三十一話 地獄の道化師
ミミ達と別れた丈とゴマモンはヤマトのハーモニカを持って、持ち主であるヤマトを探していた。
「丈!!コレ見て!!」
ゴマモンが指さす先には一隻のスワンボートが乗り捨ててあった。
「コレ、きっとヤマトが乗っていたボートだよ。きっとこの近くに居るんだ!!」
ゴマモンはこの近くにヤマトが居ると言うが、
「いや、そうとは言い切れないよ。何時ヤマトが乗り捨てたのか分からないし、あれがヤマトの乗り捨てたボートとは限らないからね」
丈らしい理屈っぽい考えであった。
「大丈夫、きっと見つかるよ。ヤマトだって皆と合流しようと思っているだろうし」
理屈っぽい丈に対し、ゴマモンは、根拠は無いけど、ポジティブな意見を述べる。
「そうだよな・・・・ヤマトを探すって決めたんだもんな、迷ってなんかいられないな」
「そうさ、丈。随分男らしくなったね」
「なんだよ、それじゃあまるで前は男らしくなかった様じゃないか!!」
丈はゴマモンの頬を突っつき、からかいあった。
その頃、スパイラルマウンテンでは、
「ドラモンキラー!!」
ウォーグレイモンとピエモンの戦闘は既に始まっていた。
ウォーグレイモンは腕についているドラモンキラーでピエモンに対し、突きをくりだすが、ピエモンは最低限で無駄のない動きだけでドラモンキラーを避ける。
しかし、ウォーグレイモンはドラモンキラーを出すだけでなく、ピエモンの腹に蹴りを入れると、ピエモンは背中から岩場へと叩きつけられ、土埃が舞う。
「やったか!?」
太一がピエモンにダメージを与えられたかと思ったら、
「フフフフフ・・・・選ばれし子供の力とはこんな子供騙しなのか?」
土埃が晴れたそこには無傷のピエモンの姿があった。
「何!?」
「期待が外れたな・・・・もう少し骨があると思っていたが・・・・」
ピエモンはガッカリした声で言う。
「ウォーグレイモンの攻撃が全然きかないなんて・・・・」
「お兄ちゃん大丈夫?」
ヒカリが太一に問う。
「大丈夫だ」
太一はヒカリに大丈夫だと言うが、実際は少し焦っていた。
暗闇の覆われたデジタルワールドの空をバードラモンとコアドラモンが飛んでいた。
ヤマト、丈、ミミの三人を探しに行った空、タケル、良介はデジヴァイスの捜索機能と目視による捜索で離れて行動する皆を探していた。
しかし・・・・、
「デジヴァイスの反応がまったくないなんて・・・・」
空の言うとおり、デジヴァイスの探査機能は全くと言って良いほど、機能せず、目視だけによる捜索となっていた。
「探すといってもこの広いデジタルワールドの中で、三人だけを探すなんて結構難しいな・・・・」
下に広がる広大なデジタルワールドの地を見ながら良介がぼやく。
「それでも、なんとしても見つけなきゃ」
タケルがツッコム。
「そうだな・・・・ん?空さん?」
良介は空が思いつめた顔をしていたので、声をかけた。
「空さん?」
「何が何でも見つけなきゃ・・・・」
「空さん?」
「あっ、ごめん」
「大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫よ。それにきっと皆見つかるわ」
「・・・・」
(空さん、思いつめていないと良いけど・・・・お気楽過ぎもいけないが、思いつめ過ぎるのもかえって焦りを生じる事になるからな・・・・)
良介はそう思いつつも、空は自分の任された役目に少しだけ重圧を感じていた。
「グレートトルネード!!」
ウォーグレイモンは体を素早く回転させ、一つの竜巻となり、ピエモンに体当たりするが、ピエモンはひょいと跳びあがりウォーグレイモンの体当たりをかわす。
「強い・・・・」
光子郎はピエモンのステータスの高さに改めて脅威を抱く。
ヒカリは自分も参戦するというが、太一はヤマトが来るまで待てという。
その理由は、テイルモンはレディデビモンと一戦交えた後なので、少しでも体力を回復するのに努めろと言う事だった。
