ホテルアグスタの事件から数日が経った。

その事件後に俺にはある疑問が生まれていた。

なのはさん、フェイトさん、はやてさん…この3人実はホントにガチじゃないのか?









時空を駆けちまった少年

第17話










ホテル事件では俺はユーノさんに3人は普通だと言われて信じたが今考えるとやっぱ信じられない。

ユーノさんとなのはさんが一緒に森でいい雰囲気を作ってた時…

あの殺気はどうも冗談で出したと思えない…



「どうしたのケイ君。作業の手が止まってるわよ」

「あっ、すんません」



ふむ…ホントに普通なら男の話とか浮いた話とかあるはず…



「シャーリーさん」

「何?」

「隊長さん達って彼氏いないんですか?」

「…………ど、どうしてそんなこと聞くのかな?」



なんで動揺している…さっきまですごいスムーズにキーボード叩いていた指も止まって体が震えてる。

この人なんか知ってるな…



「いや…あんだけ美人なのに彼氏とかそんなの聞かないですから」

「そ、それは…ほ、ほら!3人とも美人過ぎて中々釣り合う人がいないのよ!」



なぜか汗をダラダラかきながら大声で言ってくる。



「そ、そうっすか」

「そ、そうそう!ほ、ほら試作できた!試そう試そう!」



……やっぱうさんくせえ…

調べる価値あるな…

だけど一人じゃ無理だ…よし。







     〜 その日夜 〜







1日の訓練やら仕事やらも終わり自由時間になったとき2人を談話室に呼んで話をする。



「スバル。ティアナさん。ちょっといいか?」

「どうしたの?」

「そんな真剣な顔なんて珍しいじゃない」



真剣に疑問に感じているからな。



「単刀直入に聞く」



ごくりとどこからか唾を飲み込む音が聞こえる。

2人も俺につられてか顔が引き締まる。



「お前ら2人…同性でないと愛せないとかいう人じゃねえよな?」



あっ…2人ともズッコけた。

ティアナさんは頭を机におもいっきりツッコンで、スバルはソファーから落ちた。

何コントしてやがる。



「い、いたたたた…」

「あんた真剣な顔して聞くことがそれか!!」

「えっ?そうだけど…」



飛び跳ねるかのように起き上がり叫ぶティアナさん。

だって2人が本物だったら助っ人無理だし。



「ち、違うよ〜ティアとはパートナーで親友なだけだよ」

「あたしだってそうよ」

「だけど男の影なしじゃん」



そこが怪しいんだよ。



「はっ!そういえばスバル…あんたよくあたしの胸もんでくるから…」



何!?スバルそんなことしているのか!?



「ち、ちがうよ!ただのスキンシップだよ!!」

「あんた他の人のもよくもみたがるじゃない!」

「それはそうだけど…とにかく違うよ!!」



どこがどう違うのかよくわからんぞ…

とりあえずスバルは乳揉み魔と覚えておこう。



「で、実はそれを喜んでるティアナさんで2人はガチに…」



「「ならない(わよ)!!」」



なられても困るよ俺…



「けど2人結構長く一緒みたいだし噂もあったんじゃねえ?」

「そ、そういえば…」

「そのせいであたし達そういう噂が立ったことが…」



2人とも沈んだ…

どうやら違うっぽいな。よかったよかった。



「どうやら違ったか…なら頼みたいことがある」

「どんなこと?」



スバルがもとに戻り尋ねてくる。

でもティアナさんはまだ沈んでる…

いやそんなブツブツいいながら沈まんでも普通だってわかったから。

元気だして。



「実は…なのはさん、フェイトさん、はやてさんが…本物かもしれないんだ」



ピシリ!!



この言葉に2人が石化した。

お〜い。大丈夫か〜。

コンコンと叩いてみる。

か、硬え…



「…っは!そ、それ本当なの!?」



おっ、ティアナさんが先に復活したか。

パリーンと表面の石の殻を割ったかのように復活してきた。



「ああ、はやてさんがそんな発言を俺の前でした」



あれにはビビった。

ヴェロッサさんもそのとき出た殺気にビビってたし。



「そういえば…」



そういえば?



