このSSはもし現時点の私の脳内設定でSTS編まで行ったとしたら? というif物の小ネタ集となっています。
つまり細かい設定は私のSSの状況によっては変更する可能性があり、そして矛盾点もあるかもしれません
それでも問題ない方はお読みください。
あと、時間軸はもの凄くバラバラですので、ご了承ください

魔法少女リリカルなのは Crossing of the Fate
特別編1 「if もしもsts編まで進んだら」


リィンとの会話(修羅場形成編)
時間軸:揺りかご破壊後
side - Emiya Shirou -

機動六課――時空管理局内での組織間の摩擦を軽減するために生まれた組織。

というのが、表向きの理由である。

裏では、ちょっとした事情があるのだが、それはそれ。

色々あったが、なんとか、機動六課はその任務を成功させることに成功したのである。

閑話休題







現在、機動六課には一人のアイドル的存在がいる。

まぁ、実際にはマスコットというか、正直な話、ちみっちゃい妖精の外見をしている女の子である。

その名は『リィンフォースU』。愛称はリィン。

彼女がニコニコと笑いながら飛ぶだけで、人は微笑を称えるようなそんな娘だ。

仕事振りも非常に優秀で、その短いと言っていい起動年数にも関わらず、書類整理も非常に優秀である。

のみならず、本人はユニゾンデバイス―融合騎ともいう―という特殊なデバイスで、他者と融合して、敵と戦うことが可能だ。

まだまだ勉強不足だが、それを補って余りあるほどの能力と努力を行うことができる非常に好感が持てる娘である。

そんな娘なのだが――







「う・・・う・・・! り、リィンは・・・リィンは・・・ダメな子なんです!」







泣きながら、仕事の書類と自分がいかに『ダメな子』ということを知らしめる文章を同時に作成していた。







一緒に仕事をしている面々がそんなリィンを見ていて、非常に辛そうにしていて、仕事になっていない。

一部では『うおおぉぉっ! り、リィン曹長がダメなら俺はどうなんだ!?』とか『はぁはぁ・・・リィン曹長の涙・・・!』とか
いう奴がいたが、ちょっと無視。
(とりあえず、涙うんぬん言う奴はあとで叩きのめしておこう。危険だから)

