これは、二十九話〜三十一話にあったコドモノヒのIF設定の話です。

もしもあの薬の入ったお茶を良介ではなく、ギンガが飲んだらと言う設定です。

IFですので、コドモノヒと若干設定が異なる点があります。

 

では、どうぞ・・・・。

 

 

IF コドモノヒ  親バカとシスコン

 

 

家族皆でクラナガンのデパートに来た宮本一家であったが、この日は偶々大型連休と重なり、デパートの中は見渡す限りの人、人、人で物凄く混んでいた。

 

この混雑は予想外だった・・・・。

「こ、これは・・・・すごいな・・・・」

「辺り一面人だらけですぅ〜」

「はぁ〜しょうがないわね。私とミヤで買い物を済ませてくるから、良介はギンガと桜花の面倒を頼むわ」

「えっ?でもいいのか?買うもの結構あるんだろう?」

アリサとミヤで予想される沢山の荷物を持つことが出来るのかと思った良介がアリサに尋ねる。

「大丈夫よ、いざとなればミヤの持っている本の中に入れるから」

「そうか」

「あの・・・・アリサさん・・・・」

「ん?どうしたの?ギンガ?」

「あの・・さっき言った。良介さんに私と桜花の面倒を見てもらうってどういう意味ですか?」

ギンガは先程のアリサの発言が気になるらしく、少し顔を引き攣らせながらアリサに尋ねる。

「そのままの意味よ。この人混みじゃあ、ギンガを連れて入って逸れて迷子になったら大変だもの」

アリサはシレっとした様子でギンガに答える。

「わ、私は迷子になるような年ではありません!!」

子供扱いされ、腹が立ったのか声をあげるギンガ。

「でも、あの状況じゃあ逸れる可能性はかなり高いわよ。第一、今のギンガの体の大きさじゃ、すぐに人波に飲まれるわ」

アリサは人混みを指さしながらギンガに言う。

「そ、それはそうかもしれませんが・・・・」

「分かったなら、良介と一緒に外で大人しく待っていなさい。いいわね?」

「は、はい・・・・」

「それじゃあ、行くわよ、ミヤ」

「は、はいですぅ!!」

そう言ってアリサはミヤと共に混雑するデパートの中へ果敢に入っていった。

ちなみにミヤは融合機モードでアリサの近くを飛んでいる。よって、ミヤはアリサと逸れる事は無いだろう。

だからこそ、アリサはミヤと共に混雑するデパートへ入ったのだ。

良介が代わりにミヤと入っても良かったのだが、良介では、他にも余計な買い物をしそうなので、アリサは良介に子守を頼んだのだ。

 

「まったく、アリサさんったら人を子供扱いして・・・・私はもう、立派な大人です!!」

デパート近くの公園でギンガは先ほどのアリサの言葉と態度が気に入らないらしく頬大きく膨らませて愚痴を言っている。

(そんな顔で言われても全然説得力ないぞ、ギンガ・・・・)

「良介さんもそう思いますよね!?」

「あ、ああ・・・・」

口では子供扱いするなと言っているギンガであるが、仕草は子供っぽい・・・・と言うか、子供だ。

着ている服も八神家からヴィータが非番の時に着ている私服を何着か借りてきた物で、普段の凛としたギンガの雰囲気はなく、可愛い女の子の雰囲気しか感じられない。

ちなみに服を借りて言った時、ヴィータは神妙な顔つきであった。

やはり、体型を気にしている様子だ。

そんなギンガを綺麗というよりは可愛いと思った良介はちょっと悪ふざけをしてみたくなり、ギンガをひょいっと抱き上げると、

「そうだね。ギンガは全然子供じゃないぞぉ〜」

と、桜花をあやす時と同じ行動をする。

するとギンガは、

「うぅ〜良介さんまで私を子供扱いするんですね・・・・」

そう言って良介を睨むが、目尻には涙を浮かべている。

(ヤベェ、やりすぎたかな?)