「管理局のアングラ誌でそんな話があったわね…ありえないって言う人が大部分だったけど」



そこまで逝っていたか噂は。

しかし結構な噂なのに信じられていないって…



「た、多分違うよ!なのはさん綺麗だから釣り合う人がいないんだよ!」



確かにそうも考えられる。

だからこそ俺は調べることにしたんだ。



「知りたくないか?」

「ま、まさか…」

「俺達で3人がそうか、そうでないかをな」



2人はしばらく考え込む。



「…はっきり言って命がけになるわよ」

「覚悟はあるさ」



ごめん。ただの興味本意です。



「…遠慮するわ。そんなことより私は射撃の練習したいし」



訓練の上に自主練を最近しているんだよな。スバルと。

俺も今度何か手伝うかな…

ホテルのときに悪いこと言ったし…



「スバルは?」



憧れの人の裏だからな…あんま知りたくないかもしれんだろうが。



「…やる。わたしも一緒に調査してなのはさんが本物じゃないって証明する!」



ここに「機動六課隊長陣ガチ調査隊」が結束された。

あっ、でも俺とスバルだけだし隊ではないか…まっ、いっか。



「でもなんでエリオとキャロ誘わないの?」

「アホ。2人の歳考えろ」

「あっ…」



あんな子供に事実だった場合のそんな世界を見せられるか。



「それとやっぱりティアナさんに少しだけ手伝ってほしいんだけど」

「時間喰わない程度ならいいわよ。そのかわり結果は教えなさい」



なんだかんだ言っても気になるのね。

まあその方がありがたいけど。







      〜 翌日 〜







今日は調査1日目、てか1日で見つけられなかった場合は違うとのことにしようとした。

スバルがその辺を強く言ったからだ。

それにティアナさんの自主練の手伝いもあるからそう時間を割けないとのこと。

すいません。今日1日スバル借ります。

明日からは俺も手伝うんで勘弁してください。





ちなみに役割分担はこうだ。



朝だと訓練が違うのでスバルがなのはさんとフェイトさんを2人にするとどうなるかを見る。

俺はシグナム師範にそれとなく隊長3人の関係を聞く。

昼はロングアーチの昔からの知り合いに聞き込み、フェイトさんがなのはさんはやてさんについてどう言っていたかをエリオとキャロに聞く。

こんな感じだ。



「てなわけで師範」

「…何がどういうわけだ」



あっ、こっちの脳内変換ミスった。



「師範達は昔からの付き合いなんですよね?ここのみなさんと」

「ああ、そうだ。かれこれ10年になる」



10年付きあってるならどうかわかるよな。



「最近気になったんですが…師範も含めてですが隊長陣には彼氏いないんですか?」



ビシッ!!



師範まで固まった!?

あのクールな師範が固まってダラダラと冷や汗までかいている!?



「あ、ああ…いない」



ものすごくボロい機械の再起動のような返事でいわれても…



「なんですっか?そこまで美人でいなのも不思議っすよ?」

「そ、そこに私も入っているのか!?」



いや入ってますよ。

師範美人っすよ。



「そりゃ当然でしょ」

「ば、馬鹿者!!そんな戯言言ってないで修業をせんか!」



赤面して言わんでも…なんだ?師範クーデレか?

普段クールでデレる…やべえ…ありうる。

てかそうであれ。

くっそ、そのデレを見れる超幸運なやつは誰だ。是非そのときの話をきかせてくれ!



「まあしますけど…実際なんでいないんですか?」

「むっ、そ、それは…」

「それは?……まさかそっちの人だとか…」

「なっ!?私は違う!」



私は!?



