第十三話 太陽、いつも空から見守るものなの(後編)
 爆発か何かでそこかしこが陥没した道路に添って立ち並ぶ街路樹は、折れ曲がってから何年経っているのか枯れたまま朽ちていた。
 目に映るビルの中で割れないまま残っている窓ガラスはなく、ひどい物であれば根元から崩れ隣のビルにもたれる様に倒れているものさえあった。
 正常な人の営みが耐えて久しいゴーストタウン。
 そのゴーストタウンにあるとあるビルの屋上に、転送の魔法陣が浮かび上がり一人の魔導師の姿が浮かび上がり始めた。
 身の丈は百七十に到達しようと言う所であるが、その顔にはまだまだ抜け切らない幼さが現れていた。
 短く刈り込まれた髪は銀色、身に纏った金色のコートからさらに金色の翼と、なんとも目に優しくない出で立ち、管理局所属嘱託魔導師の大空あかねである。
「リインフォース、状況はどうですか?」
 転送直後、吹き荒れる風を一身に受けながら屋上の縁に身を乗り出し辺りを見渡したあかねは、抱えていた晴天の書を開きながら尋ねた。
『すでに街全体には武装局員による結界が展開されています。敵勢力の予測魔導師は五人、非魔導師は五十人。現在街の各所に身を潜めこちらの隙を伺っています』
 地球ではなく管理局が管理する世界の一国、さらにその一地方、そこが今回の現場であった。
 小規模組織によるロストロギアの不法所持に不法使用、組織の構成員の捕縛とロストロギアの封印と回収が任務である。
『我が主、今さらではありますがバリアジャケットのデザイン変更を進言いたします。毎回、毎回、こちらが敵を発見するより先に発見されてしまっています』
「気に入っているんですから、そう言わないで下さい。なのはやはやてからも絶対に変えるなと言われていますし」
『それは誰かれ構わず助けに行く天然王子様体質の主の行動を見越してのことです。正常な方はまずその姿に引きます。良い大人がキラキラの服装で、目立ちたがり家のお馬鹿に見えます』
「冷静に酷い事を言わないで下さい。シグナムさんとヴィータさんを足して二で割ったような性格になってきましたよ」
 何処までもついていくといった言葉は今でも継続中だが、三歩後ろを歩いていたのがいつの間にか正面やや上辺りから見下ろしてきている気がしてならなかった。
『警告、左手後方にて魔力の増大を感知。射撃、来ます』
「防御魔法展開、順次別方向からの射撃も警戒」
『プロテクション』
 大きな溜息をつこうとした直前に伝えられた警告に、あかねは意識を切り替えた。
 ビルの屋上に現れて以降、その姿とは裏腹に目立った動きをみせなかったあかねに痺れを切らした敵勢力の魔導師へと警戒を強める。
 ユニゾン中のリインフォースが防御魔法を展開した十数秒後、遅すぎる射撃魔法が一発着弾した。
 強固な防御魔法を前に、魔力の弾は爆煙を上げるよりも先に自壊して破裂するだけに終わっていた。
 魔力そのものも弱ければ魔法の構成も甘い。
 続いて反対方向に数発の魔力弾が着弾していくが、そのどれもたいした威力はなく、微震動さえも防御魔法の中に入って来ることはなかった。
『射撃方向から敵魔導師の位置を確認、マルチロック完了』
「魔導師を優先して捕縛してください」
『ロングレンジバインド』
 晴天の書が太陽の様な光を放ちバインドが発動した後、絶え間なく放たれていた射撃魔法が一斉に途切れた。
 放たれたバインドの数は、確認されていた敵魔導師の数と同じ五つ。
 全て捕らえ切れていればありがたいと、あかねはビルの屋上からさらに身を乗り出し辺りを見渡したが、申し訳なさそうな呟きが耳に届いた。
『申し訳ありません、一人取り逃がしました。その者が捕縛された魔導師と非魔導師を先導し移動を開始しました』
