魔法少女リリカルなのは Crossing of the Fate 
Stage1 「衛宮 士郎 T」

side - shirou

簡単な自己紹介を行い、俺は手当てしてもらったことに対して礼をした。

「手当てをしていただき、誠にありがとうございました」

「いや。大したことがなくて本当によかったよ」

目の前にいる士郎さんが笑いかけてくれた。

近くにいる恭也さんも一安心なのか、微笑してくれている。

「それで、士郎くん」

「はい」

「そうかしこまらないで。ちょっとお話を聞きたいだけだから」

と桃子さんは言うが、俺としては聞かれる内容について心当たりがあるため、かし困ってしまう。
(誤字にあらず)

「士郎くんはなんで裏山に倒れていたの?」

そう。あまりに当然の疑問。

だが、それを俺は答えることができなかった。

俺はここに飛ばされる約1週間前のことを思い出していた。



  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *



その日は冬があけ、春の陽気が目立ち始めたある午後の一時のことだった。

セイバーや桜は買い物にでかけており、イリヤは夕食時にくるとのことだ。

ライダーはアルバイトの真っ最中のはずだ。

他の面子も各々日常を満喫しているだろう。
(注:このSSではhollowルートのため、サーヴァントが全員現界しています)

俺は約1年ぶりに冬木の家でのんびりとしていた時であり、遠坂も第二魔法の実験を行うべく、
冬木に戻ってきていた。

ちなみに遠坂とは俺の魔術の師であり、ここ冬木の管理者でもある「遠坂凛」のことだ。

「士郎。あんた人形になりなさい」

唐突に我が魔術の師である遠坂は告げた。

本当にいきなりだった。

「なんでさ」

返す言葉はもう口癖になってしまった一言だ。

遠坂は腕を組み、憮然としながら言った。

「あんた、魔術は秘匿するものだっていうのは当然わかっているわよね」

「それはわかっている」

「そう。あんたは知っている。だけど、あんたは実践しないでしょうが」

それを言われると辛い。

すでに俺は20代半ばになっている。

俺は今は戦場を駆け抜け、救える限りの命を救ってきた。

時に非常な決断を下さなければならない時もあった。

だから、感謝もあったが、同時に疎まれもした。

それでも俺はこの生き方を貫く。



続ければ、多くの命を救うことができるはずだから。
それに教わったこともある。
救われなかった命だけを見るのではなく、救った命も顧みることだってできるのだから。
だから俺は決して後悔はしない。
この生き方は決して間違っていないと信じている。



