二十七話 さらば猿(スター)よ永遠に・・・・
丈達がメタルエテモンに追われている頃、太一達はピノッキモンの屋敷の中で無事合流を果たした。
合流した部屋には大砲が一門置かれていた。
そこへ、メタルエテモンとの戦闘に飽きたピノッキモンが帰って来た。
その姿を太一は単眼鏡にて確認した。
「ピノッキモンが帰って来た・・・・準備はいいか?」
太一はせっかく大砲があるのだからこの大砲を使い、ピノッキモンを砲撃しようと思った。
しかし、
「でも、使い方がわかりません」
光子郎が大砲を見ながら困った表情で言う。
まぁ、普通の小学生が大砲の打ち方など知るはずもなかった。
「お前達ぃ〜」
「わ、吾輩が撃つのであるか?」
アグモンが睨みをきかせ、デラモンとフローラモンに大砲を撃つように言う。
「しょうがない。でも、絶対ピノッキモンには内緒である」
「分かっている」
「よし、ではやるのである」
「照準よし・・・・」
「発射なのである!!」
フローラモンとデラモンは手慣れた手つきで大砲の準備を進め、発射準備が整うと、大砲を撃ち始めた。
突然の砲撃を受け、その仕業が選ばれし子供達の仕業だと知ると、ピノッキモンは怒り奮闘で屋敷へと走っていった。
その頃、森の茂みから出てきた大きな牙を持った、黄色のライオンの様なデジモンと対峙している丈達は、ライオンの背中に乗り、森の中を疾走していた。
「丈さん、このライオンと知り合いですか?」
ライオンの背中に乗りながら良介が丈に尋ねる。
丈達は当初、このライオンが敵か味方か分からなかったが、ライオンが自分の背中に乗るように言って、メタルエテモンから自分達を逃がしてくれるのだろうと判断した丈達はライオンの言うとおり背中に乗ったのだ。
「い、いや。前に旅をしたときこんなデジモンとは会ったことが無い・・・・」
「大丈夫なんですか?それで?行きついた先が罠だったって言うオチはさすがに勘弁ですよ」
「わ、分かっている」
森を駆け抜けたライオンは荒廃した街へと入った。
廃墟の街中を歩いていると、ゴマモンが声をあげた。
「丈!アレ!!」
ゴマモンが指さした先には一軒のレストランらしき廃墟があった。
「あれは!僕とヤマトが働かされたレストランじゃないか!?」
以前、デジタルワールドを旅した時、丈とヤマトはデジタマモンとベジーモンが経営するレストランでただ働きをさせられたことがあった。
そのレストランが今目の前にあるこの廃墟にあったのだ。
デジタマモン 完全体 パーフェクト型デジモン 属性 データ
すべてのデジモンの始まりであり、終わりである
“デジタマ”の姿をした究極のデジモン。進化の頂点にいるこのデジタマモンは通常のデジモンからは進化することは無く、別次元のデータと融合しないと決して進化することは無いと言われている。
タマゴのような形をした外骨格に覆われており、この外骨格の前には全ての攻撃が無意味と化す。
必殺技は敵の精神を破壊してしまう『エニグマ』と暗黒の球体『ナイトメアシンドローム』。
ベジーモン 成熟期 食虫植物型デジモン 属性 ウィルス
長く伸びたツタと大きく開かれた口を持つ食虫植物型デジモン。
口から吐き出される甘い香りにつられてやってくる小型デジモンを、触手のような長いツタの部分で引きずり込んでしまう凶暴凶悪なデジモンだが、まともな攻撃力を持ち合わせていないため、大型のデジモンには太刀打ちできない。
勝ち目がないと『ウンチ』をなげつけてくる。
「でも、変だよ。前は湖の近くにあったのに・・・・」
「今ではどこもかしこもすっかり変わってしまっている・・・・とりあえず、ここに隠れる事にしよう・・・・」
ライオンはそう言ってレストランの中へ入って行った。
