三十二話 大天使降臨

 

 

「フフフフ、ようやく手ごたえのある戦いが出来そうですね」

ピエモンは二体の究極体デジモンを見据えながら不敵な笑みをこぼした。

「頼んだぞ、メタルガルルモン!!」

「ウォーグレイモン、ピエモンを倒せば全てが終わる!!」

「倒せるかな?ハハハハハ・・・・」

ピエモンは微笑しながら両手で輪を作る。

すると、手の輪から火の輪が出現した。

「倒してみせる!!」

メタルガルルモンがピエモンに跳びかかると、火の輪がメタルガルルモンに飛んできた

その様子はサーカスのトラの火の輪潜りのようであった。

火の輪はメタルガルルモンの体に巻きつき、跳びつこうとした勢いを殺した。

「メタルガルルモン!!」

ウォーグレイモンがメタルガルルモンに近づくと、

「お前にはこれだ」

ピエモンがそう言った瞬間、ウォーグレイモンの足元には大きなボールが出現し、ウォーグレイモンは玉乗りをする形となったが、すぐに玉から落ちた。

その様子をピエモンは笑って見ていた。

「アイツ嘲っています。太一さん」

光子郎はまともに戦っていないピエモンにイラついている様子だったが、太一とヤマトは冷静にピエモンの出方を覗っていた。

「そろそろ止めをさしてやろう・・・・トランプ・ソード!!」

ピエモンは背中から四本の剣をウォーグレイモン達に投げてくる。

剣は空中を舞、テレポートしながらウォーグレイモン達に襲いかかる機会を覗っている。

しかし、メタルガルルモンのセンサーがピエモンの剣を探知し、逆に剣を破壊した。

「お前の必殺技は封じた」

「ガイアフォース!!」

「ぬうわぁぁぁぁー!!」

ウォーグレイモンの必殺技が命中し、ピエモンを吹き飛ばす。

「よし、待たせたな、光子郎!!全員進化して総攻撃だ!!」

太一はタイミングを見計らい、今ここで一斉攻勢に出る機会だと判断し、光子郎達に進化するように伝える。

しかし、皆が進化する前に体勢を立て直したピエモンが新たな動きをした。

ピエモンは手に白いハンカチを取り出し、皆に見せつける。

「なんだ?白旗を出して降参か?」

丈が突然のピエモンの行動に理解できないと言いたげだ。

確かに、丈の言うとおり、ピエモンの行動は一見降参のポーズ様にも見える。

しかし・・・・

「あのポーズ、種も仕掛けもありませんって意味じゃない?」

今度は空がピエモンの行動で思い当たるポーズの意味を述べる。そう、まるで手品師のようなポーズだ。

「ハトでも出す気か?」

空の言葉を聞き、太一は、ピエモンが苦し紛れに手品をするのかと思った。

「遊びは終わりだ!!」

ピエモンの理解不能な行動に業を煮やしたウォーグレイモンとメタルガルルモンはピエモンへと向かう。

「そうかな?」

ピエモンは迫りくる二体の究極体デジモンに布を投げつける。

すると、ハンカチぐらいの大きさだった布が突然大きくなり、ウォーグレイモンとメタルガルルモンをすっぽり包み込んでしまった。

「ウォーグレイモン!!」

「メタルガルルモン!!」

「ほれ」

「「わあぁぁぁ!!」」

そして、駆け寄った太一とヤマトまでもが布に包まれてしまった。

「お兄ちゃん!!」

「どうしたの!?」

「教えてあげよう」

ピエモンが布を取り去ると、そこにはウォーグレイモンとメタルガルルモン、太一とヤマトの姿が消えていた。

「皆消えている!!」

「どないなっとるんや!?」

「太一さん達をどこへやった!?」

光子郎がピエモンを睨みつけながら太一達の行方を問う。

「ここにいるじゃないか?・・・・ほら・・・・ここにも・・・・ほら・・・・」

ピエモンの手の中にはウォーグレイモンとメタルガルルモン、太一とヤマトの姿をしたキーホルダー人形があった。

「皆、人形に変えられた!?」

「そう、頑張ったご褒美に私のコレクションに加えてやったのさ。 さぁ、お次は誰かな?」

切り札となる究極体デジモンが居なくなり、形成は一気に子供達には不利な展開へとなった。

 