表情から俺の心情を読んだのか、遠坂は呆れたかのようにため息をついている。

現在の状況を確かめるように、話を続ける。

「あんたに封印指定がかけられそうなのよ」

封印指定。

魔術師にとって最高の名誉であり同時に厄介ごとだ。

封印指定を受けたしまい、捕まれば良くて一生幽閉。

よく聞く話では脳をホルマリンに漬けられるという。

だが、俺はある理由からそれを受けにくいはずだが。

「まぁ、本来ならとっくの昔に封印指定されているはずだけど、あんたの後見人敵に回すなんて普通はできないしね」

確かに現在の俺をそうそう敵に回せないだろう。

いたら、自殺志願者も同然だろう。

「魔法使い」2名が実質的な俺の後見人なのだから。




大師父(別名はっちゃけ爺)が冬木にやってきた理由は簡単だ。
大聖杯が破壊されたのに、サーヴァントが現界しているためだ。




本来ならばそれはありえない。

ありえないからというか面白そうだから見に来たとのことだ。

ちなみにサーヴァントが現界する魔力を効率よく運用させる仕組みは、後にキャスターが執念で完成させ、
その恩恵は全てのサーヴァントに受け継がれている。

実質的に全員受肉しているような状況だと聞いている。

まぁ、細かい仕組みはさておき(というか俺はよくわからないのだが)戦闘も問題なくこなせ、加えて宝具も使用可能だ。

そんなある日、俺は大師父に見つかり、投影魔術を使った。




弟子にされた。

ただ、大師父は非常に気紛れなため、師事を受けた期間が恐ろしく短い。

全部合計しても半年位ではないだろうか。

ちなみに修行風景はこんな感じだった。

「このへっぽこが」

「この馬鹿弟子がぁーー!!」

「とりあえず、宝具の原点は山ほどあるんじゃ。全部投影しろ」

「なんで魔術に関しては、貴様は理論を重視せずに感覚で投影するんじゃ。しかも宝石剣の投影成功しとるしな、この化け物」

うん。妥当だが不穏当な評価だ。

ていうか、本物の吸血鬼に化け物呼ばわりされたよ。

ちなみに、俺は宝石剣の投影はできるが、宝石剣の起動ができない。

魔法使いから師事を受けても、普通の魔術を満足に扱えなかったという事実はかなり堪えた。
(注:士郎は大師父に弟子入りした者は、廃人になる可能性が高いのを知りません)

全く持って、宝の持ち腐れだ。




・・・ちなみに、俺が宝石剣を投影できると知った時はあかいあくまときんのあくまは激怒していた。

さらに追記すると、宝石剣が投影できるくせに起動ができないと知られた時は、屋敷と庭が吹き飛んだ。




ちなみに、宝具の原点は・・・の件は、事前の情報で英雄王(大人Ver)またの名を慢心王がいることも知っており、
油断している慢心王に大師父は適当に不意打ちかまして、宝具のほぼ全てを強奪していたためだ。
(ギルガメッシュが子供状態だったら真剣に冬木は地図から消えていたのではないかと思う。大人でよかった)

強奪した宝具を元に投影を行い、精度などかなり向上した。




次に現れるは「ブルー」だ。

こちらは大師父経由だったためか、俺が目的だったようだ。

その時に

「ふーん。方向性は全く違うけど、なんとなく似てるわ。あと師匠と呼びなさい」

と言われた。

ちなみに似てると言った男と出会ったが、その男との相性は最悪だと伝えておく。
(第三者が見ると仲がいいように見えたらしいが)



こちらも弟子にされた。
師の評価というか、会話録の一部は下記の通りだ。

「当たったら死ぬわよ。全部避けきりなさい」

「味が濃い!バツとして午後のトレーニング150%追加!!」

「茶がぬるいわね。今日はアインナッシュの森で訓練するわよ」

「私名義で仕事取ってきたから、あんたいってきなさい。がんばってねー」

・・・あれ?拷問?

