魔法少女リリカルなのは Crossing of the Fate
Stage9「転校初日」

side―Emiya Shirou

今日は俺の転校初日。

まぁ、もう一度小学生するのかと思うと、ちょっと嫌だが、俺は9歳くらい前の記憶がないのだ。

少しだけ楽しみでもある。

(そういえば・・・作ったんだけど、どうするかな?)

眼を向けると、そこには以前なのはたちにプレゼントすると言っていたアクセサリーとそれとは別に作った傷の治療薬がそこにあった。

少しだけ、前のことを思い出している。





それは俺が温泉に行く前のこと。つまりは学校に転校する前のことだ。

「うっかりからはじまるー♪ 並行世界の冒険ー♪」

我ながら非常に怪しげな歌である。

「いいかげんに自覚しろ♪ おまえらはうっかり属性ー♪」

そして、徐々にやばくなっていくのは仕様である。

現実に過去10回ほど歌った(勿論、毎回違う歌)ことがあり、2回バレて、正視できないような顔にされたことがあるのだ。

ただし、世の不条理を歌うことで俺の『アクセサリー』は、何故か出来がよくなるのである。

「1日1うっかり(中略)」

そして、最大の怨敵である『あかいあくま』がいないので、俺は現在盛大に歌っているのである。

・・・まぁ、ばれないよな? 俺が考えている歌を最後まで歌うと、殺されても文句が言えない。

結局全て歌い上げ、完成したのは、なのは用の魔力防御指輪。

俺はなるべく装飾はシンプルに作るのが普通だが、やはり女の子。

それに、細工を加えて銀細工で星のマークを小さく作り、くっつけてみた。

蛇足だが、俺の作ったアクセサリーは魔術協会でも結構有名で、かなり高値で取引される。

一度だけ、アクセサリーの権威(表のな)が俺の作ったアクセサリーをみて

「昨今のアクセサリーにはない力強さがあっていいね」

と褒められ、高値で買い取ってくれたりした。(当然、魔術付加はなし)

そんな感じだから、マネージメントは遠坂が行ってくれたのだが、料金は遠坂の手に納まってしまった。

それだけならまだいい(いや、よくはない)のだが、俺の知らない所で脱税までしようとしたくらいである。

・・・ほんと、遠坂は信用も信頼もしているのだが、背中には十分気をつけないといけないのである。

ユーノ用のネックレスもすでに完成しており、それとは別になのはが傷ついた場合の治療薬もすでに作り終えている。

ユーノはあの時にネックレスを希望していたので、男がつけても問題ないように作っている。

ま、フェレットもどきだし、多少は飾りをつけておいたが。





「うーん・・・朝食の席で渡すか」

今日は道場での訓練の日。

頑張って恭也さんと模擬戦しますか。



    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *



で、朝食の時間。

今日も見事な朝食が桃子さんの手で作られた。

今日はフレンチトーストとグリーンサラダ、ウィンナーソーセージとプレーンオムレツである。

高町家では現在食事のバリエーションが非常に豊富になっている。

原因は当然俺であり、俺は和食と中華が中心だが、他にインド料理や東南アジアの料理も作れる。(まだ後の二つは作っていないが)

桃子さんは本場直伝の洋食で、国もかなり多様化している。

そして、俺と桃子さんの師弟コンビががレシピ交換しながら作っているので、かつてないほどバリエーションが豊富なのである。

で、それらが高町家の手で食べられているのである。

俺は食べて貰えて大満足だし、作ることもできて大満足・・・いや、俺は料理は趣味じゃない。そう、ないんだ。

それはともかく。

「あ、なのは。前プレゼントするって言ってたやつ、出来たから渡すよ」

「プレゼント? なんだっけ?」

「サッカーの日のあれだよ」

あ、となのはが思い出したようだ。

「はい。指輪だ」

そう言って、全員がなのはの手を見る。

・・・ただ恭也さん? なんで猛獣の目なんですか?

桃子さんと美由紀さんが感嘆の声をあげ、士郎さんも同様だ。

なのははというと、嬉しそうに笑顔になってくれた。

指輪の解説をしておこう。

「ちょっと細工してみて、星の形の細工を加えてみたんだが、どうだ?」

「うん。うれしいよ。大事にするからね」

「それとそれ、左手の小指用だぞ?」

この指輪は御守り用のため、本式は小指に付けるものなのだが・・・

「あ・・・そうなの?」

「ああ。本来は御守り用だから、小指に付けるのが本式なんだ」

とりあえず、ちょっと訂正しておこう。

なんか、小声で『えへへ・・・大事にしなきゃ』と聞こえたんだが、どういう意味だ?