リィンがこうなった理由を俺は知っている。・・・というか、俺が原因なのである。







それは昨日のことだった。

俺とリィンはナンバーズが収容されている区間に向かっていた。

俺は純粋にみんながどうなっているかが気になったため向かって、リィンは他のメンバーが来れないため、急遽参加したのだ。

ちなみに、一部・・・というか半数ぐらいのナンバーズとは友人関係を築けていると思う。

俺が経営している店にバイトに来てくれることも多いし。

店の手伝いは社会勉強の一環も兼ねているため、俺の店が採用されたということだ。

そうそう。店は翠屋2号店なのであしからず。

ナンバーズが手伝うと忙しくなるが、そのおかげで店は充実している。

現在ダントツで一番手伝いにくるのが、チンクであり、大分離れて2番目がウェンディで、3番目がディードである。

・・・ディードだけは、手伝いの後に剣の修行に移行するけどな。

そういえば、何故かDrは行動を起こす前から、俺の店に来て、コーヒー飲んで人生相談されたことがあるが、それはそれである。

見た目、年下の俺にそんな相談するなよ。と、何度も思ったのはいい思い出である。

またも閑話休題。

恒例なイベントであるリィンとアギトの口喧嘩が始まったのだが、その際に







「へ! まだ、シロウとユニゾンしたことないんだろ!」







と、言ってしまい、リィンが反論するが、それは事実。

実はリィンが1歳の誕生日の時のことだ。夢・・・というか目標で







「リィンはいつか士郎くんとユニゾンします!」







と、宣言したのである。

そして、その目標は俺が忙しかったこともあり、果たされなかったが、リィンはずっと努力していた。

調整は特に念入りに行っていたし、いつでもユニゾンできるように訓練もしていた。

だからこそ、俺もリィンのためにお弁当作ったりしたり、可能な限り一緒に居た。

俺の頭の上でリィンが幸せそうに眠るのも日常茶飯事だったしな。

そして、その目標は六課の新人やロングアーチスタッフ、その他の場所でも公言していた。

六課があるうちにユニゾンするという風に意気込みも感じていた。

が・・・その、色々あってアギトとユニゾンしちまったのである・・・いや、マジでごめんなさい。

「あたしはあの時にユニゾンしたぞ!」

という、アギトのトドメの台詞を聞いて、リィンは固まってしまった。

・・・と、まぁ俺がユニゾン後に報告を忘れていたため・・・リィンは今の状況になった。







場面は戻る。

未だにリィンはそのことを引き摺っており、それに全員が引き摺られて、暗い。オフィスが暗い。

・・・うん。今回は完全に俺のミスだ。

だから、誠意を持ってリィンに謝ろう。

それに、リィンとのユニゾンもして・・・そうだな。誘ってみるか。

俺はリィンに近付いて

「リィン」

「う・・・ううっ・・・」

「悪かった。お詫びとして、今度の休日『デート』しないか?」

空気が凍ったような気がした。

「・・・え?」

「いや、デート。リィンが前々から行きたがってた遊園地に一緒に行かないか?」

あれ? なんで、なのははレイジングハートを構える?

フェイトもバルディッシュを構えない!

はやてはヴォルケンズを呼ぶんじゃない。

スバルは乖離剣のごとくリボルバーナックルが回転してるし、ティアナは『ふふ・・・脳に直接作用する幻術覚えたんですよ。教官』ってなんだ!?

そんな全員の状態を無視して

「・・・いいんですか?」

「もちろんだ」

「・・・お昼ご飯は?」

「リィンの好きなおかずを厳選してお弁当作る。それが嫌なら、おれがお昼ご飯を奢る」

「・・・ジェットコースター乗りたいです」

「その時はユニゾンして、一緒に乗ろう。感覚を共有すれば問題ないだろ?」

そう言うと







リィンの笑顔が花開いた。







そして、その笑顔を見てオフィスが明るくなり

・・・何故か、なのはたちがすっごく気不味げに視線を逸らした。

・・・まるで、自分自身を否定するかのように

そんな訳で今度の休日はリィンとデートすることになった。







結局デートはエリオとキャロを連れたダブルデートになったが、エリオを追ったルーテシアとガリューが乱入して大騒ぎ。

とどめに六課の面々、ナンバーズの半数以上が乱入して、遊園地の大部分が破壊されてしまい、営業停止になった。

その翌日、俺がリンディさんに直接交渉し、関係者全員の休暇を強引に取得させ、関係者全員『偽・マグダラの聖骸布』で食堂前で縛り付けて晒し者にした。


ちなみに首からぶら下がっているプラカードにはこう書いておいた。







『私たちは時空管理局の局員でありながら、遊園地を営業できなくなるまで破壊してしまいました。ごめんなさい
 P.S エサは与えないでください』







ちなみに過去に縛られたことのある面々はフェイトを筆頭に体の震えが止まらなかったそうな。

・・・ルーテシアやナンバーズもプラカードの内容を若干変更して、同じ様な状態となった。

とりあえず、こんな感じで六課は今日も運営されている。







議題2『アサルトフォース』
時間軸:士郎が管理局に協力するようになってから(時期未定)

紆余曲折があって、俺も管理局の仕事を手伝うようになった。

なのはやフェイト、はやてからの勧誘を振り切って、俺も仕事をすることになった。

俺の仕事は多岐に渡っているが、今回はその中の一つである『魔法が使えない局員の戦力増強』を紹介しよう。

時空管理局を調べて思ったのは、意外にも魔力が備わっていない人材が半数近いということだ。

さらに言うと、魔力が備わっていても攻撃魔法を持っていない人もいるのである。(具体例はユーノだ)