「ぐっ・・・・」
しかし、勝負が長引くにつれ、ウォーグレイモンの体力は確実に減っていっているのだが、ピエモンには未だ笑みを浮かべる余裕があった。
その頃、ヤマトはと言うと、いつの間にか洞窟へと迷い込んでいた。
「俺って・・・・」
「何?ヤマト?」
「タケルには俺が必要とか言ってて、本当は俺がタケルを必要としていたんだな・・・・」
突然ぼやきはずめるヤマト。
「何の事?」
「タケルに必要とされる事で、自分の居場所を探していたんだ・・・・それに・・・・タケルには皆がつている・・・・それに太一の方が本当の兄貴らしいよ・・・・」
「何言っているの?」
ガブモンにはヤマトの弱音の意味が分からなかった。
「タケルの兄貴はヤマトでしょう?」
「俺には兄貴面する資格は無い・・・・俺はただ、タケルの兄貴と言う立場を居心地良くしたかっただけなんだ・・・・タケルには俺が必要なんだと思いこませようといていたんだ・・・・だから太一に腹が立った・・・・」
尚も弱音を吐くヤマト。
「太一にタケルを取られるような気がしたんだ・・・・太一は決断力もあるし、リーダーシップもある・・・・何よりタケルを一人前の男として扱うからな」
ヤマトはその場に座り込んでしまった。
「どうしたの?ヤマト?ヤマトにはヤマトにしかない良い所が沢山あるのに・・・・」
ガブモンは座り込んでしまったヤマトに近づき、ヤマトを励ます。
「太一なんてデリカシーの無い考えが浅い奴だと思っていた・・・・でも、俺はもっとダメな人間だ・・・・」
「ヤマト・・・・」
落ち込むヤマトと励ますガブモン。そんな二人の背後から暗黒のガスのようなモノが背後から迫って来た。
「ヤマト、ここなんかおかしいよ」
暗黒のガスはヤマトを包み込み始めた。
「俺はダメな人間だ・・・・皆の下に戻れない・・・・」
酷いネガティブ思想に陥るヤマト。
「ダメだよ!!ヤマトが居ないと・・・・皆が揃わないとこの世界はダメになっちゃうんだよ」
「俺なんかいらないんだよ・・・・居ても居なくても同じさ・・・・」
「ヤマトしっかりしろ!!」
「もういいよ・・・・ほっといてくれ・・・・」
ネガティブ思考の次は無気力となるヤマト。
「何言ってんだよ!?」
そんなヤマトにガブモンは諦めず、励まし続けるが、ヤマトの眼には光が宿っていない・・・・まるで死んだ魚のような眼をしていた。
ガブッ!!
そんなヤマトにガブモンはヤマトの足に噛みついた。
「イテッ!!何するんだ!?」
足に激痛を感じ立ち上がるヤマト。
「ヤマトはこの世界にたった一人しかいない!!そうでしょう?だったらどうして太一と自分を比べるの!?太一とヤマトが違うのは当たり前でしょう!?タケルのお兄さんはヤマトじゃないか!?太一の方が兄貴らしいなんておかしいよ!!」
ガブモンは目から涙を流しながらヤマトに自分の思いをぶつける。
「ガブモン・・・・」
「第一・・・・第一、ヤマトが居なくなったら俺はそうすればいいの!?たった一人の君に出会うためにずっとこの世界で待っていたのに!?」
「ガブモン・・・・」
「ヤマトは本当に一人になりたいの!?だったら俺は此処から消えて居なくなるよ!!本当にヤマトがそう思うなら」
ガブモンの言葉にヤマトはグッと拳を握る。
「いや、一人になりたいなんてウソだ。恰好つけているだけだ・・・・恰好ばかりで人を寄せ付けないで・・・・でも、本当は・・・・本当は寂しかった・・・・絶対に泣いちゃいけないと思っていた・・・・俺は一人なんだ・・・・一人だからなんでも出来る立派な人間だと思い込んでいた・・・・でも、凄く泣きたかった・・・・」
「ヤマト・・・・」
「一人は嫌だよ・・・・」
それはガブモンが聞いたヤマトの本音だったのかもしれない。
「俺がいるでしょう?」
ガブモンはヤマトに抱きつく。
「俺がヤマトを必要としているみたいにヤマトも俺を必要としてくれよ。そしたらもっと頑張れるから」
