時空を駆けちまった少年 第10話 地球に一時帰還!これならそうそう殴られないだろ。

そう思ってだが甘かった…

来てそうそう蹴り飛ばされるし、睨まれるし…

なんかほんと…つらいです…









時空を駆けちまった少年

第10話










〜買い物後〜







「はぁ〜…」



買い物から帰ってそうそう大きなため息をついていた。

その原因は月村さんだ。

買い物について行ったはいいのだがバニングスさんの見ていない時に殺気を飛ばしてくる。

何かを言い返そうとするとうまいことそのタイミングでバニングスさんがこちらを向いてきたり、

月村さんが殺気を消しバニングスさんに話しかけていくので話すことができない。

だから精神的にものすごく疲れた。



「なんや?むっちゃつかれた顔して」

「いや、なんか月村さんが…」



っは!殺気!?



――――――話したら殺す―――――



殺気の感じた方向を見ると月村さんが笑ってない笑顔でそう語っていた。

うお!?

ものすごい勢いで体中に鳥肌がたった!?

あの顔は本気だ!マジで殺られる!!



俺は一瞬で悟った。自分は完全に弱者だ。

あの相手には生物的に絶対に勝てない…逆らうな、怒らせるな…そう本能のようなものが告げている。



…何かしたか!?

考えてもわかんねえよ!



「お〜い、ケイく〜ん。ホンマ大丈夫か〜?」



いや…まったく大丈夫じゃないですけど…

けど本当のことも言えない…



「あっ、い〜や〜 月村さんがあんまりにも美人なんで観惚れちゃって」

「なんや〜、すずかちゃんみたいなのがタイプなんか?この前はスバルがかわいい言うとったらしいのに」

「なんでそれを!?まさかあんた盗聴器でもつけたんですか!?」

「そんな犯罪なことするわけないやろ。マッハキャリバーの映像記録を見してもらったんや」

「あのクソデバイス!!!」



なんとかそんなことを言って誤魔化した。

しかし違う墓穴を掘ったようだ…マジで恥ずかしい…



「ほんで結局誰が好みなんや?スバル?ティアナ?年上のみんなの内のだれか?……まさかロリでキャロかヴィータ?」

「俺はロリじゃねえぇぇぇぇ!!」



俺の守備範囲というかそういうのは同じ歳くらいだ!

余計なストレス溜めんといてください!



「そんな叫ぶとストレス溜まって禿げるで?」

「あんたのせいだろ!?」

「あんたはコントやめていい加減に夕食の準備手伝いなさい!!」





そのままいい加減馬鹿言っている俺たちにに頭きたバニングスさんに引きずられてバーベキューの準備をさせられたのだった。















夕食としてバーベキューの準備がほぼ終わり焼き始めるために火を起こしている頃に街にサーチャーを設置に行っていた前線メンバーが

戻ってきた。



「運転お疲れ様、フェイトちゃん」

「うん」



乗せてきてもらったのだろう。

隊別で行動していた高町さんがハラオウンさんにお礼を言って車から降りてきた。

シグナム師範、ヴィータ、エリオ、キャロ、スバルにティアナさんも一緒に降りてきた。



「あっ、何かちょっといい匂いが…」  「きゅくるー」

「うん、そういえば…」

「はやてたちがもう晩御飯の準備はじめてるのかな?」



バーベキューの匂いを感じたキャロに同意するかのように鳴くフリード。

そして確かにといった感じのエリオにハラオウンさんはそう言った。

そしてそのままコテージに近づいてくる。



「あっ!おかえりー!!」

「なのはちゃん!フェイトちゃん!」



「すずかちゃん!」

「すずか!」



コテージに近づいてきた高町さん達に気付いたバニングスさん、そして久しぶりに会う友人の名前を呼んだ月村さんはすぐに2人の方に駆けて行った。



「写真とメールばっかで声全然聞けてなかったよ〜」

「すずか元気にしてた?大学の方は相変わらず?」

「うん!元気にしてたよ。それに大学は勉強が大変だよ〜」



そのまままた女性の長い会話に突入していった。

そしてその様子を見ていたエリオを除いた新人メンバーはその隊長たちの普通ぶりに唖然としていた。

なんで唖然としてんだ?

