四十一話 なのは

 

 

良介が誘拐犯を殺そうとし、ドラコモンが止めに入っている中、

 

パンっ!!

 

廃墟に乾いた音が響き、良介とドラコモンの怒声がピタリと止み、廃墟に再び静寂が訪れた・・・・。

良介は一瞬自分が何をされたのか、分からなかったが、目の前には誘拐犯から助け出した女の子、アリア・バニングスがおり、自分の頬に痛みを感じた。

そう、アリサが良介の頬を叩いたのだ。

「アリ・・・・サ・・・・な、なんで・・・・」

「その喋るトカゲの言うとおりよ!!アンタ、何やっているのよ!?」

アリサは自分を誘拐した犯人を庇う位置にいる。

(僕はトカゲじゃなくて、デジモンなんだけどな・・・・)

アリサは先程ドラコモンが言ったように良介に何をしようとしたのかを問う。

そしてドラコモンはアリサの言った言葉に心の中でツッコム。

 

「こ、コイツらはお前を誘拐した犯人なんだぞ!?しかもお前を犯そうとして・・・・・こんな奴らは生きている価値なんてないんだよ!!そこを退けアリサ!!やっとアイツの仇を討てるんだ!!このまま生きて警察なんぞに渡してたまるか!?」

良介は声をあげ、アリサを退かせようとする。

「このバカ!!」

 

パンっ!!

 

アリサが再び良介の頬を叩く。

「アンタの過去に何があったのかは知らないけど、生きている価値のない人間なんて居ないわ!!それにこんな連中のためにアンタの手を汚す事をして、アンタの言う『アイツ』は喜ぶの?その人はアンタが殺人者になる事を望んでいるの!?」

アリサの説得を聞き、良介は力なく、両膝をつく。

(そうだ・・・・アイツは復活させた時、一度殺された事は全て水に流していた・・・・忍も復讐には反対していた・・・・なのに俺は・・・・俺は・・・・)

放心している良介をアリサは優しく抱きしめ、

「助けてくれてありがとう・・・・私はこうして無事だからもういいの・・・・だからバカなマネは止めて」

アリサがそう囁くと、良介の目には涙が浮かびあがってきた。

それはこの後世のアリサを救う事の出来た安心感と前世のアリサの思いを思い出した事による懐かしさからであった。

その後、誘拐犯が持っていた携帯を使い、警察を呼び、アリサは無事保護され、犯人達は全員逮捕された。

さらに犯人達の供述からアリサの誘拐を依頼したライバル会社の社長も逮捕された。

 

アリサが警察に保護された時、良介とドラコモンの姿はいつの間にか消えていた。

翌日、アリサは普段通り学校へ登校し、改めて昨日の礼を言いに良介のクラスへ訪れたが、良介はこの日欠席していた。

クラスの子に良介の家の場所を聞いたのだが、知らないとのことで、その日アリサは良介に会うのを諦めた。

自分のクラスに戻ると、昨日自分が誘拐された事を心配してすずかが声をかけてきた。

「アリサちゃん、昨日は大変な目に遭ったってきいたけど、大丈夫?・・・・その・・・・怪我とかしてない?酷い事されなかった?」

「大丈夫よ、すずか。警察の人がすぐ来てくれたから」

アリサとすずかが話していると、

「アリサ、昨日君が誘拐されたと聞いて心配したよ」

一刀がアリサに話し掛けてきた。

「俺の嫁に手を出すとは、不逞奴らだ。本当なら警察でなく、俺が直々に君を助けたかったよ。 そうだ、今後は俺と一緒に帰らないか?そうすればもう誘拐なんてされずに済むし、すずかも一緒にどうだい?」

「い、いや・・・・ちょっと・・・・」

すずかは苦笑いをしつつ曖昧に答えるが、

「結構よ、今度からはちゃんと家のSPに送ってもらうから」

と、アリサははっきりと拒否の姿勢を見せた。

しかし、

「はは、アリサはツンデレだな。そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないか」

アリサの言葉はまったく彼には効いていなかった。

「誰がツンデレよ!いいからあっちに行きなさいよ!」

「まぁまぁ、少しは落ち着いて、自分の嫁さんを心配するのはご主人様として当然だろう?」

「誰が嫁でご主人様よ!?だいたいなんで、私がアンタをご主人様と慕わなきゃならないのよ!?」

一刀の一方的な態度とわざわざその態度に付き合い、ヒートアップしていくアリサ。

こんなやり取りをしていると、担任の教師が教室へと入って来て、HRが始まり、一刀とアリサのやり取りはそこでようやく終わった。

 