思い出すだけで、目から汗がでてくるよ。

視界全てが魔法で埋め尽くされるってことも、普通は経験できないよな。

ただ、あの人仕事の報酬に関してはきっちりと払ってくれる。

報酬に色をつけてくれることも多かったし、仕事のお陰で代行者とも渡り合えるだけの実力が手に入った。

そんな感じで、俺はなんとか生きていけている。

・・・あれれ?さらに思い返すと師匠しても、魔術教わった覚えが欠片もないんだけど。




そんな感じで日々を思い返したが、遠坂からの話しはまだ続いている。

「協会から直接打診があったわ。弟子の不始末は自分でつけろって」

なるほど。封印指定の心当たりがありすぎて判別できない。

戦場で魔術を普通に使用していたことかもしれないし、どこかから俺の魔術が漏れた可能性もある。

他にも、考えられるのは山のようにあるし。

確かに俺は魔法使いの弟子でもあるが、それ以前に遠坂の弟子なのだ。

そして、この打診は俺自身の捕獲。最悪殺害しろということだろう。

「で、なんて答えたんだ」

「猶予はもらったわ。1年間のね。ちなみにリミットは残り1ヶ月なんだけどね」

「な!?」

連絡を付けることはできたはずなのに、何故今まで放置していたのか。

だが、俺の反応とは別に遠坂は落ち着き払っている。

落ち着きの意味を確認するために、強めの口調を俺はとった。

「何をする気なんだ。遠坂」

「始めに言った通りよ。あんたを人形に移しかえる。」

その人形の出来はとにかく凄いわ。あとで説明するけどね、と一呼吸置き、

「元の肉体はあっちに提出しないといけないし、死体用に細工も施さないといけない。
 とりあえず、今日でその体とはお別れよ」

「大丈夫なのか?」

「上手くやってみせるわ。あ、それとセイバーいるんでしょ?でてきたら?」

唐突に縁側に話しかけた。俺、気配感じなかったんだけど・・・

そして、バツが悪そうな顔をして、セイバーが姿を現した。

表情は当然硬い。

「凛。あなたの魔術師としての腕前は十分把握しています。ですが、人形まで用意できたのですか?」

セイバーの疑問は最もだ。

以前、遠坂はホムンクルスであるイリヤの魂を人形に移しかえたことがある。

そのため、今もイリヤは元気に生活している。

ただ、イリヤの魂を移しかえるにあたって、アインツベルンが凄まじく抗議をしていたが、
そこは火力(魔法使い2人+サーヴァント達)で押し切った。




ていうか、アインツベルンの頭首は生きてるのが不思議なくらい黒こげになったけどね。




閑話休題。

いかに遠坂といえど人形は簡単には作れず、まして高性能なものとなると不可能だろう。

だが、

「セイバー。そのことについてだけどね。あたしは1年間の猶予を貰っているのよ」

恐ろしく自信満々に答えた。

そして今の言葉から判断するに相当入念な準備を重ねたようだ。

「あたしは封印指定の人形師を見つけ出し、依頼した。ただ、当然だけどそれだけじゃ動かないわ。
 動かすために冬木に案内させ、キャスターを紹介した」

キャスターはギリシャ神話の「コルキスの魔女」。

神代の魔女の魔術を見る機会などそうそうないに違いない。

それにプラスして、遠坂の研究資料に一部秘匿していた大聖杯のデータなどのデータも渡したという。

「どれもこれも現代の魔術師なら喉から手がでるほど欲しいものばかりね。
 だから、等価交換できるように依頼をしたわ」



魔術師−否、魔術使いとして最高に使い勝手の良い人形の作成。と



技術的なことは全くわからなかったが、高性能な人形であることは十二分に理解した。
詳しい話は省くが、人形の利点はこんな感じだ。



・魔力量の増加

・魔術回路の負担の軽減

・肉体の自己修復機能

・「全て遠き理想郷(アヴァロン)」を埋め込んだことによる、老化の遅延。



まずはメインである、魔力量の増加。

既存の27本の魔術回路の強度の強化の他に、魔術回路を5本ほど増設したとのことだ。

増設した魔術回路はエクスカリバーの鞘である「全て遠き理想郷(アヴァロン)」から、
常時魔力の供給を行っているという。
(ただし、それでも遠坂の魔力量に及ばない)

魔力を増加したため、平時でも厳しい条件を幾つかクリアすれば固有結界を展開せずとも
「約束された勝利の剣(エクスカリバー)」に届くそうだ。

また、一時的に全ての魔術回路を「全て遠き理想郷(アヴァロン)」に接続することも可能とのことで、
この状態の時はセイバー級の魔力を得られるとのことだった。

ただし、副作用がすさまじく、接続に対してリミッターがかけられており、使用後は最悪死亡する可能性があると忠告された。

魔術回路の負担を軽減に関しては、例として今まで剣製を10の魔力で行っていたが、半分位でできるようになり、他の魔術も同様だ。

これにより、強化と剣製、他の魔術も楽になるだろう。

剣製時の副作用も可能な限り除去したとのことだ。

また、鞘の恩恵と人形自体の機能によって怪我しても、重大な怪我でない限りは自己修復を行うようになっているらしい。

老化の遅延に関しては、遠坂曰く「あんたはきっといつまでも変わらないから、体力衰えたら洒落にならないでしょ」だと。

なんでも、40代の半ばでも20代の体力や見た目になるようにしているとのことだ。

遠回しに応援してやると言っているのだと解釈した。

他にも、機能は大量に盛り込んでいるようだが、主な機能はこれくらいだ。

説明書は渡されているので、よく読んで確認してほしいとのことだった。



人形になることに対して抵抗がないわけではないが、他に方法はない。

退路がないのだ。俺は人形の体になることを承諾した。




ちなみに

「ところで、遠坂。俺、セイバーの気配感じなかったんだけど、なんでお前は感じ取れたんだ?」

「ああ。あんたがいない間に家の結界については完全に掌握して、強化しているからよ」

あんたは感じられなくても、あたしは感知できるしね。と嘯いていた。

・・・どうやら、俺の所有物は全て遠坂のものになっているらしい。

・・・泣いていい?