「い、いや主達も違うぞ!こ、この話はここまでだ!私は先に戻る!」



そう言って急ぎ足で帰っていった。

…ますます怪しい…







      Side スバル







今日はケイから聞いたなのはさんがアッチの人かどうかを調べている。

正直信じられないけど…噂もあったのは事実だし…

ううん!絶対にない!

わたしがなのはさん達は普通だって証明するんだ!



「はい。じゃあ今日の朝練はここまで。各自ストレッチしてね」



よし。ここでなのはさんとフェイトさんのストレッチ中の会話を聞こう。

いつもはみんなで反省会みたいな話しながらしているもん。



《 ティア! 》

《 はい、はい 》



ケイから言われたとおりわたしとティアのストレッチ姿の幻影を作ってもらい、本体のわたし達はなのはさんの会話を姿を消して

横から盗み聞きする。

ごめんなさい。でもなのはさんのためなんです!



「う〜ん」

「今日はなのはも私も訓練で結構動いたね」

「そうだね。ストレッチはしっかりしとかないとね」



結構普通な会話だ…

よかった…やっぱり違うみたい…



「ねえなのは?最近無理してない?なんだか肌が少し荒れてない?」

「も〜フェイトちゃんったら。大丈夫だよ〜」



あれ?なんかフェイト隊長なのはさんの首筋から手を伸ばして頬をさすってる…

しかもなのはさん、その手をやさしく掴んだ!?



「そういうフェイトちゃんは?なんだか手が荒れてない?」



そのままフェイト隊長の手を擦ってる!?



「って大変!フェイトちゃん指切ってるよ!?」

「こ、このくらい大丈夫だよ。それにみんなの方が」

「ダメだよ。んっ」



ゆ、指を加えてる!?



「あっ…な、なのは…」

「これでよし。後でちゃんと医務室行ってね」

「う、うん」



そ、そんなお互い赤い顔して見つめ合って…



「さて、じゃあ戻ろっか」

「そうだね」



その後もイチャイチャして2人はストレッチを済まして隊舎に戻って行った。

そ…そんな…



「…あれって…もしかして…」

「ち、違うよ!ほら!なのはさん達幼なじみだっていうからスキンシップだよ!」



き、きっとそうだよ。

うん。だってそんな話くらい結構あるもん!ほら、漫画とかドラマとかそんなで幼なじみとかだとよくあるもん!



「いやでもあれは…」

「ま、まだ最初だよ!決めつけるの早いよ!」

「はあ…わかったわよ」



絶対に違うもん!!









      〜 昼 〜 Sideケイ







俺とスバルは朝の訓練や仕事などを済ました後一緒に昼食をとっている。

ティアナさんはこれから自主練するから今日はもう手伝えないとのこと。



「…なあ、その朝にあった会話でほぼ決定じゃねえ?」

「違うよ!絶対に違うよ!」



バンと机を両手で叩いてこっちに乗り出してくる。

そのせいで顔が近くなり、俺は少し顔が熱くなってしまう。



「スバル、顔近い」

「あっ、ごめん」



ふう…少しはそういうの気を付けてくれ。俺も思春期真っただ中なんだぞ。

そういうことされると危ないんだぞ。そのまま顔をさらに近づけるぞ?

…嘘です。そんな根性ありません。



「しっかし次はどうするか…」

「やっぱりエリオとキャロかな」

「僕たちがどうかしました?」





ガっタン!ドカッ!ドゴッ!





俺もスバルも声に驚き座っていた席からおもいっきり転げ落ちる。

食器が落ちてこなかったのは幸いだった。





「い、いたたたた…」

「っ〜〜〜〜」

「だ、大丈夫ですか!?」



キャロが慌てて心配そうにそう言ってくる。

エリオ、キャロ…いきなり出てくるな…ビビってこけただろ…

スバルもすげえ勢いで転んだじゃねえか。

最近コケること多いな〜



「で、僕たちがなにか?」



さっきの会話が一部聞こえたようで純粋な疑問の顔で尋ねてくる。

どうする。この2人にどう聞く。

直接的に聞くのはまずい。



「ねえ。フェイトさんてなのはさん達のことどんな風に話してた?」



二人の視線と同じ高さにしゃがみ、人差し指をビシっと立ててスバルが質問した。

スバルーーー!?それ直線的じゃねえ!?