そして、それは地上部隊ほど顕著となっている。

レジアス中将がなんとか頑張っているが、空や海に引っ張られてしまうこともあり、慢性的な人手不足だという。管理局全体に言えることだが。

そこで、俺はプランを提出してみた。

『S.D.S.Cプラン』・・・『特殊デバイス鎮圧部隊』の頭文字を繋げた特殊部隊である。

当初は俺がレアスキル(対外的にそう認定された)持ちだったので、感触が良くなかった。

だが、1年以内に形にしてみせるということを伝えて試験的という形で承認された。







で、だ。この場合問題となるのが、特殊デバイスである。

魔力がない地上部隊の人間でも使用できるものを提供しなくてはならない。

故に徹底的に無駄・・・どころか普通のデバイスで必要なものも若干排除している。

まず、アームドデバイスであること。これにより、他の演算等も必要最小限しか搭載しないようにしている。

ちなみに性能的に近代ベルカ式である。

そして、このデバイスの最大の特徴というか、欠点が遠距離攻撃が全くできないことである。

魔力がない以上、半端な遠距離攻撃は邪魔なだけだ。だからこそ、格闘戦用のデバイスという形になった。

だが、いくらなんでもそれだけで運用できるわけがない。

そこで登場するのが俺の『強化』である。

色々合って手に入れた俺のデバイスが『強化』魔術を検証、解析を行い、(擬似的にだが)特殊デバイスが『強化』を再現させるのだ。







無論、ベルカ式の騎士も似たような魔法があるが、この特殊デバイスはそれのみに特化しているのである。







故に身体能力強化に関しては普通の魔導師よりも凌駕するはずだ。

その応用で特殊デバイスは魔法を弾く処理が行われているが、それも同時に強化されている。

理論的にAAランクの魔法でも通用するとのことだ。(肉体面が完全の必要があるようだが)

身体能力の強化とその反作用の抑制、そして一瞬だがバリアジャケットさえも弱めるという効果。

量産にしても、デバイスが高価な理由は複雑な演算処理能力にあるのだが、その点を排除しているため比較的安価。
(今回は、試作品ということもあり各々の特徴に合わせて作ってある。そのためにちょっと高価だが)

だが、この特殊デバイスは持ち手を選ぶ。生半可な腕前では逆に撃墜されるだけだ。

当然だが魔法を弾く場合、一定水準を超える格闘能力が必要な点である。

シグナムや恭也さん級とは言わないが、それと打ち合える程度の格闘能力は絶対必須なのだ。

(ま、問題ないだろ。この部隊の練度を考えると)

