ込んで吐いてくる」

>セイン「あっち」

(チャレンジしたけど何もでませんでした)



※是非とも漢ゼストに救済を!ぶっちゃけ最後無理矢理死なせたようにしか思えませんし!!



>ゼスト生存……させたいですね。だけど結構難しいかも(汗)



※すずかさん。行き倒れの人間が気づいてすぐに吸血するのはいかがなものかと。下手すれば殺してますよ。

その程度の判断も出来ないほどに血を求めていたのか、それとも所詮ケイだからいいとか考えたのかな?



>すずか「加減はしました」

>ケイ「だからって……」

>すずか「だって助けて間違われて終いには吸血鬼って思ってたじゃない」

>ケイ「うっぐ……」

>すずか「そんなに吸われたかったんだね♪」

>ケイ「私が悪うございました……」





※今回原作以上にの管理局上層部の実態を知るであろうなのは達(クロノ・リンディも含む)が上に従ってなあなあで済ますような馬鹿な対応を取らない事を祈ります。

というかクロノは頭硬いから一番不安要素です。まあもしそうならもう頭硬いを超越して愚か・無能・脳髄の後釜以外の何者でもありませんが。

きっとクライドさんも草場の影から涙を流すでしょう。



>うーん……でも実際自分の所属してる組織が正義と信じてる場合難しいでしょうね。気付くのは。

>よっぽど変な任務やらされない限りは。



※ す、吸い過ぎちゃや〜〜〜



>すずか「ねえ……もっと……気持ちよくしてあげようか?」

>ケイ「……お願いですから、その指を顔に這わせながら、色目使いで、さらにエロい感じで誘惑しないで……」

>すずか「うふふ、ウブだね♪」

>ケイ(この人見た目はウブそうなのに……)



※「そうだな。我らのからの指示のことだけさせればよいか」では無く「そうだな。我らからの指示の事だけさせればよいか」だと思うのですが・・・



>あっ、変換し忘れでした……あざーす!



※まさかたった一話で初恋と失恋の両方を経験するとは・・・つくづく不憫な奴・・・

なんかここまで見てると一番綺麗な(心が)ファリンとくっついた方が良いかなとか思ってたりします。



>いやいや、もっと不憫なのは山ほどいます!主に仲良し5人の学校の男子生徒。告っても誰も興味示されてこなかった!

>つまり、不憫なのはケイだけでない!



※まさかドクターとこんな衝撃的な出会い方するとは予想できませんでしたww



>連載前からこの会い方を考えてましたw



※ケイはドクター達と六課どっちを選ぶんでしょうかね。



>まあそこは話を待って下さいw ただ結構コウモリっぽい思考にはなっていくかと。



※ちょwwwwwwwwwwwwwwww!!!!!!! ケイが起きた時のすずかの対応が、、、さ、貞子、貞子なんですか!?っと思わず

もしくは、真柴(もう兄でも妹でもイイヤ)っぽいっすね・・・。あれ?すずかフラグ(死亡フラグ?)立ってませんか(爆)w?



>ケイ「マジで!?」

>すずか「う〜ん……付き合えば毎日飲めるかな……」

>ケイ「両方の意味み持ったフラグ立ちそうだ……」

>すずか「あっ、冗談だよ。付き合うっていうのが」

>ケイ「冗談であって欲しい部分が違う!?」



※ケイくんにはスカ一味を精神的に救ってもらいたいですね。しかしケイ君、管理局の裏を相手にするなら機動六課は役立たないと思うのだ

が、そこのメンバーは強いがあくまで個人の兵としての力なのだから。そういった点からするとケイ君の知り合いで最強なのはユーノではないかと思う。
民間人でありながら管理局で権限があり、陸・海の上下にコネを持ち学者としての地位や名誉もある文官としてなら最も有能なひとなのだから。



>まったくそんなことを知らない主人公w 認識はただの片思いな男の人ですから(汗)



※ケイさんへ 何処の誰だソウルドライヴ言うたのは、あんなヘタレとキャプテンガンダムを一緒にするな。



>あはは(汗)ガンダムからでしたか。確かにそれは失礼ですね(汗)



※「ケイさんへ」「時空を駆けちまった少年の感想」多くの人になのは達の百合が不評なので、夢オチにしてみたらどうです?

最後にケイが隊長陣に夢の事を話すと、アッーってなるような(笑)



>いえ、色々言われてますが突っ走ります!(ぇー









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