十五話 蘇りしアンデッドの王

 

 

「ヒカリの友の魂よ・・・・・」

「今一度・・・・」

「この現世に・・・・・」

「「「戻りたまえ!!」」」

ウィザーモン、エンジェウーモン、エンジェモンが同時に言うと、良介の体が光だした。

そして光がおさまると・・・・。

「うっ・・・・うーん・・・・」

良介の目蓋がゆっくりと開かれた。

「あ、あれ・・・・・俺は確か・・・・」

「「良介君!!」」

「「良介!!」」

ヒカリ達が良介に飛びついた。

 

「あ、アレ?俺・・・・確か・・・・」

良介が現状についていけず、首をかしげていると、

「このバカヤロウ!!」

太一が良介の頭を叩いた。

「痛っ!いきなり何するんですか!?太一さん!!」

「何するんですかじゃねぇ!!みんなに心配させやがって!!」

「良介君・・・・」

「ん?」

良介は自分の名前を呼ばれたので、その声がした方を見ると、そこには涙を浮かべたヒカリの姿があった。

「ひ、ヒカリ・・・・」

「バカ!良介君のバカ!!」

ヒカリは泣きながら良介の胸部をポカポカと叩く。

「どうしてあんなことしたの!?ウィザーモンやエンジェウーモン、エンジェモンが居なかったら本当に死んじゃっていたんだよ!!」

「ご、ごめん・・・・」

「もう二度とあんな無茶しないで・・・・お願い・・・・」

「う、うん・・・・」

(イヤ、良介の事だ・・・・いつかきっと同じような無茶をするだろうな・・・・)

ヒカリと良介のやり取りを見ていたウイングドラモンは心の中で自身のテイマーの事を思っていた。

 

「そ、それよりヴァンデモンは!?ヴァンデモンはどうなりました!?」

良介はヴァンデモンの勝負の行方を聞く。

「勝ったよ・・俺たちが・・・・あのヴァンデモンに・・・・」

ヤマトがヴァンデモンを倒したことを良介に伝える。

「そうだ!俺達、ヴァンデモンを倒したんだよな!!」

「やったんだよね!?」

「これで世界を元に戻すことが出来たんだ!!」

皆がヴァンデモンを倒したことに、喜びの声を上げているが、良介には未だに疑問が残っていた・・・・。

そして良介と同じ疑問を感じたのか、ヒカリとタケルも何だか腑に落ちない表情をしている。

「あれ、どうしたの?三人とも?」

そんな三人に空が声をかける。

「ヴァンデモンを倒したにも関わらず・・・・・」

「晴れないよ・・・・」

「霧・・・・」

三人は先程から感じていた妙な違和感を口にした。

「な、なんだって!?」

太一が声をあげ、空を見上げる。

確かにヴァンデモンを倒したにもかかわらず、霧の結界は未だに解けておらず、お台場は深い霧に閉ざされたままである。

(一体、どうなっているんだ?)

太一が少し焦りながら霧を睨んでいると、

「良介、まだ・・・・邪悪な気配が・・ほのかにだけど、まだ残っている・・・・・」

ウイングドラモンがボソッと呟いた。

「ウィザーモン、この事態をどう思う?」

「恐らくヴァンデモンが完全に死んでないからこの霧が消えないんだと思う」

「だよな〜」

良介がウィザーモンに小声で尋ねると、ウィザーモンからは最悪な答えが帰ってきた。

しかし、粒子となってしまい、実態がないヴァンデモンを今の段階で見つけるのは不可能であり、手をこまねいて実態化するまでヴァンデモンの出方を見るしかない現状だった。

 

 

ヴァンデモンを倒したはずなのにお台場はいまだ霧に包まれていた。

そのことに皆は不安を感じていた。

「ちくしょう!!」

太一はよほど苛立っているのか、傍に落ちていたヴァンデモンのつけていたマスク(仮面)を蹴り飛ばした。

「何でなんだよ!? 何で!?・・ヴァンデモンを倒しただけじゃダメなのか?」

ヤマトが考え込むように呟く。

「じゃあ、ずっとこのままって事!?」

ミミがずっとこのまま霧の中に閉じ込められるのかと思い声をあげる。

「いえ、なにかの原因があるはずです・・・・あ、ゲンナイさんからメールだ!」

そこへ、光子郎のノートパソコンにゲンナイからのメールが届いた。

「久しぶりじゃな、選ばれし子供達!!」

「やいジジイ!!ヴァンデモンが死んだのに霧が一向に晴れないぞ!!一体どういう事何だよ!!」

パソコン画面にゲンナイが皆に挨拶をした瞬間、太一がパソコンの画面に詰め寄り、画面内に居るゲンナイにキレれた。

(太一さん、パソコンの画面に向かって切れてもしょうがないと思いますけど・・・・)

