魔法少女リリカルなのは Crossing of the Fate
Stage14「海上決戦」

side - Emiya Shirou -

ジュエルシードの回収は順調に進んでいる。

これは喜ばしいことだ。

魔法技術を導入した捜索は、今まで発動しなければわからなかった魔力波動も感知できるので、操作が非常に楽になった。

回収はなのはが主に行っていて、しかも時々目覚めてしまう時もあるが、落ち着いて対処している。

成長の早さが並じゃないと思う。やはり天才のようだな。

で、もう一人の天才であるフェイトに関しては全く見つかっていない。

フェイトたちは隠れながら封印しているのだが、なのはが現場に急行する前に封印しているようで、あちらもなんだかんだで成長しているようだ。

全く、とんでもない娘たちだ。

本心から思う。

・・・ところで全く話が飛ぶが、男子にとって女装とはどのような位置付けだろうか。

俺の意見としては忌むべきものだ。

だが、それは自分がしてしまった場合に適応されるのではないかと思う。

他人がしているのを見ると・・・笑うか引くかのどちらかだと思う。

・・・そう。何が言いたいかと言うと・・・







「・・・・・・・・・」







今、ここに黒のゴシックロリータを着たエリート執務官がいるんだな、これが。

ちなみに表情は泣いている。そりゃもう泣いている。

エイミィさん曰く『士官学校での伝説再びだね』

・・・以前もこんなことをされたのかと思うと、俺も涙が止まらなかった。

「・・・思い出すまでもないことだが・・・原因の一翼は君だぞ」

「いや、負けたらなんでもするって言ったのはクロノだぞ?」

クロノが俺に模擬戦で負けて悔しかったので、もう一度戦いたいとの要望がきた。

だが、模擬戦中にジュエルシードが見つかるかもしれないし、俺が勝ったのが艦全員に知れ渡ってしまったこともあり、リンディさんの許可が下りなかった。

そこで、簡単な心理戦ということでカードゲームをやった。

心理戦ということもあり、イカサマを少々と運を使わない(俺の運は絶望的に悪いから)ゲームを提供して、勝負した。

結果は俺の勝ち。

まぁ、簡単に言うと自然な感じで話の内容をすり替えて、カードに注意が行かないようにして、ゲームを遂行したのだ。

そして、炸裂するはイカサマ・・・これで俺の勝ちになった。

とりあえず、クロノ。カードゲームをするのに対戦相手が用意したカードを使うなんて無謀にも程がある。

数々のカジノで鍛えられた俺からすれば、イカサマし放題だぞ?(例によって、連れて行ったのはあの悪魔コンビだ)

まぁ、そんな感じでクロノは女装しているのだが・・・(ちなみに発案者はエイミィさんである)







正直、普通に似合っている。

というかハイレベルなんじゃね?

だって、何人か男性が君の顔を見て紅くなってるよ?