しかも今度は目線だけ合わせあっている…

俺仲間外れ?







    〜前線メンバー念話会話〜





《ティア!ティア!なんか隊長さんたちが普通の女の子だよ!?》

《同感…どうよ?ライトニング的には》



《あの、僕的にはなのはさんもフェイトさんも普通の女性ですので…》



《そっか、エリオ君私達の中で一番昔からなのはさん達のこと知ってるんだもんね》

《うん》







何を4人でしているのかと思っているとまた車がやってきた。

そこからまた3人ほど降りてきた。

しかもこれまた美人と幼女……うわ〜…居づらい…

しばらく傍観してよう…火焚きながら…



「はぁ〜い!」

「みんなお仕事してるかい?」

「お姉ちゃんズ参上〜」





「エイミィさん!?」

「それにアルフも…」

「美由紀さんまで」

「さっき別れたばっかなのに…」



えっ…みんな面識あり!?

俺、仲間はずれですかい!?



「お姉ちゃんどうしたの?」

「エイミィがね、なのは達と合流するっていうからね。シフトの合間に来たの」



……この人か…

魔法なしでシグナム師範とまともに勝負できる人外の1人は…

全然普通だな…パッと見…



「エリオ、キャロ元気にしてた?」

「「はい」」

「二人ともちょっと背伸びたか?」

「あははは、どうだろ?」

「少し伸びたかも」





なんだ?あの犬耳幼女は…エリオとキャロの方が年上なのに自分が年上のように振舞ってる…

まったく…犬耳を外でもつけさせたままって駄目だろ保護者。

会話からしてエリオとキャロに元気かって聞いた人がエイミィさんとか言う人だろ。

この人が保護者か?



「アルフ〜!」

「フェイト〜!」



そう考えてたらハラオウンさんがアルフと抱き合った。

会話を聞いてたら使い魔だったとのこと。

でもってエイミィさんと言う人はハラオウンさんの義理の姉だとのこと。



「あれ?そっちの男の子は?」



今さら火を焚いてた俺に高町さんの姉さんが気づいた。



「どうも一般人の武ノ内ケイです。一般人なんで殴ったり叩いたりしたら死にます」

「いや…誰もそこまで聞いてないんだけど…」



ハラオウンさんの姉さんがそう言う。

いや一応言っときます。マジで殴られ蹴られですから。



「あ〜お前か〜フェイトが言ってた迷子って」

「うるせえ!言うな!」



犬耳め…余計なこと言うんじゃねえ。



「ほらほらケイ君、もっと火強うしてな。おっ!みんなおかえり」



コテージから出てきた八神さんが注意してきた。

うおっ!?よそ見してたら火が消えかけてる!?



「うおおおおおおおお!!火!!もっとでかくなれ!!」



「「「「八神部隊長!?」」」」

「部隊長自ら鉄板焼きを!?」

「そんなの私達がやります!!」





部隊長の八神さんが料理をしていることに新人組は驚き、すぐにティアナさんとキャロは変わると言ったが



「はやて隊長の料理はギガうまなんだからまかしとけって」

「待ち時間あったし、料理も趣味やからな。まかしてな。ほらケイ君、火まだ弱いで。もっと煽いで」



隊長2人にそう言われ新人達はごちそうになりますとあっさりひいた。

うまい飯か…楽しみだ。

でも腕がそろそろつらいっす…



「んなこと言ったてなんか火の着きが悪いんですよ。くっそ、誰かチャッカ○ンもってないか?」

「はあ〜もう、しゃあない。シグナム、レヴァンティンで火つけて」



「な!?主 いくらなんでもそんなことに」

「ええからはよ着けて。肉が生焼けになってまうよ?」

「っく…」



正直そんなことで自分の相棒を使いたくないと言った感じだが、結局逆らえずしぶしぶ火をつけた。

うん、便利だな。



「ケイ!貴様帰ってから覚悟しておけ!」

「はっ!?何で俺!?」

「そもそも貴様がサッサと火をうまく着けんからこうなったんだからな!」

「んな無茶苦茶な!?」



理不尽でしょ!?