とにかく、嬉しさで顔を真っ赤にしている。うん。かわいいな。

「あ、それとユーノの分も作ったから、付けてくれ」

「わぁ・・・ユーノもカッコよくなったよ」

「ふーん。でも、なのはやユーノだけじゃずるいなぁ」

「あ、それなら全員分作りますよ。作ってほしいものあったら、言って下さい」

そうだな。家族なんだし、全員分作るのも悪くない。

あっちでも、お守りとして何人かには作ってたしな。

「そうだね・・・うーん。指輪だとなのはに怒られちゃいそうだし」

「そうね。何がいいか考えておくわ」

なのはが顔を真っ赤にして、何か怒っている。なんでだ?

「はは・・・わたしも何か考えておこう・・・いいな? 恭也?」

「・・・・・・ああ」

あ、あの・・・すっごく恭也さんが怖いんですけど・・・うわ。眼が光ってる!?

だ、誰か助けてくれ・・・



    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *    *



で、俺はというと、3人娘と登校中である。

まぁ、この前のサッカーで分かってはいたつもりだが、視線がすごい。

この3人の人気の高さを物語っている。

「うん? どうしたの?」

「いや・・・なんか視線が凄くてな」

「あ、士郎くんのことを知らないからだよ」

いーや。それは絶対に違う。

だって、一番最初に君たち3人の中の誰かを見てから、次に俺に視線が来るのだ。

絶対、やばいって。具体的に言うと、穂群原で遠坂と桜と一緒に登校した時と同じくらい視線を感じる。

アリサは気付いているな。笑ってるし。しかも笑い方が遠坂に似てる。

すずかは表情から判断できん。

「ま、いいじゃない。もうすぐ着くわよ」





俺は職員室に行き、転校先のクラスを聞いた。

まぁ、予想はしていたがなのはと同じクラスみたいだ。

「君の家の事情が特殊みたいだから、家の人と一緒にした方がいいという意見がでたの」

「まぁ、なんとなく予感はしてましたよ」

ほんとに俺の予感は当たるのである。良くない方向には。

「じゃ、なのは・・・いえ、高町さんと同じクラスなんですね?」

「そうよ。それと別に改める必要はないと思うわよ」

言ってから、俺も思いました。とは言わない。

「じゃぁ、呼んだら入ってきてね」

「はい」

さーて。流石に転校生になるというのは俺の記憶にないな。

本当にどうなるんだろうか?





「衛宮士郎です。よろしくお願いします」

予想通りというか、なのはだけでなく、アリサとすずかまでいるな。

中には先日、一緒にサッカーした子やその対戦相手もいる。

これなら、思ったより簡単に馴染めるかもしれない。

「席はあそこよ」

「はい」

後ろの席に向かう途中、アリサがいたので軽く挨拶して、席についた。

で、休み時間である。

「ねぇねぇ。どこから来たの?」

「何か趣味あるの?」

「このまえ一緒にサッカーしたけど、覚えてる?」

などなど質問が来た。だから、一つづつ答えていく。

「N県の冬木ってところが、前いたところだ」

「趣味は体鍛えることで、あと家の都合で家事は結構やってる」

「覚えてるぞ。GKの子だろ? マネージャーとは上手くいってるか?」

と、こんな感じである。

ちなみに、GKの子についての解答で関心がそちらにも向いた。

男の子が睨んでいるが、俺は気にしない。とりあえず、手を振ってやる。

やっぱり、純情な少年をからかうのもおもしろい。

ただし、俺にとってはかなり困る質問が飛んできた。





「どこに住んでるんだ?」





・・・なのはの人気から考えて、本当のことを答えるとかなりやばいことになるのは確実だ。よし、誤魔化そう。

・・・と思っていたんだよ、俺は。





「あ、士郎くんはわたしの家に住んでるんだよ」





・・・なのはさん? あなたは俺に恨みでもあるんですか?