「え〜っと…昔からの幼なじみだとは言ってましたよ」

「あとこれからもずっと仲良くしていくんだとか…」



ゆっくり思い出すように上に視線を持って行ってるチビッ子ズ。

あれ?結構普通?

スバルはその言葉にホッと安心している。



「なんだかそのときのフェイトさんすごい幸せそうでした」

「うん。なんだかトロ〜ンてした目になったときもあったかな」



トリップしてやがった!?

子供との会話中に!?何を思い出していた!?



「…そのときの顔少し赤かったりしたか?」

「そういえば…」

「そうだったような…」



スバル…



「ち、違うよ!きっと過去の恥ずかしい思い出でも思い出して赤く…」

「だけど目が逝ってたらしいぞ…」

「…ち…」



顔に影を作りつつギンガ先輩との組手でみたシューティングアーツの構えをするスバル。

ま、待て!!なんだその構えは!?溜めは!?



「違うもーーーーん!!」

「ぐぼっ!?」



そのまま黄金の右ストレートで吹っ飛ばされる。

しかも飛んでる途中に椅子や机にぶっつかり跳ね返る。

その姿まさしくピンボールのごとしだったそうだ。



ス…スバル…てめえ…



「っは!?ご、ごめんケイ!!」



ごめんで…す…すむか…ガクっ…

俺の意識また飛びましたよ…











……

………

なんだ?なんか痛みと一緒に後頭部にやらかい感触を感じる…

何だこれ?

頭の後ろにあるであろうものに手を触れる。

何か生地の感触とそのやや下にすべすべした感触がした。



「ちょ、どこ触ってるの!?」



ん?誰の声だ?

慌てた声と同時に手を弾かれた。

気になり、眠い目を開く。あれ?真っ暗?



「あっ、ごめん。濡れタオルとるね」



ああ、タオルで目隠しされてたのか。

タオルがとられたようでちゃんと見えるようになる。

…ってスバルのドアップ!?



「ごめんね。大丈夫だった?」

「おま…おま…」

「おま?」





俺の目の前にはスバルの顔があった。その後ろにはよく晴れた青空が広がっていた。

つうかなんでそんな顔近い!?

ん?スバルの上半身しか見えない?空も見える?

で、後頭部に柔らかい感触?

膝枕か!?



「きゃっ!」



つい反射的に膝枕状態から首跳ねで即脱出。

スバルはいきなり俺が跳ねて逃げたせいで後ろに転んでしまった。



「び、びっくりした…ケイいきなり跳ね起きるんだもん」



起き上がって軽めに打ったらしい頭を擦っている。



あっ…せっかくの膝枕だったのに勿体ねえことしちゃった…

あれ?ここ食堂にある外に通じる扉から出たところか?

うん。そうだよな。ガラスの向こうに食堂があるし。



「お前な…膝枕って恥ずかしくねえのかよ?」



初めてされたから嬉しいのもあるが恥ずかしいのがでかいぞ!



「えっ、でもケイ気絶させちゃったし…そのまま寝かしておくのもどうかなって…」

「医務室とかあるだろ!?」

「でもとくに外傷とかなかったし普通に寝てるみたいな感じだったよ」



さらりと当然だったかのように言うスバル。

…気絶してるのに寝てるように見える…

んなアホな。



「だから外で少し頭冷やしながら寝かせた方がいいかなって…」



そ、そうか…



「まあその…サンキューな…結構眠れた」



なんかラッキーだったし気絶でも寝てたでもどっちでもいいや。



「えへへ〜どういたしまして」



にっこり笑顔でそういうスバル。

……

っは!?一瞬見惚れた!?

