魔法少女リリカルなのは gdgd剣士の奮闘記 第6話 あっさりと終わる時もある
魔法少女リリカルなのは gdgd剣士の奮闘記 第6話 あっさりと終わる時もある
side-行長 修
で、現在俺はすずかの部屋の前にいるのだが、鍵がかかっていてどうするか迷っていた。
ノックはしたのだが、入ってこないでという返事しかこない。
(むー・・・すずかがこういう態度取る度にあのメタボ親父のポイントは降下していくからいいんだけど)
それでも頼まれた以上、俺としては会話したり、ゲームしたりして日常に戻したい。
だが、すずかは今は関わらないで下さいと言わんばかりの態度だ。
正直、どうすればいいのだろうか?
(あのオヤジ、マジで・・・いかんいかん)
どうしても思考があっちに行ってしまう。
今は月村 すずかという美幼女の心を緩和させないといけないのに、そんな殺伐とした思考はいかんよ。
原点回帰。原点回帰。
(すずかはどっちかというと殻に閉じこもるタイプだから、開けてもらわないといけない)
すずかを始めとした3人の親友の共通事項。
根っこの部分で繋がっているというべきか・・・
アリサにしたって、本気で意志を示したりすれば、きっと何も言えなくなってしまう。
あの娘はそういう類の娘だ。
なのはなんて言うまでもない。
あの娘はプラスして頑固な一面があって、結構歪んでるっぽいしなぁ。
可愛いんだけど、難儀な生き方をしているというのが俺の印象である。
そして、そんな3人にボーカロイドのコスプレをさせるのが今の俺の目標である。
初音 なのはと巡音 アリサ、弱音 すずかにしてやるという、俺のこの世界に来て、願った三つ目の夢を叶えてみせる。
あと、この3人に何人か友達できそうだし、そいつらも巻き込んでやる。
そんな野望を叶えるための、最初の一歩だ。
失敗は許されない。
(天岩戸作戦もありきたりだしな)
しばし、考えて・・・
(よしピッキングだ) ← (注:犯罪です)
こんな鍵・・・俺の技量ならば3秒かからん。
だが、鍵を開けるだけでは意味がない。
その後、すぐに行動しなければ・・・
(会話をするために、すずかの傷ついた心を温めないといけない)
やはり、温めないといけない。
うん。そうだ。これはセクハラではない。
(よし。抱きついて頬擦りしよう) ← (注:セクハラです)
やっぱり温めるには人肌だよね!
これで温まること間違いなし!
ついでに最初に願った二つ目の願いである『3人に抱きつく』もGETだぜ。
そのままなし崩しで会話に縺れ込んでやるぜ!
(では、いきぶべらっ!?)
ピッキングを開始しようとした直後、ドアが開いて、俺の顔面を強打した。
「ぐぉぉぉぉぉっ!? 痛い!?」
「何故だろう。今ね、思い切りドアを開けろって命令されたの」
「だ、誰にですか!?」
バカな!? すずか以外の気配は感じないぞ!?
俺に気配を感じさせないなんて、そんなのマジでありえないんですけど!?
「誰もいないよ。頭に何かが飛んできた感じかな」
「それ電波じゃないですか!?」
「でも、大正解みたいだし」
「し、失敬な!? まるで俺が不審者みたいな物言いに聞こえるぞ!?」
「そう言ったつもりなんだけど」
し、失礼な! 一体、俺のどこが不審者だと言うのだ!?
「うーん。なんかコスプレがどうとか聞こえたんだけど」
「はっはっは・・・そんなこと思うわけないじゃないですか」
「とっても白々しいよ」
っていうか、口に出してないのに分かるなんて、マジパねぇ。
「修くん。今、正直に言えばなのはちゃんとアリサちゃんに対しては協力を」
「あなたたち3人にコスプレさせようとしてました」
「するか考えようと思うの」
「しまっぷべっ!?」
ハリセンで叩かれた。
魅力的な提案だったので、確かめる前に飛びついてしまったぜ。
「うーん・・・いいよ」
「いいのかよ!?」
「わたしも見てみたいし」
普通ダメって言うよね!?
でも、僥倖だぞ!
俺の第三の夢はこれ以上ないほど順調に推移している!
「アリサちゃんのコスプレなんて種類豊富だよ」
「まるで用意してあるみたいなことを言うね」
「用意してあるよ」
「マジで!?」
「シャ〇にル〇ズ、ナ〇に紗〇まで!」
「そのコスプレに心惹かれる! 特に最後のに心惹かれる!」
最初の3つに比べると知名度はイマイチだが、メイドに心惹かれる。
ああ、俺はメイドが大好きですので
「でも、一番の目玉は『アル〇ォンス』です!」
「ええ・・・」
「勿論、鎧バージョンです!」
「どうやって作ったの!?」
「ファリンと一緒に頑張ったんだよ」
「ファリンさん。グッジョブです!」
ただのドジっ娘メイドじゃなかったんだ!