良介がそう思いながら皆の顔を見ると、皆も太一さんの行動を呆れながら見ていた。

「少しは落ち着かんかい!!・・・・まずは八人目と九人目の顔が見てみたい。・・顔を見せてくれんか?」

「分かったよ・・・・ヒカリ、良介、コッチに来てくれ、ゲンナイのジジイがお前達の顔を見たいってさ」

太一に呼ばれ、良介とヒカリは光子郎のパソコンの画面の前に来る。

「ホッホッホッ、お主等が八人目と九人目か?」

「宮本良介です」

「八神ヒカリです」

「成る程、二人とも、良い目をしとる。特に良介とやら、お主からは他の子供と違う不思議な感じがするが・・・・まぁ、今は置いとくか・・・・・ただ一言言うのであれば良介、運命は自分の手で切り開くものだ。諦めるでないぞ」

「ジジイ!!それよりもこの世界で何が起こっているのか聞いてんだよ!!早く答えろ!!」

(だから、太一さん、少しは落ち着きましょうよ。・・・・ほら、空さんやデジモン達も呆れていますよ・・・・)

アグモンは特に無関心だったが、他のデジモン達は唖然とした表情で太一を見ている。

「分かった、分かった、まずはヴァンデモンについてじゃが・・・・。結論から言うと、ヴァンデモンはまだ生きておる」

ゲンナイの言葉を聞き、皆の顔が驚いた顔になった。

最もドラコモン、ウィザーモン、良介はなんとなくだが、ヴァンデモンの生存を予想していたので、そこまで驚かなかった。

「な、何を言ってんだよ!?ヴァンデモンは確かにあの時、俺達の目の前で完全に死んだのを、俺達は確認してるんだぞ!!」

ヤマトは大声を出して、ゲンナイさんの言葉を強く否定した。

「じゃが、お主等の世界でヴァンデモンが張った霧の結界は未だに消えておらんのじゃろう?」

「そ、それは・・・・確かにそうだけど・・・・」

現実を指摘され、口ごもるヤマト。

「そこでじゃ、子供達よ、喜べ、儂がヴァンデモンを倒すヒントを見つけたぞー!」

「それはどんなヒントなんですか?」

「古代遺跡で見つかった予言の詩じゃ」

ゲンナイの言う予言の詩は次のような言葉だった。

 

はじめにコウモリの群れが空を覆った。

 

続いて人々がアンデッドデジモンの王の名を唱えた。

 

そして時が獣の数字を刻んだ時アンデッドデジモンの王は獣の正体を現した。

 

天使達がその守るべき人のもっとも親愛なる人へ光と希望の矢を放つ

 

運命を見定める子は自身の根源を解き放ち、運命を乗り越え、奇跡を起こす・・・・。

 

「・・・・と、ある。では、幸運を祈るぞ」

そう言ってゲンナイとのコンタクトはそこで切れた。

「おい、待てって!!おい!ジジイ、ジジイぃ!!」

太一は、消えたゲンナイに大きな声で叫んだ。

「ねぇ、他にこの霧を晴らす方法は分からないの?」

「それが・・・・」

空が霧の晴らしかたが無いのか尋ねるが、今の所、その方法は見つからないようで、光子郎は無念そうに呟く。

「お兄ちゃん、早くお父さんとお母さんのところに行こう」

「そうだな」

ヒカリと太一は連れ去られた両親を探しに・・・・。

「僕も自分の家の様子が」

「あたし早く着替えたい」

丈は家の様子を見に行くために、ミミはパジャマだったため着替えに行くために、

「とにかく、移動するか」

太一の号令一下皆は崩れかけたフジテレビを後にした・・・・。

 

ミミは着替えのために、丈は自分の家の現状を確認するために一度自宅へと行ったが、他のメンバーはデジタルバリアにより無事だった光子郎の両親を迎えに行くことにした。

「いったい、何が起こっているんですか?」

「それは私から説明いたしましょう・・・・」

光子郎の父は、現在起こっていることがよくわかっていなかったため、ヤマトの父から説明を受けていた。

「みんなお待たせー・・・・あれ、丈先輩はまだ?」

そこへ、着替えを終えたミミが合流した。

ミミは姿の見えない丈の行方を聞いた。

「うん、まだ・・・・ここなんだけど・・・・」

空は丈の家のマンションを見上げた。

 