「潜伏中の複数人を同時捕縛は難しいので仕方ありません。追いますよ」
『はい、ジェットウィング』
 黄金の翼とコートの裾から炎が噴出し、あかねの体をビルの屋上から空の上へと押し出した。
 加速し、崩れたビル群の間を駆け抜けたあかねであったが、その足は直ぐに止まることとなった。
「動くな、管理局の魔導師!」
 元は行きかう人が絶えない賑やかな大通りであったであろう道の先に、数人の男たちが待ち構えていた。
 逃走から一転、叫びを上げた男の強気な態度には理由があった。
 ありあわせのガラクタを組み立てた様な移動砲台、その砲身があかねへと狙いを定め向けられていた。
 どう見ても一度の試射で砲台そのものが崩壊してしまいそうな印象であったが、その動力を考えると一概に馬鹿には出来ない。
 安全装置などというものがあるのかどうかも疑問であるが、砲台内部の魔力量が増大を始めていた。
『事前の情報通り、あれの動力が捜索中のロストロギアです』
「みたいですね。組織の規模が小さいわりに、今回の件がアースラに回されたわけです。封印作業に入ります。念の為、こちらも撃つ準備を」
『了解です、我が主』
 あかねが晴天の書を左手で開き右手を前に突き出すと、手の平の上に太陽の様な光を放つ巨大な魔法陣が展開された。
「おい、こらてめえ! こいつが見えねえのか。まずは降りて来い、デバイスを捨てろ!」
「言い分は後で聞きます。その砲台を使用すればあなた方の罪状が付与されます。管理局所属嘱託魔導師への威力行使、今すぐに停止させてください」
「舐めやがって、脅しだと思った自分を恨んで死にやがれ!」
 砲台内部で生成された魔力が砲身の先に集束し、巨大な魔力球を生み出し始めた。
 そしてあかねもまた、右手の平に展開した魔法陣へとより魔力を送り込み、小さな太陽たちを生み出し始めた。
 破壊の魔力を秘めたもの全てを消し去る絶対の太陽である。
『サンライトサウザンド』
 リインフォースの呟きにより、砲台が溜め込んだ魔力を撃ち放つよりも先に放たれた。
 あかねの手から幾千の太陽たちが一斉に放たれ、魔法の性質を知らない数人の男たちが砲台の周りから逃げ出し始めていた。
 同時に砲台にしがみ付き諦めなかった男の手により、砲台からも膨大な魔力も放出されてしまった。
 人一人では到底生み出すことの出来ない破壊の白光が一斉に太陽を飲み込み、威力を削られながらもあかねへと一直線に向かう。
 だがその砲撃を前にしてもあかねは退かず、目の前に展開した魔法陣からそれ以上の太陽を生み出した。
 破壊の光に消されても、太陽はまた生まれ、上る。
 決して途絶えぬ太陽がやがて破壊の光を上回り、砲撃を決行した男ごと砲台を飲み込みロストロギアの活動を著しく低下させた。
「セイブル、マジカル。捜索指定ロストロギアの封印」
『封印の準備完了』
「封印」
 炎の輪が幾重にも重なり砲台を取り囲むと、バインドの魔法の様に輪を縮め内部に納められたロストロギアを縛り始めた。
 稼動状態にあったロストロギアを停止状態へと向かわせ、容易に再使用が叶わぬように厳重に封印していく。
 もともと内部に溜め込んだ魔力をサンライトサウザンドで打ち消された直後と言うこともあり、抵抗もなく封印は完了していった。
「リインフォース、目の前の人が最後の魔導師です。バインドで拘束後、残りの非魔導師も」
『その必要はない、逃げ出した非魔導師は武装局員たちの方で取り押さえ中だ。目の前の男を拘束次第、お前の仕事は終わりだ。ご苦労だった』
 最後まで砲台にしがみ付いていた男をバインドで縛り上げていると、アースラからクロノの念話が飛ばされてきた。
『欲を言えば、相手が砲撃を行う前に終わらせて欲しかったものだ。君の魔法の威力は知っているが、過信は禁物だ。見ていてひやひやする』