「し、士郎くんはわたしにとって大事な家族で、今日だって指輪をプレゼントしてくれたし」

静寂・・・時間が止まったかのようだ。

なんか、非常に誤解を受けそうな紹介をされたと思う。

俺は逃げられるように足に力を入れる。





そして、時は動き出す。





「つ、捕まえろ!」

「く!? 逃げたぞ!?」

「は、速い!?」

「ははは! 俺を捕まえられるなら捕まえてみろ!」

一目散に逃げ出した。あの眼はやばい。虎の目だった。

く!? まさか穂群原と同じように、俺は全校生徒を敵に回すのか!?

と慄きつつ、デビル○ットゴー○トを駆使しながら避けて、逃げていった。





まぁ、結局逃げても授業があるから、教室に戻るんだけどな。

中々の敵意を感じる。

「あ、衛宮くん。もうばれちゃったの?」

「いや、そんなあっさりと片付けないでください」

先生、笑わないでください。俺からすると、洒落になってないです。

「衛宮くんは家庭の事情で、現在高町さんの家に滞在しています」

ざわめきが広がる。今日中に学年中に広がっていそうで怖い。

「はい。じゃぁ、授業を始めますよ」

そして、先生はさばさばしすぎです。

こうして、転校初日にして波乱含みの幕開けとなった。





で、3時間目は体育である。流石に小学校であるため、体育は男女合同。

俺はと言うと、早々に男子生徒を敵に回しているため、結局なのはたちと同じグループになり、加えて宮本くん(GKの子)とそのガールフレンドである佐々木さんで構成している。

ちなみに今日はドッジボール。ほぼ全員がルールが分かるものが選ばれた。

で、だ。

「・・・うむ。全戦全勝だな」

「・・・こ、この化け物め」

予想はできていたが、俺のチームの勝ちである。それと失礼だぞ? アリサ。

まぁ、普通に俺とすずかのタッグは、学校の体育の授業のレベルを遥かに超えているのである。

『HU○TER×HUN○ER』でのドッジボールでの対決がそのまま実写化したようなもんである。

さすがに先生も不公平を感じたため、最後にクラス全員で行う対戦では、俺とすずかは分けられた。

「負けないよ」

「こっちもだ」

すでに、俺とすずかと火花を散らしている。

そして、周りのクラスメートは俺たちから引いた。

試合開始である。





まぁ、詳しいことは割愛しよう。

だって、結局のところ、俺とすずかの投げ合いである。

人数が少なくなってきて、両チームともエースを仕留めるべく、戦いが始まるのだ。

俺は男子に恨まれていることもあり、嫉妬に狂った男子が投げてくれるので、キャッチして投げ返している。

すずかは逆に女の子ということもあるのか、味方に投げられているボールを率先してかばって、キャッチしている。

そして、残り時間は10分。

俺のチームはなのはと宮本くん、そしてその他3人。

すずかのチームはアリサとその他6人。

若干、すずかのチームがリードしている。そして、エースすずかにボールを渡して、また一人討ち取られた。

「・・・俺が行こう。すずかだと俺じゃないと止められないだろ」

「士郎くん」

なのはが心配そうにしているが、忘れてないか? これただの体育の授業だぞ?

なんでそこまで心配そうなんだ? ・・・もしかして、なのはこの前のフェイトとの戦いの感覚が抜け切ってない?

ま、ポンポンと頭に手を乗せた。そして、殺気が膨れ上がったが、無視してすずかに告げる。





「こい。ケリをつけよう」





その言葉で殺気が霧散した。すずかも目付きが真剣になった。

そして、誰もが俺とすずかの最後の戦いが思った。俺も当然思った。

そして、すずかは全力で投擲する構えを取った。が





「いきなさい! そして、卓球での決着つけなさい!」





アリサの叫び。そして、





「あ、あぅ・・・」





すずかが突然赤くなり、投げたボールは今まですずかが投げていたボールとは思えないほど遅く、俺の手に納まった。

・・・アリサ。おまえはやっぱり遠坂に似てるよ。だけど、うっかりまで似ることはないんじゃないか?

とりあえず、最前列にいる赤くなったすずかに軽く当ててやり、俺はボールをキャッチした。

「・・・あれ?」

「・・・俺も予想してなかったけど・・・必死にあの事を忘れようとしてたみたいだぞ? すずかは」

まぁ、当然か。あの時、同年代の男に素肌を晒したのだ。

しかも、多感になり始めるころなのだ。動揺しないほうがおかしい。

「えっと・・・もしかして、自爆した? あたし」

「盛大な自爆だな」

「あ・・・あぅあぅ・・・し、士郎くんに見られた・・・」

すずかの言葉に衝撃がまたしても走る。

・・・俺はどこまで敵を増やせばいいんだろうか?