やっぱり何か特技あったんだ!
「今のままだとアリサちゃん、絶対に着てくれないと思ってたけど、今なら修くんもいるし着せれるね」
「着てくれるかな」
「だいじょうぶ。なのはちゃんを修くんが洗の・・・ゲフンゲフン。お願いすれば大丈夫。多数決だよ」
「待って!? アリサにも洗脳言われてるけど、すずかとはニュアンスというかベクトルが全然違う気がする!?」
この娘、何言ってんの!?
俺、なのはとは仲良いけど、そんなことしてないから。
「でも、すずかにそんな考えがあったとは」
「ふふー・・・女の子は本音を隠す生き物なんだよ」
「・・・でも、今は本音で語ってくれないかね?」
「・・・うん」
と、そんな感じですずかの部屋に入る事になりました。
「何を聞きたいの?」
「あのクソ・・・じゃない。叔父が言ってたけど
『そう簡単に幸せになれると思うなや』
とか言ってたけど、あれってやっぱ?」
「うん・・・」
「ああ、待ち待ち。細かい事は今、言いたくないだろ?」
そもそもさっきまで塞ぎ込んでたのに、そんなすぐに回復するかよ。
言いたくなるまで待つよ。
まぁ、あまりにもあんまりな状況だったら、強行手段は辞さないが。
「えっと・・・」
「すずかは何を言いたい?」
「・・・」
「最初に言っておくけど、全部受け入れるかはわからんぞ」
「・・・!?」
「当たり前だろ。なんでも受け入れたら、友達とは言えんよ」
人間とは基本的に話し合ったりして、時に受け入れ、時に反対したりするものだ。
だけど、反対しても友達なら自分と相手の意見を摺りあわせて、納得できる形にするものだ。
損得を抜きにしてだ。
損得が入ったら、取引とかそういう間柄だろう。
全部受け入れるのなら、馴れ合いとか『はい』としか言えないロボットとかそういう類だろう。
「全部受け入れる保障が欲しいのか?」
「・・・う」
「そんな関係はありえん・・・薄々分かっているだろう?」
「・・・でも」
「納得できるところは頷いてやるし、ダメなところは叱ってやる。怒らないといけないところは怒るし、嬉しい時は一緒に笑う」
この娘には笑って欲しい。
少なくとも、それは本心だが、もう一つの条件がある。
秘密。それがあり、それに縛られている限りはこの娘はいつか破綻すると思う。
「でも話してみて納得できなかったら、一緒に納得できる形を考えてやる」
「うん」
「おまえだけが納得できない。相手側だけが納得できない・・・そんな事になっても、また話せるし、一緒に話したという想いは変わらん」
友達と一緒に何かをしたということが重要だ。
例え、それが納得できない形だったとしても、何かを一緒にしたという事実は消えない。
時が経てば、考えが変わることだってある。
その時の答えを出すのは自分自身。
「てい」
「ちょ、なんで抱きつくの!?」
「とりあえず、すずかの感触を楽しもうと思います」
「どういう理由!?」
「俺が楽しむためとすずかを逃がさないためです」
「最初の余計だよ!? に、逃げないから放して!?」
「いやです。これで三人娘コンプだぜ!」
「なんかゲームみたいなこと言われてる!?」
放してほしいといっても解放などはしません。
「切欠がほしいというなら与えようと思います」
「それよりも!」
「抱きつかれるのが嫌ならば! この俺に事情を話せ! 話せば一時的に解放してやる!」
「脅迫!?」
我ながら最低なことをしていると思う。
でもやめない。
思っていたよりも良い匂いだし。
「話さないともっとエスカレートするぞ!」
「さ、最低だ!? ちょっと格好いいと思ったのに!?」
「友達からは『フラグを叩き折る男』と呼ばれる男だ!」
「よくわかるね!?」
「でも俺は友達を見捨てない。話し終わっても友達と思ってるならば、もう一度ハグしてやる」
そう言って、一時的にだが抵抗が緩まった。
すずかの顔に戸惑いとかが見て取れる。
「む、話さないというならば、さっき言ったエスカレートなこ・・・」
「話すからやめてー!?」
「了解」
今度こそ離れた。
すずかが呻いています。
「・・・のせられた気がする」
「うむ。そのために変態的な行動をしたのだ」
「絶対素だったでしょう!?」
HAHAHA・・・何のことやら。
でも、素だった以上、俺の言葉も紛れも無い本音なのである。
すずかも何となくだが、悟ってるっぽいし・・・
・・・俺への呆れじゃないよね?
