注意 この作品はアヌビスさんの『ユメノオワリ』を最後までご覧になってからの方が分かりやすいです。

 

 

竜を従えし孤高の剣士

 

 

一話 転生した剣士は竜と出会う

 

 

広域犯罪者、ジェイル・スカリエッティの手に落ちた少女、ギンガ・ナカジマを救うべく、孤独の剣士とその少女の妹スバル・ナカジマは最後の決戦の舞台に降り立った。

剣士の捨て身の行動と姉を想う妹の行動により、ギンガは正気を取り戻した。

しかし、その代償は大きかった・・・・。

「宮本さんっ、お願い、返事してっ、眠っちゃダメですっ!お願い、誰か・・・・シャマル先生っ、早く、お願いだからっ!!」

スバルの涙声の叫びが聞こえる。

剣士はゆっくりと重い瞼を薄く開く。

そこには、涙を流し、必死に剣士に呼びかける青い髪の姉妹の姿。

あぁ、良かった・・・・ギンガは元に戻ったのかと、安堵する剣士。

それと同時に襲ってくる急激な眠気。

薄く開いた視界の先には、穴の開いた自分の胸の姿が入った。

流れでる血は衣服を破いて止血してあるが、焼け石に水なのは明白だった。

風が吹き、揺れる、ギンガのリボン・・・・。

その顔が、瞳が、懐かしい彼女を思い出させる。

震えながら、力なくギンガの頬を撫でる剣士の手。

「良介さんっ!? よかった・・・・頑張ってください、直ぐにシャマルさんが・・・・良介さん・・・・?」

「・・・・やく・・・・・そく・・・果たし・・・た・・・・ぜ・・・・クイント・・・・・」

ギンガの頬を撫でていた手が、力なく地に落ちる。

(泣くな・・二人とも・・・・お前たち二人はあのクイントの娘なんだ・・・・俺が死んでも・・・・俺が居なくなってもお前たちなら立派に立ち上がれる・・・・歩いていける・・・・・だから・・・・俺の分まで幸せに・・・・生きて・・・・く・・・・れ・・・・)

やがて剣士は微笑みを浮かべつつ、ゆっくりと瞼を閉じ、眠る様に息を引き取った。

「りょう・・・すけ・・・・さん・・・? うそ・・・・ですよね・・・・・? 冗談・・・です・・・よね・・・・? ねぇ、良介さん、りょうすけ、さん・・・い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

一人の少女の悲痛な叫び声が虚しく晴れ晴れとした空に木霊した・・・・。

 

 

暗闇の中、段々と意識が戻ってきた・・・・。

ここが天国なのか地獄なのかまだよくわからない・・・・。

地獄に堕ちるほど、酷い悪行を積んだ覚えはないが、天国に行けるほどの善行を積んだ覚えもない。

生きている時、半端者だという自覚はあったが、まさかあの世でも半端者になるとは思わなかった。

最後にギンガとスバルの幸せを願って逝ったが、やはり脳裏に浮かぶのはギンガとスバルの二人の泣き顔だった。

最後の最後でヘマをして泣かせちまった。 

願わくば、もう一度やり直す機会が欲しかった。

ギンガも・・・・

スバルも・・・・

そして、出来ることならば二人の母親であるクイントも救えるチャンスが欲しかった・・・・。

あいつらの笑顔を守り、そしてこの先あいつらの未来も笑顔のままでいられるチャンスが欲しかった。

そのためなら魂だろうが何でもくれてやる・・・・。

だからもう一度やり直すチャンスをどうか俺に・・・・。

俺にくれ・・・・・。

剣士がそう強く望むと、辺り一面が真っ白い光に覆われた。

 

 

そこで剣士は目が覚めた。 

あれだけ眠く重かった瞼や体が嘘のように軽くなっていた。

そして目に映るのは知らない天井だった。

ただ建築素材で出来ている天井なので少なくともここが天国でもなければ地獄でもないのだと判断がつく。

(助かったのか?俺は・・・・)

(そうだ!スバルとギンガは!?)