陸士108部隊。情報収集力も図抜けていて、不正規戦でも中々の練度を誇る部隊である。

指揮官はゲンヤ・ナカジマ三佐である。

「で、誰に使わせるんだ?」

「とりあえず、候補は見繕ってます。というよりも、この人たちなら戦い方で教導隊にも勝てるかもしれません」

「・・・本当か?」

「もちろんです。とりあえず半年で基礎をなんとかして実戦投入ですね」

「あまりムチャはするなよ」

当然ムチャをする気はない。

部隊の目標として全員生存を目標としているので、生き残ることに特化させようとも考えている。

元々、この部隊はかなり訓練も厳しく行われているため、罠の対処等を教える必要がない。

これに俺の世界の武術の技法を教え込めば、いい感じになるだろう。

「そうか。ま、俺としても部隊を強化してもらえてありがたい」

「任せてください。この部隊を『陸の教導隊』にしてみせますよ」

俺は太鼓判を押した。







半年の特殊訓練後、実戦投入された。結果はというと大成功である。

何しろ、選抜メンバーは初めての実戦でも物怖じしないどころか、自ら率先して突撃をして士気を盛り上げ、他のメンバーにもそれが伝達された。

この実戦が通称『陸の教導隊』『アサルトフォース』の始まりの一歩である。

・・・ちなみにこの件で俺はレジアス中将に評価されることになった。







議題3 八神はやての華麗なる一日
時間軸:六課設立後 1〜2ヶ月程度

八神はやてを一言で形容するのは難しい。

対外的には『夜天の主』と呼ばれ、その名前に恥じず、軽やかに出世コースを直走する女性である。

身内の評価としては、母性本能溢れる女の子という評価がしっくりくる。

・・・女性の胸が好きな点についてはノーコメントだ。多分、足りてな・・・いや、なんでもないです。

まぁ、そんな才媛が現在長を務めるのが、ここ機動六課である。

本部に出向いたり、査察を受けたり、教会に出向いたりと忙しく、そして精力的に働いているのだ。

・・・の割りに影が薄いとか言うな。・・・俺にトバッチリがくるんだから。

そして、現在俺はそのお供として付き従っている・・・のだが







「おい・・・なぜ、執事服を着ないといけない?」







「うーん? 上官に向かってその言葉遣いはどうかと思うんやけど?」

ぐ。都合が良い時だけ、上官の権限を使うとは・・・!?

俺はと言うと現在誰が見ても―多分、百人中九十九人は―執事の姿そのまんまである。

「まぁ、面白いというのが理由の一つなんやけど」

「他に何かあるのか?」

正直、小学生時代から結構着ているから、そこまで抵抗はないが、それでもこの場で着ると恥ずかしいのだが

何せ、カリムやシャッハが見てるし。

「で? 何故俺は執事服なんだ? 普通に制服でも問題ないと思うが?」

俺の所属は色々と曖昧だ。色々な部署を出入りしている関係で制服が5着近くある。

流石に店の制服を着るなどということはないが、これはさらに酷い。

確かにキチッとしているが、紛れもない私服である。

「いやな・・・今、士郎くんの立場は微妙でな」

「? なんでさ? 問題行動は起こして・・・ないとは言わないが、そこまで問題になるようなことはしてないぞ」

上官の命令無視して、人助けを優先することもあるが、なんとか結果で帳消し(・・・なってるといいな。うん)しているはずだ。

はやてとカリム、クロノとヴェロッサまで『はぁー・・・』と溜め息を吐いた。

「あのな・・・士郎くんは現在、ある意味で一番の重要人物なんやで」

「ごめん。ホントに意味がわからない。最初から解説してくれ」

全員から受けた説明を要約してみた。

現在、俺は立場的には中立のスタンスである。六課に在籍しているが、色々と動き回っている関係で中立と思われているとのことだ。

問題はここから。そう色々と動き回っている関係で、俺の組織内ではこのように評価されているとのことだ。

以下、簡単に書こう。

・『陸』においては、通称『アサルトフォース』を実用段階まで持っていき、八神はやてと交友がある教官
・『海』においては、『クラウディア』の武装局員を指導し、フェイト・T・ハラオウンとクロノ・ハラオウンと親交がある腕利き魔導師
・『空』においては、『教導隊』の隊長と互角以上に渡りあい『あの』高町なのはを短期間で戦闘できるようにした最強の騎士
・聖堂教会においては、独立で動ける(色々あったんだ)権限を持つ、一説には最強の異端騎士

とりあえず凄まじい誤解があるな。

確かに交友関係は事実だが、ちょっと誇張がある。

『アサルトフォース』のメンバーは個人個人の能力が凄まい奴らが沢山いただけだし(一刀両断の人や分の悪い賭けが大好きな奴etcetc)