レストランに入ると、ライオンは光ると、二足歩行の獣人型のデジモンとなった。
「レオモン!!」
「やっぱりレオモンだったんだね?」
「レオモン?」
レオモンと初対面の良介はどう反応すればいいのか分からなかった。
レオモン 成熟期 獣人型デジモン 属性 ワクチン
百獣の王、気高き勇者とも呼ばれる獣人型デジモン。
狂暴なデジモン達が多い中、強い意思と正義の心を持っており、数多くの凶悪なデジモンを倒してきた。また、破壊の限りを尽くす
“デジモンハンター”のオーガモンとはライバル関係である。日々の鍛錬で鍛え上げられた強靭な肉体はあらゆる攻撃に耐え、必殺技の究極奥義『獣王拳』で敵の息の根を止めてしまう。
「生きていたのね?レオモン」
ミミはレオモンに抱きつく。
「暫くだったな・・・・選ばれし子供達よ。そこの子供とデジモンとは初めてだな?」
「はじめまして、八人目の選ばれし子供の宮本良介です」
「良介のパートナーデジモンのドラコモンです」
「はじめまして、レオモンだ」
良介とドラコモンはレオモンと握手を交わした。
「レオモン進化できるようになったの?」
良介達の紹介が終わると、パルモンがレオモンに質問する。
「うむ、以前デジヴァイスの光を浴びてから進化の能力が備わったようだ。だが、すぐに戻ってしまう。まだコントロールが出来ない状態だ」
「けっ、面白くねぇテメェばっかり。だが、しかし所詮俺の敵じゃあねぇ!!レオモン俺と戦え!!」
オーガモンはライバルのレオモンが目の前に現れたということで、腕を吊った状態にもかかわらず、レオモンに襲いかかるが、レオモンは意図も簡単にオーガモンをねじ伏せ、床に投げ飛ばす。
「まずはその怪我を治せ、お前との戦いはそれからだ」
オーガモンは悔しそうにレオモンを睨む。
オーガモンが床に投げ飛ばされた時、開いた床からは何者かがこっそり此方側を覗っており、皆の視線がレオモンとオーガモンに集中している間に床板の位置を戻そうとしていたが、気配を察知することに敏感なドラコモンはその動きを見逃さなかった。
「いつまでそこに隠れている?」
「えっ?」
「何者だ?出てこい!!」
レオモンとドラコモンの気に脅され、そいつ等は床下から出てきた。
「ひぇ〜たま〜」
「命ばかりはお助けゲコ〜」
床下からはオタマジャクシのようなデジモンとラッパのようなモノを担いだカエルみたいなデジモンが出てきた。
「あっ!!貴方達・・・・」
「ゲコモンとオタマモンじゃない!!」
床下から出てきたデジモン達はミミとパルモンの知り合いだったようだ。
(意外とミミさん、デジタルワールドで知り合いが多いな・・・・もしかしたら人間の友達よりも多いんじゃないのかな?)
ミミのデジタルワールドでの交友関係の広さに意外性を感じる良介であった。
オタマモン 成長期 両生類型デジモン 属性 ウィルス
水中生活を選択したため、まだ表皮の固まりきらない幼生デジモン。
大きな尾でネットの海上流の沼や川を泳ぎ、時には発達した前肢で岩によじのぼって発声練習をしている。ほとんど未発達の後肢は、推進力得ている尾の代りに、舵の役目をしており、普通の生物とは逆になっている。成長期の中では明らかな進化を予感させる貴重な存在だが、突然変異の可能性も極めて高い。
必殺技は相手を永遠の眠りに誘う『ララバイバブル』。
ゲコモン 成熟期 両生類型デジモン 属性 ウィルス
見た目のきばつさからは、想像できないような美しい鳴き声をもった両生類型のデジモン。舌先の3つの穴と首にまいたホーンの音で、相手の気持ちをコントロールする。
必殺技は、超高しゅう波しんどうによって、敵を内部からはかいする『クラッシュシンフォニー』。
「あー!!お姫様ゲコ!!」
(お姫様?)