 

デジタルワールド 某所にある洞窟。

洞窟内では巨大な火の壁があり、人はおろかデジモンでも通る事の出来ない分厚く高温の炎の壁があった。

その炎の壁の前にギリシャ神話に登場する半人半獣のケンタウロスに似たデジモンがいた。

 

ケンタルモン 成熟期 獣人型デジモン 属性 データ

上半身が人型、下半身が獣型の半獣半人のデジモン。体の内部から浮き出している硬質の物質で身を守り、右腕は武器と一体化している。さらに背中から突き出たダクトからは超高圧で気体を噴出し、一瞬だが音速に近いスピードで移動することができる。防御力、攻撃力、スピード全てにおいて優れている。

必殺技は右腕と一体化した『ハンティングキャノン』。この攻撃から逃れることは不可能に近い。しかし、この攻撃は多くのエネルギーを消費してしまうため極力戦闘は避けている。

 

「ケンタルモン、コレなのか?」

そこへ、一体のメカノリモンがやって来た。

「おぉ来ていただきましたか。 そうです。これがファイル島の古代遺跡の予言書に書かれていた火の壁です」

メカノリモンのコックピットが開くとそこにはゲンナイの姿があった。

「しかし、本当にアイツがこの壁を越えてきたのか?」

「予言にはそう書かれてありました」

「いや〜信じられん」

ゲンナイは火の壁を見ながら驚いていた。

 

舞台は再び、スパイラルマウンテンの頂上に移る。

ピエモンはキーホルダー人形にした太一達を腰の辺りに着け、逃げる子供達を追いかけてきた。

「あの洞窟に逃げ込め!! ここは私がくいとめる!!」

アンドロモンはピエモンと戦闘を開始し、子供たちを逃がそうとした。

「アンドロモン!!」

「逃げるんだ空君、アンドロモンの行為を無駄にしちゃあいけない」

洞窟の先に進むと、そこはまるでサーカス小屋のような作りになっており、そこには空中ブランコがあった。

下は深い崖になっており、飛べるデジモン以外はコレを使って渡るしか方法がないようだ・・・・。

テントモンとパタモンが空を飛び、向こう岸へ渡り、テイルモンがヒカリを背中に背負って、軽快なフットワークで空中ブランを使い、ヒカリを向こう岸へ連れて行く、次にタケルがブランコを使い、テイルモンが受け止める。

次にピヨモンを背負った空が渡り、次にゴマモン、そして光子郎をブランコン乗せた時、

「そうはいかないよ」

ピエモンが追いついてきた。

ピエモンは丈と光子郎にアンドロモンのキーホルダー人形を見せつける。

やはり、完全体のアンドロモンといえど、ピエモンには手も足も出なかった様だ・・・・。

「アンドロモン!!行け!!光子郎!!」

丈が光子郎の乗ったブランコを押した瞬間、丈は布に包まれた。

「丈さん!!」

しかし、ブランコに乗った光子郎も布に捕まり、

「光子郎はんに何すんでっか!?うわぁぁぁぁー!!」

光子郎を助けに向かったテントモンも捕まってしまった。

「ほぉら捕まえた、捕まえた。逃げても無駄無駄」

ピモンは無駄だと言うが、このまま何もしないで人形にされる訳にはいかない。残された子供達は逃げきれるだけ逃げた。

 