寝る時間もそうだが、涙線も子供並みに弱くなっていたようで、自分がバカにされているのではないかと思い、悔し涙を浮かべるギンガ。

「あ、ゴメン、ゴメン。ちょっと今のギンガが可愛かったんでつい・・・・」

「『つい』で済む問題じゃありません!!」

「悪かったって!!あっ、お詫びにあそこのアイス屋のアイスを買ってやるから・・・・それで機嫌なおせって、なっ?」

と、アイスを買うことでギンガの機嫌をなおそうとした。

「私がそんなアイスなんかでそう簡単に釣れると・・・・・」

ギンガはプイっとソッポを向くが、アイス屋の近くでは子供達がアイスを美味しそうに食べている姿がギンガの視界に入り、

「こ、今回だけですからね・・・・//////

と、アイスを買って貰うことで機嫌をなおした。

やはり食べ物に釣られる辺り、ギンガはスバルと血が繋がっている姉妹だなと、良介は思った。

 

アイス屋に着くと、ギンガはいつも通り、大きなコーンの上に「これでもか」と、言わんばかりの量のアイスを注文する。

「ギンガ、こんな大量のアイス食えるのか?」

「大丈夫です」

「お待ちどう様、お嬢ちゃん、今日はパパと一緒にお出かけかい?」

「なっ!?」

店員のお嬢ちゃん発言に固まるギンガ。

そこをすかさず、

「ええ、いつも家事や子育てをしてくれている女房に代わってたまの休みの日くらいゆっくりと休ませてやろうと思ってね」

「旦那、いい所ありますねぇ〜。お嬢ちゃんも将来結婚するなら、パパみたく優しい男と結婚するといいよ」

「お、お嬢ちゃん・・・・」

「そ、それじゃあ、どうも・・・・」

「毎度〜」

ギンガの手を引き、急いでアイス屋さんから離れる良介。

「誰が!お嬢ちゃんですか!?私はれっきとした良介さんの奥さんですよ!!良介さんも良介さんです!!いつ、私が良介さんの子供になったんですか!?私達の子供は今の所、桜花一人じゃないですか!!」

アイスを買って貰ってもアイス屋の店員と良介のやり取りが気に入らなかったのか、アイスを片手に頬を膨らませ、声をあげるギンガ。

良介はその姿を見て、また可愛いと思ってしまったのは内緒の事。

「分かっているって、でもなぁ、『私はこの人の奥さんです!!』って言った所で、俺がロリコン野郎か変態に思われて白い眼で見られるか、『そうか、パパと結婚できるといいね、お嬢ちゃん』って言われてもっと子供扱いされるだけだぞ。この際、何も言わず子供役をやっている方が自然だ」

「・・・・」

良介の言っていることは一理あるのだが、やはり完全に納得出来ない様子のギンガであった。

しかし、そんなギンガの不機嫌もアイスを食べる事にはなおっていた。

 

ベンチに座り、満面の笑みを浮かべ、塔のように高く積まれたアイスを器用に食べるギンガ。

そんなギンガを良介は桜花を見守るような父親と同じ眼で見ていた。

「ん?良介さん、どうかしましたか?」

良介の視線に気がついたのか、ギンガがアイスを食べるのを中断し、良介に尋ねる。

「ん?あ、いや、桜花もあと何年かしたら、今のギンガのようになって、皆で出かけたり、ギンガやアリサの手伝いをするようになるんだろうなって思ってさ・・・・」

「そうですね・・・・」

二人は良介の腕の中で眠る娘を見つめる。

 

(今よりも少し大きくなった桜花か・・・・)

良介は腕の中に居る赤ん坊の桜花と子供化したギンガを見比べ、少し先の未来の事を想像した。

 

 