まず剣士の脳裏に浮かんだのは自分のせいで泣かせてしまったナカジマ姉妹の事だった。

(泣かせちまったし、アイツらきっと色々心配しているだろう・・・・)

ともかく現状を確認しようかと思い起き上がろうとしたが、体が言うことをきかない。

縛られているわけでもないのに起き上がることが出来ないのだ。

(何で?どうして?)

改めて自分の体を見てみると、視界に映ったのは物凄く小さな手・・・・

それは、まるで赤ちゃんぐらいの小さな手だった・・・・。

それが自分の手なのだと分かるにはそんなに時間はいらなかった。

(な、なんじゃこりゃ!?)

声をだそうにも歯がまだ生え揃っていないため、声を出しても「アブアブ」や「バブバブ」といった赤ちゃん言葉しか発音できない。

しかも未だに乳児なので起き上がることも出来ずに寝返りを打つぐらいしか出来ない。

「う〜・・・・う〜・・・・」

赤ちゃんになった剣士が手足をバタバタと動かしているとそこへ、

「あらあら、良介君。起きたのかな?」

優しそうな女性の声が聞こえた。

そして視界には微笑みながら自分の顔を覗き込んできた女性の顔が映った。

その顔を見たとき、手足をバタバタしていた赤ちゃん剣士の動きがピタリと止まった。

(ギンガ!?いやクイント!?)

自分を覗き込むその女性の顔はかつて自分を本当の息子のように思い、そして本当に息子にしようとした女性、クイント・ナカジマと瓜二つだった。

違う点をあげるとすれば髪の色だけだった。

自分の記憶の中で覚えているクイントは明紫色の髪だったが、目の前の女性は日本人らしい黒髪だった。

「よっと」

女性はそっと赤ちゃん剣士を抱き上げる。

「どうしたのかな?お腹が空いたのかな?」

女性は微笑みながら赤ちゃん剣士に尋ねる。

(そう言えば確かに腹減ったな・・・・)

空腹と言う、生きていることを実感させる事実を表情と身振り手振りでそれを伝えると、女性は椅子に腰掛けると、上着をたくし上げ、乳房を露にする。

(おいおい、なんで服を?///

赤ちゃん剣士が困惑していると、女性は赤ちゃん剣士の顔を自らの乳房の近くへと運び、後頭部を手で抑えながら乳頭を赤ちゃん剣士の口に入れる。

「さぁ、たくさん飲んで大きくなってね」

(あっ、そうか・・・・今の俺は赤ん坊だったな・・・・)

自分の現状を理解し、赤ちゃん剣士は恥ずかしながらも母親らしき女性の母乳を飲んだ。

 

 

俺が赤ん坊に生まれ変わってから何日かが経った。

その間、色々分かった事があった。

まず、俺の名前は前世同様「宮本良介」だった。

そして俺の母親の名前は「宮本さくら」という名前だった。

容姿は本当、髪の毛の色以外はクイントと同じなのだから最初はクイントのクローンかと思ったぜ。

そして、クイント似の母親と何か関係しているのか、俺の父親「宮本良一」はゲンヤのとっつぁんの髪を黒髪にして若くした感じだった。

これでもし、妹が生まれたらギンガやスバルと同じ顔になるんじゃねぇかと思うぐらい、俺の両親はナカジマ夫妻に似ていた。

そして、前世同様俺にはある不安があった。

前世では物心着く前に俺は孤児院に捨てられ、両親の顔は覚えておらず、母親の愛情と言うものにはまったくの無縁だった。

そして前世の記憶を継いでいるこの後世でもやはり俺は両親に捨てられるのだろうかと不安になる日が続いた。

 

しかし、年月を重ねていく内にその不安は段々と薄れていった。

この後世での俺の両親は俺を孤児院に捨てることなく目一杯俺に愛情を注ぎ、育ててくれた。

俺はこれが家族の愛情と言うものなのかと感じながら第二の人生を歩みながら、もう前世のギンガ達を救うことはできないが、せめてこの後世では必ずクイントもギンガも救って見せると決意した。