ああ…帰ったらまた医務室のお世話になるのか…





シグナム師範がレヴァンティンで火を強くしたおかげで肉がちゃんと焼けだした。

その様子を見ていてシグナム師範は思い出したかのように尋ねてきた。



「ところでシャマルの奴は手をだしていないだろうな?」

「出してたけどそれがどうかしたんですか?」



「何ぃ!?」

「なんだと!?台無しじゃねえか!!」



シグナム師範とヴィータは俺の答えにものすごい顔で驚いた。

もうそれはこの世の終わりだとでもいいたげな感じだった。

まさか料理を兵器に変える人だったのか!?



「材料切りだけやったから安心しい」

「まあ、切るだけなら…」

「安心だな…」



「シャマル先生…もしかして…」

「違うもん!!シャマル先生お料理下手なんかじゃないもん!!」



スバルも俺と同じ答えにたどり着いたようだ。

シャマルさんに尋ねるが本人は否定する。



「何も言ってないのに自分で否定してる時点で下手だって言ってますよ」

「黙りなさい。臓物ぶちまけたの?」

「ワタシハナニモイッテマセンヨ?」



…黒いなこの人も…













「肉ーーー!!」

「へっ!残念だったな!アタシがもらったーー!」

「甘い!まだ逆サイドに!」

「ごめんね〜わたしがも〜らい!」

「何!?」

「ほら、しょうがないわね…これ食べなさい。焼けてるわよ」

「あざーっす、ティアナさん!」



バーベキューが始まって早後半。

肉を狙うがなかなか食えない。

大量にあったはずなのにまだ十数枚くらいしか食えてない。

原因はスバルとヴィータだ。この2人が大量に俺が置いて育てた肉を持って行く。

見かねたティアナさんが他で焼けていた肉を別けてくれた。

うう…うまいっす…塩味も入ってる気がするけどうまいっす…



「おいしいね、エリオ君♪」

「うん、おいしい」



ああ…チビッ子2人には平和な食い合いがあるのか…

いいな〜



「ほらリイン焼けたで〜」

「はいです〜」

「主おいしいです」

「私の野菜も食べてよ〜」



くそ…蒼妖精め…

小さいサイズに戻って巨大肉を堪能しやがって…羨ましいぞ!!



「火が弱くなってるから扇ぎなさい」

「いやバニングスさん…俺まだそんなに食えて…」

「ケイ君?」

「はい、ただいま扇がせていただきます」



「あはは…なんというか…」

「この子、使いパッシリだね…」

「ださいね〜」



ほっといて下さい……

あれ〜?俺ってこんな扱い受けるような性格だっけ?



「ところでアンタ」

「はい?」



火を焚いてたらバニングスさんが話しかけてきた。

今度は何の命令ですか?



「なんで名字で呼ぶのよ?堅苦しいわね」

「はっ?」



いやそりゃ年上だし了承ないですもん。



「そうだね。私となのはだと名字だと被っちゃうし」

「私もフェイトちゃんと被っちゃうもんね」



えー…でもなんか恥ずかしい…



「というわけで名字禁止」

「そやね。ウチも名前でええで」

「私もだよ」

「うん、私もね」



今度は隊長さん達も要求してきましたよ。



「じゃあ今度からそう呼ばしていただきます」



こうして呼び方変更が決定した。

もうなんか反論するのが疲れた…くそ…サッサと火強くして肉食って元気を出そう。









    〜バーベキュー終了〜







「はあ〜食った食った……野菜をたくさん」

「私が切ったのよ?おいしかった?」

「はい、大変おいしゅうございました」



もういい、ツッコまん。割合的に肉2割野菜8割で食った。

健康的な食事でしたよ。あっはっはっは。





「さて…ご飯も食べたし…銭湯いくで〜!!」



飯食い終わったら八神さんが銭湯に行くと言いだした。

よっしゃ!銭湯か…久々だな〜



「銭湯?」

「何それ?」

「でかい公衆浴場だ。気持ちいいぞ〜」



どうやらスバルにティアナさんは銭湯を知らんらしい。

まあ行きゃわかるさ。

てなわけで俺達は銭湯に向かうのであった。







      

      〜銭湯〜







やって来ました。銭湯に!