其処は宮本家の台所だった。その場所では三人の人物が居た。

一人は現在とあまり変わらない姿のアリサ。

アリサは当時、まだ覚えたての法術で良介が蘇生させた影響のためか、成長の速度が常人よりも遅い。

今だってなのは達が中学生時代の大きさである。

後、四〜五年たってもその容姿は大してかわらないだろう。

そして元の大きさに戻り、ピンクのエプロンをつけ、今よりも更に成長し大人っぽくなったギンガ。

最後に紫がかった黒い髪をして、今の子供化したギンガとほぼ同じ容姿をした少女の姿があった。

「母さま、アリサさん、このお皿は?」

「ありがとう、桜花。それはこっちに頂戴」

「はい」

「うふふ、お手伝い偉いわね。桜花。ありがとう」

ギンガが桜花の頭を撫でる。桜花はそれをくすぐったそうにして目を細める。ギンガは桜花から受け取った皿に完成した料理を載せる。

当然、その量は山のように特盛だ。

ギンガは特盛の量が乗った皿を持ち、アリサと桜花は標準量が乗った皿を持ち、リビングのテーブルまで持っていく。

リビングではテレビを見ている良介と少女モードに変身したミヤの姿があった。

二人が見ているテレビの画面には少し髪が長くなったスバルとノーヴェの姿が映っている。

二人は災害での救助活動が評価され、表彰をされている映像が流れていた。

「スバルとノーヴェ、随分と頑張っているみたいですぅ」

「そうだな、義妹として鼻が高いな」

「父さま、ミヤお姉ちゃん、ご飯が出来たよぉ〜」

「桜花、急いだら危ないわよ?」

桜花は少し急いだように早足で、アリサはその後ろから転ばないよう注意を促しながらやってくる。

「おっ、桜花!!何時もお手伝い偉いな!!」

良介はそういうとお手伝いをしている桜花の頭を優しく撫でる。桜花は嬉しそうに、

「うん!! 父さま!おうか、偉いでしょ!?」

そんな様子をアリサとギンガ、ミヤは笑顔で眺めているのだった。

 

桜花は良介とギンガの娘ならば、ギンガのようにアーツ系の格闘術か、自分のような剣術をきっと学ぶだろう。

ある日、桜花が家に帰ってくると、

「父さま!!母さま!!」

玄関先で大きな声をあげる。

「どうした?桜花」

「どうかしたの?桜花」

良介とギンガが玄関までいくと、そこには首からメダルを掛け、手には表彰状を持った桜花の姿があった。

「見て!!見て!!私、今日の大会で優勝したの!!」

と、メダルと表彰状を誇らしげに両親に見せる桜花。

「ホント!?すごいじゃない!!」

「よくやったぞ!!桜花!!流石、俺とギンガの娘だ!!」

と、優勝した我が子を抱き上げる良介の姿があった。

当然のその日の夜は桜花の優勝記念の宴会が開かれた。

 

やがて、年月が流れ、桜花もすっかり大きくなり、体も徐々に大人っぽく成長していった・・・・。

その容姿はギンガそっくりだろう。

そんなある日、桜花が「父さま、母さま。実は会って貰いたい人が居るの・・・・」と、畏まった様子で桜花が良介達の前に一人の男性を連れてきた。

良介の前でその男性は真剣な表情で言った。

「お義父さん!!娘さんをどうか僕に下さい!!・・・・実は彼女のお腹の中には既に僕と彼女の子が・・・・お義父さんのお孫さんがいるんです!!」

良介はその言葉を聞き、頭の中が真っ白になった。

 

 

「だ、ダメだ!!ダメだ!!何処の馬の骨とも分からん奴に娘はやれん!!貴様!よくも娘の純白を汚してくれたなぁ!!生きてこの家から出られると思うなよ!!」

声をあげ、勢いよくベンチから立ち上がる良介。

「りょ、良介さん?」

突然、大声をあげた良介に周りの通行人もギンガも唖然。腕の中の桜花は良介の大声を聞きぐずりそうになった。

「あっ、ゴメン、ゴメン。桜花〜」

ぐずりそうになった桜花を良介は慌ててあやし始めた。

 

桜花をあやし、冷静さを取り戻した良介は、ギンガに尋ねる。

「なぁ、ギンガ・・・・」

「なんです?」

「・・・・親バカかもしれないが、桜花はお前に似て、将来はべっぴんになることは間違いないだろう・・・・そうなれば当然、数多くの男が桜花に言い寄ってくる・・・・そして何れはその中の一人と恋仲になり、行く行くは結婚し、子供を・・・・つまり俺達の孫を産むわけだが、俺はその時、桜花を祝福出来るのだろうかと思ってな・・・・」

良介の言うとおり、桜花が生まれてからの良介は自他ともに認める親バカだ。それも重度の・・・・。

それはこの先、桜花が年をとっても治るか怪しい・・・・。

しかし、いつかは親離れ、子離れをする時は来る・・・・。

だが、自分はそれを受け入れられるだろうか?