いや…なんかこう…くらっときた…







「……おめえら青春してやがるな〜」

「「んなっ!?」」



あっ、ヴァイスさん。なんか懐かしい。

両腕を組んでおもしろいものを見つけたかのようににやけながら言ってきやがる。

つうか今日はよく驚かされる。



「そのまま最後までいかねえのか?」

「いやいや」

「そんなのじゃないですよ〜」



すっぱりといつもの元気な笑顔でいうスバル。

…うん。まあわかっていたけどはっきり否定もつらいよね。



「なんだ、つまらねえね」



スバルの態度で本当にそうだと確信したようで、心底がっかりしやがった。

悪かったな!どうせそんな感情抱かれませんよ!

…あっ、そうだ。せっかく会ったし



「ヴァイスさん。聞きたいことあるんですけどいいっすか?」

「あん?何だ?言ってみろよ」

「なのはさん達って…ガチですか?」

「っぶううううう!!お、おめえどこからそんな話を…」



おもいっきり吹き、後ろにたじろぐ。

何か知っているのか!?



「ヴァイス陸曹知ってるんですか!?だったら教えてください!違いますよね!?」

「そ、それは…」



スバルの質問でさらに後ろにたじろいでいく。

それは!?



「い、いけねえ!ヘリの整備がまだ残ってたんだった!じゃあな!」



そのまま方向転換。ヘリの整備と言いつつ、まったくの逆方向に走り去る。

逃げた!?しかも超速い!



「…なああの反応からすると…」

「ち、違うよ!…きっと…」



スバル…最後のきっとがやたら声小さいぞ…

流石に誤魔化せなくなってきたか…







       〜 聞き込み グリフィス・ロウランの場合 〜







「……それは…知らない方がいい」

「なんで?」

「…すまない。母から他言するなと固く言われているんだ…」

「「………」」

「もしまだ調べるのであれば言っておく。僕には聞かなかったことにしてくれ。じゃあ…」



…背中に哀愁漂ってるな…



「きっと違うきっと違う…」



スバル…小さな声でブツブツ言わんでくれ…なんか怖い。





  

       〜 聞き込み ヴィータの場合 〜







「お、おめえら…どこからそれを…」

「本人がそれらしきことを言ったので」

「…他のやつはどう言ってやがった」

「みんなはぐらかしたり、そんなでしたけど…」

「ユーノさんは違うと言ってましたけど…」

「違うって答えが出てるじゃねえか。違うったら違うんだよ」



そっぽ向いて否定するヴィータ。

いや、でも怪しいぞ。



「あんましつこく聞くと頭かち割って、グラーフアイゼンの頑固な汚れにするぞ?」



振りむいたと思ったらハンマーっぽいゲートボールのスティック向けられた。

どうやらこれがこいつのデバイスっぽい。



「「ご返答ありがとうございましたーーー!!」」



デバイス構えられたから即逃亡した。

頭かち割られたくない!!