ゲコモンとオタマモンはミミに飛びつき、久々の再会を喜んでいた。良介はゲコモンの言うお姫様と言う部分に引っかかりを感じた。
ピノッキモンの屋敷ではデラモンとフローラモンは屋敷に迫るピノッキモンに容赦なく砲撃を行っていた。
その姿に太一達はまさにドン引きしていた。
「おいおい、もうそれくらいでいいんじゃないか?」
「なんか日ごろの鬱憤が爆発したって感じね・・・・」
空の言っている事はまさに正しかった。
「コラー!!」
ようやく大砲の死角である玄関の近くまで行くとピノッキモンは声をあげる。その声を聞き、デラモンとフローラモンは逃げ出してしまった。
「勝手に人の家に入るなんて!!住居不法侵入で訴えてやる!!」
「あら?ちゃんと家の人には許可を貰ったわよ。もっとももう、居なくなっちゃったけどね・・・・」
テイルモンが大砲の砲身に乗り、許可をもらったことを言うと、
「そろそろ決着をつけようぜ!!ピノッキモン!!」
太一が玄関のドアを蹴り開け、ピノッキモンの眼前に姿を晒す。
「ふん、そんなに僕と遊びたいならこっちで勝負だ!!」
ピノッキモンは踵を返して走り出す。
「待て!!ピノッキモン!!」
その後を追う太一達。
しかし、それは罠であり、突如、地面の中から体の色が赤い植物型デジモン達が太一達を取り囲むように出現した。
レッドベジーモン 成熟期 植物型デジモン 属性 ウィルス
全身が赤く熟したベジーモンの強化版デジモン。
まだ成熟していないベジーモンとは違い、攻撃力が強く、知性も高い。この赤く熟した姿こそがベジーモン本来の姿である。性格はより陰険に、より狡猾になっている。
必殺技は強烈な臭いと毒素を帯びた息を吐き出す『ハザードブレス』。
「ハハハハ・・・・バーカ!!やっちゃえ!!レッドベジーモン!!」
「「「「「「「「
OK!!」」」」」」」」」「よし、皆進化だ!!」
デジヴァイスを構え太一達は戦闘を開始した。
「なんでここに隠れていたの?お城は?」
廃墟のレストランではミミがオタマモンとゲコモンに何故この廃墟に隠れていたのか事情を聞いていた。
「お城はダークマスターズによって崩れてしまったゲコ」
「ダークマスターズの連中がいきなり攻撃してきたタマ。そして命からがらここまで逃げてきたタマ」
「酷い・・・・」
「ふざけやがって・・・・」
「これ以上奴を好き勝手にさせるわけにはいかない・・・・そこで私はお前達選ばれし子供達を探しまわって来た。ダークマスターズを倒し、この世界から暗黒の力を取り除くにはお前達選ばれし子供の力が必要なのだ」
「だったら、最初からダークマスターズと戦えばよかったのに、何でファイル島なんかに・・・・」
「ハハハハ・・・・お前らバカか?いきなりダークマスターズの目の前に現れたらお前達は一瞬でお陀仏だったぜ」
(確かにオーガモンの言うことは間違ってはいないな。究極体というクラスを知ったのはヴァンデモンの時だ。いきなり何も知らずに完全体や成熟期のまま戦いを挑んでいたら確実に負けていただろう)
「でも、私達の代わりに沢山のデジモンが死ぬことは無かったわ」
ミミは悲しみと悔しさからか、手をギュっと拳にし、握り締める。
「ミミ君・・・・」
「よくは分からないが、皆がファイル島に現れたのは何か理由があるはずだ。それはお前達の試練だったのかもしれん」
「確かにレオモンの言うとおりかもしれない。俺自身はそのファイル島と言う所は旅をしていないが、デジモンと・・・・ドラコモンと出会ってからはデジモンとの遭遇率が高くなったからな・・・・初めて成熟期に進化した時も、完全体に進化した時も似たような状況だった・・・・」
「うむ、他の子供達は今どこに?早く集まり、今こそダークマスターズを倒そう」
「それが今、別行動をしていて・・・・」
「別行動?」
「今も試練の真っ最中なんだ・・・・」
丈がレオモンに説明する中、ミミは一人窓の外を眺めていた。
(ミミさんもまさに試練の真っ最中か・・・・)
良介はミミのその姿をジッと見ていた。
「メテオウイング!!」
「メガブラスター!!」
「ヘブンズナックル!!」
「ネコパンチ!!」
選ばれし子供達のパートナーデジモンの攻撃にバタバタと倒されていくレッドベジーモン達。
「何やってんだよ!!もう!!使えない奴ばっかりだよ!!もう!!」
レッドベジーモン達の不甲斐無さに声をあげるピノッキモン。
「ピノッキモン!!勝負だ!!」
アグモンワープ進化
―――――ウォーグレイモン―――――
「ピノッキモン!!」
「ブリットハンマー!!」
ウォーグレイモンのドラモンキラーとピノッキモンのブリットハンマーがぶつかり合い、威力は互角に終わる。
「お前なんてこうしてやる!!」
ピノッキモンは両手から糸を出し、ウォーグレイモンに絡める。
そしてウィーグレイモンを操り人形のように動かし、太一達を襲わせる。
「皆!!避けて!!」
皆がウォーグレイモンの攻撃を避ける際、ヒカリが転んでしまった。
「ヒカリ!!」
テイルモン超進化
―――――エンジェウーモン―――――
完全体に進化したエンジェウーモンは間一髪のところでヒカリを助け出した。
光子郎と空もパートナーを完全体へ進化させ、アトラーカブテリモンのホーンバスターがピノッキモンを直撃し、両手がふさがっていたピノッキモンはもろに直撃を受け、その衝撃で飛んでいったブリットハンマーはガルダモンによって握り潰されてしまった。
「ああ〜」
「勝負あったな?ピノッキモン!!」
取り囲まれたピノッキモンにジュレイモンが言った言葉が脳裏をよぎった。
(僕に足りないものだって?そんなものあるわけがない!!)