その頃、自宅に戻った丈は家族を探していた。

「父さん、母さん・・・・兄さん達もいない」

しかし、丈の問いに答える者はなく、部屋の中も滅茶苦茶に荒らされていた。

「みんなと一緒に捕まったんだよ。戻ろう」

「うん・・・・」

プカモンがそう言うと、丈はみんなと合流するため、部屋を出ようとしたとき、丈の背後にある押入れの襖が開き、そこから伸びてきた手が丈の肩に置かれる。

「ぎゃぃああああああああー!!」

「バケモン!?」

突然肩に手を置かれ、丈は悲鳴をあげ、プカモンはバケモンが潜んでいたのかと思い押入れを睨む。

すると、

「ひどいな・・・・人を化け物扱いするなよ」

「シン兄さん!?無事だったの!?」

押入れにいたのはバケモンではなく、丈の兄、シンだった・・・。

「無事?うわっ!?なんだよ?この有様は?」

シンは自分の部屋が滅茶苦茶に荒らされていたのに驚く。

「バケモンたちの仕業だよ」

プカモンが何故、部屋が荒らされていた理由をシンに話す。

「なんだ?コイツは?」

シンは見たことも無い生物(プカモン)を見て声をあげる。

「ま、まぁ事情は後で話すから・・・・ところで、なんで押入れなんかで寝てたの?」

「お台場に引っ越してからここが俺のベッドなの。お前知らなかったのか?」

「うん」

「ずっと一緒に暮らしていたのになぁ・・・・」

シンは頭を掻きながら呆れて言う。

 

その後、皆は合流し、ビッグサイトへは太一・丈・空・ミミ・良介・光子郎たちが向かい、霧を突破する方法をヤマト・タケル・裕明らで考えることになった。

丈は兄の運転するバイクに乗り、太一達が居るビッグサイトへと向かった。

ビッグサイトに着き、バイクを停めたシンが丈に問う。

「丈、やっぱりお前も医者になるつもりなのか?」

「お兄さんお医者さんなの?」

「まだ医学生だけどな」

「勉強できるんだ」

プカモンはシンに尊敬の眼差しを送る。

「父さんはなれって言うけど・・・・」

丈は俯きながら親に将来医者になれと言われたことを思い出し、兄に言う。

「無理だよ。お前には」

そんな丈にシンは「無理」の一言で丈が医者になることは出来ないと言う。

「うん・・・・」

兄に言われ丈もそれを肯定する。

「ヤイ!コラ!例え兄さんでも丈をバカにすると許さないぞ!!」

プカモンは丈が馬鹿にされたのだと思い、鞄から飛び出てシンに大声で怒鳴る。

「おぉー怖っ。違うよ、バカにしているんじゃなくて、血を見ただけで気絶するような奴は医者にむいていないって言うこと」

「うん、それなら納得」

シンがプカモンに丈が医者に向いていない理由を話すと、プカモンも納得した様子。

事実丈は、良介がヴァンデモンの技をくらい血まみれになったときも良介から顔を背けていた。

正直あの時も気絶寸前だったのだ。

「その話は後で・・・・ほら、みんな来たぞ」

丈の視線の先には太一達の姿があった。

 

ビッグサイトの中にはまだバケモンが残っており、アグモンたちは戦闘態勢に入った。

「さあ、行くぞ!みんな!!」

「「「「オォー!!」」」」

 

ピョコモン進化―――――

         ピヨモン―――――

 

モチモン進化―――――

         テントモン―――――

 

プカモン進化―――――

         ゴマモン―――――

 

タネモン進化―――――

         パルモン―――――

 

幼年期Uだったデジモン達も成長期へと進化し、テイルモンとアグモン、ドラコモンが先陣をきり、ビッグサイト内のバケモンを駆逐していった。

そして、皆は捕らわれていた人々が眠らされているホールへと着いた。

「霧だけだと思っていたらこんな・・・・」

丈は捕えられた人々を見て、改めて今回の出来事のスケールの大きさに驚く。

「脈拍は正常だ・・・・」

シンは眠っている人のバイタルを調べ、他の皆は家族に声をかけている。

「丈。お前な、親の言う通りの人生・・・・歩む必要無いって・・・・」

「えっ?」

「実は俺だって、国家試験受かったら、医者のいない離島に行こうと思っている・・・・父さんは反対するだろうけど・・・・」

「そうだったの・・・・!?」

自分の兄の知られざる夢に声をあげる丈。

「ま、そんなことよりも今はこの人たちだ・・・・外からの応援が必要だな・・・・」

この時のシンは医者の顔で真剣そのものだった・・・・。

 