良介はそれがたまらなく心配で不安だった。

ならばその時、良介に子離れを諭し、良介と共に桜花を祝福するのは妻である自分の役目であると、ギンガはそう思っている。

でも、その時が来るまではまだまだ時間的余裕がある。ならば、今のこの時間を・・・・桜花と共に過ごせる時間を大切にしていきたい・・・・。

そう思い、ギンガは良介に語る。

「大丈夫ですよ、良介さん。良介さんは桜花の幸せを誰よりも望んでいますもの・・・・きっとその時が来ても桜花が認めた相手ならば良介さんもきっと認めます・・・・そりゃあ、最初はイザコザがあるかもしれませんが・・・・」

「・・・・・・」

ギンガの言葉を良介は思慮深く聞いていた。

 

 

ギンガが再びアイスを食べ、良介は桜花をあやしながら公園を見渡していると、良介の視界にギンガと同じ量のアイスを持った人物が映った。

「おっ!?あれ?スバルじゃねぇか?」

「えっ?」

良介の声に反応したギンガがアイスから視界を移すと、確かに自分と同じくらいの量のアイスを手に持ったスバルがいた。

おそらく非番の日を一人で外をぶらりと食べ歩きでもしているのだろう。

「本当ですね。 おーい!スバル!!」

ギンガが片手を振り、スバルに声をかける。

声をかけられたスバルは辺りを見回し、良介の姿を視界にとらえると、良介の下にパタパタと駆け寄って来た。

「あれ?宮本さんじゃないですか?どうしたんですか?こんなところで?それに今、ギン姉の声がした様な気がしたんですけど・・・・」

スバルの視線が自分と同じ量のアイスを持つ、子供化したギンガを捉える。

「・・・・・」

「ん?どうしたの?スバル」

スバルは暫くの間、無言で子供化したギンガを見つけ、そんなスバルを不思議に思ったのか首を少し傾けるギンガ。

その仕草にまたも良介が(可愛い・・・・)と思ったのは内緒。

「も、もしかして・・・・ギン姉?」

「えっ?そうだけど?」

「・・・・・」

震える声で目の前にいる子供がギンガなのか確認を取るスバル。

そして目の前の子供がギンガだと知ると、再び無言になり、ギンガをジッと見るスバル。

「スバル?」

「・・・・・か・・・・」

「か?」

「可愛いぃぃぃ!!ギン姉!!可愛いよぉ〜!!お持ち帰りぃ〜」

突然大きな声をあげたと思ったら、ギンガに抱きつくスバル。

しかも自分の持っているアイスとギンガ持っているアイスが服に着かないように抱きついているので、ある意味器用に抱きついている。

「ちょ、スバル・・・・苦しい・・・・」

思いっきり抱きしめられたのか、ギンガは片目を瞑り、顔を少し歪める。

「スバル、ひとまずその辺にしておけ、ギンガが苦しがっている。お前は実の姉を絞め落とす気か?それにそのセリフはお前よりもティアナの方がなんかしっくり来るような気がするぞ」

「えっ?あわわわわ!!ご、ゴメン。ギン姉!!」

良介の冷静な指摘にスバルは我に返り、目の前で咳き込んで苦しんでいるギンガの姿を見ると、慌ててギンガを解放する。

ギンガは涙目になりながら息を整え始めた。

 

「それで、なんで?ギン姉は子供になっているんですか?宮本さん、まさかそういう趣味があったんですか?・・・・あだっ!!」

「はたくぞ?お前?」

「もう、叩いています・・・・」

スバルの余計なひと言に手をあげる良介。そして涙目で良介にツッコムスバルであった。

「で、なんで?ギン姉は子供になっているんですか?」

改めて、ギンガが子供化している訳を聞くスバル。

「ああ、実はな・・・・」

良介は先日あったはやてのお茶会で、はやてが妙な薬をお茶に混ぜ、良介を女にしようと画策していたのだが、誤ってそのお茶を良介(自分)では無く、ギンガが飲んでしまい、子供化してしまった事をスバルに話した。