さっそく風呂にレッツゴー!!と行きたかったが意外なキツイ視線が俺を襲う。

そう、何故ならば理由は至極簡単。



メンツ



・俺・スバル・ティアナさん・エリオ・キャロ・なのはさん・フェイトさん・はやてさん・アリサさん・すずかさん

・シグナム師範・シャマルさん・ヴィータ・美由紀さん・エイミィさん・アルフ



という何とも美女、美少女軍団に俺みたいな男がいるからだ。

エリオはまだ子供だしそういう視線がまったくない。

ふっ…幸せなんだろうが…居づらいぜ。

まあ俺があっちの立場ならうわ〜羨ましいとか思うんだろうがな。

矛盾してるぜ…



「大人13枚に子供4枚で」

「えっ?ヴィータ副隊長は…」



スバルが券の数に疑問を持った。俺もだけどな。



「アタシは大人だ!」

「すいません。訂正で大人12枚子供5枚で」

「はい、わかりました」



「てめえ!?」

「はいはいヴィータちゃん。大人振るのはもう少ししてからね〜」



安めになるんだからいいじゃねえか。

ちなみに今のセリフを言ったら足踏まれた。

イテエなこのガキャー…













全員で券を買った後、男湯女湯の別れる入口に来た。

しかしここでとんだハプニング発生。

11歳以下の男の子が女湯に入れるとのことで、エリオが男湯女湯のどっちに入るかで口論が発生したのだ。



「だからですね。僕は男湯に…」

「エリオ君…でも一緒に…」

「そうだよ。私も入りたいな」



家族に懇願されてるよ…



「ほ、ほら僕が行かないとケイ兄が一人でだし」

「ん?俺は構わんぞ?行って来い」

「えええぇぇ!?」

「ほらケイもそう言ってるし…入ろう?」



なんというかフェイトさん…その台詞を大きくなったエリオには言っちゃダメですからね。

超毒ですから。男の精神的に。

そう考えているとエリオがこっちを向いて口パクしてきた。

なになに?



――― 男の同盟 ―――



あっ……そういや結んだんだった…

しゃあねえ…



「まあ…フェイトさん今日は勘弁してやってください」

「ケイさっきと言ってること違うくない?」

「あんたのことだからエリオだけ女湯なのが許せなくなったとかでしょ」



スバルとティアナさんがそんなこと言ってきた。

ちょっと待て。確かに羨ましいとは思うが入る前に殺される結果になるようなことは俺は断じてしないぞ!



「というわけで男湯に行ってきます!!」



そう言ってエリオはすげえスピードで男湯に突撃していった。



「じ、じゃあ俺も……」



その後を俺は背中から来る恨みの視線を受けながらいそいそと男湯に入って行った。

ふう…この疲れ…湯で癒さでおくべきか!!







     〜男湯〜





「ふう…ケイ兄…」

「すまん…忘れてた…」

「まあ…結果的に助けてくれたからいいよ。ありがとう」

「何を忘れてたんですか?」

「いやな…エリオと男同士で助け合っていこうっていう約束をな」

「そうだったんですか」

「「そうそう……ってキャロ!?」」

「そうですけど…」



エリオにロッカーの使い方を教えてさっきのことについて話していたら、バスタオルを巻いたキャロがいた。

あ〜…待て…何故にキャロがここに?

あっ!11歳以下の男が女湯に入れるなら逆もまた然りか。

エリオ大変だな。同じ歳の女の子が一緒に入ろうと突撃してきたんだから。



「エリオ君これなら一緒に入れるでしょ?」







    Sideエリオ





えぇぇぇぇぇ!?なんでキャロが男湯に!?

これじゃあ女湯にいかないで済んだ意味がないよ!?

ケイ兄に頼んでキャロを女湯に…



「エリオ諦めろ。ここが妥協点だ」



そんな!?



「エリオ君……」



ああ…キャロそんな目で見つめないで…断れなくなっちゃうよ。



「エリオもさっさと脱いで入れよ〜」



そう言っていつの間に服を脱いだのか腰にタオルを巻いたケイ兄がそう言って先にお風呂に入って行った。

ええ!?いつの間に脱いだの!?