「そうだ・・・・ガブモン・・・・お前がいるから、今俺がこうして居られるんだ・・・・この暗闇の洞窟の中で迷ってもお前がいてくれる・・・・俺は一人なんかじゃない」
ヤマトはガブモンの両手をギュっと握りしめる。
「ヤマト・・・・」
「仲間もいるし、タケルも父さんも母さんもいる」
ヤマトは地球に残してきた両親の姿を思い浮かべる。
(今度はきっと素直に喜べるよ・・・・父さん・・母さん)
ヤマトが希望に満ちた思いを抱くとヤマトを包んでいた暗黒のガスがヤマトから遠ざかる。
「ヤマト見て」
「あれは!?」
ヤマトは暗黒のガスを見て声をあげる。
「さっきからヤマトの体を覆っていたガスだよ。気がつかなかった?」
「全然」
「きっとあれがヤマトの心の中に入り込もうとしていたんだよ」
「そうだ・・・・さっきまで真っ暗な気持ちだった・・・・でも今は違う」
「何が?」
「アイツが俺の中に入り込もうとした訳じゃない。俺の心の中の闇がアイツを引き寄せたんだ。俺はずっと心のどこかであんな闇を持ち続けていたような気がする」
「そうなの?」
「一人ぼっちの俺の心の闇がコイツを引き寄せたんだよ・・・・でも、これからは違うさ、もう一人じゃないもんな」
「そうだよ!!」
「ありがとう・・・ガブモン」
「俺の方こそ」
ヤマトがガブモンを抱きしめ、心の中の闇を取り払うと、暗黒のガスはきれいさっぱり消滅した。
すると、洞窟までもが消滅した。
「俺達ずっと闇の洞窟で迷っていたんだな・・・・」
辺りを見回していると、
「おーい!!」
遠くから聞きなれた声がしたので、声のする方を振り向くと、そこには丈がいた。
「丈?」
丈はヤマトの姿をみると、満面の笑みを浮かべ、
「ホラ、見ろ会えただろう?」
ゴマモンにまるで賭けは俺の勝ちだみたいなセリフを言った。
「会えないなんて言ってないだろう?」
「な、なんだよ?」
丈とゴマモンのやり取りが分からず、尋ねるヤマト。
「自分の信じる道を信じ続けて歩いてきたんだよ」
「そうか・・・・」
「あっ、そうだ。コレ」
丈はエレキモンから受け取ったハーモニカをヤマトに返した。
「トランプ・ソード!!」
ピエモンは四本の剣をウォーグレイモンに投げつける。
ウォーグレイモンは腕に着いている装甲で防御するが、四本の剣はシューターのように空中を自由に飛翔し、ウォーグレイモンの装甲のない部分を切りつける。
「ウォーグレイモンが・・・・」
「いや!!見てられない」
「くそ・・・・」
「光子郎はん、行かせてくんなはれ!!」
「ダメだ!!」
「太一さん・・・・」
(ヤマト早く来い)
太一はグッと拳を握りヤマトの到着を待つ。
その頃、そのヤマトを迎えに言った空達は一隻のスワンボートが乗り捨てられているのを見つけた。
早速その場に降りると、付近を見渡す。
しかし、ヤマトの姿はおろか、デジモン一匹見付からない。
「お兄ちゃん見付からないね」
タケルが辺りを見回しながら言う。
(どうしよう・・・・はやく皆を見つけないと、太一が・・・・世界が・・・・)
ヤマトが見付からない事による焦りと、不安、そして年長者である自分がしっかりしないと という重圧が益々募る空。
すると、空の足元から黒いガスの様なモノが発生し始めた。
「空さん!!足元から何かが!!」
「えっ!?」
良介に指摘され、空が自分の足元に視線を移すと、突如、空の足元に大きな穴が開き、ピヨモンと共にその穴に落ちてしまった。
「「空さん!!」」
穴に落ちた空の安否を確認するため、穴に向かって声を上げるタケルと良介。
すると、背後から
「タケル!!」
ヤマトの声がしてきた。
「お兄ちゃん!!」
「タケル!!」
久しぶりの兄弟の再会。
ヤマトとタケルは抱き合った。
「何処行ってたの?」
「ごめんな、これからは勝手に行ったりはしないよ。約束する」
ヤマトはタケルを抱き上げ、約束をする。
「あれ?」
タケルは久しぶりに会った兄を見て、少し兄の様子が変わった事に気づく。