『クラウディア』の面々は俺の魔導師ランクが低くて舐められた。そのためにフェイトが暴発したので、なるべく傷つけないように止めただけだ。

『教導隊』の隊長はなんとか引き分けに持ち込んだ(ちなみに強さはシグナム級)だけで、なのはは何もしなくても勝手に強くなっていただろう。

独立で動けると言っても、カリムの許可がないと戦闘するのも原則禁止されてるんだがな。

だが、そんな状況でも他者から見ると







三界全ての主要部隊を動かせて、聖堂教会で特別な権力を持ってる人物に見えるらしいのだ







・・・不覚にも話を聞いただけだと、そう聞こえるから非常に不思議だ。

「で、執事服には何の意味があるんだ?」

「え? そんな凄い人物がまさか執事服を着るなんて想像さえできないからに決まってるやん」

・・・自制が上手くできてないのかもしれん。アイアンクローを仕掛けようとする自分がいるから。







で、俺はと言うと『弟子4号』であるシャッハの紅茶を味わっている。ちなみにこの場合、俺がシャッハに紅茶の入れ方を指導したからである。

むぅ・・・素晴らしい。始めて会った時も素晴らしかったが、今の味を見ると桃子さんにも引けをとらん。

ちなみに、シャッハ以外の弟子は戦闘関係だが。(ちなみに1号はなのはで2号はフェイトだ。こう言うと何故かなのはは喜ぶ)

まぁ、報告会と言っても正直気安い関係の面々なので、普通に楽しいお茶会になってしまうのだが。

で、俺はクッキー焼いたり、タルト振舞ったりするんだけどな。

お茶会が終わって、今度は地上本部に行って・・・まぁ、あまり友好的ではないが友好的に振舞った対談をしたと言ったところか。

やっぱりというか、年若い女性が作った部隊だけあって、嫌味が凄い。

ちなみにセクハラ行為をしようとした男共がいたので、そいつは殺気をプレゼント。

気付かなかったら(脅迫)写真を。それでも引かなかったら拳の追加プレゼントをくれてやった。

ちなみにはやては嬉しそうに『ありがとう』と言ってくれた。

で・・・何故かお洒落が必要な飲食店に入った。







「今日はありがとうな」

「・・・もしかして、ここに来たかったからこんな格好させたのか?」

俺は変わらずに執事服だが、所々デザインが凝っており、見る人が見れば超高級品であることがわかるらしい。

俺にはさっぱりわからんが。

はやては何故か仕事着。

「あはは・・・ホンマはドレスが良かったんやけどね」

今回はほぼ休憩無しの行脚だったのだから仕方ないか。

とはいえ、見てみたかったのは俺の男としての本音である。

・・・俺が化粧を行わないといけないが(注意:なのはたちはパーティ用の化粧できないので、士郎がやってます)

「うーん・・・ま、ええやん。ここの料理一度食べてみたかったし」

「はやてのお薦めだろ。だったら、美味しいだろ」

はやては俺の料理の理解者であると同時にライバルである。







「うん。そうだな。これからもずっと料理の腕を競い合いたいな」







と言ったら、何故か客とウェイターが『おー!』と叫んだ。

はて? 俺は何かおかしいことを言っただろうか。







「・・・・・・皆さん。この人は天然なので、深い意味はないんです・・・悲しいことに・・・
 そして、何人もの女性に対してこういう言動をするんや」







そうはやてが伝えると、はやてに哀れみの視線が、俺には敵意の視線が向かってくる。

だからなんでさ?







結論から言うと、美味しく料理を頂いて、はやての住居にエスコートして俺は帰宅した。

翌日、なのはとフェイト、そしてスターズ分隊(弟子5号と6号)にはどこに行ってたかを激しく(魔法込み)で追求され
ヴォルケンズには何故何もしなかったかを追求された。