その頃、ゴムボートで海に出たヤマト達は・・・・。

「やはりこの霧を突破するのは無理か・・・・・」

深い霧のため、これ以上ゴムボートで進めば遭難する恐れもあり、やむを得ず、海上からの突破を諦めた。

「おーい!タケルのママ!!聞こえる!?」

パタモンが声をあげる。

「俺も。タケルのママ!!」

ガブモンも声をあげる。

「タケルも一緒に声出そう」

「うん・・・・でも・・・・・此処からじゃ聞こえないよ」

「そうなの?」

タケルの当たり前の言葉に首を傾げるパタモンであった。

 

「私のせいで、こうなったのね」

ヒカリはビッグサイトに眠る大勢の人々を見ながら呟く。

「気にすることは無い。ヒカリが悪いわけじゃないさ」

「そうだよ・・・・俺にだって責任はあるだろうし・・・・」

「そうよ、時間が経てばみんな目を覚ますわ」

(そうよね?お母さん・・・・)

ヒカリはいまだ、自分を責めていたが、テイルモンや空、良介がそれを励ます。

 

「首筋に斜め45度からチョップを入れれば目を覚ますかしら?それとも脇腹に蹴りをいれたら案外起きるかも・・・・」

「さ、さくらさん・・・・」

「幾らなんでもそれは・・・・」

眠る大勢の人々を見ながらさくらのとんでもない発言にパンプモンとゴツモンはどうアドバイスをしていいのか分からなかったが、少なくともさくらの言う首筋へのチョップと脇腹への蹴りだけは止めさせる事にした。

 

 

タケル達は海に出ていたが、この霧を突破できないと分かるとお台場へ戻ってきた。

だが、そこへギザモンたちが襲かかってきた。

「プチファイヤ!!」

「エアーショット!!」

ガブモンとパタモンが応戦するが、相手の数の方が圧倒的に多い。

「きりがない!!」

「早く逃げるぞ!!」

ヤマトたちは車の中に逃げ込んだのだが、エンジンをかける前にギザモン達は車に張り付き、車は横打押しとなる。

ヤマトたちが「これまでか・・・・」と、思ったとき、近くの木から沢山のコウモリが舞い降りて来てギザモン達を食べ始めた。

「「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁー!!」」」」」

「な、なんだ!?」

「見て、コウモリたちが!!」

ギザモンを食べ終えたコウモリたちはフジテレビのロータリーに落ちているヴァンデモンのマスクの下へと集まっていった。

「ひっひっひ、本当の恐怖はこれからだ・・・・」

ピコデビモンはマスクに集まっていくコウモリたちを見ながらニヤリと笑った。

 

ヤマト達はビッグサイトにて、太一達と合流した。

すると突如、人々がヴァンデモンの名前を呼びはじめた。

「肉体的にはまだ眠っている・・・・だから寝言なんだけど・・・・」

シンが裕明に説明する。

そこへ、光子郎が皆に声をかける。

「あの・・・・僕、気になることがあるんですけど・・・・」

「予言だろう?『人々がアンデッドデジモンの王の名を唱えた』」

「コウモリの予言も当たったんだよ」

ガブモンが予言の最初の章、『コウモリの群れが空を覆った。』の部分が先程遭った事を言う。

「何だって!?」

「三番目の予言はなんだった?」

空が三章目の節を問うと、

光子郎が答える。

「そして時が獣の数字を刻んだ時アンデッドデジモンの王は獣の正体を現した。・・・・」

「何だよ?その獣の数字って?」

「多分、666・・・・6時6分6秒の事だと思います」

太一の疑問に良介が答える。

「6時6分6秒?」

「はい・・・・確か、ヨハネの黙示録に確かそんなことが書いてあったはずです」

「6時6分6秒・・・・もうすぐだ!!」

太一はデジヴァイスで現在の時間を確認すると、時計は午後6時丁度を知らせていた。

「車で行こう」

裕明の運転する車で、太一達はフジテレビへと大急ぎで向かった。

しかし、

「間に合わない・・・・・」

デジヴァイスの時計は6時6分6秒を指した。

すると、

フジテレビの建物がピカッと光ったと思ったら、建物は完全に倒壊し、そこから巨大なデジモンが姿を現した。

その大きさはフジテレビよりも遥かに大きかった。

「あ、あれが・・・・」

「ヴァンデモン・・・・なのか?」

太一とヤマトは復活したヴァンデモンの大きさに唖然とし、アレが本当にヴァンデモンなのかと思う。

「大きさと姿は違いますが、顔はなんとなくヴァンデモンに似ているので、恐らくは・・・・」

確かに良介の指摘するように頭部の顔はどことなくヴァンデモンの面影を残しており、なによりヴァンデモンが着けていたマスクを目の前の巨大デジモンも着けているので、ほぼ間違いないだろう。