「エリオ君入ろ?」

「うん…」



もう仕方がないよね…諦めて一緒に入ろう…







    〜女湯 Sideスバル〜





「うわぁ〜すご〜い!きれ〜!」

「本当…」

「スバル、ティアナこっちおいで〜お作法とか教えてあげる」



すっご〜い!これが銭湯なんだ〜

たしかにここは入ったら気持ちよさそう。

それにしてもなのはさんスタイルいいな〜…



「なのは相変わらずスタイルとバランスいいわね」

「にゃははそうかな?」

「フェイトちゃんもお肌すべすべ〜」

「すずか、くすぐったいよ」



うわ〜なのはさんだけじゃなくてアリサさんとすずかさんもスタイル抜群だ〜

揉んでみたいな〜



「スバルあんた変なこと考えてないでしょうね…」

「あはははは…」



ティアにバレちゃってたか。



「ねえ、ティアあっち入ってこよ!なんか綺麗だよ!」

「まったくもう…でも本当ね行きましょ」



そして2人でたくさんあるお風呂に入って行った。





う〜ん…!

わたしは身体を伸ばしてお湯につかる。

やっぱり気持ちいい〜なんだかミッドにはない成分とか入っててお肌とか披露にいいだなんてすごいな〜



「気持ちいいわね」

「うん!ケイがそう言ってたのわかるよ」

「そうね。まあ、あいつもたまには的に合ったこと言うみたいね」

「そういえばキャロはちゃんとエリオに合流できたかな?」

「問題ないでしょ。脱衣所にすぐに向かわせたし…まあケイの馬鹿がキャロに変なことしなきゃいいんだけど」

「大丈夫だよ。あんな小さい子に変なことしないって」









   〜男湯 Sideケイ〜





「へっくしゅ…ああ〜…いい湯だ…」



湯に浸かっていたのにくしゃみをしてしまった。誰か噂でもしてんのか?