・・・危なかった。もうちょっとでリンカーコアをぶち破られていた。







ちなみにはやてさんは

「・・・うう・・・チャ、チャンスやったのに・・・」

と、落ち込んで

「・・・あたしと結婚すれば、シグナムとシャマル、ヴィータも手を出し放題やのになー」

・・・はやてさん。貴方は色々と間違ってます。







議題4 翠屋 ミッドチルダ支店の1日
時間軸:六課解散前

本業の傍らで開業したこの店。

この店の本当の目的は情報収集のためである。

他愛もない噂が跋扈するが、その中でも色々な噂は蔓延するのである。

ある高官の脱税や汚職。何も地球だけで存在しているのではない。

ミッドチルダにも当然のことながらあるのだ。

情報を吟味して、そこから真実に到達する。

とはいえ、別に飲食店にする必要は全くなかったのだが、俺がゴリ押しして飲食店にしてもらったのだ。

・・・要は完全無欠に俺の趣味の店である。

「さて、と。久しぶりに店に出るか」

この店の責任者は俺だが、俺は本来なら管理局側に所属している人間のため、代理店長を雇って運営している。

とはいえ、時間が空いたら極力店で料理している。

教えるべきことは色々あるわけだし。

「あ、店長。今日はどれくらいまでいますか?」

「今日は1日大丈夫だ」

そして、明日はオフの日であり、暇だったら手伝う旨を伝えた。

仕入れた材料を確認し、何をランチにするかを決定して、店内の清掃を開始した。

「・・・す、すまん。遅れた」

「・・・毎度のことだけど、ランブルデトネイターを使ったんだな。チンク」

社会勉強の一環として、ナンバーズは俺の店でバイトをすることが多々ある。

今回もチンクのようだ。そして、後ろには

「店で会うのは久しぶりっすね」

「・・・お前らはここに来る前は必ず戦闘になるのか?」

ボロボロのウェンディがいた。

チンクも顔には泥がついており、髪もちょっと焦げ付いていたりする。

「ちょっと遅れてもう一人くると思うっす」

「戦闘能力だとディードが有利だから、やっぱりディードかな」

最近になって弟子入りした『弟子7号』を思う。

前の状態だったらどうかはわからんが、俺の剣術指導で腕が上がっていることもあり、ディードが有利だと思っている。

ディードとは色々と戦い方が違うのだが、何故か俺のことを慕うのである。

ちなみにバイト回数が一番少ないのはセイン。最初の頃はIS使っていたのだが、気付かれてからは最初に集中攻撃を食らって下位で離脱する。

・・・あの面子の集中攻撃を受けているのに、ビリではないというのは恐ろしいと思う。

「まったく・・・君たち姉妹は物騒な喧嘩をす・・・」

「ディードに気配を――ISとかなし――で完全に殺して、後ろから不意打ちを仕込んだのは誰だ?」

「さて・・・俺は料理の仕込みをするから、君たちは着替えて店内の掃除をお願いする」

後ろでチンクの非難轟々な視線を極力無視して、俺は仕込みに戻っていった。







本日も満員御礼だが・・・今日は何時にも増して客が多いように思える。

その一翼として

「・・・まぁ、可愛いしなぁ」

「し、しみじみと言うな!」

「嬉しいっす! 付き合って欲しいっす!}

「・・・師匠なら問題ない」

チンクは顔を真っ赤にして怒鳴る。まぁ、それすらも「おお!? つ、ツンツンしてるぞ!」と客を煽るだけだし。

ウェンディは自分を大事にしなさい。そして、そんな台詞を店内で言うのはやめなさい。

ディードさん? 貴方は何を想像してますか? 無表情だが顔が真っ赤だぞ?

ちなみに、3人とも俗に言う『メイド』さんの格好をしている。発案者は桃子さんとリンディさんである。

俺の趣味は・・・入っていないとは言わないぞ。

正直似合っている。3人の姿をずっと見ていたいぐらいに。

「それにしても・・・チンクは始めの頃は『メイド服なんて以ての外だ! 違う服にしろ!』って言ってたのに・・・変われば変わるものだ」

「あれ? そうなんすか? 今じゃ気に入って収容所でも・・・」

「そ、それを言うなー!?」

「・・・この前師匠がプレゼントしたぬいぐるみを抱いて日向ぼっこしてました」

「ディードー!?」

ディードも段々と感情表現が豊かになってきて、お兄さんは嬉しいよ。

顔が紅くなると見惚れるお客さんが多いし。

だが、チンクが震えている。

これ以上からかうと店が営業停止になるかもしれん。・・・理由は謎のガス爆発ということになりそうだ。

「では、今日も1日頑張るぞ」

「「おおーーっ!」」

「ちょ!? ま、まて・・・私を無視するな!?」

こうして、今日も翠屋2号店の1日が始まる。







で、店をやればやるで・・・

「何故、お前らがここに来る? 弟子1号と2号」

「ひどいよー・・・士郎くんの作ったご飯が食べたいからだよ」

「そうだよ。ホントははやても一緒のはずだったんだけど、急なお仕事が入っちゃって」

ま、いい・・・

「ふん。水だ」

チンク? もうちょっとニコヤカにできないのか?