あの後、結局俺のチームは勝ったのだが、当然というべきか視線が冷たかった。

ちなみにすずかは尋問中。一緒になのはも尋問中。

アリサは証人として進言中である。

・・・流石にアリサはこの件について、口を閉ざした。

女の子の秘密にしておいてもらえると非常に助かる。

ただ、アリサに俺は尋問され

「あんたはどこまですずかの・・・見た?」

あまり見えなかったと嘘を言っておいた。

・・・ホントは見ました。どの程度まで見たかって? 





すいません。上半身ほぼ全部見えました。

・・・今からでも遅くないから、すずかに土下座しよう。





それはともかく、この後はなんとか問題を起こさずに学校を終了することができた。

・・・いや、俺どれだけ問題起こしてるんだよ?

なんか明日学校に来たら、男子からいじめ食らいそうなんだが。

「あはははは・・・やっぱ、あんた面白いわ」

この『きんのこあくま』め。何がそんなに面白いんだ。

「い、いやね・・・昨日すずかに連絡して、士郎がどれだけ問題起こすか話してたんだけど・・・」

「・・・ほ、ホントに全部思いつく限りの問題起こしたよね・・・『それ以上』のことまで起こしたし」

俺の行動はそこまで読みやすいか。

ちなみにすずかには本気で誠心誠意、学校で謝った。すずかが申し訳なさそうな顔をするぐらいに謝った。

っていうか、すずかがいう『それ以上』のことは、アリサが原因だと思うんだが・・・

ま、それはともかく。

「じゃな。また明日」

「ばいばい」

アリサとすずかの元気な返事だ。いい感じだな。嫌な予感は全部当たったが、なのはたちと同じクラスで良かったと思う。

・・・もし違うクラスになったとしても、なのはたちが乱入してきて、結局今と同じ状況になる気がするし

なら、一人でも気がある友人がいた方がいい。

それはともかく、だ。

「なのは」

「なに?」

「なにを悩んでいる?」

なのはが驚きの表情を浮かべている。

なんか、驚きの中に非常に失礼な表現が混じっている気がするが、無視する。

どうせ俺は鈍感ですよ。

「わかる?」

「今日は午前中からボーっとしすぎだ。五時間目が終わって、レイジングハートが俺に伝えてきたくらいだ」

俺もなのはたちの魔法を聞いて、習っているが、やはり才能がないので全然使用できない。

辛うじて使用可能になったのは念話だが、俺は受信しかできない。

しかも、相手がデバイスだからできるのである。

「・・・実はね。悩んでいるの」

なのはが語り始める。悩んでいるのはフェイトとのことだと伝えてきた。

「本当に戦っていいのかな。この前は確かに戦いの意志を伝えたと思うんだけど、今になって揺らいじゃった」

それは当然のことだ。実戦経験が全くなく、いままで平和に暮らしてきた少女。

正しく、戦いとは対極の存在だったはずだ。

だから、彼女は迷っている。このままでいいのかと。

「・・・悪いが、俺はそれに答えることはできない。それはなのはが見つけないといけないことだ」

そう。これに関して俺は答えられない。戦いの理由は人によって違う。

なのはの戦う理由はあの少女に何かを感じたからだ。俺は感じていない以上、それはなのはが見つけるべきことだ。

だが、本当に戦うことが正しいのか。なのははそこに疑問を持っているのだろう。

「なのは。俺は戦うことが絶対に正しいとは思えないし、同時に間違っていないと思う」

「え?」

なのはがわからないという顔をする。

俺にだってわからない。それは俺にとっても問いの一つなのだから。

「俺もいつも迷ってる。あの時こうしていればよかったんじゃないか、別の方法があったんじゃないかって」

「・・・」

なのはが黙って俺の話を聞いている。だから、俺は自分が思っていることを紡ぎだした。

「助けられるはずの手がすり抜けたこともあった。助けたはずなのに罵倒されることだってあった。結局、動いて結果をださないと答えは出ないんだ。理不尽だけど」

他にも、決断を迫られ、機を逃したこともある。状況はたくさんある。

人一人にできることなんて、たかが知れてる。そんなことは俺がよく知ってる。俺だって、自分の命だけで精一杯のはずだ。