「さてさて、聞きましょう」
「えっと・・・」
ようやくすずかというか月村家のお話に移るのでした。
大体予想通りだったというべきか、月村家は血を飲んで活力を得る一族でした。
でも、問題はですね。
すずかは血を飲むのはあんま好きじゃないみたいなんだ。
というよりも人と違うのが嫌っぽいね。
要するに割り切れないというわけだ。
「そういうことなんだけど・・・」
大人になればその手のことを割り切れてしまうとは思うんだが・・・
「俺から言わせれば、友達と美味しい餌は矛盾しないそ。すずかは別個に考えすぎだ」
「そんなわけ・・・」
「だって、俺の友達は俺の血が大好物だけど、いざという時には危険から守るために飛び出してくるぞ」
罠に嵌った時もギリギリまで力使って助けてくれたし。
まぁ、人間には人間の、人外には人外の理屈があるものだ。
「どういう関係なの? 前はセクハラしたとも聞いてるし、一度は殺されかけたとも聞いてるけど・・・」
「誠意を見せれば、関係は築けるんだ。どんなことしても」
「ものすっごい説得力だね」
失敬な。
精々、抱きついたり、抱きついたり、頬擦りしたり、ラッキースケベが多数発動しただけだ。
「そんなわけだから、自分なりに折り合いついたら、話し合ってみ」
「・・・うん」
「ま、焦るな焦るな。そういうのは時間が解決する時もあるから。流石に1年ぐらい経っても進展なかったら、経過聞くけどさ」
忘れて、忘却するのは無しね。
・・・そうだ。忘れていた。
「うりゃぁ!」
「だ、抱き着・・・ああ!」
「そういうわけです」
「そう・・・でも、これ以上は厳禁だよ!」
そんな訳ですずかからハリセン貰いました。
でも、笑顔だったから良しです。
という訳で退室するのですが、一つだけ宣言しておきましょう、
「まぁ、俺も一つ約束しようと思う」
「なにを?」
「・・・この話であのクソオヤジがまともな台詞を発することはない、ということを」
「なにをする気!? ホントに何をする気なの!?」
すずかが何かを叫んでいるが聞こえない。
俺は部屋を出ました。
で、3日後
朝の日差しがとても眩しい今日この頃。
そんな時に地元のローカル局のニュースで
「昨夜、脱税の疑惑で月村 安次郎容疑者が検察に書類送検されました。
また警察が駆けつけたさいに、何者かに暴行を加えられたと思しき状態で、発見されたとの情報も入っています。
本人に事情を確認した所『北斗は滅せず』などと口走っており、混乱した状態だったとのことです。
警察は暴行を加えた人物と脱税の証拠を送りつけた人物が同一人物の線と見て、捜査を進めています」
重苦しい沈黙が流れた。
「修くん、このマーガレット美味しいね」
「一緒に作ったんですよ」
「どんな果物でも作り方は一緒なんで試してみてくださいね」
「このレシピならわたしでも!」
「「「ムリムリ」」」
「ダメ出しされた!?」
「なんであんたらはいつも通りなのよ!?」
全然、重苦しくなかった。
「あんたでしょ!? あんたでしょ!?」
「さぁ? どこぞの正義感溢れる人が模倣したんでしょ」
「模倣だろうと何だろうと北斗神拳を模倣できるヤツがいるかぁーーー!?」
いやいや。あの手の人物は痛い目みないとやめないですよ。きっとね。
ちなみにこの事件だが、2chで結構な話題を呼んだらしい。
『北斗神拳伝承者』は実在するかという内容が
そして、この件が原因であの寮の住人も目をつけることになる。
後書き
こうして、横のつながりは広がっていくものです。
結局、安次郎さんはまともな台詞を吐かずに退場しました。
間違いなく、二度と登場しません。
みなさんもメタボなあのおっさんなんて二度と見たくないでしょうし・・・
では、拍手の返信です。
※iseizinさんへ ビバ変態wwwけしからんwwwもっとやれwww
もっとやってます。ヒロインだろうとおかまいなしです。
※iseizinさんへ 久しぶりに覗いたら復活していたでござる gdgd面白いですねリニスかわいいよリニス
更新遅れてごめんなさいです。リニスみたいなタイプ結構好きだったので、今も継続中っぽいですね。私の趣味は少し変わりましたが
※iseizinさんへ ああ、安次郎さんーーー\(○)/
ハハハ・・・結局、まともな台詞一つ無く葬られてしまいました。(死んでません)すずかとは仲良くなりました。
※iseizinさんへ ちょ、主人公何してんの!? ワロタww
正直、問題行動ばっかりだから、何を指しているのかがわかりません! なんとなく予想はできますが。
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