「バァカ!!これくらいで勝ったと思うなよ!?」
突如、ピノッキモンの目が光ると、ピノッキモンの屋敷が突然巨大ロボに変形し、襲いかかって来た。
「やっつけちゃえ!!」
皆が驚いている隙にピノッキモンはその場から逃げた。
廃墟に隠れていた丈達も等々メタルエテモンにその居場所を突き止められてしまった。
「見つけたわよ!!さぁたっぷりと復讐してやるわ」
「メタルエテモン!私が相手だ!!」
レオモンワープ進化
―――――サーベルレオモン―――――
サーベルレオモン 究極体 古代獣型デジモン 属性 データ
マッハの瞬発力を持つといわれている古代獣デジモン。
マッハの瞬発力を持っており、そのスピードはどんなに素早い攻撃でも簡単に避けてしまう。大きく発達した2本の牙と、鋭い爪は絶大な破壊力を持ち究極のデジモンと呼ばれている。
必殺技は毒性のある無数のたてがみの「毛」を硬質化して相手にぶつける『インフィニティアロー』。と巨大な爪を使い、相手を八つ裂きにする『ネイルクラッシャー』。
「上等よ!!アチキの邪魔をする奴は誰だろうと容赦はしないわ!!」
「レオモン!!」
「ここは私に任せて早く逃げるんだ!!」
「レオモン一人を置いて逃げるなんて出来ないよ!!」
ゴマモン進化
―――――イッカクモン―――――
ドラコモン進化
―――――コアドラモン―――――
「あたしだって戦うわ!!ミミ!!」
「・・・・」
「どうしたの?ミミ?」
ミミはデジヴァイスをギュっと握るだけでパルモンを進化させようとはしなかった。
「ハープーン・・・・」
「ブルーフレア・・・・」
「まってくれ!!イッカクモン!!コアドラモン!!」
「丈さん?」
「なんだよ?丈どうして止めるのさ?」
「ここはサーベルレオモンの言うとおり、逃げよう!!」
「丈?」
「インフィニティアロー!!・・・・何!?」
サーベルレオモンの攻撃はメタルエテモンには通じなかった。
「くそっ!待て!!」
サーベルレオモンとメタルエテモンとの戦闘の中、オーガモンがその中に割って入った。
「何よ?アンタ?」
「レオモンを倒すのはこの俺だ!!」
「ダメ!!そんなに怪我をしているのに!!」
ミミが慌ててオーガモンに飛びつく。
「心配しなくても皆まとめてあの世に送ってあげるわ。ダークスピリッツデラックス!!」
メタルエテモンはミミに向かって技を繰り出すが、その攻撃をサーベルレオモンがミミを庇い直撃を受けた。
「サーベルレオモン!!」
「くそっ、コアドラモン!!」
イッカクモンとコアドラモンはそれぞれ完全体へと進化した。
「ハンマースパーク!!」
「ブレイズソニックブレス!!」
「無駄よ!!アチキの体はクロンデジゾイドでメタルコーティングされているのよ!!」
「だったらこれでどうだ!?ハンマーブーメラン!!」
ズドモンはトールハンマーをブーメランのようにしてメタルエテモンに投げる。
「もしかしてバカ?何やってもダメ・・・・」
自分の体は完全無敵だと言うメタルエテモンだったが、トールハンマーを受けたメタルエテモンの体に突如、ヒビが入り始めた。
「ど、どうして?アチキのクロンデジゾイドのメタルコーティングが・・・・?」
完全無敵な自分の体にヒビが入った事にメタルエテモンは信じられない様子。そんなメタルエテモンにズドモンはそのタネを教える。
「教えてやるよ。このトールハンマーも同じクロンデジゾイドで出来ているのさ」
「な、なんですって!?」
「これで終わりだ、メタルエテモン!!エクスプロードソニックランス!!」
続いてウイングドラモンがメタルエテモンの体のヒビの部分に槍を突き刺す。
「嘘でしょぉぉぉぉぉぉぉぉー」
メタルエテモンは叫びながら粒子となり消えた。
一つの戦いは終わり、もう一方の戦いも終盤に差し掛かっていた。
屋敷型の巨大ロボは子供達を追いかけ、デジモン達は屋敷ロボに攻撃する。