その頃、学校を休んだ良介は、自分の部屋のベッドの中に居た。

「なぁ、ドラコモン、良介どないしたん?」

「昨日家に帰った後、食事も摂らずにずっと部屋に引きこもったままです」

良介は精神的疲労により、昨日からずっと部屋に籠りっきりだった。

その様子を不審に思いはやてとミヤが事情を知るドラコモンに聞いてきた。

「実は昨日・・・・」

ドラコモンははやて達に話すか迷ったが、結局昨日の誘拐現場での出来事を話した。

「そうか・・・・そんなことが・・・・」

「うん・・・・良介には僕自身もまだまだ知らない秘密があるようなんだけど、彼はその事を一切話さないんだ・・・・」

ドラコモンは良介が転生者だと言う事を知らないし、良介自身も自分が前世の記憶を持っている事を誰にも話していない。

それは同じくこの世界に転生した一刀も同じだった。

「僕、良介のパートナーなのに、本当は良介に信用されていないのかな?」

「そんな事あらへんと思うよ」

「え?」

「そうです。もし、ドラコモンと良介の信頼関係が無ければドラコモンは進化なんて出来ない筈ですから」

「ミヤの言う通りや。良介はドラコモンの事を信頼しとるで、ただ言うに言えずといった状況なんやろう。いつか良介の口から語られる日がきっと来ると思うから、その日をドラコモンは待っていてあげて」

「う、うん・・・・」

はやてとミヤに励まされ、良介との信頼を信じるドラコモンであった。

良介は夜になりようやく気持ちが吹っ切れたのか、部屋から出て来て、「明日は学校へ行く」と言った。

 

翌日、良介は学校へと行った。

さくら、はやて、ドラコモン、ミヤの見送りを受けて。

HRが始まるまで、特にやることもないので、窓の外を眺めていると、

「喰らいなさい!」

「ぐはっ!!」

突然女生徒の大声がしてきたと思ったら、まさかの不意打ち・・・・

飛び蹴りが良介に打ち込まれてきた。

しかし、良介はその奇襲をヒラリとかわすと、飛び蹴りをしてきた女生徒もバランスを崩すことなく、見事に着地した。

「何をする!?バニングス!!危ないだろう!?」

突然の不意打ちを食らい、良介はアリサに抗議する。

「五月蝿い!!なんで、アンタあの時勝手に帰っちゃったのよ!?」

アリサが少し不満そうな顔をしていた。

「・・・・・場所を変えよう」

「えっ?ちょ、ちょっと・・・・」

良介は強引にアリサの手を取り、屋上に続く階段の踊り場までやってきた。

「それで、なんで帰っちゃったのよ!?それに昨日だって学校を休んでいたし」

「しかたないだろう。あの場にはドラコモンだっていたし、それに・・・・」

「それに?」

「知られていないとはいえ、殺人未遂を起こした男とバニングス家の令嬢が近くにいちゃあ、お前の家に迷惑がかかるだろう?家族を大事に思うならもう俺に近づくな。友達の月村にもそう言っておけ」

アリサのそう言い残し、良介はその場を後にしようとする。

良介としてはアリサを救えた事に満足できたのだ。しかし、この世界のアリサは金持ちのお嬢様、自分とは住む世界が違うのだ。

だからこそ、良介はアリサと距離を置こうとした。

「な、何よ・・それ・・・・!?」

良介の背後からアリサの大声がした。

しかもその声は怒りを含んでいる。

「アンタがあの時の犯人達を殺そうとしたのは確かに悪い事だわ。でも、アンタは見ず知らずの私を助けてくれた・・・・その事に関しては、私は物凄く感謝しているのよ!! アンタが助けてくれなかったら、今頃私はどこかに売られて此処には居なかったもの・・・・あの喋るトカゲやアンタが人を殺そうとした事を知っているのはアンタと私だけなのよ!?私は恩人を売り渡す様な恩知らずじゃないわ!!」