そして、1週間後。

俺の新たな体のお披露目会ということもあり、高校時に衛宮家にて滞在している家族が集まってきていた。

ちなみに俺の気分ははっきり言って悪い。

すこぶる悪い。

理由は

「遠坂。これはどういうことだ?」

「だ、大丈夫です、シロウ!どのような姿になっても私はあなたの剣です」

「ぷ。くく・・・あははははは」

「せ、先輩。かわいいですよ」

「ふふふ。シロウすごくかわいくなったね」

190近くあった身長は130ほどまでに小さくなり、声も変声期前だ。

髪の色は元の色である赤毛になっていた。

要するに子供(しかも10歳前程)の姿になっていた。

セイバーの言葉はありがたいが、遠坂お前は笑いすぎだ。すでに10分は笑っているぞ。

桜とイリヤは男心を粉々にすることを言うんじゃない。

ライダーは声にならないようだ。

「遠坂・・・今なら世界の修正力(ギャグ補正)の影響のおかげで乖離剣を10本まとめて投影できる気がする。
 ・・・納得のいく説明をしてもらおうか」

かなり真剣に殺気をこめた。

さすがにやりすぎたと感じたのか。遠坂は笑いを引っ込め、真剣な表情を作った。

・・・この場にいた全員がなんか引きつってたけど

「はっきり言って士郎の戦闘方法が不満だったらしいの。
 すでに士郎は魔術にしろ剣術にしろある程度理想形が確立されているわね」

「ああ。だけど、それがどうしたんだ」

「士郎は作る者であって戦闘者ではない。だから、作る者の戦闘理論として無駄を徹底的になくしていた。
 だけど、その人形は紛れもなく作る者ではなく戦闘者−いえ、人間としては最高の肉体なはずなの」

そこで一旦言葉をきり、こう続けた。

「今の体なら作製者の戦闘理論にプラスして、戦闘者としての戦闘理論もプラスできるはずなんだけど、
 今の肉体年齢では活かしきることはできないだろうという結論になったの」

元の体が肉体的な才能に恵まれていないことは理解している。

だが、この人形体は人間として最高の肉体。

この人形の製作者は最高のハードを持ちながら、2世代前のソフトを導入するのが
我慢できなかったということらしい。

だから、勝手に若返るように改良したらしい。

セイバーも渋々ながら納得の表情だった。

「なるほど。成年体ではやはり一から何かを覚えるのは難しいですからね。
 子供の時期に覚えさせたほうがよいでしょう」

セイバーは納得したかのように批評した。

だが、セイバー自身納得していないのか、憮然としている。

正論だが実際は個人の趣味でやったのではないかと疑っているのだろう。(たぶんそれは正しい)