しかし、その攻撃は屋敷ロボには通じない。
その間、ピノッキモンは体勢を立て直そうと一目散に逃亡を図る。
その途中で、先の戦いで何とか無事に逃げる事ができたレッドベジーモンが「俺もつれてってくれ!!」と頼むが、ピノッキモンは足手まといだと判断し、そのレッドベジーモンを殺した。
レッドベジーモンを殺した直後、ピノッキモンの目の前にメタルガルルモンが姿を現す。
「あっ、いい所で来たね?この間みたいにアイツやっつけちゃってよ」
ピノッキモンはメタルガルルモンにもう一度ウォーグレイモンと戦うように言うが、メタルガルルモンはピノッキモンを睨むだけで、動こうとはしない。
「言う事を聞けよ!!」
ピノッキモンはまたも両手から糸を出し、メタルガルルモンを操ろうとするが、それでもメタルガルルモンは動かない。
「どうして?なんで術がきかないんだよ?」
「当たり前だ・・・・仲間を平気で殺すような奴の言う事なんかきくわけがないだろう?」
森の奥からヤマトが現れ、ピノッキモンの術が効かない訳を話す。
「何だって!!頭くるな!!皆僕の言う事を聞いていればいいんだよ!!」
癇癪を起し真正面からメタルガルルモンに襲いかかるピノッキモン。
「コキュートスブレス!!」
癇癪を起し、冷静さを欠いていたための間違った判断だった。
ピノッキモンはメタルガルルモンの技を真正面から直にくらった。
「ジュレイモン・・・・僕に足りないモノって・・・・・何だったの・・・・?」
ピノッキモンは最後までジュレイモンが言っていた自分に足りないモノの正体が分からないまま粒子となり消え、ピノッキモンが消えたことにより、屋敷型の巨大ロボも崩れ去った。
ピノッキモンを倒してもヤマトとメタルガルルモンは皆と合流することなく、再び森の奥深くへ消えていった。
そしてピノッキモンが消えたことによりメタルシードラモンの時同様、森が元の位置に戻って行く。
森が戻って行くのを瀕死のレオモンと丈達は見ていた。
やがてレオモンはまた生まれ変わると言って粒子となり消えた。
しかし、後に良介はレオモンと意外な形で再会することとなるが、それはまだ先の事だった。
丈達はデジモンが生まれる「はじまりの町」へ行こうと言うが、オーガモン曰く、はじまりの町もダークマスターズのせいで滅茶苦茶にされていたと言う。
はじまりの町を戻すため、やはりダークマスターズを倒さなければならなかった。
丈とミミはパンプモン達と同じく、オーガモン達と共に各地でダークマスターズに抵抗しているデジモン達を集めようと廃墟を後にするが、良介とドラコモンはムゲンドラモンとの決着があるため、太一達の下へ戻ることにした。
森のエリアが元に戻ったので、丈達がもうピノッキモンやその配下のデジモンに襲われることはないし、ミミもレオモンの死により戦う決意が出来たようなので、丈達と別れることにした。
「それじゃあ・・・・」
「ああ、太一達によろしく伝えておいてくれ」
「分かりました。・・・・ああ、丈さん」
「ん?なんだい?」
「もしかしたら、吊り橋効果、期待できるかもしれませんよ?ミミさん、可愛いですからね」
クイントに似たのか、ニンマリとした笑みで丈の耳元で囁く良介。
「き、君は、なにを言っているんだい!?こんな時に・・・・
//////」丈は顔を赤らめ、声をあげる。
「フフ、それじゃあまた会いましょう。決戦の地で・・・・」
「ああ、それまで無事で・・・・」
「お互いに・・・・」
良介は皆と握手し。丈達の下を離れ、太一達と合流した。
あとがき
ピノッキモン編はこれにて終了。
レオモンに関しては今後の伏線を含ませてもらいました。
次回はいよいよムゲンドラモン編となります。
最初の邂逅の時、良介君はムゲンドラモンと決着をつけると宣言したので、原作と違い、若干のオリジナル要素を含みます。
薄いかもしれませんが・・・・
では、次回にまたお会いしましょう。