「・・・・そうかい・・・・それじゃあな」

しかし、良介はアリサの言葉を聞き流しそのまま教室へ戻ってしまった。

「・・・・バカ」

良介の後姿を見送るアリサは寂しそうに一言そう呟いた。

しかし、こんなことで諦めるアリサではなかった。

昼休みになると、アリサは再び良介の下へと行った。

「昼ごはん、私達と一緒に食べるわよ!!」

良介を昼食の席に誘った。

「い、いいよ、俺は・・・・」

一方良介はアリサと距離を置こうとする姿勢を崩さない。

良介の態度にアリサは若干、眉をつり上げ、

「いいから来る!!」

「おまっ・・・・ちょっと・・・・・」

良介の手を握ると強引に引き摺っていった。

 

やがて何時も友達と昼食を摂っている屋上へと着いた。

そこでは、いつもの場所で、いつものメンバーが既にアリサを待っていた。

「アリサちゃん、こっちこっち!!」

栗毛色でツインテールをしている女生徒が片手を上げてアリサに居場所を知らせる。

「あれ?アリサちゃん、その子は?」

栗毛でツインテールの女生徒はアリサに良介の事を尋ねてきた。

「っ!?」

良介はその栗毛でツインテールの女生徒を見て目を見開いた。

「なのはちゃん、彼がこの前言っていた占いをしている子だよ」

ツインテールの女生徒の隣に座っていたすずかが良介の紹介をする。

(やっぱり・・・・なのは・・・・)

前世では妹分として可愛がったあの少女が目の前に居た。

「そういえば、私達アンタの名前聞いていなかったわね」

アリサはここで始めて良介の名を知らなかった事に気づく。

アリサと、すずかは占いの際、良介に自分の名を名乗っていたので、良介は二人の名前をしっていた。最もすずかの場合は前世で会っていたので、名前は知っていた。

アリサについては、その容姿でアリサ・ローウェルかと思ったのだが、彼女のファミリーネームがローウェルではなく、バニングスだった事は予想外だった。

しかし、今すずかの隣に座っているツインテールの女生徒の名前も良介には予想がついていた。

「この際ちょうどいいから、名前、教えてほしいな。私とアリサちゃんは占って貰う時、教えていたし」

すずかが良介の名前を聞いてきた。

「まぁ・・・・名前くらいなら・・・・俺の名前は宮本良介」

「私、高町なのは。よろしくね」

栗毛色の髪をツインテールにした女生徒、高町なのはが良介に自己紹介してきた。

(やっぱり、なのはは、なのはか・・・・)

良介の予想通り、なのはの名前も苗字も前世と同じだった。

その後、彼女達は談笑しながら昼食をとっていたが、良介は会話のネタを振られても「ああ」 「うん」 「そうだな」 等の生返事しかしなかった。

「ちょっと、ちゃんと聞いているの?あんたさっきから生返事しかしないじゃない」

「ん?聞いてはいるよ。ただ、適当に答えているだけ。今は食事中」

「じゃあ一旦食べるのをやめなさい!・・・というかもう食べ終わったのね」

良介が手を合わせてごちそうさまと言いこの場から去ろうとするが、アリサに捕まった。

「ちょっと待ちなさいよ!!」

「その手を離せ」

「いやよ。食事も終わったんだから、お話しましょう?」

「無理」

「何でよ?私達と居るのがそんなに嫌なの?私はあの事は気にしていないから」

少し不安そうにするアリサだったが、良介が無理と言った理由は別に有る。

一方で、事情の知らないなのはとすずかはアリサの言う「あの事」に関して首を傾げる。

「お前、周りの視線を見ろ。明らかにこっちに向いているぞ・・・・。それに男共からは俺に対し、殺気みたいなのをぶつけられているし・・・・」

良介にそう指摘され、アリサが周辺をチラ見すると、確かに屋上に居る男子生徒の視線は良介に向けられている。それも嫉妬を含む視線を・・・・。

アリサ達は自覚が無いのかもしれないが、彼女達は聖祥の中でも美少女で通っているので、狙っている男子は多い。そして、今まで特定の男の子と居なかった。それがこうして一人の男子を囲っている。