「だけど、今まで得た戦闘技能はそのままよ。しばらくは体の関係で上手くできないかもしれないけど、
 慣らせば問題ないわ」

つまり鍛え方によっては、英霊エミヤの戦闘理論にセイバーやランサー、
アサシンのように一つの武器を極めた武芸者の技も使用できる可能性があるということか。

まぁ、セイバーたちには悪いが、やはり俺の最大の武器は剣製なのだ。

それをメインに戦闘方法は組み立てていこう。

「さて、いよいよメインよ」

「・・・今度はどんな実験をするんだ?もう「ウィンチェスター事件」とかはいやだぞ」

「あたしだって嫌よ。今回は平行世界からのエネルギーを運用できるかを試すの。だから、イリヤの城貸してね」

イリヤはぶーぶー文句を言っているが、遠坂は聞く耳を持たないようだ。

ある意味さすがだ。おそらく、俺も何か手伝わされるだろう。

「・・・俺は何をすればいい?」

「そんな複雑なことはさせないわ。荷物を運んだりすることと、宝石の投影ぐらいしか今の所はないわ」

俺だけでなく、全員の目が驚愕に染まる。

「凛。いったいどうしたのですか」

「ね、姉さんが優しい?あ、明日は何が起こるの?」

「桜。安心してください。私が必ずあなたを守ってみせます。天馬の準備を至急行います」

「セラに連絡して結界の防御を緊急事態用に切り替えなくちゃ。バーサーカーも戦闘態勢にしておかないと」

「あんたらがあたしのことをどう思ってるかはよくわかったわ」

『ごめんなさい』

全員が土下座した。

いや、怖いし。

「手伝うことがほとんどないのよ。流石にこれはあたしが作らないといけないしね」

「今回は大掛かりじゃないのか」

「大掛かりよ。だけど、時間は結構あったから、もう作成は終わったの。することといえば本当に機材の配置の微調整くらいね」

どうやら入念な準備をして行っているようで、今回は大事にならなさそうで安心する。

過去の実験のことはホント思い出したくない。

「それまで、士郎は鍛錬や魔術使用、あと日常生活でおかしい所がないかを確認しておいて。
 問題あったら、微調整するから」




そして、遠坂の魔法実験には今回集まった面子の他に、暇人なサーヴァント共もやってきていた。

遠坂が準備している間、俺は苦労の連続だった。

イリヤの城で、カレンが煽って、ランサーとギルガメッシュ(子供Ver)が喧嘩したり。

舌戦していたと思ったら、カレンとバゼットも喧嘩を始めたり。

城が破壊されているのを敏感に察知した、バーサーカーが暴れたり。

それらを止めるべく、セイバーとライダーが乱入したり。

何故か、俺に被害が集中したりして、どこかの血管がプッツンと切れた音を聞いたり。

意識を取り戻したら、乱闘していた全員(バーサーカー含む)が俺の前で土下座していて、謝っていたりした。
(全員表情が引き攣ていて、ボロボロだったが)




そんな感じで魔法の実験がついに始まった。

ちなみに遠坂が目指すものは通称「ゼルレッチの宝石剣」とされる限定魔術礼装だ。

これはシュバインオーグの系譜の者(俺は教わっていたが、全く使用できないので除外)が使用すると大気中から魔力を分け合い、
その魔力を放出することができるのだ。

威力は凄まじく、まぁ宝具に似たものと思えば問題ない。
(厳密には全く違うのだが)

ただし、誤解しないでほしい。

大気中から魔力を吸引し、使用できると言っても、大気中にある魔力量は無限ではないのだ。

使用すれば当然大気中の魔力はなくなる。

だが、ここで「ゼルレッチの宝石剣」は前提を覆す。




無限の数があるとされる平行世界への路を繋げ、そこからまた魔力を分け合うことができるため、理論上は無限に使用できるのだ。
大気中の魔力がなくなる度に、別の平行世界への路を繋げて魔力を吸収するため、
銃に例えると、無限の弾丸が手に入る状態ということだ。