その頃、良介はコアドラモンの背に乗りミミを探しまわっていた。

「どこだ!?どこにいるんだ!?ミミさんは!?」

「落ち着け、良介。焦れば見落としがちになる。さっきの空さんのように重圧で心に闇を引き寄せるぞ」

「・・・・あ、ああ。そうだな。少し冷静になろう」

焦りを鎮め、地上を見渡す良介。

あの時、ミミさんはパルモンの他に、オーガモンとゲコモン、オタマモンを連れていた。

丈さんが言うには他にも何体か仲間になったデジモンがいるらしい。

そんな大所帯で移動しているならば、そんなに移動速度は速くない筈。

それにデジモンの気配に敏感な相棒がいるのだからきっとすぐに見つかると自分に言い聞かせながら良介はミミを探し続けた。

すると、

「良介、前にデジモンがいる」

「敵か?」

「邪悪な気配は感じられない。きっと野生のデジモンだ」

良介は地上から前方の空へ視線を移すと、そこにはペガサスのようなデジモンがいた。

 

ユニモン 成熟期 幻獣型デジモン 属性 ワクチン

伝説の聖獣、ユニコーンの角とペガサスの羽を持ち合わせた合成デジモン。

背中に生えた大きな翼で、コンピュータネットワークの世界を瞬時に駆け回り、額から伸びた鋭い角で敵を突き刺す。

野生(?)のユニモンは暴れ馬のごとく気性が荒いが、手なずけてしまえば手足のように扱うことができる。

必殺技は大きな口から吐き出される気功弾『ホーリーショット』。

 

コアドラモンはユニモンに近づきコンタクトをとった。

そしてダークマスターズに対抗している事、

ミミと言う女の子とその仲間のデジモンを探している事を伝えると、ユニモンもその捜索に参加してくれると言ってきた。

良介とコアドラモンはユニモンと共にミミの捜索を続行した。

 

そのミミはスパイラルマウンテンの近くの崖をロッククライミングして渡ろうとしていた。

ミミを下からリリモンが押し、崖の上ではゲコモンがロープを押さえている。

「うーん!!重くて持ち上がらない!!」

「ウソ!!アタシそんなに太ってないでしょう!?」

「ミミ、もう戦いが始まっているみたいだゲコ!!」

「これだけ人数揃っているのにまともに飛べる仲間はいないの!?」

ロープを掴みながら声をあげるミミ。

そこへ、

「ミミさん!!」

空からコアドラモンに乗った良介がミミの近くまで降りてきた。

「良介君!!」

「良かった、ミミさん、ようやく見つけましたよ、さ、乗ってください」

「うん」

ミミはリリモンの介助を受けてコアドラモンの背中に飛び乗る。

「皆さんはすでにピエモンと闘っています。我々も急ぎましょう」

「ええ」

ミミとその仲間たちのデジモンはコアドラモンとユニモンに分乗してスパイラルマウンテンへと向かった。

 

その頃、サーカス小屋の洞窟では、

「おやおや、人形になってまで泣いているのかい?もっと仲間が欲しいんだね? まってなさい、すぐに全員人形に変えてあげるよ」

光子郎、丈、テントモンの人形を腰につけ、ピエモンは空達を追いかけた。

その空達は木製の舞台の下に有る奈落に身を隠していた。

「逃げても無駄だといっただろう?」

ピエモンが舞台を歩く度にギシギシと音がする。

泣き叫びたい恐怖を抑え込み、ピエモンが別の場所に移動するのを待つ空達。

「さ、おとなしく観念して出てきたらどうだ?」

隠れているであろう空達に警告するピエモン。

しかし、辺りからは物音一つしない。

「おかしいな?ここにはいないのかな?」

ピエモンの足音が次第に遠のいていく・・・・。

「他の部屋に行ったみたい・・・・」

空達がホッと息を突いた瞬間。

上からピエモンの剣が降り注いだ。

「そら!!見つけたぞ!!」

「もうダメ」

ヒカリが恐怖から弱音を吐くが、

「ダメじゃない!!」

空がヒカリを励ます。

「ダメかもな」

ピエモンが空達を上から突き刺そうとした時、

「ホーリーアロー!!」

エンジェウーモンの光の矢がピエモンの剣を弾き飛ばす。

「逃げてヒカリ!!」

「早く!!空!!」

エンジェウーモンとガルダモンが時間稼ぎのため、ピエモンの前に立ち塞がるが、エンジェウーモンは剣で翼を壁に縫い付けられ、ガルダモンは足の鍵爪でピエモンを捕らえようとするが、ピエモンにかわされ、下半身が奈落に埋まり、身動きできない所を布に包まれた。