『何言ってるの艦長席にどっかり座り込んで、心配なんてほとんどしてなかったくせに』
『エイミィ、滅多なことを言うな。僕は常にクルーのことに考えをめぐらせている。無駄口より、残りの敵勢力の索敵と武装局員の誘導はどうした?』
『リインフォースちゃんがやってるから、補足程度の情報しか渡せないのよね。お仕事なくなっちゃう、そうなったらどうしようかな』
 念話のみで二人の行動は見えていないのだがエイミィは艦長席に座るクロノを意味ありげに見上げている様子が容易に想像できてしまった。
 薮蛇になりそうなので、絶対に二人の進展具合を聞いたりはしないが。
『とにかく一度アースラに戻って来い。報告書は後で良い、今から急げばまだ午後の授業は間に合うんじゃないか?』
「授業に間に合っても、その内容についていけないと意味がないのですが」
 実を言うと、ほとんど付いていけない授業は苦痛でかなり行きたくなかった。
 なのはやフェイト、そしてはやてまでもが局勤めとなり方々で活躍していたが、あかねは一人その力の入れ方が管理局に大きく傾いていたのだ。
 一週間まるごと学校に行かないことも当たり前で、一時期クラスメートから引きこもりか不登校になったと勘違いされたこともあった。
『駄々をこねずに行きましょう。駆け足で大人にならないようにと、母上様からのお言葉もあります。それに皆様、我が主の登校を待っているはずです』
「どうせ今日の夜には皆で集まる予定なのに。解りました、行きますよ」
 駄々をこねたとまで言われては行かないわけにもいかない。
 あかねはリインフォースにお願いし、まずはアースラへと転移する為の魔法陣を足元に敷いた。





 最初は嫌々だったとはいえ、一度行くと決めたのなら昼の授業に間に合わせる。
 そう思って急ぎ転移転送を繰り返した結果、午後の授業に間に合いすぎてしまった。
 午前の授業が終わって五分と経たない頃、少しお昼休みに食い込んだ授業の最中普通にドアを開けた気まずさと言ったらなかった。
 お昼ご飯の為にと向かった屋上にてあぐらをかいていたあかねその時のことを思い出し、大きく溜息をついた。
 その手に持つお昼ご飯が購買のパンであることも微量ながら、悲しさを増大させていた。
「今までの遅刻早退の中でも歴史に残る名場面だったわよね。盛大に笑わさせてもらったわ」
「でもなかなか授業が終わらなかった所だったから、助かったよ。皆喜んでたし」
 仲良くなって六年経っても変わらぬアリサの容赦のない言葉と、すずかのありがたいフォローである。
 それぞれ成長し、特に長かった髪をばっさり切ったアリサは、最も昔と外見が変わっていたが中身は変わっていなかった。
「あかね君は何も悪くないのに、ちゃんとお仕事ですって言えたらのにね」
「です。アリシアちゃんの言う通り、あかね君は悪くないですよ。クラスの中で誰よりも良い子です」
「アリシア、ご飯ぽろぽろこぼれてる。ああ、制服の上に。ほらハンカチで口拭いて」
「リインも口にご飯詰め込んだ状態で喋ったらあかんよ。お行儀悪い子は食べさせてあげへんで」
 正座したはやてとフェイトの膝の上でご飯を食べていたのは、アリシアともう一人のリインフォースであった。
 いずれ消えると言ったゴールデンサンが三週間後には消え、G4Uをあかねから譲り受けたはやてが自分のリンカーコアを複製して生み出したユニゾンデバイスである。
 元夜天の書の主だったせいか、その姿は晴天の書となったリインフォースと背丈は違えど瓜二つで、名づけられる前から本人がリインフォースの名前を名乗っていた。
 同じ背丈であることや精神年齢が近いことからアリシアと特に仲良しでよく遊んでいる。