・・・・しかし、赤ん坊の体というのは物凄く不便だった。

自由に動き回ることもままならず、何よりオムツ交換や授乳行為が物凄く恥ずかしかった。外見は赤ん坊でも精神年齢は大人だけに毎日が物凄い羞恥プレイの連発だった。

 

 

そして俺が四歳に成り立ての頃、東京の光が丘と言う所に住んでいた頃、ある出来事があった。

ある日の夜、どこからとも無く大きな音が響いてきた。

しかし、隣で寝ているお袋には聞こえて居ないのか、この音に驚いて起きる気配もなく静かに寝息を立てている。

俺は外の様子が気になり、そっと寝床を抜け出し、窓の外を見ると、巨大なオレンジ色の恐竜とこれまた巨大な緑色のオウムみたいな鳥がガチンコバトルをしていた。

「な、なんだよ。アレ?」

前世の出来事からトカゲと鳥がジュエルシードを取り込んだのかと思ったが、二つの生物からは魔力のようなものは一切感じられない。それにジュエルシートが地球に落ちて来たのは、なのはが九歳の時、つまり後五年後の海鳴での出来事のはず。

それにこんな出来事は前世には無かった。

ただ俺が光が丘に居なかったというのも関係しているのだろうが、それでもニュースや週刊誌で騒がれる事態だ。

それにも関わらずこのような出来事は一切テレビでは報道されていなかったし新聞にも週刊誌にも記事にはされていない。

俺はもう少し近くで確認しようと外へと飛び出した。

壊れた自販機や車、凸凹になったアスファルトなどがあり、現場を見つけるのは至極簡単だった。

恐竜の傍には今の俺より少し年上の男の子と同い年くらいの女の子がいて、恐竜のことをコロモンと呼んでいた。

二人の様子から恐らく兄妹(きょうだい)なのだろう。

コロモンと呼ばれている恐竜は巨大オウムの攻撃を受けた歩道橋のガレキに潰され気を失っている。

恐竜の傍にいる兄妹は必死にコロモンの名前を呼んでいた。

その間に巨大オウムはジリジリと恐竜に迫ってくる。

兄の男の子が突然、妹が首からかけているホイッスルを口にくわえると、力いっぱい鳴らす。するとその音に答えるかのように恐竜は目をカッと開き、立ち上がった。

そして口から巨大な火の玉を吐き出すと、辺一帯が眩い光に包まれた。

やがて光がおさまると、コロモンと呼ばれていた恐竜もあの巨大なオウムも居らず、辺りは何時もと同じく夜の闇が漂っていた。

ただ、違うのは辺がまるで爆弾テロにでもあったかの様な光景だったが・・・・。

そしてあの兄妹の内、妹の女の子が涙声で「コロモン コロモン」と叫んでいた。

二人に声をかけようとも思ったが、パトカーや消防車のサイレン音が遠くから聴こえてきたので、大騒ぎになる前に俺は家に帰ることにした。

そしてその帰り道に俺はアレを見つけた。

俺の視線の先には路地裏に転がる大きな一つのタマゴがあった。

そのタマゴは以前図鑑で見たダチョウのタマゴよりも大きかった。

普通ならばこんな大きなタマゴが存在するわけがないので、誰かが作った置物の類か大きな石を見間違えと思ったのだが、この時の俺はなぜだか、そのタマゴに呼ばれたような気がして、そのタマゴを持ち帰った。

それが俺とこの後世における相棒との出会いだった。

 

 

謎のタマゴを拾ってから一週間がたった。

あの恐竜とオウムの騒ぎは世間では爆弾テロという形で処理されたが、やはり前世の記憶を探ってみても光が丘で爆弾テロが起きたなんて聞いたことがない。

そうすると、この後世の世界は俺の知っている前世とは少し違う歴史をたどっているようだ。

しかし、この世界の日本にはちゃんと海鳴市は存在しているので、なのはも恐らく存在しているはず。そしてクイントが死ぬのは今の俺が十歳の時だ。今はまだ時間的余裕があるが、何とかクイントが死ぬ前にミッドに行く手立てを考える必要性がある。