そして空はタケルにヒカリを託し、ゴマモンと共にピエモンの前に出て少しでも喰いとめようとするが、やはりたいした時間は稼げなかった。

しかし、ピエモンに飛びかかったゴマモンはピエモンの腰からヤマトの人形を空に渡し、空はタケルにヤマトの人形を投げ渡す。

タケルがヤマトの人形を受け取った瞬間に空は布に包まれた。

タケル達は外へ出るドアを見つけ、開けると、そこはテラスのような場所だった。

「どうしよう?」

「降りるしかないよ」

「でも・・・・高すぎるよ」

タケル達がいるのはピエモンの城の頂上部に近い場所で、飛び降りるのは無理があった。

かといって屋根の上に上がるのも逃げ道を断たれる。

「タケルなんだろうこれ?」

パタモンがテラスに置いてある竹かごに気がつき、タケルが蓋を開けると、そこにはロープが入っていた。

「ロープだ。これで降りられる」

助かるかもしれないと思った二人であったが、ロープは勝手に動き出し下にではなく、空に伸び始めた。

「なにこれ?なんで上に?」

「でも、早く逃げないと」

ここでジッとしている訳にもいかず、タケルとヒカリはロープをよじ登り始めた。

そこへ、

「ふっふっふ、逃がさないよ」

ピエモンが追いついてきた。

「ピエモンは僕が食い止める!!」

 

パタモン進化―――――

           エンジェモン―――――

 

「はぁぁぁ!!」

エンジェモンが肉薄し、ホーリーロッドでピエモンの頭を小突き、続いて腹に叩きつける。

「いいぞ、エンジェモン」

「ぐっ・・・・」

倒れたピエモンに

「ヘブンズナックル!!」

必殺技を繰り出したが、

「はぁ!!」

クラウントリックでエンジェモンの技を反射させた。

「がぁぁぁ!?」

「「エンジェモン!!」」

エンジェモンは吹き飛ばされ、地面に激突した。

そしてピエモンはロープの上の部分に向け、剣を投げつけ切り落とし、先に進めないようにした。

「どこにも逃げれないと言った筈だ」

そしてロープによじ登り、タケルの足を掴む。

ヒカリはタケルが落とされない様にタケルの手を掴む。

「ヒカリちゃん、手を離してこのままじゃ、ヒカリちゃんもやられちゃうよ」

「嫌!!」

「フフフならば一緒に落ちろ!!」

ピエモンがロープを斬ると、タケルとヒカリは地面に向かって落ちて行く。

落ちて行く中、タケルはヤマトの人形を手に握りしめながら決して諦めないと言う希望を抱いた。

すると、タケルの紋章が輝きだす。

 

エンジェモン超進化―――――

           ホーリーエンジェモン―――――

 

ホーリーエンジェモン 完全体 大天使型デジモン 属性 ワクチン

輝く8枚の銀翼を持った大天使型デジモン。

多くの天使型デジモンを監督監視する役目を持っている。さらに、デジタルワールドの秩序を保とうとするの意識の代弁者であり普段は神官の姿をしているが、の意識がデジタルワールドを覆った時、戦闘形態(バトルモード)に変化し悪を討つ。

戦闘形態時には左腕のビームシールドと右腕に装備された聖剣エクスキャリバーで敵を葬り去る。 また、ホーリーエンジェモンは神官形態の時は優しく慈愛に満ちた性格だが、戦闘形態の時は厳格な性格へと変貌する。

必殺技は二度と戻ることはできない亜空間への扉を出現させて敵を葬り去る『ヘブンズゲート』。

 