(ヤマトさんも、一皮むけて成長したって事だね)
ヤマトとタケルの様子を見ながら良介はそう思った。
「それよりもタケル、こんな所でどうした?」
「僕達はヤマトさんを探しにきたんですけど、その途中で・・・・」
「この穴に空さんが落ちちゃったんだ」
良介がタケルと共に此処にいる訳を話し、タケルがその過程で空が突然出来た穴に落ちた事を話した。
「ええぇ!!空君がっ!?」
丈が穴の中を見ると、穴は何処までも続いている感じで深そうだ。
「ヤマト・・・・コレ・・・・」
「ああ、これはさっきまで俺達が捕らわれていた洞窟と同じようだ」
ガブモンとヤマトは見覚えがあるらしい。
「とにかく、空さんを助けに行きましょう。もしかしたら落ちて怪我をしているかもしれませんし・・・・」
「そうだな」
皆はゆっくりと慎重に穴を居り始めた。
しかし、奥に行けば行くほど、不気味な感じし、空気も重く感じる。
未だに其処は見えず、もし落ちたらケガをしそうだ。
「タケル、怖がるな、怖がればかえって闇を引き寄せるぞ」
「うん、わかった」
ようやく穴の底に到着するとそこは洞窟の内部の様な構造となっていた。しかし、そこに空の姿はなかった。
「空君はどこだろう?」
「暗くてよくみえないね」
タケルの言うとおり、洞窟は暗く、視界状態が凄く悪い。
「あっちの方で声が聞こえるよ」
パタモンが誰かの声を聞きつけた。
「行ってみよう」
手掛かりが全くない状況なので、とりあえずその声がすると言う方向へ向かうことにした。
すると、洞窟の奥から。
「空!!どうしたの?空ったら!!」
ピヨモンの声が聞こえた。
「あれはピヨモンの声だ」
「それなら空君も近くに居る筈だ」
ピヨモンの声がした方へ行くとそこには確かにピヨモンと空がいた。
しかし、空の様子は少し変だった。
空は顔を俯かせ、膝を抱えながらその場に座り込んでいる。
「どうした空?ホラ、立てよ」
ヤマトが空の手を握り、空を立たせようとするが、空は一向に立ちあがる気配を見せない。
「重い」
女性に対し重いというセリフは頂けないが、たしかに空の体は石の様に重かった。
そこで丈と二人がかりで空を立たせようとしたが、空は立つことは無かった。
「空さん何か呟いている」
タケルがそれに気付くと、皆は耳を澄ませた。
すると、空は何かをブツブツと呟いていた。
「探さなきゃ・・・・皆を探さなきゃ・・・・太一を助けないと・・・・・そうしないと私達の世界が終わってしまう・・・・」
「さっきから全然こたえてくれないの。同じ事を何度も呟いているの」
ピヨモンが深刻な顔で空の状態を皆に伝える。
「僕なら此処に居るよ。ヤマトも一緒だ」
「・・先輩・・・・ヤマト君も・・・・」
顔を上げた空の眼は光を失っていた。
「もう大丈夫だ」
「ダメよ・・・・このままじゃいけない・・・・もっともっと私がしっかりして・・・・太一をたすけなきゃ・・・・この世界も・・・・」
(やはり、空さんは責任感という重圧に押しつぶされたか・・・・)
良介は空の様子から最初に懸念していた事が現実のものとなってしまった事に顔を顰めた。
「空君、君は責任感が強すぎるんだよ」
「空、マイナスのエネルギーが多いと闇を引き寄せやすくなる。お前の心の闇がこの洞窟を作りだしているんだ!!」
「そうなのか!?それでさっきタケル君に怖がるなって・・・・」
この洞窟が空の心の闇で出来ている事に驚く丈。
すると、良介が空の頭に手を置く
「良介、何やってんだ?」
「空さんの深層意識の中に呼びかければ自らの力で心の闇を消してくれるかもしれません。丈さん、ヤマトさん。俺の肩に手を置いて心の中で空さんに語りかけてください」
「あ、ああ」
「分かった」
丈とヤマトはそれぞれの手で良介の肩に手を置き、空に心の中で語り掛ける。
すると、良介、ヤマト、丈の周りに虹色の光が灯りだした。
ヤマトと丈が自分の心の中で、闇に囚われている空に語りかけ続けると、空の眼に光が宿った。