     〜 聞き込み アルト・ルキノの場合 〜







「どうなんだろう…」

「噂だとそんなのあるって聞いたけど…」



2人とも知らんのかい。ダメだこりゃ。

















このあとも色々聞き込みはしてみた。

けど俺もスバルも午後になってから仕事やデバイスもどき作りやらで中断もしたし、夕食後などにしかできなかった。

どの答えもそうだというのが出ず、はっきりしない。

まあ十中八九そうだと思うけど。



「なあ…もう決定でいいんじゃね?」



ちなみに今はもう12時過ぎ。

俺もスバルも風呂から上がって今は談話室でジュース飲みつつ今日の結果を話している。

廊下も暗くなり、ほとんどの人がもう寝たようだ。



「…違うもん…」



ジュースを両手で持って俯きながら呟くスバル。

……もうやめた方がいいかも…



「はあ…そうだな。じゃあそうじゃないで決定にしとくか…」

「…うん」



……



「ごめんな」

「えっ?」

「スバルの憧れの人なのに疑ってこんなこと手伝わせて…」



今思うと本当に悪いことしたな…

スバルがここまで暗くなると思わなかったから調子乗ったか…



「いいよ。それより明日からケイも朝練付き合うって言ってたけど手伝えることあるの?」

「木刀で接近戦対処なら少しは手伝えるだろ。それ以外は見てるだけになりそうだけど」



まああとは威力のほとんどない魔力弾での動く的くらいにでもなるだろ。

俺の打ち落としやら回避の練習にもなるしな。



持っていたジュースを一気に飲み干し空き缶をゴミ箱に投げる。

うっし。入った。



「じゃあ行くか」

「うん。そだね」



今日はスバルに膝枕もしてもらえたしかなりおいしい日だったかな。

なんかそれだけで満足したよ。



「あ〜ケイにやにやしてる。膝枕でも思いだした?」

「うん」

「えっ…」

「あっ…」



つい本音が出た。…はずい…



「また今度してあげよっか?」

「んなっ!?」



マジか!?



「嘘だよ〜」



……コラてめえ!



「あははははーー!」

「待てやーーー!!」



からかいおってこの野郎!!



曲がり角をスバルが軽く逃げながら曲がろうとしたところだった。

何やらその角の向こうから話声が聞こえた。



!?

この声は!!

俺は逃げてたスバルの口を抑えその体を抱え込むと壁に背を張りつけ息を殺す。

スバルがもがくが全力で抑え込む。



「むがっ、もがっ!!」

「しっ、静かにしろ!なのはさんとフェイトさんだ!」



スバルにそっとそう言うと大人しくなる。



「ぷはっ…でもなんでこんな時間に?」

「さあ…2人で残業かもしくは…さっきの議題の決定的証拠シーンになるようなこととか」

「あはは…いくら暗くてみんな寝たような時間でも廊下だよ…」

「誰もいない?」

「「………………」」



俺とスバルは少し考え、頷き合う。

そして2人で曲がり角にいるであろうなのはさんとフェイトさんをみる。





        !!!!!?????





俺もスバルも思考回路がショートした。

なぜならば





「んっ…くちゅ…んあっ…」

「んっ…、な、なのはダメだよ…ここ…廊下だよ?」

「にゃはは…そうだね。でもお風呂上りのフェイトちゃん見てたら我慢できなくて」

「んもう…じゃあ早く部屋にいこう?」

「そうだね。はやてちゃんも後で来るしね」





2人が誰もいない暗い廊下で大人なキスをしていたからだ。



現場目撃!?

機動六課隊長陣、完全無欠の女性は同性愛者!?

どんなスクープだよ!?



ス、スバルの反応は!?





プシュ―――――…





俺の下で顔をそ〜っと出して覗いていたスバルの頭から湯気が出てた!?





スバルーーーー!?大丈夫かーーー!?



まずい!!非常にまずい!!早くこの場を離脱





「…こんばんはケイ」



!?後ろに回り込まれた!?



「それにスバルもだね。どうしてこんな時間まで起きてるのかな?」



さっきの場所からゆっくりとなのはさんが笑っていない素敵な笑顔で歩み寄ってくる。

前門の魔王後門の死神!?



「え…えっとですね。少し魔法のことで話しすぎまして…」

「ふ〜ん。そうなんだ。勉強熱心だね」



ええ。これから熱心にしますからここはたしけて…



「でもなんでスバルは真っ赤になって気絶しちゃってるのかな?」

「それは!?」

「ちょっと…お話しよっか?」



「い、いやあああああああああああああああああああああああああああああああ!!??」





ここからの俺の記憶はなかった。













「ぶっははあ!!はあ…はあ…はあ…」



目を覚ますと俺はスバルと談話室のソファーで寝ていた。

あれ?なんで俺こんなとこで寝てるんだ?