超進化したエンジェモンはタケルとヒカリを受け止めた。

「エンジェモンが超進化した」

ホーリーエンジェモンは二人を地面に下ろすと、ピエモンへと向かう。

「なにっ!?」

ピエモンはホーリーエンジェモンに布を投げつけ、人形にしようとするが、ホーリーエンジェモンはエクスキャリバーで布を引き裂いた。

「裁きの剣を受けてみよ!!」

「ぐあぁぁぁ!!」

ホーリーエンジェモンは人形にされた仲間達を取り戻し、ピエモンは落ちていった。

そして、タケルたちのところにもどり、羽から七色の光を照射し、みんなを元の姿に戻した。

「「おにいちゃん!!」」

「タケル!!」

「ヒカリ!!」

ヒカリとタケルは太一とヤマトに抱きつき、元に戻った事を喜ぶ。

「あんさん何時の間に進化したんや?カッコよすぎるわ」

テントモンは完全体に進化したホーリーエンジェモンを羨んだ。

「せっかく殺さず、人形にして生かしてやろうと思ったのにそんなに死にたいか!? よかろう!!望み通りにしてやる!!」

ピエモンはかなりご立腹の様子で、大量の小悪魔型デジモンを召喚した。

 

イビルモン 成熟期 小悪魔型デジモン 属性 ウィルス

気が強く負けずぎらいの小悪魔型デジモン。

そのため直接戦わず、チクチクと弱いものをいたぶるひきょうものだ。ダークエリアに住む暗黒系デジモンの源とされているらしいが、まだナゾは多い。

必殺技は、口から出す超音波で覚めない悪夢を見続けさせる『ナイトメアショック』。

 

「囲まれたか!?」

「でも、俺達は負けないよな!?」

「ああ、選ばれし子供たちが力をあわせればこんな奴ら!!」

太一達が最終決戦に臨もうとした時、

「まってー! 私を忘れないでー!!」

空からミミの声が聞こえてきた。

「よかった間にあった」

ミミと仲間のデジモンを連れた良介が戦場へと到着した。

更に、

「私達を忘れては困るぞ」

「僕達も・・・・」

「闘うよ・・・・」

ウィーザモン、パンプモン、ゴツモンも合流した。

三人はピンク色のティラノザウルスのようなデジモンにもんざえモンに似たパンダのデジモン、色違いのゴツモンに似たデジモンを連れていた。

 

エクスティラノモン 完全体 パペット型デジモン 属性 ワクチン

ティラノモンの形をしたぬいぐるみに忍び込んでいるパペットデジモン。

何故ティラノモンのぬいぐるみなのかは不明。

あの「もんざえモン」に匹敵するほどのパワーと鉄壁の防御力をもっており、普通のデジモンなどとても太刀打ちできない。

必殺技は可愛らしい体から発せられる『プリティーアタック』と、中に忍び込んでいるデジモンが繰り出す邪悪な球体『ブラックマター』。

 

パンダモン 完全体 パペット型デジモン 属性 データ

パンダの姿をしたパペット型デジモン。

無表情、無関心でぶっきらぼうな性格で、全然可愛げが無い。自分は一匹狼だと思っているが、同じ姿形で人気者の、もんざえモンが密かに羨ましいと思っている。しかし、以外に実力の持ち主で、ちょっかいを出してくる相手は返り討ちにしてしまう。個体数が少なく、見かけることも稀である。

必殺技は手の内側に隠れている爪で攻撃する『アニマルネイル』。

 

アイスモン 成熟期 氷雪型デジモン 属性 データ

全身氷に包まれたゴツモン系の氷雪型デジモン。

ゴツモンから進化したのか、はたまた変種なのか謎に包まれていて、そのうえ個体数が少ないので研究が注目されている。全身氷なので炎系デジモンには弱い。

必殺技は岩のように固い氷をぶつける『アイスボールボム』

 

インセキモン 完全体 鉱石型デジモン 属性 データ

ゴツモンの鉱石データの中に隕石のデータが混ざっており、それが何らかの原因で表面に出てきたとされる鉱石型のデジモン。

外部から飛来しファイル島に落ちてきた例もある。体は未知の物質でできており、とても硬い。

必殺技は体に溜めた大宇宙のエネルギーを一気に放出する『コズモフラッシュ』。

 