「なるほど・・・・それで、ギン姉は元に戻るんですか?」

「それはわからん。はやては時間が経てば元に戻るだろうといってはいたが・・・・・」

「そうなんですか・・・・・」

理由を聞き、子供化したギンガをまじまじと見るスバル。

「そういう訳だから、たとえ、外見が子供になっても今のところ私は大丈夫よ、スバル」

「うん・・・・」

「そう?まぁ、お父さんやチンク達にあまり心配をかけたくないから、この事はそんなに大げさにしなくてもいいからね?」

「うん・・・・」

先程から瞬きもせず、同じ言葉を繰り返すスバル。

そんなスバルにギンガはちゃんと自分の言葉が伝わっているのか確認をとった。

「ねぇ、スバル。ちゃんと聞いている?」

「うん、聞いているよ・・・・安心してギン姉」

「そう、それならいいんだけど・・・・・」

「うん、大丈夫。ギン姉は私が責任を持って絶対に幸せにするからね」

そう言って叫ぶギンガを無視して、スバルはその小さな身体を再び抱き締めた。

「・・・ちょっと、スバル!!貴女ちっとも聞いてないじゃない!?それに私はもう良介さんと結婚しているのよ!!」

「大丈夫、ギン姉は宮本さんと私で交互にお世話するから」

「いい加減にしなさい!!」

しかし、そのすぐ後、スバルはギンガによって思いっきり、脳天をはたかれた。

 

「うぅ〜酷いよぉ〜ギン姉ぇ〜」

「自業自得よ!!」

それから暫くし、買い物を終えたアリサとミヤがやってきて、スバルを含めた皆で、レストランで昼食をとった。

アイス同様、子供化してもギンガの食欲は子供化する前と同じで、スバルの分を含め、テーブルには二つの山盛りの料理があり、他のお客やレストランの従業員の注目されることは言うまでも無かった。

特にギンガは見た目が小学生低学年くらいの容姿なので、特に注目された。

食後、スバルが明日も非番なので、今日は宮本家に泊まりたいと言ってきたので、帰りはスバルも一緒だった。

その帰り道、

「ね、ねぇ、ギン姉、手を繋・・・・」

「大丈夫だから!!」

スバル本人としては、本当は抱っこしたかったのだが、それだとまたギンガが怒りそうだったから、手にしたのだが、スバルが言い終える前にギンガは先制し、スバルの願いを却下した。

仕方なく良介がギンガの代わりに桜花をスバルに抱っこさせた。

ギンガではないが、幼く、可愛い姪を抱っこ出来たスバルは嬉しそうだった。

しばらくはそのままで歩いて帰路へついていたのだが、その途中でギンガが・・・・。

「ふぎゃっ!!」

 

こけた・・・・

 

「ちょ、大丈夫か?ギンガ?」

「うぅ〜・・・だい、じょう、ぶ・・・・です・・・・うぅ〜」

大丈夫と言うが、ギンガは子供化して、涙腺が脆くなっており、既に涙目、しかも膝をすりむいてそこから血が出ていた。

「いや、そんな涙目で言われても、ちっとも大丈夫そうには見えないぞ。・・・・しょうがない」

「きゃっ、ちょっと良介さん!?」

「こら、暴れるな!!落ちるぞ、ギンガ!?」

「だ、だって・・・・」

こけたギンガを良介がひょいっと持ち上げると、ギンガは顔を真っ赤にして抗議してきた。

「なんだ?抱っこよりもおんぶの方が良かったか?それとも肩車か?いや、お姫様抱っこの方が・・・・」

良介が軽口の冗談を言っていたら、

「良介さんのバカ!!」

と、ギンガは良介をポカポカと叩き出した。

「ゴメン、ゴメン、でも、今のギンガは本当に可愛いからな」

分かっていても子供扱いと笑うのが止められない。

スバルもアリサもミヤも笑いを必死に堪えている。

案の定ギンガはプイッと良介から顔を逸らし、完全に拗ねた。

「でもね、ギン姉、こういう時くらい甘えてもいいんじゃない?・・・・あっ、宮本さんに甘えるのはいつもの事か?」

「ええ、ただ人前で子供扱いされるのに慣れていないだけよ」

「スバル!!それにアリサさんまで!!もうっ・・・・//////

それだけ呟いて、顔を赤くしたまま良介の肩口に顔を埋めるギンガは、最高に可愛いと桜花を除くその場にいた皆がそう思った。

桜花はいつもとは違う姿の母とそんな母親の行動が面白かったのか、ギンガを見て微笑んでいた。

 