「でもあの大きさ・・・・」

「まさしく獣だな・・・・」

「行くぞ、ガブモン!!ドラコモン!!ウィザーモン!!」

「おう!!」

「「ああ!!」」

 

アグモン進化―――――

         グレイモン―――――

 

ガブモン進化―――――

         ガルルモン―――――

 

ドラコモン進化―――――

         コアドラモン―――――

 

アグモン、ガブモン、ドラコモンは成熟期へと進化するが、巨大化したヴァンデモンが振り向く風圧だけで吹き飛ばされてしまう。

そこへ、ピコデビモンが飛んできた。

「ひっひっひ、ヴェノムヴァンデモン様の力に手も足も出ないようだな」

「ヴェノムヴァンデモン!?」

ヴァンデモンとは違う名に太一は確認するかのようにヴェノムヴァンデモンの名を口にする。

 

ヴェノムヴァンデモン 究極体 魔獣型デジモン 属性 ウィルス

獣の下半身と甲虫のような外殻の上半身を持つ魔獣型デジモンであり、闇の王ヴァンデモンが進化した真の姿。

パワーを解放したヴェノムヴァンデモンにあるのは破壊と殺戮の衝動だけであり、本来、紳士的に振るまい、理性や知性を保っているヴァンデモンは、この醜い真の姿をさらすことを嫌っている。

必殺技は敵デジモンの体内に破壊型コンピュータウィルスを注入して構成データを全て破壊して機能を停止させる『ヴェノムインフューズ』。

 

「アンデッドとはつまり不死身だという意味だ。ヒヒヒヒ・・・・」

「パワーダ・・・・パワーガ足リナイ・・・・」

「食料ならばビッグサイトに確保しております」

ピコデビモンはそう告げながらヴェノムヴァンデモンへと接近する。

コアドラモンはヴェノムヴァンデモンの様子を見て、本能的に危険を察し、声をあげる。

「っ!!いけない!!そいつから直ぐに離れろ!!」

「ハァ? 何を言っている?さぁ、参りましょう」

ところがピコデビモンはコアドラモンの忠告を無視し、ヴェノムヴァンデモンへ更に近づく。

すると、

「・・・・マズハオ前カラダ・・・・」

そう言ってヴェノムヴァンデモンは大きく息を吸い込む。

「えっ!? な、何をするのですかぁ!?うわぁぁぁぁぁー!!」

 

ゴクッ・・・・

 

ヴェノムヴァンデモンはピコデビモンを飲み込んでしまった。

「あ、あいつ、自分の仲間を・・・・」

「食いやがった・・・・」

コアドラモンと良介はヴェノムヴァンデモンがとった行動が信じられず、また怒りを感じた。

ピコデビモンを食べたヴェノムヴァンデモンは歩き始めた。

獣姿となったアンデットの王はゆっくりと確実にその歩を止めることなく、進んでいく・・・・。

目標は・・・・・

ビッグサイト・・・・・。

太一・良介・ヤマトはこのアンデット王を倒すことが出来るのだろうか?

 

 

登場人物紹介

 

プカモン 幼年期U レッサー型デジモン

ゴマモンが退化した姿。

水棲恐竜の幼生を思わせる外観を持つが、その動きはまるでタツノオトシゴのように軽妙で、ひょうきんなデジモン。

外皮はまだ深海の水圧と低温に耐えられず、深海への潜水可能時間も長くない。

必殺技は『空気の泡』

CV 竹内順子

 

モチモン 幼年期U レッサー型デジモン

テントモンが退化した姿。

伸縮性のある外皮を獲得し、胴体下部の突起を使ってヨチヨチ歩く軟体のデジモン。

気持ちが高ぶると体を膨らませる様子が、餅の様に見えるところからモチモンと呼ばれるようになった。

必殺技は『伸縮性のある泡』。

CV櫻井孝宏

 

タネモン 幼年期U 球根型デジモン

パルモンが退化した姿。

頭部から植物の芽の様なものが発芽している球根型デジモン。

最適な環境を求めて浮遊していたユラモンが地上に降り進化した。

一旦地中に潜ってしまうと頭部から生えた物が植物の擬態をとり、外敵から身を守ることができる。ただし、草食性のデジモンには効果が無い。

必殺技は『粘着性の泡』。

CV溝脇しほみ

 

 

あとがき

ヴェンデモン編も漸く終盤へとなりました。

良介君がヨハネの黙示録を知っていた理由として、黒魔術関連の書物で目にした設定です。

ますます良介君のイメージからかけ離れて行きますが、ご了承ください。

 




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