まあいいか…今はこの一時を楽しもう。

極楽極楽…



「き、気持ちいね//」

「うん」



なんだかんだ言って結局一緒に入ってるエリオ。

とりあえず目を瞑り続けて目にしない作戦に出たようだ。

だけどまだ顔が赤く相当照れてるようだ。まあがんばれとしか言えんがな。



「じゃあ俺は露天風呂に行ってくるな」

「じゃ、じゃあ僕も行く」

「あっ、わたしも行きます」











露天風呂に来たら男湯の露天風呂の隣に子供用の露天風呂があった。

12歳以下のみか…まあ全部の風呂入りたいとこだがしゃあねえか。



「エリオ君、あっちの方言ってみよう」

「ええ!?キャロ!?」



そう言ってキャロがエリオを引っ張って子供用の露天風呂に向かって行った。

エリオが俺に向かって何か視線を向けてくるので俺は



「行って来い」



と親指をぐっと立てて笑顔でエリオを送りだした。



「そ、そんな〜」

「何かあってのぼせたら運んでやるから安心しろ」

「安心できないよ〜」



そんな会話をしながらエリオは子供用の露天風呂に消えて行った。

さて…じゃあゆっくり夜空を見ながら満喫しましか。



今日の夜空はとても綺麗だった。

俺の家のある山の夜空とたいして変わらないほどの綺麗な星の数々、月明かりがさらにそれを引き立てるかのように

やさしく光っている。



はあ〜〜…これを極楽と言わずになんと言う。

銭湯サイコ〜〜







「うわああああ!!??」

「え、エリオ君!?ケイ兄さん!エリオ君が!!」



まったりしてたら子供用露天風呂からエリオとキャロの悲鳴がした。

俺はすぐに湯から上がり子供用の方の扉を開け



「エリオどうした!?」



そう叫んだ。しかしそこには



「「「「「「「「「へっ………」」」」」」」」」

「えっ……」



気絶していたエリオに、タオルで胸元だけ隠していた六課の皆さんとアリサさんとすずかさんがいらっしゃいました。

あれ〜…どうしてみなさんここに…



「あの〜なんでみなさんここに…」

「エリオとキャロの悲鳴が聞こえたから急いでここに…」



フェイトさんがそう答える。

あっ…そっちも同じ理由ですか。



「ねえケイ…また覗き?」

「ス、スバル落ち着け!今回も不可抗力で…」

「またってどういうことよ?」

「だからそれは騙されて…」

「というか貴様はさっさと出て行かんか!!」

「師範危ねえ!?俺の体的にも師範の恰好的にも!」



スバルとティアナさんに怒られ師範に殴りかかられた。

なんとかかわすが恰好が恰好のせいでとても目に悪い。いや…視界的にはいいんですが今は非常にまずいんですよ。



「…頭…冷やそっか?」

「文句はないよね?」

「あ〜ん〜た〜ね〜…」

「テメエいい度胸じゃねえか」

「あははははっはは、お、お腹がイタイ…あはははは!」



なのはさん、フェイトさん、アリサさん、ヴィータがものすごくキレていらっしゃる。

つうかはやてさんはこの状況を爆笑して傍観してやがる。



「と、とにかく俺は男湯に…」



戻ると言おうとしたら何かを踏んで俺はそのまま滑ってそのまま体が後ろに突き進む。

そしてそのまま何かとぶつかって前に倒れる。



「きゃああああ!?」



何にぶつかったのかと恐る恐る振り返ってみるとそこにはタオルが外れかけて胸を隠しているすずかさんが一瞬見えた。

だがその瞬間、何かが顔面に飛んできて俺はガードをしたが間に合いきらなくて半分ほどしかガードができなかった。

おもいっきり吹き飛ばされ風呂の飾り石におもいっきりぶつかり、そしてそのまま壁に激突しそのまま床を転がった。



「「「「「「「「「…………………」」」」」」」」」



あまりの惨劇に沈黙が起きた。

意識はあるし石への激突は受け身をとるためにわざと体を弾かせたのだが、そのまま壁に突っ込んでしまった。

床を転がったのは落ちたときの衝撃を和らげるためにしたのだが最初の殴られたのと激突のダメージはある。

それに受け流したと言ってもそこまでうまくもないので全身がものすごく痛い。



脳は揺れるし最悪だ…



「ケ、ケイ?だ…大丈夫?」



………



「スバル…大丈夫に思えるんなら眼科行って来い」



そう俺は不機嫌に答えながらふらつく体を起こす。

あー……マジなんか腹立つ。

なんでエリオを助けにきたのにこんな目に遭わんといかんのや。



「とりあえず目的の通りエリオを男湯に連れて行ってそのまま介抱しときます」

「えっ…それだったらシャマルもいるしこっちで…」



フェイトさんはそう言ってエリオを女湯の方で介抱すると言ったが



「女湯の方で目覚ますとショック受けるだろうからこっちに連れてきます。男にだって見られたくないところあるくらいわかるでしょ」

「そうね…のぼせてるみたいだし、冷やして飲み物を飲ませてあげてね」



シャマルさんもそう言ったのでエリオを抱える。



「はい、わかってます。じゃあ出ますんで」



そう言って女子陣の方をまったく見ないでエリオを抱えて男湯の方の扉を開ける。

横の方にキャロがいたので



「キャロはこのまま女湯の方に戻りな」

「えっ…でもエリオ君が」

「はあ…エリオは多分キャロを見て照れすぎてのぼせたんだろうから戻ってやりな」



なるべく不機嫌なのを見せないようにそう言う。

どの道キャロの服は女湯の方だし丁度いいだろ。



「それじゃあ戻ります。タオル姿見たのとすずかさんにぶつかって本当にすいませんでした」



後ろの方を見ないでそう言って出る。振り返ったら結局また見ることになってしまうし、顔をみせたくない気分だったのでそうしてしまった。

俺は男湯に戻るとすぐに更衣室にいって扇風機の前でエリオの体を借りてきた団扇で扇ぎながら介抱するのであった。





    



    〜女湯Sideティアナ〜





ケイは謝っていくとすぐに子供用露天風呂からエリオを抱えてすぐに出て行った。



「何よあいつ、感じ悪いわね」

「にゃはは…なんだか怒ってたね」

「うん…エリオも怒りながら連れていちゃったしね…」



アリサさんがさっきのケイの態度に怒ってなのはさんとフェイトさんが同意する。

でもフェイトさん、エリオを男湯の方に戻したのは多分正解だったと思いますよ?