「よし、コレで本当に全員揃った・・・・最終決戦だ!!」

パートナーデジモンは次々と完全体へ進化していき、コアドラモンも究極体のスレイヤードラモンへ進化する。

そして全員で総攻撃を仕掛け、イビルモン達を吹き飛ばす。

「トランプ・ソード」

「ホーンバスター」

アトラーカブテリモンがピエモンの剣を消滅させる。

「フラウンカノン」

リリモンが必殺技を出すが、ピエモンはカードし、リリモンに向け、布を投げつけるが、エンジェウーモンがホーリーアローで布を引き裂く。

剣と布を次々失っていき、ピエモンに余裕がなくなってくる。

「ぐぬぬ」

「シャドーウィング!!」

「がぁぁぁ!!」

ついに、ピエモンは攻撃を喰らい吹き飛ばされた。

「ヘブンズゲート!!」

その隙にホーリーエンジェモンが邪悪なる物を亜空間に葬り去るゲートを出現させる。

「なんだ?あれは!?」

「邪悪なる物を亜空間に葬り去るのです!!」

「なんだと!?」

ピエモンが驚愕している間にも生き残ったイビルモンたちは全員、吸いこまれっていってしまっている。

「さあ、ケリをつけようぜ」

「おう」

「地獄に落ちな!!」

ピエモンの前に三体の究極体デジモンが立ち塞がった。

「ガイアフォース!!」

「ガルルトマホーク!!」

ウォーグレイモンとメタルガルルモンの技でピエモンは吹き飛び、

「咬竜斬刃!!」

スレイヤードラモンがフラガッハをピエモンの体に巻き付け、ハンマー投げの要領でピエモンをゲートへと放り込んだ。

「ぐあぁぁぁぁぁー!!」

ピエモンがゲートへと放り込まれると、ゲートの扉は閉じ、ゲート自体も消滅した。

そして、ピエモンの消滅により闇のエリアは消え去り、もとの場所へ戻っていく。

「終わった・・・・」

「ああ・・・・」

太一とヤマトがホッとした表情で言い、仲間のデジモン達もバンザイをしながらダークマスターズの全滅を喜んでいた。

みんなが喜ぶ中、良介一人だけ浮かない顔をしていた。

(おかしい・・・・ダークマスターズ全員を倒したならスパイラルマウンテン自体がなくなるはずだ。なのになんで・・・・なんで頂上の部分はこうして存在し、元に戻らない? なんで・・・・)

たしかにピエモンを倒し、スパイラルマウンテンのあの捻じれている部分は元に戻った。しかし、頂上の頂は未だこうして存在している。

良介は何かの違和感を感じていた。

ちょうどその時、光子郎のパソコンにゲンナイからのメールが入った。

「あ、ゲンナイさんからのメールだ!!」

「祝電かもね」

「今さらなんだよ?」

太一は呆れ、そして興味ないと行った様子。

しかし、

「えっ!?そんなバカな・・・・」

光子郎はゲンナイのメールを見て声をあげる。

「なんて書いてあるんだ?」

太一がメールの内容を光子郎に聞く。

「本当の敵は・・・・ダークマスターズじゃないそうです・・・・」

「なんだって!?」

(やっぱり・・・・そういえばヴァンデモンの時もこんな感じだったな・・・・)

「本当の敵は、存在そのものが世界を揺るがす生き物で、ダークマスターズはあくまでその歪みから力を得たに過ぎないって・・・・」

「じゃあ、本当の敵っていうのは、一体何なんだよ・・・・?」

太一が光子郎に本当の敵の正体を尋ねた瞬間、地面が揺れ始め、空が再び暗黒に包まれ始めた。

(まったく、苦労してようやく四天王を倒した直後にラスボスの出現なんて全然笑えない冗談だ。 まるでテレビゲームかアニメのようなシナリオだぜ・・・・)

良介の心の呟きがその場の空気を代弁していた。

 

 

あとがき

ダークマスターズ編はこれにて終了。

次回はアポカリモン編に突入。

無印編もまもなくフィナーレです。

 

 




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