その事実が、他の男子生徒達に嫉妬心を植え付ける事となっていた。

これが良介のクラスならばその様な事は無いのだろうが、ここは屋上・・・・当然他のクラスの生徒が多い。

そうとは知らないすずかとなのはの二人は何で、自分達に、特に良介に視線が集まっているのか分からず、首を傾げている。

事態を察したアリサはタメ息を吐いていた。

「そう言う訳だから・・・・それじゃあ・・・・」

そう言って良介はその場から立ち去っていった。

そして良介が屋上から立ち去ったのと入れ違いに一刀が屋上へと現れ、例の如く、彼女達を口説き始め、その結果アリサと口論を繰り返し、なのはとすずかにはドン引きされていた。

そして放課後、先日誘拐されたと言う事で、それを心配したバニングス家の家の者が学校に迎えに来て、同じ帰り道と言う事で、アリサの他になのはとすずかもバニングス家の車に同乗する事となった。

車で帰路を走っていると、通学路に良介の姿を見つけた。

アリサが運転手に車を止める様に指示すると、車は良介のすぐ近くに停まった。

そして、アリサは良介を強引に車に乗せた。

「なんだか、誘拐された気分だぜ・・・・」

「変な事いわないでよ!!学校じゃゆっくり話せないからこうして話せる場を作ったんじゃない!!」

良介とアリサ、互いに不満そうな表情ですずかとなのははハラハラした様子で二人のやり取りを見ていたが、

「ね、ねぇ・・・・それなら私のお店に行かない?」

と、なのはが翠屋に行かないかと提案してきた。

「いいわね、行きましょう」

「そうだね」

アリサとすずかはなんはの提案にのり、

「アンタも行くのよ」

と、良介はアリサに強引に付き合わされる羽目になった。

 

「此処が私の家族がやっているお店だよ」

なのはがそう言ってきたので、

「うん・・・・」

(知っているんだけどね・・・・)

良介はとりあえず返事をして頷いておいた。

そして店の中に入ると

 

「いらっしゃいませ」

 

声をかけて来たのは

 

なのはの母、高町桃子だった。

桃子は前世同様いつ見ても若々しく三人の子供がいるとは思えないほどの容姿をしていた。まぁ、この後世では自分の母親もそれに該当するのだが・・・・。

「お母さんただいまなの」

 

なのはがただいまと言うと、

 

「あらなのはお帰りなさい」

 

桃子は笑ってなのはに答えた。

 

「「こんにちは」」

 

続いてアリサとすずが桃子に挨拶をして、

 

「二人共こんにちは」

 

桃子もそれに返していた。

そして桃子は良介を見てきたので、

「こ、こんにちは・・・・」

良介も桃子に挨拶をした。

すると桃子は、

「あら、いらっしゃい良介君」

桃子は顔馴染みの客と同じように良介にそう言ってきた。

「あれ?お母さん良介君のこと知っているの?」

なのはが桃子に良介の事を何で知っているのか聞き、

「ええ、良介君は大体休日の朝に家族の人とよく来ているわよ。それに、恭也と美由希は良介君のお母さんのさくらさんに、剣の稽古をつけてもらっているわよ」

「「「えぇ〜〜〜!!」」」

なのはすずかアリサの三人は凄く驚いていた。

「私、お店で会ったことないの!?それにお兄ちゃんとお姉ちゃんが良介君のお母さんと稽古していたなんて全然知らなかったの!!」

「私とすずかもよく翠屋に来るけど見かけたことないわ」

 

「うんうん」

なのはとアリサが翠屋で会ったことがないと言いすずかは頷いて二人に同意していた。

 

それから皆は同じテーブル席に座った。

席に座っていると黒髪で眼鏡をかけている女の人・・・・なのはの姉の美由希がやってきた。

「みんな〜注文取りに来たよー」

 

美由希は注文を取りに来たみたいで手には注文の品を書くためのメモを持っていた。

「あれ?宮本君じゃない。いらっしゃい」

「どうも」

「宮本君、なのはたちの知り合いだったの?」

美由希がそう良介に尋ねてきたので、

「い、いや・・・・成り行きでこんな流れに・・・・」

良介は曖昧に答える。

「そーなんだ。あれ?なのはは宮本君に会った事なかったっけ?よく家族でお店に来ているんだけど?」

美由希は先程桃子が言ったセリフと同じセリフをなのはに問う。

「ないの・・・・」

 

なのはが少し落ち込んでいた。

「春休みの終わりぐらいからかな?宮本君、休日によく来ていたのに・・・・」

美由希がそう言うと三人が、

 

「「「え〜〜〜!!」」」

 