だって、そうだろう・・・俺が全てを救えたのなら・・・あの時、助けを求めた手を無視するなんてしないはずだから。





でも、それでも・・・

「それでも俺は前に進み続ける。例え、結果が正しくなかったとしても、罵倒されたとしても、助けた人がまた何かを積み上げる。
 その積み上げた何かが間違っていたとしても・・・人は何かを残せると信じているから。
 だから、俺は歩き続ける。俺が正しいと思ったことを。そして、今まで歩いてきた道のりが、決して間違っていなかったって信じてるから」

だから、前を見れる。あいつは・・・あの赤い弓兵はそれを信じれなかった。

だって、あいつは助けた人じゃなくて、助けられなかった人しか見ていない。





俺は・・・いや、俺たちは知っているじゃないか。助けられた人は助けた人の幸せを願うってことを。





それを遠坂があの雨の日に教えてくれた。

だから、俺は目を逸らさない。助けた人も助けられなかった人も忘れない。

この誓いを胸に、今も進んでいってみせる。

少しの間。こんな話なのに、俺たちの空気は柔らかかった。

「・・・わたし、士郎くんのこと何も知らないんだね」

「そうだな。いつか話せる時が来るから、待っていてくれ」

「うん。待つよ。フェイトちゃんのことは今もわからないけど・・・それでも想いを胸に進むよ。
 わたしはフェイトちゃんから感じた悲しみをわかりたい。だから話がしたい。そして、それを背負いたい」

なのはは「あっ」と呟き

「なんだ・・・答えが出たよ。士郎くん」

そして、晴れ晴れとした笑顔で俺に告げた。

「まずは本人―フェイトちゃんに言うから、まだ士郎くんには秘密ね」

本当に楽しそうだ。

とても、今まで悩んでいた顔じゃない。

だけど、こんな時間は嫌いじゃない。





こんな穏やかな時間は・・・そう嫌いじゃないんだ。





「えへへ・・・なんだ、結構あっさりでちゃった」

悩みが解決して、晴れやかになっている。

まぁ、いいことだろう。それにこれでなのはは多分フェイトと同じステージに立てたはずだ。

なのはとフェイト。二人はよく似てると思うが、同時に決定的に違った。





フェイトは自分の想いを持っていたが、なのははまだ持っていなかった。





ジュエルシードを集めるという想いは強かったが、やはりそれはユーノの目的が発端だ。

だが、今この時をもってなのはは自分の意志を明確にした。

これなら、なのはとフェイトの覚悟の差は埋まるだろう。

だが、問題は・・・

「困ったな」

「なにが?」

「いや。これから、二人の戦いがより激化しそうでな。止めるのが大変だ」

「それは頼りにしてますから」

ホントにハイテンションだな。あ、そうだ。

「ついでだ。アリサやすずかにも悩みは解決したって、言っておけよ。結構心配してたからな」

「うん。わかったよ!」

こうして、俺たちは高町家に到着した。





で、晩飯を食べ終わって、俺はというとジュエルシード探しである。

なのはは昨日の戦闘のおさらいをさせて、俺は一人でジュエルシードを探している。

ちなみに、この近辺で一番高いマンションから街を見下ろしている。

探す方としては、俺一人でははっきり言って効率が悪い。

何せ俺は非常に集中しなくては、ジュエルシードの魔力を感知できない。

だから、目視で探してみようかと思ったのだが

(・・・あかん。やっぱり見つからへんわ)

関西人の物真似をしてみたが、やっぱりダメだ。なぜ、ここでボケようとするのだろうか?

いや、一応タイルの数とかは数えられるのだが、夜のネオンが青色に光ったりするので、判別はさらに集中しないと難しい。

とはいえ、やらなければならない。

昼間にやればよかったと思うが、今さら遅い。俺は小学校に通うことになったため、時間を捻出するのが難しくなったしな。

現時点で、なのはが集めたジュエルシードは7個で、フェイトはジュエルシードの気配が消えた感じからして、最低でも3個。

いや、俺たちに気付かれる前に封印している可能性もあるので、5個程度と予想しておこう。

となると、全部で半数は封印されたことになる。

(・・・魔術の素養が足りない俺ではこれ以上は厳しいか?)