九歳の時になれば海鳴でジュエルシード事件が起こる可能性があるからその時に海鳴にでも行こうと思う。

ちなみに爆弾テロ(恐竜とオウムのガチバトル)の後、俺たち一家はお台場のとあるマンションに引っ越した。やはりテロの起きた場所には危なくて住めないとのことだった。

話を戻し、今俺はこの間拾ったタマゴについて考えを巡らせている。

タマゴを拾ってからその間何とか親に見つからずに済んでいるし、このタマゴが何のタマゴなのかも図鑑やネットで調べたが未だに分からず仕舞。

大体このタマゴの大きさと色からして妙なのだ。

大きさはサッカーボール以上あるし、色なんて緑地に黒い模様が入っている毒々しい色をしている。

第一印象がアニメ・漫画に登場する大きな蛇でも出てきそうなタマゴだ。

そんな中、タマゴが突然動き始めた。

俺はタマゴから離れ、念の為に竹刀を持ち、タマゴからどんな生物が生まれるのかを待った。

 

そして、タマゴが割れた。

 

「・・・・」

タマゴから生まれた生物は恐らく地球上の生物ではないと断言できた。

まず、大きな角と小さな翼を持ち、タマゴの殻から出るとその小さな翼を使いフヨフヨと飛び始めた。しかも時折口から小さな炎を吐いて方向転換をしている。

「な、なんだ?コイツ?どこかの世界の魔法生物か?」

俺は恐る恐る竹刀でその生物の腹をチョンチョンと小突いているうちに腹についていた鱗に竹刀が当たるとそいつは途端に機嫌が悪くなりいきなり竹刀に噛み付いた。

「わっ、コラ!離せ!!」

「がぅぅぅ〜」

竹刀を振り回し、俺は何とかソイツを竹刀から離すことが出来た。

しかし、竹刀の剣先は奴に食われた。

 

「コイツは一体何なんだ?」

壊れた竹刀を床に置き、俺は部屋の隅の上で俺を睨んでいるこの奇妙なスライムもどきとにらめっこをしている状況。

そんな状況が暫く続いたが、時刻は既に昼時を回っており、取り敢えず俺はコイツの正体を探ることよりも腹ごしらえをすることにして食堂であるリビングへと向かう。

今日はお袋がパートで出かけているが、出かける前にちゃんと昼ご飯を作ってくれているので食いっぱくれることは無かった。

冷蔵庫から料理の乗った皿を取り出しレンジで温めた後、食べようとすると匂いに釣られてあのスライムもどきがリビングにやって来た。

しかも目をキラキラさせ、口からはヨダレを流している。

「ん?食うか?」

料理を別の皿に少し分けてやるとソイツは物凄いスピードで皿に急降下し、皿の上の料理を食べ始める。

何となくスバルを思わせるような奴だ。

その後、俺の昼ご飯は半分以上このスライムもどきの腹の中に収まった。

 

「で?お前は一体何なんだ?」

言葉が喋えるとは思えないが、料理をすすめたときソイツは俺の言葉を理解はしていたので俺はこのスライムもどきに話しかけてみる。

すると、

「・・・・プチモン」

「・・・・・」

スライムもどきはいきなり人語を話し始めた。

 

プチモン 幼年期T スライム型デジモン

大きな角と小さな翼を持つスライム型デジモン。体が非常に軽く、常に空中に浮いた状態で生活しており、翼と口から吐く吐息で空中の姿勢を維持している。普段は陽気な性格だが、お腹に3枚の鱗を持っており、ここに触れられると極端に機嫌が悪くなってしまう。身に危険が迫ると必殺技の「熱い吐息」を吐いて相手を驚かせると同時に、その吐息を推進力にしてすばやく逃げてしまう。

 

「お前喋れたのか?」

「・・・・うん」

こいつは人語を理解し喋ることが出来ることが分かった。

「さて、これからどうしようか」と俺はこのプチモンと呼ばれる生物を見てそう思った。

 

プチモンがタマゴから生まれて早10日が経った。

プチモンは基本的に雑食性で何でも食べるのだが、一つ難儀な癖がある。

それは宝石や貴金属を食べようとしたり集めたりするのだ。

それに極力地面には降りようとはせず、一日の殆どを飛んで過ごしている。

流石に親に隠し通せるのも無理っぽそうになってきたので、そろそろ親に紹介しようかと思った日、電源を消してある筈のパソコンの画面が突然光だし、画面から何かが出てこようとしていた。

そして、ソレは画面から何かが出てきた。

「うわぁっ!?」

突然の事で尻餅をついてしまった。

「な、なんだ?