また驚いていた。

 

注文した品が来ると、女子三人は食べつつ飲みつつ談笑をしているが、良介はそれに参加せず、屋上の時同様生返事をし、注文したメロンソーダとクリームが挟まれているメロンパンを食べていた。

「そういえばすずかちゃんから聞いたんだけど、良介君占いが得意なんだってね」

なのはが良介に語りかけてきた。

「別に得意ってほどじゃあ・・・・」

「でも、よく当たるってすずかちゃんやクラスの皆が言っていたよ」

「たまたまだよ。それに当たっていってもほんの些細な事ばかりさ」

「それでもいいから占ってくれないかな?」

なのはが良介に占って欲しいと頼むと、

「わ、私も・・・・」

「私も、もう一度占って」

と、すずかとアリアも良介に占ってほしいと言ってきた。

 

良介はまず、なのはを占った。

すると、その結果は・・・・

「新たなる運命的な出会いがある」

と、いう結果になった。

「運命的出会いって・・・・まさか・・・・」

「なのはに彼氏が出来るってこと!?」

「そこまでは分からない・・・・出会いと言っても様々だからね・・・・彼氏かもしれないし、新しい友達かもしれない」

良介は口ではそう説明するが、

(恐らく、この出会いとはユーノや魔法、フェイトのことを指すのだろうな・・・・)

前世の記憶から、なのはが魔法少女になるのは今辺りだったことから、なのはの運命的な出会いとはユーノ、魔法、ジュエルシード、フェイトのいずれかの事だろうと良介はそう推察した。

続いてすずかは、

「知られざる秘密が暴露される」

と、あまり良い結果とは言い難い、結果が出た。

占いの結果を聞き、すずかの顔色が少し悪くなった。

「知られざる秘密?」

「すずか、アンタまさか・・・・」

アリサの言葉にビクッと身体を振るわせるすずか。

それは自分達姉妹の事についてだろうかと、すずかは内心思った。

しかし、そんな事を知る由も無いアリサは、

「私達よりも胸の大きさが増えたんじゃないでしょうね?」

と、見当違いの事を指摘した。

アリサの発言を聞き、ズルッとバランスを崩すすずか。

「えーっ!!すずかちゃんズルイの!!」

アリサの推測を真に受けたなのはまでもが、飛びつき、すずかの胸を凝視する。

「ち、違うよ・・・・増えて無い・・増えて無いよぉ〜」

「でも、なんとなくだけど、この前の健康診断の時よりも大きくなっている様な気がするわ」

アリサがジト目ですずかの胸を服の上から凝視する。

「ご、誤解だよぉ〜」

「それじゃあ確かめてみるの!!」

「えっ!?」

アリサとなのはがすずかに迫る。

しかも二人とも手の動きが怪しい・・・・。

そして・・・・

「うぅ〜もう、お嫁にいけないよぉ〜」

泣き崩れるマネをして、胸を押さえているすずか。

強引にアリサとなのはから服をたくし上げられて、胸を触られ、大きさを確認させられたようだ。

良介は、面倒事はゴメンだと言わんばかりにメロンソーダの御代りを貰いに行き、すずかの胸を見ず、女子達の羞恥心に触れることはなかった。

これがもし、一刀ならば三人のやり取りを近くでマジマジと見学していた事だろう。

そしてアリサの番となり、

占うとどう言う訳か、アリサの占いの結果もなのは同様・・・・。

「近い将来、運命的な出会いがある」

という結果だった。

「にゃっ!?アリサちゃんも私と同じなの!?」

「それじゃあアリサちゃんにも彼氏さんが!?」

「そ、そんなわけないじゃない!!それに良介がさっき言っていたじゃない!?出会いにも色々あるって!!/////

なのはとすずかは、出会い==彼氏 の方程式が出来あがっているようで、今度はアリサが二人に攻められていた。

アリサは必死に否定するが、顔は少し赤かった。

「もしかしてアリサちゃん誰か好きな人がいるの!?」

「そうなの!?」

「だから、違うって!!」

三人が言い合っている中、良介は今度、美由希が男運を占って欲しいと言ってきたのだが、

結果は・・・・・まぁ、察してくれという結果になった。

 

 

あとがき

原作の良介君同様、この世界の良介君も人の出会いには縁があります。

では、次回にまたお会い致しましょう。

 

 




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