 ちなみに仲間内ではリインフォースとフルネームで呼ぶのが晴天の書のリインフォースで、リインと約すのが小さい方のリインフォースである。
「あかね君、ちょっと頑張りすぎだよ。もうとっくに保護観察期間は終わってるんでしょ?」
「そやな。シグナムたちも、保護観察終わってからも管理局へ協力は続け取るけど、その数も随分減っとったしな」
「そうなんですけれど。僕はまだ僕がなりたい自分を見つけられていませんから、それが見つかるまでは今のままですね」
 自分が時間をかけて成長すれば、追いかけていたはずの背中はもっと先へと進んでいる。
 立ち止まっている暇さえ惜しいと自分の気持ちを呟いたあかねであったが、目の前でアリサがデザートとして持ってきていたレモンの蜂蜜漬けを手につまんでいた。
 なにやら妙なデジャブを感じるている間に、アリサの手にあったそれが投げつけられた。
 リインフォースが主を守ろうと伸ばした手をもすり抜けたレモンの輪切りが、あかねの頬に吸い付くように張り付いた。
 あっと思い出し呟いたのは、その時その場に居たなのはとすずかであった。
「思わず懐かしいことしちゃったじゃない。二人はね、アンタのことも心配してるけれど、それ以上にもっとかまって欲しいの。わかるでしょ!」
「はあ……連絡はちょくちょく入れてますけれど、今こうして会ってますし」
「どうしてこう男は鈍感と言うか、女心がわかってない。見なさい、これを!」
 そう言って六年前にユーノから貰った腕時計型デバイスをアリサがいじくると、ユーノから送られてきたメールが映像にて映し出された。
「今月も半ばに入ろうって時にまだ二通ってどういうことよ。忙しいだろうからって私が気を使って日に三回に抑えてるからって!」
「無限書庫の司書は忙しいらしいから。以前たまたま会った時は、無限書庫と家の往復以外外に出られないって言ってたよ」
「ある意味で安心できる情報ありがとう、フェイト。でもそれとこれとは話は別。アンタ、なのはとはやてのこと好きなんでしょ。もっと気にかけなさい!」
 アリシアや両リインフォースが居る為に、小規模の結界を張っていて本当によかったと思ったあかねであった。
 幼い頃からの付き合いとは言え、紅一点ならぬ黒一点になっている自分には気が付いていた。
 さらにはやてとなのはの両方が好きだなどと、本当のことではあっても噂が流れては恐ろしいことになりかねない。
 思春期真っ盛りの男の怖さに背筋が凍りついたあかねであったが、アリサの言いたいことがわからないでもなかった。
 六年経ってもどちらが好きなのか答えを出せず、その上さらに二人を蔑ろにしすぎていた。
 ちらりと二人へ視線を投じてみれば、アリサの言葉を真っ向から否定も肯定もしていなかったが、念の為にその意志を尋ねてみた。
「もしかして僕もユーノさんの様に連絡を取らなさすぎですか? 寂しかったんですか?」
「普段からお母さんの所に行っとるし、寂しいのとは違うけど。もっとお話したいとは思っとる」
「私も、魔導師をやってるあかね君は好きだけど。もっと見て欲しいかな」
 出来るだけ控えめな表現で応えてくれたはやてとなのはであるが、それはあかねがこの場にいたからだろう。
 もしもいなければ、今しがたアリサがユーノへの寂しさを口にしたように、はっきりとした言葉で皆に相談していたかもしれない。
 六年越しの思いの積み重ねはあれど、愛想をつかされては堪らないと、あかねは手の中に残っていたパンを全て口の中に押し込んだ。
 良く噛まないうちに思い切って飲み込むと、直ぐに晴天の書を取り出した。
「リインフォース、お願いします」
「了解です、我が主。ユニゾンイン」
 一体どうしたのかと言う視線を向ける皆の前で、さんさんと輝く太陽の光に負けない輝きを持つバリアジャケットを身に纏い、翼を広げた。