またプチモンみたいな生物かと思ったら、そこには白いポケベルのような物体と、こりゃまた白いペンダントらしきものがあった。

「携帯?いや、ポケベルか?・・・・それにペンダント?」

その二つを手に取りながら首を傾げつつ、とりあえず、自分の部屋に戻ってプチモンに見せてみた。

「なぁ、プチモン。これ何だかわかるか?」

「うーん・・・・そのポケベルみたいな機械は多分デジヴァイスだと思う。もう一つのペンダントの方は・・・・何だろう?」

「デジヴァイス?」

聞いたことのない機械の名称にそのデジヴァイスを不思議そうに見る良介。

「それはボクらデジモンを進化させるのに必要な道具の事さ」

「へぇ〜」

ちなみにデジモンというのはプチモンや光が丘で見たコロモンと呼ばれていたオレンジ色の恐竜や巨大オウムを総称した名前らしい。

「でも何でお前、デジヴァイスとか知っているの?」

「ボクはパートナーデジモンとして生まれたからそういう基本的な知識は記憶の中に刷り込まれているのさ」

「でも、このペンダントはわからないんだろう?」

「・・・・ゴメン。でも、時間が経てば分かるかもしれない」

「まぁ、いいけど」

俺がデジヴァイスを手で弄っていると

「デジヴァイスの起動をカクニン」

「うわぁ!?」

デジヴァイスとやらがいきなり起動した。

そして

「ショユウシャを『ミヤモト・リョウスケ』に登録。パートナーデジモンを『プチモン』に登録」

勝手に登録された・・・・まぁ別にいいけど・・・・・。

「それで進化って何だ?」

俺はさっきプチモンが言った進化について聞いてみた。

「進化は進化だよ」

「それってポモンみたく姿形が変わったりするのか?」

「多分」

「どうやって進化するんだ?敵を倒して経験値を貯めるのか?」

「うーん・・・・こんな感じ・・・・」

 

プチモン進化―――――

        ベビドモン―――――

 

おめでとう。プチモンはベビドモンに進化した。

 

ベビドモン 幼年期U 幼竜型デジモン

竜の面影を色濃くその体に宿した幼竜型デジモン。小さいながらに獰猛であり、ベビドモンの前で不用意な動きをしてしまうと体内で生成した高温のガス『ホットガス』を吹きかけられてしまう。この必殺技の『ホットガス』は熱さ以外にも辛味成分を含有しているので、目に入った場合は速やかに水で洗い流すことをオススメする。

 

「すげぇ、スライムからタツノオトシゴになった」

進化したベビドモンを見て声をあげる良介。

「タツノオトシゴじゃなくてベビドモンだって!!っていうか、今まで僕の事をスライムだと思っていたの!?」

プチモン改めベビドモンは腕である羽をバタバタとさせながら良介に自らの呼び名を訂正させた。

 

プチモンがベビドモンに進化してから3日後、お隣の部屋に引っ越してきた家族が家に挨拶に来た。

玄関先でお袋がその家の家族と挨拶の言葉を交わしている。

「始めまして今度隣に引っ越してきました八神といいます」

「初めまして宮本です」

「八神」という苗字を聞いて俺ははやての家族かと思い平然を装って玄関へと向かう。

「あ、この子はウチの一人息子の良介です。良介、今度お隣に引っ越してきた八神さんよ」

「ど、どうも、宮本良介です」

一礼し、お隣さんに挨拶をする良介。

「あら、ウチのヒカリと同じくらいね。ほら、二人も挨拶しなさい」

「八神太一です」

「・・・・八神・・・・ヒカリです」

「よろしく」

その後、暫しの雑談を交わした後、八神一家は帰って行った。

ただ帰り際にヒカリと名乗った女の子が、

「何だかコロモンみたいなにおいがする」

と、呟いたのは驚いた。

そしてこの事からこの二人が光が丘で見たあの恐竜の傍にいた兄妹だということを思い出した。

(へぇ〜この二人の苗字は、はやてと同じ八神だったのか。・・・・てっきりはやての家族か身内かと思ったぜ・・・・それにしてもこのヒカリっていう子はデジモンを探知する能力でもあるのか?)