「いやぁ・・・士官学校の時もリーゼたちが来た関係で女装をすることになってさぁ・・・一時期クロノくんの人気が凄いことになってたよ」

「・・・もしかしなくても、最初に『ホ』がついて最後に『モ』がつく人にですか?」

「ぴんぽーん」

何も隠せていないが、まぁそんな感じ。

とりあえず、全員に公開されてしまったクロノには合掌と念のために痔に効く薬を用意しておこうと思う。







そんなある日のこと。

ジュエルシード探索から何日かが経ったある日のこと。

なのはとユーノがそこにいた。

「どうした?」

「あ、士郎くん」

「悩み事か?」

「ううん・・・戦う理由の再確認かな」

なのははフェイトに何かしらの共感を持っているのかもしれない。

ま、何時か話すって言ってたから俺は待とう。

「・・・そういえば」

なのはが小首を傾げて

「士郎くんってさ・・・強いよね?」

「そうか? そうでもないと思うけど」

「・・・流石にクロノくん倒しておいて、その台詞はないと思うよ」

聞いた話だが、クロノのランクはAAA+。管理局でも5%いるかいないかとされるほど、稀な人材であるとのこと。

そんなのに勝ったからか、艦内でも俺は注目されている。

なのははと言うと、クロノ曰く『なのはは成長次第で僕のランクをあっさりと超えるだろう』とのこと。

精密なコントロールという点でいうと、クロノも天才だと思うんだがなぁ・・・







「士郎くんはなんで強くなれたの?」







ある意味、俺の―衛宮士郎の―原点だ。

「簡単だ。強くなれたのは師匠が強かったから。俺を受け持った部分において、全員が俺を超える技能を持ってて、強かったんだ」

「え!? そ、その・・・剣術とか魔法とか?」

「まぁ、そうだな。剣術・・・というか武術全般では模擬戦してた人たちに勝ったことがないし」

なのはが絶句してる。

誤解が・・・ああそうか。

「ちなみに恭也さんは丁度俺とその師匠連中の中間ぐらいかな」

「・・・この場合、どう反応すればいいのかな?」

俺としては、恭也さんの実力に驚くべきだと思う。

サーヴァント連中と訓練してたから良かったものの、1対1での戦闘で感謝をしたのは本当に久方ぶりだった。

訓練と実戦は違う。何でもありなら、俺が勝つこともできるだろうとセイバーたちに太鼓判を押されたが、本当にそうかは怪しい。

「魔法も似たようなもんだな。何度も負けた・・・っていうか、あれは真実の意味で拷問だな」

特に師匠―ブルーの方な―はやばい。何度殺されかけたかわからないよ。

・・・味付けが濃いや薄いで人が死ぬ魔法が来るってなんなのさ。

「そ、そうなんだ。そんなに負けたって言ってるけど・・・なんで、そこまで頑張れるの?」

「友達には呆れられてることなんだけど」

遠坂には警告されて矯正されて、桜には尊敬された。

セイバーも最初は苦言だったけど、最後には認めてくれた。

他の面々も基本は警告というか非難が多かった。それでも認めてくれる人もいた。







「俺には夢がある。その夢を今も追い続けてる」







思い出すのは、あの日の記憶。

親父に言った俺の誓い。

それが俺の原点。あの日の思い出を胸に俺は歩いていた。

形は少し変わったかもしれないが、それでも俺の思いは褪せていないから。

他にもセイバーとの出会いや遠坂や桜、イリヤや藤ねえ。サーヴァントたちだってそうだ。

でも、俺の夢の最初の一歩は間違いなく親父との出会いであり別れだったのだから。

「ま、俺の大事な思い出だ。それを背負うって決めたからだな」

と言って締めくくったのだが・・・なのはが複雑そうに聞いてきた。

「あ、あのね・・・その思い出って誰との思い出なの?」

「え? ・・・親父だけど?」

「あ、そ、そうなんだ」

「どうした?」

「う、ううん!? なんでもないよ!?」

なのはがなぜか焦っているがどうしたのだろうか?

その数秒後、海上でフェイトたちが発見され、同時にジュエルシードの魔力反応が確認されたという報告が入った。







ブリッジに入って、状況を確認する。

フェイトとアルフが海上で海そのものと戦闘している光景が俺の目に入った。

竜巻が起きたり、雷がアルフに巻きつこうとしたりしており、かなりの激戦のようだ。

詳細を問うべく俺はリンディさんとクロノに視線を合わせる。

「状況は?」

「彼女たちが海上で限界近く魔力を放出して、ジュエルシードを活性化させたみたいだ」

・・・そういえば、以前も同じようなことをしていたな。

だが、今回のこれは明らかに尋常なものではない。

明らかに自然に干渉しており、普通では起きないような竜巻が起きている。

雷雲も広がっていて、規模が比較にならない。もしかして、複数のジュエルシードが暴走しているのではないだろうか。

「・・・僕たちもあの付近にジュエルシードの反応を複数感知したが、まだ正確な場所がわからなかったんだが・・・
 彼女たちの魔力で強制的に発現させたようだな。確認した個数は6個だ」