あれ? なんで、なのはとフェイトは怖い笑顔になるんだ?







「士郎くん・・・もうちょっとメイドさんの教育はしっかりしないと」

「そうだね・・・でも、この前もこうだったからクビにしないと」

「ふん・・・喫茶店のマスターに色目を使うような輩に遠慮は無用だ」







あれ? なんだろう? とっても危険なフィールドになってる?

ちなみに







「あたしとしてはチンク姉に頑張ってもらおうと思ってるっす」

「・・・それで2号さんになる」

「あ、ずるいっすよ。あたしが2号っす!」

「・・・なら、3号で」

「そこのあたりはみんなと相談しないと・・・」







ウェンディとディードは遠くでヒソヒソ話をしている。

何を話し合ってる? ともかく

「こら」

「いた!?」

「お客様にそういうことを言ってはいけないぞ。それに色目云々は君の妄想だ」

「そ、そんなことはない!? 私とこいつらは同類だ!」

言って、なのはとフェイトを指差す。刺した先は胸部だった。

・・・同類? ・・・3人の胸部を見比べて

「・・・ふ」

「覚悟しろ。今なら嘗てないほどの威力が出せる気がする・・・貴様の頭だと特にな」

「ごめんなさい」

今のチンクは怖いです。







未だに口論が続いている3人。

とりあえず俺が触らなければ何も害はないので放っておいたのだが・・・

失敗だった。







「わたしは士郎のおかげでシャンプーハットを使う必要がなくなったぞ」







やっばい気がするなぁ・・・

これって・・・もしかして







「ふーん・・・士郎くん? それってチンクと一緒にお風呂に入ったってことかな?」

「・・・へー・・・そうなんだ」







「ち、違!? 誤解だ!?」

確かに俺がチンクの髪を洗って、シャンプーハットを使う必要がなくなったらしい(趣味で偶に使うらしい by ウェンディ)が、なのはが言うような事実は欠片もない!

俺は美容院の真似事をしただけだぞ!?

だが、チンクは更なる追撃。







「髪を洗っている最中にシャンプーで滑ったのか、上半身に手が触れたな。その後は・・・ふ、秘密だ」







何故かアダルトな笑みを浮かべて、話を打ち切った。

いや、確かに滑ったが肩に触れただけなんだが・・・とにかくやばいっす!!?(ちょ!? それあたしの!? などと言うのが聞こえるが無視)

すでに二人は顔を真っ赤にして、俺を睨んでいる。

・・・俺は近いうちに親父と再会するかもしれません。







で、誤解が解けたのは六課による強制模擬戦が終了した5日後のことだった・・・

その際に、今回のバイトメンバーが俺の看病をすることになった。

「邪魔者もなく」

「・・・一緒にいられて」

「役得っす!」

・・・こいつら。別の意味でも強くなってやがる・・・







END







後書き

・・・・・・やっちまった感が否めない!

まだ無印編なのにsts終了後っぽい編を何故やっちまったのか私には理解できません! 自分のことなのに!

そして、私はまだ部分部分でしかsts見てないのに! (重要っぽいのは見てますが)

故にナンバーズの言葉遣いとかが間違っているかもしれませんが、その場合は修正したいと思います。

・・・戯言はともかく、今回はタイガー道場はありません。

タイガー道場は本編の時のみ行いたいと思います。もしも、パラレル編でも見たい方がいましたらお知らせください。

次回以降は対応したいと思います。

次回の本編更新ではしっかりと掲載したいと思います。

では、13話の拍手の返信です。

>Stage11で士郎がクロノを投げた時の場面のアースラ視点を読んでみたいので小ネタ書いて欲しいです。
会話のみですが、こんな感じです。



エイミィ:二人の魔導師がロストロギアに接触します!