女湯で目を覚ましたらまたのぼせそうですし…



「あ〜多分ミッドの方でいたずらとかし過ぎてストレス爆発したんやろな〜」

「はやてちゃん色々といたずらしちゃいましたですから〜」

「そうね…シグナムの件もはやてちゃんのいたずら的な部分もあったし…」

「けど逆ギレじゃねえかあれ」

「まったく…このくらいでキレるとはな」



あはは…私も結構殴ってたしあんまり怒れないかも…今振り返ると六課に保護されてからアイツ何されても文句は言っても

キレたりはしなかったから…やり過ぎたかしら…



「ケイ怒らせちゃった…」

「まあ結局覗いたみないなことはしてるんだしあっちも悪かったってことはわかってるみたいだからいいんじゃない?」

「それもそうなんだけど…やっぱり殴りすぎたかな…」

「まあそこはちょっと否定できないわね…」



この後みんなで話し合った結果とりあえずあれ以上は刺激しない方がいいだろうとなった。

はあ…あいつも相当手間掛かるやつね…

機嫌ちゃんと戻るかしら。











     Sideケイ





はあ〜……

やっちまった…俺が悪いのに逆ギレしちまった。

向こう相当怒ってるだろな〜、感じ悪いとも思われただろうな。



「ん…うんん…」

「おっ?起きたかエリオ」

「あれ?なんで僕ここに…」



とりあえず無事目を覚ましたエリオにここにいる経由を簡単に話した。もちろん殴られたことは省いてだが。



「なんで気絶したんだ?」

「ええっと…キャロと仲良く話していたら…」

「ふんふん」

「キャロのタオルが外れて慌てたら滑って頭を打って…のぼせかけてたから多分そのまま…」

「…………」



いや…なんとなく予想はできてたけど思いっきり当たってたか…

エリオをそのまま励ました後、更衣室から出て飲み物を買って、女子陣を待つことにした。

…出てきた瞬間殴られたりしないだろうな…









      Sideエリオ





「おばちゃんコーヒー牛乳2つね」

「あいよ。200円ね」

「ほい、エリオ」

「ありがとう」



お風呂から上がって飲み物を買いにきた僕たちだったけどケイ兄が少し機嫌が悪そうな感じだ。

何かあったのかな?



「ねえケイ兄?なんでそんな機嫌悪そうなの?」

「まあ風呂でいろいろあってな気にするな」



もしかして僕が気絶してる間に何かあったのかな…

そう考えてるとケイ兄が一気で牛乳を飲もうとし始めた。



「ケイ〜、エリオ〜おまたせ〜」

「ちゃんと反省したんでしょうね?」

「エリオ君大丈夫だった?」



一気飲みを始めたのと同時にスバルさんにティアナさん、キャロが更衣室から出てきた。



「うん…僕は大丈夫だけどケイ兄の機嫌が少し…」

「ぶっは!!風呂上りの一杯最高!もう一本行こう!」

「悪い…ってあれ?」

「なんか全然悪くないね…」

「むしろ良くなってるわね…」



コーヒー牛乳を一気飲みしたらいきなりいつもの調子に戻っていた。

しかもおかわりまで買いに行った…



「気にする必要なかったみたいですね…」

「はあ…心配して損したわ…」

「ケ〜イ!わたしも奢って〜」

「おう!任せろい!ティアナさんとキャロも飲むか?」

「あたし牛乳ね」

「じゃあフルーツ牛乳をお願いします」



もしかして風呂上りの一本のコーヒー牛乳で機嫌が完全に直ってむしろ良くなったのかな?

…すごい単純な気がする…





風呂上りの一杯を飲んでからみんなでスーパー銭湯を出たらロストロギアがサーチャーに反応したのだった。

そのまま六課全員で出動することになった。

ケイ兄は一応装備も何もないからアリサさんとすずかさんと一緒にコテージに戻ることになった。



よし、任務がんばるぞ!!