6・・・今までは一つだったのに、いきなり6倍とは。

なるほど。道理でとんでもない状態になってるわけだ。

範囲も広くなって、しかも攻撃力も加速度的に上がっている。結界張っているのがせめてもの救いか。

これはまずいな。なのはも同様のようで、進言した。

「あ、あの・・・私たちを結界内に転送してください」

このままだと、フェイトが敗れるのは時間の問題だろう。

早急に救助が必要なのは火を見るよりも明らか。

だが

「救助の必要はない」

クロノはその願いを却下した。

言葉を続け







「放っておけば自滅する。自滅しなくても、その後叩けばいい」







・・・なのはが絶句して、俺はクロノの言葉を考える。

クロノの言ってることは正論だ。この上ない、な。

だが・・・俺はそんなことは認めない。認められるわけがない。

「・・・俺はあんたたちの・・・管理局の法やルールは知らない」

ブリッジにいる人全員が俺を見る。

何人か表情が強張ったが、気にする余裕などない。

俺の中で感じることがある。怒りという感情を。

理不尽にも消えるかもしれない命。それを救うために努力した。

零れるものだってある。手を差し延べても届かないことだってある。

救っても罵倒されたことだってあった。

後悔はいつだってある。でも、それでも俺は進む。そう決めたから。







例え、その相手が望まなかったとしても・・・差し延べた手は無駄じゃないと信じているから







「今、理由はわからないけど、戦っている少女がいる。俺たちとは敵対しているのも確かだ。
 それでも命を懸けて戦って、救助が必要な程苦戦している。それなのに、手を差し延べようとしないのか?」







俺はすでに語気が荒いのも自覚している。

だが、この選択は俺は見過ごせない。







それが俺―衛宮士郎―の戦いであり、願いなのだから。







「・・・彼女は重要参考人だ。できれば、確保が望ましい。だが、僕たちの優先すべきことはロストロギア・・・『ジュエルシード』だ
 そのために艦の人間を危険に晒すわけにはいかない」

「・・・そうだな。それは組織の人間としては正しい」

『一』を斬り捨てて、それ以外を助ける。

それは正しい。多分、ほとんどの人間は賞賛する。

現実に、みんな何かを斬り捨てているのだから。そして、余りを周りに振り分ける。それが楽で、周りの人間を幸せにできる。

だけど・・・俺はそれが・・・そんなシステムで動いている何かを認められない。

なのはが俺を見る。不安そうにしている。

安心して欲しい。俺は・・・フェイトを救いたいんだ。

「だが、生憎と俺は組織の人間じゃない・・・必死に頑張るあの娘を助けたいんだ」

「私たちは組織の人間だから、その場で最善の選択を選ばないといけないの・・・」

クロノやリンディさんの―管理局の―理屈。それはあいつと同じなのだろう。

何かを救うために、速やかに一を切り捨てる。

組織に属している。そして、上に立つ者は下の者を安全にしなければならない。

平和に暮らす人々と部下の人々・・・その人たちを安全にしなければならない。そして、クロノたちはそれを実行している。

だから、クロノたちを―管理局を―俺は否定しない。

できないが、俺は・・・それを認められないんだ!







「目の前にいる少女一人に手を差し延べられないで・・・何が『法の管理者』だ!
 俺は最初から・・・何かを切り捨てるような選択は絶対に選ばない! そんな選択が・・・最善であってたまるか!」