リンディ:クロノはどうしたの?

エイミィ:現場に急行して・・・あ、到着しまし・・・

士郎:悪いな! クロノ!

クロノ:なに?

クロノが全力で投げ飛ばされました。

全員(リンディとエイミィ除く):え・・・ええええええええっ!!?

リンディ:あらあら・・・

エイミィ:あの男の子・・・やるね(ぐっ!)

こんな感じです。この時からエイミィさんは士郎のことを気に入りだしました。

>黒鍵で思い出したけどクロノはシールドで攻撃を防いでも鉄甲作用で飛ばされそうだと予想してみる。
>後、高町家に鉄甲作用を教えたら飛針が牽制用が凶器に変わりますよねw
吹っ飛ばされるでしょう。決定的なダメージにはならないと思いますが。御神の剣士に教えたら? ・・・『徹』+鉄甲作用・・・なんて恐ろしい

>ギャグ重視の士郎はとてもいい。 おもしろいんですね 面白かったです
結構受け入れられてるんでしょうか? うちの士郎くんは。ありがとうございます

>いや〜いいですね〜。あなたの小説は本当に最高ですよ
これからも鋭意頑張りますが・・・今回がこんな内容で納得してもらえるのでしょうか?(汗

>凛達がリリカルの世界に来たら、士郎はすごい修羅場に遭遇すると思うなww
>このまま、みんな巻き込んでハッピーエンドになったら面白いなww
>A.s編 StS編でもフラグ立ててハーレム目指せ士郎君
修羅場は確定です。ただしFate勢は『大人』な関係が多いので押し切るかも。まぁ、凛が来たら一つの決断を迫られると思います

>士郎カッコイイですね♪これからも頑張ってください
ギャグとカッコ良さの両立が難しい・・・というか正反対だと何話か書いててようやく気付きました。書く前に気付かないとな・・・

>お兄さんからは一言だ!!Nice士郎
やっぱり主人公は目立たないといけないと思います。それが現れたからだと思ってます。ありがとうございます。

>士郎は非殺傷設定何て便利な機能無いからなぁ、書くほうも大変そうwwがんばってください
リリカル見て思ったのは、なんて便利機能なんだ。という感じでしたね。士郎は技術で頑張ります

>クロノVS士郎は、まぁ予想通り士郎の勝利。いやぁ、早く士郎の全力全壊が見たいですね!
士郎が全力全壊になった場合、何が投影されるのか・・・『偽・螺旋剣U』は確定。状況次第で『勝利すべき黄金の剣』が・・・

>すずか外伝に期待大! 士郎のフラグ伝説が始まる
こんな感じになりました。次こそは本編を更新したいと思います

>クロノの台詞で「まて、まだ…瞬間移動もどきはなんだ?」とありますが、閉じカッコがありませんよ。
了解しました。後日修正します。

>相変わらず良い味出してるぜiseizin隊長。
光栄です。最近拍手を読んで、疲れた体に鞭打って頑張ってます。それがこんな内容ですが・・・(汗

>この世界の魔法は図形的な要素があるので解析の得意な士郎でもかなり使えたりすると思いますか
士郎が魔法を使う姿が想像さえできない私がいる・・・いや本当に。士郎は作ること以外がへっぽこだから士郎だと思ってますので
士郎の魔法風景が想像できたら、書いてみます。(へっぽこ振りが優先される可能性大だったりしますが)

>士郎のフラグ乱立っぷりに感動した!これからも頑張って下さい
すずか編ではあんな風にフラグ立てました。大小ありますが、基本こんな感じでフラグ立てるのがうちの士郎です

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。また、次回にて会いましょう。






作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。