もともと、戦闘面でしか役に立っていないとはいえ、それでもやっぱり悔しい。

だが、どうする?

何か、何かないか? そう思っていると

(そうだ。俺には宝具があって、その中に捜索用かそれに準ずる宝具があったはず!)

他にも、捜索用ではないが、対象物の所在を占うような宝具もあった気がする。

検索をかけようとした。その時





直下から魔力反応がした。





・・・この反応はジュエルシードじゃないな。たぶん、フェイトか。

場所を考えると、マンションの中から直接何らかの魔力放射を行ったか?

・・・何故だろう? 俺の中にあるアーチャー分が騒ぎ出した。



interrude



あの鬼ババァ・・・なんで、フェイトのことをいつもいつも・・・!!

だというのに、フェイトはフェイトであいつをかばう・・・なんでだ?

こんないい娘他にいないのに・・・

贔屓目を抜きにしても、フェイトぐらいいい娘はいないはずだ。

怒りに身を震わせることぐらいしかできない。それがまたむかつく。

あたしはフェイトの使い魔だが、あのババアの使い魔ではない。

だからこそ、今の状況のおかしさは誰よりもわかっている。

(・・・あんなやつが、昔は優しい?・・・ありえない!)

何故、フェイトに辛く当たるのかあたしにはわからないが、あの仕打ちに愛情というものは欠片もない。

そんなことぐらいはあたしにだってわかる。

本当に逃げ出す方法はないだろうか?

(・・・フェイトが認めないか。ならせめて、気を紛らせることができるやつは・・・)

そういえば・・・最近よく見るあの二人。

えっと・・・衛宮士郎と高町なのはってやつは、フェイトのことを笑わせてやれていた。

特に温泉での戦いの後は、いつもより楽しそうに訓練してたっけ。

(まぁ、なのはとかいう奴はライバルみたいな感じかもしれないけど・・・でも、漫画だと宿敵と書いて親友と読むんだっけ?)

と、最近見に付けた知識から該当する言葉を見つけてみた。 (注:アルフは漫画から得た知識をそのまま引用することがあります)

それはともかく

(・・・なんだかんだで、あの二人と争ってるのが楽しそうなんだよな。・・・うーん。あの二人と話し合いをする?
 いや、いっそのこと友達にでもなってくれたら、フェイトが明るくなるかも・・・)

あたしの思考は何時の間にか、敵と仲良くする方向に向かっているが・・・

(って違うだろ!? なんであたしは敵を頼りにしてるんだ)

それもこれもあの坊主のせいだ。

何が、俺はフェイトを傷つけたくないんだ(注:微妙に台詞が違ってます)、だ。あいつのぽややん思考に毒されてきたな。

とはいえ、不思議と悪い感じは受けていない。

やっぱり、フェイトには話せる同年代の友達が必要だろう。

(・・・認めたくないけど、最後の手段にあいつらに頼んでみよう。なんとなくお人好しに見えるし)

と思考を固めたら、





インターホンが鳴った。





誰だ? こんな時間に?

「すいません。隣に住んでいる山田ですが、預かり物があるんですが・・・」

はぁ? そんな重要なものあったっけ?

まぁ、しょうがないか。

「あいよ。今行くから待ってな」

そう言って、あたしは玄関のドアを開けた。





は? なんで、あの坊主がいるんだ?





「隣に住んでいる山田改め衛宮士郎です。どうもよろしく」

・・・コイツ。声を変えてたのかぁ!?

「うん。その驚いた顔を見たくて、声変えたんだけど、成功だな」

などと、うんうんと頷いている(バカ)坊主がいた。

・・・とりあえず、全力で拳を振るったのだが、そこのところは理解してもらいたい。



魔法少女リリカルなのは Crossing of the Fate Stage9 「転校初日」End
Next Stage 「暴走」



没ネタ

指輪をなのはに渡した後

「この前聞いた指のサイズで作ってみた。付けてみてくれ」

「うん」

そういって、なのはは左手の薬指に付けて

「うん。ぴったりだよ」

と嬉しそうに微笑んでくれた。

よかったよかった。・・・あれ? なんで桃子さんと美由紀さんは俺となのはを見て、にやにや笑うんです?

それにさっきよりも、恭也さんの殺気が濃くなりましたよ?