俺の正義は歪んでいる。

犠牲がなく、10全てを救えるそんな人間になりたい。

無理なことはわかってる。俺自身もう切り捨てたことだってある。

だけど、それでも最初から斬り捨てるつもりで行動したことは一度もない。

それは道を同じくするあいつだってそうだった。

あいつもずっと目指していて、諦めた。

だが、俺はそれを生涯追い続けてみせる。

俺は







「俺は・・・誰であろうと切り捨てない・・・そんな『正義の味方』になると誓ったんだ」







全員が沈黙して、クロノは口を開く。

「・・・君はそんなことができると・・・本当に思っているのか?」

「・・・諦めたことだってあるし、切り捨てたことだってある。だからこそ・・・俺はそんな存在に憧れ、今も目指しているだけだ」

だから、言う。

「あんたらが止めても俺は行く・・・止められると思うな」

「・・・エイミィ。転送をお願い」

「艦長!?」

「・・・言っても聞かない子よ、この子は。・・・きっとね」

そうして、俺を見て。

「転送を許可します。ただし、私たちは万が一に備えて、この場で待機します。援軍は期待しないでください」

「ありがとうございます・・・行くぞ、なのは」

「うん」

ドアを出ようとする直前に

「・・・あなたの理想は叶わないと思うわよ」

「・・・知っています」

リンディさんの声を聞いて、俺は気を更に引き締めた。







interlude







あいつの台詞・・・本気だということはわかった。

あいつはそれを信じて、進む。

普通の人間が聞いたら、いや仲が良い人間が聞いても賛成はできないような内容だ。

僕もあいつ以外からそれを聞いたら、鼻で笑ってしまうだろう。

だが、あいつが言うと笑うことができなかった。

あいつは何を切り捨て、何を選んだのだろうか。







そして、そんなことをしていながら、何故その道を選べるのだろうか。







解らない・・・解らないから無性に気になった。

「クロノ」

「なんでしょうか」

母さ・・・艦長が僕を呼んだので、僕も意識を戻す。

ちょうどいい。

「クロノもいってらっしゃい」

「ええ!?」

「わかりました」

「ちょ!? なに? その急展開は!?」

エイミィの驚きの声が響いて、周りも全員驚いている。

当然か。

「封印できてもできなくても、どのみち近くにいないと何もできないからな。なら、近くにいた方がいいと判断しただけだ」

「あーあ・・・クロノは随分と捻くれちゃった。育て方間違えたかしら」

艦長のぼやきが聞こえるが

「この上なく正直なつもりですが?」

「そう思ってるのはあなただけよ?」

わかっていますよ。

こんなわかりやすい嘘だ。自分でもどうかと思う。

だが、あいつがそれを選ぶなら見届けてやる。

そう言って、エイミィを見る。こちらも気付いていやな笑い方してるし・・・

あとで借りは返してもらわないとな。







手伝ってやるよ・・・『正義の味方』







interlude out







俺はと言うと、スニーカーから宝具である『ヘルメスのサンダル』を投影して履き変えた。

そして、転送ポートに乗りこんだ時・・・クロノも乗り込んできた。

「・・・現場で対応させてもらう」

「・・・はは」

笑いが出る。

こいつ、頑固だとは思ってたけど、捻くれてるとは思わなかった。

だけど、感謝しよう。

「ふん・・・遅れるなよ『正義の味方』」

「クロノこそ。ついてこれるかな?」

視線を合わせずに、視線が合った気がした。

だが、何故かなのはが剥れる。

「むー・・・士郎くん! 行くよ!」

「どうした?」

返事が返らずに、転送が行われた。







interlude







まずい・・・魔力が足りない。

ジュエルシードを強制発動させることには成功したが、それを封印することが難しい。

間断なく襲い掛かる攻撃を回避し続けているが、辛い。

元々、防御系の魔法はあまり得意ではない。

私の戦闘スタイルを考えると、やはりスピードを重視した回避が望ましい。

だが、このままではいつか当たるだろう。

今は回避できているが、知能がついているのか攻撃が鋭くなっている。

アルフを見るが、雷に捕らわれており、こちらも苦戦中だ。

『サイスフォーム』もぶれ始める。どうしよう・・・

このままだと、負けてしまう。

そうなると、母さんの望みが叶えられない。

回収できなかったら、怒るだろうか。それとも無関心になるのか・・・

私は優しい母さんと一緒にいたいだけ。だから、なんとしても望みを叶えてみせる。

そう考えていると







竜巻と雷に挟み込まれた。







防御・・・ダメだ! 攻撃力が高すぎて突き破られる!

何故か、動きがゆっくりとなる。

周りは白くなり、アルフも何かを叫んでいる。

私は目を瞑って、衝撃に耐えようとする。

思い出すのは、母さんとの思い出。

順にリニスの魔法の修行、アルフとの契約と一緒に過ごした日々。

そして、ジュエルシードの回収を経て知り合った。・・・私のライバルであるあの白い女の子とフェレット型の使い魔







それと・・・男の子―士郎を―思い出した。







まだ目を瞑る。衝撃は未だにこない。

まだ瞑る・・・おかしいと思う。

まだまだ瞑る・・・肩に手が触れた感触があったので、そっと片目を開けると







「・・・お、目を開けたか。大丈夫だったか?」







士郎が・・・いた。

え? ・・・なんで?