今回の実験は平行世界への路を繋げ、魔力を得ることができるか、否か。

これができれば宝石剣を作成する上で、大きなステップの一つがクリアされることになる。

無論、魔力を宝石剣に取り込んだり色々な機能が必要だったりするため、先は長いのだが。

簡略しているが、概ねそんな感じだ。

そして、実験が始まりしばらくして・・・・・・・・・




「え!?うそ・・・なんなの、この魔力量は!?」




そして、俺は吹き飛ばされたのだ。




  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *




状況から考えるに、遠坂にとって想定外の何かが起こったのは確実だ。

遠坂のことだから、理論などについては問題がないはず。

そして、途中までは上手く言っていっているのを俺は見ているのだ。

遠坂は確かに「うっかり」を持っているが、必要な部分での理論や作成物ではうっかりは起こさない。

だが、何か機能として盛り込んでいて当然のものを盛り込んでいないとか、最初の前提条件について何か間違えたりすることがよくある。

おそらく、そのあたりで「うっかり」を発動させたのではないかと俺は推測している。

・・・まぁ、いまさら推測できても全く意味無いが

「・・・士郎くん?」

「あ、すいません。なぜ、あそこにいたのか俺もわからないんです」

とりあえず、嘘は言っていない。

俺は平行世界に吹き飛ばされたことはわかっているが、なぜこの世界に飛ばされたのかはわかっていないのだ。

だから、決して嘘は言っていない。

「そうなの。じゃぁ、あなたの住所はわかる?」

「すいません。その、俺の養父が亡くなってしまって、そこに帰ることができないんです」

「・・・ごめんなさい。辛いことを思い出させてしまって」

「いえ、気にしないでください。爺さんとの思い出は今でも思い出せますから」

もしかしたら、この世界にも冬木はあるかもしれない。

だが、そこに俺の家があるかはわからないし、誰か別の人間が住んでいるかもしれないのだ。

不用意に情報を与えることはできない。

とりあえず、警察にでも預けてもらって、逃走すれば問題ないだろう。

だが、桃子さんは

「それじゃ、士郎くん。うちにしばらく滞在しない?」

「はい?」

俺の想像の斜め上を行っていた。

ちなみに、士郎さんと恭也さんは若干渋い顔をしていたが、なのはや美由紀さんも頷いていた。

女性陣は俺の話を聞いて、判断したようだ。

その後、男性陣と女性陣の話し合いがあったが、




やはりどこの世界でも女性は強いということを理解し、そして俺の退路は断たれたのを理解した。




 魔法少女リリカルなのは Crossing of the Fate Stage1 「衛宮 士郎 T」 End
 Next Stage 「錬鉄の騎士 対 御神の剣士」



タイガー道場!! Stage1!!




注:)基本的に恐ろしくギャグ空間です。
   拒否反応がある方は読まないでください。




イリヤ:Stage1 「衛宮 士郎 T」を読んでいただき、誠にありがとうございました。弟子1号のイリヤです。

大河 :むむ、先を越されたか。なかなかやるわね。イリヤちゃん。

イリヤ:ふふん。こういう場合は人気がある子が先に登場するのが、世の中のお約束なのよ。
    タイガーはキャラクター人気投票○位なんだから、分を弁えなさい。

大河 :てい!

ばしっ!!!

イリヤ:いたっ!?痛いであります、師匠!?

大河 :そっちこそ、身の程を弁えなさい!本編では確かに準ヒロインか正ヒロイン級の扱いかもしれないけど、
この場では私の弟子1号!

    大河と呼び捨てにされる覚えはない!
    ・・・ていうか、タイガーと呼ぶなぁーーー!!!!

ばしっ!ばしっ!ばしっ!ばしっ!(薙旋(手加減Ver))

イリヤ:うきゃー!!??と、虎竹刀二刀流による薙旋!!??御神の技にまで届いてしまったのですか!?
    ていうか、神速使用して体は大丈夫なんですか、師匠!?

大河 :問題ナッシング!!そこんところは華麗にスルーして、解説開始よ!

イリヤ:おっす!華麗にスルーするっす。

大河 :この道場が華麗に登場した理由はただ一つ。
    本編ではFateキャラは作者の構想上、一部除いて今後は登場しないので、この道場に呼び出します。

イリヤ:そうなの?

大河 :うむ。あくまで主役はリリなのの面々なのだ。

イリヤ:まぁ、サーヴァントがポンポン出てきたら、後のヴォルケンズとかでも対抗するの厳しいかな。

大河 :その通り。あ、そうそう目安として下に士郎のプロフィールを掲載するわね。



キャラクタープロフィール
名前 衛宮 士郎
年齢  26歳 (現在の肉体年齢は9歳)
身長 130cm
体重  28kg

解説 本編でも解説したとおり、人形体に魂を移し変えた状態である。
   現在の肉体年齢に応じて、元の肉体と比較しても全体的に能力が下がっている(強化にて能力の補強は可能だ)が、
   魔力や魔術防御に関しては、元の肉体よりも上回っている。
   最終的に肉体的な能力に関しても、遥かに凌駕するようになっている。