すると、空の心の闇とされる洞窟も消滅した。
「やっといつもの空に戻った!!」
「空の心の中の闇が消えたんだ」
空も元通りに戻り、ヤマトも丈も見付かり一件落着となった。
「ねぇ、太一さん待っているよ」
「太一の所へ行こう」
「うん!!」
ヤマトが見付かったことにより、太一の下へ戻ることになったのだが、良介がもう一人いない事に気がついた。
「あれ?丈先輩、ミミさんは?」
「ああ、ヤマトを探すため、途中でミミ君とも別れたんだ」
「ええ!!」
「良介君」
「はい?」
「貴方はこのままミミちゃんを迎えに行って」
空が良介にミミを探しに行くように頼む。
「はい?で、でも・・・・」
「大丈夫だ。太一の事は俺達に任せろ。ピエモンと闘うにしても戦力が一人でも多い方がいいだろう?」
「ヤマトの言うとおり、選ばれし子供がみんな揃えばピエモンも倒せるかもしれない」
「コアドラモンの飛行速度ならミミちゃんを見つけてすぐに戻ってこれる筈よ」
「わ、分かりました・・・・」
「それじゃあミミちゃんを頼んだわよ」
良介を残し、空達はヤマトと丈を連れて太一達の下へ戻っていった。
ウォーグレイモンとピモンの闘いは今まさに終焉を迎えようとしていた。
もちろん勝者なのは・・・・
「エンディングスナイプ」
ピエモンだった。
ピエモンの技をくらい、ウォーグレイモンの胸の鎧が砕け、ウォーグレイモンはその場に倒れる。
「ウォーグレイモンが・・・・」
「さて、次はだれかな?」
ピエモンが光子郎達の方へ視線を向ける。
ウォーグレイモンは既に虫の息。止めは後でさしても良いし、このまま何もしなくても、死ぬだろうとピエモンはそう判断した。
すると、
「太一!!」
ガルルモンとバードラモンが太一達の下へ戻って来た。
「ずいぶん遅いご到着ですね、まぁ結果は変わりませんが・・・・」
ようやく戻って来たヤマト達を見てピエモンは余裕の表情で言う。
「やっときたな・・・・ヤマト・・・・俺はお前が必ず来るって信じていた・・・・信じて待っていたんだぜ・・・・」
「ありがとう・・信じてくれて・・太一・・・・遅くなってすまない・・・・太一・・お前は俺の本当の友達だ。俺はお前の友情を無駄にはしない!!」
ヤマトはピエモンとの戦闘に巻き込まれ、傷だらけになった太一を抱き上げ、叫ぶと、ヤマトの紋章が光出した。
すると、ウォーグレイモンの傷が消え、胸の鎧部分も修復し、無傷の状態で立ちあがった。
「これは・・・・」
「なんだと!?」
ウォーグレイモンもピエモンも何が起きたのか分からなかった。
「ヤマトの友情の紋章が俺に力を与え、その力でウォーグレイモンを復活させたのさ」
「ありがとう、ガルルモン、これでまた戦える」
ウォーグレイモンが礼を言うと、ガルルモンは成長期のガブモンに退化する。
「ふん、せっかく一思いにしてやろうと思ったのに・・・・まぁいい今度はじっくりといたぶって殺してやろう」
ピエモンは少し不機嫌な顔で言う。
「口の減らない奴だ」
そんなピエモンにヤマトも不機嫌になる。
ガブモンワープ進化
―――――メタルガルルモン―――――
「トランプ・ソード!!」
ピエモンはウォーグレイモンとメタルガルルモンに剣を投げつけると、二体の究極体デジモンは自分達の必殺技を放つ。
すると、二つの高エネルギーが一つのエネルギーとなり、ピエモンの剣を消した。
「フフフフ、ようやく手ごたえのある戦いが出来そうですね」
ピエモンは自らの必殺技が通じなかったにも関わらず、まだ余裕が有るように二体の究極体デジモンを見据えながら不敵な笑みをこぼした。
あとがき
ピエモン編も次回辺りで終了です。
先日、デジモンアドベンチャーが再びアニメ化するらしいので、今からとても楽しみにしています。
02
で不燃焼となったデーモンを描いて貰えたら嬉しいと思っています。しかし、この作品の
02編をどう描いていこうか結構悩んでいます。