「ど、どうして・・・ここに?」

だって・・・士郎と私は敵同士なのに・・・

「うーん。簡単に言うとだな」

士郎が私の顔を見据えて







「助けに来たぞ。フェイト」







安心させるように笑顔で囁いてくれた。







interlude out







うむ。『全ての呪いを弾く盾(フォース・シールド)』を投影し、弾いた。

俺は『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』と『全ての呪いを弾く盾(フォース・シールド)』を使い分けている。

具体的に言うと、砲撃魔法などの直射系は『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』。

範囲型や後方にも必要な場合は『全ての呪いを弾く盾(フォース・シールド)』を使うと言ったようにだ。

今回は挟撃されていたので『全ての呪いを弾く盾(フォース・シールド)』だった。

タイミングもギリギリだったが、フェイトは無傷だ。

「協力し・・・どうした? なんか顔が赤いぞ?」

「ふぇ!?」

え? なんで驚くの?

そう思っていると、またジュエルシードが攻撃をしかけてきた。

だが







「バーティカル・ギムレット」







なのはが防御してくれる。

・・・っていうか、俺が考案した錐状の物を高空から落としましょうっていう魔法だよね?

なんでそんな危険な魔法を使うんです?

「・・・ねぇ・・・士郎くん?」

「な、なんだ?」

「いつまで・・・フェイトちゃんを抱きしめてるのかな?」

あれ? ・・・すまんすまん。

「あ、悪い悪い。男が抱きしめてたら嫌だよな」

「え!? そ、そんなことは・・・」

「ごめんな」

と言って、謝ったのだが・・・なんでしょうか? 非常に居心地が悪いです。

「・・・フェイトちゃん・・・ずるい」

「う・・・そ、それを言ったら、いつも一緒にいる・・・!?」

「喧嘩は後にしろ」

とクロノが割り込んでくれた。

ありがとうと会釈すると・・・なんでクロノも呆れたような顔をするんだ?

え? 俺が悪いの?

「・・・なのはとフェイト・テスタロッサは封印処理だ。この現象は僕と士郎がどうにかする」

・・・一応、ジュエルシードの魔力を拡散させることはできる。

以前、フェイトを助けた時のように『壊れた幻想』を使えばいいのだから。

あのフェイトを助けたときにのもう一つの確認事項は『壊れた幻想』の有効性の確認だ。

宝具の幻想はジュエルシードの魔力に打ち勝つのは確認したのだから。

だが、今は管理局の目がある。







「・・・こちらクロノ。現時点で全てのジュエルシードが確認された。敵戦力からの攻撃に対処するために、監視を解除してほしい」







と言って







『はいはい・・・不器用だねぇ・・・クロノくん』







という返信が来た。

同感。で、視線が減ったような気がした。・・・本当に解除したのか。

はは・・・こいつ、想像以上にいい奴だ。

「いくぞ・・・これが僕の最大魔法だ」

そう言って、空を見ると上空に無数の剣が宙に浮いている。

恐らく、百は下らないだろう。

そして、その一本一本に込められている魔力も凄い。

流石になのはのディバインバスターとは比べられないが、全部合わせると上回る。

その上、広範囲魔法だ。

ならば、俺も応えよう。







――――I am the bone of my sword.(体は剣で出来ている)