   投影だけならば、アーチャーが検分しても合格点の実力。(士郎本人はまだまだだと思っている)
   公平に能力付けすると、魔術師としては3流以下で武術家および剣術家としては2流。
   ただし、なんでもありの乱戦においては1流以上の戦闘能力を持つ。

   士郎の強さは基本的に数値化すると弱く、現実には強いという、わけわからん存在なのである。

   また、本編でも説明しているが、すでに第2魔法の鍵である「ゼルレッチの宝石剣」の投影に成功しているが、
   起動ができない状態である。(現在の士郎の知識と腕では、これ以上の向上は望めない)
   宝石剣の出来はあかいあくまやきんのあくまが持てば、すぐさま魔法使いになれる逸品である。

   なお、本文で、あくまたちの憤怒により屋敷と庭が壊滅したという描写があるが、
   士郎自身と魔術を使用してできることが明るみにでれば、第2魔法を志す魔術師の家系が全て崩壊する。
   魔術協会にとって衛宮士郎は「空前絶後の爆弾」なのである。
   (本人気づいてません)
   ゆえに、あくまたちや魔術協会の怒りは当然であり、むしろよく堪えたと言うべきだろう。
   
   身長に関しては、自分が将来的に190cmに近くなることを知っているため、成長期にそれに応じた
   成長をするようになる。(Fate本編では学校卒業後にすごく身長が伸びたらしい)
   現在の身長はなのはより下なため、弟のように見られたりするので、少々不満を覚えている。

   本編で発揮されていた士郎の精神的な異常性は下記のようになっている。
   他者の生命を尊いものとして扱っていることはかわらないが、救えなかった命だけを見るのではなく、
   救った命を振り返ることが出来るようになっている。
   故に、異常性が若干緩和されている。
   (ちなみに魔法使いから体で教授されている。所謂拷問だね)

   この話の士郎は俗に言うオタク方面の知識も色々あって豊富なため、たまにネタに走ることがあったりする。
   そのため、ギャグに関しては本編と比べてだいぶ強化されている。(具体例:基本的にら○スタのネタはほぼ全て把握している等)

   士郎の忍耐力を超える仕打ちを受けると、暴走します。(ギャグ時のみ + 最近忍耐力が低下している)
   ちなみに、士郎本人は暴走時のことを全く覚えておらず、この暴走も魔法使いが仕組んだものと関係者は見ている。
   ちなみにこの時の士郎を思い出すと、サーヴァントとマスター、知り合いの一般人全員が怯えるのは解説読んだ人だけの秘密だぞ。

   剣術および魔術などの詳細な戦闘能力に関しては登場時に合わせて解説を加えていくようにします。



大河 :こんな感じね。

イリヤ:ていうか、オタク知識が豊富なのってキャスターがセイバー連れて、夏○ミや冬○ミに連れ回してるから、それの余波じゃない。

大河 :簡単に暴露しないように。裏話なんだから

イリヤ:申し訳ないっす。でも、自分も連れまわされたりしてるっす。

大河 :だから、するなって言ってるだろうが!

ばしっ!!ばしっ!!ばしっ!!ばしっ!!(薙旋(手加減抜きVer))

イリヤ:きゅぅーー(道場の外に吹き飛ばされた)

大河 :ちょっと強かったかな。ま、大丈夫、だいじょう・・・・・・うん?何か紙が落ちてきたけど。

???:もしこの道場不評だったら次回からないから。

大河 :ひ、ひー!?ジャ○プよりひどい!!?

・・・・・・終わっとけ

END?


あとがき

ありがとうございます。iseizinです。

とりあえず、タイガー道場でネタに走っていますが、言いたいことは大抵言われてしまいました。(笑)

タイガー道場に不快感がないなら、このまま何回か続けたいと思います。

次回はタイトルどおりバトル予定です。

では、次回もよろしくお願いします。



投稿感想板にて指摘がありましたので、若干修正しました。

よく読むと、上記以外にも多分に修正が入っています。

今後は修正等がないよう、かなり入念に見直しを行いたいと思います。

感想を読んでいてまだまだだと感じたので、これからも指摘をくれるとありがたいです。






作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板

に下さると嬉しいです。