士郎さん? 状況がわからないんですけど?
(注:士郎は左手の薬指の意味は、広義的な意味である『願いをかなえてくれる指』としか聞いたことがないため、意味わかってません)

没理由:本当に士郎が知らないかが、確信できなかったため。



タイガー道場!! Stage9!!

注:)基本的に恐ろしくギャグ空間です。
   拒否反応がある方は読まないでください。

バーサーカー?:ふ・・・私を本気にさせるとは、あなたも中々やりますね

大 河:って、ちょっと!? な、なんで紳士になってんの!?

バーサーカー?:ふ。Fate本編ではバーサーカーとして召喚されましたが、私は本来ギリシャ神話最大の英雄です。
        ならば、礼儀や礼節は知っていて当然でしょう。

大 河:い、いやいや!? どっちかというとタイガーコロシアムの『バーサーカー』なんじゃない!?

バーサーカー?:些細な問題です! では、『射殺す百頭(ナインライブズ)!』

大 河:な、なんで宝具が使え・・・





イリヤ:激闘継続中・・・バーサーカー・・・どうしたの?(泣

ギルガメッシュ:なんか大変なことになってますね。

イリヤ:うう・・・お願いだから、そろそろやめてほしいんだけど

ギルガメッシュ:もう作者の人も収拾付ける気は放棄したのかもしれませんよ?

イリヤ:・・・あんただったら、収拾できるんじゃないの?

ギルガメッシュ:ムリですね。あんな理不尽兵器に勝てるわけないじゃないですか。

イリヤ:・・・もういいです。今日は『シロウの好感度調査』とさせていただきます。

ギルガメッシュ:本編では現在フラグ立ててるのは、なのはさんとフェイトさんですね。あとはすずかさんですかね。

イリヤ:相変わらずといえば、相変わらずだけど・・・はぁ。

ギルガメッシュ:本当に元気ないですね。
          まぁ、現在の評価は上から順に、なのはさん、フェイトさん、すずかさんでアリサさんとはやてさんという順番じゃないでしょうか?

イリヤ:・・・ホントにシロウは・・・(ぶつぶつ)。

ギルガメッシュ:あ。今日は本当に反応鈍いなぁ。でも、無印〜A'sまでにフラグは全員完了してるのが、作者の考えになってます。

イリヤ:それはメインキャラだけでしょ? 他にも出てきてないけど、フラグ立ててる人いるらしいし。

ギルガメッシュ:それはお兄さんだからと諦めてください。

イリヤ:・・・バーサーカー・・・お願いだから、元に戻ってよぉー。



END?



大 河:・・・いくわ。『虎竹刀』よ。

バーサーカー?:ふ。行きますよ! ライダー!

ライダー:(天馬召喚)



終わっとけ。



後書き

超忙しいです。いや、マジで。

最近、風邪が流行っているみたいなので、予防しましょう。

では、EXTRA STAGEでの拍手の返信です。

>終わりのほうの文の中にあった「うん。バツっばらバツだ。」というのは「うん。バツったらバツだ。」ですよ
 うわ。ホントだ。何度も見直したんですけどね・・・修正は後日行います。
>相当先の話になるでしょうがStsまで続けて欲しいものです。面白かったです
>A'sまでではなく、STSまで続けてください。応援しています。  ありがとうございます。STSまで行けるようにしたいです。ただ、最近は浮気してオリキャラものまで考えている始末ですが
>面白いですぜ!ダンナ!今後も期待大!!!応援してます
 ありがとうございます。基本的に私は小心者なので、感想くれるだけでテンション上がります。これからもよろしくお願いします。
>シロウ、貴方はいくつフラグをたてれば気が済むのだ
 こいつは天然なので、いくつ立てるかはわかりません。私の中では『美女(または美少女)キラー』となってます。
>謙遜するな、あんたは神だ。俺が認めた唯一神だ次は是非フェイトと士郎の甘々なラヴストーリーを
 個人のラブストーリーはまだ考えてないですが、いずれ番外編みたいな形でやりたいです。

感想ありがとうございました。

では、また次の話でお会いしましょう。

追記

修正しました。

修正点は感想掲示板で指摘された部分です。

あと、一部ですが、句読点を追加しました。

内容に変更はありません。表現の仕方を変更しただけとなっています。








作者さんへの感想、指摘等ありましたらメ−ル投稿小説感想板
に下さると嬉しいです。