投影するは『偽・螺旋剣』

この場にいる全員が驚いている。

当然だろう。







なにせ、俺の魔力全てと比べても『偽・螺旋剣』の魔力は大きい・・・いや、この場にいる誰よりも遥かに大きいのだから







クロノも頷いている。

大方、俺の魔術に驚いているのだろう。

「なのはやフェイト、クロノなんかよりも派手じゃないが、威力は大きいぞ」

「・・・その魔法を威力が大きいで済ませている時点で君はまともじゃないな」

否定できない。

とにかく、弓を構える。

狙いはジュエルシードが固まっていると思しき地点。

その中心点で『壊れた幻想』を使う。

そして、その露払いは







「スティンガーブレイド・・・」







上空で黒衣の少年に任せよう。

その小さな体躯から出ているとは思えない声。

それが







「エクスキューション・シフト!」







断罪の刃と共に紡ぎ出された。

海に飲み込まれるかのように進む刃

そして、それは着弾と同時に爆発。

その数は百を超え、次々と爆発していく。

ジュエルシードの前で渦巻いていた竜巻が全て止まる。攻撃に回すだけの余力はないのだろう。

―後は俺が中るイメージを見出し、矢を射るだけだ。

立ち上る煙が若干消える。

目標物が見える。まだ、イメージがでない。

煙が更に消える。







――見えた







イメージが出た瞬間に矢を射る。

暴力的な魔力が空気ごと削り取りながら突き進む。

ようやく気付いて、竜巻が発生するが遅い。

そんなもので『偽・螺旋剣』は止まらない。

紙ほどにも役に立たず、突き抜けた。

そして、目標地点に到達した。







壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)







宝具の幻想を膨らませて爆発させた。

辺りを覆っていたジュエルシードの魔力をも飲み込み、霧散する。

ジュエルシードが宙に浮いている。

後は封印処理のみだ。

突如、雷光が光った。







interlude







あの少年・・・興味深い。

使っている魔法も見たことがないものだし、何よりも飛行しているにも関わらず、私たちが使用している魔法術式が存在しないのだ。

彼が履いている・・・サンダルだろうか? からも強大な魔力を感じる。

本当に・・・興味深い。

(奇妙な違和感があるわね・・・あの子供)

ジュエルシードを使って、アルハザードを目指す。

そのことに迷いはないし、余分なものを持ち込むつもりはなかったのだが・・・

一瞬、あの子供も一緒に連れて行っても良いかと思った。がすぐに打ち消す。

(・・・まぁ、あの能力にしても、管理外世界特有の能力が見つかっただけ・・・!?)

突如感じる巨大な魔力。

この魔力は私・・・いや、それよりも遥かに大きいものだ。

戦慄と歓喜が走る。

わからない・・・が、本当に興味深い。

・・・試運転も兼ねて、あれを使おう。

あわよくばあの子供も掠め取らせてもらう。

私に時間がない以上、準備は幾つあっても足りないのだから・・・







interlude







突如起こる雷光。

俺は現在回避行動を取っている。

視界の端でジュエルシードが転移の魔方陣が現れ







一瞬で転移させられた。







(はやい!?)

相当凄腕の魔導師みたいだ。

そして、フェイトの足元にも転移魔方陣が展開される。

「投影開始」

瞬時にルールブレイカーを投影し、投擲。

フェイトを転送しようとした魔方陣を打ち消す。

その直後、フェイトの頭上に雷が落ちようとするが、今度は干将を投げ、雷を散らす。

・・・凄い威力だ。なのはのディバイン・バスター・・・それどころかつい先日使えるようになった「あれ」よりも上だぞ!?

・・・こんな人物の下にフェイトをいさせて・・・考えるまでもない。良いわけがない!