 

トントントン・・・・・

包丁を扱う音が台所から聴こえ、リビングに響く。

六課卒業後、スバルは特別救助隊の独身寮生活となり、自炊生活をすることが多くなり、とりあえずある程度の物が作れる様にはなっている。・・・・勿論作る量、消費する良は多いが・・・・・・。

ちなみに良介は今、桜花をお風呂に入れている。

「あとはこれをお鍋に入れて・・っと・・・・・」

「スバル・・・・」

「ん、どうしたの?ギン姉?」

「本当に私も手伝わなくていいの?」

何もしていないのが落ち着かないのかソワソワした様子のギンガがスバルに尋ねる。

「大丈夫だよ。ギン姉。アリサさんもいるし・・・・」

「でも、せっかく今日アリサさんが手に合った料理器具を買ってきてくれたのに・・・・」

「だけど、もうすぐで完成だし」

「そうよ、ギンガ。せっかく今日はスバルがいるのだもの。ここはスバルの行為に甘えなさい。買ってきた器具だって明日から使えばいいでしょう?」

「は、はい・・・・」

アリサにそう言われ、納得したのかギンガはリビングへ戻っていく。

しかし、その表情は渋々といった感じだった。

それを見てスバルは、「やっぱり今のギン姉は可愛いな〜」と、思った。

 

「ん、よし、こんなもんかな・・・・」

スバルとアリサは出来上がったお味噌汁とおかず、それからご飯を配膳すると、ギンガが待つリビングのテーブルへと運んで行く。

「お待ちどう様〜ご飯、出来たよ〜ギン姉〜」

「うん、ありがとうスバル・・・・」

「ん?どうしたの?ギン姉?」

「ごめんね、スバル、色々してもらっちゃって折角の非番だったのに・・・・アリサさんも・・・・」

複雑そうな表情をしていたギンガにスバルが声をかけると、ギンガは申し訳なさそうに呟く。

スバル本人としては「姉妹なんだし、そんなに気にしなくていいのになぁ〜」と思うけど、そこがギンガらしいと思い、おもわず笑ってしまった。

「ちょ、どうして笑うのよ?スバル!?」

「あはは、ごめん、ギン姉らしいな〜って思ってさ。そんなの気にしなくていいんだよ?」

「だって、してもらうばっかりなのよ、気にするに決まっているじゃない!!」

「うーん、まぁその気持ちは分かるけどねぇ〜」

昔から几帳面で責任感が強くて、クイントが死んでからずっとスバルの面倒をみてきたギンガにしてみれば、自分が一方的に面倒をみられるだけ、という現状が不満で仕方ないのだろう。

「でもギン姉、あたしは嬉しいよ?」

「スバル?」

「あたしの方こそ今までギン姉にしてもらうばっかりだったから・・・・小さい頃は、それこそギン姉に甘えてばかりで。大きくなってからは、職場も寮も別々だったから。・・・・だからこそ、こんな風にギン姉の役に立てることも、全然なくて。・・・・だからね、こんな時くらいあたしに頼って甘えてくれた方が、あたしは嬉しいんだよ、ギン姉」

「・・・・うん、ありがとう・・スバル//////

美しい姉妹愛を演出するギンガとスバル。

(うわぁ〜やっぱり、今のギン姉かわいい〜)

遠慮がちに微笑むギンガは、反則的に可愛かった。

良介は後にそんなギンガの顔を見れなかったことを悔しんだと言う。

 

 

あとがき

子供化してしまったギンガの下にスバルが登場。

本来、姉である筈のギンガが子供化してしまった事からスバルとの姉妹位置が逆転。

しかも周囲から完全に子供扱い・・・・。

ギンガの不幸?は、まだ続きます。

では、次回にまたお会いしましょう。