 そしてご飯を食べ終わり、お弁当箱を片付け終わっていたはやてとなのはへと手を差し出した。
「今から遊びに行きましょう。こっちが駄目なら、ミッドチルダでも良いです。土日に休みが会うとは限りませんから」
「おお、あかね君悪い子やな。遅刻の上にサボり。生活態度を厳重に注意する為にも、まずはあかね君の行動を知らんとな」
「リインフォース姉様とお出かけですぅ」
 サボりと言う行動の罪悪感を薄める免罪符を口にしながらはやてがあかねの手をとると、なにやらリインまでもが諸手をあげて喜んでいた。
「気が引けるけど、私だけお留守番なんて嫌かも。アリサちゃん、すずかちゃん悪いけれど午後からのノートを取っておいて貰って良いかな?」
「いつものことよ。仕事に行くか、遊びに行くかの違いだけ。たきつけたのは私だしね」
「えっと、素直に行ってらっしゃいって言い辛いんだけど。楽しんできてね、でいいのかしら?」
 サボる友達を見送ると言う普段ない行為だけにすずかが迷いを見せていたが、あかねの足は既に屋上を放れ始めていた。
 あかねにならい、はやてもなのはもバリアジャケットを纏い、手だけは引かれながら自分の手で空へと浮かぶ。
「それでは大空あかねは、はやてとなのはを連れて学校をサボります!」
「行ってらっしゃい、あかね。はやてもなのはも後でお話聞かせてね」
「ええ、私たちは遊びに行かないの?!」
 なにやら自分まで行く気満々だったアリシアの叫び声が終わらないうちに、あかねは本当に二人を連れて空の彼方へと飛んで行った。
「フェイト、体貸して。私もあかね君と遊びたい」
「だからアリシア、勝手に私の体使っちゃ」
「ユニゾンイン!」
 またもや勝手にフェイトの体を拝借したアリシアが、あかねたちが飛んでいった方向を眺め空へと浮かびあがった。
「あ、ちょと待った」
「アリサちゃんとすずかちゃんも行く?」
「そうじゃなくて、今日は珍しく皆が集まる日なんだから、遅れない様にって伝えておいて」
 了解とばかりに敬礼したアリシアは、昼間の空に雷を走らせるように瞬く間に姿が見えなくなっていった。
 魔導師が一人残らず居なくなったことで結界が解け、昼の屋上に他にも居た昼食を取る生徒たちの喧騒が戻ってくる。
 すずかはまだ大っぴらなサボりをどう受け止めるべきか迷っていたが、その手は皆が残していったお弁当箱を回収していた。
「もう、後片付けもしないで」
「しょうがない、しょうがない。その辺は後でこらって怒ってあげましょう。あ〜あ、私もユーノと何処かへ遊びに行きたい」
 そう呟いたアリサに丁度良い所にとばかりに持たれかかられたすずかは、お行儀が悪いと思いつつも受け止め、自分もまた持たれかかっていた。
 四人のサボりに合わせ、少しぐらいならと自分のお行儀の悪さにも今は目を瞑り、暖かな陽気に任せ体の力を抜いた。
 自然と空を見上げる形となってしまい、青く広がる空の上で春の日差しを降り注ぐ太陽が瞳に移りこんでくる。
 もちろん長い時間直視などできるはずもなく、瞳を閉じては見ても薄い瞼を通して輝く太陽の存在を感じてしまう。
 光だけでなく暖かな陽気や、屋上をすり抜けていく風、ありとあらゆるものが太陽の存在を教えてくれていた。
「良い、天気。ね、アリサちゃん」
「そうね、ちょっと眠くなってきちゃった」
 本気で眠そうなアリサの呟きに、ほんの数分で避ければと膝を貸し始めたすずかはもう一度空を見上げていた。
 空の上では太陽が眩しく輝いており、遊びに出かけた四人にとって良い午後となりますようにと一人心の中でお願いしていた。

 

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