「フェイト。こい!」

「え?」

「お前の目的も知らないけど・・・そっちに行ったらまたおまえは傷つくだろ!」

あの攻撃を見ても分かるが、相手はフェイトを傷つけることに何のためらいもない。

そんな奴の下にいたら、フェイトはまた傷つけられる。

フェイトの背中の傷の原因は俺の中ではもう確定してるのだから。

「・・・でも」

「!? ちぃ!?」

フェイトを咄嗟に突き飛ばしたが、俺に雷撃が直撃した。

「し・・・ろう?」

「ぐ・・・!?」

まず・・・意識が・・・

意識を失いかけ、墜落する直前。







「・・・ね・・・です。・・・・・・イト・・・・・・助・・・」







フェイトに似た声が聞こえた気がした。







interulude







素晴らしい・・・『これ』があればジュエルシードの魔力を存分にコントロールできるだろう。

問題点があるとすれば、自分の意志を介さないため、魔力量が少ないことだが、それでもかなりの魔力量だ。

ジュエルシードをブースターとして、空気中から魔力や残留思念を取り込みコントロールする。

・・・これならば、制御もしやすい。

とはいえ、『これ』なしで次元震を起こさなくてはならないから、一度本気で使用しなければならないが・・・

暴走する前に装置に組み込めば問題はないだろう。

そして、もう一つの懸念事項。

あの子供はいらないと結論した。

・・・あの人形を助けるために身を挺するか

真実を知らないとは残酷だ。

だがらこそ決心した。あの子供はいらない。

知らないとはいえ、あんな人形を助ける子供はいらない。

少なくとも、リスクを承知して自分から手を差し延べることはない。

とはいえ、興味があるのは事実・・・

ふむ。もし、私の前に立ったら、真実を教えて誘ってみよう。

その後は、状況に任せよう。

「ふふふ・・・あははははははは!」

私はあの子供を嘲笑するように笑う。

なぜか嘲笑すれば、あの子供は私の前に立つ。そんな予感がした。







とある空間にて、人影が踊る。

・・・実験成功

これより『A03』は情報収集を開始します。

報告は後ほど提出されるレポートをご確認ください。

人影は無表情に立ち去った。







interlude out







魔法少女リリカルなのは Crossing of the Fate Stage14「海上決戦」 End
Next Stage 「真実」







おまけ





クロノは焦る。

あの必殺と言っても過言ではない魔法を士郎は直撃した。

横にいるなのはも心配しているのは表情を見れば明らかだ。

アースラに戻り、看護を要請した。

「・・・僕も手伝います」

言ったのはユーノ・スクライアだった。

「僕は回復魔法ができますし・・・それに」

「それに?」







「僕・・・この時まで一言も喋ってないんです・・・」







・・・・・・すまん。かける言葉が見つからない・・・

おまけ END







タイガー道場!! Stage14







注:)基本的に恐ろしくギャグ空間です。    拒否反応がある方は読まないでください。







めらめらめらめらめら・・・!!

大 河:このバカ作者がーーーーーーーーー!!!!

どっごごごごごーーーーん!!!!!

イリヤ:IF編でタイガー道場書かないなんて、その罪は万死に値するわ

大 河:待つのよ。イリヤちゃん

イリヤ:どうしたんですか? いつものように虎竹刀を叩き込んでやってください

大 河:ダメよ。今、やっちゃったら、このあとのを書く人がいなくなるでしょ?

イリヤ:そうっすね。じゃぁ、終わったらお願いするっす

大 河:OKよ! さて、今回のテーマというか、質問は!

イリヤ:『IF編で発表されていた『アサルトフォース』のメンバーは?』という質問がありまして、こんな感じです。







テロリストが立てこもっているビル。

それを殲滅するべく投入された戦力・・・その一番手は







「うおおおおおおおおっ! 斬艦刀! 雲耀の太刀!」







ビルごと一刀両断し

そして、突入するは

「撃ち抜く! 止められるなら止めてみろ!」
「この切っ先・・・触れれば切れるぞ!」
「この攻撃は叫ぶのがお約束でな! 究極! ゲシュペンストキック!」
etcetc

などと突撃嗜好に満ち満ちた猛者たち。

そして、それをフォローするガンナー

「雄たけびランチャーで勝負!」
「その位置・・・まずいですの」
「駆けろ! トロンベ! その名の如く!」
etcetc

紹介した人以外にも地球のロボットアニメが大好きな奴を中心としたチーム、方向音痴、敬語が下手な女性など、世が世ならACE級が勢ぞろい。

正規の教導隊も及び腰になること間違いなし!

そして、提案した我らが主人公は!







「・・・・・・・・・どこをどう間違えたかなぁ・・・?」







今の状態を思い返して、首を捻っていた。







大 河:こんな感じです。

イリヤ:・・・あのあたしだったら、こんな部隊相手にしたくないから、さっさと逃げますよ?

大 河:・・・そうねぇ

イリヤ:と、とりあえずこんな感じですがよろしいでしょうか?