なんか思い出しそうで思い出せない…

まあいいか…



「スバル…おいスバル。起きろ、ここじゃ風邪ひく」



スバルの体を揺すり起こそうとする。

するとスバルも目を覚ました。



「んっ…あれ?ケイ?ここ女子部屋だよ〜」

「アホたれここは談話室だ。寝ボケるな」

「あれ?……さっきまで何してたっけ?」



俺と同じ反応だな。

けどいいや。もう1時だ。



「う〜ん…頭くらくらする…なんでだろ…」

「俺も少しするが…大丈夫か?」

「うん。大丈夫だよ」



少しふらふらしながら起き上り部屋に戻ろうとする。

念のため部屋まで送るか。



「ほれ真っすぐ歩け」

「うん。ありがと」



スバルの肩を後ろから支えながら俺はスバルの部屋に送って行った。







「…忘れたかな?」

「…念のためもう少しつけようか」

「そうだね…」









      〜 スバル・ティアナの部屋 〜







     プシュー





「あっ、やっと帰ってきた。遅いわよ」



部屋のドアが開くとティアナさんが眠ろうとしていたところだったようだ。

楽そうな格好になっていた。



「スバル届けに来たから」

「うーーなんか頭まだふらつく…」



俺もだよ。

しっかしなんだ?この喉の奥にまできてるんだけど何だろう?



「で?今日の収穫あったわけ?」



収穫?何のだ?



「ティアなんのこと?」

「何って…あんたら今日1日隊長たちが本物かどうか調査とか言ってたじゃない。結果教えなさいよ」



…………





「「あああーーーーーーー!!それだーーーーー!!」

「ちょっ!静かにしなさいよ!」



スバルも思い出したようだ。

それと同時に2人で大声を上げてしまう。



そうだった!俺達あの現場を目撃してそんでなのはさん達に何かされたんだ!

えっと…駄目だ。何をされたのかはまたっく思い出せねえ!

でもとにかく隊長3人はやっぱし本物だったってことは間違いない!