    Sideケイ







あ〜意外に早かったな、ロストロギア見つかるの。

とりあえずケガとかしないように祈っとくか。それくらいしかできんのがつらいけどな。



「じゃあ私は子供たちの面倒見なきゃいけないから帰るね」

「アタシもエイミィと一緒に帰るね〜」

「じゃあ私も帰ろうかな」



エイミィさんとアルフに美由紀さんはこのまま帰るらしい。

そう言って来たときの車に乗り込んでお別れの挨拶をして別れた。



「あっ、すずか。アタシ家に忘れ物したから取ってくるからケイと先に帰ってて」

「うんわかった♪」

「えっ…」



すずかさんと2人ですか!?

……命の危機来訪!!

ビービービー!!緊急警報発令!緊急警戒態勢に移行!!

身の危険!!身の危険!!

ケイ危険!!ケイ危険!!



「じゃあ行こうかケイ君♪」

「はい…」



そんな素敵な飾り笑顔で言わんで下さい。

怖さ倍増しますんで。













アリサさんと一時別れ、すずかさんとコテージに戻っている途中だが車内は無言である。

外は明るい街の明かりが過ぎていく。

俺の住んでいる田舎とは違って都会な感じがするのは光の多さからだろうか…

車はコテージのある山に入っていくようになりその光を高いところから見れるようになりさらに美しくなった。



「うわ〜すげえいい景色ですね」

「そうだね」



なんとか話を振るがすずかさんは前に顔を向けたままそっけない返事をする。

…さらに気まずくなっちゃいましたよ。

結局この後もこの沈黙が続いたまま車は目的地に進むのであった。







      〜コテージ〜





ぶっは〜〜〜!!息が止まるかと思った〜〜!!

あんな静かで重苦しい空気が結構続くんじゃ身が持たない。

ただ静かなのはいくらでも大丈夫だがすずかさんには何故か睨まれてるからな…

みんな戻って来てくれ〜



「ケイ君…ちょっといいかな?」

「は、はい何でしょうか!?」

「ついてきて欲しいの…」



そう言われ俺はすずかさんの後について行ったのだった。







 

      〜コテージ近くの森〜







すずかさんに言われついて行ったらそこはコテージの裏にあった森の奥の方だった。

虫の声と夜行性の鳥か…フクロウのような声も聞こえる。



大体1km程離れただろうか…すずかさんは立ち止まりこちらに顔を向けた。

その顔は深刻そうで、さらに敵意をこちらに今までと比べられないほど向けてきたのだった。



「…会ったときから敵意を向けてましたよね?」

「うん…」



すずかさんは俺の確認に静かに、そしてプレッシャーをかけるように返事した。



「何でかと聞いても答えてもらえますか?」



しばらくの沈黙が続く。

10秒だろうか20秒だろうか…そのくらいの沈黙が続きすずかさんはこう返事してきた。



「…もしかしてとぼけてるつもり?私には少ししか感じられないけどわかるんだよ?」

「えっ?」

「ケイ君…あなた…何者?」



すずかさんがそう俺に尋ねたと同時に周りの虫や夜行性の鳥の声は消え、静かに風が舞った。















〜あとがき〜







ぶっは〜疲れました!

キャラ数がとにかく多いドラマCDの話。

しかもこれからも増えるこれからの話。

正直扱いきれないだろうな……そうなったらごめんなさいしか言えないっす…

そうならないよう精進に努めたいと思います!



さらにシリアスを最初はこのまま書いて2話でCD編を終わらせるつもりだったのですが長さ的に別けさせていただきました。

すいませんです。

しかも3月末に引っ越しでネットを使えるようになるのに時間が…(泣)

アドも変更になってしまって変えなければならないんです。本当にすいません(ペコリ)

整い次第投稿をしたいと思います。

こんなですが見捨てないでやってください(泣)





    〜Web拍手返信〜





※ケイ、そこはソロモンよ、私は帰ってきたぁぁぁぁぁー、と言わないと。



>ガンダムですか!?スイマセン!!

自分SEEDからしか見てないっす!!

 OOも次回最終回…2期に続きますが早くみたいですね





※よしケイ、遊○王カードを買ってエリオとデュエルだ。



>ええ!?おかしいな…遊○王ネタ出したかな?

 書いたくせに気付いてない…

 それにしても懐かしいですね。自分もやりましたよ。

 親にデッキを捨てられましたがね。俺のカード、カムバーック!!







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