大 河:そうね。後は作者に虎竹刀を5発も叩き込んでやりましょう・・・

イリヤ:では、また次回のタイガー道場でお会いしましょう





終わっとけ





後書き

えっと、またしても間が空いてしまい申し訳ありません。

とりあえず、年末までの忙しさは解除されました。

まだ、予定はきつきつですが、前のようにはならないと思います。

遅くても隔週ぐらいには、なんとか・・・

あと、今回よりオリジナル要素がついてきました。

オリジナルのロストロギアを暴れさせるための下準備となっているため、PT事件と闇の書事件では本格的には動きませんが。

では、外伝2の拍手の返信です。

※士郎は帰ってしまうのか・・・。リリカルの世界にいたほうが幸せになれる気がするが・・
私もそう思いますが、士郎は一度決めたら絶対に戻ると思います。戻らないとしたら、桜ルートの時のような状況に、リリカルヒロインが作らないとダメかと

※ぐふっ!!orzお兄さんはもうすずかで萌え尽きたZE
ありがとうございます。これからも鋭意頑張ります。

※夜の一族は不足しやすい鉄分を補給すりために血を飲むなるほど士郎は確かに夜の一族と相性が良いな、なんていったって血潮は鉄だもんな
詠唱ですから、そこまで気にしなくても。身体が問題ですけどね。この場合

※11話を読んで、一つ思ったことが。クロノが「管理外世界でのでの戦闘自体が違法」と言っているが
※衛宮 士郎は管理外世界出身及び由来の魔法使いであるからして管理局の法は適用外で、
※これからも適用は不可の筈なのに何故に衛宮 士郎は自身が有罪になったらどうとか考えるのか?
※例えば原作当時の彼ならそう考えるかもしれないがこの作品の衛宮 士郎は、作品を読む限り、
※法や規律に関する抜け道や欠点等をしっかりと考え理解して行動を起こすのではないでしょうか?
※ユーノにも、自分はこの世界の者で、君達の魔法とは違うと説明しているのに管理局の法に従うのはあいかわず士郎はおいしいなぁ・・・
※ファリンのオートマタについてなどの話は出るご予定は?というか、ファリンフラグは!?
長文ありがとうございます。
この場合士郎の問題点は、管理局が並行世界に興味を持つことと人形体の興味を持って欲しくないことです
あまり認めたくないですが、士郎の立ち居地では犯罪捏造されたら、何も出来なくなるのでそこを危惧しています
法の抜け道探しても、捏造されて捕まっては全てがお終いなので
そして、適用外だとしてもすでにロストロギアに関わってしまい、適切な処置を行っていないのにロストロギアに関わってるのでその関係です
士郎がいた型月世界はそれはもう極悪仕様なので、最低の最低を常に想定しているのです
ファリンさんはすずかのメイドさんなので、すずかとくっつけば一緒にくっつくことになるでしょう(え

※うぉああぉぉお!!!iseizinの旦那ぁぁぁ最高すぎるぜぇぇ。すずか分MAXロマンをありがとう。
すずかに萌えていただきありがとうございました。

※ぐはぁぁ!!! アルフ派の俺がぁぁすずか に癒されている!!!iseizinの旦那は最高だ!
すずかに癒されてありがとうございます。現在、アルフ編は全く構想してなくて申し訳ない・・・

※A'sで元の世界に戻った後、また士郎がStrikers開始手前ぐらいに飛ばされるってのどうですか?
ちなみにその時の外見年齢はどうしましょうか? 一応、作中の士郎くんはなのはと同い年なんですけど。面白いif話だと思います
時間あったら考えてみて、ifとして書いてみようかと思います

※士郎も感覚で魔術を覚えているので持たせるデバイスはユニゾンの方が効率がよさそうですね。
寧ろ、士郎は本当に知識を何とかした方がいいと思われます。危険なのを本当の意味で理解してなさそうなので

※夜の一族大好きです。契約の内容が恭也っぽく変化する日はくるのか?
すいません。現在未定です。誰とくっつけるか全く考慮外となってます

以上です。感想ありがとうございました。





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