と、思いながら帰っていく八神一家を見る良介だった。

 

その日の夜、俺は両親にベビドモンを紹介した。

初めて見たこともない生物を見た両親は、最初は驚いていたが、クイントに容姿が似ているだけあってお袋は「良介が飼いたいなら飼ってもいいわよ」と、性格も似ており、あっさりベビドモンを飼うことを許してくれた。

親父もお袋の意見に対して特に何も言わなかった。

もしかして親父、お袋の尻に敷かれているのかと思うのと同時にゲンヤのとっつぁんもクイントの尻に敷かれていたんだろうなぁと思った。

 

 

登場人物紹介

 

宮本良介

この物語の主人公

ジェイル・スカリエッティの手に落ちたギンガを救うため、スバルと奮戦しギンガの正気を取り戻したが、その際負った怪我で落命した。しかし前世での運命を変えようと強く願ったら何故かこの後世の世に転生をした。

幼少の頃住んでいた光が丘で恐竜(グレイモン)と巨大オウム(パロットモン)の戦いを目撃後、自らもデジモンのタマゴ、デジタマを拾いテイマーとなる。

デジヴァイスの色は白と銀 (機体色が白 ボタン部分が銀色)

紋章 運命の紋章

容姿 矢吹健太郎先生の作品「BLACK CAT」の主人公 トレイン・ハートネットを幼くした感じ 

イメージCV伊藤かな恵

 あくまで作者のイメージですので、良介君の容姿・イメージCVは読者の皆様それぞれのご想像にお任せします

 

 

プチモン(現在はベビドモン)

良介が拾ったデジタマから生まれた良介のパートナーデジモン。

古代デジモン特有のプログラムコードを持っており、失われた古代種デジモンに該当する。

進化予定は以下の通り

幼年期T プチモン

幼年期U ベビドモン

成長期   ドラコモン

成熟期   コアドラモン(青)

完全体   ウイングドラモン

 

イメージCV 加藤英美里

 こちらも作者のイメージですのでCVについては読者の皆様のご想像にお任せします。

 

宮本さくら

後世の世界での良介の母親。宮本家の裏のボス。

容姿はクイント・ナカジマの髪の色を黒にした感じ。

容姿もさることながら性格もクイントに似て面倒見がいいが怒らせると物凄く怖い。

剣道も嗜んでおり、良介の剣の師でもある。

良介は人前や本人の前では「母さん」と呼んでいるが、心の中では「お袋」と呼んでいる。

イメージCV 百々麻子

 原作でもクイントさんの中の人を務めていたので、容姿同様中の人もこの方にしました。

 

宮本良一

後世の世界での良介の父親。 宮本家の大黒柱。

容姿はゲンヤ・ナカジマの髪を黒くしていくらか若くした感じ。

職業は警察官

良介は人前や本人の前では「父さん」と呼んでいるが、心の中では「親父」と呼んでいる。

イメージCV 三木眞一郎

 鋼錬のマスタング大佐は、最初、大川氏が務めていましたが、改訂版では三木さんが務めていたので、それにあやかりました。

 

 

あとがき

デジモンアドベンチャーの二次小説やなの×デジの小説を読んでいて、自分もなの×デジの小説を書きたいなり、今回書いてみました。

一作目は名無しASさんの続編という形で復活でしたが、二作目は転生という形にしました。

この後世では、良介君は家族と共に過ごしているので、原作の良介君よりも若干性格が変更するかもしれません。

更新は遅いかもしれませんが、よろしくお願いします。




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