「…まさか…」

「そう…そのまさかだ…現場を見た…」

「嘘…」



俺達の反応で予想できたようだな。

信じられないようだが事実だ。



「とりあえずこのことは」





   プシュ―  シュバッ  がしっ、 ジュる ガタン!! …カシュ―





何かを言おうとしたスバルが突然開いた扉の暗闇から出てきた白銀のなにかに引き連られ闇に姿を消した。





「「……………」」

「な、なに今の」



ティアナさんも俺も突然の事態に唖然とする。





  プシュ―  シュバッ  がしっ、 ジュる ガタン!! …カシュ― 





今度は金色の何かにベッド辺りにいたティアナを闇に引きずり込んでいった。

……





   カッチ…カッチ…





新築であたらしいはずの部屋の明かりが切れかけのごとく点滅する。

俺は部屋の奥の窓に避難し、扉からいつさっきの何かがくるのか警戒する。

生暖かい風が窓から入ってきて俺の緊張感を高める。





   プシュ―





扉が開いた。

俺は回避するために身がまえた。





「…来な」





来ない?と言おうとした瞬間、俺の死角であった後ろの窓からピンク色の何かが俺の口を押さえたと同時に体全体を掴む。

そのまま俺をその夜の闇に引きずり込んでいったのだった。





こうしてこの部屋には誰もいなくなった。









                                   つづく







〜 おまけ1 翌日訓練 〜





「みんなおはよう」

「「「「おはようございます!!」」」」

「スバルにティアナ、昨日の夜は何してた覚えている?」

「え〜っと…わたしはケイと話して寝ました」

「あたしは夜少し自主練してから寝ましたけど…フェイトさんなんでそんなことを?」



「ううん。なんでもないよ」

「はい、それじゃあお話はここまでにして、今日も訓練がんばっていこー!」

「「「「はい!!!」」」」





     〜 おまけ2 訓練Sideケイ 〜





「ケイ…大丈夫だったか?」

「はっ?何がです?」

「いや…昨日の夜だが…」

「昨日の夜はスバルと魔法の話して寝ましたが?…でも何故か全身痛いし頭痛もするんですよね。熱はないんですけど」

「そ、そうか…」

「?」

「まあいい…さて、今日は休みにしておいてやる。少し茶に付き合え。いい茶葉が入った」

「緑茶ですか?」

「ああ、菓子も少しある。少し休んでおけ」

「うっす。ありがとうございます」









「うん。どっちも記憶消せたみたいやな…さて、ほんならいつも通り仕事しよか」







あとがき





今回はガチ調査SSとしてみました。

最後のほうの引きづり込まれる部分。ホラーとかモンスターパニック系の映画シーンぽく読んで頂けたといいんですが…

作者の力量不足でシリアスがうまく書けないという情けないものでして。

さて、次回はなのはStrikeSを書く上で最も重要かつ難しいティアナの事件。

かなり難しいとは思いますががんばりたいと思います。





     Web拍手返信





※実は、「軋れ ○王(○ンテラ)!!!!」の方も想像してました。5と6今なら同じ数字のチャンスだよ?

>5と6のチャンスというのがよくわからないですがブリーチですか。自分毎週読んでますよ。熱いですね。

 あんなカッコイイキャラにできたらよかったのに…



※頑張れケイ!炎を操れるようになったら邪O炎殺黒龍波だ

※喜べ!貴様がクラナガンでの邪O炎殺拳最初の犠牲者だ!

>ケイ「よしアギト!!」

>アギト「おうよ!!」

>ケイ・アギト「「ユニゾン・イン!!」」

>ケイ・アギト「喰らえ!邪○炎殺黒龍波―――――!!」

>  ジュッ…(自分が燃えました)



※軋間○摩は月姫の遠野家の分家で志貴の父親の黄理を殺した人です。

>月姫でしたか。自分アニメでやってた頃はまだ深夜アニメ見てない頃でした(笑)



※面白すぎる…、気長に待ってますので続きもよろしくお願いします

>え〜っとこれは学園SSの方かな?こちらはこれからもまだまだオリキャラが出ます。

>現在2話を並行して書いてる途中ですのでもうしばしお待ちいただけると助かります。(ぺこり)



※ケイは何処まで巻き込まれるのだろうか?

>もちろん最後まで、そしてそれから先もです!(ぇー



※アグスタと言う事はティアナの暴走とルーテシアとの再会とユーノとの出会いですね?

>そうなりましたね。でも流石に一般人の肩書あるのでフォアードとは戦えませんでした。



※ギンガはケイの事を如何思ってるんだろうか?個人的にケイにはハーレムを築いて欲しいですね。

>ケイ「先輩俺のことどう思います?」

>ギンガ「もちろん面白い子だと思うわ」

>ケイ「いや意味が違うと思いますが…」

>ギンガ「じゃあ弟?」

>ケイ「…あれ?喜んでいいのか悪いのか…」

>ギンガ「じゃあハーレムはどう思ってるの?」

>ケイ「男のロマンです」

>ギンガ「でも浮気はダメよ」(ぺしっとおでこに軽い平手)

>ケイ「はい…」(やっぱ優しいええ人や)



※閻○堤炎上軋間○摩!?メルティブラッドというゲームをプレイしてみるといいかと。多分わかります

>名前は聞いたことありますね…う〜ん。今度持ってたと思う友人に借りますか。



※ギンガ……天然な色気なんて兄さん初めて見たよ…w…む、胸。

>ギンガ「胸?」

>ケイ「まあ…確かに…すごいっすね」

>ギンガ「セクハラはダメよ」

>ケイ「はい…」(殴られない辺りが癒される…)



※ギンガ、たまに現実に存在しないかな〜とか思います。だって好きだし。それに格闘教えてほs(終

>たしかにいて欲しいですよね。自分もスバルみたいな可愛い娘と知り合いとかになりたいっす(現実逃避)

>格闘も強いし美人だからオリンピックとか出て超有名になりそうですねw










作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。